ゲーム機
【課題】高度なアーム等の遠隔操作を必要とせず、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができるゲーム機を提供すること。
【解決手段】傾斜板24、第2ガイドプレート26、ガイドボックス32によりカプセルCの左右方向への移動を規制し、前後方向のみの移動を許容する第2カプセル通路33を形成した。すなわち、第2カプセル通路33により、カプセルCの移動する軌道を予め設定した。これにより、カプセルCの左右方向への移動を操作する高度な操作テクニックを必要とせずにゲームを行うことができ、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができる。
【解決手段】傾斜板24、第2ガイドプレート26、ガイドボックス32によりカプセルCの左右方向への移動を規制し、前後方向のみの移動を許容する第2カプセル通路33を形成した。すなわち、第2カプセル通路33により、カプセルCの移動する軌道を予め設定した。これにより、カプセルCの左右方向への移動を操作する高度な操作テクニックを必要とせずにゲームを行うことができ、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームセンター等に設置される業務用のゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
業務用のゲーム機として特許文献1のようなものがある。このゲーム機は傾動支持されたプレート上にカプセルを配置し、プレートの傾きをレバーで操作して、プレート上からカプセルが落下しないようにカプセルのバランスを上手く保持させてゲームを行うものである。そして、カプセルがプレートから落下することなく所定位置まで搬送された場合には、景品を獲得できるようになっている。
【特許文献1】特許公開平11−192376公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記文献1のゲーム機では、レバーの操作に熟練を必要とし、年齢層の低いプレーヤーには難易度が高すぎてゲームの面白みに欠けるという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、高度なアーム等の遠隔操作を必要とせず、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができるゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、プレーヤーにより操作される操作手段と、前記操作手段の操作量に応じて遊技対象物に外力を付与して同遊技対象物をプレート上で移動させる外力付与手段とを備え、前記外力付与手段は予め設定された軌道に沿って前記遊技対象物を移動させることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記プレートは傾斜し、前記外力付与手段は前記遊技対象物が前記プレート上を登る方向に外力を付与すること
をその要旨とするゲーム機。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記遊技対象物が移動する前記プレートの軌道上には同遊技対象物を収容する保持孔が設けられており、同遊技対象物に対する前記外力付与手段による外力付与が解除されても同遊技対象物は同保持孔に保持されて停滞可能であることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明においては、前記請求項3において、前記保持孔は前記遊技対象物が同保持孔に保持されていない状態で前記外力付与手段による外力付与が解除されると、同解除動作に同期して同保持孔を閉鎖し、同遊技対象物の収容を不能とすることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記操作手段はボタンから構成され、同ボタンの押下回数に応じて前記外力付与手段の移動量が決定することをその要旨とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、 前記外力付与手段により前記遊技対象物への外力が付与されている状態から同遊技対象物への外力付与を解除するタイミングを事前に報知する報知手段を有することをその要旨とする。
【0005】
(作用)
請求項1に記載の発明においては、プレーヤにより操作手段が操作されると、その操作量に応じて外力付与手段により遊技対象物に外力が付与される。外力が付与された遊技対象物は外力が付与された方向に向かって予め設定された軌道に沿ってプレート上を移動する。
これによって例えば、所定時間内に遊技対象物を予め決められた位置まで搬送することにより、景品を獲得できることとしたり、プレー回数を増加するようにプレーヤが利益を得る構成とすることができる。前記遊技対象物自体が景品を収容するカプセル等とし、ゲームをクリアした際に獲得可能な利益対象物であってもよい。
ここに前記外力としては例えば、遊技対象物を押す力、叩く力、磁力で引く力等が挙げられる。また、操作手段として例えば、ボタン、レバー、ボール等が挙げられる。操作手段を例えばボタンとした場合には、ボタンの1回当たりの操作(押下操作)に応じて所定距離だけ前記遊技対象物を前記プレート上で移動させるようにすることが好ましい。
請求項2に記載の発明においては、請求項1記載の発明の作用に加え、前記外力付与手段により前記遊技対象物に外力が付与されると、同遊技対象物は前記プレート上を登って移動する。外力付与手段による遊技対象物への外力付与が解除された状態では、前記遊技対象物はプレート上を転がったり滑ったり等して前記プレートの下方に移動する。
ここで前記外力付与手段による遊技対象物への外力付与の解除は、例えばゲームが開始されてから所定時間経過した際に行われることが好ましい。外力付与手段の外力付与状態と外力付与解除状態に変化する物体(人形、ランプ等)を設けておくことにより、プレーヤは外力付与手段の状態を素早く判別できる。
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の発明の作用に加え、遊技対象物が保持孔内で停滞保持されている状態では、外力付与手段による遊技対象物への外力付与が解除されても、遊技対象物はプレート上を転がったり、滑ったり等することはない。
従って、遊技対象物を保持孔内に停滞保持させておくことにより、ゲーム途中にプレーヤは操作手段の操作を止めて休憩できる。また、上記のように遊技対象物への外力付与が解除された状態で遊技対象物をこの保持孔内に保持させ、再度外力付与となるまで待機させるということが可能となる。
また、前記保持孔を複数箇所に設けた場合には、各保持孔毎に休憩できるとともに、各保持孔まで遊技対象物を移動させることをプレーヤ自身が目標としてゲームを行うことができる。保持孔は常時開放状態を維持する孔としてもよい。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の発明の作用に加え、前記保持孔に遊技対象物が保持されていない状態で前記外力付与手段による前記遊技対象物への外力付与が解除されると、保持孔が閉鎖されて保持孔による遊技対象物の停滞保持が防止される。従って、外力付与が解除され、遊技対象物がプレート上を転がったり滑ったり等してプレート下方へ移動した際に、遊技対象物を保持孔で停滞保持させることなく確実にゲームを終了させることができる。その結果、スムーズなゲーム進行が可能となる。また、保持孔の閉鎖を外力付与の解除に関係なく、予め設定された時間等に基づいて行うようにしてもよい。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の作用に加え、ボタンの押下回数が多いほど外力付与手段の移動量が多くなる。すなわち、1回のボタンの押下動作で前記外力付与手段の移動量が予め設定されている。例えば、1回のボタンの押下動作で外力付与手段が2cm移動するような構成とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明の作用に加え、報知手段によりプレーヤに前記遊技対象物への外力付与を解除するタイミングが事前に報知される。前記報知手段として、スピーカから外力付与を解除する旨の音声を出力したり、ランプ等の照明器具の点灯等により具体化できる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、予め設定された軌道に沿って遊技対象物を移動させることができるので、高度な操作テクニックを必要とせずにゲームを行うことができ、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、遊技対象物への外力付与が解除された際、遊技対象物がプレート上を転がったり滑ったり等してプレート下方へ移動することから、視覚的にも面白くなり、さらに楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、保持孔で遊技対象物を停滞保持させておくことにより、ゲーム途中でもプレーヤは休憩できる。また、遊技対象物を保持孔に停滞保持させることをゲーム達成の一つの目標とすることにより、さらに一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、スムーズなゲーム進行を行うことができ、より一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加え、単純なボタンの押下動作動作だけでゲームを行うことができるとともに、ボタンの押下回数の増減によって任意に外力付与手段の移動量を調整でき、さらにゲーム性を向上でき、より一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の効果に加え、遊技対象物への外力付与の解除タイミングを事前に知ることができるので、遊技対象物への外力付与が解除される前に、外力付与手段の移動量を任意に調整することができ、さらにゲーム性を向上でき、より一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、ゲーム機11を構成する筐体12は直方体形状の前方上半身を切り欠いた形状に構成され、その切り欠き部分を覆うように透明カバー13が配設されている。筐体12と透明カバー13に包囲された空間が遊技空間Sとされている。また、筐体12の前部には操作部14が設けられている。操作部14にはコイン投入口15と2個の操作ボタン16が左右にそれぞれ1組ずつ設けられている。筐体12の前側中央部には報知手段としてのスピーカ17が配設されている。また、筐体12の前側下部にはカプセル取り出し口18が設けられている。両カプセル取り出し口18の後方にはカプセル収容室19がそれぞれ設けられている。
遊技空間Sの後部には人形棚20が配置されている。人形棚20の前面にはカプセル落下口21が2孔形成されている。また、人形棚20の下部にはカプセル落下口21とカプセル収容室19とを連通する連通路22が設けられている。連通路22の上部には後述するカプセルCの落下を検出するカプセルセンサ23が設けられている。遊技空間Sには前方から後方のカプセル落下口21に向かって高くなるように傾斜した傾斜板24が配置されている。傾斜板24の上端(後端)はカプセル落下口21の下部と対向するように人形棚20に固着され、下端寄りは筐体12に固着されている。
【0008】
図1及び図4に示すように、傾斜板24の左右には第1ガイドプレート25が配置されている。また、第1ガイドプレート25から所定距離側方に離間して断面略三角形状の第2ガイドプレート26が設けられている。第1ガイドプレート25、第2ガイドプレート26の斜面26aと傾斜板24とによって前方から後方にかけて高くなるように傾斜した第1カプセル通路27が形成されている。第1カプセル通路27には複数個(本実施の形態では4個)の遊技対象物としての透明プラスチック製の球状のカプセルCが1列に配置されている。各カプセルC内には景品Pが収容されている。図1及び図4に示すように、第2ガイドプレート26の下端部側には切り欠き溝26bが形成されている。図4に示すように、切り欠き溝26b付近の傾斜板24の下面にはモータ支持プレート28が取着されている。モータ支持プレート28にはカプセルモータ29が取着されている。カプセルモータ29には搬送プレート30が軸着されている。
搬送プレート30は略三角形状の板状をなし、その厚みは切り欠き溝26bの幅よりも若干薄肉に形成されている。搬送プレート30には3つの押圧面30aが形成されている。押圧面30aは搬送プレート30の反時計回り方向(つまり回転時の進行方向)側面に等間隔で放射状となるように配置されている。図1〜図5に示すように、傾斜板24の中央側には外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構31が配設されている。カプセル押し上げ機構31を構成するガイドボックス32は断面四角筒状に形成され、その上面には傾斜板24の傾斜方向と同方向に延びるガイド溝32aが形成されている。ガイドボックス32と傾斜板24と第2ガイドプレート26とにより後方に向かって上り坂となる第2カプセル通路33が形成されている。カプセルCはガイドボックス32と第2ガイドプレート26によって左右方向への移動が規制されている。本実施の形態では第2カプセル通路33がカプセルCが移動する軌道となっている。
カプセルモータ29の駆動に伴い、搬送プレート30が図4に示す状態から図5に示す状態、すなわち、反時計方向に回転し、カプセルCが搬送プレート30の押圧面30aにより押圧され、第2ガイドプレート26の斜面26aを乗り越えて第1カプセル通路27から第2カプセル通路33に移動するようになっている。図1及び図2に示すように、第1及び第2カプセル通路27、33の下端部側にはストッパ34が配置され、同ストッパ34との接触によりカプセルCの下方への移動が規制されている。
【0009】
図3〜図5に示すように、ガイドボックス32の下端側内部には昇降用モータ35が配設されている。同モータ35には駆動プーリ36が軸着されている。また、ガイドボックス32の上端側内部には従動プーリ37が軸着されている。両プーリ36、37間にはベルト38が掛装されている。ガイドボックス32の上面にはカプセル押し上げ機構を構成する走行ボックス39が載置されている。走行ボックス39内にはアーム用モータ40が配設されている。同モータ40にはブラケット41を介してアーム42のシャフト部42aが軸着されている。アーム42のシャフト部42aは第2のカプセル通路33の延びる方向と直行するようにブラケット41に軸着されている。走行ボックス39から突出するシャフト部42aの途中は直角に折り曲げられた押し上げ部42bとなっている。押し上げ部42bの先端部には押し上げプレート43が取着されている。
アーム用モータ40の駆動に伴い、押し上げプレート43の位置は図4に示す位置と図5に示す2位置に切り替わるようになっている。すなわち、図2、図5の状態では押し上げプレート43が第2カプセル通路33内のカプセルCと接触不能状態に保持され、図4、図8の状態では押し上げプレート43は第2カプセル通路33内のカプセルCと接触可能状態に保持されるようになっている。
図4、図5に示すように、押し上げプレート43の位置は、ブラケット41の回転位置を検出するアームセンサ44によって判別される。
【0010】
走行ボックス39の下端面には取り付けプレート45が突設され、同取り付けプレート45はガイドボックス32のガイド溝32aからガイドボックス内に挿入されている。取り付けプレート45はガイドボックス32内にてベルト38の一部に連結固定されている。図3において、昇降用モータ35が時計方向に回転すると、ベルト38が回転し、走行ボックス39は取り付けプレート45を介してベルト38とともに矢印方向へ移動するようになっている。図3に示すように、走行ボックス39は実線で示す最大下降位置と二点鎖線で示す最大上昇位置との間を昇降する。最大上昇位置と最大下降位置はガイドボックス32内に設けられた走行ボックス位置センサ46a、46bによって判別される。
図1、図2、図6、図7に示すように、第2カプセル通路33を構成する傾斜板24の途中部位には保持孔としての第1のカプセル停止孔H1が形成されている。また、同第1のカプセル停止孔H1から所定距離離間した上方部位には保持孔としての第2のカプセル停止孔H2が形成されている。両カプセル停止孔H1、H2の孔径はカプセルCの直径よりも小径に形成されている。図2、図6、図7に示すように、各カプセル停止孔H1、H2と対向する部位における傾斜板24の裏面には、開閉手段としての孔開閉機構50が装着されている。孔開閉機構50を構成する支持ブラケット51の下面にはギアボックス52が連結されている。同ギアボックス52には支持ブラケット51を貫通し、ラック部53aを有するシャフト53が挿通されている。
図3に示すように、ガイドボックス32内であって両カプセル停止孔H1、H2のそれぞれの開口縁下端の上方位置には走行ボックス39停止用位置センサ46c、46dが配設されている。カプセルCは押し上げプレート43によって押されて上方に転動していき、カプセル停止孔H1、H2に至ると押されなくともバランスを失ってカプセル停止孔H1、H2内に転がり落ちることとなる。カプセルCのこのような挙動によって押し上げプレート43とカプセルCとは若干離間することとなってしまう。そのため、本実施の形態ではカプセルCがカプセル停止孔H1、H2内に転がり落ちると(これは、後述する待機センサ59によって検出される)同センサ46c、46dによって検出される位置まで押し上げプレート43が自動的に進出するようになっている。つまり、カプセルCを追いかけて間隔を狭める(わずかに当接させてもよい)ようになっている。このように同センサ46c、46dを配置して押し上げプレート43をカプセル停止孔H1、H2のそれぞれの開口縁下端位置付近まで進出させることができるためプレーヤはカプセル停止孔H1、H2内に落ち込んだカプセルCを次に押す場合に有利になる。
【0011】
シャフト53の上端部にはカプセル停止孔H1、H2の孔径よりも若干小径の開閉プレート54が支持されている。また、開閉プレート54の下面にはガイドピン55が支持されている。同ガイドピン55は支持ブラケット51を貫通している。ガイドピン55と支持ブラケット51との干渉により開閉プレート54の回転が防止される。また、支持ブラケット51には開閉モータ56が支持されている。開閉モータ56にはギア57が軸着され、同ギア57はギアボックス52内でシャフト53のラック部53aに噛合されている。開閉モータ56の駆動に伴ってシャフト53が昇降することによって、開閉プレート54はカプセル停止孔H1、H2を閉鎖する図6の閉位置と、カプセル停止孔H1、H2を開放する図7の開位置とに切り替わるようになっている。開閉プレート54の開位置と閉位置は支持ブラケット51の下部に設けられた開閉センサ58によって判別される。また、支持部ブラケット51の上面には待機センサ59が設けられ、同センサ59によりカプセル停止孔H1、H2内のカプセルCの有無が判別される。
図1及び図2に示すように、人形棚20の上部裏面には人形回転モータ60が取着されている。同モータ60には人形(本実施の形態ではダルマ風の人形)61が軸着されている。同モータ60の駆動に伴い、人形61は図1及び図2示すプレーヤ側に顔61aを向ける前向き状態と図8に示すプレーヤに背を向ける後ろ向き状態とに切り替わる。人形棚20の上面には人形センサ62が設けられ、同センサ62により人形61の向きが判別される。
【0012】
次にゲーム機11の電気的構成及び作用を図13のブロック図に基づいて説明する。
コントローラLにはコイン投入口15からコインが投入されたことを検出するコインセンサ65、スピーカ17、操作ボタン16、各モータ29、35、40、56、60、各センサ23、44、46a、46b、58、59、62が接続されている。コントローラLはコインセンサ65からコイン投入の信号を入力するとゲームを開始する。なお、コントローラLはコイン投入前の状態を図2示す状態に保持する。すなわち、アーム42の状態を、カプセルCから押し上げプレート43が離間した状態(外力付与解除状態)に保持する。また、人形61の顔61aの向きを正面(操作部14側)に向けた状態に保持する。そして、コントローラLはゲームを開始すると、アーム用モータ40を駆動させて図4、図8に示すように押し上げプレート43をカプセルCに接触させた状態(外力付与状態)に保持する。また、コントローラLは人形回転モータ60を回転させて人形60を180°回転させて背を向けさせる。
この状態でボタン16が押下されると、コントローラLは操作ボタン16からの出力信号に基づいて昇降用モータ35を図3において時計方向に回転させる。コントローラLは操作ボタン16の押下回数に応じて昇降用モータ35を段階的に回転させる。すなわち、操作ボタン16が1回押される毎に昇降用モータ35を所定角度(例えば20°)回転させ、走行ボックス39を所定距離前進させる。また、コントローラLは人形60の回転動作と同時にスピーカ17から音声を出力させる。本実施の形態では、このときの出力する音声を「だるまさんがころんだ」としている。コントローラLは人形60が背を向けている状態では、アーム42の状態を図8に示すように、カプセルCに押し上げプレート43が接触する外力付与状態に保持する。この状態でプレーヤが操作ボタン16を押下するとコントローラLは操作ボタン16の押下された回数に応じて昇降用モータ35を駆動させ、図9に示すように、走行ボックス39を人形棚20側に走行させる。これに連動してカプセルCが押し上げプレート43により押し上げられ、第2カプセル通路33上をカプセル落下口21側に向かって転動する。
【0013】
コントローラLは人形60を図8の状態に回転させると同時に開閉モータ56を駆動させ、開閉プレート54を下降させ、各カプセル停止孔H1,H2を開放する(図7の状態)。また、同時にコントローラLはスピーカ17から「だるまさんがころんだ」と音声を出力する。プレーヤはこの音声が終了するまでに操作ボタン16を多数押下(連打)してカプセルCを第1のカプセル停止孔H1まで移動させる。音声が終了すると同時にコントローラLは人形回転モータ60を駆動させて人形61の顔61aをプレーヤ側に向ける。人形60が前向きとなった状態と同時にコントローラLはアーム用モータ40を駆動させてカプセルCへの外力付与を解除する。このとき、図7及び図11に示すように、カプセルCが第1のカプセル停止孔H1内に収容されている場合には、押し上げプレート43との接触が解除されてもカプセルCは第1のカプセル停止孔H1内で停滞保持され、第2カプセル通路33上を転がり落ちることはない。
一方、カプセルCが第1のカプセル停止孔H1まで到達できなかった場合、カプセル停止孔H1,H2の間に存在する場合及び第2のカプセル停止孔H2とカプセル落下口21の間に存在する場合には、図10に示すように、カプセルCと押し上げプレート43との接触が解除されていることからカプセルCは第2カプセル通路33上を転がり落ち、ゲームが終了する。また、コントローラLは人形61を前向きにしたと同時にカプセルCが収容されていないカプセル停止孔H1、H2を閉鎖する。
コントローラLは第1のカプセル停止孔H1内でカプセルCが停滞保持されている場合には、再度人形61を回転させて顔61aを後側に向け、上記動作を繰り返す。そして、図12に示すように、カプセルCがカプセル落下口21まで到達するとゲームをクリアしたこととなり、そのカプセルCが連通路22を経てカプセル収容室19まで搬送される。プレーヤはカプセル取り出し口18からカプセル収容室19内のカプセルCを取り出し、カプセルC内の景品Pを持ち帰ることが出来る。
ゲームがクリアされてカプセルCが払い出された場合には、コントローラLはカプセルモータ29を駆動させ、図5に示すように、搬送プレート30により第1カプセル通路27から第2カプセル通路33上へカプセルCを搬送する。
【0014】
上記のように構成することにより本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)傾斜板24、第2ガイドプレート26、ガイドボックス32によりカプセルCの左右方向への移動を規制し、前後方向のみの移動を許容する第2カプセル通路33を形成した。すなわち、第2カプセル通路33により、カプセルCの移動する軌道を予め設定した。これにより、カプセルCの左右方向への移動を操作する高度な操作テクニックを必要とせずにゲームを行うことができ、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができる。
(2)カプセルCへの外力付与が解除された際、カプセルCが傾斜板24上を転がり落ちることから、視覚的にも面白くなり、さらに楽しくゲームを行うことができる。また、ゲーム終了時にカプセルCが自重で元位置に戻ることからカプセルCを回収するための回収機構を必要とせず、コストの低減を図ることもできる。
(3)カプセルCがカプセル停止孔H1、H2に収容されている際には、カプセルCへの外力付与が解除されてもカプセルCは第2カプセル通路33上を転がり落ちることがないので、ゲームの途中で疲れた場合等にカプセル停止孔H1、H2にカプセルを収容することで休憩できる。また、第1のカプセル停止孔H1を第1のゲームクリア、第2のカプセル停止孔H2を第2のゲームクリア、そして、カプセル落下口21を最終クリアと、プレーヤ自身が目標設定することで、さらにゲーム性が向上され、一層楽しくゲームを行うことができる。
(4)カプセル停止孔H1、H2に孔開閉機構50を設け、カプセル停止孔H1、H2にカプセルCが収容されていない状態で、カプセルCへの外力が解除されている状態においては、カプセル停止孔H1、H2を閉鎖するようにした。これにより、カプセルCが第1のカプセル停止孔H1と第2のカプセル通路H2との間、又は第2のカプセル通路H2とカプセル落下口21との間の第2カプセル通路33上を移動中に外力付与が解除された場合においても、カプセルCがカプセル停止孔H1、H2内に収容されない。すなわち、外力付与が解除され、カプセルCが第2カプセル通路33上を転がり落ちた場合に、カプセルCをカプセル停止孔H1、H2に収容させることなく確実にゲームを終了させることができる。その結果、スムーズなゲーム進行が可能となり、より一層楽しくゲームを行うことができる。
(5)操作ボタン16の押下動作だけでカプセルCを移動させることができることから、高度な操作テクニックを必要とせず、年齢層の低いプレーヤも一層楽しくゲームを行うことができる。
(6)操作ボタン16の押下回数に応じて走行ボックス39(カプセルC)の移動量が決定することから、操作ボタン16の押下回数の増減によって任意にカプセルCの移動量を調整でき、よりゲーム性を向上でき、さらに一層楽しくゲームを行うことができる。
(7)スピーカ17からの音声によりカプセルCへの外力付与の解除タイミングを事前に知ることができるので、カプセルCへの外力付与が解除される前に、カプセルCの移動量を任意に調整することができ、さらにゲーム性を向上でき、より一層楽しくゲームを行うことができる。
(8)遊技対象物を球体であるカプセルCを使用したことにより、カプセルCが各通路27、33や連通路22等を移動する際、スムーズに移動させることができ、ゲーム時にプレーヤへストレスを与えることがなくなる。
(9)スピーカ17からの音声出力に連動して人形60を回転させるようにしたことにより、視覚的にも楽しめ、さらに一層楽しくゲームを行うことができる。
【0015】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施の形態ではプレートとしての傾斜板24を遊技空間S内で傾斜させて配置したが傾斜させずに配置して具体化してもよい。
・上記実施の形態では、外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構31を構成するアーム42を回転させて押し上げプレート43と遊技対象物としてのカプセルCとの接触状態(外力付与状態)を解除する構成を設けたが、アーム42の回転機構を設けずにプレート43の位置をカプセルCと接触する位置に固定して具体化してもよい。
・外力付与手段に磁石を備えるとともに、遊技対象物に磁石に吸着する材質のものを備え、遊技対象物を磁力で移動させるように具体化してもよい。この場合、外力付与手段は遊技対象物の上方から同遊技対象物を引っ張り上げるような状態で遊技対象物を移動させる。また、外力付与手段と遊技対象物の両方に磁石を備え、磁石の同極を対向させて反発させながら遊技対象物を移動させるように具体化してもよい。
・上記実施の形態では、外力付与手段を構成する押し上げプレート43は遊技対象物としてのカプセルCに接触した状態で外力を付与したが、押し上げプレート43をカプセルCに接触させる際、押し上げプレート43によりカプセルCを叩くように、速い速度で押し上げプレート43をカプセルCに接触させ、その際の衝撃でカプセルCが第2カプセル通路33上を移動するように具体化してもよい。
【0016】
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2を設けずに具体化してもよい。
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2を1孔又は3孔以上設けて具体化してもよい。
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2を常時開放状態で具体化してもよい。
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2の閉鎖動作を予め設定された時間に基づいて行うように具体化してもよい。
・報知手段としてのスピーカ17を設けずに具体化してもよい。
・上記実施の形態では、スピーカ17から音声を出力して報知手段を具体化したが、ランプ等の照明器具やタイマー表示等で報知手段を構成してもよい。
・人形を設けずに具体化してもよい。
・操作手段としての操作ボタン16に代えてローラやレバー、ボール等を使用して具体化してもよい。ローラとボールを操作手段とする場合には、それらの回転数に応じて外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構31を構成する走行ボックス39の移動量を変化させるようにする。また、レバーを操作手段とする場合にはレバーの往復運動回数に応じて走行ボックス39の移動量を変化させるようにする。
・上記実施の形態では遊技対象物として球状のカプセルCを使用して具体化したが、遊技対象物として円筒状のもので具体化したり、立方体状のもので具体化してもよい。
・上記実施の形態では遊技対象物として球状のカプセルCを使用し、内部に景品Pを収容して、ゲームクリア時には直接カプセルCを払い出して景品を獲得するようにしたが、カプセルCを単にボールとし、ゲームクリア時には別箇所から景品を払い出す構成として具体化してもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【0017】
本発明の目的を達成するために上記実施の形態から把握できるその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)遊技対象物は球体であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のゲーム機。
(2)遊技対象物への外力付与状態と外力付与解除状態とを報知する物体を有する請求項1〜請求項6又は付記1に記載のゲーム機。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる実施の形態におけるゲーム機の斜視図。
【図2】同じ実施の形態のゲーム機の側断面図。
【図3】同じ実施の形態のカプセル押し上げ機構の側断面図。
【図4】同じ実施の形態の押し上げプレートがカプセルと接触可能位置にある状態を示すカプセル押し上げ機構及び各カプセル通路付近の正断面図。
【図5】同じ実施の形態の押し上げプレートがカプセルと非接触位置にある状態を示すカプセル押し上げ機構及び各カプセル通路付近の正断面図。
【図6】同じ実施の形態の開閉プレートがカプセル停止孔を閉鎖する状態における孔開閉機構の側断面図。
【図7】同じ実施の形態の開閉プレートがカプセル停止孔を開放する状態における孔開閉機構の側断面図。
【図8】同じ実施の形態のゲーム開始時におけるゲーム機の側断面図。
【図9】図8の状態からカプセルが押し上げられた状態を示すゲーム機の側断面図。
【図10】図9の状態から押し上げプレートがカプセルから離れ、カプセルが下方へ転がり落ちていく状態を示すゲーム機の側断面図。
【図11】図9からさらにカプセルが押し上げられて第1の孔にカプセルが入った状態を示すゲーム機の側断面図。
【図12】図11からさらにカプセルが押し上げられてカプセル落下口からカプセルが落下する状態を示すゲーム機の側断面図。
【図13】同じ実施の形態のゲーム機の電気的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0019】
16…操作手段としての操作ボタン、17…報知手段としてのスピーカ、24…プレートとしての傾斜板、31…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構、32…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するガイドボックス、35…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成する昇降用モータ、36、37…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するプーリ、38…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するベルト、39…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成する走行ボックス、40…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するアーム用モータ、41…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するブラケット、42…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するアーム、43…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成する押し上げプレート、H1、H2…保持孔としての第1のカプセル停止孔及び第2のカプセル停止孔、50…開閉手段としての孔開閉機構、51…開閉手段としての孔開閉機構を構成する支持ブラケット、54…開閉手段としての孔開閉機構を構成する開閉プレート、56…開閉手段としての孔開閉機構を構成する開閉モータ、C…遊技対象物としてのカプセル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームセンター等に設置される業務用のゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
業務用のゲーム機として特許文献1のようなものがある。このゲーム機は傾動支持されたプレート上にカプセルを配置し、プレートの傾きをレバーで操作して、プレート上からカプセルが落下しないようにカプセルのバランスを上手く保持させてゲームを行うものである。そして、カプセルがプレートから落下することなく所定位置まで搬送された場合には、景品を獲得できるようになっている。
【特許文献1】特許公開平11−192376公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記文献1のゲーム機では、レバーの操作に熟練を必要とし、年齢層の低いプレーヤーには難易度が高すぎてゲームの面白みに欠けるという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、高度なアーム等の遠隔操作を必要とせず、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができるゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、プレーヤーにより操作される操作手段と、前記操作手段の操作量に応じて遊技対象物に外力を付与して同遊技対象物をプレート上で移動させる外力付与手段とを備え、前記外力付与手段は予め設定された軌道に沿って前記遊技対象物を移動させることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記プレートは傾斜し、前記外力付与手段は前記遊技対象物が前記プレート上を登る方向に外力を付与すること
をその要旨とするゲーム機。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記遊技対象物が移動する前記プレートの軌道上には同遊技対象物を収容する保持孔が設けられており、同遊技対象物に対する前記外力付与手段による外力付与が解除されても同遊技対象物は同保持孔に保持されて停滞可能であることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明においては、前記請求項3において、前記保持孔は前記遊技対象物が同保持孔に保持されていない状態で前記外力付与手段による外力付与が解除されると、同解除動作に同期して同保持孔を閉鎖し、同遊技対象物の収容を不能とすることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記操作手段はボタンから構成され、同ボタンの押下回数に応じて前記外力付与手段の移動量が決定することをその要旨とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、 前記外力付与手段により前記遊技対象物への外力が付与されている状態から同遊技対象物への外力付与を解除するタイミングを事前に報知する報知手段を有することをその要旨とする。
【0005】
(作用)
請求項1に記載の発明においては、プレーヤにより操作手段が操作されると、その操作量に応じて外力付与手段により遊技対象物に外力が付与される。外力が付与された遊技対象物は外力が付与された方向に向かって予め設定された軌道に沿ってプレート上を移動する。
これによって例えば、所定時間内に遊技対象物を予め決められた位置まで搬送することにより、景品を獲得できることとしたり、プレー回数を増加するようにプレーヤが利益を得る構成とすることができる。前記遊技対象物自体が景品を収容するカプセル等とし、ゲームをクリアした際に獲得可能な利益対象物であってもよい。
ここに前記外力としては例えば、遊技対象物を押す力、叩く力、磁力で引く力等が挙げられる。また、操作手段として例えば、ボタン、レバー、ボール等が挙げられる。操作手段を例えばボタンとした場合には、ボタンの1回当たりの操作(押下操作)に応じて所定距離だけ前記遊技対象物を前記プレート上で移動させるようにすることが好ましい。
請求項2に記載の発明においては、請求項1記載の発明の作用に加え、前記外力付与手段により前記遊技対象物に外力が付与されると、同遊技対象物は前記プレート上を登って移動する。外力付与手段による遊技対象物への外力付与が解除された状態では、前記遊技対象物はプレート上を転がったり滑ったり等して前記プレートの下方に移動する。
ここで前記外力付与手段による遊技対象物への外力付与の解除は、例えばゲームが開始されてから所定時間経過した際に行われることが好ましい。外力付与手段の外力付与状態と外力付与解除状態に変化する物体(人形、ランプ等)を設けておくことにより、プレーヤは外力付与手段の状態を素早く判別できる。
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の発明の作用に加え、遊技対象物が保持孔内で停滞保持されている状態では、外力付与手段による遊技対象物への外力付与が解除されても、遊技対象物はプレート上を転がったり、滑ったり等することはない。
従って、遊技対象物を保持孔内に停滞保持させておくことにより、ゲーム途中にプレーヤは操作手段の操作を止めて休憩できる。また、上記のように遊技対象物への外力付与が解除された状態で遊技対象物をこの保持孔内に保持させ、再度外力付与となるまで待機させるということが可能となる。
また、前記保持孔を複数箇所に設けた場合には、各保持孔毎に休憩できるとともに、各保持孔まで遊技対象物を移動させることをプレーヤ自身が目標としてゲームを行うことができる。保持孔は常時開放状態を維持する孔としてもよい。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の発明の作用に加え、前記保持孔に遊技対象物が保持されていない状態で前記外力付与手段による前記遊技対象物への外力付与が解除されると、保持孔が閉鎖されて保持孔による遊技対象物の停滞保持が防止される。従って、外力付与が解除され、遊技対象物がプレート上を転がったり滑ったり等してプレート下方へ移動した際に、遊技対象物を保持孔で停滞保持させることなく確実にゲームを終了させることができる。その結果、スムーズなゲーム進行が可能となる。また、保持孔の閉鎖を外力付与の解除に関係なく、予め設定された時間等に基づいて行うようにしてもよい。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の作用に加え、ボタンの押下回数が多いほど外力付与手段の移動量が多くなる。すなわち、1回のボタンの押下動作で前記外力付与手段の移動量が予め設定されている。例えば、1回のボタンの押下動作で外力付与手段が2cm移動するような構成とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明の作用に加え、報知手段によりプレーヤに前記遊技対象物への外力付与を解除するタイミングが事前に報知される。前記報知手段として、スピーカから外力付与を解除する旨の音声を出力したり、ランプ等の照明器具の点灯等により具体化できる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、予め設定された軌道に沿って遊技対象物を移動させることができるので、高度な操作テクニックを必要とせずにゲームを行うことができ、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、遊技対象物への外力付与が解除された際、遊技対象物がプレート上を転がったり滑ったり等してプレート下方へ移動することから、視覚的にも面白くなり、さらに楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、保持孔で遊技対象物を停滞保持させておくことにより、ゲーム途中でもプレーヤは休憩できる。また、遊技対象物を保持孔に停滞保持させることをゲーム達成の一つの目標とすることにより、さらに一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、スムーズなゲーム進行を行うことができ、より一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加え、単純なボタンの押下動作動作だけでゲームを行うことができるとともに、ボタンの押下回数の増減によって任意に外力付与手段の移動量を調整でき、さらにゲーム性を向上でき、より一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の効果に加え、遊技対象物への外力付与の解除タイミングを事前に知ることができるので、遊技対象物への外力付与が解除される前に、外力付与手段の移動量を任意に調整することができ、さらにゲーム性を向上でき、より一層楽しくゲームを行うことができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、ゲーム機11を構成する筐体12は直方体形状の前方上半身を切り欠いた形状に構成され、その切り欠き部分を覆うように透明カバー13が配設されている。筐体12と透明カバー13に包囲された空間が遊技空間Sとされている。また、筐体12の前部には操作部14が設けられている。操作部14にはコイン投入口15と2個の操作ボタン16が左右にそれぞれ1組ずつ設けられている。筐体12の前側中央部には報知手段としてのスピーカ17が配設されている。また、筐体12の前側下部にはカプセル取り出し口18が設けられている。両カプセル取り出し口18の後方にはカプセル収容室19がそれぞれ設けられている。
遊技空間Sの後部には人形棚20が配置されている。人形棚20の前面にはカプセル落下口21が2孔形成されている。また、人形棚20の下部にはカプセル落下口21とカプセル収容室19とを連通する連通路22が設けられている。連通路22の上部には後述するカプセルCの落下を検出するカプセルセンサ23が設けられている。遊技空間Sには前方から後方のカプセル落下口21に向かって高くなるように傾斜した傾斜板24が配置されている。傾斜板24の上端(後端)はカプセル落下口21の下部と対向するように人形棚20に固着され、下端寄りは筐体12に固着されている。
【0008】
図1及び図4に示すように、傾斜板24の左右には第1ガイドプレート25が配置されている。また、第1ガイドプレート25から所定距離側方に離間して断面略三角形状の第2ガイドプレート26が設けられている。第1ガイドプレート25、第2ガイドプレート26の斜面26aと傾斜板24とによって前方から後方にかけて高くなるように傾斜した第1カプセル通路27が形成されている。第1カプセル通路27には複数個(本実施の形態では4個)の遊技対象物としての透明プラスチック製の球状のカプセルCが1列に配置されている。各カプセルC内には景品Pが収容されている。図1及び図4に示すように、第2ガイドプレート26の下端部側には切り欠き溝26bが形成されている。図4に示すように、切り欠き溝26b付近の傾斜板24の下面にはモータ支持プレート28が取着されている。モータ支持プレート28にはカプセルモータ29が取着されている。カプセルモータ29には搬送プレート30が軸着されている。
搬送プレート30は略三角形状の板状をなし、その厚みは切り欠き溝26bの幅よりも若干薄肉に形成されている。搬送プレート30には3つの押圧面30aが形成されている。押圧面30aは搬送プレート30の反時計回り方向(つまり回転時の進行方向)側面に等間隔で放射状となるように配置されている。図1〜図5に示すように、傾斜板24の中央側には外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構31が配設されている。カプセル押し上げ機構31を構成するガイドボックス32は断面四角筒状に形成され、その上面には傾斜板24の傾斜方向と同方向に延びるガイド溝32aが形成されている。ガイドボックス32と傾斜板24と第2ガイドプレート26とにより後方に向かって上り坂となる第2カプセル通路33が形成されている。カプセルCはガイドボックス32と第2ガイドプレート26によって左右方向への移動が規制されている。本実施の形態では第2カプセル通路33がカプセルCが移動する軌道となっている。
カプセルモータ29の駆動に伴い、搬送プレート30が図4に示す状態から図5に示す状態、すなわち、反時計方向に回転し、カプセルCが搬送プレート30の押圧面30aにより押圧され、第2ガイドプレート26の斜面26aを乗り越えて第1カプセル通路27から第2カプセル通路33に移動するようになっている。図1及び図2に示すように、第1及び第2カプセル通路27、33の下端部側にはストッパ34が配置され、同ストッパ34との接触によりカプセルCの下方への移動が規制されている。
【0009】
図3〜図5に示すように、ガイドボックス32の下端側内部には昇降用モータ35が配設されている。同モータ35には駆動プーリ36が軸着されている。また、ガイドボックス32の上端側内部には従動プーリ37が軸着されている。両プーリ36、37間にはベルト38が掛装されている。ガイドボックス32の上面にはカプセル押し上げ機構を構成する走行ボックス39が載置されている。走行ボックス39内にはアーム用モータ40が配設されている。同モータ40にはブラケット41を介してアーム42のシャフト部42aが軸着されている。アーム42のシャフト部42aは第2のカプセル通路33の延びる方向と直行するようにブラケット41に軸着されている。走行ボックス39から突出するシャフト部42aの途中は直角に折り曲げられた押し上げ部42bとなっている。押し上げ部42bの先端部には押し上げプレート43が取着されている。
アーム用モータ40の駆動に伴い、押し上げプレート43の位置は図4に示す位置と図5に示す2位置に切り替わるようになっている。すなわち、図2、図5の状態では押し上げプレート43が第2カプセル通路33内のカプセルCと接触不能状態に保持され、図4、図8の状態では押し上げプレート43は第2カプセル通路33内のカプセルCと接触可能状態に保持されるようになっている。
図4、図5に示すように、押し上げプレート43の位置は、ブラケット41の回転位置を検出するアームセンサ44によって判別される。
【0010】
走行ボックス39の下端面には取り付けプレート45が突設され、同取り付けプレート45はガイドボックス32のガイド溝32aからガイドボックス内に挿入されている。取り付けプレート45はガイドボックス32内にてベルト38の一部に連結固定されている。図3において、昇降用モータ35が時計方向に回転すると、ベルト38が回転し、走行ボックス39は取り付けプレート45を介してベルト38とともに矢印方向へ移動するようになっている。図3に示すように、走行ボックス39は実線で示す最大下降位置と二点鎖線で示す最大上昇位置との間を昇降する。最大上昇位置と最大下降位置はガイドボックス32内に設けられた走行ボックス位置センサ46a、46bによって判別される。
図1、図2、図6、図7に示すように、第2カプセル通路33を構成する傾斜板24の途中部位には保持孔としての第1のカプセル停止孔H1が形成されている。また、同第1のカプセル停止孔H1から所定距離離間した上方部位には保持孔としての第2のカプセル停止孔H2が形成されている。両カプセル停止孔H1、H2の孔径はカプセルCの直径よりも小径に形成されている。図2、図6、図7に示すように、各カプセル停止孔H1、H2と対向する部位における傾斜板24の裏面には、開閉手段としての孔開閉機構50が装着されている。孔開閉機構50を構成する支持ブラケット51の下面にはギアボックス52が連結されている。同ギアボックス52には支持ブラケット51を貫通し、ラック部53aを有するシャフト53が挿通されている。
図3に示すように、ガイドボックス32内であって両カプセル停止孔H1、H2のそれぞれの開口縁下端の上方位置には走行ボックス39停止用位置センサ46c、46dが配設されている。カプセルCは押し上げプレート43によって押されて上方に転動していき、カプセル停止孔H1、H2に至ると押されなくともバランスを失ってカプセル停止孔H1、H2内に転がり落ちることとなる。カプセルCのこのような挙動によって押し上げプレート43とカプセルCとは若干離間することとなってしまう。そのため、本実施の形態ではカプセルCがカプセル停止孔H1、H2内に転がり落ちると(これは、後述する待機センサ59によって検出される)同センサ46c、46dによって検出される位置まで押し上げプレート43が自動的に進出するようになっている。つまり、カプセルCを追いかけて間隔を狭める(わずかに当接させてもよい)ようになっている。このように同センサ46c、46dを配置して押し上げプレート43をカプセル停止孔H1、H2のそれぞれの開口縁下端位置付近まで進出させることができるためプレーヤはカプセル停止孔H1、H2内に落ち込んだカプセルCを次に押す場合に有利になる。
【0011】
シャフト53の上端部にはカプセル停止孔H1、H2の孔径よりも若干小径の開閉プレート54が支持されている。また、開閉プレート54の下面にはガイドピン55が支持されている。同ガイドピン55は支持ブラケット51を貫通している。ガイドピン55と支持ブラケット51との干渉により開閉プレート54の回転が防止される。また、支持ブラケット51には開閉モータ56が支持されている。開閉モータ56にはギア57が軸着され、同ギア57はギアボックス52内でシャフト53のラック部53aに噛合されている。開閉モータ56の駆動に伴ってシャフト53が昇降することによって、開閉プレート54はカプセル停止孔H1、H2を閉鎖する図6の閉位置と、カプセル停止孔H1、H2を開放する図7の開位置とに切り替わるようになっている。開閉プレート54の開位置と閉位置は支持ブラケット51の下部に設けられた開閉センサ58によって判別される。また、支持部ブラケット51の上面には待機センサ59が設けられ、同センサ59によりカプセル停止孔H1、H2内のカプセルCの有無が判別される。
図1及び図2に示すように、人形棚20の上部裏面には人形回転モータ60が取着されている。同モータ60には人形(本実施の形態ではダルマ風の人形)61が軸着されている。同モータ60の駆動に伴い、人形61は図1及び図2示すプレーヤ側に顔61aを向ける前向き状態と図8に示すプレーヤに背を向ける後ろ向き状態とに切り替わる。人形棚20の上面には人形センサ62が設けられ、同センサ62により人形61の向きが判別される。
【0012】
次にゲーム機11の電気的構成及び作用を図13のブロック図に基づいて説明する。
コントローラLにはコイン投入口15からコインが投入されたことを検出するコインセンサ65、スピーカ17、操作ボタン16、各モータ29、35、40、56、60、各センサ23、44、46a、46b、58、59、62が接続されている。コントローラLはコインセンサ65からコイン投入の信号を入力するとゲームを開始する。なお、コントローラLはコイン投入前の状態を図2示す状態に保持する。すなわち、アーム42の状態を、カプセルCから押し上げプレート43が離間した状態(外力付与解除状態)に保持する。また、人形61の顔61aの向きを正面(操作部14側)に向けた状態に保持する。そして、コントローラLはゲームを開始すると、アーム用モータ40を駆動させて図4、図8に示すように押し上げプレート43をカプセルCに接触させた状態(外力付与状態)に保持する。また、コントローラLは人形回転モータ60を回転させて人形60を180°回転させて背を向けさせる。
この状態でボタン16が押下されると、コントローラLは操作ボタン16からの出力信号に基づいて昇降用モータ35を図3において時計方向に回転させる。コントローラLは操作ボタン16の押下回数に応じて昇降用モータ35を段階的に回転させる。すなわち、操作ボタン16が1回押される毎に昇降用モータ35を所定角度(例えば20°)回転させ、走行ボックス39を所定距離前進させる。また、コントローラLは人形60の回転動作と同時にスピーカ17から音声を出力させる。本実施の形態では、このときの出力する音声を「だるまさんがころんだ」としている。コントローラLは人形60が背を向けている状態では、アーム42の状態を図8に示すように、カプセルCに押し上げプレート43が接触する外力付与状態に保持する。この状態でプレーヤが操作ボタン16を押下するとコントローラLは操作ボタン16の押下された回数に応じて昇降用モータ35を駆動させ、図9に示すように、走行ボックス39を人形棚20側に走行させる。これに連動してカプセルCが押し上げプレート43により押し上げられ、第2カプセル通路33上をカプセル落下口21側に向かって転動する。
【0013】
コントローラLは人形60を図8の状態に回転させると同時に開閉モータ56を駆動させ、開閉プレート54を下降させ、各カプセル停止孔H1,H2を開放する(図7の状態)。また、同時にコントローラLはスピーカ17から「だるまさんがころんだ」と音声を出力する。プレーヤはこの音声が終了するまでに操作ボタン16を多数押下(連打)してカプセルCを第1のカプセル停止孔H1まで移動させる。音声が終了すると同時にコントローラLは人形回転モータ60を駆動させて人形61の顔61aをプレーヤ側に向ける。人形60が前向きとなった状態と同時にコントローラLはアーム用モータ40を駆動させてカプセルCへの外力付与を解除する。このとき、図7及び図11に示すように、カプセルCが第1のカプセル停止孔H1内に収容されている場合には、押し上げプレート43との接触が解除されてもカプセルCは第1のカプセル停止孔H1内で停滞保持され、第2カプセル通路33上を転がり落ちることはない。
一方、カプセルCが第1のカプセル停止孔H1まで到達できなかった場合、カプセル停止孔H1,H2の間に存在する場合及び第2のカプセル停止孔H2とカプセル落下口21の間に存在する場合には、図10に示すように、カプセルCと押し上げプレート43との接触が解除されていることからカプセルCは第2カプセル通路33上を転がり落ち、ゲームが終了する。また、コントローラLは人形61を前向きにしたと同時にカプセルCが収容されていないカプセル停止孔H1、H2を閉鎖する。
コントローラLは第1のカプセル停止孔H1内でカプセルCが停滞保持されている場合には、再度人形61を回転させて顔61aを後側に向け、上記動作を繰り返す。そして、図12に示すように、カプセルCがカプセル落下口21まで到達するとゲームをクリアしたこととなり、そのカプセルCが連通路22を経てカプセル収容室19まで搬送される。プレーヤはカプセル取り出し口18からカプセル収容室19内のカプセルCを取り出し、カプセルC内の景品Pを持ち帰ることが出来る。
ゲームがクリアされてカプセルCが払い出された場合には、コントローラLはカプセルモータ29を駆動させ、図5に示すように、搬送プレート30により第1カプセル通路27から第2カプセル通路33上へカプセルCを搬送する。
【0014】
上記のように構成することにより本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)傾斜板24、第2ガイドプレート26、ガイドボックス32によりカプセルCの左右方向への移動を規制し、前後方向のみの移動を許容する第2カプセル通路33を形成した。すなわち、第2カプセル通路33により、カプセルCの移動する軌道を予め設定した。これにより、カプセルCの左右方向への移動を操作する高度な操作テクニックを必要とせずにゲームを行うことができ、年齢層の低いプレーヤも楽しくゲームを行うことができる。
(2)カプセルCへの外力付与が解除された際、カプセルCが傾斜板24上を転がり落ちることから、視覚的にも面白くなり、さらに楽しくゲームを行うことができる。また、ゲーム終了時にカプセルCが自重で元位置に戻ることからカプセルCを回収するための回収機構を必要とせず、コストの低減を図ることもできる。
(3)カプセルCがカプセル停止孔H1、H2に収容されている際には、カプセルCへの外力付与が解除されてもカプセルCは第2カプセル通路33上を転がり落ちることがないので、ゲームの途中で疲れた場合等にカプセル停止孔H1、H2にカプセルを収容することで休憩できる。また、第1のカプセル停止孔H1を第1のゲームクリア、第2のカプセル停止孔H2を第2のゲームクリア、そして、カプセル落下口21を最終クリアと、プレーヤ自身が目標設定することで、さらにゲーム性が向上され、一層楽しくゲームを行うことができる。
(4)カプセル停止孔H1、H2に孔開閉機構50を設け、カプセル停止孔H1、H2にカプセルCが収容されていない状態で、カプセルCへの外力が解除されている状態においては、カプセル停止孔H1、H2を閉鎖するようにした。これにより、カプセルCが第1のカプセル停止孔H1と第2のカプセル通路H2との間、又は第2のカプセル通路H2とカプセル落下口21との間の第2カプセル通路33上を移動中に外力付与が解除された場合においても、カプセルCがカプセル停止孔H1、H2内に収容されない。すなわち、外力付与が解除され、カプセルCが第2カプセル通路33上を転がり落ちた場合に、カプセルCをカプセル停止孔H1、H2に収容させることなく確実にゲームを終了させることができる。その結果、スムーズなゲーム進行が可能となり、より一層楽しくゲームを行うことができる。
(5)操作ボタン16の押下動作だけでカプセルCを移動させることができることから、高度な操作テクニックを必要とせず、年齢層の低いプレーヤも一層楽しくゲームを行うことができる。
(6)操作ボタン16の押下回数に応じて走行ボックス39(カプセルC)の移動量が決定することから、操作ボタン16の押下回数の増減によって任意にカプセルCの移動量を調整でき、よりゲーム性を向上でき、さらに一層楽しくゲームを行うことができる。
(7)スピーカ17からの音声によりカプセルCへの外力付与の解除タイミングを事前に知ることができるので、カプセルCへの外力付与が解除される前に、カプセルCの移動量を任意に調整することができ、さらにゲーム性を向上でき、より一層楽しくゲームを行うことができる。
(8)遊技対象物を球体であるカプセルCを使用したことにより、カプセルCが各通路27、33や連通路22等を移動する際、スムーズに移動させることができ、ゲーム時にプレーヤへストレスを与えることがなくなる。
(9)スピーカ17からの音声出力に連動して人形60を回転させるようにしたことにより、視覚的にも楽しめ、さらに一層楽しくゲームを行うことができる。
【0015】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施の形態ではプレートとしての傾斜板24を遊技空間S内で傾斜させて配置したが傾斜させずに配置して具体化してもよい。
・上記実施の形態では、外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構31を構成するアーム42を回転させて押し上げプレート43と遊技対象物としてのカプセルCとの接触状態(外力付与状態)を解除する構成を設けたが、アーム42の回転機構を設けずにプレート43の位置をカプセルCと接触する位置に固定して具体化してもよい。
・外力付与手段に磁石を備えるとともに、遊技対象物に磁石に吸着する材質のものを備え、遊技対象物を磁力で移動させるように具体化してもよい。この場合、外力付与手段は遊技対象物の上方から同遊技対象物を引っ張り上げるような状態で遊技対象物を移動させる。また、外力付与手段と遊技対象物の両方に磁石を備え、磁石の同極を対向させて反発させながら遊技対象物を移動させるように具体化してもよい。
・上記実施の形態では、外力付与手段を構成する押し上げプレート43は遊技対象物としてのカプセルCに接触した状態で外力を付与したが、押し上げプレート43をカプセルCに接触させる際、押し上げプレート43によりカプセルCを叩くように、速い速度で押し上げプレート43をカプセルCに接触させ、その際の衝撃でカプセルCが第2カプセル通路33上を移動するように具体化してもよい。
【0016】
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2を設けずに具体化してもよい。
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2を1孔又は3孔以上設けて具体化してもよい。
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2を常時開放状態で具体化してもよい。
・保持孔としてのカプセル停止孔H1、H2の閉鎖動作を予め設定された時間に基づいて行うように具体化してもよい。
・報知手段としてのスピーカ17を設けずに具体化してもよい。
・上記実施の形態では、スピーカ17から音声を出力して報知手段を具体化したが、ランプ等の照明器具やタイマー表示等で報知手段を構成してもよい。
・人形を設けずに具体化してもよい。
・操作手段としての操作ボタン16に代えてローラやレバー、ボール等を使用して具体化してもよい。ローラとボールを操作手段とする場合には、それらの回転数に応じて外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構31を構成する走行ボックス39の移動量を変化させるようにする。また、レバーを操作手段とする場合にはレバーの往復運動回数に応じて走行ボックス39の移動量を変化させるようにする。
・上記実施の形態では遊技対象物として球状のカプセルCを使用して具体化したが、遊技対象物として円筒状のもので具体化したり、立方体状のもので具体化してもよい。
・上記実施の形態では遊技対象物として球状のカプセルCを使用し、内部に景品Pを収容して、ゲームクリア時には直接カプセルCを払い出して景品を獲得するようにしたが、カプセルCを単にボールとし、ゲームクリア時には別箇所から景品を払い出す構成として具体化してもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【0017】
本発明の目的を達成するために上記実施の形態から把握できるその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)遊技対象物は球体であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のゲーム機。
(2)遊技対象物への外力付与状態と外力付与解除状態とを報知する物体を有する請求項1〜請求項6又は付記1に記載のゲーム機。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる実施の形態におけるゲーム機の斜視図。
【図2】同じ実施の形態のゲーム機の側断面図。
【図3】同じ実施の形態のカプセル押し上げ機構の側断面図。
【図4】同じ実施の形態の押し上げプレートがカプセルと接触可能位置にある状態を示すカプセル押し上げ機構及び各カプセル通路付近の正断面図。
【図5】同じ実施の形態の押し上げプレートがカプセルと非接触位置にある状態を示すカプセル押し上げ機構及び各カプセル通路付近の正断面図。
【図6】同じ実施の形態の開閉プレートがカプセル停止孔を閉鎖する状態における孔開閉機構の側断面図。
【図7】同じ実施の形態の開閉プレートがカプセル停止孔を開放する状態における孔開閉機構の側断面図。
【図8】同じ実施の形態のゲーム開始時におけるゲーム機の側断面図。
【図9】図8の状態からカプセルが押し上げられた状態を示すゲーム機の側断面図。
【図10】図9の状態から押し上げプレートがカプセルから離れ、カプセルが下方へ転がり落ちていく状態を示すゲーム機の側断面図。
【図11】図9からさらにカプセルが押し上げられて第1の孔にカプセルが入った状態を示すゲーム機の側断面図。
【図12】図11からさらにカプセルが押し上げられてカプセル落下口からカプセルが落下する状態を示すゲーム機の側断面図。
【図13】同じ実施の形態のゲーム機の電気的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0019】
16…操作手段としての操作ボタン、17…報知手段としてのスピーカ、24…プレートとしての傾斜板、31…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構、32…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するガイドボックス、35…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成する昇降用モータ、36、37…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するプーリ、38…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するベルト、39…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成する走行ボックス、40…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するアーム用モータ、41…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するブラケット、42…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成するアーム、43…外力付与手段としてのカプセル押し上げ機構を構成する押し上げプレート、H1、H2…保持孔としての第1のカプセル停止孔及び第2のカプセル停止孔、50…開閉手段としての孔開閉機構、51…開閉手段としての孔開閉機構を構成する支持ブラケット、54…開閉手段としての孔開閉機構を構成する開閉プレート、56…開閉手段としての孔開閉機構を構成する開閉モータ、C…遊技対象物としてのカプセル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤーにより操作される操作手段と、前記操作手段の操作量に応じて遊技対象物に外力を付与して同遊技対象物をプレート上で移動させる外力付与手段とを備え、前記外力付与手段は予め設定された軌道に沿って前記遊技対象物を移動させることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記プレートは傾斜し、前記外力付与手段は前記遊技対象物が同プレート上を登る方向に外力を付与することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記遊技対象物が移動する前記プレートの軌道上には同遊技対象物を収容する保持孔が設けられており、同遊技対象物に対する前記外力付与手段による外力付与が解除されても同遊技対象物は同保持孔に保持されて停滞可能であることを特徴とする請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記保持孔は前記遊技対象物が同保持孔に保持されていない状態で前記外力付与手段による外力付与が解除されると、同解除動作に同期して同保持孔を閉鎖し、同遊技対象物の収容を不能とすることを特徴とする請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記操作手段はボタンから構成され、同ボタンの押下回数に応じて前記外力付与手段の移動量が決定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のゲーム機。
【請求項6】
前記外力付与手段により前記遊技対象物への外力が付与されている状態から同遊技対象物への外力付与を解除するタイミングを事前に報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のゲーム機。
【請求項1】
プレーヤーにより操作される操作手段と、前記操作手段の操作量に応じて遊技対象物に外力を付与して同遊技対象物をプレート上で移動させる外力付与手段とを備え、前記外力付与手段は予め設定された軌道に沿って前記遊技対象物を移動させることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記プレートは傾斜し、前記外力付与手段は前記遊技対象物が同プレート上を登る方向に外力を付与することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記遊技対象物が移動する前記プレートの軌道上には同遊技対象物を収容する保持孔が設けられており、同遊技対象物に対する前記外力付与手段による外力付与が解除されても同遊技対象物は同保持孔に保持されて停滞可能であることを特徴とする請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記保持孔は前記遊技対象物が同保持孔に保持されていない状態で前記外力付与手段による外力付与が解除されると、同解除動作に同期して同保持孔を閉鎖し、同遊技対象物の収容を不能とすることを特徴とする請求項3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記操作手段はボタンから構成され、同ボタンの押下回数に応じて前記外力付与手段の移動量が決定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のゲーム機。
【請求項6】
前記外力付与手段により前記遊技対象物への外力が付与されている状態から同遊技対象物への外力付与を解除するタイミングを事前に報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−61327(P2007−61327A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250745(P2005−250745)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000207702)大平技研工業株式会社 (7)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000207702)大平技研工業株式会社 (7)
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