説明

ゲーム装置およびプログラム

【課題】キャラクタの状態を直感的および即時的に把握できるようにする。
【解決手段】キャラクタ付与部54は、ゲームのプレイヤにキャラクタを付与する。記憶装置44は、キャラクタ付与部54がプレイヤに付与したキャラクタについて、ゲームに適用されるパラメータQCと、パラメータQCが初期値に維持された初期状態にあるかパラメータQCを変更可能な使用状態にあるかを示す状態情報QBとを記憶する。情報管理部56は、キャラクタの状態情報QBが示す状態をプレイヤからの指示に応じて初期状態から使用状態に変更する。表示制御部52は、キャラクタの状態情報QBが使用状態を示す場合にそのキャラクタを示す第1キャラクタ画像C1を表示装置32に表示させ、キャラクタの状態情報QBが初期状態を示す場合に、第1キャラクタ画像C1とは異なる態様でそのキャラクタを示す第2キャラクタ画像C2を表示装置32に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャラクタを使用したゲームを利用者にプレイさせる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤに付与されたキャラクタを成長させながら敵キャラクタとの戦闘等のイベントを実行するゲームが従来から提案されている。例えば非特許文献1には、プレイヤが所有するキャラクタ(モンスター)を敵キャラクタとの戦闘や他のキャラクタとの合成により成長させるゲームが開示されている。非特許文献1の技術では、キャラクタを示すカード状の画像(以下「キャラクタ画像」という)とそのキャラクタのパラメータ(攻撃力や防御力)とが表示装置に表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」,株式会社イースト・プレス,平成23年4月1日,p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1の技術では、複数のプレイヤの間でキャラクタを授受することが可能である。他のプレイヤからキャラクタを受け取るプレイヤにとって、そのキャラクタがゲーム内で使用されていない初期的な状態(以下「初期状態」という)にあるのか、それとも他のプレイヤがキャラクタのパラメータを変更し得る状態や実際にパラメータが変更された状態(以下ではこれらの状態を「使用状態」という)にあるのかは重要な関心事であり、例えば現実の社会におけるトレーディングカードの交換と同様に、未使用のキャラクタが好まれるという傾向がある。しかし、非特許文献1の技術では、キャラクタ画像とパラメータとが表示されるに過ぎないから、自身に付与されたキャラクタが初期状態にあるのか使用状態にあるのかをプレイヤが直感的に把握できないという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、キャラクタが初期状態にあるのか使用状態にあるのかをプレイヤが直感的および即時的に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明のゲーム装置は、キャラクタを使用するゲームをプレイヤにプレイさせるゲーム装置(14A,14B)であって、プレイヤにキャラクタを付与するキャラクタ付与部(54)と、キャラクタ付与部(54)がプレイヤに付与したキャラクタについて、ゲームに適用されるパラメータ(QC)と、パラメータ(QC)が初期値に維持された初期状態にあるかパラメータ(QC)を変更可能な使用状態にあるかを示す状態情報(QB)とを記憶する情報記憶部(44)と、キャラクタの状態情報(QB)が示す状態を初期状態から使用状態に変更する情報管理部(56)と、キャラクタの状態情報(QB)が使用状態を示す場合にそのキャラクタを示す第1キャラクタ画像(C1)を表示装置(32)に表示させ、キャラクタの状態情報(QB)が初期状態を示す場合に、第1キャラクタ画像(C1)とは異なる態様でそのキャラクタを示す第2キャラクタ画像(C2)を表示装置(32)に表示させる表示制御部(52)とを具備する。
【0007】
以上の構成では、キャラクタが初期状態にある場合と使用状態にある場合とでキャラクタが相異なる態様で表示される。したがって、各キャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するのかをプレイヤが直感的かつ即時的に把握できるという利点がある。
【0008】
状態情報(QB)が示す状態を初期状態から使用状態に変更する契機は任意であるが、例えばプレイヤからの指示を受付ける受付部(46,34)を具備する構成では、受付部(46,34)が受付けた指示に応じて情報管理部(56)がキャラクタの状態情報(QB)を変更することが可能である。以上の態様では、プレイヤが所有するキャラクタを初期状態に維持するか使用状態に変更してパラメータ(QC)を変化させるかをプレイヤが任意に選択できるという利点がある。
【0009】
キャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するかは、他のプレイヤとの間でキャラクタを授受するプレイヤにとって重要な関心事である。したがって、キャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するかを直感的および即時的に把握できる本発明は、キャラクタ付与部(54)が一のプレイヤのキャラクタを他のプレイヤに付与する構成において格別に有効である。
【0010】
現実の社会におけるトレーディングカードの交換を想定すると、キャラクタの初期状態はトレーディングカードの包装状態(未開封状態)を連想させ、キャラクタの使用状態はトレーディングカードの開封状態を連想させる。したがって、本発明の好適な態様において、表示制御部(52)は、第1キャラクタ画像(C1)が包装された状態を示す第2キャラクタ画像(C2)を表示装置(32)に表示させる。以上の構成によれば、キャラクタの状態をプレイヤが直感的に把握できるという本発明の効果は格別に顕著である。
【0011】
本発明の第1態様のゲーム装置(14A,14B)は、第1キャラクタ画像(C1)と第2キャラクタ画像(C2)とをキャラクタ毎に記憶する画像記憶部(44)を具備し、表示制御部(52)は、キャラクタの状態情報(QB)が使用状態を示す場合にそのキャラクタの第1キャラクタ画像(C1)を画像記憶部(44)から取得して表示装置(32)に表示させ、キャラクタの状態情報(QB)が初期状態を示す場合に第2キャラクタ画像(C2)を画像記憶部(44)から取得して表示装置(32)に表示させる。第1態様では、第1キャラクタ画像(C1)と第2キャラクタ画像(C2)とがキャラクタ毎に個別に用意されるから、第1キャラクタ画像(C1)だけでなく第2キャラクタ画像(C2)の態様もキャラクタ毎に個別に選定できるという利点がある。なお、第1態様の具体例は例えば第1実施形態として後述される。
【0012】
本発明の第2態様のゲーム装置(14A,14B)は、第1キャラクタ画像(C1)をキャラクタ毎に記憶するとともに包装を示す包装画像(CP)を記憶する画像記憶部(44)を具備し、表示制御部(52)は、キャラクタの状態情報(QB)が使用状態を示す場合にそのキャラクタの第1キャラクタ画像(C1)を画像記憶部(44)から取得して表示装置(32)に表示させ、キャラクタの状態情報(QB)が初期状態を示す場合に、そのキャラクタの第1キャラクタ画像(C1)と包装画像(CP)との合成で第2キャラクタ画像(C2)を生成して表示装置(32)に表示させる。第2態様では、第1キャラクタ画像(C1)と包装画像(CP)との合成で第2キャラクタ画像(C2)が生成される。包装画像(CP)は、複数の第2キャラクタ画像(C2)の生成に共用され、キャラクタ毎に用意する必要はない。したがって、第1キャラクタ画像(C1)と第2キャラクタ画像(C2)とをキャラクタ毎に記憶する構成と比較して画像記憶部(44)に必要な記憶容量が削減されるという利点がある。なお、第2態様の具体例は第2実施形態として後述される。
【0013】
第2態様では、表示制御部(52)が第1キャラクタ画像(C1)を縮小して包装画像(CP)と合成する構成が好適である。以上の態様では、第1キャラクタ画像(C1)を縮小して包装画像(CP)と合成するから、第1キャラクタ画像(C1)と第2キャラクタ画像(C2)との外形サイズ(画素数)を近似または合致させることが可能である。
【0014】
本発明の第3態様のゲーム装置(14A,14B)は、各キャラクタの第1キャラクタ画像(C1)と、包装を示す包装画像(CP)と、包装画像(CP)と同じ外形サイズの透過画像(CT)とを記憶する画像記憶部(44)を具備し、表示制御部(52)は、キャラクタの状態情報(QB)が使用状態を示す場合にそのキャラクタの第1キャラクタ画像(C1)を透過画像(CT)と合成して表示装置(32)に表示させ、キャラクタの状態情報(QB)が初期状態を示す場合に、そのキャラクタの第1キャラクタ画像(C1)と包装画像(CP)との合成で第2キャラクタ画像(C2)を生成して表示装置(32)に表示させる。第3態様では、第2態様と同様に、第1キャラクタ画像(C1)と包装画像(CP)との合成で第2キャラクタ画像(C2)が生成されるから、第1キャラクタ画像(C1)と第2キャラクタ画像(C2)とをキャラクタ毎に記憶する構成と比較して画像記憶部(44)に必要な記憶容量が削減されるという利点がある。また、第1キャラクタ画像(C1)の表示時に第1キャラクタ画像(C1)に合成される透過画像(CT)と第2キャラクタ画像(C2)の表示時に第1キャラクタ画像(C1)に合成される包装画像(CP)とは外形サイズ(画素数)が共通するから、第1キャラクタ画像(C1)の表示時と第2キャラクタ画像(C2)の表示時とで表示画像のレイアウトを相違させる必要がないという利点がある。なお、第3態様の具体例は第3実施形態として後述される。
【0015】
本発明の好適な態様において、キャラクタ付与部(54)は、複数のプレイヤの各々にキャラクタを順次に付与するとともに、複数のプレイヤに対して共通に付与されたキャラクタの各々に相異なる付与番号(QD)(例えばシリアル番号)を設定し、表示制御部(52)は、キャラクタの第2キャラクタ画像(C2)とともにそのキャラクタの付与番号(QD)を表示装置(32)に表示させる。以上の態様では、各キャラクタに付与番号(QD)が設定されて第2キャラクタ画像(C2)とともに表示されるから、複数のプレイヤに付与された同種のキャラクタの各々を容易に区別することが可能である。なお、以上の態様の具体例は第4実施形態として後述される。
【0016】
本発明は、前述の各態様に係るゲーム装置(14A,14B)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(PGM)としても特定される。本発明のプログラム(PGM)は、プレイヤにキャラクタを付与するキャラクタ付与部(54)と、キャラクタ付与部(54)がプレイヤに付与したキャラクタについて、ゲームに適用されるパラメータ(QC)と、パラメータ(QC)が初期値に維持された初期状態にあるかパラメータ(QC)を変更可能な使用状態にあるかを示す状態情報(QB)とを記憶する記憶部(44)と、キャラクタの状態情報(QB)が示す状態を初期状態から使用状態に変更する情報管理部(56)と、キャラクタの状態情報(QB)が使用状態を示す場合にそのキャラクタを示す第1キャラクタ画像(C1)を表示装置(32)に表示させ、キャラクタの状態情報(QB)が初期状態を示す場合に、第1キャラクタ画像(C1)とは異なる態様でそのキャラクタを示す第2キャラクタ画像(C2)を表示装置(32)に表示させる表示制御部(52)としてコンピュータを機能させる。以上のプログラム(PGM)によれば、本発明のゲーム装置(14A,14B)と同様の作用および効果が実現される。本発明のプログラム(PGM)は、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態におけるゲームシステムのブロック図である。
【図2】獲得キャラクタデータの模式図である。
【図3】第1キャラクタ画像および第2キャラクタ画像の模式図である。
【図4】ゲームシステムの動作の説明図である。
【図5】表示装置の表示例を示す模式図である。
【図6】表示装置の表示例(リスト表示)を示す模式図である。
【図7】第2実施形態における表示画像の模式図である。
【図8】第3実施形態における表示画像の模式図である。
【図9】第4実施形態における獲得キャラクタデータの模式図である。
【図10】第4実施形態における表示装置の表示例を示す模式図である。
【図11】第5実施形態におけるゲーム装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。第1実施形態のゲームシステム100は、キャラクタを使用したゲームをプレイヤにプレイさせるシステムであり、通信網16を介して相互に通信する端末装置12とゲーム装置14Aとを具備する。通信網16は、例えばインターネットを含んで構成され、端末装置12とゲーム装置14Aとは、公知のHTTP(HyperText Transfer Protocol)に準拠した手順で相互に通信する。なお、図1では便宜的に1個の端末装置12のみを図示したが、実際には複数の端末装置12が通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。
【0019】
端末装置12は、例えば携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)やパーソナルコンピュータ等の通信端末であり、制御装置22と記憶装置24と通信装置26と表示装置32と入力装置34とを含んで構成される。通信装置26は、通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。なお、端末装置12と通信網16との間の通信は典型的には無線通信であるが、例えば据置型のパーソナルコンピュータ等を端末装置12として利用する構成では端末装置12と通信網16とが有線通信することも可能である。
【0020】
表示装置32(例えば液晶表示パネル)は、制御装置22による制御のもとで各種の画像を表示する。入力装置34は、端末装置12に対する指示をプレイヤが入力するための機器であり、例えばプレイヤが操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置32と一体に構成されて利用者からの操作を受付けるタッチパネルや、端末装置12に対する指示を利用者が音声で入力するためのマイクロホンを入力装置34として採用することも可能である。
【0021】
制御装置22は、プログラムを実行することで端末装置12の各要素を統括的に制御する。記憶装置24は、例えば半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成され、制御装置22が実行するプログラムや制御装置22が使用する各種のデータを記憶する。例えば記憶装置24はウェブブラウザのプログラムBを記憶する。
【0022】
ゲーム装置14Aは、端末装置12を所有するプレイヤにブラウザゲームを提供するウェブサーバである。ブラウザゲームは、端末装置12におけるプログラムBの実行でプレイすることが可能なゲーム(ゲームの専用のソフトウェアを端末装置12にダウンロードすることが不要なゲーム)である。すなわち、端末装置12の制御装置22は、プログラムBを実行することで、ゲーム画面を示すウェブページをゲーム装置14Aに要求するとともにその要求に応じて提供されたゲーム画面を表示装置32に表示させる。第1実施形態のゲーム装置14Aが提供するゲームは、プレイヤに付与されたモンスター等のキャラクタを使用して他のプレイヤ(仲間)と連携しながら各種のイベントを達成していくRPG(Role-Playing Game)型のソーシャルゲームである。
【0023】
図1に示すように、ゲーム装置14Aは、制御装置42と記憶装置44と通信装置46とを含んで構成される。通信装置46は、通信網16を介して端末装置12と通信する。例えば通信装置46は、端末装置12に対するプレイヤからの指示を受付ける要素(受付部)として機能する。記憶装置44は、制御装置42が実行するプログラム(ゲームプログラム)PGMや制御装置42が使用する各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置44として採用され得る。
【0024】
記憶装置44は、ゲームの進行の状況に応じたゲームデータGをプレイヤ毎に記憶する。各プレイヤのゲームデータGは、例えば仲間データGAと獲得キャラクタデータGBとを含んで構成される。仲間データGAは、プレイヤの仲間として登録された他のプレイヤの識別情報を指定する。
【0025】
図2は、獲得キャラクタデータGBの模式図である。獲得キャラクタデータGBは、プレイヤがゲームで獲得した各キャラクタに対応する複数のキャラクタデータQの集合である。各キャラクタデータQは、識別情報QAと状態情報QBとパラメータQCとを含んで構成される。識別情報QAは、キャラクタに固有に付与された符号(例えばキャラクタの名前)である。パラメータQCは、ゲームに適用される変数である。例えばレベルや攻撃力,防御力,成長度(経験値)といったキャラクタの能力に関する変数がパラメータQCとして指定される。各種のイベントの達成によりゲームが進行するとキャラクタの成長度が増加し、成長度が閾値に到達するたびにレベルと攻撃力と防御力とが上昇する。
【0026】
図2の状態情報QBは、キャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するのかを示す情報(フラグ)である。初期状態は、キャラクタのパラメータQCが所定の初期値に維持された状態を意味し、使用状態は、キャラクタのパラメータQCが変更され得る状態およびパラメータQCが実際に変更された状態を意味する。具体的には、状態情報QBは、キャラクタが初期状態にある場合に数値“0”に設定され、キャラクタが使用状態にある場合に数値“1”に設定される。
【0027】
また、図1の記憶装置44は、ゲームに登場し得る各キャラクタの画像(キャラクタ画像)の画像データD(D1,D2)を記憶する。1種類のキャラクタ毎に第1キャラクタ画像C1の画像データD1と第2キャラクタ画像C2の画像データD2とが事前に生成されて記憶装置44に格納される。第1キャラクタ画像C1と第2キャラクタ画像C2とは共通のキャラクタを相異なる態様(絵柄)で表現する。
【0028】
図3は、第1キャラクタ画像C1および第2キャラクタ画像C2の模式図である。第1キャラクタ画像C1は、キャラクタの絵柄が描画されたトレーディングカードを模擬した略矩形状の画像である。他方、第2キャラクタ画像C2は、トレーディングカードが包装された未開封の状態を模擬した画像である。例えば図3に示すように、第1キャラクタ画像C1が示すトレーディングカードを透明なパッケージで包装した状態(すなわちパッケージを介して内部の第1キャラクタ画像C1を視認可能な状態)の画像が第2キャラクタ画像C2として用意される。第1キャラクタ画像C1と第2キャラクタ画像C2とで画像の外形サイズ(横方向の画素数Nxおよび縦方向の画素数Ny)は共通する。第1キャラクタ画像C1を示す画像データD1と第2キャラクタ画像C2を示す画像データD2とが複数のキャラクタの各々について記憶装置44に格納される。
【0029】
なお、図1の例示では、ゲームデータGを記憶する手段(情報記憶部)と画像データDを記憶する手段(画像記憶部)とを単体の記憶装置44で実現したが、各手段(情報記憶部,画像記憶部)を別体の複数の記憶装置で実現することも可能である。
【0030】
図1の制御装置42は、記憶装置44に格納されたプログラムPGMを実行することで、端末装置12を所有するプレイヤにゲームを提供するための複数の機能(表示制御部52,キャラクタ付与部54,情報管理部56)を実現する。なお、制御装置42の各機能を複数の演算処理装置に分散することも可能である。
【0031】
表示制御部52は、端末装置12からの処理要求(HTTPリクエスト)に対する応答(HTTPレスポンス)として、ウェブブラウザのプログラムBを実行する端末装置12の表示装置32に各種のゲーム画面を表示させる。具体的には、表示制御部52は、ゲームの進行の状況に応じたゲーム画面を示す表示データを端末装置12からの処理要求に応じて随時に生成して通信装置46から端末装置12に送信する。表示データは、例えばゲーム画面を構成する文字およびハイパーリンクやキャラクタ画像の情報(例えばファイル名)を含むHTML(HyperText Markup Language)形式のデータである。端末装置12の制御装置22は、通信装置26を介してゲーム装置14Aから受信した表示データに応じて表示装置32にゲーム画面を表示させる。
【0032】
図1のキャラクタ付与部54は、ゲーム内での所定のイベント(以下「キャラクタ付与イベント」という)の発生を契機としてプレイヤにキャラクタを付与する。キャラクタ付与イベントは、例えば洞窟の探索で発見した宝箱からキャラクタを獲得するイベントや所定の抽選処理によりキャラクタを獲得するイベントである。キャラクタ付与イベントが発生すると、キャラクタ付与部54は、複数種のキャラクタの何れかを抽選処理により決定したうえでプレイヤに付与する。情報管理部56は、記憶装置44に記憶されたゲームデータGをゲームの進行とともに随時に更新する。
【0033】
図4は、ゲームシステム100の全体的な動作の説明図である。プレイヤは、自身の端末装置12の表示装置32に表示されたゲーム画面を確認しながら入力装置34を適宜に操作する(例えばゲーム画面内の所望のハイパーリンクを選択する)ことでキャラクタ付与イベントの発生を指示することが可能である(SA1)。端末装置12の制御装置22は、プレイヤから指示されたキャラクタ付与イベントを示す処理要求を通信装置26からゲーム装置14Aに送信する(SA2)。
【0034】
処理SA2の処理要求を通信装置46が受信すると、ゲーム装置14Aのキャラクタ付与部54は、例えば所定の抽選処理により1種類のキャラクタ(以下「新規キャラクタ」という)を選択してプレイヤに付与する(SA3)。情報管理部56は、新規キャラクタのキャラクタデータQをプレイヤの獲得キャラクタデータGBに追加する(SA4)。処理SA4で追加されるキャラクタデータQにおいては、状態情報QBが初期状態を示す数値“0”に設定され、パラメータQCの各数値がそのキャラクタに固有の初期値に設定される。
【0035】
表示制御部52は、処理SA3で付与された新規キャラクタをプレイヤに通知するゲーム画面の表示データを生成する(SA5)。処理SA5で生成される表示データは、新規キャラクタの識別情報QAとパラメータQCと画像データDとを含む。新規キャラクタの状態情報QBは、前述の通り、初期状態を示す数値“0”に設定されている。状態情報QBが初期状態を示す場合、表示制御部52は、端末装置12に提供する表示データの画像データDとして第2キャラクタ画像C2の画像データD2を指定する。表示制御部52は、処理SA5で生成した表示データを処理SA2の処理要求に対する応答として通信装置46から端末装置12に送信する(SA6)。
【0036】
処理SA6で送信された表示データを通信装置26が受信すると、端末装置12の制御装置22は、その表示データが示すゲーム画面を表示装置32に表示させる(SA7)。具体的には、図5の部分(A)に示すように、識別情報(キャラクタの名前)QAおよびパラメータQCの各数値とともに新規キャラクタの第2キャラクタ画像C2が表示装置32に表示される。すなわち、キャラクタ付与イベントでプレイヤに付与されて初期状態にある新規キャラクタについては、包装状態(いわば未開封の新品状態)を示す第2キャラクタ画像C2が表示される。したがって、プレイヤは、自身に付与された新規キャラクタが初期状態にあることを直感的に把握することが可能である。なお、所定の抽選処理により新規キャラクタを付与するキャラクタ付与イベントの発生時には、プレイヤに付与される新規キャラクタを抽選する様子を表現する動画(アニメーション)を処理SA7にてゲーム画面として表示させることも可能である。
【0037】
プレイヤは、表示装置32に表示されたゲーム画面を確認しながら入力装置34を適宜に操作することで、自身が所有する任意のキャラクタ(以下「対象キャラクタ」という)について状態情報QBの変更(初期状態から使用状態への変更)を指示することが可能である(SB1)。状態情報QBの変更が指示されると、端末装置12の制御装置22は、対象キャラクタを示す処理要求を通信装置26からゲーム装置14Aに送信する(SB2)。
【0038】
処理SB2で送信された処理要求を通信装置46が受信すると、ゲーム装置14Aの情報管理部56は、プレイヤの獲得キャラクタデータGBのうち処理要求が示す対象キャラクタのキャラクタデータQの状態情報QBを、初期状態を示す現在の数値“0”から使用状態を示す数値“1”に変更する(SB3)。なお、状態情報QBが示す状態を使用状態から初期状態に変更することは禁止される。
【0039】
表示制御部52は、状態情報QBの変更をプレイヤに通知するゲーム画面の表示データを生成する(SB4)。処理SB4で生成される表示データは、対象キャラクタの識別情報QAとパラメータQCと画像データDとを含む。対象キャラクタの状態情報QBは処理SB3にて数値“0”から数値“1”に変更されている。状態情報QBが使用状態を示す場合、表示制御部52は、処理SB4で生成する表示データの画像データDとして第1キャラクタ画像C1の画像データD1を指定する。表示制御部52は、処理SB4で生成した表示データを処理SB2の処理要求に対する応答として端末装置12に送信する(SB5)。
【0040】
処理SB5で送信された表示データを通信装置26が受信すると、端末装置12の制御装置22は、その表示データが示すゲーム画面を表示装置32に表示させる(SB6)。具体的には、図5の部分(B)に示すように、識別情報QAおよびパラメータQCの各数値とともに対象キャラクタの第1キャラクタ画像C1が表示装置32に表示される。すなわち、包装状態を示す第2キャラクタ画像C2が、処理SB1の指示を契機として、包装を開封した使用状態の第1キャラクタ画像C1に変更される。したがって、プレイヤは、表示装置32に表示されたキャラクタが使用状態に変化したことを直感的に把握することが可能である。なお、第2キャラクタ画像C2を第1キャラクタ画像C1に変更する場合に、第2キャラクタ画像C2が第1キャラクタ画像C1に経時的に変化する動画(アニメーション)を表示装置32に表示させることも可能である。
【0041】
プレイヤは、入力装置34を適宜に操作することで、自身が所有するキャラクタのリスト表示を指示することが可能である(SC1)。端末装置12の制御装置22は、獲得済のキャラクタのリスト表示を指示する処理要求を通信装置26からゲーム装置14Aに送信する(SC2)。処理SC2の処理要求を通信装置46が受信すると、ゲーム装置14Aの表示制御部52は、獲得キャラクタデータGBに登録された複数のキャラクタの各々について識別情報QAとパラメータQCと画像データDとを指定した表示データを生成する(SC3)。処理SC3にて生成される表示データでは、プレイヤが所有する複数のキャラクタのうち状態情報QBが初期状態の数値“0”であるキャラクタについては第2キャラクタ画像C2の画像データD2が指定され、状態情報QBが使用状態の数値“1“であるキャラクタについては第1キャラクタ画像C1の画像データD1が指定される。表示制御部52は、処理SC3で生成した表示データを処理SC2の処理要求に対する応答として端末装置12に送信する(SC4)。
【0042】
処理SC4で送信された表示データを通信装置26が受信すると、端末装置12の制御装置22は、図6に示すように、プレイヤが所有する複数のキャラクタの各々について識別情報QAとキャラクタ画像C(C1,C2)とパラメータQCとを表示装置32に表示させる(SC5)。表示装置32に表示される複数のキャラクタのうち初期状態にあるキャラクタ(例えば図6のキャラクタZ1およびキャラクタZ2)については包装状態を示す第2キャラクタ画像C2が表示され、使用状態に変更されたキャラクタ(例えば図6のキャラクタZ3)については開封状態を示す第1キャラクタ画像C1が表示される。したがって、プレイヤは、自身が所有する複数のキャラクタの各々が初期状態および使用状態の何れに該当するのかを直感的かつ即時的に把握することが可能である。
【0043】
図6のようにリスト表示された複数のキャラクタのうち初期状態にある所望のキャラクタをプレイヤが選択して状態情報QBの変更を指示すると、処理SB2から処理SB5と同様の処理が実行されることでそのキャラクタの状態情報QBが数値“0”から数値“1”に変更され、端末装置12の表示装置32に表示される画像が第2キャラクタ画像C2から第1キャラクタ画像C1に変更される。
【0044】
プレイヤは、自身が所有する複数のキャラクタのうち使用状態にある任意のキャラクタを選択し、そのキャラクタのパラメータQCを変更させるためのイベント(以下「キャラクタ成長イベント」という)の発生を指示することが可能である。キャラクタ成長イベントは、例えば、プレイヤが所有する複数のキャラクタを合成するイベントや、自身のキャラクタを他のプレイヤのキャラクタと戦闘させるイベントである。表示装置32にリスト表示された複数のキャラクタのうち初期状態にあるキャラクタはキャラクタ成長イベントの対象から除外される。キャラクタ成長イベントの処理要求を端末装置12から受信すると、ゲーム装置14Aの情報管理部56は、プレイヤが指定したキャラクタのパラメータQCを所定の演算により変更する。
【0045】
また、プレイヤは、仲間データGAに登録された他のプレイヤとの間でキャラクタを授受することが可能である。キャラクタ付与部54は、所定のイベント(例えばプレイヤaが他のプレイヤbからキャラクタを譲受するイベントやプレイヤaが他のプレイヤbからキャラクタを奪取するイベント)の発生を契機として他のプレイヤbのキャラクタをプレイヤaに付与する。プレイヤbのキャラクタがプレイヤaに付与された場合、情報管理部56は、そのキャラクタのキャラクタデータQをプレイヤbの獲得キャラクタデータGBから削除するとともにプレイヤaの獲得キャラクタデータGBに追加し、表示制御部52は、追加後のプレイヤaの獲得キャラクタデータGBで指定される各キャラクタを図6の例示と同様に端末装置12の表示装置32にリスト表示させる。プレイヤbから付与されたキャラクタについては、プレイヤbに付与された時点の初期状態に維持されていれば第2キャラクタ画像C2が表示され、プレイヤbがキャラクタ成長イベントで既にパラメータQCを変更している場合には第1キャラクタ画像C1が表示される。したがって、他のプレイヤから譲受したキャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するのかをプレイヤが直感的かつ即時的に把握することが可能である。
【0046】
第1実施形態では、キャラクタのパラメータQCが初期値のまま維持された初期状態にある場合とキャラクタのパラメータQCが変更され得る(あるいは実際に既に変更された)使用状態にある場合とでキャラクタ画像の表示態様が相違する。したがって、各キャラクタが初期状態および使用状態の何れにあるのかをプレイヤが直感的かつ即時的に把握できるという利点がある。第1実施形態では特に、開封済のトレーディングカードを示す第1キャラクタ画像C1が使用状態のキャラクタについて表示され、かつ、包装状態のトレーディングカードを示す第2キャラクタ画像C2が初期状態のキャラクタについて表示されるから、キャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するかをプレイヤが直感的に把握できるという効果は格別に顕著である。
【0047】
なお、各キャラクタが初期状態および使用状態の何れに該当するのかをゲーム装置14Aの表示制御部52が判定する方法としては、状態情報QBを使用する前述の方法以外にも、例えば、キャラクタのパラメータQCの実際の数値とそのキャラクタのパラメータQCの初期値とを比較して両者が相違する場合に使用状態にあると判定する方法(以下「対比例1」という)も想定され得る。しかし、対比例1では、キャラクタ毎にパラメータQCの実際の数値と初期値とを比較する必要があるから、表示制御部52の処理負荷が大きいという問題がある。他方、第1実施形態では、キャラクタ毎に状態情報QBが設定されるから、パラメータQCの実際の数値と初期値とを比較する必要はない。したがって、対比例1と比較して表示制御部52の処理負荷が軽減されるという利点がある。
【0048】
<B:第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。第1実施形態では、第1キャラクタ画像C1の画像データD1と第2キャラクタ画像C2の画像データD2とをキャラクタ毎に記憶装置44に格納した。第2実施形態では、画像データD1に対する加工で画像データD2を生成する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0049】
図7に示すように、第2実施形態の記憶装置44は、開封状態の第1キャラクタ画像C1の画像データD1をキャラクタ毎に記憶し、かつ、包装を表現する包装画像CPの画像データDPを記憶する。包装画像CPは、トレーディングカードを包装する透明なパッケージを模擬した画像である。第1キャラクタ画像C1と包装画像CPとで画像の外形サイズ(横方向の画素数Nxおよび縦方向の画素数Ny)は共通する。図7に示すように、包装画像CPは、パッケージに包装されたトレーディングカードに重なるべき第1領域A1と、第1領域A1を包囲する枠状の第2領域A2とを含んで構成される。第1領域A1の大部分は透明であり、第2領域A2には包装の外形が描画される。
【0050】
キャラクタの状態情報QBが使用状態を示す数値“1”である場合、表示制御部52は、第1実施形態と同様に、画像データD1が示す第1キャラクタ画像C1を端末装置12の表示装置32に表示させる。他方、キャラクタの状態情報QBが初期状態を示す数値“0”である場合、表示制御部52は、画像データD1が示す第1キャラクタ画像C1と画像データDPが示す包装画像CPとを合成することで第2キャラクタ画像C2の画像データD2を生成して端末装置12の表示装置32に表示させる。すなわち、包装画像CPは、複数のキャラクタの第2キャラクタ画像C2の生成に共通に適用される。
【0051】
具体的には、表示制御部52は、図7に示すように、包装画像CPの第1領域A1に内包される外形サイズとなるように第1キャラクタ画像C1を縮小し、第1キャラクタ画像C1の前面に包装画像CPを重ねて合成することで第2キャラクタ画像C2(画像データD2)を生成する。したがって、第1実施形態と同様に、第1キャラクタ画像C1と第2キャラクタ画像C2とで画像の外形サイズ(横方向の画素数Nxおよび縦方向の画素数Ny)は共通する。
【0052】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、キャラクタ毎に用意された第1キャラクタ画像C1と各キャラクタに共通の包装画像CPとの合成で包装状態の第2キャラクタ画像C2が生成されるから、第2キャラクタ画像C2をキャラクタ毎に用意する第1実施形態と比較して記憶装置44に必要な容量が削減されるという利点がある。なお、第1キャラクタ画像C1と第2キャラクタ画像C2との双方をキャラクタ毎に用意する第1実施形態によれば、第2キャラクタ画像C2が示す包装の態様をキャラクタ毎に相違させることが可能である。
【0053】
ところで、第1キャラクタ画像C1のサイズを変更せずに包装画像CPと合成する構成(以下「対比例2」という)では、包装画像CPが第1キャラクタ画像C1よりも大きい外形サイズに設定されるから、第1キャラクタ画像C1と包装画像CPとを合成した第2キャラクタ画像C2の外形サイズが第1キャラクタ画像C1を上回る。したがって、対比例2では、第1キャラクタ画像C1の表示時と第2キャラクタ画像C2の表示時とで表示画像のレイアウト(各キャラクタ画像を表示する領域のサイズ)を相違させる必要がある。他方、第2実施形態では、包装画像CPと合成する場合に第1キャラクタ画像C1が縮小されるから、第1キャラクタ画像C1と第2キャラクタ画像C2とで画像の外形サイズを共通させることが可能である。したがって、第1キャラクタ画像C1の表示時と第2キャラクタ画像C2の表示時とで表示画像のレイアウトを相違させる必要がないという利点もある。
【0054】
<C:第3実施形態>
図8に示すように、第3実施形態の記憶装置44は、開封状態の第1キャラクタ画像C1の画像データD1をキャラクタ毎に記憶し、かつ、第2実施形態と同様に第1領域A1と第2領域A2とで包装を表現する包装画像CPの画像データDPと、透過画像CTの画像データDTとを記憶する。透過画像CTは、背後の画像が透過して視認される透明な画像(例えば透過GIF)である。包装画像CPと透過画像CTとで画像の外形サイズ(横方向の画素数Nxおよび縦方向の画素数Ny)は共通する。他方、第1キャラクタ画像C1は、包装画像CPの第1領域A1に内包される外形サイズ(すなわち包装画像CPや透過画像CTよりも小さいサイズ)に設定される。
【0055】
キャラクタの状態情報QBが初期状態を示す数値“0”である場合、表示制御部52は、第2実施形態と同様に、画像データD1が示す第1キャラクタ画像C1と画像データDPが示す包装画像CPとを合成することで第2キャラクタ画像C2の画像データD2を生成して端末装置12の表示装置32に表示させる。他方、キャラクタの状態情報QBが使用状態を示す数値“1”である場合、表示制御部52は、画像データD1が示す第1キャラクタ画像C1と画像データDTが示す透過画像CTとを合成して端末装置12の表示装置32に表示させる。具体的には、図8に示すように、平面視で透過画像CTの周縁に内包される位置に第1キャラクタ画像C1が配置される。したがって、第1キャラクタ画像C1の表示時と第2キャラクタ画像C2の表示時とで画像の外形サイズは共通する。
【0056】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第3実施形態では、キャラクタ毎に用意された第1キャラクタ画像C1と各キャラクタに共通の包装画像CPとの合成で包装状態の第2キャラクタ画像C2が生成されるから、第2実施形態と同様に、第2キャラクタ画像C2をキャラクタ毎に用意する第1実施形態と比較して記憶装置44に必要な容量を削減することが可能である。また、包装画像CPと同等の外形サイズの透過画像CTに合成されて第1キャラクタ画像C1が表示されるから、第2実施形態と同様に、第1キャラクタ画像C1の表示時と第2キャラクタ画像C2の表示時とで表示画像のレイアウトを相違させる必要がないという利点もある。更に、第1キャラクタ画像C1を縮小する必要がないから、第2実施形態と比較して表示制御部52の処理負荷を低減することが可能である。
【0057】
<D:第4実施形態>
第4実施形態のキャラクタ付与部54は、複数種のキャラクタのうち特定のキャラクタ(以下「特定キャラクタ」という)を各プレイヤに対して所定の限定回数Mだけ付与する。キャラクタ付与部54は、プレイヤに対する特定キャラクタの付与毎に付与番号QDを設定する。付与番号QDは、1種類の特定キャラクタを各プレイヤに付与するたびに1ずつ増加するシリアル番号である。したがって、複数のプレイヤに付与された特定キャラクタの各々には相異なる付与番号QDが設定される。付与番号QDが限定回数Mに到達するとその特定キャラクタの付与は終了する。
【0058】
図9は、第4実施形態の記憶装置44が記憶する獲得キャラクタデータGBの模式図である。図9に示すように、第4実施形態の獲得キャラクタデータGBのうち特定キャラクタのキャラクタデータQは、第1実施形態と同様の要素(識別情報QA,状態情報QB,パラメータQC)に加えて、その特定キャラクタについてキャラクタ付与部54が設定した付与番号QDを含む。
【0059】
ゲーム装置14Aの表示制御部52は、特定キャラクタのキャラクタ画像C(C1,C2)とともにその特定キャラクタの付与番号QDを端末装置12の表示装置32に表示させる。例えば、キャラクタ付与イベントで付与された新規キャラクタが特定キャラクタである場合、表示制御部52は、新規キャラクタの識別情報QAと画像データD2とパラメータQCとに加えてその新規キャラクタの付与番号QDを含む表示データを生成および送信する(SA5,SA6)。表示データを受信した端末装置12では、図10の部分(A)に示すように、識別情報QAとパラメータQCと第2キャラクタ画像C2とが第1実施形態と同様に表示装置32に表示され、第2キャラクタ画像C2に重ねて付与番号QDが表示される(SA7)。図10では、付与番号QD(QD=5)と限定回数M(M=100)とを併せて表示した場合が例示されている。特定キャラクタの第1キャラクタ画像C1を端末装置12の表示装置32に表示させる場合(SB4〜SB6)も同様であり、図10の部分(B)に示すように、表示制御部52は、特定キャラクタの第1キャラクタ画像C1とともにそのキャラクタの付与番号QDを端末装置12の表示装置32に表示させる。なお、第2キャラクタ画像C2の表示時のみに付与番号QDを表示する(第1キャラクタ画像C1の表示時には付与番号QDを表示しない)ことも可能である。
【0060】
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態では、特定キャラクタのキャラクタ画像C(C1,C2)とともに付与番号QDが表示されるから、特定キャラクタを獲得したプレイヤに希少感(プレミア感)を付与することが可能である。また、1人のプレイヤに複数の特定キャラクタが付与された場合に各特定キャラクタを付与番号QDで区別できるという利点もある。なお、以上の例示では、複数種のキャラクタのうち特定キャラクタを限定回数Mだけプレイヤに付与したが、全種類のキャラクタについて付与番号QDを付与する構成や、キャラクタの付与の回数を限定しない構成も採用され得る。なお、第2実施形態や第3実施形態の構成は第4実施形態にも同様に適用される。
【0061】
<E:第5実施形態>
図11は、第5実施形態のゲーム装置14Bのブロック図である。ゲーム装置14Bは、第1実施形態と同様のゲームをプレイヤ(所有者)にプレイさせる携帯型の電子機器であり、制御装置42と記憶装置44と通信装置26と表示装置32と入力装置34とを具備する。入力装置34は、プレイヤからの指示を受付ける要素(受付部)として機能する。
【0062】
記憶装置44は、プレイヤにゲームを提供するプログラムPGMとそのプレイヤのゲームデータG(仲間データGA,獲得キャラクタデータGB)と各キャラクタの画像データD(D1,D2)とを記憶する。プログラムPGMやゲームデータGや画像データDは、例えば通信網(図示略)を介してサーバ装置から配信されて記憶装置44に格納される。通信装置26は、他のゲーム装置14Bとの通信(例えば赤外線通信等の近距離通信)でキャラクタを授受する。
【0063】
制御装置42は、プログラムPGMを実行することで第1実施形態と同様の要素(表示制御部52,キャラクタ付与部54,情報管理部56)として機能する。制御装置42の各要素の動作は第1実施形態と同様である。例えば表示制御部52は、表示対象のキャラクタの状態情報QBが初期状態を示す場合にはそのキャラクタの第2キャラクタ画像C2を表示装置32に表示させ、キャラクタの状態情報QBが使用状態を示す場合にはそのキャラクタの第1キャラクタ画像C1を表示装置32に表示させる。
【0064】
すなわち、第5実施形態のゲーム装置14Bは、第1実施形態においてゲーム装置14Aが提供するゲームを装置単体でプレイヤに提供する機器として機能する。したがって、第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。以上の説明から理解されるように、表示制御部52と表示装置32とは、第1実施形態の例示のように別体の装置(ゲーム装置14Aと端末装置12)に搭載されてもよいし、第5実施形態の例示のように単体の装置(ゲーム装置14B)に搭載されてもよい。なお、第2実施形態から第4実施形態の構成は第5実施形態にも同様に適用される。
【0065】
<F:変形例>
前述の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0066】
(1)前述の各形態では、キャラクタを初期状態から使用状態に変更する指示をイベントの発生等の他の指示とは独立に付与したが、例えばキャラクタ成長イベントの発生の指示がキャラクタを初期状態から使用状態に変更する指示を兼ねる構成も採用され得る。すなわち、初期状態にある任意のキャラクタをプレイヤが選択してキャラクタ成長イベントの発生を指示すると、情報管理部56は、そのキャラクタの状態情報QBが示す状態を初期状態(QB=0)から使用状態(QB=1)に変更する。以上の構成では、キャラクタを初期状態から使用状態に変更するための独立の指示が不要であるから、プレイヤの負担を軽減することが可能である。
【0067】
(2)前述の各形態では、プレイヤから指示された場合に状態情報QBを変更したが、状態情報QBが示す状態を初期状態から使用状態に変更する契機は任意である。例えばプレイヤにキャラクタが付与された時点から所定の時間が経過した場合にそのキャラクタの状態情報QBを変更する(表示装置32に表示される画像を第2キャラクタ画像C2から第1キャラクタ画像C1に変更する)ことも可能である。
【0068】
(3)前述の各形態では、状態情報QBが示す状態を使用状態から初期状態に変更することを禁止したが、使用状態から初期状態への変更を許可することも可能である。ただし、使用状態から初期状態への変更を無制限に許可すると、キャラクタを初期状態に維持したまま他のプレイヤに授受する意義が減殺される。したがって、例えば課金処理の完了等の所定の条件が成立した場合に限定して使用状態から初期状態への変更を許可する構成が好適である。
【0069】
(4)前述の各形態では、キャラクタのパラメータQCを変更可能な状態を使用状態としたが、キャラクタのパラメータQCが初期値から実際に変更された状態を使用状態とすることも可能である。すなわち、使用状態とは、キャラクタのパラメータQCを変更可能な状態(実際に変更されたか否かは不問)とキャラクタのパラメータQCが実際に変更された状態との双方を含意する。
【符号の説明】
【0070】
100……ゲームシステム、12……端末装置、14A,14B……ゲーム装置、16……通信網、22,42……制御装置、24,44……記憶装置、26,46……通信装置、32……表示装置、34……入力装置、52……表示制御部、54……キャラクタ付与部、56……情報管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタを使用するゲームをプレイヤにプレイさせるゲーム装置であって、
プレイヤにキャラクタを付与するキャラクタ付与部と、
前記キャラクタ付与部がプレイヤに付与したキャラクタについて、ゲームに適用されるパラメータと、前記パラメータが初期値に維持された初期状態にあるか前記パラメータを変更可能な使用状態にあるかを示す状態情報とを記憶する情報記憶部と、
キャラクタの状態情報が示す状態を初期状態から使用状態に変更する情報管理部と、
キャラクタの状態情報が使用状態を示す場合にそのキャラクタを示す第1キャラクタ画像を表示装置に表示させ、キャラクタの状態情報が初期状態を示す場合に、前記第1キャラクタ画像とは異なる態様でそのキャラクタを示す第2キャラクタ画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と
を具備するゲーム装置。
【請求項2】
プレイヤからの指示を受付ける受付部を具備し、
前記情報管理部は、前記受付部が受付けた指示に応じて前記キャラクタの状態情報を変更する
請求項1のゲーム装置。
【請求項3】
前記キャラクタ付与部は、プレイヤのキャラクタを他のプレイヤに付与する
請求項1または請求項2のゲーム装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第1キャラクタ画像が包装された状態を示す前記第2キャラクタ画像を前記表示装置に表示させる
請求項1から請求項3の何れかのゲーム装置。
【請求項5】
前記第1キャラクタ画像と前記第2キャラクタ画像とをキャラクタ毎に記憶する画像記憶部を具備し、
前記表示制御部は、キャラクタの状態情報が使用状態を示す場合にそのキャラクタの前記第1キャラクタ画像を前記画像記憶部から取得して前記表示装置に表示させ、キャラクタの状態情報が初期状態を示す場合に前記第2キャラクタ画像を前記画像記憶部から取得して前記表示装置に表示させる
請求項1から請求項4の何れかのゲーム装置。
【請求項6】
前記第1キャラクタ画像をキャラクタ毎に記憶するとともに包装を示す包装画像を記憶する画像記憶部を具備し、
前記表示制御部は、キャラクタの状態情報が使用状態を示す場合にそのキャラクタの前記第1キャラクタ画像を前記画像記憶部から取得して前記表示装置に表示させ、キャラクタの状態情報が初期状態を示す場合に、そのキャラクタの前記第1キャラクタ画像と前記包装画像との合成で前記第2キャラクタ画像を生成して前記表示装置に表示させる
請求項1から請求項4の何れかのゲーム装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1キャラクタ画像を縮小して前記包装画像と合成する
請求項6のゲーム装置。
【請求項8】
各キャラクタの前記第1キャラクタ画像と、包装を示す包装画像と、前記包装画像と同じ外形サイズの透過画像とを記憶する画像記憶部を具備し、
前記表示制御部は、キャラクタの状態情報が使用状態を示す場合にそのキャラクタの前記第1キャラクタ画像を前記透過画像と合成して前記表示装置に表示させ、キャラクタの状態情報が初期状態を示す場合に、そのキャラクタの前記第1キャラクタ画像と前記包装画像との合成で前記第2キャラクタ画像を生成して前記表示装置に表示させる
請求項1から請求項4の何れかのゲーム装置。
【請求項9】
前記キャラクタ付与部は、複数のプレイヤの各々にキャラクタを順次に付与するとともに、複数のプレイヤに対して共通に付与されたキャラクタの各々に相異なる付与番号を設定し、
前記表示制御部は、キャラクタの前記第2キャラクタ画像とともにそのキャラクタの前記付与番号を前記表示装置に表示させる
請求項1から請求項8の何れかのゲーム装置。
【請求項10】
キャラクタを使用するゲームをプレイヤにプレイさせるためのプログラムであって、コンピュータを、
プレイヤにキャラクタを付与するキャラクタ付与部と、
前記キャラクタ付与部がプレイヤに付与したキャラクタについて、ゲームに適用されるパラメータと、前記パラメータが初期値に維持された初期状態にあるか前記パラメータを変更可能な使用状態にあるかを示す状態情報とを記憶する情報記憶部と、
キャラクタの状態情報が示す状態を初期状態から使用状態に変更する情報管理部と、
キャラクタの状態情報が使用状態を示す場合にそのキャラクタを示す第1キャラクタ画像を表示装置に表示させ、キャラクタの状態情報が初期状態を示す場合に、前記第1キャラクタ画像とは異なる態様でそのキャラクタを示す第2キャラクタ画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と
として機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−223273(P2012−223273A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91894(P2011−91894)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】