説明

ゲームプレイ体験を変化させるための音声のインポート

【課題】ユーザが選択した外部音声コンテンツのインポート及び使用を通じて、動的で面白いゲーム環境を提供する。
【解決手段】インポートされた音声コンテンツに基づいてコンピュータゲームのゲームプレイを改変する。コンピュータゲームへインポートすべき外部音声コンテンツの選択を受け、選択された音声コンテンツをコンピュータゲームへインポートする。次いで、インポート音声コンテンツの一つ以上の音響特性が、インポート音声コンテンツを解析することにより取得される。この後、音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、コンピュータゲームの一つ以上のグラフィック要素を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、コンピュータゲーム、特に、コンピュータを利用したゲームへの外部音声のインポートに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]音声は、それが音響効果(効果音)の形であれ楽曲の形であれ、コンピュータゲーム世界全般にわたる多様なコンピュータゲームにおいて必要不可欠な役割を演ずる。音響効果は、コンピュータゲームでは、例えば、魔法をかける等のグラフィックアニメーションに生命を与えたり、劇的な場面のムードを強化したり、更には声の演技を用いて物語のナレーションを入れるために、しばしば使用される。更に、多くのゲームは、ユーザのために没入感のあるゲーム体験を作り出すため、先進的な音響技術をゲームプレイに組み込んでもいる。例えば、多くのゲームは、多重チャンネルサラウンドサウンドの使用を組み込んでいる。このサラウンドサウンドは、仮想ゲームプレイ環境内の音響効果に方向成分を加え、ユーザのゲームプレイ体験と仮想世界への没入性を強化する。このように、音声は、コンピュータゲームのあらゆるジャンルにわたって、絶えず増大する役割を演じ続けている。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の実施形態は、外部音声コンテンツをコンピュータゲームに組み込むための方法、コンピュータ読取り可能記憶媒体、及びシステムを提供する。この方法、コンピュータ読取り可能記憶媒体、及びシステムは、コンピュータゲームへインポートすべき外部音声コンテンツの選択をユーザから受けることを含む。ここで、この外部音声コンテンツは、コンピュータゲームの内部音声コンテンツとは独立のものである。更に、この方法、コンピュータ読取り可能記憶媒体、及びシステムは、インポートされた音声コンテンツを解析して、その音声コンテンツの一つ以上の音響特性を取得することを含む。この方法、コンピュータ読取り可能記憶媒体、及びシステムは、音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基いて、コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を変化させることも含む。
【0004】
[0004]上述の態様を実現する方法を詳しく理解できるように、上記で簡単に要約した本発明の実施形態のより具体的な説明を、添付の図面を参照しながら行う。
【0005】
[0005]しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施形態を図示しているに過ぎず、したがって、本発明の範囲を制限すると考えるべきでないことには注意されたい。なぜなら、本発明は、他の等しく効果的な実施形態を包含してよいからである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態に係る、コンピュータゲームへの音声のインポートを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、コンピューティング環境のクライアント−サーバ図を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る、コンピュータゲーム中のシールドとして使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。
【図4】本発明の一実施形態に係る、コンピュータゲーム中の武器として使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。
【図5A】本発明の実施形態に係る、コンピュータゲーム中の武器として使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。
【図5B】本発明の実施形態に係る、コンピュータゲーム中の武器として使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。
【図6】本発明の一実施形態に係る、インポート音声に基づいてコンピュータゲームのゲームプレイを変化させる方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0012]本発明の実施形態は、コンピュータゲームへの音声コンテンツのインポートに関する。特定の実施形態は、インポートされた音声コンテンツに基づいて、コンピュータゲームのゲームプレイを変化させる。例えば、ある実施形態は、インポート音声コンテンツをコンピュータゲーム内の音響銃に関連して使用し、それによってユーザが、インポート音声コンテンツをコンピュータゲーム内の敵(例えばモンスター)に対抗する武器として効果的に使用できるようにしてもよい。更に、実施形態は、インポート音声コンテンツを解析して、そのインポート音声コンテンツの音響特性を取得してもよい。その後、実施形態は、この取得された音響特性に基いて、コンピュータゲームのゲームプレイを変化させてもよい。例えば、インポート音声コンテンツを音響銃に関連して使用する上記の例を続けると、音響銃の挙動を、銃から発射されるインポート音声コンテンツの音響特性に基づいて決定してもよい。好適には、これを行うことによって、本発明の実施形態は、ユーザが選択した外部音声コンテンツのインポート及び使用を通じて、動的で面白いゲーム環境を提供してもよい。
【0008】
[0013]以下では、本発明の実施形態を参照する。しかし、本発明は、記載した特定の実施形態に限定されるものではないと理解されたい。むしろ、様々な実施形態と関連があるか否かに関係なく、以下の特徴及び要素の任意の組合せが本発明を実現及び実施するために考慮される。更に、本発明の実施形態は他の可能な解決手段及び/又は先行技術を上回る利点を達成するかもしれないが、特定の利点が所与の実施形態によって達成されるか否かによって本発明が限定されることはない。このように、以下の態様、特徴、実施形態、及び利点は単に例示的なものであり、請求項に明記される場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は限定とは考えられない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書に開示される任意の発明の主題を一般化するものと解釈すべきでなく、また、請求項に明記される場合を除き、添付の特許請求の範囲の要素又は限定と考えるべきではない。
【0009】
[0014]当業者には理解できるように、本発明の態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として実現されてもよい。したがって、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又は、本明細書で全て一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶかもしれない、ソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形をとってもよい。更に、本発明の態様は、コンピュータ読取り可能なプログラムコードを搭載した一つ以上のコンピュータ読取り可能媒体中に実装されたコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。
【0010】
[0015]一つ以上のコンピュータ読取り可能媒体の任意の組合せを利用することができる。このコンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータ読取り可能な信号媒体であってもよいし、コンピュータ読取り可能な記憶媒体であってもよい。コンピュータ読取り可能記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体のシステム、装置又はデバイス、あるいはこれらの任意の組合せであってもよい。ただし、これらに限定されるわけではない。コンピュータ読取り可能記憶媒体のより具体的な例(非包括的なリスト)には、一本以上の線を有する電気的な接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又はこれらの任意の適切な組み合わせが含まれる。本書において、コンピュータ読取り可能記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって使用され又はそれらに関連して使用されるプログラムを含み又は格納することの可能な任意の有形の媒体であってもよい。
【0011】
[0016]コンピュータ読取り可能信号媒体は、例えば、ベースバンド中に実装され、あるいは搬送波の一部として実装されたコンピュータ読取り可能プログラムコードを有する伝搬データ信号を含んでもよい。そのような伝搬信号は、電磁的形態、光学的形態、又はそれらの任意の適当な組合せを含む様々な形態のいずれをとってもよい。ただし、これに限定されるものではない。コンピュータ読取り可能信号媒体は、コンピュータ読取り可能記憶媒体ではない任意のコンピュータ読取り可能媒体であって、命令実行システム、装置又はデバイスによって使用され又はそれらに関連して使用されるプログラムを通信、伝搬又は運搬することの可能な媒体であってもよい。
【0012】
[0017]コンピュータ読取り可能媒体上に実装されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等、又はそれらの任意の適当な組合せを含む任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。ただし、これに限定されるわけではない。
【0013】
[0018]本発明の態様のための操作を実行するコンピュータプログラムコードは、一つ以上のプログラミング言語を任意に組み合わせて書いてよい。このプログラミング言語には、オブジェクト指向プログラミング言語、例えばJava、Smalltalk、C++、その他の言語や、伝統的な手続き形プログラミング言語、例えば“C”プログラミング言語や同様のプログラミング言語が含まれる。このプログラムコードは、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、全体的にユーザのコンピュータ上で実行されるか部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよいし、あるいは、部分的にユーザのコンピュータ上で実行され、かつ部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよいし、全体的にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。後半の想定では、リモートコンピュータはローカルエリアネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよいし、あるいは外部のコンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)接続を行ってもよい。
【0014】
[0019]本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら以下で説明する。フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における複数のブロックの組合せを、コンピュータプログラム命令によって実現できることが理解できるだろう。このコンピュータプログラム命令は、一つのマシンを作るために、汎用コンピュータ、特定目的コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行されるその命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定される機能や動作を実施する手段を作るようになっていてもよい。
【0015】
[0020]このコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置又は他のデバイスを特定の方法で機能するように制御することの可能なコンピュータ読取り可能媒体に格納されてもよく、それにより、そのコンピュータ読取り可能媒体に格納された命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定される機能や動作を実施する命令を含む製品を作るようになっていてもよい。
【0016】
[0021]また、このコンピュータプログラム命令は、一連の操作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置又は他のデバイス上で実行させてコンピュータ実施プロセスを生成するために該コンピュータ、他のプログラム可能な装置又は他のデバイス上にロードされてもよく、それにより、該コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行されるその命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定される機能や動作を実施する工程を提供するようになっていてもよい。
【0017】
[0022]ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るコンピュータゲームへの音声のインポートが図示されている。全体として、概略図100は、様々な外部ソース105からコンピュータゲーム110への音声のインポートを示している。図示のように、外部ソース105は、種々のコンピュータ読取り可能媒体及び外部音源を含む。CD−ROM、フラッシュメモリデバイス、携帯電話、音楽プレーヤー装置(例えば、Apple iPod(登録商標)やMicrosoft Zune(登録商標))を含む典型的なコンピュータ読取り可能媒体が示されている。更に、外部音源は、ユーザの声(例えば、マイクロフォンの使用を通じたもの)を含んでもよく、また更に、楽器(例えば、ギターやサウンドシンセサイザ)などの追加の音声生成装置を含んでもよい。より一般的には、外部ソース105は、コンピュータゲームの外部にある任意の媒体や装置であって、音響効果(効果音)を記憶又は生成することができ、そこから音響効果をコンピュータゲーム110内へインポートできるものであってよい。
【0018】
[0023]コンピュータゲーム110は、一般に、ここで説明する機能を実行することができる任意のコンピュータシステム上で動作する任意のコンピュータゲームであってよい。例えば、コンピュータシステム110は、Microsoft Windows(登録商標)オペレーティングシステムのあるバージョンを実行しているパーソナルコンピュータであってもよい。第二の例として、コンピュータシステム110は、専用のゲームコンソール(例えば、Sony PS3(登録商標)やMicrosoft Xbox 360(登録商標))であってもよい。更に、コンピュータシステム110がモバイル装置であってもよいことが考えられる。典型的なモバイル装置は、スマートフォン(例えば、Apple iPhone(登録商標))などの汎用モバイル装置、及び、専用ゲームモバイル装置(例えば、Sony PSP(登録商標))を含んでもよい。より一般的には、コンピュータシステム110は、コンピュータゲームを実行して、ここで説明される機能を実行することができる任意のコンピュータシステムであってよい。
【0019】
[0024]上述のように、概略図100は、外部ソース105からコンピュータゲーム110への音声コンテンツのインポートを表す。ひとたびコンピュータゲーム110へインポートされると、そのインポートされた音声コンテンツは、コンピュータゲーム110内で一つ以上のグラフィック要素を変化させるために使用することができる。例えば、魔法をかけることができるアバターをユーザが制御するコンピュータゲーム110では、インポート音声コンテンツが特定の魔法に関連付けられていて、ユーザが魔法をかけるときに、コンピュータゲーム110が、その魔法のために表示されるグラフィック効果(エフェクト)をインポート音声コンテンツの特性に基づいて表示できるようになっていてもよい。すなわち、ユーザが第一のインポート音声コンテンツを使用して魔法をかけるとき、表示されるグラフィック効果は、ユーザが第二のインポート音声コンテンツを使用して同じ魔法をかけるときと異なっていてもよい。実施形態は、コンピュータゲーム110のグラフィック要素をどのように変化させるかを、インポート音声コンテンツの解析に基づいて決定してもよい。そのような解析は、周波数分布の計測、テンポの計測、インポート音声コンテンツの分類、その他の解析を含んでよい。好適には、これを行うことによって、本発明の実施形態は、より動的なゲームプレイ体験をユーザのために作り出してもよい。
【0020】
[0025]更に、本発明の実施形態は、インポートされた音声コンテンツのユーザ選択に基づいて、コンピュータゲーム110の一つ以上のゲームプレイ要素を変化させてもよい。例えば、魔法をかけることができるアバターをユーザが制御するコンピュータゲーム110の上記の例を用いると、特定の魔法の特性を、ユーザによって選択されたインポート音声コンテンツに基づいて決定してもよい。例えば、攻撃魔法によって与えられるダメージの量が、インポート音声コンテンツの選択に基づいて決定されてもよい。他の例としては、魔法のダメージの種類、魔法の射程、魔法の範囲(エリア)、魔法の進行速度などが挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明の実施形態は、どのゲームプレイ要素を変化させるべきか、そしてそのゲームプレイ要素をどのように変化させるべきかを、インポート音声コンテンツの解析に基づいて決定してもよい。更に、本例は魔法をかけることを特徴とするコンピュータゲームに関連しているが、そのような例は限定的なものではなく、例示的なものに過ぎない。また、当業者は、本発明の実施形態が種々のジャンルの多様なコンピュータゲームで利用できるとすぐに理解できるだろう。
【0021】
[0026]本発明の実施形態はまた、インポートされた音声コンテンツに基いて、コンピュータゲーム110の一つ以上の音声要素を変化させてもよい。例えば、本発明の一実施形態によれば、ユーザは、コンピュータゲーム110の仮想世界内のシールドとして使用すべきインポート音声コンテンツを選択してもよい。そのような実施形態では、コンピュータゲーム110は、シールドが作動している間、そのインポート音声コンテンツを演奏してもよい。更に、シールドが仮想世界内でダメージを受けると、コンピュータゲーム110は、インポート音声コンテンツの再生を改変してもよい。例えば、シールドがダメージを受けて崩壊するにつれて、音響効果の低音(バス)及び/又は音量を変更してもよい。好適には、これを行うことにより、本発明の実施形態は、より没入感のある動的なコンピュータゲーム環境をユーザために作り出してもよい。
【0022】
[0027]図2は、本発明の一実施形態に係るコンピューティング環境のクライアント−サーバ概念を示すブロック図である。図示のように、コンピューティング環境200は、クライアントコンピュータ220、ネットワーク210、及びサーバシステム275を含む。一実施形態において環境200は、既存のコンピュータシステム(例えば、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ゲームコンソール、携帯型ゲーム装置など)を含んでもよい。しかし、図2に示されるコンピューティング環境200は、本発明の実施形態を使用することが可能なコンピューティング環境の一例に過ぎない。コンピュータシステムが複雑なマルチユーザコンピューティングシステム(例えば、高速ネットワークによって接続された複数の個別コンピュータ、複数の単一ユーザワークステーション又は不揮発性ストレージを持たない複数のネットワーク機器からなるクラスタ)であるか否かにかかわらず、本発明の実施形態は様々に実施されてよい。また、図2はクライアント−サーバモデルを示しているが、他のモデルとしてピアツーピアモデルなどが考えられる。
【0023】
[0028]図示のように、各クライアントコンピュータ220は、クライアントメモリ240及びクライアントストレージ235からバス230を介して命令及びデータを取得する処理装置225を含んでいる。処理装置225は、命令処理、論理処理及び数学的な処理を実行するプログラム可能な論理装置であり、これは、一つ以上のCPU及び/又はGPUの代表であってもよい。クライアントストレージ235は、クライアントコンピュータ220による使用のためにアプリケーションプログラム及びデータを格納する。メモリ240は、必要なプログラム及びデータ構造を保持するために十分に大きな容量の任意のメモリである。メモリ240は、ランダムアクセスメモリや不揮発性メモリ又はバックアップメモリ(例えば、プログラム可能メモリ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、その他)を含むメモリ装置の一つ又はそれらの組合せとすることができる。更に、メモリ240及びストレージ235は、物理的に他の場所、例えばバス230を介してクライアントコンピュータ220に接続された別のコンピュータ上、に配置された記憶装置を含むものと考えてもよい。
【0024】
[0029]クライアントストレージ235には、ハードディスク装置、フラッシュメモリ装置、光媒体などが含まれる。クライアントコンピュータ220は、ネットワーク210に動作可能に接続されている。クライアントメモリ240は、オペレーティングシステム(OS)245及びゲームプログラム250を含む。オペレーティングシステム245は、クライアントコンピュータ220の動作を管理するために使用されるソフトウェアである。OS245の例としては、UNIX、Microsoft Windows(登録商標)オペレーティングシステムのあるバージョン、及びLinux(登録商標)オペレーティングシステムのディストリビューションが挙げられる(注 Linuxは、米国及び他の国においてLinus Torvaldsの商標である)。OS245の他の例としては、ゲームコンソール用のカスタムオペレーティングシステムが挙げられ、これにはMicrosoft Xbox 360(登録商標)及びSony PS3(登録商標)などのシステム用のカスタムオペレーティングシステムが含まれる。
【0025】
[0030]ゲームプログラム250は、音声インポートコンポーネント255及び音声解析コンポーネント260を含む。音声インポートコンポーネント255は、全体として、ユーザが外部音源(例えば外部ソース105)から外部音声コンテンツを選択し、その選択した外部音声コンテンツをゲームプログラム250へインポートすることを可能にする。そのようなインポートは、外部音声コンテンツの第一の符号化フォーマットから第二の符号化フォーマットへの変換を含んでいてもよい。音声解析コンポーネント260は、全体として、インポートされた音声コンテンツを解析して、その音声コンテンツの一つ以上の音響特性を取得する。例えば、そのような音響特性は、周波数分布(すなわちスペクトル成分)、テンポ、音量、ジャンル、その他の計測データを含んでいてもよい。
【0026】
[0031]更に、音声解析コンポーネント260は、インポートされた音声コンテンツに対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)又は時間ベース高速フーリエ変換(Time−Based Fast Fourier Transform:TFFT)を実行することによって、そのインポート音声コンテンツの周波数分布を取得してもよい。更に、本発明の実施形態によれば、他の種類の音響解析をインポート音声コンテンツに対して実行することも可能である。そのような音響解析の例としては、過渡検出、二乗平均平方根(RMS)検出、ピークレベル検出、ステレオ位相差、及び離散ウェーブレット変換(DWT)が含まれる。ただし、これに限定されるものではない。より一般的には、ここで説明する機能と整合する任意の音響解析技術を、インポート音声コンテンツの音響特性を取得する際に使用してもよいと考えられる。ゲームプログラム250は、インポート音声コンテンツの取得された音響特性に基づいて、コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を改変してもよい。ここで使用されるように、コンピュータゲームのゲーム体験属性は、一般に、コンピュータゲームのグラフィック要素(すなわち、ゲーム内の要素の外観)、コンピュータゲームのゲームプレイ要素(すなわち、ゲーム内の要素の挙動)、及びコンピュータゲームの音声要素(すなわち、ゲーム内の要素に関連付けられた音声)を指す。
【0027】
[0032]ある実施形態では、各クライアントは、ゲームプログラム250を実行することができる専用ゲームコンソール(例えば、Sony PS3(登録商標)やMicrosoft Xbox 360(登録商標))である。別の実施形態では、各クライアントは、任意の種類のゲームソフトウェア及び非ゲームソフトウェアを実行するように構成された汎用コンピュータである。ゲームは、表示装置265(例えばLCD、LED、又はCRTモニタディスプレイ)上で見られてもよく、また、入力装置270(例えば、キーボード、マウス、及び/又はコントローラ)を使用して制御されてもよい。
【0028】
[0033]図示のように、サーバシステム275は、クライアントコンピュータ220と同じ基本ハードウェア要素を含む。具体的には、サーバシステム275は、バス285を介して接続された処理装置280(一つ以上のCPU及び/又はGPUの代表)、メモリ295、及びストレージ290を含んでいる。サーバシステム275は、ネットワーク210に動作可能に接続されてもよい。ここで、ネットワーク210は、任意の種類のデータ通信ネットワークを一般的に表している。したがって、ネットワーク210は、ローカルエリアネットワーク及びワイドエリアネットワーク(インターネットを含む)の双方を表してもよい。ある実施形態では、サーバシステム275は、一つ以上のクライアントコンピュータ220が接続するオンラインゲーム環境のホストとなる。この場合、サーバ側ゲームソフトウェアは、サーバシステム275上に置かれ、対応するクライアントコンピュータ220上に置かれたクライアント側ゲームソフトウェア(例えばゲームプログラム250)と連携してもよい。
【0029】
[0034]本発明の実施形態は、特に、クラウドコンピューティングインフラストラクチャを通じてエンドユーザに提供されてもよい。クラウドコンピューティングは、一般に、スケーラブルなコンピューティングリソース(計算リソース)を、ネットワークを介したサービスとして提供することを指す。より正式には、クラウドコンピューティングは、コンピューティングリソース及びその基礎をなす技術アーキテクチャ(例えばサーバ、ストレージ、ネットワーク)間の抽象化を提供するコンピューティング機能であって、最小限の管理労力又はサービスプロバイダインタラクションで迅速に設定及びリリースすることのできるコンフィギュラブル(構成可能)なコンピューティングリソースの共有プールへの、便利でオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするコンピューティング機能として定義してもよい。したがって、クラウドコンピューティングは、コンピューティングリソースを提供するために使用される基礎的な物理システム(あるいは、それらのシステムの場所)にかかわらず、「クラウド」中の仮想コンピューティングリソース(例えば、ストレージ、データ、アプリケーション、更には完全仮想化コンピューティングシステムまで)にユーザがアクセスすることを可能にする。
【0030】
[0035]クラウドコンピューティングリソースは、利用回数料金制(pay−per−use)でユーザに提供されてもよい。利用回数料金制では、実際に使用されたコンピューティングリソース(例えば、ユーザによって消費されたストレージ空間の量や、ユーザによってインスタンス化された仮想化システムの数)に対してだけユーザは料金を請求される。ユーザは、クラウド中に存在するどのリソースにも、いつでも、インターネットを介してどこからでもアクセスすることができる。本発明との関連では、ユーザは、クラウド中で利用できるアプリケーション(例えば、音声インポートコンポーネントを実行するように構成されたコンピュータゲーム)又は関連データにアクセスしてもよい。例えば、音声インポートコンポーネントを用いて構成されたコンピュータゲームは、クラウド中のコンピューティングシステム上で実行することができ、ユーザが外部音声コンテンツをコンピュータゲームへインポートすることを可能にする。そのような場合、コンピュータゲームの音声解析コンポーネントは、インポートされた音声コンテンツを解析して、そのインポート音声コンテンツの音響特性を取得することができ、その取得した音響特性をクラウド中のある記憶場所に格納する。その後、このコンピュータゲームは、インポートされた音声コンテンツについて取得した音響特性に基づいて、ゲームをプレイしているユーザのゲームプレイ体験を改変してもよい。このようにすることで、ユーザは、クラウド(例えばインターネット)に接続されたネットワークに付された任意のコンピューティングシステムから、インポート音声コンテンツ情報にアクセスすることが可能になる。
【0031】
[0036]更に、本発明の一実施形態では、ユーザは、コンピュータゲームの仮想世界内の仮想シールドとして使用される特定のインポート音声コンテンツを選択してもよい。例えば、図3は、本発明の一実施形態に係る、コンピュータゲーム内のシールドとして使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。図示のように、スクリーンショット300は、仮想世界内のユーザを表すアバター305を含む。ここで、アバター305は仮想シールド310によって囲まれており、この仮想シールド310の特性は、ユーザによって選択されたインポート音声コンテンツの特性によって制御されている。スクリーンショット300は、仮想世界内の2匹の仮想モンスター315を更に示している。
【0032】
[0037]上記のように、コンピュータゲームの音声解析コンポーネント260は、インポート音声コンテンツの解析を実行して、ユーザが選択したインポート音声コンテンツの一つ以上の音響特性を取得してもよい。コンピュータゲームは、次いで、インポート音声コンテンツの取得された音響特性に基づいて、ゲームの一つ以上のグラフィック要素、ゲームプレイ要素及び音声要素を変化させてもよい。例えば、図示の例との関連では、コンピュータゲームは、インポート音声コンテンツの周波数分布等の音響特性に基づいて、ユーザのアバター305を囲んでいるシールド310の外観を改変してもよい。一例として、インポート音声コンテンツの周波数分布に基づいて、シールド310の色を動的に変更してもよい。その周波数分布は、インポート音声コンテンツの全部又は一部にわたって計測され、あるいはその音声コンテンツの再生中の現在の瞬間に計測されてもよい。第二の例として、インポート音声コンテンツが(インポートされた音響効果とは対照的に)事実上音楽である場合、シールド310は、インポート音声コンテンツのビートに合わせて脈動するように構成されていてもよい。好適には、本発明の実施形態は、コンピュータゲームのゲームプレイ体験を音声コンテンツのユーザによる選択に合わせ、それによって、より動的で没入感のあるゲームプレイ体験を作り出してもよい。
【0033】
[0038]本発明の一実施形態では、シールド310に関連付けすべきインポート音声コンテンツをユーザが選択すると、ゲームプログラム250は、その選択された音声コンテンツを再生してユーザが聴けるようにしてもよい。これを行うことによって、本発明の実施形態は、ユーザがコンピュータゲームをプレイする間、ユーザが好む音楽を聴くようにユーザを促してもよい。更に、ゲームプログラム250は、一つ以上のゲームプレイ要素に基づいて、再生されている音声コンテンツを改変してもよい。例えば、ゲームプログラム250は、シールド310が(例えば、時間の経過とともに、あるいは受けるダメージに基づいて)崩壊するにつれて、シールド310に関連付けられたインポート音声コンテンツの再生を改変してもよい。例えば、シールド310が崩壊するにつれて、ゲームプログラム250は音声コンテンツの音量を低減してもよい。これを行うことによって、本発明の実施形態は、シールド310上に残っている時間や耐久度をユーザに知らせてもよい。
【0034】
[0039]本発明の更に別の実施形態では、ゲームプログラム250は、インポート音声コンテンツのユーザによる選択に基づいて、一つ以上のゲームプレイ要素を変化させてもよい。例えば、図示された仮想モンスター315が第一の種類の音声に対応しており、ユーザのアバター305が第二の種類の音声の特定のシールド310を使用しない限り、アバター305にダメージを与えてもよい。一例として、モンスター315は特定の音楽のジャンル(例えばクラシック音楽)に対応してもよく、ユーザは、モンスター315からの攻撃を適切に防御するシールドを作るために、反対の音楽ジャンル(例えばロック音楽)からインポート音声コンテンツを選択する必要があってもよい。そのような例では、ゲームプログラム250は、モンスターを表すために特定のグラフィック効果を使用して、モンスター315の音楽の種類を示してもよい。本発明の一実施形態では、ゲームプログラム250は、ユーザがモンスター315に遭遇するときに、特定の音響効果を演奏することによって音楽の種類を示してもよい。好適には、これを行うことによって、本発明の実施形態は、ユーザがインポート音声コンテンツを使用して解くべき動的なパズルを生成し、その結果、ユーザのゲームプレイ体験を強化してもよい。
【0035】
[0040]本発明の一実施形態では、ゲームプログラム250は、インポート音声コンテンツがゲームプレイの一部として使用されるときにインポート音声コンテンツの特定の特徴だけが残るように、インポート音声コンテンツに対して一つ以上の変換操作を実行してもよい。例えば、音声解析コンポーネント260は、インポート音声コンテンツを(例えば、粒状合成(グラニュラーシンセシス)、インポート音声コンテンツの逆再生、その他を使用して)処理して、変換された音声コンテンツを生成してもよい。その後、ユーザは、ゲームプログラム250のゲームプレイを変化させるために、その変換音声コンテンツを仮想世界内で再生してもよい。これを行うことにより、実施形態は、強化されたいっそう面白いゲーム体験を作り出すことできる。というのも、特定のインポート音声コンテンツは、変換されると驚くべき特徴を有することがあるからである。実施形態は、また、ゲームをプレイしているユーザに様々な種類の音声コンテンツをインポートする実験を促すことによって、ゲームプログラム250の再プレイ性を高めてもよい。
【0036】
[0041]更に、上述のように、本発明の一実施形態は、ゲームの仮想世界内の武器として使用される特定のインポート音声コンテンツをユーザが選択できるように構成されたゲームプログラム250を含む。例えば、図4は、本発明の一実施形態に係る、コンピュータゲーム内の武器として使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。図示のように、スクリーンショット400は、仮想世界内のモンスター415に向けて音響武器を発射しているアバター405を示している。ここで、アバター405は、インポート音声コンテンツのユーザによる選択に基づいて特定の効果(エフェクト)410を発する武器とともに示されている。つまり、ユーザは、特定のインポート音声コンテンツをその武器に関連付けることができ、ユーザがモンスター415に向けて武器を発射するとき、ゲームプログラム250は、武器によって発せられる効果410を、関連付けられた音声コンテンツに基づいて決定する。
【0037】
[0042]また、音声解析コンポーネント260は、インポート音声コンテンツを解析して、そのコンテンツの一つ以上の音響特性を取得してもよい。ゲームプログラム250は、その後、音響武器に関連付けられた音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、その音響武器の挙動を決定してもよい。一例として、ゲームプログラム250は、音響武器に関連付けられたインポート音声コンテンツの取得されたテンポに基づいて、音響武器の発射率を調節してもよい。第二の例として、ゲームプログラム250は、選択された音声コンテンツの周波数分布に基づいて、武器によって発せられるグラフィック効果410の外観を調節してもよい。例えば、より高音のトーンを有する音声コンテンツが、第一のグラフィック効果を用いて表示され、より低音のトーンを有する音声コンテンツが、異なる第二のグラフィック効果を用いて表示されてもよい。
【0038】
[0043]更に、ゲームプログラム250は、選択された音声コンテンツの取得された音響特性に基づいて、一つ以上のゲームプレイ要素を改変してもよい。例えば、上述のシールドの例と同様に、音響武器は、それが第一のジャンルのインポート音声コンテンツに関連付けられているときは、反対の音楽ジャンルのモンスター415に対して、より有効であってもよい。一例として、ロック音楽のジャンルのインポート音声コンテンツに関連付けられた音響武器は、クラシック音楽のジャンルのモンスター415に対して、より有効であってもよい。好適には、これを行うことにより、本発明の実施形態は、インポート音声コンテンツを選択することでパズルを解くようにユーザを促すことにより、いっそう動的で没入感の高いゲームプレイ体験をユーザのために作り出してもよい。
【0039】
[0044]図5A〜5Bは、本発明の実施形態に係る、コンピュータゲーム内の武器として使用されるインポート音声を示すスクリーンショットである。図示のように、図5Aは、武器効果(エフェクト)510を生成する第一のインポート音声コンテンツに関連付けられた音響武器を発射しているアバター505を示すスクリーンショット500である。上述のように、ゲームプログラム250は、音響武器を発射することにより生成されるグラフィック効果を、音響武器に関連付けられたユーザ選択音声コンテンツの音響特性に基づいて調節するように構成されていてもよい。図5A〜5Bの検討のため、より高音のトーンを有するインポート音声コンテンツに対しては、より集中した武器効果510を発し、より低音のトーンを有するインポート音声コンテンツに対しては、より拡散した集中度の低い武器効果510を発するようにゲームプログラム250が構成されているものとする。このため、スクリーンショット500は、より高音のトーンを有するインポート音声コンテンツに関連付けられ、したがって集中した武器効果510を発する音響武器を示している。同様に、図5Bは、武器効果560を生成する第二のインポート音声コンテンツに関連付けられた音響武器を発射しているアバター505のスクリーンショット550を示している。このため、スクリーンショット550は、より低音のトーンを有するインポート音声コンテンツに関連付けられ、したがってより集中度の低い武器効果560を発する音響武器を示している。
【0040】
[0045]好適には、インポート音声コンテンツのユーザによる選択に基づいて音響武器の挙動を調節することにより、本発明の実施形態は、ユーザが解くべき動的な音声パズルを作り、したがって改善されたゲームプレイ体験を作り出してもよい。例えば、ユーザのアバターが仮想世界内で複数の敵に遭遇しているときは、ユーザが、より低音のトーンを有するインポート音声コンテンツを選択して、音響武器の武器効果を(すなわち、図5Bに示されるように)広域化することが最適であってもよい。あるいは、ユーザのアバターが仮想世界内で単独の敵に遭遇しているときは、ユーザが、よりピッチの高いトーンを有する音声コンテンツを選択して、より集中度の高い効果を(すなわち、図5Aに示されるように)音響武器から発することが最適であってもよい。このように、ユーザによって選択される音声コンテンツに基づいて音響武器の挙動を変えることにより、本発明の実施形態は、ユーザが好む音声コンテンツを依然としてユーザが聴けるようにしつつ、ユーザが解くべきパズルを作り出してもよい。
【0041】
[0046]図6は、本発明の一実施形態に係る、インポートされた音声に基いてコンピュータゲームのゲームプレイを変化させる方法を示すフローチャートである。図示のように、方法600はステップ605から開始する。このステップでは、音声インポートコンポーネント260が、インポートすべき音声ファイルの選択をユーザから受ける。ユーザから選択を受けると、音声インポートコンポーネント260は、選択された音声ファイルをゲームプログラム250へインポートする(ステップ610)。この音声ファイルは、音声コンテンツを含み又は生成することができる任意の媒体からインポートされてもよいと広く考えられる。したがって、音声コンテンツは、CD−ROMやフラッシュメモリ、更にはApple iPod(登録商標)及びMricrosoft Zune(登録商標)等の外部音楽プレーヤー装置を含む様々な媒体からインポートされてもよい。更に、外部音声コンテンツは、音声コンテンツを表すことができる任意のフォーマットであってもよい。更に、ある実施形態では、音声インポートコンポーネント260は、インポート処理の一部として、音声コンテンツを外部ファイルフォーマットから、ゲームプログラム250が相互作用するように構成された内部フォーマットに変換してもよい。
【0042】
[0047]選択された音声ファイルがインポートされると、音声解析コンポーネント260は、インポートされた音声ファイルを解析して、インポートされた音声の音響特性を取得する(ステップ615)。上述のように、そのような解析は、例えば、インポートされた音声コンテンツが音響効果(大砲発射の録音など)であるか否かや、楽曲(歌など)であるか否かに関する判定を含んでいてもよい。更に、この解析は、インポート音声コンテンツの周波数分布を取得してもよい。例えば、この周波数分布は、音声コンテンツの再生中における現時点、音声コンテンツの全体、又は音声コンテンツの一部(例えば、音声コンテンツの再生中における現時点付近の時間ウィンドウ)に関して計測されてもよい。更に、インポート音声コンテンツが楽曲であると判定された場合は、この解析は、楽曲のテンポ等の音響特性を取得してもよい。もちろん、これらの例は、例示のために過ぎず、限定的なものではない。更に、当業者は、本発明の実施形態に合ったインポート音声コンテンツの多様な他の音響特性を計測してもよいとすぐに理解するだろう。
【0043】
[0048]インポート音声コンテンツが解析されると、ゲームプログラム250は、インポート音声コンテンツをゲームプレイの一つ以上の要素に関連付ける(ステップ620)。例えば、インポート音声コンテンツは、仮想世界内の音響武器(例えば、図4及び5A〜5Bで示されるもの)に関連付けられてもよい。この関連付けは、選択されたインポート音声コンテンツをゲームプレイ要素と関連付けるというユーザからの要求に応答するものでもよい。例えば、本発明の一実施形態では、ゲームプログラム250は、ユーザが音声コンテンツを特定のゲームプレイ要素に関連付けるためのメカニズム(例えば、ボタンやメニューオプション)を提供してもよい。ユーザがこの提供されたメカニズムにアクセスする際、ゲームプログラム250は、そのゲームプレイ要素に関連付けるべき特定の音声コンテンツを選択するようユーザを促してもよい。
【0044】
[0049]次いで、ゲームプログラム250は、インポート音声コンテンツの取得された音響特性に基づいて、一つ以上のゲーム体験属性を変化させる(ステップ626)。一般に、ゲーム体験属性は、コンピュータゲームのグラフィック要素、コンピュータゲームのゲームプレイ要素、及びコンピュータゲームの音声要素を含んでもよい。すなわち、この改変は、ゲームプレイ要素の視覚的外観の変更(例えば、音声コンテンツのテンポに基づいて音響武器の発射率を調節すること)、ゲームプレイ要素の挙動の変更(例えば、音声コンテンツの周波数分布に基づいて特定の音響シールドの有効度を調節すること)、及び/又はゲームプレイ要素に関連付けられた音響効果の変更(例えば、音響シールドの崩壊に基づいて音声コンテンツの再生を改変すること)を含んでいてもよい。もちろん、コンピュータゲームの要素が重複してもよいことや、時には一つの目的で複数の要素を変化させることは、当業者には理解できるだろう。例えば、音響武器からの衝撃波の集中度がインポート音声コンテンツの周波数分布に基づくという図5A〜5Bの例を続けると、ゲームプログラム250は、コンピュータゲーム内のゲームプレイ要素の視覚的外観を変化させる(例えば、より集中度の高い衝撃波を発する音響武器を表示する)だけでなく、ゲームプレイ要素の挙動を変化させ(例えば、音響武器がより広範囲の仮想モンスターを攻撃することを可能にする)てもよい。
【0045】
[0050]別の例として、ゲームプログラム250は、アバターが相互作用できる仮想世界の一つ以上の建造物を、インポート音声コンテンツの取得された音響特性に基いて改変してもよい。例えば、ユーザによってインポートされた音声コンテンツがクラシック音楽からの選択である場合、ゲームプログラム250は、仮想世界内の建造物を18世紀の建築物に見えるように改変してもよい。この他に、インポート音声コンテンツがロック音楽からの選択である場合は、ゲームプログラム250は、建造物を20世紀の都市建築物に改変してもよい。
【0046】
[0051]更に別の例として、ゲームプログラム250は、インポート音声コンテンツの取得された音響特性に基づいて、ユーザのアバターの一つ以上の特徴を改変してもよい。例えば、インポート音声コンテンツがロック音楽からの選択である場合、ゲームプログラム250は、ユーザのアバターを例外的な強さを持つように改変してもよい。一方、インポート音声コンテンツがクラシック音楽からの選択である場合は、ユーザのアバターが飛行能力を獲得してもよく、他方でブルース音楽からの選択は、ユーザのアバターに不可視能力を与えてもよい。もちろん、これらの例は限定的なものではなく、単に例示のために挙げたものに過ぎない。更に、本開示の範囲及び趣旨に合致した任意の数の他の例を実施できることは、当業者にはすぐに理解できるだろう。
【0047】
[0052]ある実施形態では、コンピュータゲームへインポートされた音声コンテンツが、一つ以上の変換操作(例えば、音声フィルタを使用するもの)を使用することにより改変されてもよい。例えば、上述のように、ユーザは(例えば、音声インポートコンポーネント255を使用して)特定の楽曲をコンピュータゲームへインポートしてもよく、また、インポートされた音声コンテンツをコンピュータゲームの仮想世界内の音響武器に関連付けてもよい。次いで、ユーザは、一つ以上の武器修正を音響武器に適用してもよい。この武器修正は、音響武器の性能を変化させると共に、その音響武器に関連付けられたインポート音声コンテンツに様々なフィルタを適用してもよい。例えば、インポート音声コンテンツのテンポによって制御されている音響武器の発射率という上記の例を用いると、ユーザは、音響武器の発射率を落とすために特定の武器修正を音響武器に適用してもよい。このような例では、音響武器の減少した発射率に対応するように音声コンテンツのテンポを遅くするため、関連付けられた音声コンテンツにもフィルタを適用してもよい。同様に、音声コンテンツが(例えば、マイクロフォンを使用して)ユーザの声から生成されてコンピュータゲームへインポートされる実施形態では、ユーザの声を改変(例えば、コンピュータゲーム内のユーザ用に独特のコミカルな声を生成)してコンピュータゲームの関連付けられたゲームプレイ要素を変化させるために、特定のフィルタをインポート音声コンテンツに適用してもよい。
【0048】
[0053]ゲームプレイの要素が改変されると、方法600は終了する。好適には、これを行うことによって、本発明の実施形態は、ゲームプログラム250について高度にカスタマイズ可能で動的なゲームプレイを作り出すことを支援する。更なる利点として、ゲームプレイを種々の方法で変化させ、それによりユーザのためにいっそう面白いゲームプレイ体験を作り出すために、実施形態は、ユーザがコンピュータゲームをプレイしている間、好みの音楽をユーザが聴けるようにするとともに、様々な種類の音楽をユーザが聴くことを奨励することができる。
【0049】
[0054]図面中のフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装例のアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点について、フローチャート又はブロック図中の各ブロックは、指定された論理機能を実施するために一つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表していてもよい。他の幾つかの実装例では、ブロック中に示される機能が図中に示される順序から外れて発生してもよいことにも注意されたい。例えば、連続して示される二つのブロックは、実際には、そこに含まれる機能に応じて、実質的に並行して実行されてもよいし、時には逆の順序で実行されてもよい。ブロック図やフローチャートの各ブロック及びブロック図やフローチャート中の複数のブロックの組合せは、指定された機能又は動作を実行する特定目的ハードウェアベースシステム、又は特定目的ハードウェアとコンピュータ命令との組合せによって実施できることにも注意されたい。
【0050】
[0055]上記は本発明の実施形態に関するものだが、本発明の他の更なる実施形態は、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく想到することができ、また、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0051】
105…外部ソース、110…コンピュータシステム、200…コンピューティング環境、210…ネットワーク、220…クライアントコンピュータ、250…ゲームプログラム、255…音声インポートコンポーネント、260…音声解析コンポーネント、275…サーバシステム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部音声コンテンツをコンピュータゲームに組み込む方法であって、
コンピュータゲームへインポートすべき外部音声コンテンツの選択をユーザから受けるステップであって、前記外部音声コンテンツが前記コンピュータゲームの内部音声コンテンツとは独立のものであるステップと、
受けた前記選択に応答して、前記外部音声コンテンツを一つ以上のコンピュータプロセッサの演算によって解析し、前記外部音声コンテンツの一つ以上の音響特性を取得するステップと、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を変化させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
実行されたときに外部音声コンテンツをコンピュータゲームに組み込むための操作を行うプログラムを含むコンピュータ読取り可能記憶媒体であって、前記操作は、
コンピュータゲームへインポートすべき外部音声コンテンツの選択をユーザから受けるステップであって、前記外部音声コンテンツが前記コンピュータゲームの内部音声コンテンツとは独立のものであるステップと、
受けた前記選択に応答して、インポートされた前記外部音声コンテンツを一つ以上のコンピュータプロセッサの演算によって解析し、前記外部音声コンテンツの一つ以上の音響特性を取得するステップと、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を変化させるステップと、
を含んでいる、コンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項3】
前記コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を変化させるステップが、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のグラフィック要素の外観を変化させるステップ、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のゲームプレイ要素の挙動を変化させるステップ、及び
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上の音声要素の音を変化させるステップ
のうち少なくとも一つを含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項4】
前記コンピュータゲームの前記一つ以上のゲーム体験属性が、前記コンピュータゲームの仮想世界内の仮想武器の武器効果を含み、前記操作が、
インポートされた前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記仮想武器の挙動を変化させるステップ
を更に含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項5】
前記コンピュータゲームの前記一つ以上のゲーム体験属性が、前記コンピュータゲームの仮想世界内の仮想シールドを含み、前記操作が、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記仮想シールドの挙動を変化させるステップ
を更に含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項6】
前記外部音声コンテンツが、外部音楽プレーヤー装置、スマートフォン、フラッシュメモリ装置、CD−ROM、DVD又は音声記録装置のうち少なくとも一つから前記コンピュータゲームへインポートされる、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。

【請求項7】
前記外部音声コンテンツの前記一つ以上の音響特性が、周波数分布の計測データを含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項8】
前記周波数分布の計測データが、高速フーリエ変換及び時間ベース高速フーリエ変換のうち少なくとも一つを用いて取得される、請求項7のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項9】
前記外部音声コンテンツの前記一つ以上の音響特性が、テンポの計測データを含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項10】
前記操作が、
前記コンピュータゲームの一つ以上のゲームプレイ動作に基づいて、前記外部音声コンテンツに対して一つ以上の変換操作を実行するステップと、
変換された前記外部音声コンテンツを可聴出力するステップと、
を含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項11】
前記外部音声コンテンツを前記コンピュータゲームへインポートするステップであって、前記外部音声コンテンツが外部音声符号化フォーマットから内部音声符号化フォーマットへ変換されるステップを更に含む、請求項2のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項12】
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると外部音声コンテンツをコンピュータゲームに組み込む操作を行うプログラムを含むメモリと、
を備えるシステムであって、前記操作が、
コンピュータゲームへインポートすべき外部音声コンテンツの選択をユーザから受けるステップであって、前記外部音声コンテンツが前記コンピュータゲームの内部音声コンテンツとは独立のものであるステップと、
前記選択に応答して、インポートされた前記外部音声コンテンツを一つ以上のコンピュータプロセッサの演算によって解析し、前記外部音声コンテンツの一つ以上の音響特性を取得するステップと、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を変化させるステップと、
を含む、システム。
【請求項13】
前記コンピュータゲームの一つ以上のゲーム体験属性を変化させるステップが、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のグラフィック要素の外観を変化させるステップ、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上のゲームプレイ要素の挙動を変化させるステップ、及び
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記コンピュータゲームの一つ以上の音声要素の音を変化させるステップ
のうち少なくとも一つを含む、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータゲームの前記一つ以上のゲーム体験属性が、前記コンピュータゲームの仮想世界内の仮想武器の武器効果を含み、前記操作が、
インポートされた前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記仮想武器の挙動を変化させるステップ
を更に含む、請求項12のシステム。
【請求項15】
前記コンピュータゲームの前記一つ以上のゲーム体験属性が、前記コンピュータゲームの仮想世界内の仮想シールドを含み、前記操作が、
前記外部音声コンテンツの取得された一つ以上の音響特性に基づいて、前記仮想シールドの挙動を変化させるステップ
を更に含む、請求項12のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−217857(P2012−217857A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−87685(P2012−87685)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.UNIX
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】