説明

ゲーム管理システム、ゲーム管理方法、およびゲーム管理プログラム

【課題】ゲームにおいて出現した特別演出をユーザに確実に認識させ記録することのできるゲーム管理技術を提供する。
【解決手段】ゲームを実行させるゲーム実行部(11)、ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する特別演出認識部(12)、特別演出の実行が認識された場合に、特別演出であることをユーザに認識可能に提示する特別演出提示部(13)、特別演出の実行が認識された場合に、認識された特別演出の内容を記録する特別演出記録部(14)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム管理サーバにネットワーク経由で接続してゲームプレイを実行するオンラインゲームに係り、特に、出現頻度が少ないために「レア演出」といわれる特別演出を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが端末装置(以下「クライアント」という。)からネットワークを介してゲーム管理サーバの管理するウェブサイトに接続してゲームを実行可能に構成されたオンラインゲームシステムが知られている。このようなオンラインゲームシステムとして、例えば特開2010−167251号公報には、オンラインで対戦相手となるプレイヤとのマッチング処理を実行し、対戦型ゲームを仮想空間で実行可能に構成された発明が開示されている(特許文献1)。
【0003】
ここで、個々のゲームにおいて、出現頻度が少ないレア演出が実行されるように構成されていることがある。ユーザにとっては、具体的なレア演出を体験したり複数種類のレア演出を体験したり複数回のレア演出を体験したりすることがゲームプレイの楽しみの一つとなっている。またレア演出が含まれているゲームプレイに参加しようとするユーザのモチベーションを上げる要因の一つでもある。このようなレア演出は画像表示機能を有する遊技機の分野で大当たりを予告するための予告演出として利用されることが多い。例えば、特開2006−158871号公報には、フィギュアに内蔵されたICチップから遊技者データを読み出し、フィギュアの所有者である遊技者に特化した予告演出を提供可能に構成した遊技機が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−167251号公報
【特許文献2】特開2006−158871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、特許文献1に記載されるオンラインゲームにおけるレア演出や、特許文献2に記載される遊技機の分野で予告演出として提供されるレア演出は、ゲームプレイの進行に伴って提供される一過性の演出であり、また表示画面の一部に表示される限定的な演出であった。このため、プレイヤはレア演出が出現したことを認識できなかったり、レア演出の出現を認識できたとても出現したレア演出についてプレイヤが後に参照したりすることができなかった。
【0006】
本願発明者らは、レア演出と呼ばれるような特別演出がゲームプレイの魅力の一部を構成しユーザを強く惹き付けている事実に鑑み、特別演出の出現を管理することにより、オンラインゲーム全般の魅力を格段に向上させることができることに着目し、本願発明に想到した。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み発明されたものであり、ゲームにおいて出現した特別演出をユーザに確実に認識させ記録することのできるゲーム管理技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明は以下の内容を有する。
(1)本願発明に係るゲーム管理システムは、ゲームにおいて実行される特別演出を管理するゲーム管理システムであって、ゲームを実行させるゲーム実行部と、ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する特別演出認識部と、特別演出の実行が認識された場合に、特別演出であることをユーザに認識可能に提示する特別演出提示部と、特別演出の実行が認識された場合に、認識された特別演出の内容を記録する特別演出記録部と、を有することを特徴とする。
【0009】
(2)上記(1)において、特別演出記録部は、特別演出を識別するための特別演出ID、特別演出の名称、特別演出の出現回数、特別演出の出現日時、特別演出の出現頻度情報、および特別演出の演出情報から選ばれる複数の情報からなる特別演出情報を記録することが好ましい。
【0010】
(3)上記(1)または(2)において、ゲーム管理システムは、クライアントとゲーム管理サーバとが通信可能に接続されて構成されており、ゲーム管理サーバは、ゲーム管理データベースを備え、ゲーム管理データベースは、ゲームプログラムを格納するゲームアプリケーションデータベースと、クライアントに対応付けられたユーザ情報を格納するユーザデータベースと、特別演出を管理する特別演出管理データベースと、を備え、ゲーム実行部、ゲーム特別演出認識部、特別演出提示部、および特別演出記録部の各々は、クライアントまたはゲーム管理サーバのうちいずれか一方で実行され、または、双方が協働して実行される。
【0011】
(4)本願発明に係るゲーム管理方法は、ゲームにおいて実行される特別演出を管理するゲーム管理方法であって、ゲームを実行させるステップと、ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識するステップと、特別演出の実行が認識された場合に、特別演出であることをユーザに認識可能に提示するステップと、特別演出の実行が認識された場合に、認識された特別演出の内容を記録する特ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
(5)本願発明に係るゲーム管理プログラムは、ゲーム管理サーバと通信可能に接続されて構成されたクライアントのためのゲーム管理プログラムであって、コンピュータに、ゲームを実行させる機能と、前記ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する機能と、特別演出の実行が認識された場合に、特別演出であることをユーザに認識可能に提示する機能と、特別演出の実行が認識された場合に、認識された特別演出を識別するための特別演出IDをゲーム管理サーバに送信させる機能と、を実行させる。
【0013】
(6)本願発明に係るゲーム管理プログラムは、クライアントと通信可能に接続されて構成されたゲーム管理サーバのためのゲーム管理プログラムであって、コンピュータに、特別演出IDが送信されてきた場合に、特別演出IDに対応する特別演出情報をクライアントに対応付けて記録する機能を実行させる。
【0014】
(7)本願発明に係るゲーム管理プログラムは、クライアントと通信可能に接続されて構成されたゲーム管理サーバのためのゲーム管理プログラムであって、コンピュータに、ゲームを実行させる機能と、ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する機能と、特別演出の実行が認識された場合に、特別演出であることをユーザに認識可能に提示する機能と、特別演出の実行が認識された場合に、認識された特別演出の内容を記録する機能と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、特別演出の実行が認識され、特別演出の内容がユーザに認識可能に提示されるので、ユーザに特別演出の出現を確実に気付かせることができ、また、出現した特別演出の内容が記録されるので、ユーザに体験した特別演出について後に参照させることが可能となり、特別演出を楽しみにするユーザに対するゲームプレイの魅力を一段と高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係るゲーム管理システムの構成図。
【図2】本実施形態に係るゲーム管理システムの機能ブロック図。
【図3】本実施形態に係るゲーム管理方法を示すフローチャート。
【図4】ゲーム実行時にクライアントに提示されるゲーム画像の表示例。
【図5】レア演出が出現した際のゲーム画像の表示例。
【図6】レア演出に応じてクライアントにおいて提示されるレア演出情報の表示例。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を説明する。
以下に述べる本実施形態におけるハードウェア構成、機能ブロック図、およびゲーム管理方法は単なる例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、以下とは異なるハードウェア構成、機能ブロック図、およびゲーム管理方法により実現することも可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0018】
[定義]
本明細書において用いられる用語を以下のとおり定義する。
「特別演出」:個々のゲームプレイにおいてゲーム展開の骨格をなす処理(画像表示や音響発生)に付属する演出の総称であり、本願発明の「レア演出」を含む概念である。「特別演出」はゲーム展開に影響を与える演出である場合も、ゲーム展開には影響を与えない演出である場合も含む。
【0019】
「レア演出」:ゲームプレイにおいてゲーム進行に従って提供される特別な演出であり、出現頻度が少ない(「レア」(rare)である)ことから「レア演出」と呼ばれる。一般に出現頻度が少ないほど希少価値が高まるため、ユーザの興味をより強く惹くと考えられるが、出現頻度が少ないことは必ずしも必要ない。
【0020】
「プレイヤ」:本願発明に係るゲーム管理サーバにネットワークを介して接続する端末(コンピュータ装置)のことをいう。「プレイヤ」はオンラインゲームに参加する「参加者」でもある。
【0021】
[構成]
図1に本実施形態に係るゲーム管理システムの構成図を示す。当該ゲーム管理システム1は、オンラインゲームを提供するシステムである。
図1に示すように、本実施形態に係るゲーム管理システム1は、ゲーム管理サーバ10と、クライアント2A〜2Z(以下「クライアント2」と称して一つのクライアントを代表させて説明する。)と、ウェブサーバWSと、がネットワークNWを介して通信可能に接続されて構成されている。概略すれば、クライアント2がネットワークNWを介してウェブサーバWSが提供するオンラインゲームのための特定のウェブサイトに接続すると、ゲーム管理サーバ10の管理によりオンラインゲームが実行されるように構成されている。
【0022】
(ネットワークNW)
ネットワークNWとしては各種の態様を取り得るが、特に公共ネットワークの代表であるインターネットを例示する。インターネットでは、ネットワークに接続するサーバやクライアントのコンピュータ装置は、ブロードバンド、光通信等の高速回線を介してインターネットに接続される。インターネットの標準通信プロトコルは、例えばTCP/IPである。
【0023】
(ウェブサーバWS)
ウェブサーバWSは、ゲーム管理サーバ10をネットワークNWに接続するためのインターフェースとして機能しており、クライアント2がアクセス可能なオンラインゲーム用のウェブサイトを提供している。このウェブサイトには、DNS(Domain Name System)で名付けられた、WWW上のアドレスを特定するURLがネットワークNWにおいて割り当てられている。オンラインゲーム用のウェブサイトは、ハイパーテキスト形式で記述された電子ファイルがこのURLで特定されるアドレスに格納されることにより提供される。このウェブサイトでは、クライアント2により接続したユーザが会員登録をしたり、オンラインゲーム用のゲームプログラムをダウンロードしたりすることが可能に構成されている。
【0024】
(ゲーム管理サーバ10)
ゲーム管理サーバ10は、コンピュータ装置100、ディスプレイ装置105、キーボード12、およびゲーム管理データベース101を備えて構成されている。
コンピュータ装置100は、パーソナルコンピュータやワークステーションであり、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、I/O、通信装置を備えた、サーバ用の汎用コンピュータとしての構成を備えている。当該コンピュータ装置100には、コンピュータ装置に、本発明に係るゲーム管理方法を実行させるためのソフトウェアプログラムがRAMまたはハードディスク等の中に格納されており、CPUにより実行されている。
【0025】
(ゲーム管理データベース101)
ゲーム管理データベース101は、本願発明に係るゲーム管理方法を実行するように構成されたデータベースであり、ユーザデータベース102、ゲームアプリケーションデータベース103、およびレア演出管理データベース104を備えている。但し、これらの種類分けでデータベースを構成する必要はなく、他の情報を単位としてデータベースを構成してもよい。
【0026】
(ユーザデータベース102)
ユーザデータベース102は、クライアント2に対応付けられたユーザ情報を格納するデータベースである。ユーザ情報は、各々のクライアント2A〜2Zを特定するための情報であり、例えば、ユーザID、パスワード、その他のユーザの個人情報に関する。この個人情報には、ユーザの氏名、フリガナ、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレス、携帯電話番号、性別、年齢等、システム利用に足りる情報がフィールドに分けて記録されている。
【0027】
(ゲームアプリケーションデータベース103)
ゲームアプリケーションデータベース103は、各種のゲームアプリケーションソフトウェア(ゲームプログラム。以下「ゲームアプリケーション」という。)をダウンロード可能に格納するデータベースである。ゲームアプリケーションは、典型的には複数のクライアント2が同時期にゲーム管理サーバ10に接続して実行されるゲームに対応する対戦型またはロールプレイ型ゲームであるが、ゲームの内容に限定は無い。例えば、一つのクライアント2が他のクライアントの参加無しに単独でプレイするようなゲームも含む。
【0028】
特に、本実施形態におけるゲームアプリケーションは、本願発明に係るゲーム管理方法を実行可能に構成されている。例えばゲームアプリケーションは、ゲームを実行するための機能の他、レア演出に関する管理を実行させる機能を含んでいる。
【0029】
(レア演出管理データベース104)
レア演出管理データベース104は、本願発明に係る特別演出を管理するためのレア演出情報を格納するためのデータベースである。レア演出情報としては、レア演出を識別するためのレア演出ID、レア演出の名称、レア演出の出現回数、レア演出の出現日時、レア演出の出現頻度情報、およびレア演出の演出情報で構成される。ただし、これら以外の情報を含んでもよく、またこれらから選ばれる複数の情報で構成してもよい。
【0030】
レア演出IDは、ゲームアプリケーションの各々を識別するためのユニークな情報であり、例えば連続番号で構成される。新しいゲームアプリケーションが開発され提供されるたびに、過去に利用されていないレア演出IDが付与される。
【0031】
レア演出の名称は、ユーザが認識しやすいように文字で表現された個々のレア演出の名称である。必ずしもひらがな、カタカナ、漢字、英文字等の文字情報である必要はなく、数字や記号を含んでいてもよい。
【0032】
レア演出の出現回数は、クライアント別に更新される情報であり、例えばレア演出が初めて出現する時に「1」、それ以降に出現するたびに一つずつ増加する数字情報である。
【0033】
レア演出の出現日時は、クライアント別に更新される情報であり、レア演出が出現するたびに記録される出現した時の年月日および時刻等の時間情報である。
【0034】
レア演出の出現頻度情報は、各々のレア演出が一つのゲームアプリケーションにおいて出現する頻度を表す情報であり、例えばゲームアプリケーションが単位となる小プレイを何回も繰り返すように構成されている場合にはそのレア演出が何回の小プレイに対して一回出現する期待値であるかを示すような情報となる。出現確率という表現で提供されてもよいし、ゲームアプリケーションの制作者が出現頻度に応じて付与したランクという表現で提供されてもよい。そのレア演出の希少価値についてユーザが認識できるような情報であれば如何なる形態であってもよい。例えば、出現頻度情報としてランク表現を採用すれば出現確率を秘匿することができるという利点があり、制作者のニーズに応じて適宜選択すればよい。
【0035】
レア演出の演出情報は、個々のレア演出の演出内容を表す情報であり、静止画情報、動画情報、その音声情報で構成される。演出情報の態様としては、例えば次のように種々考えられる。
1)静止画像:個々のレア演出の特徴を端的に捉えた画像をサムネイルのような画像情報として格納する場合。
2)動画像:レア演出の最初から最後までの全部または一部を抜粋した画像音響情報として格納する場合。
3)出現時の再現画像:クライアント2がそのレア演出を実行した時の動画像または静止画像を後に再現可能に記録する場合。
【0036】
(クライアント2)
クライアント2A〜Zは、本ゲーム管理システムにおいて、一人のプレイヤとして参加するためにユーザが操作する端末である。個々のクライアント2A〜Zは、ゲーム管理サーバ10においてユーザIDで識別されるようになっている。クライアント2は、コンピュータ装置20、ディスプレイ装置21、入力装置22(キーボードおよびマウス等)で構成されている。
【0037】
コンピュータ装置20は、ネットワークNWに接続可能に構成された一般的なパーソナルコンピュータとしての構成を備えており、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、I/O、通信装置を備えている。コンピュータ装置20にはOSがインストールされている他に、ゲーム管理サーバ10に接続してダウンロードした、本発明に係るゲームアプリケーションがインストールされる。
【0038】
このゲームアプリケーションは、クライアント2において実行されることにより、ユーザをオンラインゲームに参加させるためのインターフェース環境を提供するようになっている。インターフェース環境は、文字を含む画像および音声を提供するものである。特に本実施形態では、ゲームを実行させる機能の他にレア演出に関する機能を含んでいる。レア演出に関する機能としては、レア演出が実行されるとそのレア演出を識別するレア演出IDをゲーム管理サーバ10に送信し、ゲーム管理サーバ10から返信されてきたレア演出情報に基づきレア演出を認識させるレア演出表示を行うといった機能である。
【0039】
なお、クライアント2はパーソナルコンピュータを適用可能であるが、携帯電話、通信可能な携帯情報端末なども通信機能を備えたコンピュータであるため、本実施形態のクラインアント2に含まれる。
【0040】
[ゲーム管理システムの機能ブロック]
図2に本実施形態に係るゲーム管理システム1において実行される機能ブロックを説明する。図2に示すように、本ゲーム管理システム1は、ゲーム管理サーバ10において本発明に係るゲーム管理方法が実行され、クライアント2において本発明に係るゲームアプリケーションが実行されることにより、全体として、ゲーム実行部11、レア演出認識部12、レア演出提示部13、およびレア演出記録部14が機能的に実行されるように構成されている。
【0041】
(ゲーム実行部11)
ゲーム実行部11は、ゲームを実行させる機能ブロックである。本実施形態においては、ゲーム管理サーバ10からダウンロードされたゲームアプリケーションモジュール201をクライアント2が実行することにより機能的に実現される。
【0042】
(レア演出認識部12)
レア演出認識部12は、ゲーム実行部11において実行されているゲーム展開を監視し、レア演出が実行されていることを認識する機能ブロックである。本実施形態においては、ゲーム管理サーバ10からダウンロードされたゲームアプリケーションモジュール201をクライアント2が実行することにより機能的に実現される。レア演出認識部12は、レア演出の実行を認識した場合に、そのレア演出に割り付けられているレア演出IDをゲーム管理サーバ10に送信するように動作する。
【0043】
(レア演出提示部13)
レア演出提示部13は、レア演出の実行が認識された場合にレア演出であることをユーザに認識可能に提示する機能ブロックである。本実施形態においては、ゲーム管理サーバ10からダウンロードされたゲームアプリケーションモジュール201をクライアント2が実行することにより、機能的に一部が実現される。またゲーム管理サーバ10がクライアント2から送信されたレア演出IDに基づきレア演出管理データベース104を参照し、レア演出IDに対応付けられたレア演出情報をクライアント2に返信することにより、機能的に残りの部分が実現される。レア演出提示部13は、レア演出の実行を認識した場合に、レア演出情報に基づいてレア演出に係る内容をユーザに認識可能な画像または音響情報として提示するようになっている。
【0044】
(レア演出記録部14)
レア演出記録部14は、レア演出の実行が認識された場合に認識されたレア演出の内容を記録する機能ブロックである。本実施形態においては、ゲーム管理サーバ10がクライアント2から送信されたレア演出IDに基づきレア演出管理データベース104に格納された、レア演出IDに対応付けられたレア演出情報を更新することにより機能的に実現される。
【0045】
[動作概要]
次に、本実施形態に係るゲーム管理システムの動作を説明する。
まず準備段階について説明する。本ゲーム管理システムに参加する前提として、ユーザはゲーム管理サーバ10に会員登録をしておく必要がある。
【0046】
上述したように、ユーザはクライアント2からゲーム管理サーバ10が提供するオンラインゲーム用のウェブサイトに接続し、ユーザの個人情報を登録する。ユーザの個人情報として、ユーザID、パスワード、氏名、フリガナ、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールアドレス、携帯電話番号、性別、年齢等を登録する。ユーザの個人情報は、ゲーム管理データベース101のユーザデータベース102に格納される。
【0047】
次いでユーザは、クライアント2を操作して、オンラインゲーム用のウェブサイトにおいてプレイしたいゲームアプリケーションを選択する。特定のゲームアプリケーションが選択されると、ゲーム管理サーバ10は、ゲームアプリケーションデータベース103から選択されたゲームアプリケーションを読み出してクライアント2にダウンロードする。ダウンロードされたゲームアプリケーションは、クライアント2においてゲームアプリケーションモジュール201として実行される。同時期に同じゲームアプリケーションに参加したい複数のクライアント2に対して同様の動作が実行される。
【0048】
クライアント2においてゲームアプリケーションモジュール201が実行されると、各クライアント2はゲーム管理サーバ10の管理に基づき他のクライアント2とゲームプレイが可能な状態となる。ゲームの進行に伴ってゲーム管理サーバ10から制御信号が送信されてきた場合には、制御信号に対応した文字や画像がディスプレイ装置21のインターフェースウィンドウに表示され、対応する音声が送出される。ユーザは、インターフェースウィンドウに表示される指示等に従って入力装置22を操作する。操作内容は、クライアント2の要求信号としてゲーム管理サーバ10に送信され、オンラインゲームに反映される。ゲーム管理サーバ10は同時期にオンラインゲームに参加している複数のクライアント2からの要求信号を受け付けてそれに対応させて、オンラインゲームのシナリオを変更していく。よって、あるクライアント2の操作内容はオンラインゲームのシナリオ全体に影響を与え、他のクライアント2のゲームプレイにも影響を与えるという関係にある。
【0049】
[具体的処理]
次に図3のフローチャートを参照しながら、本実施形態における具体的な処理について説明する。
ステップS101において、ゲーム実行部11はゲーム開始が指定されたか否かを判定する。ゲーム開始が指定されると(YES)、ステップS102に移行し、ゲーム実行部11はゲームを実行する。
【0050】
図4は、ゲーム実行部11において実行されるゲームの画像表示例である。クライアント2のディスプレイ装置21の表示画面Dには、一例としてゲームキャラクタGC1およびゲームギャラクタGC2が表示されている。
【0051】
ステップS102において、レア演出認識部12は、レア演出が実行されるか否かを判定する。レア演出が実行される場合(YES)、ステップS104に移行する。
【0052】
図5は、レア演出が出現した場合のゲームの画像表示例である。表示画面Dに表示されたゲームキャラクタGC1およびゲームキャラクタGC2の間にゲームキャラクタGC3が「上昇」してきている。このようにレア演出は表示画面Dの一部に小さく表示される演出であることが多い。このレア演出は、通常、滅多に表示されない希少価値の高いものであり、ユーザはこのようなレア演出が出現することをゲームプレイの楽しみの一つとしている。レア演出は、そのユーザの操作状態に対応して表示される場合もあるし、ゲームプレイの相手となっている他のクライアント2の操作状態に基づいて表示される場合もある。
【0053】
ステップS104において、レア演出認識部12は、ゲームアプリケーションモジュール201に含まれているレア演出IDをネットワークNW経由でゲーム管理サーバ10に送信する。このレア演出IDを受信したゲーム管理サーバ10は、このレア演出IDをインデックスとして、ゲーム管理データベース101のレア演出管理データベース104を検索し、受信したレア演出IDに対応付けられたレア演出情報を読み出す。そして読み出したレア演出情報をネットワークNW経由で該当するクライアント2に返信する。該当するレア演出情報が存在しない場合には、当該クライアント2のために当該レア演出に対応するレア演出情報を新たに生成し、生成したレア演出情報をクライアント2に返信する。このレア演出認識部12におけるレア演出IDの送信およびゲーム管理データベース101におけるレア演出情報の返信は迅速に行われることがタイムリーなレア演出情報の提示にとって好ましい。
【0054】
次いでステップS105に進み、レア演出提示部13は、ゲーム管理サーバ10から返信されてきたレア演出情報を参照し、表示されている最中であるレア演出に関するレア演出情報をユーザに認識可能に提示する。
【0055】
図6は、レア演出情報の表示例である。図6に示すように、レア演出に係るゲームキャラクタGC3が表示されている表示画面Dの一部にレア演出情報を表示すためのウィンドウRPWが表示され、そのウィンドウ内にレア演出情報CIが適宜表示される。図6の例では、注意喚起を促すアイコンAMとともに、「レア演出名称」、「レア演出ID」、「レア度」、「出現回数」、「前回出現」、リプレイボタンPBが表示される。
「レア演出名称」はレア演出情報に含まれるレア演出名称に基づき表示される文字情報である。「レア演出ID」はレア演出IDを英数字表示したものである。「レア度」はレア情報の出現頻度情報に基づいて表示され、例えばランクを表す数字である。「出現回数」はレア演出の出現回数に基づき表示される過去に同じレア演出が出現した累積回数である。初めて表示される場合には「出現回数」は「0」となる。「前回出現」はレア演出情報の前回の出現日時に基づき表示される前回表示に係る日時情報である。初めて表示される場合には、空欄、または、「初出現」等の表示がされる。
リプレイボタンPBは、ユーザが操作可能なアイコンとして表示される。ユーザがリプレイボタンPBを「押下」する操作をすると、レア演出情報の演出情報が参照され、表示画面Dの一部または全部に、レア演出が再生される。再生されるレア演出は、前述のように、静止画像でも動画像でも過去の出現時の再現画像であってもよい。リプレイボタンPBの操作により、過去の任意のリア演出をリプレイ可能なように構成してもよい。例えば図6に示すようにリプレイボタンPBとして巻き戻しまたは早送りボタンを設けて、過去に遡って再現画像を提供可能に構成することが可能である。
【0056】
ステップS106において、レア演出記録部14は、表示中のレア演出に係るレア演出情報を記録する。すなわちレア演出IDを受信したゲーム管理サーバ10は、レア演出管理データベース104を参照して、該当するレア演出管理情報を更新する。更新する内容は、レア演出の出現回数のフィールドを一つ増加させ、レア演出ID受信時の日時情報をシステムから取得してレア演出管理データベース104に更新記録する。該当するレア演出情報が存在しない場合には、当該クライアント2のために当該レア演出に対応するレア演出情報を生成してレア演出管理データベース104に新規格納する。
【0057】
次いでステップS107に移行する。ステップS102においてレア演出が実行されない場合にはステップS107に移行する。ステップS107においてゲームが終了するか否かが判定される。ゲームが継続する場合には(NO)、再びステップS102に戻り、ゲーム実行部11はゲームを続行させる。ゲームを終了させる場合には(YES),当該クライアント2におけるゲームプレイを終了する。
【0058】
[本実施形態の利点]
以上、本実施形態によれば、以下の利点を奏する。
(1)本実施形態によれば、レア演出認識部12によってレア演出の実行が認識され、レア演出提示部13によってレア演出情報がユーザに認識可能に提示されるので、ユーザにレア演出の出現を確実に気付かせることができる。
【0059】
(2)本実施形態によれば、レア演出記録部14によって出現したレア演出の内容が記録されるので、ユーザに体験したレア演出について後に参照させることが可能となる。
【0060】
(3)本実施形態によれば、レア演出の出現頻度が「レア度」として表示されるので、レア度の表示を見てレア演出の希少価値をユーザに端的に告知することができる。
【0061】
(4)本実施形態によれば、レア演出の出現回数を表示可能としたので、過去に何回同じレア演出を経験したのかをユーザに正確に告知することができる。
【0062】
(5)本実施形態によれば、レア演出の前回の出現日時を表示するように構成したので、前回からの経過時間をユーザに正確に告知することができる。
【0063】
(6)本実施形態によれば、エア演出の演出情報に基づくリプレイ機能を設けたので、過去の任意のレア演出を任意に再生して、ユーザの記憶を喚起することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して実行することが可能である。例えば、上記実施形態では、ゲームアプリケーションをクライアント2にダウンロードして実行させる形態としたが、ゲーム管理サーバ10においてゲームを実行可能に構成してもよい。すなわち総てのゲームアプリケーションはクライアント2ごとに設けられるゲーム管理サーバ10のメモリ空間で実行されるように構成する。そして、クライアント2のブラウザにはゲーム管理サーバ10から提供されるゲームに係る画像および音響が提供されるように構成することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…ゲーム管理システム、2,2A〜2Z…クライアント、10…ゲーム管理サーバ、11…ゲーム実行部、12…レア(特別)演出認識部、13…レア(特別)演出提示部、14…レア(特別)演出記録部、100…サーバ本体(コンピュータ装置)、11…ディスプレイ装置、12…キーボード、20…コンピュータ装置、21…ディスプレイ装置、22…入力装置、100…コンピュータ装置、101…ゲーム管理データベース、102…ユーザデータベース、103…ゲームアプリケーションデータベース、104…レア演出管理データベース、201…ゲームアプリケーションモジュール、NW…ネットワーク、WS…ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおいて実行される特別演出を管理するゲーム管理システムであって、
前記ゲームを実行させるゲーム実行部と、
前記ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する特別演出認識部と、
前記特別演出の実行が認識された場合に、前記特別演出であることをユーザに認識可能に提示する特別演出提示部と、
前記特別演出の実行が認識された場合に、認識された前記特別演出の内容を記録する特別演出記録部と、
を有することを特徴とするゲーム管理システム。
【請求項2】
前記特別演出記録部は、
前記特別演出を識別するための特別演出ID、前記特別演出の名称、前記特別演出の出現回数、前記特別演出の出現日時、前記特別演出の出現頻度情報、および前記特別演出の演出情報から選ばれる複数の情報からなる特別演出情報を記録する、
請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項3】
前記ゲーム管理システムは、
クライアントとゲーム管理サーバとが通信可能に接続されて構成されており、
前記ゲーム管理サーバは、ゲーム管理データベースを備え、
前記ゲーム管理データベースは、
ゲームプログラムを格納するゲームアプリケーションデータベースと、
前記クライアントに対応付けられたユーザ情報を格納するユーザデータベースと、
前記特別演出を管理する特別演出管理データベースと、を備え、
前記ゲーム実行部、前記ゲーム特別演出認識部、前記特別演出提示部、および特別演出記録部の各々は、前記クライアントまたは前記ゲーム管理サーバのうちいずれか一方で実行され、または、双方が協働して実行される、
請求項1または2に記載のゲーム管理システム。
【請求項4】
ゲームにおいて実行される特別演出を管理するゲーム管理方法であって、
前記ゲームを実行させるステップと、
前記ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識するステップと、
前記特別演出の実行が認識された場合に、前記特別演出であることをユーザに認識可能に提示するステップと、
前記特別演出の実行が認識された場合に、認識された前記特別演出の内容を記録するステップと、
を有することを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項5】
ゲーム管理サーバと通信可能に接続されて構成されたクライアントのためのゲーム管理プログラムであって、コンピュータに、
ゲームを実行させる機能と、
前記ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する機能と、
前記特別演出の実行が認識された場合に、前記特別演出であることをユーザに認識可能に提示する機能と、
前記特別演出の実行が認識された場合に、認識された前記特別演出を識別するための特別演出IDを前記ゲーム管理サーバに送信させる機能と、
を実行させるためのゲーム管理プログラム。
【請求項6】
クライアントと通信可能に接続されて構成されたゲーム管理サーバのためのゲーム管理プログラムであって、コンピュータに、
特別演出IDが送信されてきた場合に、前記特別演出IDに対応する特別演出情報を前記クライアントに対応付けて記録する機能を実行させるためのゲーム管理プログラム。
【請求項7】
クライアントと通信可能に接続されて構成されたゲーム管理サーバのためのゲーム管理プログラムであって、コンピュータに、
ゲームを実行させる機能と、
前記ゲームにおいて特別演出に割り付けられている演出が実行されることを認識する機能と、
前記特別演出の実行が認識された場合に、前記特別演出であることをユーザに認識可能に提示する機能と、
前記特別演出の実行が認識された場合に、認識された前記特別演出の内容を記録する機能と、
を実行させるためのゲーム管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−75753(P2012−75753A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225275(P2010−225275)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(500265914)株式会社サミーネットワークス (17)
【Fターム(参考)】