説明

ゲーム装置

【課題】遠隔でのプレイを可能とし、一人のプレイヤが遠隔でのプレイと非遠隔でのプレイとを同時に行うことを可能としたゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲーム装置2Aは、操作部と、外部との無線通信が可能な無線通信部と、無線通信部を介して外部端末装置6との接続を確立させる接続部とを備え、取得したプレイヤIDに対応付けてクレジット数を記憶する一方、このプレイヤIDと、接続部によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDとを対応付けて記憶する。また、このプレイヤIDに対応付けられて操作部の操作に基づいて進行する第1ゲームと、接続部によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDに対応付けられて進行する第2ゲームとを同時に進行可能に制御する一方、このプレイヤIDに対応するクレジット数を、第1及び第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費に応じて減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを遠隔でプレイ可能なゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末を用いてゲームをプレイすることができるメダルゲームシステムが開示されている。このシステムによれば、プレイヤは、個別ゲーム端末に空きがなくとも、携帯端末を用いて遠隔でゲームをプレイすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−220598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のシステムでは、一人のプレイヤが個別ゲーム端末を用いてプレイすると同時に携帯端末を用いてプレイすることはできない。
そこで、本発明は、遠隔でのプレイを可能とし、一人のプレイヤが遠隔でのプレイと非遠隔でのプレイとを同時に行うことを可能としたゲーム装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明のゲーム装置(2A又は2B)は、プレイヤを一意に識別する第1識別情報を取得する取得部(F1又はG1)と、外部からのクレジットの預入により増加し、ゲームでのプレイの対価としてのクレジットの消費により減少するクレジット数を、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応付けて記憶する貯留部(35、45、F3及びG3)と、外部との無線通信が可能な無線通信部(47)と、前記無線通信部(47)を介して外部の可搬型の端末装置(6)との接続を確立させる接続部(G5)と、前記取得部(G1)に取得された前記第1識別情報と、前記接続部(G5)によって接続が確立された前記端末装置(6)に付与されている第2識別情報とを対応付けて記憶する記憶部(45)と、前記ゲームに対してプレイヤの操作を受け付ける操作部(32)と、前記取得部(F1)に取得された前記第1識別情報に対応付けられて前記操作部(32)の操作に基づいて進行する前記ゲームである第1ゲームと、前記接続部(G5)によって接続が確立された前記端末装置(6)に付与されている前記第2識別情報に対応付けられて進行する前記ゲームである第2ゲームとを同時に進行可能に制御するゲーム制御部(F2及びG2、又は、F2及びG7)とを備え、前記貯留部(35、45、F3及びG3)は、前記第1ゲームおよび前記第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費に応じて、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応する前記クレジット数を減少させる。
【0007】
このゲーム装置は、プレイヤを一意に識別し、当該プレイヤに係るクレジット数を、当該プレイヤについて同時に進行可能なゲーム(第1ゲームおよび第2ゲーム)でのクレジットの消費によって減少させることができる。また、第1ゲームが操作部の操作に基づいて制御されるのに対し、第2ゲームは操作部の操作に基づかずに制御されうる。よって、プレイヤは、ゲーム装置から離れた場所(例えばゲームセンター内の喫煙所)であっても、可搬型の端末装置を用いることにより、第2ゲームをプレイすることができる。
また、このゲーム装置によれば、操作部の操作に基づいて制御される第1ゲームと、操作部の操作に基づかずに制御されうる第2ゲームとを同時に進行させることができる。したがって、操作部に空きがなくとも、プレイヤは第2ゲームをプレイすることができる。
また、このゲーム装置によれば、一人のプレイヤが第1ゲームと第2ゲームとを同時にプレイ可能である。この場合、第1ゲームは当該プレイヤの第1識別情報に対応付けて進行し、第2ゲームは当該第1識別情報に対応する第2識別情報に対応付けられて進行するから、必要とされる第1識別情報の数は1である。したがって、一人のプレイヤに複数の第1識別情報を付与し、これらの第1識別情報を用いて複数のゲームの同時プレイを実現する形態に比較して、第1識別情報の取得に要する手間を削減すること、及び第1識別情報の管理を容易とすることができる。なお、第1識別情報に対応付けて進行する第1ゲームとは、取得部で第1識別情報を取得したうえで操作部によりプレイヤによりプレイされる第1ゲームのことを意味し、第1識別情報に対応するクレジット数とは、第1ゲームでのプレイの対価として減少するクレジットの数を意味する。ICカードを所持せずプレイヤIDが登録されていないプレイヤでもその操作によりプレイができるようにしてもよい。ただし、ぞの場合は第1識別情報に対応付けられた第1ゲームとは言わない。
また、このゲーム装置によれば、あるプレイヤが第1ゲームをプレイしているときに、そのプレイヤと同一の第1識別情報に対応付けて他のプレイヤに第2ゲームをプレイさせることができる。したがって、第1ゲームをプレイした結果と第2ゲームをプレイした結果とが同一の第1識別情報に対応付けて管理されるので、例えば友達同士などで協力してゲームをプレイすることが可能なり、プレイヤの多様な要望に応えることができる。また、このゲーム装置を複数用意し、これらのゲーム装置の間で制御するゲームの種類を互いに異ならせるか、複数のゲームの種類からそれぞれ選択できるようにすれば、一人のプレイヤが複数種類のゲームを同時にプレイすること(掛け持ちプレイ)が可能となる。
【0008】
「第1識別情報」は、プレイヤを一意に識別し、ゲーム装置内で取り扱う識別情報である。ICカードに記録された媒体IDそのものを第1識別情報としてもよいし、予め第1識別情報と紐付けて管理された媒体IDとは異なるIDを第1識別情報としてもよい。媒体IDとは異なるIDを第1識別情報とした場合には、ICカードを紛失した場合に、媒体IDと第1識別情報との紐付けを解除すれば、当該ICカードは使用できなくすることが可能となる。また、新しいICカードを発行してその媒体IDと第1識別情報との紐付けをし直せば、過去に第1識別情報と紐づけて管理されているアイテムやポイントなどの遊技価値を継続して利用可能となる。
「取得部」としては、第1に、ICカードに記録された媒体IDを読み取る公知の読取器と通信部とを備えたものが挙げられる。この場合、媒体IDを読取器が読み取り、この媒体IDを通信部がセンターサーバ装置へ送信する。この媒体IDを受信したセンターサーバ装置は、この媒体IDに予め紐付けられた第1識別情報を返信する。そして、この第1識別情報が通信部に受信される。第2に、読取器そのものが挙げられる。この場合、読み取られた媒体IDは第1識別情報として扱われる。第3に、プレイヤが第1識別情報を直接的に入力するための入力部が挙げられる。
「第2識別情報」は、端末装置を一意に識別する情報であり、端末装置に付与される。第2識別情報としては、IP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control)アドレスなどの通信アドレスを例示可能である。
「無線通信部」としては、無線LAN(Local Area Network)の親機(無線親機)を例示可能である。無線親機としては、普及しているIEEE802.11シリーズに準拠したものが好ましい。
「端末装置」としては、無線LANの子機を例示可能である。より具体的には、携帯型ゲーム機やスマートフォンを例示可能である。また、端末装置としては、ウェブブラウザを搭載した装置が好ましい。なお、端末装置がゲーム装置との通信にウェブブラウザを用いる場合、ゲーム装置はウェブサーバとして機能することになる。
「クレジット」は、ゲームのプレイの対価となる遊技価値であり、プレイの対価が1クレジットの場合にはプレイする権利と等価である。クレジットは、例えば、メダル又は現金の物理的な投入や電子的な転送などの結果として外部から預入される。また、クレジットは、プレイの対価として使用されることにより消費される。なお、プレイヤの指示に応じて、当該プレイヤのクレジットをゲーム装置の外部に払い出す払出部を備えるようにしてもよい。この払い出しでは、クレジットに相当するメダルやチケットなどの遊技媒体がゲーム装置から排出される。つまり、クレジットへ預入れる場合は遊技媒体としてメダルを使用し、クレジットから払出す場合の遊技媒体としてチケットを使用するというように、預入れと払出しの遊技媒体の種類が異なるようにしてもよい。
「クレジット数」は、クレジットの数(量)であり、クレジットの消費により減少し、クレジットの付与により増加する。1回のプレイの対価が1クレジットの場合には、クレジット数はプレイ可能回数と等価である。
「ゲーム」は、ビンゴゲームであってもよいし、競馬ゲームであってもよいし、ビデオゲーム(例えば、麻雀ゲームやロールプレイングゲームなど)であってもよい。
【0009】
このゲーム装置において、前記無線通信部(47)を介して前記第2ゲームの進行状況を前記端末装置(6)へ送信する状況送信部(G6)をさらに備え、前記ゲーム制御部(F2及びG2)は、前記第2ゲームを所定の規則にしたがって自動的に進行可能に制御するようにしてもよいし、前記ゲーム制御部(F2及びG7)は、前記第2ゲームを、前記端末装置(6)からの指示に基づいて制御するようにしてもよい。
前者のゲーム装置では、第2ゲームを自動的に進行させることができる。なお、ゲームの内容に関心が無いプレイヤ(ゲームの結果にしか関心がないプレイヤ)ならば、第2ゲームが自動的に進行しても満足する。また、前者のゲーム装置によれば、プレイヤは外部の可搬型の端末装置を用いて第2ゲームの進行状況を把握することができる。なお、「所定の規則」は、第2識別情報(第1識別情報)間で共通であってもよいし、第2識別情報(第1識別情報)ごとに設定されてもよい。
後者のゲーム装置によれば、プレイヤは外部の可搬型の端末装置を用いて第2ゲームを操作することができる。つまり、このゲーム装置によれば、ゲームの内容に関心があるプレイヤがプレイする機会を増やすことができる。
【0010】
上記の各ゲーム装置において、前記接続部(G5)は、前記取得部(G1)に前記第1識別情報が取得されると、当該第1識別情報に対応付けてパスワードを発行して表示し、当該パスワードと前記端末装置(6)から取得した確認用パスワードとが、当該パスワードが発行されてから最初に一致した前記端末装置(6)に対して、当該第1識別情報と当該第2識別情報とを対応付けて前記記憶部(45)に記憶させることにより、当該端末装置(6)との接続を確立させるようにしてもよい。
【0011】
上記の各ゲーム装置において、前記ゲームは、前記ゲームの結果に応じて得られる遊技価値として前記ゲームの結果に応じたクレジットを付与し、前記貯留部(35、45、F3及びG3)は、前記第1ゲームおよび前記第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費または付与に応じて、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応する前記クレジット数を増減させるようにしてもよい。
このゲーム装置において制御されるゲームは、進行するとクレジットを消費し、結果に応じてクレジットを付与するゲーム(例えばメダルゲーム)である。このゲームでは、消費するものと付与するものとが共にクレジットであるから、ゲームの内容に関心がないプレイヤが多くなり易い。したがって、ゲーム制御部が第2ゲームを所定の規則にしたがって自動的に進行可能に制御する形態や、ゲーム制御部が第2ゲームを端末装置からの指示に基づいて制御する形態で得られる各種の効果がより有益となりやすい。
【0012】
このゲーム装置において、前記貯留部(35、45、F3及びG3)は、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応付けて、当該第1識別情報と当該第1識別情報に対応する前記第2識別情報とに共通の前記クレジット数を記憶し、当該第1識別情報に対応する前記第1ゲームと当該第2識別情報に対応する前記第2ゲームとのそれぞれでの前記クレジットの消費または付与に応じて、当該クレジット数の増減を行うようにしてもよいし、前記貯留部(35、45、F3及びG3)は、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応付けて前記クレジット数である第1クレジット数を記憶する一方、前記第1クレジット数とは別に増減する前記クレジット数である第2クレジット数を当該第1識別情報に対応付けて記憶し、当該第1識別情報に対応する前記第1ゲームでの前記クレジットの消費または付与に応じて前記第1クレジット数の増減を行う一方、当該第1識別情報に対応付けられた前記第2識別情報に対応する前記第2ゲームでの前記クレジットの消費または付与に応じて前記第2クレジット数の増減を行う、ようにしてもよい。
【0013】
後者のゲーム装置において、前記貯留部(35、45、F3及びG3)は、前記第1識別情報に対応する前記第1クレジット数と、当該第1識別情報に対応付けられた前記第2識別情報に対応する前記第2クレジット数との間で、全部または一部のクレジットを移行可能であるようにしてもよい。なお、二つのクレジット数の間での所定の数(量)のクレジットの移行は、所定の数(量)だけ、一方のクレジット数を減少させるとともに他方のクレジット数を増加させることで実現される。
【0014】
上記の各ゲーム装置において、前記ゲームは、前記ゲームの結果に応じて得られる遊技価値として前記ゲームの結果に応じ前記プレイの対価とならない非クレジットを付与し、前記貯留部(35、45、F3及びG3)は、付与された非クレジットを示し前記ゲームでの非クレジットの付与により変化する非クレジット情報を、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応付けてさらに記憶し、前記第1ゲームおよび前記第2ゲームのそれぞれでの非クレジットの付与に応じて、前記取得部(F1又はG1)に取得された前記第1識別情報に対応する前記非クレジット情報を変化させるようにしてもよい。
【0015】
「非クレジット」もまた遊技価値である。非クレジットとしては、アイテムやポイントを例示可能である。アイテムとしては、ゲームにおいて利用可能な剣や衣装などのゲーム上で利用可能な仮想物を例示可能である。ポイントとしては、その数(量)であるポイント数に相当するアイテムと交換可能なものや、ポイント数に応じた称号がプレイヤに付与されるものを例示可能である。なお、メダルゲームの一種には、ゲームの結果に応じてクレジットのみならずポイントも付与されうるゲームがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。
【図2】ゲームシステム100内の記憶部11の記憶内容を示す図である。
【図3】ゲームシステム100内のステーション3Aのブロック図である。
【図4】ゲームシステム100内の設定端末4Aのブロック図である。
【図5】ゲームシステム100の動作を示す図である。
【図6】ゲームシステム100の別の動作を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るゲームシステム200のブロック図である。
【図8】ゲームシステム200内の設定端末4Aのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<A:第1実施形態>
<A−1:第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。ゲームシステム100は、複数のプレイヤ(利用者)にゲームをプレイさせることができるコンピュータネットワークシステムであり、複数のゲーム装置2Aとセンターサーバ装置1とを有する。
【0018】
複数のゲーム装置2Aの各々は、例えばゲームセンターなどの遊技施設GCに設置される。これらの遊技施設GCの各々は、通信網N1を介してセンターサーバ装置1に接続されている。複数のゲーム装置2Aの各々は、通信網N2及び通信網N1を介して、又は通信網N1を介してセンターサーバ装置1と相互に通信可能である。なお、通信網N1は、例えばインターネットを利用したWAN(wide area network)やVPN(virtual private network)で実現され、通信網N2は、LAN(local area network)で実現される。
【0019】
ゲームシステム100でプレイされるゲームは、クレジットを消費しながら進行し、結果に応じたクレジットの付与が可能なゲームであり、具体的にはビンゴゲームである。クレジットは、ゲームのプレイの対価となる価値であり、プレイの対価として使用されることにより消費される。つまり、プレイヤは、クレジットを消費しながらビンゴゲームを繰り返しプレイすることになる。各回のゲームでは、多数の数字から少数の数字を選択する物理的な抽選が行われる。プレイヤは、この抽選に先立って、クレジットを消費するベット(賭け)を行うことができる。ベットで消費するクレジットの量が多いほど、ゲームの結果に応じて付与されるクレジットの量の期待値が大きくなる。
【0020】
ゲーム装置2Aは、複数のステーション3Aと、設定端末4Aと、共通装置5とを有する。複数のステーション3Aと、設定端末4Aと、共通装置5とは、ゲーム装置2A内に構築された通信網N3を介して相互に通信可能である。複数のステーション3Aの各々、設定端末4A及び共通装置5は、そのゲーム装置2Aが設置された遊技施設GC内において、外部の端末装置である外部端末装置6と無線通信可能である。なお、本実施形態を変形し、一つのゲーム装置2Aが備えるステーション3Aの数を1としてもよい。
【0021】
共通装置5は、当該共通装置5の属するゲーム装置2Aでプレイされる全てのゲームに共通して結果が利用される共通処理の進行を制御する装置であり、共通処理を繰り返し実行し、共通処理が終了すると、終了した共通処理の結果をゲーム装置2A内の全てのステーション3A及び設定端末4Aに同報送信する。共通装置5に制御される共通処理は、具体的には、上記の物理的な抽選である。
【0022】
共通装置5に進行が制御される共通処理は、具体的には、複数の数字から1又は複数の数字を選択する物理的な抽選である。物理的な抽選の方法は任意であり、例えば、共通装置5が、鉛直方向の回転軸を中心にして回転し、周縁部に複数の数字にそれぞれ対応する複数の穴が形成された円形の台と、台上に1又は複数のボールを投下する機構とを備え、複数の数字のうち、台上に投下されたボールが落下した穴に対応する数字を選択するようにしてもよい。
【0023】
外部端末装置6は、プレイヤに所有される可搬型の装置(コンピュータ)であり、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LANの子機に相当し、ウェブブラウザを搭載している。したがって、外部端末装置6は、無線LAN接続機能を有する。このような装置としては、例えば、携帯型ゲーム機やスマートフォンを例示可能である。外部端末装置6には端末IDが付与される。端末IDは、外部端末装置6を一意に識別する識別情報であり、各外部端末装置6に付与される。本実施形態では、端末IDとしてMACアドレスを採用しているが、IPアドレスを採用してもよい。なお、無線通信の規格は、Bluetoothや赤外線通信などが採用し得る。
【0024】
センターサーバ装置1は、事前に登録が行われたプレイヤを管理するサーバ装置(コンピュータ)であり、記憶部11を備える。図2に示すように、記憶部11は、登録が行われたプレイヤごとに、プレイヤIDとプレイ履歴とを対応付けて記憶する。プレイヤIDは、プレイヤを一意に識別する識別情報であり、登録が行われたプレイヤに付与される。プレイ履歴は、プレイしたゲームの進行の履歴を示す情報であり、どの局面でどう対処してどういう結果が得られたかを示す情報の集合である。
【0025】
図示を略すが、登録が行われたプレイヤのプレイヤIDには、当該プレイヤに所持される可搬型の媒体の媒体IDが紐付けられており、センターサーバ装置1は、媒体IDを受信して当該媒体IDに紐付けられたプレイヤIDを返信することができる。媒体IDは、可搬型の媒体を一意に識別する識別情報である。可搬型の媒体は、例えばICカードや携帯電話であり、個々のICカードには固有の媒体IDが記録されている。
【0026】
また記憶部11は、プレイヤIDに対応付けて、当該プレイヤIDで識別されるプレイヤがプレイしているステーション3A又は設定端末4Aの第1IDと、当該ステーション3A又は設定端末4Aを有するゲーム装置2Aの第2IDと、当該ゲーム装置2Aが設定された遊技施設GCの第3IDとを記憶する。第1IDはゲーム装置2Aにおいてステーション3A及び設定端末4Aを一意に識別する識別情報であり、第2IDは遊技施設GCにおいてゲーム装置2Aを一意に識別する識別情報であり、第3IDは遊技施設GCを一意に識別する識別情報である。
【0027】
<A−1−1:ステーション3Aの構成>
図3は、ステーション3Aのブロック図である。ステーション3Aは、一人のプレイヤにゲームをプレイさせるゲーム装置(コンピュータ)であり、表示部31と、操作部32と、受付部33と、通信部34と、記憶部35と、メダル機構36と、各部を制御する制御部30Aとを備える。
【0028】
表示部31は、例えば液晶表示装置であり、ゲームの進行状況および結果などを表示する。
操作部32は、例えばプレイヤに触れられるボタンなどの操作子を有し、プレイヤの操作を受け付ける。操作部32が受け付ける操作には、プレイの開始を指示する操作や、プレイの終了を指示する操作、ゲームに対する操作、メダルの払い出しを指示する操作が含まれる。
受付部33は、プレイヤによる媒体IDの入力を受け付ける。例えば、ICカードに記録された媒体IDを読み取る公知の読取器が受付部33として採用される。
通信部34は、有線または無線の通信インターフェイスであり、外部との通信が可能である。
【0029】
記憶部35は、書き換え可能なメモリ又はストレージであり、ステーション3Aでゲームをプレイする1人のプレイヤのプレイヤIDと、このステーション3Aと無線接続された外部端末装置6の端末IDと、当該プレイヤのクレジット数とを対応付けて記憶する。
【0030】
クレジット数は、クレジットの数(量)であり、クレジットの消費により減少し、外部からのクレジットの預入やゲームの結果に基づくクレジットの付与により増加する。本実施形態では、外部からのクレジットの預入は、メダルの物理的な投入の結果として行われるが、電子的な転送や現金の物理的な投入などの結果として行われるようにしてもよい。
【0031】
メダル機構36は、メダル検知用センサとメダル払出し装置を含んで構成される。投入口からメダルが投入されるとメダル検知用センサにより1枚ずつ検知され、検出された信号を制御部30Aに通知し、投入されたメダルをメダル払出し装置の容器に収容する。また、メダル機構36は、制御部30Aに制御され、容器に収容されたメダルをメダル払出し装置から1枚ずつ払出口から払い出す。なお、図示を略すが、投入口および払出口は、ステーション3Aの表面に形成されている。制御部30Aは、例えば1又は複数のCPU(中央処理装置)で構成され、プレイヤID取得部F1、手動ゲーム制御部F2及びクレジット管理部F3として機能する。
【0032】
プレイヤID取得部F1は、プレイヤのプレイヤIDを取得する機能部であり、受付部33で媒体IDの入力が受け付けられると、通信部34を介してセンターサーバ装置1と通信し、入力された媒体IDに紐付けられたプレイヤIDをセンターサーバ装置1から取得する。プレイヤID取得部F1がプレイヤIDを取得すると、制御部30Aは、当該プレイヤIDと、当該プレイヤIDで識別されるプレイヤのクレジット数とを対応付けて記憶部35に上書きする。
【0033】
手動ゲーム制御部F2は、ゲームを、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けられて操作部32の操作に基づいて進行するように制御する機能部である。以降、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けられて操作部32の操作に基づいて進行する上記のビンゴゲームを「第1ゲーム」と称する。なお、第1ゲームで行われるビンゴゲームは、共通処理(物理的な抽選)の結果に基づいて進行する。
【0034】
クレジット管理部F3は、クレジットを管理する機能部であり、操作部32の操作に基づいてメダル機構36を制御する一方、基本的には通常処理を行う。この通常処理では、クレジット管理部F3は、記憶部35に記憶されているクレジット数を、第1ゲームでのクレジットの消費とメダル機構36によるメダルの払い出しとに応じて減少させる一方、メダル機構36へのメダルの投入と第1ゲームでのクレジットの付与とに応じて増加させる。ただし、クレジット管理部F3は、クレジット数を共通化する共通化処理が行われると、例外処理を行う。共通化処理と例外処理の内容については後述する。
【0035】
<A−1−2:設定端末4Aの構成>
図4は、設定端末4Aのブロック図である。設定端末4Aは、複数のプレイヤに自動ゲームをプレイ(進行)させるとともに、プレイさせる自動ゲームについて各種の設定を行うことができるゲーム装置(コンピュータ)であり、表示部41と、操作部42と、受付部43と、通信部44と、記憶部45と、メダル機構46と、無線通信部47と、各部を制御する制御部40Aとを備える。自動ゲームは、所定の規則に従いながら自動的に進行するよう制御されるゲームである。自動ゲームで行われるビンゴゲームでも共通処理(物理的な抽選)の結果に基づいて進行する。したがって、第1ゲームと自動ゲームとは共通処理に基づいてゲームの結果が決定され、互いに同期して進行する。
【0036】
表示部41は、例えば液晶表示装置であり、無線通信部47を介する外部端末装置6との接続の認証に用いるパスワードを表示する。
操作部42は、例えばプレイヤに触れられるボタンなどの操作子を有し、プレイヤの操作を受け付ける。操作部42が受け付ける操作には、所定の規則を設定する操作や、メダルの払い出しを指示する操作が含まれる。
受付部43、通信部44及びメダル機構46は、それぞれ、受付部33、通信部34及びメダル機構36と同様である。ただし、図示を略すが、メダル機構46が扱うメダルの投入口および払出口は設定端末4Aの表面に形成されており、メダルの投入の通知先は制御部40Aである。
記憶部45は、書き換え可能なメモリ又はストレージであり、設定端末4Aで自動ゲームをプレイするプレイヤごとに、プレイヤIDと端末IDと所定の規則とクレジット数とを互いに対応付けて記憶する。
無線通信部47は、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LANの親機(無線親機)であり、外部との無線通信が可能である。
制御部40Aは、例えば1又は複数のCPUで構成され、プレイヤID取得部G1、自動ゲーム制御部G2、クレジット管理部G3、接続部G5、設定部G4及び状況送信部G6として機能する。
【0037】
プレイヤID取得部G1は、プレイヤのプレイヤIDを取得する機能部であり、受付部43で媒体IDの入力が受け付けられると、通信部44を介してセンターサーバ装置1と通信し、入力された媒体IDに紐付けられたプレイヤIDをセンターサーバ装置1から取得する。プレイヤID取得部G1がプレイヤIDを取得すると、制御部40Aは、当該プレイヤIDが記憶部45に記憶されていない場合には、当該プレイヤIDと、当該プレイヤIDで識別されるプレイヤのクレジット数とを対応付けて記憶部45に追記する。
【0038】
接続部G5は、無線通信部47を介して外部端末装置6との接続を確立させる機能部であり、プレイヤID取得部G1にプレイヤIDが取得されると、当該プレイヤIDに対応付けてパスワードを発行して表示部41に表示させ、プレイヤが入力した確認用パスワードを外部端末装置6から取得し、発行されたパスワードと確認用パスワードとが、当該パスワードが発行されてから最初に一致した外部端末装置6に対して、当該プレイヤIDと当該外部端末装置6の端末IDとを対応付けて記憶部45に記憶させることにより、当該外部端末装置6との接続を確立させる。
【0039】
自動ゲーム制御部G2は、自動ゲームを制御する機能部であり、プレイヤID取得部G1によって取得された1又は複数のプレイヤIDにそれぞれ対応する1又は複数のゲームを、所定の規則に従いながら自動的に進行するよう制御する。また自動ゲーム制御部G2は、制御対象の複数のゲームを、同時に進行可能に制御する。
【0040】
また、自動ゲーム制御部G2は、ゲームを、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDに対応するプレイヤIDに対応付けられて進行するよう制御する機能部でもある。以降、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDに対応付けられて進行する上記のビンゴゲームを「第2ゲーム」と称する。換言すれば、自動ゲーム制御部G2は、第2ゲームを所定の規則にしたがって自動的に進行可能に制御する。なお、第2ゲームで行われるビンゴゲームでも共通処理(物理的な抽選)の結果に基づいて進行する。したがって、第1ゲームと第2ゲーム(自動ゲーム)は共通処理に基づいてゲームの結果が決定され、互いに同期して進行する。
【0041】
手動ゲーム制御部F2及び自動ゲーム制御部G2の説明から明らかなように、ゲーム装置2Aは、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けられて操作部32の操作に基づいて進行する第1ゲームと、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDに対応するプレイヤIDに対応付けられて進行する第2ゲームとを同時に進行可能に制御するゲーム制御部を備える。
【0042】
設定部G4は、所定の規則を設定する機能部であり、プレイヤID取得部G1によって取得されたプレイヤIDに対応付けて所定の規則を設定する。より具体的には、設定部G4は、メダル機構46へのメダルの投入が終了すると、表示部41及び操作部42を用いて複数の規則から一つをプレイヤに選択させることによって所定の規則を特定し、特定した所定の規則を、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDに対応付けて記憶部45に記憶させる。
【0043】
複数の規則の各々の内容は任意である。例えば、複数の規則が、クレジットの消費量と期待されるクレジットの付与量とが少ないローリスクローリターンの規則や、クレジットの消費量と期待されるクレジットの付与量とが多いハイリスクハイリターンの規則を含むようにしてもよい。また、設定部G4は、上記の選択を1回だけ行わせて所定の規則を特定することも、ゲームでの状況(局面)ごとに上記の選択を行わせて所定の規則を特定することも可能である。プレイヤは、まず、1回の選択で設定部G4に所定の規則を特定させるのか、ゲームでの状況ごとに選択を繰り返して設定部G4に所定の規則を特定させるのかを選択し、前者を選択した場合には1回だけ、後者を選択した場合には複数回にわたり、複数の規則からの選択を行うことになる。
【0044】
クレジット管理部G3は、クレジットを管理する機能部であり、操作部42の操作とプレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDとに基づいてメダル機構46を制御する一方、基本的には通常処理を行う。この通常処理では、クレジット管理部G3は、記憶部45に記憶されているクレジット数を、当該クレジット数に対応するプレイヤIDに対応付けられて進行する自動ゲームでのクレジットの消費と、当該プレイヤIDに基づくメダル機構46によるメダルの払い出しとに応じて減少させる一方、当該プレイヤIDに基づくメダル機構46へのメダルの投入と、当該自動ゲームでのクレジットの付与とに応じて増加させる。ただし、クレジット管理部G3は、共通化処理が行われると、例外処理を行う。
【0045】
共通化処理は、同一のプレイヤIDに対応付けられたクレジット数をゲーム装置2A内で共通とする処理であり、ゲーム装置2Aにおいて、第1ゲームをプレイ中のプレイヤのプレイヤIDがプレイヤID取得部G1に取得された場合(以降、「第1の場合」と称する)と、ゲーム装置2Aにおいて、自動ゲームをプレイ中のプレイヤのプレイヤIDがステーション3AのプレイヤID取得部F1に取得された場合(以降、「第2の場合」と称する)に行われる。
【0046】
第1の場合であるか否かの判定は、例えば、クレジット管理部G3がセンターサーバ装置1の記憶部11を参照することにより実現される。第1の場合であると判定したクレジット管理部G3は、ゲーム装置2A内の、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDに対応するステーション3Aのクレジット管理部F3と協働して共通化処理を行う。
【0047】
第2の場合であるか否かの判定は、例えば、クレジット管理部F3がセンターサーバ装置1の記憶部11を参照することにより実現される。第2の場合であると判定したクレジット管理部F3は、ゲーム装置2A内の設定端末4Aのクレジット管理部G3と協働して共通化処理を行う。
【0048】
共通化処理では、例えば、クレジット管理部G3が、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤID(プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤID)に対応付けて記憶部45に記憶されているクレジット数を記憶部45から削除し、クレジット管理部F3が、このクレジット数と、当該プレイヤIDに対応付けて記憶部35に記憶されているクレジット数との和を、当該プレイヤIDに対応するクレジット数として記憶部35に上書きする。
【0049】
この場合、クレジット管理部F3及びクレジット管理部G3は、例外処理において、記憶部35に記憶されているクレジット数を、第1ゲームでのクレジットの消費と、メダル機構36によるメダルの払い出しと、当該クレジット数に対応するプレイヤIDに対応付けられて進行する自動ゲームでのクレジットの消費と、当該プレイヤIDに基づくメダル機構46によるメダルの払い出しとに応じて減少させる一方、メダル機構36へのメダルの投入と、第1ゲームでのクレジットの付与と、当該プレイヤIDに基づくメダル機構46へのメダルの投入と、当該自動ゲームでのクレジットの付与とに応じて増加させることになる。
【0050】
つまり、クレジット管理部F3、記憶部35、クレジット管理部G3及び記憶部45は、共通化処理が行われるか否かに関わらず、第1ゲームおよび第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費に応じて、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤID(プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤID)に対応するクレジット数を減少させる貯留部として機能し、クレジット管理部F3、記憶部35及びクレジット管理部G3は、共通化処理が行われる場合に、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けて、当該プレイヤIDと当該プレイヤIDに対応する端末IDとに共通のクレジット数を記憶し、当該プレイヤIDに対応する第1ゲームと当該端末IDに対応する第2ゲームとのそれぞれでのクレジットの消費または付与に応じて、当該クレジット数の増減を行う貯留部として機能する。
【0051】
状況送信部G6は、無線通信部47を介して、ゲームの進行状況を、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6へ送信する機能部である。具体的には、ゲームの進行状況を示すウェブページが送信される。つまり、状況送信部G6はウェブサーバとして機能し、外部端末装置6のウェブブラウザからHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを受信すると、ゲームの進行状況が更新されるまで待ち、更新後のゲームの進行状況を示すウェブページを公知のページ記述言語で記述するためのデータを生成し、当該リクエストへのレスポンスとして返信する。
【0052】
<A−2:第1実施形態の動作>
次に、ゲームシステム100の動作について、場合分けして説明する。ただし、以降の説明に登場するプレイヤに係るプレイヤID及びプレイ履歴はセンターサーバ装置1の記憶部11に記憶されているものとする。また、以降の説明に登場するステーション3A及び設定端末4Aは同一のゲーム装置2Aに含まれているものとする。
【0053】
<A−2−1:第1ゲームのみをプレイする場合>
図5は、ゲームをプレイしていないプレイヤAが空いているステーション3Aに媒体IDを入力して第1ゲームをプレイする場合の動作を示す図である。この図に示すように、空いているステーション3Aでは、まず受付部33が、プレイヤAのプレイヤIDに紐付けられた媒体IDの入力を受け付ける(Sa10)。次にプレイヤID取得部F1が、この媒体IDに紐付けられたプレイヤIDをセンターサーバ装置1から取得し(Sa11)、制御部30Aが、当該プレイヤIDと、当該プレイヤIDで識別されるプレイヤのクレジット数とを対応付けて記憶部35に上書きする(Sa12)。
【0054】
次にプレイヤAがステーション3Aにメダルを投入し、この投入に応じて、クレジット管理部F3が、記憶部35に記憶されているクレジット数を増加させる(Sa13)。以降、手動ゲーム制御部F2が第1ゲームを制御する(Sa14)。この第1ゲームは、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けられ、操作部32の操作に基づいて、共通処理の結果を利用して進行する。また第1ゲームでは、クレジット管理部F3が、記憶部35に記憶されているクレジット数を、第1ゲームでのクレジットの消費に応じて減少させる一方、第1ゲームでのクレジットの付与に応じて増加させる。
【0055】
以上説明した動作は、プレイヤA以外のプレイヤが他のステーション3Aで第1ゲームをプレイしている場合にも同様であり、プレイヤA以外のプレイヤが設定端末4Aで第2ゲームをプレイしている場合にも同様である。つまり、ゲーム装置2Aは、複数の第1ゲームを同時に進行させることが可能であるとともに、第1ゲームと第2ゲームとを同時に進行させることが可能である。
【0056】
<A−2−2:第2ゲームのみをプレイする場合>
図6は、ゲームをプレイしていないプレイヤAが設定端末4Aに媒体IDを入力して第2ゲームをプレイする場合の動作を示す図である。この図に示すように、設定端末4Aでは、まず受付部43が、プレイヤAのプレイヤIDに紐付けられた媒体IDの入力を受け付ける(Sb10)。次にプレイヤID取得部G1が、この媒体IDに紐付けられたプレイヤIDをセンターサーバ装置1から取得し(Sb11)、制御部40Aが、当該プレイヤIDと、当該プレイヤIDで識別されるプレイヤのクレジット数とを対応付けて記憶部45に追記する(Sb12)。
【0057】
次にプレイヤAが設定端末4Aにメダルを投入し、この投入に応じて、クレジット管理部G3が、記憶部45に記憶されているクレジット数を増加させる(Sb13)。次に設定部G4が、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDに対応付けて所定の規則を設定する(Sb14)。具体的には、表示部41及び操作部42を用いて複数の規則から一つをプレイヤに選択させることによって所定の規則を特定し、特定した所定の規則を、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDに対応付けて記憶部45に記憶させる。
【0058】
次に接続部G5が、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDに対応付けてパスワードを発行し、発行したパスワードを表示部41に表示させる(Sb15)。次にプレイヤAが外部端末装置6の無線LAN接続機能により、設定端末4Aに対応した親機(アクセスポイント)を、そのネットワーク識別子(SSID)から探し出し、接続を要求する。すると、設定端末4Aの接続部G5は、接続を要求してきた外部端末装置6の端末IDを取得する(Sb16)。
【0059】
次に接続部G5は、接続を要求してきた外部端末装置6からプレイヤより入力された確認用パスワードを取得する(Sb17)。具体的には、無線通信部47を介して、外部端末装置6に対してパスワードの入力および送信を促し、外部端末装置6から送信されてきた確認用パスワードを受信する。この受信の際、接続部G5は、外部端末装置6の端末IDを再び取得する。
【0060】
そして、接続部G5は、取得した確認用パスワードと、プレイヤID取得部G1に取得されたプレイヤIDに対応付けたパスワードとが一致し、かつ、確認用パスワードの取得時に取得した端末IDが、パスワードの発行後最初に接続を要求してきた外部端末装置6の端末IDと一致する場合にのみ、すなわち正当なプレイヤであることが認証された場合にのみ(Sb18:YES)、当該外部端末装置6との接続を確立させる(Sb19)。
【0061】
なお、パスワードの一致のみならず、端末IDの一致をも必須としているのは、パスワードを盗み見た他人が接続に成功してしまう虞を低減するためである。したがって、要求されるセキュリティのレベルによっては、パスワードの一致のみを必須としてもよい。また、パスワードの発行後最初に接続を要求してきた外部端末装置6のみから確認用パスワードを取得するようにしてもよい。なお、パスワードとしてワンタイムパスワードを利用すれば、さらにセキュリティのレベルを高めることが可能となる。
【0062】
次に自動ゲーム制御部G2が、第2ゲームの進行を制御する(Sb20)。この第2ゲームは、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDと、プレイヤID取得部G1によって取得されたプレイヤIDとに対応付けられ、当該プレイヤIDに対応付けて設定された所定の規則にしたがって、共通処理の結果を利用して進行する。また第2ゲームでは、クレジット管理部G3が、記憶部45に記憶されているクレジット数を、第2ゲームでのクレジットの消費に応じて減少させる一方、第2ゲームでのクレジットの付与に応じて増加させる。また第2ゲームでは、状況送信部G6が、その進行状況を、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6へ送信する。
【0063】
以上説明した動作は、プレイヤA以外のプレイヤが設定端末4Aで第2ゲームをプレイしている場合にも同様である。つまり、設定端末4Aは、複数のプレイヤのそれぞれに対応した複数の第2ゲームを同時に進行させることが可能である。また、以上説明した動作は、プレイヤA以外のプレイヤがステーション3Aで第1ゲームをプレイしている場合にも同様である。このこともまた、ゲーム装置2Aが第1ゲームと第2ゲームとを同時に進行可能であることを意味する。
【0064】
<A−2−3:第1ゲーム及び第2ゲームを同時にプレイする場合>
<A−2−3−1:第1ゲームのプレイを後から開始する場合>
プレイヤAが第2ゲームをプレイしているときに、プレイヤBがプレイヤAのプレイヤIDに紐付けられた媒体IDをステーション3Aに入力して第1ゲームをプレイする場合の動作は、図5に示す動作と同様である。ただし、この場合には、共通化処理が行われ、ステーション3Aのクレジット管理部F3と設定端末4Aのクレジット管理部G3とが例外処理を行う。したがって、ステーション3Aの記憶部35に記憶されているクレジット数が、第1ゲーム及び第2ゲームに共通するクレジット数となり、第1ゲーム及び第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費に応じて減少する一方、第1ゲーム及び第2ゲームのそれぞれでのクレジットの付与に応じて増加することになる。
【0065】
<A−2−3−2:第2ゲームのプレイを後から開始する場合>
プレイヤAが第1ゲームをプレイしているときに、プレイヤBがプレイヤAのプレイヤIDに紐付けられた媒体IDを設定端末4Aに入力して第2ゲームをプレイする場合の動作は、図6に示す動作と同様である。ただし、この場合には、共通化処理が行われ、ステーション3Aのクレジット管理部F3と設定端末4Aのクレジット管理部G3とが例外処理を行う。したがって、ステーション3Aの記憶部35に記憶されているクレジット数が、第1ゲーム及び第2ゲームに共通するクレジット数となり、第1ゲーム及び第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費に応じて減少する一方、第1ゲーム及び第2ゲームのそれぞれでのクレジットの付与に応じて増加することになる。
【0066】
<A−3:第1実施形態のまとめ>
以上説明したように、ゲーム装置2Aは、プレイヤを一意に識別し、当該プレイヤに係るクレジット数を、当該プレイヤについて同時に進行可能なゲーム(第1ゲームおよび第2ゲーム)でのクレジットの消費によって減少させることができる。また、第1ゲームが操作部42の操作に基づいて制御されるのに対し、第2ゲームは、操作部42の操作に基づかずに、接続された外部端末装置6の端末IDに対応するプレイヤIDに対応付けて制御される。よって、プレイヤは、ゲーム装置2Aから離れた場所(例えばゲームセンター内の喫煙所)であっても、外部端末装置6を用いることにより、第2ゲームをプレイすることができる。
【0067】
またゲーム装置2Aによれば、操作部42の操作に基づいて制御される第1ゲームと、操作部の操作に基づかずに制御さる第2ゲームとを同時に進行させることができる。したがって、ステーション3Aに空きがなくとも、プレイヤは第2ゲームをプレイすることができる。
【0068】
またゲーム装置2Aによれば、一人のプレイヤが第1ゲームと第2ゲームとを同時にプレイ可能である。この場合、第1ゲーム及び第2ゲームは当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けて進行し、第2ゲームは当該プレイヤIDに対応する端末IDに対応付けられて進行するから、必要とされるプレイヤIDの数は1である。したがって、一人のプレイヤに複数のプレイヤIDを付与し、これらのプレイヤIDを用いて複数のゲームの同時プレイを実現する形態に比較して、プレイヤIDの取得に要する手間を削減すること、及びプレイヤIDの管理を容易とすることができる。
【0069】
またゲーム装置2Aによれば、あるプレイヤが第1ゲームをプレイしているときに、そのプレイヤと同一の識別情報に対応付けて他のプレイヤに第2ゲームをプレイさせることができる。したがって、第1ゲームをプレイした結果と第2ゲームをプレイした結果とが同一の識別情報に対応付けて管理されるので、例えば友達同士などで協力してゲームをプレイすることが可能となり、プレイヤの多様な要望に応えることができる。また、複数のゲーム装置2Aの間で制御するゲームの種類を互いに異ならせるか、複数のゲームの種類からそれぞれ選択できるようにすれば、一人のプレイヤが複数種類のゲームを同時にプレイすること(掛け持ちプレイ)が可能となる。
【0070】
またゲーム装置2Aによれば、ステーション3Aおよび設定端末4Aにおいて、共通処理の結果に基づいてゲームが制御されるから、自動ゲームと第1ゲーム(手動ゲーム)とのどちらか一方が先行してしまうことがない。つまり、ステーション3Aでのゲームの進行と設定端末4Aでのゲームの進行とを互いに同期させることができる。
【0071】
また設定端末4Aによれば、ゲームを自動的に進行させることができる。自動的に進行する自動ゲームでも結果に基づくクレジットの付与は可能であるから、ゲームの内容に関心が無いプレイヤ(ゲームの結果(クレジットの付与)にしか関心がないプレイヤ)ならば、ゲームが自動的に進行しても満足する。また、ゲームの結果で多くの遊技価値を得られるジャックポットゲームやボーナスゲーム等のチャンスゲームを搭載しているゲーム装置では、チャンスゲームが開始されるまではゲームが自動的に進行されることを望むプレイヤもいる。さらに、チャンスゲームに参加するにあたり、ある期間ゲームをプレイしていること等の参加資格を必要とする場合には、参加資格が得られるようにゲームが自動的に進行されることを望むプレイヤもいる。また、設定端末4Aでは、自動ゲームを、複数のプレイヤについて同時に進行させることができる。よって、ゲームの内容に関心が無いプレイヤがゲームをプレイすることにより設定端末4Aを占有することなく、複数のプレイヤに対して自動ゲームをプレイする機会を与えることができる。
【0072】
また設定端末4Aによれば、所定の規則がプレイヤIDごとに設定されるから、自動ゲームの進行内容をプレイヤごとに異ならせることができ、プレイヤの意思をある程度ゲームに反映させることができる。これは、ゲームを自動的に進行させるプレイヤの増加に寄与する利点である。また設定端末4Aによれば、プレイヤは外部端末装置6を用いて自動ゲーム(第2ゲーム)の進行状況を把握することができる。
【0073】
ところで、本実施形態において制御されるゲームは、進行するとクレジットを消費し、結果に応じてクレジットを付与するメダルゲームである。メダルゲームでは、消費するものと付与するものとが共にクレジットであり、クレジットを増加させることがゲームの重要な目的となるから、ゲームの内容に関心がないプレイヤが多くなり易い。したがって、本実施形態には、上記の各種の効果がより有益となりやすいという利点がある。
【0074】
<B:第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係るゲームシステム200のブロック図である。ゲームシステム200がゲームシステム100と異なるのは、ゲーム装置2Aに代えてゲーム装置2Bを有する点のみである。ゲーム装置2Bがゲーム装置2Aと異なるのは、設定端末4Aに代えて設定端末4Bを有する点のみである。
【0075】
図8は、設定端末4Bのブロック図である。設定端末4Bが設定端末4Aと異なるのは、制御部40Aに代えて制御部40Bを備える点のみである。制御部40Bが制御部40Aと異なるのは、設定部G4および状況送信部G6として機能しない点と、自動ゲーム制御部G2ではなく遠隔ゲーム制御部G7として機能する点のみである。制御部40Bが設定部G4として機能しないため、記憶部45に所定の規則が記憶されることはない。
【0076】
遠隔ゲーム制御部G7は、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6からの指示に基づいて第2ゲームを制御する機能部である。つまり、遠隔ゲーム制御部G7が制御する第2ゲームは、自動ゲームではなく、外部端末装置6からの指示に基づいて制御される「遠隔ゲーム」である。また遠隔ゲーム制御部G7は、プレイヤID取得部G1によって取得された1又は複数のプレイヤIDにそれぞれ対応する1又は複数の遠隔ゲームを同時に進行可能に制御する機能部でもある。
【0077】
また、遠隔ゲーム制御部G7は、状況送信部G6と同様の機能を備え、さらに、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6からの指示を受信する機能を備える。
【0078】
以上の説明から明らかなように、ゲーム装置2Bは、ゲーム装置2Aと同様に、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けられて操作部32の操作に基づいて進行する第1ゲームと、接続部G5によって接続が確立された外部端末装置6の端末IDに対応付けられて進行する第2ゲームとを同時に進行可能に制御するゲーム制御部を備える。
【0079】
以上の説明から明らかなように、ゲーム装置2Bは、自動ゲームに関する効果を除いて、ゲーム装置2Aと同様の効果を奏する。またゲーム装置2Bによれば、プレイヤは外部端末装置6を用いて第2ゲームを操作することができる。つまり、ゲーム装置2Bによれば、ゲームの内容に関心があるプレイヤがプレイする機会を増やすことができる。
【0080】
<C:変形例>
本発明は、上述した実施形態のみならず、上述した実施形態を変形して得られる各種の形態や、これらの形態および上述した実施形態のうち2以上の形態を適宜に組み合わせて得られる各種の形態をも範囲に含みうる。
【0081】
<C−1:変形例1>
上述した各実施形態では、クレジット数を共通化して管理しているが、共通化せずに個別に管理するようにしてもよい。すなわち、貯留部が、プレイヤID取得部F1に取得されたプレイヤIDに対応付けて第1クレジット数を記憶部35に記憶する一方、第1クレジット数とは別に増減する第2クレジット数を当該プレイヤIDに対応付けて記憶部45に記憶し、当該プレイヤIDに対応する第1ゲームでのクレジットの消費または付与に応じて第1クレジット数の増減を行う一方、当該プレイヤIDに対応付けられた端末IDに対応する第2ゲームでのクレジットの消費または付与に応じて第2クレジット数の増減を行うようにしてもよい。
【0082】
<C−2:変形例2>
変形列1において、第1クレジット数と第2クレジット数との間で全部または一部のクレジットを移行可能としてもよい。すなわち、第1クレジット数から第2クレジット数へクレジットを移行する場合には、移行するクレジットの分だけ、第1クレジット数を減少させ、第2クレジット数を増加させる。逆に、第2クレジット数から第1クレジット数へクレジットを移行する場合には、移行するクレジットの分だけ、第2クレジット数を減少させ、第1クレジット数を増加させる。なお、移行するクレジットの数については、プレイヤに指定させてもよい。この形態によれば、実際のメダルをプレイヤが取り扱うことなくクレジットを移行させることができる。
【0083】
<C−3:変形例3>
第1実施形態において、制御部30Aが接続部G5及び状況送信部G6として機能しないようにしてもよい。この形態によれば、プレイヤは、外部端末装置6を用いることなく自動ゲームをプレイすることができる。ただし、この形態では、第2ゲームをプレイするプレイヤは、第2ゲームの進行状況を把握することができない。しかし、ゲームの内容に関心が無いプレイヤ(ゲームの結果にしか関心がないプレイヤ)ならば、第2ゲームの進行状況を把握することができなくても満足する。
【0084】
<C−4:変形例4>
上述した各実施形態では、ビンゴゲームを制御対象としているが、他のゲーム(例えば、競馬ゲームや麻雀ゲーム、ロールプレイングゲーム)を制御対象としてもよい。また、上述した各実施形態では、物理的な抽選を伴うゲームを制御対象としているが、物理的な抽選を伴わないゲーム(例えば、電子的な抽選を伴うゲームや抽選を伴わないゲーム)を制御対象としてもよい。なお、物理的な抽選を伴わないゲームを制御対象とする場合には、各ゲーム装置が共通装置を含まない構成を採用可能である。
【0085】
<C−5:変形例5>
上述した各実施形態では、プレイヤは、クレジットが無くなるまで第2ゲームをプレイすることができるが、クレジットが残っていても特定の場合には第2ゲームをプレイすることができないようにしてもよい。例えば、繰り返し行われるゲームを、第2ゲームのプレイを許可する通常ゲームと、第2ゲームのプレイを許可しない特別ゲームとに区分けする。この場合、プレイヤは、クレジットが無くなるか、特別ゲームが開始するまで、第2ゲームをプレイすることができる。なお、特別ゲームとしては、所定の条件が充足された場合に行われる演出に凝ったゲームを例示可能である。また、設定したクレジット数を自動ゲームの終了条件とするように所定の規則を定めても良い。この場合、自動ゲームのプレイにともなって増減するクレジット数の増減が、当該設定したクレジット数以上または以下となった場合に、自動ゲームが終了するようにする。
【0086】
<C−6:変形例6>
上述した各実施形態では、結果に応じてクレジットを付与可能なメダルゲームを制御対象としているが、結果に応じてクレジット以外の遊技価値(非クレジット)を付与可能なゲーム(例えばビデオゲーム)を制御対象としてもよいし、結果に応じてクレジットのみならず非クレジットも付与されうるメダルゲームを制御対象としてもよい。
【0087】
非クレジットは、例えば、アイテムやポイントである。アイテムとしては、ゲームにおいて利用可能な剣や衣装などの仮想物を例示可能である。ポイントとしては、その数(量)であるポイント数に相当するアイテムと交換可能なものや、ポイント数に応じた称号がプレイヤに付与されるものを例示可能である。
【0088】
非クレジットがアイテムの場合、貯留部は、付与されたアイテムを示しゲームでのアイテムの付与により変化するアイテム情報を、プレイヤID取得部に取得されたプレイヤIDに対応付けてさらに記憶し、第1ゲームおよび第2ゲームのそれぞれでのアイテムの付与に応じて、プレイヤID取得部に取得されたプレイヤIDに対応するアイテム情報を変化させることになる。
【0089】
非クレジットがポイントの場合、貯留部は、ゲームでのポイントの付与により増加するポイント数を、プレイヤID取得部に取得されたプレイヤIDに対応付けてさらに記憶し、第1ゲームおよび第2ゲームのそれぞれでのポイントの付与に応じて、プレイヤID取得部に取得されたプレイヤIDに対応するポイント数を増加させることになる。
【0090】
<C−7:変形例7>
上述した各実施形態では、自動ゲームをプレイするプレイヤごとに所定の規則を設定しているが、自動ゲームをプレイする複数のプレイヤに共通して所定の規則を設定するようにしてもよい。この場合、設定端末で制御される複数の自動ゲームは、いずれも、共通の規則にしたがって進行することになる。
【0091】
<C−8:変形例8>
また第1実施形態において、設定部G4が、センターサーバ装置1に蓄積されたプレイ履歴のうち一つのプレイヤIDに対応するプレイ履歴に基づいて、所定の規則を当該プレイヤID又は別のプレイヤIDに対応付けて設定するようにしてもよい。別のプレイヤIDとしては、所定の規則を対応付けるプレイヤIDと所定の関係にあるプレイヤIDが好ましい。この場合、センターサーバ装置1は、プレイヤID間の関係を示すデータを記憶し、設定部G4は、このデータに基づいて、所定の規則を対応付けるプレイヤIDと所定の関係にあるプレイヤIDを特定する。所定の関係としては友好関係が挙げられ、その締結は、例えば、関係を締結する二人のプレイヤがそれぞれプレイしている二つのステーション間での通信によって行われる。
【0092】
<C−9:変形例9>
また第1実施形態において、プレイヤIDに対応付けて設定する所定の規則として、当該プレイヤIDに対応付けられて進行する自動ゲームの進行状況を、別のプレイヤIDに対応付けられて進行するゲームの進行状況と一致させる旨の規則を採用してもよい。別のプレイヤIDとしては、所定の規則を対応付けるプレイヤIDと所定の関係(例えば友好関係)にあるプレイヤIDが好ましい。例えば、センターサーバ装置1が、プレイヤID間の関係を示すデータを記憶し、自動ゲームに対応するプレイヤIDごとに、当該プレイヤIDと所定の関係にあるプレイヤIDに対応するゲームの進行状況を収集し、設定部G4が、センターサーバ装置1に収集された進行状況のうち、所定の規則を設定するプレイヤIDと所定の関係にあるプレイヤIDに係る進行状況と一致するように自動ゲームを制御する。
【0093】
<C−10:変形例10>
上述した各実施形態では、メダルが払い出されるが、メダルに代えて、クレジット数に応じたチケットの枚数が払い出されるようにしてもよい。この場合、クレジットの数とチケットの枚数の対応関係は、例えばクレジット数10に対してチケット1枚のように任意である。また、外部端末装置6として、ウェブブラウザを搭載していないものを採用してもよい。この場合、外部端末装置6で第2ゲームを実行できるようにあらかじめインストールしておく必要がある。つまり、外部端末装置6で第2ゲームが実行可能とするソフトウエアの形態は任意である。
【0094】
<C−11:変形例11>
上述した各実施形態では、プレイヤIDを取得するプレイヤID取得部が、媒体IDに紐付けられたプレイヤIDを取得しているが、媒体IDをプレイヤIDとして用いるようにしてもよく、この場合には、受付部がプレイヤID取得部として機能する。また、プレイヤがプレイヤIDを直接的に入力するための入力部(例えばキーボード)をプレイヤID取得部として機能させてもよい。また、上述した各実施形態では、ステーション及び設定端末にプレイヤIDが記憶されるが、ステーション又は設定端末にプレイヤIDが記憶されないようにしてもよい。ただし、この場合でも、ステーション及び設定端末には第1IDが付与されており、第1IDはプレイヤIDに紐付けられるから、ステーション又は設定端末で進行するゲームや、ステーション又は設定端末に記憶されるクレジット数はプレイヤIDに対応することになる。
【0095】
<C−12:変形例12>
また第1実施形態において、共通装置が、共通処理の結果または状況を外部に出力する出力部をさらに備えるようにしてもよい。出力部の出力先としては、遊技施設内に設置されたモニターを例示可能である。この場合、プレイヤは、離れた場所にいても、共通処理の結果または状況を把握することができる。これは、特に、離れた場所で外部端末装置6を用いずに自動ゲームをプレイし、共通処理の結果または状況に関心があるプレイヤにとって有益である。
<C−13:変形例13>
各実施形態において、プレイヤがこのゲーム装置を始めてプレイする場合であって、そのプレイを第2ゲームで行う場合に、所定のゲーム数分だけプレイの対価としてのクレジットの消費をなしにプレイを可能とするようにしてもよい。すなわち、第2ゲームにおいてゲームの無料体験を提供することができる。特に第1実施形態においては自動プレイで第2ゲームが進行されるので、無料体験を通してプレイ方法を習得することが可能となり、新規プレイヤの獲得につなげることができる。つまり、ゲーム制御部は、接続部によって端末装置との接続が確立した場合であって、取得部で取得された第1識別情報がそのゲーム装置で過去にプレイされていないと判断したとき、所定ゲーム数分のゲームをクレジットの消費をなしにプレイさせることを許可するように制御する。また、上記判断をしたとき、所定のクレジット数を付与するようにしてもよい。なお、取得部で取得された第1識別情報がそのゲーム装置で過去にプレイされていないと判断するには、プレイしたプレイヤの第1識別情報の履歴を記憶するようにすればよい。
【符号の説明】
【0096】
1……センターサーバ装置、2A,2B……ゲーム装置、3A……ステーション、4A,4B……設定端末、5……共通装置、6……外部設定端末、11,35,45……記憶部、30A,40A,40B……制御部、31,41……表示部、32,42……操作部、33,43……受付部、34,44……通信部、36,46……メダル機構、47……無線通信部、100,200……ゲームシステム、F1,G1……プレイヤID取得部、F2……手動ゲーム制御部、F3,G3……クレジット管理部、G2……自動ゲーム制御部、G4……設定部、G5……接続部、G6……状況送信部、G7……遠隔ゲーム制御部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤを一意に識別する第1識別情報を取得する取得部と、
外部からのクレジットの預入により増加し、ゲームでのプレイの対価としてのクレジットの消費により減少するクレジット数を、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応付けて記憶する貯留部と、
外部との無線通信が可能な無線通信部と、
前記無線通信部を介して外部の可搬型の端末装置との接続を確立させる接続部と、
前記取得部に取得された前記第1識別情報と、前記接続部によって接続が確立された前記端末装置に付与されている第2識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ゲームに対してプレイヤの操作を受け付ける操作部と、
前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応付けられて前記操作部の操作に基づいて進行する前記ゲームである第1ゲームと、前記接続部によって接続が確立された前記端末装置に付与されている前記第2識別情報に対応付けられて進行する前記ゲームである第2ゲームとを同時に進行可能に制御するゲーム制御部とを備え、
前記貯留部は、前記第1ゲームおよび前記第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費に応じて、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応する前記クレジット数を減少させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記無線通信部を介して前記第2ゲームの進行状況を前記端末装置へ送信する状況送信部をさらに備え、
前記ゲーム制御部は、前記第2ゲームを所定の規則にしたがって自動的に進行可能に制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム制御部は、前記第2ゲームを、前記端末装置からの指示に基づいて制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記取得部に前記第1識別情報が取得されると、当該第1識別情報に対応付けてパスワードを発行して表示し、当該パスワードと前記端末装置から取得した確認用パスワードとが、当該パスワードが発行されてから最初に一致した前記端末装置に対して、当該第1識別情報と当該第2識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させることにより、当該端末装置との接続を確立させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームは、前記ゲームの結果に応じて得られる遊技価値として前記ゲームの結果に応じたクレジットを付与し、
前記貯留部は、前記第1ゲームおよび前記第2ゲームのそれぞれでのクレジットの消費または付与に応じて、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応する前記クレジット数を増減させる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記貯留部は、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応付けて、当該第1識別情報と当該第1識別情報に対応する前記第2識別情報とに共通の前記クレジット数を記憶し、当該第1識別情報に対応する前記第1ゲームと当該第2識別情報に対応する前記第2ゲームとのそれぞれでの前記クレジットの消費または付与に応じて、当該クレジット数の増減を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記貯留部は、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応付けて前記クレジット数である第1クレジット数を記憶する一方、前記第1クレジット数とは別に増減する前記クレジット数である第2クレジット数を当該第1識別情報に対応付けて記憶し、当該第1識別情報に対応する前記第1ゲームでの前記クレジットの消費または付与に応じて前記第1クレジット数の増減を行う一方、当該第1識別情報に対応付けられた前記第2識別情報に対応する前記第2ゲームでの前記クレジットの消費または付与に応じて前記第2クレジット数の増減を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記貯留部は、前記第1識別情報に対応する前記第1クレジット数と、当該第1識別情報に対応付けられた前記第2識別情報に対応する前記第2クレジット数との間で、全部または一部のクレジットを移行可能である、
ことを特徴とする請求項7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲームは、前記ゲームの結果に応じて得られる遊技価値として前記ゲームの結果に応じ前記プレイの対価とならない非クレジットを付与し、
前記貯留部は、付与された非クレジットを示し前記ゲームでの非クレジットの付与により変化する非クレジット情報を、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応付けてさらに記憶し、前記第1ゲームおよび前記第2ゲームのそれぞれでの非クレジットの付与に応じて、前記取得部に取得された前記第1識別情報に対応する前記非クレジット情報を変化させる、
ことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載のゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−53826(P2012−53826A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197677(P2010−197677)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【特許番号】特許第4865072号(P4865072)
【特許公報発行日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】