ゲーム運用装置、ゲーム運用方法、及びゲーム運用プログラム
【課題】従来の単なる課金のみによらない新たな能力向上の選択肢を提供して、プレーヤがゲームを継続的に遊技したいと考える興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現する。
【解決手段】預金管理部22は、端末装置12から送信されたプレーヤによる預金指令を受信し、受信した預金指令にしたがって、プレーヤが指定した預金額の仮想通貨を預金する。そして、預金管理部22は、所定の預金期間が満了するまでプレーヤが預金した仮想通貨のプレーヤによる使用を禁止する。特典付与部24は、預金プレーヤが仮想通貨を預金した場合、預金プレーヤが仮想通貨を預金しない場合に比べ、預金期間が満了するまで、対戦に対して有利となる特典を預金プレーヤに付与する。
【解決手段】預金管理部22は、端末装置12から送信されたプレーヤによる預金指令を受信し、受信した預金指令にしたがって、プレーヤが指定した預金額の仮想通貨を預金する。そして、預金管理部22は、所定の預金期間が満了するまでプレーヤが預金した仮想通貨のプレーヤによる使用を禁止する。特典付与部24は、預金プレーヤが仮想通貨を預金した場合、預金プレーヤが仮想通貨を預金しない場合に比べ、預金期間が満了するまで、対戦に対して有利となる特典を預金プレーヤに付与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、スマートフォン、又はタブレット端末等の端末装置を用いてプレーヤが移動先で手軽に遊ぶことのできるソーシャルゲームが広く普及している。ソーシャルゲームは、従来のゲームのようにプレーヤの技量が重要な要素となるものではなく、単純なボタン操作のみでプレーヤが所持するチーム等の能力値を増大させるというようなゲームが一般的であり、プレーヤにとって手軽なゲームである。このため、ソーシャルゲームは電車の待ち時間や人との待ち合わせ時間の時間潰しに遊ばれることが多い。また、ソーシャルゲームでは、プレーヤが所持するチーム同士の対戦も行われるが、対戦の勝敗もやはり、プレーヤの技量とは無関係にプレーヤが所持するチームの能力値の大小関係により瞬時に決定される。そして、チームの能力値の昇降、アイテムの獲得、及びアイテムの損失といった結果も勝敗と同時に即座に出る。このような迅速性及び簡易性がソーシャルゲームの特徴である。
【0003】
また、ソーシャルゲームは課金システムにも特徴があり、例えば、プレーヤが所持するチームの能力値を効率良く増大させようとするプレーヤからは、下記のような形をとって課金する形態が広く採用されている。これにより、ソーシャルゲームの場を運営するゲーム運営会社及び作成したゲームを提供するゲーム会社は利益を得ることができる。
【0004】
すなわち、プレーヤが所持するチームの能力値を増大するためのアイテムや、プレーヤが所持するチームを構成するキャラクタの体力値を回復させるためのアイテム(ドリンクや薬)の購入等である。
【0005】
ここで、体力値回復のアイテムについて補足する。キャラクタの体力値が無くなった場合、プレーヤは当然、ゲームを継続できないことになるが、そのまま時間が経過するにつれて徐々にキャラクタの体力値が回復するようになり、所定の体力値が回復した時点で、再びゲームを実行できるようになる。但し、その間、プレーヤはゲームを進行させることができないため、チームの能力値を上昇させることができなくなる。したがって、少しでも早くキャラクタの能力向上を図りたい場合、プレーヤは、体力値の回復後に直ちにゲームを実行する、あるいは体力値の回復がなされたか否かを確認するために、頻繁にゲームにアクセスするということが行なわれる。しかし、このような手法は相当時間がかかる上、手間を要するため、プレーヤに煩わしさを感じさせてしまう。このため、そのようなプレーヤはキャラクタの体力値を回復させるアイテム(ドリンクや薬)を購入する、つまり、時間を金で買うことになる。特に、多数のプレーヤが同時進行でゲームを実行しているソーシャルゲームでは、他のプレーヤより少しでも能力向上を図り、自分のランキング等を向上させたいと望むことが多いので、時間をかけてゆっくりと能力向上を図るよりも、課金がなされることを承知の上で、手っ取り早く、あるいは他のプレーヤに先んじて能力向上を図ろうとするケースが見られる。
【0006】
本出願に関係する先行技術文献として特許文献1、2が開示されている。特許文献1には、ゲーム状況に応じてプレーヤが取得可能なアイテムをプレーヤに提示する技術が開示されている。特許文献2には、プレーヤがゲーム中にゲームを中断することなくアイテムを購入することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−94877号公報
【特許文献2】特開2010−282356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記したように、ソーシャルゲームにおける能力向上の手法としては、従来、大きくは2つの選択肢があった。すなわち、1.時間をかける(効率良く能力向上させるために、体力値が回復したか否かを確認し、ゲーム継続するために、ゲームへのアクセス頻度を多くする)、2.アイテム等を購入する、の2つである。しかし、この2つの選択肢しかない場合、資力に余裕がありアイテム等を次々と購入するプレーヤと、時間をかけてゲームを進めるだけのプレーヤとの能力向上のレベルに大きな乖離が生じる。そして、時間をかけるだけのプレーヤにとっては、ある程度のアイテム購入を行なったとしても、所詮、大量のアイテム購入者には敵わないという思いがあるので、積極的なアイテム購入への動機付けを与えることはできない。
【0009】
従って、現状のソーシャルゲームは、課金をするプレーヤ、課金をしないプレーヤに大きく2分される状況にある。しかし、この状況が継続すると、課金をしないプレーヤのランキング変動は遅々たるものになるので、ゲームへの参加意識が次第に希薄化し、ゲームを止めてしまう可能性がある。つまり、現状のソーシャルゲームのシステムには、課金をしないプレーヤをさらに継続的に遊技させる動機付けが弱いというリスクが内在している。
【0010】
この課題を解消するには、従来、課金をしなかったプレーヤに対しても課金させる動機付け、すなわち、能力向上に関して、従来ゲームにないバリエーションを設けることが考えられる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、従来の単なる課金のみによらない新たな能力向上の選択肢を提供して、プレーヤがゲームを継続的に遊技したいと考える興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明によるゲーム運用装置は、プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用装置であって、前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理部と、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与部とを備える。なお、本発明によるゲーム運用方法、及びゲーム運用プログラムはゲーム運用装置と同様の構成を持つため、説明を省略する。
【0013】
この構成においては、まず、仮想通貨の使い方として、従来ゲームのようなアイテム購入とは異なるバリエーションであるところの、預金を可能としている。そして、プレーヤが仮想通貨を預金した場合、預金しない場合に比べ、対戦に対して有利となる特典が付与される。一方で、預金期間が満了するまでは、預金した仮想通貨の使用は禁止される。
【0014】
上記のように、本構成によれば、預金という形を通して課金が行なわれることになるものの、プレーヤには、従来ゲームにない以下のようなメリットが生じる。まず、プレーヤが獲得するものは、i)預金(充当した仮想通貨分)+ii)特典である。ここで、i)の預金に充当した仮想通貨は預金期間が満了するまで使用できないという制限はあるが(すなわち、その間はアイテム購入等には充当できないが)、目減りするわけではないので、言わば、仮想通貨を、形を変えて保有していることと同じである。その上で、ii)の特典を預金期間の間、享受することができる。つまり、プレーヤは、自分の仮想通貨を実質上減らすことなく、特典を得ることができるのである。なお、預金期間が満了すれば、ii)の特典はなくなる。ここで、特典とは、例えばゲームがチーム対戦である場合、そのチームを構成する構成員として有能なキャラクタを獲得できる確率を上げる、体力値の回復に要する時間が短くなる等、様々な形態をとり得る。
【0015】
以上のように、従来ゲームにおいては、能力向上を図るために仮想通貨を消費する(課金される)場合、アイテムを購入する程度の選択肢しかなかったのに対して、本構成においては、所定の期間(預金期間)、特典を享受した上で、(任意のタイミングで)アイテムを購入できるという新たな選択肢を提供できる。
【0016】
この結果、プレーヤはアイテム購入のための資力が限られている場合であっても、仮想通貨の使用を全く考慮しない状態から、例えばランキング向上を目指す意欲が喚起されて、仮想通貨の使用を検討する動機付けをプレーヤに与えることができる。そのため、ゲーム全体のコミュニティを活性化し、ひいては興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現することができる。
【0017】
なお、本構成は、ゲーム運用装置を管理するゲーム提供者側にとっても、以下のようなメリットがある。すなわち、上記の通り、預金期間が満了するまでは、その預金はアイテム購入等に充当できないという制限がかかる。しかし、プレーヤによっては、預金期間中に、どうしても購入したいアイテム等が出てくる場合も考えられる。その際、そのプレーヤは預金とは別に、新たに仮想通貨を用いてそのアイテムを購入することが想定される。すなわち、ゲーム提供者側にとっては、預金と、アイテム購入等との2つの課金の機会が設けられることになる。この結果、プレーヤからの課金額が増大し、より多く収入を得ることができる。
【0018】
(2)前記プレーヤが前記ゲームを実行した頻度を管理する頻度管理部を更に備え、前記特典付与部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤに付与する特典を低下させることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、仮想通貨を預金したプレーヤは、ゲームを実行する頻度が低下すると、特典が低下されてしまう。そのため、プレーヤは預金したことで得られる特典を享受するには、ゲームを実行する頻度が低下しないように努力する必要がある。つまり、本構成によれば、メリットもあるが、そのメリットを享受するための条件もあるため遊戯性に深みがあり、興趣性のあるゲームを実現できる。一方、ゲーム提供者側にとっては、プレーヤが継続的にゲームにアクセスすることは、課金の機会を増大させることにつながるため、収入増加につながるという利点がある。
【0020】
(3)前記特典付与部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、前記プレーヤに付与する特典の低下を回復させることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、預金したプレーヤは、暫くゲームから遠ざかり、特典を低下させてしまった場合であっても、ゲームの実行回数を増大させていけば、特典を回復させることができる。その結果、預金したプレーヤに対し、ゲームの実行回数を増やそうとする動機付けを与え、預金したプレーヤがゲームから遠ざかってしまうことを防止することができる。
【0022】
(4)前記預金管理部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤが預金した前記仮想通貨の預金額を低下させることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、預金したプレーヤはゲームを実行する頻度が低下すると、せっかく預金した仮想通貨の預金額が低下してしまうため、ゲーム実行の頻度を保持しようと努力することになる。つまり、本構成によれば、メリットもあるが、そのメリットを享受するための条件もあるため遊戯性に深みがあり、興趣性のあるゲームを実現できる。一方、ゲーム提供者側にとっては、プレーヤが継続的にゲームにアクセスすることは、課金の機会を増大させることにつながるため、収入増加につながるという利点がある。
【0024】
(5)前記預金管理部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、低下させた前記仮想通貨の預金額を回復させることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、預金したプレーヤは、頻度の低下により預金額を低下させた場合であっても、ゲーム実行回数を増大させて頻度を増大させれば、再び、預金額を元の値にまで回復させることができる。これにより、預金プレーヤに対して、預金額を元の値に戻すためにゲーム実行回数を増大させようとする動機付けを与えることができ、プレーヤがゲームから遠ざかってしまうことを防止することができる。
【0026】
(6)前記預金管理部は、前記預金期間が満了するまでに、前記プレーヤの前記端末装置から、預金した前記仮想通貨を返金する返金指令を受信した場合、前記預金額を低下させて前記プレーヤに前記仮想通貨を返金するものであり、前記返金指令の受信時刻から前記預金期間の満了時刻までの期間が長くなるにつれて、前記預金額からの低下額を増大させて、前記プレーヤに前記仮想通貨を返金することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、預金期間が満了するまでに預金したプレーヤが預金を解約しようとすると、返金額が預金額よりも低下されるため、預金したプレーヤに対して預金期間が満了するまで、解約を行わないでおこうとする動機付けを与えることができる。
【0028】
例えば、預金したプレーヤが預金を解約しようとするケースとして、どうしても仮想通貨を用いて購入したいアイテムが発生したケースが挙げられる。この場合、預金を解約することで預金した仮想通貨を全額返金し、購入したいアイテムをそのまま購入させてしまうと、預金をするそもそもの意味が薄れてしまう。一方、本構成のように、預金を解約すると預金額が減少するというペナルティを預金したプレーヤに課すと、預金したプレーヤは預金を解約せず、別途、保有する仮想通貨を用いて、あるいは現金を仮想通貨に換金して、その仮想通貨を用いてアイテムを購入しようとする。そのため、ゲーム運営会社の収入を増やすことができる。
【0029】
(7)前記預金管理部は、前記預金期間中において、前記プレーヤの前記端末装置から前記預金額を増大させる預金更新指令を受信した場合、現状の預金額を低下させることなく前記預金更新指令により指定された増額分を前記現状の預金額に加算し、加算した額を更新後の預金額とし、かつ、前記預金更新指令の受信時刻を基準として前記預金期間のカウントを開始することが好ましい。
【0030】
預金したプレーヤは、預金額が増大するほど特典が増大されるため、預金期間の途中において、預金額を増大させたい場合もある。例えば、現在の預金額が1000円の場合において、この預金額を5000円に引き上げたい場合もある。
【0031】
この場合、一旦、預金を解約し、再度、5000円を預金する構成にしてしまうと、(6)に示すように、預金期間の途中で預金を解約すると、返金額が元の預金額から減少するため、預金したプレーヤは預金額を5000円にするためには4000円以上の追加料金を支払わなければならず、解約したプレーヤに損をさせてしまう。
【0032】
そこで、預金更新指令を送信すると、預金したプレーヤは預金額である1000円にそのまま4000をプラスすれば、5000円の預金を行うことができる。これにより、預金したプレーヤは預金期間の途中であっても損することなく預金額を増額することができる。
【0033】
ここで、預金更新指令を送信してから、当初の預金終了日において預金期間を満了させてしまうと、預金したプレーヤが5000円分の特典を得られる期間が短くなってしまう。そこで、預金更新指令を送信した時刻を預金期間の開始時刻とし、預金期間をカウントし直すことで、預金したプレーヤが5000円分の特典を得られる期間を増大させることができる。これにより、預金したプレーヤに対して預金更新指令を送信して、預金額を増大させようとする動機付けを与えることができる。
【0034】
また、預金期間から解約するまでの期間が短いほど返金額を減少させる構成が採用されているため、預金終了時刻間近であれば、多少損をしても預金を解約してアイテムを購入しようか、あるいは、別途、現金を仮想通貨に換金してアイテムを購入しようかといった選択肢をプレーヤに与えることができ、ゲームの面白みを増大させることができる。更には、どうしても購入したアイテムが発生した場合であっても、もう少し待って預金を解約すれば、全額が返金されるため、もう少し待ってから預金を解約しようとするというような選択肢をプレーヤに与えることができ、プレーヤの判断のバリエーションを増大させることができる。
【0035】
(8)前記単位は、仮想カードを含み、前記仮想カードは、前記集合体の能力値を増大させるための第1仮想カードと、前記第1仮想カードよりも前記集合体の能力値をより高く増大させるための第2仮想カードとを含み、前記特典付与部は、前記仮想通貨を預金したプレーヤに対して、前記預金期間が満了するまで、前記ゲーム運用装置へのアクセスに基づいて、前記第1仮想カード又は前記第2仮想カードのいずれの仮想カードを前記プレーヤに付与するかを決定する抽選処理を実行し、前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて高く設定されることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、預金したプレーヤは預金しない場合に比べて第2仮想カードを得るための特典付与確率が高く設定されるため、第2仮想カードをより高い確率で得ることができる。
【0037】
(9)前記プレーヤは、預金した仮想通貨とは別の仮想通貨を用いて、前記抽選処理の実行を依頼するための抽選処理依頼アイテムが購入可能であり、前記特典付与部は、前記抽選処理依頼アイテムが前記プレーヤにより使用された場合、前記特典付与確率を設定し、設定した特典付与確率にしたがって前記抽選処理を実行し、前記抽選処理依頼アイテムの使用に基づく前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記一定期間毎に実行される抽選処理において設定される特典付与確率の最大値よりも高く設定されることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく抽選処理の特典付与確率が、アクセスに基づいて実行される抽選処理の特典付与確率よりも高く設定されているため、プレーヤによる抽選処理依頼アイテムの購入意欲の減退を防止することができる。
【0039】
(10)前記ゲーム空間において、前記集合体同士を対戦させ、両集合体が持つ能力値を比較することで両集合体の勝敗を決定し、決定した勝敗に基づいて、少なくとも負けた集合体の前記能力値を減少させる集合体管理部を更に備え、前記集合体管理部は、前記プレーヤが前記ゲームを実行していない場合、前記集合体の能力値を所定の回復率で経時的に回復させ、前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて前記回復率を高く設定することが好ましい。
【0040】
この構成によれば、預金したプレーヤは預金していないプレーヤに比べて回復率が高く設定されるため、より速やかに能力値を回復することができる。その結果、プレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【0041】
(11)前記集合体が所持する金銭を仮想的に示す金銭アイテムを更に含み、前記集合体管理部は、前記対戦に勝利した集合体に対して、前記対戦に負けた集合体が所持する金銭アイテムを、当該金銭アイテムが示す価値を所定の増幅率で増大させて譲渡し、前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金していない場合に比べ、前記増幅率を増大させることが好ましい。
【0042】
この構成によれば、預金したプレーヤは、自身の集合体が対戦に勝利した場合、対戦相手の集合体が所持する金銭アイテムの価値より高い価値を持つ金銭アイテムが得られる。その結果、プレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、プレーヤは仮想通貨を預金した場合、預金しない場合に比べ、対戦に対して有利となる特典が付与される。ここでの預金は預金期間が経過するまでは預金した仮想通貨の使用が禁止されるが、預金した仮想通貨が目減りするわけではない。そのため、プレーヤは仮想通貨を預金することで、仮想通貨を形を変えて保有することができ、その上で、預金期間の間、特典を享受することができる。したがって、プレーヤは、自分の仮想通貨を実質上減らすことなく、特典を得ることができるのである。
【0044】
こうすることで、従来ゲームにおいては、能力向上を図るために仮想通貨を消費する場合、アイテムを購入する程度の選択肢しかなかったのに対して、本構成においては、預金期間において特典を享受した上で、アイテム購入するという新たな選択肢をプレーヤに提供することができる。
【0045】
その結果、プレーヤはアイテム購入のための資力が限られている場合であっても、仮想通貨の使用を全く考慮しない状態から、例えばランキング向上を目指す意欲が喚起されて、仮想通貨の使用を検討する動機付けが与えられる。そのため、ゲーム全体のコミュニティを活性化し、ひいては興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現することができる。
【0046】
また、プレーヤは、預金期間中において、どうしても仮想通貨で購入したいアイテムが発生すると、預金期間中は仮想通貨の使用が禁止されているため、別途、現金を仮想通貨に交換する必要がある。これにより、プレーヤに対して仮想通貨への換金への動機付けを与えることができる。したがって、ゲーム運用装置を管理するゲーム提供者側は、プレーヤからの課金額が増大し、より多く収入を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態によるゲーム運用装置が適用されたゲームシステムの全体構成図である。
【図2】図1に示すゲーム運用装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す端末装置のブロック図である。
【図4】図2に示すゲーム情報記憶部が記憶するデータベースのデータ構造を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態によるゲーム運用装置に端末装置がログインし、敵軍隊と対戦する際の処理を示すフローチャートである。
【図6】仮想通貨の預金時、アイテム購入時、預金更新時、及び返金時における端末装置とゲーム運用装置との処理を示すフローチャートである。
【図7】抽選処理が行われる際の端末装置とゲーム運用装置との処理を示すフローチャートである。
【図8】頻度の算出処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態によるゲーム運用装置で実行されるゲームにおいて、端末装置表示されるログイン画面の画面図である。
【図10】マイページ画面を示した図である。
【図11】プレーヤが選択した対戦候補となる軍隊の詳細を示す画面図である。
【図12】(A)は対戦画面を示した図であり、(B)は対戦に勝利した際に表示される勝利報知画面を示した図である。
【図13】抽選処理の選択画面を示した図である。
【図14】レア武将カードの画像を示した図である。
【図15】ノーマル武将カードの画像を示した図である。
【図16】(A)は頻度係数と頻度との関係を示したグラフであり、(B)は期間変動係数と預金期間との関係を示したグラフである。
【図17】返金指令が受信されたときの預金管理部の処理の説明図である。
【図18】預金更新指令が受信された場合における預金管理部の処理の説明図であり、(A)は預金更新指令を採用しない場合の問題点を示した図であり、(B)は預金更新指令を採用した場合の利点を示した図である。
【図19】特典付与部により設定される特典付与確率を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置が適用されたゲームシステムの全体構成図である。図1に示すようにゲームシステムは、ゲーム運用装置11及び1又は複数の端末装置12を備えている。
【0049】
ゲーム運用装置11は、一般的なコンピュータにより構成されている。端末装置12は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型の情報端末装置により構成されている。
【0050】
ゲーム運用装置11及び端末装置12は通信回線NTを介して相互に通信可能に接続されている。通信回線NTとしては、携帯電話網、及びインターネット通信網が採用されている。ゲーム運用装置11及び端末装置12には例えばIPアドレス等の固有の通信IDが割り振られ、ゲーム運用装置11及び端末装置12はこの通信IDを用いて、例えばTCP/IP等の通信プロトコルを用いて相互に通信を行う。
【0051】
端末装置12は、プレーヤからゲームを行うための種々の指示を受け付け、受け付けた指示に応じた指令を通信回線NTを介してゲーム運用装置11に送信する。ゲーム運用装置11は、端末装置12から送信された種々の指令にしたがって適宜処理を実行し、処理結果を適宜端末装置12に送信することで、ゲームを進行させていく。
【0052】
本実施の形態では、ゲームとしてはソーシャルゲームを採用している。ソーシャルゲームはソーシャルアプリケーションソフトによるゲームである。ソーシャルアプリケーションソフトは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上にウェブブラウザ上で動作するAPIなどの動作環境(アプリケーション・プラットフォーム)が提供され、これを基盤として制作されたアプリケーションソフトである。
【0053】
ソーシャルゲームは、既存のオンラインゲームとは異なり、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、ウェブブラウザとSNSとのアカウントのみで利用可能で、SNSが本来持つコミュニケーション機能と組み合わされている。そして、ソーシャルゲームは、ゲーム自体は短時間で気楽に遊べるといった特徴を持っている。
【0054】
本実施の形態では、ソーシャルゲームとして、プレーヤにより操作される端末装置12に通信回線NTを介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを採用する。
【0055】
ここで、上記の集合体としては、プレーヤが所有する団体を採用する。団体としては、例えば、野球、サッカー、又はアメリカンフットボール等の団体スポーツのチームを採用してもよいが、本実施の形態では、戦国武将から構成される軍隊を採用する。また、単位としては、戦国武将を模擬した武将カードや武将キャラクタが採用されるが、以下では、武将カードを例に挙げて説明する。この武将カードは、実空間に存在するカードではなく、ゲーム空間内に設定された仮想カードである。なお、集合体として、団体スポーツのチームを採用した場合、単位としては、例えば選手カードや選手キャラクタが採用される。
【0056】
プレーヤは、自身が所有する軍隊の能力値をアップさせ、別のプレーヤが所有する軍隊と対戦し、敵の軍隊が持つアイテムや武将カードを奪う等して、自身が所有する軍隊の能力値をアップさせる。
【0057】
武将カードには、個別にカードレベル値が設定されており、このカードレベル値により所属する軍隊のトータルの能力値が決定される。武将カードには、軍隊のリーダとなる武将を示すリーダ武将カード、カードレベル値が通常の値を持つノーマル武将カード(第1仮想カードの一例)と、カードレベル値がノーマル武将カードよりも高いレア武将カード(第2仮想カードの一例)とが含まれる。
【0058】
図2は、図1に示すゲーム運用装置11の詳細な構成を示すブロック図である。図2に示すようにゲーム運用装置11は、プレーヤ管理部21、預金管理部22、頻度管理部23、特典付与部24、軍隊管理部25(集合体管理部の一例)、ゲーム情報記憶部26、及び、通信部27を備えている。ここで、プレーヤ管理部21〜軍隊管理部25は、例えばCPUにより構成され、ゲーム情報記憶部26は、ハードディスク等の記憶装置により構成され、通信部27はモデム等の通信回路により構成され、これらのブロックは、CPUが本発明の実施の形態によるゲーム運用プログラムを実行することで実現される。
【0059】
プレーヤ管理部21は、本ゲーム運用装置11が運用するソーシャルゲームの実行を希望するプレーヤを会員登録させ、会員登録したプレーヤに関する情報を管理する。具体的には、プレーヤ管理部21は、端末装置12から送信された会員登録依頼が通信部27で受信されると、会員登録を希望するプレーヤについての情報を図4に示すプレーヤ情報データベースに格納する。
【0060】
図4は、図2に示すゲーム情報記憶部26が記憶するデータベースのデータ構造を示した図である。図4に示すようにゲーム情報記憶部26は、プレーヤ情報データベース、軍隊情報データベース、履歴情報データベース、預金情報データベース、及びカードデータベースを記憶している。
【0061】
プレーヤ情報データベースは、プレーヤ毎に1つのレコードが割り当てられたリレーショナルデータベースであり、プレーヤID、プレーヤ名、登録日、及び仮想通貨のフィールドを備えている。
【0062】
会員登録依頼には、プレーヤ名が含まれている。なお、プレーヤ名としては、例えばプレーヤのニックネームや本名が採用される。したがって、プレーヤ管理部21は、会員登録依頼が受信されると、当該会員登録依頼を送信したプレーヤにプレーヤIDを付与し、当該プレーヤIDを格納したレコードを生成し、生成したレコードをプレーヤ情報データベースに追加する。そして、当該プレーヤのレコードのプレーヤ名のフィールドに会員登録依頼に含まれるプレーヤ名を格納する。また、当該プレーヤのレコードの登録日のフィールドに会員登録を行った日を格納する。
【0063】
仮想通貨のフィールドには各プレーヤが所持する仮想通貨の金額が格納されている。仮想通貨は、ゲーム運用装置11でのみ使用が許可された疑似マネーであり、プレーヤが所持する現金を換金したものである。例えば、プレーヤが1000円を支払うと1000円分の仮想通貨が得られる。ゲーム運用装置11が複数のゲームを提供している場合、いずれのゲームにおいてもプレーヤは換金した仮想通貨を使用することができる。
【0064】
プレーヤは、仮想通貨の購入を希望する場合、仮想通貨の購入指示を端末装置12に入力する。すると、端末装置12はゲーム運用装置11に仮想通貨の購入指令を送信する。仮想通貨の購入指令には、例えば、“プレーヤID”、“クレジットカード情報”、及び“仮想通貨の購入額”が含まれている。
【0065】
したがって、プレーヤ管理部21は、通信部27により仮想通貨の購入指令が受信されると、クレジットカード情報から電子決済を行い、購入額に相当する仮想通貨の金額をプレーヤ情報データベースに格納する。
【0066】
クレジットカード情報としては、例えばプレーヤが所持するクレジットカードのカード番号が採用される。そして、プレーヤ管理部21は、カード番号からクレジットカード会社を特定し、クレジットカード会社により運用される電子決済サーバに電子決済を依頼し、電子決済の許可が得られると、仮想通貨の購入をプレーヤに許可する。
【0067】
履歴情報データベースは、プレーヤ毎に1つのレコードが割り当てられたリレーショナルデータベースであり、プレーヤID、ゲーム履歴、及び頻度情報のフィールドを備えている。
【0068】
プレーヤ管理部21は、プレーヤがゲームを実行するためにゲーム運用装置11にログインした場合、ログインした年、月、日、及び時刻を図4に示す履歴情報データベースの該当するプレーヤのレコードのゲーム履歴のフィールドに格納する。また、プレーヤ管理部21は、プレーヤがゲームを終了するためにゲーム運用装置11からログアウトした場合、ログアウトした年、月、日、及び時刻を履歴情報データベースの該当するプレーヤのレコードのゲーム履歴のフィールドに格納する。履歴情報データベースの頻度履歴の欄には、プレーヤがゲームを実行する頻度が格納されている。頻度については後述する。
【0069】
預金管理部22は、端末装置12から送信されたプレーヤによる預金指令を受信し、受信した預金指令にしたがって、プレーヤが指定した預金額の仮想通貨を預金する。そして、預金管理部22は、所定の預金期間が満了するまでプレーヤが預金した仮想通貨のプレーヤによる使用を禁止する。つまり、プレーヤは仮想通貨を預金すると、預金期間が満了するまで仮想通貨を用いてアイテム等を購入することができなくなるのである。
【0070】
具体的には、預金管理部22は、通信部27により預金指令が受信されると、預金指令を送信したプレーヤのプレーヤIDを格納したレコードを生成し、生成したレコードを預金情報データベースに追加する。そして、追加したレコードの各フィールドに必要な情報を格納し、図4に示す預金情報データベースを更新する。
【0071】
預金情報データベースは、プレーヤ毎に1つのレコードが割り当てられ、プレーヤID、預金額、及び預金期間のフィールドを備えるリレーショナルデータベースである。プレーヤIDのフィールドには、プレーヤを識別するためのプレーヤIDが格納されている。預金額のフィールドには、プレーヤが預金した仮想通貨の預金額が格納されている。
【0072】
預金期間のフィールドには、プレーヤにより指定された預金期間を特定するための情報が格納されている。図4の例では、預金期間のフィールドには、預金開始日と預金終了日とが格納されている。よって、預金期間は預金開始日から預金終了日までの期間となる。
【0073】
プレーヤは、端末装置12を操作して、仮想通貨の預金額、及び預金期間等を指示するための預金指示を入力する。すると、端末装置12は、預金指示の内容を含む預金指令を生成し、ゲーム運用装置11に送信する。預金指令には、プレーヤID、預金額、及び預金期間を示す情報が含まれている。
【0074】
したがって、預金管理部22は、通信部27により預金指令が受信されると、預金指令に含まれる預金額がプレーヤが所持する仮想通貨の金額以下であるか否かをプレーヤ情報データベースを参照して判定する。そして、プレーヤが指示した預金額が仮想通貨の金額以下であると判定し場合、預金指令に含まれるプレーヤIDを格納したレコードを生成し、生成したレコードを預金情報データベースに追加する。そして、追加したレコードの預金額のフィールドに預金指令に含まれる預金額を格納する。また、プレーヤ情報データベースの該当するプレーヤの仮想通貨の金額を、預金額分差し引き、プレーヤ情報データベースを更新する。
【0075】
また、追加したレコードの預金期間のフィールドに預金指令を受け付けた日を預金開始日として格納する。また、追加したレコードの預金期間のフィールドに、預金開始日に預金指令に含まれる預金期間を加えた日を預金終了日として格納する。以上により、プレーヤは仮想通貨を預金することができる。以下、仮想通貨を預金したプレーヤを“預金プレーヤ”と記述する。
【0076】
なお、預金管理部22は、預金終了日が到来すると該当するレコードを預金情報データベースから削除する。
【0077】
また、預金管理部22は、預金期間が満了するまでに、預金プレーヤの端末装置12から、預金した仮想通貨を返金する返金指令が通信部27により受信された場合、預金額を低下させて預金プレーヤに仮想通貨を返金させる。
【0078】
図17は、返金指令が受信されたときの預金管理部22の処理の説明図である。預金管理部22は、返金指令の受信時刻から預金終了日までの期間T172が長くなるにつれて、預金額からの低下額を増大させて、プレーヤに仮想通貨を返金する。
【0079】
例えば、預金額をXoとし、預金期間をT171とすると、低下額Xdは、Xd=(T172/T171)・Xoと算出される。したがって、預金プレーヤに返金される返金額Xrは、Xr=Xo−Xdとなる。
【0080】
このように、預金期間T171が満了するまでに預金プレーヤが預金を解約しようとすると、返金額Xrが預金額Xoよりも低下されるため、預金プレーヤに対して預金期間T171が満了するまで、解約を行わないでおこうとする動機付けを与えることができる。
【0081】
例えば、預金プレーヤが預金を解約しようとするケースとして、どうしても仮想通貨を用いて購入したいアイテムが発生したケースが挙げられる。この場合、預金を解約し、返金された仮想通貨を用いて仮想通貨を購入させてしまうと、預金をするそもそもの意味が薄れてしまう。一方、預金を解約すると預金額が減少するというペナルティを預金プレーヤに課すと、預金プレーヤは預金を解約せず、別途、現金を仮想通貨に換金し、その仮想通貨を用いてアイテムを購入しようとする。そのため、ゲーム運営会社の収入を増やすことができる。
【0082】
また、期間T172が増大するほど返金額Xrを減少させることで、預金終了日間近であれば、多少損をしても預金を解約してアイテムを購入しようか、あるいは、別途、現金を仮想通貨に換金してアイテムを購入しようかといった選択肢を預金プレーヤに与えることができ、ゲームの面白みを増大させることができる。更には、どうしても購入したアイテムが発生した場合であっても、もう少し待って預金を解約すれば、返金額Xrが全額返金されるため、もう少し待ってから預金を解約しようとするというような選択肢を預金プレーヤに与えることができ、プレーヤの判断のバリエーションを増大させることができる。
【0083】
なお、預金管理部22は、通信部27により返金指令が受信されると、図4に示す預金情報データベースから返金指令を送信した預金プレーヤのレコードを削除すればよい。
【0084】
また、預金管理部22は、預金期間中において、預金プレーヤの端末装置12から預金額を増大させる預金更新指令が通信部27により受信された場合、現状の預金額を低下させることなく、預金更新指令により指定された増額分を現状の預金額に加算し、加算した額を更新後の預金額とし、かつ、預金更新指令の受信時刻を基準として預金期間のカウントを開始する。
【0085】
図18は、預金更新指令が受信された場合における預金管理部22の処理の説明図であり、(A)は預金更新指令を採用しない場合の問題点を示した図であり、(B)は預金更新指令を採用した場合の利点を示した図である。
【0086】
預金プレーヤは、預金期間T171の途中において、預金額を増大させたい場合もある。例えば、現在の預金額が1000円の場合において、この預金額を5000円に引き上げたい場合もある。理由は、後述するように、預金プレーヤに付与される特典は預金額に応じて増大するからである。
【0087】
この場合、単純に現在の預金額である1000円に4000円をプラスして預金額を5000円に引き上げてしまうと、当初から5000円を預金した預金プレーヤが得られる特典との差があまりなくなってしまい、面白みに欠けてしまう。
【0088】
一方、一旦、預金を解約し、再度、5000円を預金する構成にしてしまうと、本実施の形態では、上記のように、預金期間の途中で預金を解約すると、返金額が元の預金額から減少する構成が採用されているため、預金プレーヤに損をさせてしまう。
【0089】
例えば、図18(A)に示すように、1000円を預金した預金プレーヤが返金指令を送信し、預金を解約した場合の返金額が800円だったとする。この場合、預金プレーヤは、5000円の預金を行おうとすると、800円に4200円をプラスしなければならなくなり、200円の損が生じてしまう。
【0090】
そこで、図18(B)に示すように、預金更新指令を送信すると、預金プレーヤは預金額である1000円にそのまま4000円をプラスすれば、5000円の預金を行うことができる。これにより、預金プレーヤは預金期間の途中であっても損することなく預金額を増額することができる。
【0091】
ここで、預金更新指令を送信してから、当初の預金終了日t18において預金期間T171を満了させてしまうと、預金プレーヤが5000円分の特典を得られる期間が短くなってしまう。そこで、預金更新指令を送信した日を預金期間T171の開始日とし、預金期間171をカウントし直すことで、預金プレーヤが5000円分の特典を得られる期間を増大させることができる。これにより、預金プレーヤに対して預金更新指令を送信して、預金額を増大させようとする動機付けを与えることができる。
【0092】
なお、預金管理部22は、預金更新指令が通信部27により受信された場合、図4に示す預金情報データベースの預金額のフィールドに更新後の預金額を書き込み、かつ、預金開始日及び預金終了日のフィールドに更新後の預金開始日及び預金終了日を書き込む。
【0093】
図2に戻り、頻度管理部23は、預金プレーヤがゲームを実行した頻度を管理する。頻度管理部23は、例えば、所定時間毎(例えば1日毎)に履歴情報データベースを参照し、各預金プレーヤの頻度を算出する。具体的には、頻度管理部23は、所定の頻度算出時刻(例えば、午前0時0分等)が到来すると、頻度算出時刻から過去一定期間における各預金プレーヤのゲームの実行回数を求める。ここで、過去一定期間Tpとしては、頻度算出時刻を基準として過去1か月、1週間等の期間を採用すればよい。そして、過去一定期間Tpでのゲーム実行回数Cpを履歴情報データベースのゲーム履歴のフィールドから特定する。例えば、ゲーム履歴のフィールドに書き込まれている過去一定期間Tpのログイン時刻、又はログイン時刻の個数をカウントすることで、ゲーム実行回数Cpを特定すればよい。
【0094】
そして、特定したゲーム実行回数Cpを過去一定期間Tpの日数Dpで割ることで、頻度Hp(=Cp/Dp)を求めればよい。つまり、頻度Hpは過去一定期間Tpにおける1日あたりのゲーム実行回数Cpとなる。例えば、過去一定期間Tpを1週間とし、預金プレーヤが1日1回、ゲームを実行していたとすると、ゲーム実行回数Cpは7回となり、日数Dpは7日であるため、頻度HpはHp=1.0(=7/7)となる。なお、預金プレーヤが1日2回ゲームを実行しており、ゲーム実行回数CpがCp=14となった場合、頻度HpはHp=2.0(=14/7)となる。
【0095】
そして、履歴管理部23は、預金プレーヤ毎に算出した頻度Hpを履歴情報データベースの頻度履歴の欄に、頻度算出時刻と対応付けて書き込む。これにより、頻度履歴のフィールドには、1日毎に各預金プレーヤの頻度Hpが書き込まれる。
【0096】
なお、預金プレーヤが預金を開始してから最初の一定期間Tpが経過するまでは、預金を開始してからの日数で、ゲーム実行回数を割ることで、頻度Hpを求めればよい。
【0097】
図2に戻り、特典付与部24は、預金プレーヤが仮想通貨を預金した場合、預金プレーヤが仮想通貨を預金しない場合に比べ、預金期間が満了するまで、対戦に対して有利となる特典を預金プレーヤに付与する。
【0098】
具体的には、特典付与部24は、預金プレーヤに対して、預金期間が満了するまで、ゲーム運用装置11へのアクセスに基づいて、ノーマル武将カード又はレア武将カードのいずれの仮想カードを預金プレーヤに付与するかを決定する抽選処理を実行する。
【0099】
そして、この抽選処理を行うにあたり、特典付与部24は、プレーヤが仮想通貨を預金している場合、プレーヤが仮想通貨を預金していない場合に比べ、レア武将カードが当たる確率を示す特典付与確率を高く設定する。
【0100】
本実施の形態では、預金プレーヤに対しては、特典付与確率は例えば1/10に設定されるが、仮想通貨を預金していないノーマルプレーヤに対しては、特典付与確率は例えば1/10000に設定されている。このように、預金プレーヤの特典付与確率はノーマルプレーヤの特典付与確率の1000倍程度の値に設定される。但し、これは一例であり、預金プレーヤの方がノーマルプレーヤより特典付与確率が高ければどのような値を採用してもよい。
【0101】
ノーマルプレーヤも、ゲーム運用装置11へのアクセスに基づいた抽選処理が実行されるが、この場合、後述するエネルギー値が一定の値に到達していなければ、抽選処理は実行されない。この場合、レア武将カードを得るための特典付与確率は、上記の1/10000に設定されるため、ノーマルプレーヤがレア武将カードを得ることは極めて困難にされている。
【0102】
また、特典付与部24は、頻度管理部23により算出された頻度が低下するにつれて、特典付与確率を低下させる。具体的には、特典付与部24は、頻度に応じて予め定められた頻度係数α1を特定し、特定した頻度係数α1に預金プレーヤに対して設定した特典付与確率Pgを乗じて、特典付与確率Pg´を求めることで、特典付与確率Pgを低下させる。
【0103】
図16(A)は、頻度係数α1と頻度との関係を示したグラフであり、縦軸は頻度係数α1を示し、横軸は頻度を示している。このグラフの例では、頻度が0の場合、頻度係数α1は最小値α1(Min)に設定されている。ここで、最小値α1(Min)は、特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pgよりも大きな値になる値が採用されている。例えば、預金プレーヤの特典付与確率Pgを1/10、ノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを1/10000とすると、最小値α1(Min)は1/1000以上の値が採用される。
【0104】
こうすることで、預金プレーヤの特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを下回ることが防止され、預金プレーヤをノーマルプレーヤに対して損にさせない措置が講じられている。
【0105】
また、このグラフの例では、頻度が1.0の場合、頻度係数α1は1.0に設定されている。こうすることで、預金プレーヤの頻度が1.0以上であれば、頻度係数α1が1.0となり、特典付与確率Pgは低下しない。よって、預金プレーヤが1日、1回、ゲームを実行していれば、頻度係数α1が1.0に設定され、特典付与確率Pgは低下しない。
【0106】
このように、預金プレーヤが毎日ゲームを実行すれば特典付与確率が減少されないため、預金プレーヤに対して毎日ゲームを実行しようとする動機付けを与えることができ、ゲームへのアクセス数の増大を図ることができる。
【0107】
また、このグラフの例では、頻度が1.0から低下しても頻度係数α1は1.0からさほど減少せず、頻度が1.0からある程度(例えば0.5程度)減少したときに急激に最小値α1(Min)に向けて減少するように設定されている。
【0108】
また、図16(A)のグラフを用いて頻度係数α1を特定し、特定した頻度係数α1を用いて特典付与確率Pg´を求めているため、頻度Hpが増大に転じた場合、頻度Hpの低下に応じて減少された特典付与確率Pg´を増大させることができる。
【0109】
これにより、預金プレーヤは、暫くゲームから遠ざかっており、特典付与確率Pg´を低下させてしまった場合であっても、ゲームの実行回数を増大させていけば、特典付与確率Pg´を回復させることができる。その結果、預金プレーヤに対し、ゲームの実行回数を増やそうとする動機付けを与え、ゲームから遠ざかってしまうことを防止することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、預金プレーヤ及びノーマルプレーヤを問わず、プレーヤは上記の抽選処理の実行を依頼するための抽選処理依頼アイテムを仮想通貨を用いて購入することが可能である。
【0111】
この場合、特典付与部24は、この抽選処理依頼アイテムを使用する操作指示がプレーヤに入力され、プレーヤの端末装置12から送信された抽選処理依頼アイテムの使用指令を通信部27が受信した場合、預金プレーヤに対して設定した特典付与確率Pgの最大値よりも高い値に特典付与確率Pgを設定し、設定した特典付与確率Pgにしたがって、ノーマル武将カード又はレア武将カードを付与するかの抽選処理を実行すればよい。
【0112】
預金管理部22は、頻度管理部23により算出された預金プレーヤの頻度が低下するにつれて預金プレーヤの預金額を低下させてもよい。この場合、預金管理部22は、特典付与部24と同様、図16(A)に示すグラフを用いて頻度に応じた頻度係数α1を特定し、この頻度係数α1を預金額に乗じることで、預金額を減額すればよい。
【0113】
この場合、頻度係数α1の最小値α1(Min)としては、0を採用してもよい。最小値α1(Min)として0を採用すると預金プレーヤによるゲームの頻度Hpが0になると頻度係数α1=0となり、特典付与確率Pg´=0となる。こうすることで、預金プレーヤはゲーム実行回数が減少すると、せっかく預金した仮想通貨の預金額が0になってしまうため、預金プレーヤに対してゲーム実行回数を減少させないでおこうとする動機付けを与え、ゲームのアクセス数の増大を図ることができる。
【0114】
また、預金プレーヤは頻度Hpの低下により預金額を低下させた場合であっても、ゲーム実行回数を増大させて頻度Hpを増大させれば、再び、預金額を元の値にまで回復させることができる。これにより、預金プレーヤに対して、預金額を元の値に戻すためにゲーム実行回数を増大させようとする動機付けを与えることができ、ゲームのアクセス数の増大を図ることができる。
【0115】
また、特典付与部24は、預金額が増大するにつれて、預金プレーヤに付与する特典を増大する。具体的には、特典付与部24は、預金額が増大するにつれて特典付与確率Pgを増大させる。
【0116】
図19は、特典付与部24により設定される特典付与確率Pgを示したグラフであり、縦軸は特典付与確率Pgを示し、横軸は預金額を示している。図19に示すように特典付与確率Pgは、預金額があるある値X(1)になるまでは緩やかに増大し、値X(1)を超えると値X(2)になるまで急激に増大し、値X(2)を超えると値X(3)になるまで緩やかに増大していることが分かる。そして、特典付与確率Pgは、預金額が値X(3)まで増大すると、最大値Pg(Max)となり、以後、預金額が増大しても最大値Pg(Max)を維持していることが分かる。
【0117】
預金額が低いにも関わらず特典付与確率Pgを高く設定する、或いは、預金額に関わらず、特典付与確率Pgの値を一定の値に設定してしまうと、どの預金プレーヤも低額の預金しか行わなくなる。そこで、預金額に応じて高い特典付与確率Pgを設定することで、預金プレーヤに対してより高額の預金を行おうとする動機付けを与えることができる。
【0118】
一方、上記のように、プレーヤは、仮想通貨を用いて抽選処理依頼アイテムを購入し、この抽選処理依頼アイテムを使用することで、抽選処理を行うこともできる。
【0119】
そして、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく特典付与確率Pgを預金プレーヤに対して設定する特典付与確率Pgよりも低くすると、ゲームを実行する都度、実施される抽選処理を行った方がレア武将カードを得られる確率が高くなるため、預金プレーヤはあえて抽選処理依頼アイテムを購入しなくなる。
【0120】
そこで、図19に示す特典付与確率Pgの最大値Pg(Max)は、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく特典付与確率Pgよりも低い値に設定されている。これにより、預金プレーヤによる抽選処理依頼アイテムの購入意欲の減退の防止を図ることができる。なお、最大値Pg(Max)となる預金額の値X(3)としては、抽選処理依頼アイテムの購入金額と同程度の値を採用すればよい。これにより、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく抽選処理と、預金に基づく抽選処理とのバランスを保つことができる。
【0121】
本実施の形態では、最大値Pg(Max)として例えば1/10が採用されているため、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく特典付与確率Pgは、1/10よりも高い値(例えば、1/2、1/3、1/4等)の値が設定される。
【0122】
特典付与確率Pgと預金額との関係をリニアな関係にしてしまうと、プレーヤはどの程度の額を預金すればどの程度の値に特典付与確率Pgが設定されるかを容易に推測することができ、面白みにかけてしまう。
【0123】
そこで、図19に示すように、預金額が値X(2)以下になると特典付与確率Pgを急激に減少させることで、プレーヤに対して預金額と特典付与確率Pgとの関係を容易に分かってしまうことを防止すると共に、プレーヤに対してある程度の額の預金を行おうとする動機付けを与えることが可能となる。つまり、預金額をどの程度の額に設定すれば、特典付与確率Pgがどの程度の値に設定されるのかというように預金額に応じた特典付与確率Pgを推測する面白みをプレーヤに与えることができる。
【0124】
なお、図19では、預金額が値X(3)になったときに最大値Pg(Max)になる構成を採用したが、これに限定されず、最大値Pg(Max)を漸近線として、預金額が増大するにつれて、特典付与確率Pgが最大値Pg(Max)に限りなく近づく構成を採用してもよい。これにより、預金額を増やしても特典付与確率Pgが頭打ちとなってこれ以上増大しないことを防止することができる。
【0125】
また、特典付与部24は、預金期間が長くなるにつれて、預金プレーヤに付与する特典を増大させる。具体的には、特典付与部24は、預金期間が長くなるにつれて、特典付与確率Pgを増大させる。より具体的には、特典付与部24は、図16(B)に示すように、預金期間に応じて予め定められた期間変動係数α2を特定し、特定した期間変動係数α2を特典付与確率Pgに乗じて、特典付与確率Pgを補正することで、特典付与確率Pg´を算出してもよい。
【0126】
図16(B)は期間変動係数α2と預金期間との関係を示したグラフであり、縦軸は期間変動係数α2を示し、横軸は預金期間を示している。横軸に示す値T(1)はプレーヤが設定し得る預金期間の最小値を示している。また、横軸に示す値T(2)はプレーヤが設定し得る預金期間の最大値を示している。
【0127】
縦軸に示す期間変動係数α2の最小値α2(Min)は、例えば、預金プレーヤの特典付与確率Pgを1/10、ノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを1/10000とすると、1/1000以上の値が採用される。なお、特典付与確率Pgに上記の頻度係数α1と期間変動係数α2とを乗じることで算出した特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pg(=1/10000)よりも小さくなった場合、特典付与確率Pg´としてノーマルプレーヤの特典付与確率Pg(=1/10000)を設定すればよい。
【0128】
こうすることで、預金プレーヤの特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを下回ることが防止され、預金プレーヤがノーマルプレーヤよりも損することが防止される。
【0129】
また、図16(B)の例では、預金期間が増大するにつれて、期間変動係数α2が漸次に増大していき、預金期間が値T(2)に設定されると、期間変動係数α2が1.0に設定されている。
【0130】
これにより、預金期間を増大させれば、その分、特典付与確率Pgが増大し、預金プレーヤに対してより長い預金期間を設定させようとする動機付けを与えることができる。
【0131】
図2に戻り、軍隊管理部25は、ゲーム空間において、軍隊同士を対戦させ、両軍隊が持つ能力値を比較することで両軍隊の勝敗を決定し、決定した勝敗に基づいて、負けた軍隊の能力値を減少させる。
【0132】
具体的には、軍隊管理部25は、プレーヤの端末装置12から、対戦相手となる軍隊(以下、“敵軍隊”と記述する。)と、譲渡を希望するアイテムとを指定し、敵軍隊と自身の軍隊(以下、“自軍隊”と記述する。)とを対戦させる対戦要求が送信され、その対戦要求が通信部27により受信された場合、図4に示す軍隊情報データベースを参照し、敵軍隊のエネルギー値と自軍隊のエネルギー値とを比較する。そして、軍隊管理部25は、エネルギー値が大きい方の軍隊が対戦に勝利したと判定し、対戦に勝利した軍隊に対し、対戦に敗れた軍隊が所持するアイテムであって、プレーヤが指定したアイテムを譲渡する。
【0133】
図4に示す軍隊情報データベースは、軍隊毎に1つのレコードが割り当てられたリレーショナルデータベースであり、軍隊ID、軍隊名、プレーヤID、能力値、アイテム、カード、及び対戦履歴のフィールドを備えている。
【0134】
軍隊IDのフィールドには、軍隊を特定するための識別情報である軍隊IDが格納されている。軍隊名のフィールドには、軍隊に付された名前が格納されている。プレーヤIDのフィールドには軍隊を所有するプレーヤのプレーヤIDが格納されている。これにより、プレーヤとプレーヤの所持する軍隊とが紐付けられる。能力値のフィールドには、軍隊の現在の能力値が格納されている。
【0135】
能力値としては、レベル値及びエネルギー値が含まれる。レベル値は、リーダ武将カードの能力の度合いを示す数値であり、軍隊が対戦に勝利したり、クエストと呼ばれるイベントを経験したりすることで増大する。また、レベル値は、軍隊が所持する武将カードの枚数を規定する。本実施の形態では、軍隊は、所持する武将カードのカード基本値の合計値が、レベル値に応じて定められた値以下となるまで武将カードを所持することができる。
【0136】
エネルギー値は、軍隊が他の軍隊と対戦する都度、減少し、プレーヤがゲームを実行していない場合に回復される。本実施形態では、エネルギー値として、例えば、軍隊が所持する各武将カードのカードエネルギー値の合計値が採用される。なお、各武将カードは、カードレベル値に応じて予め定められた値を最大値とするエネルギー値を持つことができる。
【0137】
アイテムのフィールドには軍隊が所持するアイテムが格納されている。ここで、アイテムとしては、所定個数集めることでノーマル又はレア武将カードと引き替えることができるカード引き替えアイテム、エネルギー値を回復させるための回復薬アイテム、及び軍隊の所持金を仮想的に示す金銭アイテム等が存在する。カード引き替えアイテムとしては、例えば水晶アイテムが存在する。プレーヤは水晶アイテムを所定個数(例えば6個)集めると、水晶アイテムに応じて予め定められたノーマル又はレア武将カードが得られる。カード引き替えアイテムは、そのカード引き替えアイテムを所持する軍隊との対戦で勝利する、そのカード引き替えアイテムを得るためのクエストを一定回数経験する、或いは、仮想通貨を用いて購入することで付与される。
【0138】
また、プレーヤは回復薬アイテムを使用すると軍隊のエネルギー値を回復薬アイテムの種類に応じて定められた値だけ回復させることができる。ここで、回復薬アイテムは、回復薬アイテムを得るためのクエストを一定回数経験する、或いは仮想通貨を購入することで得られる。
【0139】
金銭アイテムは、仮想通貨のように現金を換金して得られるものではなく、軍隊の所持金を仮想的に示したものであり、このゲームでのみ有効な金額である。そして、金銭アイテムは、例えば、レベル値を上昇させたり、エネルギー値を回復させたりする際に使用される。なお、軍隊管理部25は、軍隊同士を対戦させた場合、勝利した軍隊に負けた軍隊の金銭アイテムの一部を譲渡させる。
【0140】
カードのフィールドには、軍隊が所持する武将カードを特定するためのカードID、及び各武将カードが持つカードレベル値、及び各武将カードが持つカードエネルギー値が格納されている。カードレベル値は、カードエネルギー値の最大値を規定する。つまり、カードレベル値が大きいほどカードエネルギー値の最大値が増大し、軍隊のエネルギー値が増大するのである。また、カードレベル値は、クエストの経験回数や、対戦に勝利した回数に応じて増大される。よって、カードエネルギー値もカードレベル値の増大に応じて増大する。
【0141】
対戦履歴のフィールドには、軍隊が敵軍隊と対戦を行った年、月、日、時刻と、その敵軍隊の軍隊IDとが対応付けて格納されている。
【0142】
カードデータベースは仮想カード毎に1つのレコードが割り付けられ、カードID、種別、カードレベル値、及びカード基本値のフィールドを備えている。種別のフィールドには、武将カードの種類を示す情報が格納され、本実施の形態では、ノーマル又はレア武将カードであるかを示す情報が格納されている。カードレベル値のフィールドには武将カードが個別に持つ初期のカードレベル値が格納されている。カード基本値のフィールドには、プレーヤが武将カードを持つことができる枚数を規定するためのカード基本値が格納されている。
【0143】
図2に戻り、軍隊管理部25は、軍隊情報データベースを参照し、両軍隊のエネルギー値を比較し、エネルギー値が高い方の軍隊を勝利させる。
【0144】
そして、軍隊管理部25は、自軍隊が水晶のアイテムを奪うことを目的として、敵軍隊に対戦を挑み、勝利した場合、自軍隊のアイテムのフィールドに敵軍隊から奪った水晶のアイテムを書き込み、かつ、敵軍隊のアイテムのフィールドから奪われた水晶のアイテムを削除する。これにより、自軍隊は敵軍隊から水晶のアイテムを奪うことができる。
【0145】
また、軍隊管理部25は、対戦により両軍隊のエネルギー値をそれぞれ減少させてもよい。この場合、軍隊管理部25は、勝利した軍隊のエネルギー値の減少量を負けた軍隊のエネルギー値の減少量よりも少なくすればよい。こうすることで、対戦に勝利することで得られるメリットをより高めることができ、対戦の緊張感を高めることができる。
【0146】
また、軍隊管理部25は、両軍隊が持つ各武将カードの減少量を個別に求め、各武将カードのエネルギー値を減少さればよい。この場合、軍隊管理部25は、各武将カードのエネルギー値のトータルの減少量を求め、このエネルギー値トータルの減少量を均等に又は重み付けして各武将カードに割り振って、各武将カードのエネルギー値を減少させればよい。
【0147】
また、軍隊管理部25は、軍隊同士を対戦させた場合において、勝利した軍隊を所有するプレーヤが預金プレーヤである場合、負けた軍隊から奪う金銭アイテムの価値に所定の増幅率を乗じ、得られた価値の金銭アイテムを勝利した軍隊に譲渡させてもよい。
【0148】
この場合、特典付与部24は、増幅率として、勝利したプレーヤがノーマルプレーヤである場合、1.0に設定し、勝利したプレーヤが預金プレーヤである場合、1.0より大きな値(例えば1.5、2.0等)の値を設定する。これにより、預金プレーヤに付与する特典がノーマルプレーヤよりも増大し、ノーマルプレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【0149】
なお、特典付与部24は、特典付与確率Pgと同様、預金プレーヤの頻度が増大するにつれて、預金プレーヤの預金期間が長くなるにつれて、及び/又は預金額が増大するにつれて増幅率を増大させてもよい。この場合、預金プレーヤの増幅率の最小値は、ノーマルプレーヤの増幅率よりも大きく設定すればよい。
【0150】
また、軍隊管理部25は、プレーヤがゲームを実行していない場合、軍隊のエネルギー値を所定の回復率で経時的に回復させる。この場合、特典付与部24は、預金プレーヤの回復率を、ノーマルプレーヤの回復率よりも高く設定する。これによっても、預金プレーヤに付与する特典がノーマルプレーヤよりも増大し、ノーマルプレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【0151】
この場合、特典付与部24は、特典付与確率Pgと同様、預金プレーヤの頻度が増大するにつれて、預金プレーヤの預金期間が長くなるにつれて、及び/又は預金額が増大するにつれて回復率を増大させてもよい。この場合、預金プレーヤの回復率の最小値は、ノーマルプレーヤの回復率よりも大きく設定すればよい。
【0152】
図3は、図1に示す端末装置12のブロック図である。端末装置12は、操作表示部31、制御部32、記憶部33、及び通信部34を備える。操作表示部31は、例えばタッチパネル式の表示装置により構成され、ユーザから入力される種々の操作指示を受け付けると共に、ゲームについての種々の画像を表示する。本実施の形態では、特に、仮想通貨の購入指示や仮想通貨の預金指示等の指示を受け付け、ゲーム運用装置11から送信されるデータに従ってゲームについての種々の画像を表示する。
【0153】
制御部32は、例えば、CPUにより構成され、端末装置12の全体制御を司る。記憶部33は、例えば、不揮発性の記憶装置により構成され、端末装置12に上記のゲームを行わせるためのプログラムや上記のゲームを行う上で必要になる画像データ等を記憶する。
【0154】
通信部34は、通信回線NTに対して種々のデータを送信し、通信回線NTに流れる種々のデータを受信する通信回路により構成されている。本実施の形態では、特に、通信部34は、預金指令、返金指令、預金更新指令、及び抽選処理依頼アイテムの使用指令等をゲーム運用装置11に送信する。
【0155】
図5は、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置11に端末装置12がログインし、敵軍隊と対戦する際の処理を示すフローチャートである。まず、端末装置12は、プレーヤにより入力されるログイン指示を受け付けると(S501でYES)、ログイン指令をゲーム運用装置11に送信する。一方、端末装置12は、ログイン指示を受け付けない場合(S501でNO)、処理をS501に戻す。
【0156】
図9は、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置11で実行されるゲームにおいて、端末装置12表示されるログイン画面の画面図である。このログイン画面は、プレーヤが端末装置12を操作し、ゲーム運用装置11にアクセスすることでダウンロードされる。
【0157】
このログイン画面に表示された“いざ戦国ゲームマイページへ”と記載された項目91への入力指示を端末装置12に入力することで、プレーヤはログイン指示を入力する。そして、この項目91への入力指示を行うとゲーム運用装置11にログイン指令が送信される。
【0158】
図9のログイン画面では、プレーヤが既にゲーム運用装置11に対して会員登録を行っているため、項目91が表示されているが、プレーヤが会員登録を行っていない場合は、このゲームのトップページにおいて会員登録を行えば、以後、項目91が表示されたログイン画面が端末装置12に表示される。
【0159】
図5に戻り、ゲーム運用装置11は、端末装置12から送信されたログイン指令を受信すると(S521でYES)、図4に示す履歴情報データベースにおいて、ログイン指令を送信したプレーヤのゲーム履歴のログインのフィールドにログイン指令を受信又は送信した年、月、日、時刻を書き込む(S522)。これにより、ログイン指令を送信したプレーヤのゲーム履歴が更新される。なお、ゲーム運用装置11は、端末装置12からログイン指令を受信しない場合(S521でNO)、処理をS523に進める。
【0160】
プレーヤは、ゲーム運用装置11にログインするとマイページ画面がプレーヤの端末装置12に表示される。図10は、マイページ画面を示した図である。
【0161】
このマイページ画面の上部の右側には、プレーヤが所有する軍隊の能力値が表示されている。この例では、能力値として、“Lv5”、“体力”、“攻撃”、“防御”“友情”、“ゼニ”、“カード”の項目が表示されている。“Lv5”は、リーダ武将カードのレベル値を示しており、この場合、軍隊のレベル値はレベル5である。
【0162】
“体力”、“攻撃”、“防御”はリーダ武将カードの能力値を示すパラメータであり、それぞれ、分数で表記されている。分母の値は、パラメータ毎に蓄積することができるエネルギー値の最大値を示し、軍隊の持つレベル値に応じた値を持つ。分子の値は、リーダ武将カードが持つパラメータ毎の現在のエネルギー値を示している。
【0163】
“ゼニ”は軍隊が持つ金銭アイテムの価値を示している。“カード”は軍隊が所持する武将カードの枚数を示している。
【0164】
このマイページ画面の上部の左側には、“水”と記載され、リーダ武将カードの属性が表示されている。“水”の下にはリーダ武将カードを画像化して示したサムネイル画像が表示されている。
【0165】
マイページ画面の下部には、“クエスト”、“合戦”、“カード合成”、“ガチャ”のボタンが2行2列で表示されている。プレーヤが“クエスト”を選択すると、クエストの実行画面がゲーム運用装置からダウンロードされ、端末装置12に表示される。このクエストの実行画面では、プレーヤに対して簡単なボタン操作を促す内容が表示され、この内容にしたがってプレーヤがボタン操作を行うと、プレーヤは所有する軍隊にクエストを経験させることができる。そして、このクエストの経験回数が一定回数に到達すると、軍隊のレベル値が1ポイント増大する。
【0166】
プレーヤが“合戦”を選択すると、対戦相手選択画面がゲーム運用装置11から端末装置12にダウンロードされ、端末装置12に表示される。対戦相手選択画面には対戦候補となる別のプレーヤの軍隊がリスト表示されている。そして、プレーヤはリスト表示された軍隊のうちいずれか1つの軍隊を選択すると、図11に示す軍隊の詳細を示す画面が端末装置12に表示される。
【0167】
図11は、プレーヤが選択した対戦候補となる軍隊の詳細を示す画面図である。図11の画面の上部R111には、軍隊のリーダ武将カードの画像及び能力値を規定するパラメータが示されている。図11では、“Lv○”、“必要魔力○○○”、“攻○○○”、“防○○○”と表示されている。“Lv”はリーダ武将カードが持つレベル値を示している。“必要魔力”、“攻”、“防”はそれぞれ、リーダ武将カードの能力値を示すパラメータであり、レベル値に応じた値を持つ。
【0168】
上部R111の下に表示された中部R112は、上部R111に表示されたリーダ武将カードが属する軍隊が所持する武将カードを表示させるための入力欄である。武将カードには“炎”、“風”、“水”等の属性が規定されている。中部R112に表示された例えば“炎”をプレーヤが選択すると“炎”の属性を持つ“武将A”の武将カードが下部R113に表示される。
【0169】
また、中部R112に表示された条件表示欄R1121には、下部R113に表示させる武将カードの表示順序を規定するための条件が入力される。条件表示欄R1121は、条件がプルダウン形式で表示されるため、プレーヤはいずれかの条件を選択し、“並べ替え”ボタンを選択することで、選択した条件に従った順序で武将カードを表示させることができる。
【0170】
図11の例では、“防御高い順”が選択されているため、下部R113において、“防御”のパラメータが高い順に武将カードがリスト表示される。そして、図11の例では、“武将B”の武将カードが表示されている。これにより、プレーヤは、対戦候補となる軍隊が“武将B”の武将カードを持っていることを認識することができる。
【0171】
この“武将B”の武将カードは、“レア”と表記されており、レア武将カードであることが分かる。下部R113には、各武将カードの画像、名称、及び能力値等が記載されている。
【0172】
そして、プレーヤは、上部R111に表示されたリーダ武将カードが属する軍隊との対戦を希望し、対戦開始画面への遷移指示を入力すると、図11(B)に示す対戦開始画面が端末装置12に表示される。そして、この対戦開始画面において、プレーヤは“決定”ボタン(図略)を選択することで、対戦指示を入力する(S503でYES)。
【0173】
対戦指示がプレーヤにより入力されると、対戦指令がプレーヤの端末装置12からゲーム運用装置11に送信される(S504)。一方、対戦指示がプレーヤにより入力されない場合(S503でNO)、処理が図6のS601に進められる。
【0174】
ゲーム運用装置11は、対戦指令を受信すると(S523でYES)、勝敗判定を行い(S524)、対戦結果を端末装置12に送信する(S525)。この場合、端末装置に12は、図12(A)に示す対戦画面を表示する。図12(A)は、対戦画面を示した図である。この対戦画面には、プレーヤの軍隊が所持する武将カードが一覧表示されている。そして、ゲーム運用装置11は、上述したように、軍隊同士のエネルギー値を比較して勝敗を決定する。
【0175】
そして、プレーヤが対戦に勝利した場合、ゲーム運用装置11は、図12(B)に示す勝利報知画面を端末装置12に送信する。一方、プレーヤが対戦に負けた場合は、そのことを報知する画面を端末装置12に送信する。
【0176】
そして、ゲーム運用装置11は、対戦結果にしたがって、図4に示す軍隊情報データベースを更新し(S526)、処理を図6に示すS621に進める。具体的には、ゲーム運用装置11の軍隊管理部25は、対戦した両軍隊が所持する各武将カードのカードエネルギー値の減少量を求め、対戦後の各武将カードのカードエネルギー値を求め、求めたカードエネルギー値でカードのフィールドを更新する。また、軍隊管理部25は、対戦後の各武将カードのカードエネルギー値の合計値で、能力値のフィールドを更新する。また、軍隊管理部25は、対戦によって奪われたアイテムをアイテムのフィールドから削除すると共に、対戦によって奪ったアイテムをアイテムのフィールドに書き込む。また、軍隊管理部25は、対戦した両軍隊の対戦した年、月、日、時刻に対戦した軍隊の軍隊IDを対応付けて対戦履歴のフィールドに書き込む。
【0177】
なお、ゲーム運用装置11は、対戦指令を受信しない場合(S523でNO)、処理を終了させる。図6は、仮想通貨の預金時、アイテム購入時、預金更新時、及び返金時における端末装置12とゲーム運用装置11との処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、図5に続くフローチャートである。
【0178】
まず、端末装置12は、プレーヤから仮想通貨を預金するための預金指示の入力を受け付けると(S601でYES)、預金指令をゲーム運用装置11に送信する。一方、端末装置12は、プレーヤから預金指示の入力を受け付けない場合(S601でNO)、処理をS603に進める。
【0179】
ゲーム運用装置11は、預金指令を受信すると(S621でYES)、預金指令にしたがって、図4に示す預金情報データベースを更新する(S622)。一方、ゲーム運用装置11は、預金指令を受信しない場合(S621でNO)、処理をS623に進める。
【0180】
これにより、プレーヤは仮想通貨を預金することになる。以後、ゲーム運用装置11は、預金期間が満了するまで、預金した仮想通貨のプレーヤによる使用を禁止する。
【0181】
次に、端末装置12は、プレーヤからアイテムを購入するためのアイテム購入指示の入力を受け付けると(S603でYES)、アイテム購入指令をゲーム運用装置11に送信する(S604)。一方、端末装置12は、プレーヤからアイテム購入指令の入力を受け付けない場合(S603でNO)、処理をS605に進める。
【0182】
ゲーム運用装置11は、アイテム購入指令を受信すると(S623でYES)、預金期間であるか否かを判定する(S623)。この場合、ゲーム運用装置11は、預金情報データベースにアイテム購入指示を入力したプレーヤのレコードが存在すれば、預金期間であると判定すればよい。
【0183】
ゲーム運用装置11は、預金期間であると判定した場合(S624でYES)、プレーヤによるアイテムの購入を禁止する(S626)。この場合、ゲーム運用装置11は、預金期間であるため、アイテムを購入することができなかったことをプレーヤに報知する画面を端末装置12に表示させればよい。
【0184】
なお、預金期間であっても、プレーヤが預金していない仮想通貨を所持し、その仮想通貨がアイテムの購入価格よりも多ければ、ゲーム運用装置11は、アイテムの購入を許可すればよい。
【0185】
一方、ゲーム運用装置11は、預金期間でないと判定した場合(S624でNO)、プレーヤが所持する仮想通貨が購入を希望するアイテムの価格よりも多ければ、当該アイテムの購入を許可する(S625)。
【0186】
なお、ゲーム運用装置11は、アイテム購入指令を受信しなかった場合(S623でNO)、処理をS627に進める。
【0187】
端末装置12は、プレーヤから預金を更新する預金更新指令の入力を受け付けると(S605でYES)、預金更新指令をゲーム運用装置に送信する(S606)。一方、端末装置12は、預金更新指令の入力を受け付けなかった場合(S605でNO)、処理をS607に進める。
【0188】
ゲーム運用装置11は、預金更新指令を受信すると(S627でYES)、預金情報データベースを更新する(S628)。具体的には、ゲーム運用装置11の預金管理部22は、預金更新指令が示す預金額の増額分を現在の預金額に加算し、加算した預金額で預金更新指示を入力したプレーヤの預金額のフィールドの預金額を更新する。また、預金管理部22は、預金更新指令の受信日を預金期間の開始日として、預金更新指示を入力したプレーヤの預金期間の預金開始日を更新する。また、預金管理部22は、更新した預金開始日から預金更新指示が示す預金期間を加えた日を預金終了日として、預金更新指示を入力したプレーヤのレコードの預金終了日を更新する。
【0189】
端末装置12は、プレーヤから預金した仮想通貨の返金を依頼する返金指示の入力を受け付けた場合(S607でYES)、返金指令をゲーム運用装置11に送信する(S608)。一方、端末装置は、返金指示の入力を受け付けない場合(S607でNO)、処理を図7のS701に進める。
【0190】
ゲーム運用装置11は、返金指示を受信すると(S629でYES)、預金情報データベースから返金指示を入力したプレーヤのレコードを削除し、預金情報データベースを更新する(S630)。このとき、削除したレコードの格納されていた預金額は、プレーヤ情報データベースの仮想通貨のフィールドに書き込まれる。これにより、預金した仮想通貨がプレーヤに返金される。一方、ゲーム運用装置11は、返金指示を受信しない場合(S629でNO)、処理を図7のS721に進める。
【0191】
図7は、抽選処理が行われる際の端末装置12とゲーム運用装置11との処理を示すフローチャートである。このフローチャートは図6の続きのフローチャートである。
【0192】
端末装置12は、プレーヤからアクセスに基づく抽選処理をゲーム運用装置11に実行させるための抽選指示(以下、“アクセスに基づく抽選指示”と記述する。)の入力を受け付けると(S701でYES)、アクセスに基づく抽選処理をゲーム運用装置11に実行させるための抽選指令(以下、“アクセスに基づく抽選指令”と記述する。)をゲーム運用装置11に送信する(S702)。
【0193】
ここで、図10に示すマイページ画面の“ガチャ”のボタンがプレーヤにより選択されると、端末装置12には、図13に示す抽選処理の選択画面が表示される。この抽選処理の選択画面は、3段の画像領域R131、R132、R133を備えている。画像領域R131は、カード引き替えアイテムを購入したプレーヤがカード取得アイテムを使用することで実行される抽選処理(以下、“アイテムに基づく抽選処理”と記述する。)を依頼するための画像領域である。画像領域R132は、預金プレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼するための画像領域である。画像領域R133は、ノーマルプレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼するための画像領域である。画像領域R131〜R133には、それぞれモアイの画像が表示されている。画像領域R131の4隅には、装飾模様が付されて高級感が醸し出されており、アイテムに基づく抽選処理であることがプレーヤに報知されている。
【0194】
画像領域R133の上部には“スロット”と記載され、ノーマルプレーヤのアクセスに基づく抽選処理であることがプレーヤに報知されている。
【0195】
画像領域R132にはモアイ以外特に何も表示されておらず、預金プレーヤのアクセスに基づく抽選処理であることがプレーヤに報知されている。
【0196】
画像領域R131〜R133には、それぞれ“実行”ボタンが表示され、プレーヤはこの“実行”ボタンを選択することで、抽選処理を依頼することができる。
【0197】
カード引き替えアイテムを購入したプレーヤが抽選処理を依頼する場合、画像領域R131の“実行”ボタンを選択することで、アイテムに基づく抽選処理を依頼することができる。
【0198】
預金プレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼する場合、画像領域R132の“実行”ボタンを選択することで、アクセスに基づく抽選処理を依頼することができる。なお、預金プレーヤは、少なくとも1日あたり1回、アクセスに基づく抽選処理を依頼することができる。
【0199】
ノーマルプレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼する場合、画像領域R132の“実行”ボタンを選択することで、アクセスに基づく抽選処理を依頼することができる。なお、ノーマルプレーヤは、例えば、所有する軍隊のエネルギー値が一定の値を超えていれば、抽選処理を依頼することができ、エネルギー値が一定の値を超えていなければ、抽選処理を依頼することができない。
【0200】
図7に戻り、ゲーム運用装置11は、アクセスに基づく抽選指令を受信すると(S721でYES)、アクセスに基づく抽選指示を入力したプレーヤが預金プレーヤであるか否かを判定する(S722)。そして、ゲーム運用装置11は、預金プレーヤであると判定した場合(S722でYES)、前回、抽選処理を行ってから1日以上経過していれば、預金プレーヤの頻度、預金額、及び預金期間から特典付与確率を設定し、抽選処理を実行する(S723)。
【0201】
一方、アクセスに基づく抽選指示を入力したプレーヤがノーマルプレーヤである場合(S722でNO)、ゲーム運用装置11は、ノーマルプレーヤに対して予め定められた特典付与確率を設定し、抽選処理を実行する(S724)。この場合、預金プレーヤの特典付与確率は、ノーマルプレーヤの特典付与確率よりも1000倍程度高い値に設定されているため、預金プレーヤに対してレア武将カードが当たる確率が大幅に高くなる。
【0202】
次に、ゲーム運用装置11は、抽選結果を端末装置12に送信する(S725)。この場合、端末装置12は、モアイの口から武将カードが引き出される画面演出を行った後、抽選の結果得られた武将カードの画像を表示する。
【0203】
図14は、レア武将カードの画像を示した図である。図15は、ノーマル武将カードの画像を示した図である。図14に示すようにレア武将カードの画像には、武将のキャラクタ画像が表示され、かつ、4隅には、例えば金色の装飾が施され、グレードの高さが醸し出されている。これによりプレーヤは、レア武将カードが得られたことを認識する。
【0204】
一方、ノーマル武将カードは、武将のキャラクタを示す画像のみが表示され、図14のような装飾が施されておらず、レア武将カードに比べてグレードの低さが醸し出されている。
【0205】
図7に戻り、端末装置12は、プレーヤによりアイテムに基づく抽選指示の入力を受け付けると(S704でYES)、アイテムに基づく抽選指令をゲーム運用装置11に送信する(S705)。一方、端末装置12は、アイテムに基づく抽選指示の入力を受け付けない場合(S704でNO)、処理をS707に進める。
【0206】
ゲーム運用装置11は、アイテムに基づく抽選指令を受信すると(S726でYES)、アイテムに基づく抽選指示を入力したプレーヤが抽選処理依頼アイテムを所持しているか否かを、図4に示す軍隊情報データベースを参照することで判定する(S727)。そして、ゲーム運用装置11は、当該プレーヤが抽選処理依頼アイテムを所持していると判定した場合(S727でYES)、アイテムに基づく抽選処理に対して予め定められた特典付与確率を設定し、抽選処理を実行する(S727)。この場合、設定される特典付与確率は、預金プレーヤに対して設定される特典付与確率よりも高い値が設定される。これにより、アイテムに基づく抽選処理を依頼した場合、レア武将カードが当たる確率がアクセスに基づく抽選処理に比べて高くなる。
【0207】
一方、ゲーム運用装置は、当該プレーヤが抽選処理依頼アイテムを所持していないと判定した場合(S727でNO)、抽選処理を行わず、処理をS730に進める。また、ゲーム運用装置11は、アイテムに基づく抽選指令を受信しない場合(S726でNO)、処理をS730に進める。
【0208】
次に、ゲーム運用装置11は、抽選結果を端末装置12に送信する(S729)。次に、端末装置12は、抽選結果を受信する(S706)。この場合、端末装置12は、S703と同様、抽選処理により得られた武将カードを表示する。
【0209】
次に、端末装置12は、プレーヤからログアウト指示の入力を受け付けると(S707でYES)、ログアウト指令をゲーム運用装置11に送信し(S708)、処理を図5に示すS503に戻す。
【0210】
次に、ゲーム運用装置11は、端末装置12からログアウト指令を受信すると(S730でYES)、該当するプレーヤの履歴情報データベースのログアウトのフィールドにログアウト指令を受信した、年、月、日、時刻を書き込み、履歴情報データベースを更新し(S731)、処理を図5に示すS521に戻す。
【0211】
次に、ゲーム運用装置11による頻度の算出処理について説明する。図8は、頻度の算出処理を示すフローチャートである。まず、ゲーム運用装置11は、頻度の算出タイミングが到来すると(S801でYES)、図4に示す履歴情報データベースに登録された全プレーヤの頻度を算出する(S802)。ここで、頻度の算出タイミングは、上記のように一日毎に到来する。頻度の算出処理の詳細については上述したため、説明を省く。
【0212】
一方、頻度の算出タイミングが到来しない場合(S801でNO)、処理がS801に戻される。次に、ゲーム運用装置11は、S802で算出した頻度で、履歴情報データベースを更新し(S803)、処理を終了する。
【0213】
なお、上記実施の形態では、抽選処理で付与される武将カードをレア武将カードとノーマル武将カードとに分けたが、これに限定されず、レア武将カードを、カードレベル値に応じて複数のレア武将カードに分け、ノーマル武将カードを、カードレベル値に応じて複数のノーマル武将カードに分けても良い。
【0214】
この場合、預金プレーヤの頻度、預金額、預金期間が増大するにつれて、よりカードレベル値の高い武将カードが得られる確率を高く設定してもよい。
【0215】
また、図10において、プレーヤにより“カード合成”が選択された場合、ゲーム運用装置11は、プレーヤが所持し、かつ、指定した2枚の武将カードを合成し、新たに1枚の武将カードを生成してもよい。この場合、新たに生成した1枚の武将カードのカード基本値は、例えば合成前の2枚の武将カードのカード基本値の平均値等を採用し、カードレベル値は、合成前の2枚の武将カードのカードレベル値の和以上の値を採用すればよい。
【0216】
これにより、プレーヤはカード能力値の高い武将カードを所持することができる一方、現在所持している武将カードのカード基本値の合計値が合成前に比べて低くなるため、別の武将カードを更に多く所持することが可能となり、自身の軍隊のカードレベル値の合計値をより高くし、対戦を有利に進めることができる。
【符号の説明】
【0217】
11 ゲーム運用装置
12 端末装置
21 プレーヤ管理部
22 預金管理部
23 履歴管理部
24 特典付与部
25 軍隊管理部
26 ゲーム情報記憶部
27 通信部
31 操作表示部
32 制御部
33 記憶部
34 通信部
NT 通信回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、スマートフォン、又はタブレット端末等の端末装置を用いてプレーヤが移動先で手軽に遊ぶことのできるソーシャルゲームが広く普及している。ソーシャルゲームは、従来のゲームのようにプレーヤの技量が重要な要素となるものではなく、単純なボタン操作のみでプレーヤが所持するチーム等の能力値を増大させるというようなゲームが一般的であり、プレーヤにとって手軽なゲームである。このため、ソーシャルゲームは電車の待ち時間や人との待ち合わせ時間の時間潰しに遊ばれることが多い。また、ソーシャルゲームでは、プレーヤが所持するチーム同士の対戦も行われるが、対戦の勝敗もやはり、プレーヤの技量とは無関係にプレーヤが所持するチームの能力値の大小関係により瞬時に決定される。そして、チームの能力値の昇降、アイテムの獲得、及びアイテムの損失といった結果も勝敗と同時に即座に出る。このような迅速性及び簡易性がソーシャルゲームの特徴である。
【0003】
また、ソーシャルゲームは課金システムにも特徴があり、例えば、プレーヤが所持するチームの能力値を効率良く増大させようとするプレーヤからは、下記のような形をとって課金する形態が広く採用されている。これにより、ソーシャルゲームの場を運営するゲーム運営会社及び作成したゲームを提供するゲーム会社は利益を得ることができる。
【0004】
すなわち、プレーヤが所持するチームの能力値を増大するためのアイテムや、プレーヤが所持するチームを構成するキャラクタの体力値を回復させるためのアイテム(ドリンクや薬)の購入等である。
【0005】
ここで、体力値回復のアイテムについて補足する。キャラクタの体力値が無くなった場合、プレーヤは当然、ゲームを継続できないことになるが、そのまま時間が経過するにつれて徐々にキャラクタの体力値が回復するようになり、所定の体力値が回復した時点で、再びゲームを実行できるようになる。但し、その間、プレーヤはゲームを進行させることができないため、チームの能力値を上昇させることができなくなる。したがって、少しでも早くキャラクタの能力向上を図りたい場合、プレーヤは、体力値の回復後に直ちにゲームを実行する、あるいは体力値の回復がなされたか否かを確認するために、頻繁にゲームにアクセスするということが行なわれる。しかし、このような手法は相当時間がかかる上、手間を要するため、プレーヤに煩わしさを感じさせてしまう。このため、そのようなプレーヤはキャラクタの体力値を回復させるアイテム(ドリンクや薬)を購入する、つまり、時間を金で買うことになる。特に、多数のプレーヤが同時進行でゲームを実行しているソーシャルゲームでは、他のプレーヤより少しでも能力向上を図り、自分のランキング等を向上させたいと望むことが多いので、時間をかけてゆっくりと能力向上を図るよりも、課金がなされることを承知の上で、手っ取り早く、あるいは他のプレーヤに先んじて能力向上を図ろうとするケースが見られる。
【0006】
本出願に関係する先行技術文献として特許文献1、2が開示されている。特許文献1には、ゲーム状況に応じてプレーヤが取得可能なアイテムをプレーヤに提示する技術が開示されている。特許文献2には、プレーヤがゲーム中にゲームを中断することなくアイテムを購入することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−94877号公報
【特許文献2】特開2010−282356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記したように、ソーシャルゲームにおける能力向上の手法としては、従来、大きくは2つの選択肢があった。すなわち、1.時間をかける(効率良く能力向上させるために、体力値が回復したか否かを確認し、ゲーム継続するために、ゲームへのアクセス頻度を多くする)、2.アイテム等を購入する、の2つである。しかし、この2つの選択肢しかない場合、資力に余裕がありアイテム等を次々と購入するプレーヤと、時間をかけてゲームを進めるだけのプレーヤとの能力向上のレベルに大きな乖離が生じる。そして、時間をかけるだけのプレーヤにとっては、ある程度のアイテム購入を行なったとしても、所詮、大量のアイテム購入者には敵わないという思いがあるので、積極的なアイテム購入への動機付けを与えることはできない。
【0009】
従って、現状のソーシャルゲームは、課金をするプレーヤ、課金をしないプレーヤに大きく2分される状況にある。しかし、この状況が継続すると、課金をしないプレーヤのランキング変動は遅々たるものになるので、ゲームへの参加意識が次第に希薄化し、ゲームを止めてしまう可能性がある。つまり、現状のソーシャルゲームのシステムには、課金をしないプレーヤをさらに継続的に遊技させる動機付けが弱いというリスクが内在している。
【0010】
この課題を解消するには、従来、課金をしなかったプレーヤに対しても課金させる動機付け、すなわち、能力向上に関して、従来ゲームにないバリエーションを設けることが考えられる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、従来の単なる課金のみによらない新たな能力向上の選択肢を提供して、プレーヤがゲームを継続的に遊技したいと考える興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明によるゲーム運用装置は、プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用装置であって、前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理部と、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与部とを備える。なお、本発明によるゲーム運用方法、及びゲーム運用プログラムはゲーム運用装置と同様の構成を持つため、説明を省略する。
【0013】
この構成においては、まず、仮想通貨の使い方として、従来ゲームのようなアイテム購入とは異なるバリエーションであるところの、預金を可能としている。そして、プレーヤが仮想通貨を預金した場合、預金しない場合に比べ、対戦に対して有利となる特典が付与される。一方で、預金期間が満了するまでは、預金した仮想通貨の使用は禁止される。
【0014】
上記のように、本構成によれば、預金という形を通して課金が行なわれることになるものの、プレーヤには、従来ゲームにない以下のようなメリットが生じる。まず、プレーヤが獲得するものは、i)預金(充当した仮想通貨分)+ii)特典である。ここで、i)の預金に充当した仮想通貨は預金期間が満了するまで使用できないという制限はあるが(すなわち、その間はアイテム購入等には充当できないが)、目減りするわけではないので、言わば、仮想通貨を、形を変えて保有していることと同じである。その上で、ii)の特典を預金期間の間、享受することができる。つまり、プレーヤは、自分の仮想通貨を実質上減らすことなく、特典を得ることができるのである。なお、預金期間が満了すれば、ii)の特典はなくなる。ここで、特典とは、例えばゲームがチーム対戦である場合、そのチームを構成する構成員として有能なキャラクタを獲得できる確率を上げる、体力値の回復に要する時間が短くなる等、様々な形態をとり得る。
【0015】
以上のように、従来ゲームにおいては、能力向上を図るために仮想通貨を消費する(課金される)場合、アイテムを購入する程度の選択肢しかなかったのに対して、本構成においては、所定の期間(預金期間)、特典を享受した上で、(任意のタイミングで)アイテムを購入できるという新たな選択肢を提供できる。
【0016】
この結果、プレーヤはアイテム購入のための資力が限られている場合であっても、仮想通貨の使用を全く考慮しない状態から、例えばランキング向上を目指す意欲が喚起されて、仮想通貨の使用を検討する動機付けをプレーヤに与えることができる。そのため、ゲーム全体のコミュニティを活性化し、ひいては興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現することができる。
【0017】
なお、本構成は、ゲーム運用装置を管理するゲーム提供者側にとっても、以下のようなメリットがある。すなわち、上記の通り、預金期間が満了するまでは、その預金はアイテム購入等に充当できないという制限がかかる。しかし、プレーヤによっては、預金期間中に、どうしても購入したいアイテム等が出てくる場合も考えられる。その際、そのプレーヤは預金とは別に、新たに仮想通貨を用いてそのアイテムを購入することが想定される。すなわち、ゲーム提供者側にとっては、預金と、アイテム購入等との2つの課金の機会が設けられることになる。この結果、プレーヤからの課金額が増大し、より多く収入を得ることができる。
【0018】
(2)前記プレーヤが前記ゲームを実行した頻度を管理する頻度管理部を更に備え、前記特典付与部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤに付与する特典を低下させることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、仮想通貨を預金したプレーヤは、ゲームを実行する頻度が低下すると、特典が低下されてしまう。そのため、プレーヤは預金したことで得られる特典を享受するには、ゲームを実行する頻度が低下しないように努力する必要がある。つまり、本構成によれば、メリットもあるが、そのメリットを享受するための条件もあるため遊戯性に深みがあり、興趣性のあるゲームを実現できる。一方、ゲーム提供者側にとっては、プレーヤが継続的にゲームにアクセスすることは、課金の機会を増大させることにつながるため、収入増加につながるという利点がある。
【0020】
(3)前記特典付与部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、前記プレーヤに付与する特典の低下を回復させることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、預金したプレーヤは、暫くゲームから遠ざかり、特典を低下させてしまった場合であっても、ゲームの実行回数を増大させていけば、特典を回復させることができる。その結果、預金したプレーヤに対し、ゲームの実行回数を増やそうとする動機付けを与え、預金したプレーヤがゲームから遠ざかってしまうことを防止することができる。
【0022】
(4)前記預金管理部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤが預金した前記仮想通貨の預金額を低下させることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、預金したプレーヤはゲームを実行する頻度が低下すると、せっかく預金した仮想通貨の預金額が低下してしまうため、ゲーム実行の頻度を保持しようと努力することになる。つまり、本構成によれば、メリットもあるが、そのメリットを享受するための条件もあるため遊戯性に深みがあり、興趣性のあるゲームを実現できる。一方、ゲーム提供者側にとっては、プレーヤが継続的にゲームにアクセスすることは、課金の機会を増大させることにつながるため、収入増加につながるという利点がある。
【0024】
(5)前記預金管理部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、低下させた前記仮想通貨の預金額を回復させることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、預金したプレーヤは、頻度の低下により預金額を低下させた場合であっても、ゲーム実行回数を増大させて頻度を増大させれば、再び、預金額を元の値にまで回復させることができる。これにより、預金プレーヤに対して、預金額を元の値に戻すためにゲーム実行回数を増大させようとする動機付けを与えることができ、プレーヤがゲームから遠ざかってしまうことを防止することができる。
【0026】
(6)前記預金管理部は、前記預金期間が満了するまでに、前記プレーヤの前記端末装置から、預金した前記仮想通貨を返金する返金指令を受信した場合、前記預金額を低下させて前記プレーヤに前記仮想通貨を返金するものであり、前記返金指令の受信時刻から前記預金期間の満了時刻までの期間が長くなるにつれて、前記預金額からの低下額を増大させて、前記プレーヤに前記仮想通貨を返金することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、預金期間が満了するまでに預金したプレーヤが預金を解約しようとすると、返金額が預金額よりも低下されるため、預金したプレーヤに対して預金期間が満了するまで、解約を行わないでおこうとする動機付けを与えることができる。
【0028】
例えば、預金したプレーヤが預金を解約しようとするケースとして、どうしても仮想通貨を用いて購入したいアイテムが発生したケースが挙げられる。この場合、預金を解約することで預金した仮想通貨を全額返金し、購入したいアイテムをそのまま購入させてしまうと、預金をするそもそもの意味が薄れてしまう。一方、本構成のように、預金を解約すると預金額が減少するというペナルティを預金したプレーヤに課すと、預金したプレーヤは預金を解約せず、別途、保有する仮想通貨を用いて、あるいは現金を仮想通貨に換金して、その仮想通貨を用いてアイテムを購入しようとする。そのため、ゲーム運営会社の収入を増やすことができる。
【0029】
(7)前記預金管理部は、前記預金期間中において、前記プレーヤの前記端末装置から前記預金額を増大させる預金更新指令を受信した場合、現状の預金額を低下させることなく前記預金更新指令により指定された増額分を前記現状の預金額に加算し、加算した額を更新後の預金額とし、かつ、前記預金更新指令の受信時刻を基準として前記預金期間のカウントを開始することが好ましい。
【0030】
預金したプレーヤは、預金額が増大するほど特典が増大されるため、預金期間の途中において、預金額を増大させたい場合もある。例えば、現在の預金額が1000円の場合において、この預金額を5000円に引き上げたい場合もある。
【0031】
この場合、一旦、預金を解約し、再度、5000円を預金する構成にしてしまうと、(6)に示すように、預金期間の途中で預金を解約すると、返金額が元の預金額から減少するため、預金したプレーヤは預金額を5000円にするためには4000円以上の追加料金を支払わなければならず、解約したプレーヤに損をさせてしまう。
【0032】
そこで、預金更新指令を送信すると、預金したプレーヤは預金額である1000円にそのまま4000をプラスすれば、5000円の預金を行うことができる。これにより、預金したプレーヤは預金期間の途中であっても損することなく預金額を増額することができる。
【0033】
ここで、預金更新指令を送信してから、当初の預金終了日において預金期間を満了させてしまうと、預金したプレーヤが5000円分の特典を得られる期間が短くなってしまう。そこで、預金更新指令を送信した時刻を預金期間の開始時刻とし、預金期間をカウントし直すことで、預金したプレーヤが5000円分の特典を得られる期間を増大させることができる。これにより、預金したプレーヤに対して預金更新指令を送信して、預金額を増大させようとする動機付けを与えることができる。
【0034】
また、預金期間から解約するまでの期間が短いほど返金額を減少させる構成が採用されているため、預金終了時刻間近であれば、多少損をしても預金を解約してアイテムを購入しようか、あるいは、別途、現金を仮想通貨に換金してアイテムを購入しようかといった選択肢をプレーヤに与えることができ、ゲームの面白みを増大させることができる。更には、どうしても購入したアイテムが発生した場合であっても、もう少し待って預金を解約すれば、全額が返金されるため、もう少し待ってから預金を解約しようとするというような選択肢をプレーヤに与えることができ、プレーヤの判断のバリエーションを増大させることができる。
【0035】
(8)前記単位は、仮想カードを含み、前記仮想カードは、前記集合体の能力値を増大させるための第1仮想カードと、前記第1仮想カードよりも前記集合体の能力値をより高く増大させるための第2仮想カードとを含み、前記特典付与部は、前記仮想通貨を預金したプレーヤに対して、前記預金期間が満了するまで、前記ゲーム運用装置へのアクセスに基づいて、前記第1仮想カード又は前記第2仮想カードのいずれの仮想カードを前記プレーヤに付与するかを決定する抽選処理を実行し、前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて高く設定されることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、預金したプレーヤは預金しない場合に比べて第2仮想カードを得るための特典付与確率が高く設定されるため、第2仮想カードをより高い確率で得ることができる。
【0037】
(9)前記プレーヤは、預金した仮想通貨とは別の仮想通貨を用いて、前記抽選処理の実行を依頼するための抽選処理依頼アイテムが購入可能であり、前記特典付与部は、前記抽選処理依頼アイテムが前記プレーヤにより使用された場合、前記特典付与確率を設定し、設定した特典付与確率にしたがって前記抽選処理を実行し、前記抽選処理依頼アイテムの使用に基づく前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記一定期間毎に実行される抽選処理において設定される特典付与確率の最大値よりも高く設定されることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく抽選処理の特典付与確率が、アクセスに基づいて実行される抽選処理の特典付与確率よりも高く設定されているため、プレーヤによる抽選処理依頼アイテムの購入意欲の減退を防止することができる。
【0039】
(10)前記ゲーム空間において、前記集合体同士を対戦させ、両集合体が持つ能力値を比較することで両集合体の勝敗を決定し、決定した勝敗に基づいて、少なくとも負けた集合体の前記能力値を減少させる集合体管理部を更に備え、前記集合体管理部は、前記プレーヤが前記ゲームを実行していない場合、前記集合体の能力値を所定の回復率で経時的に回復させ、前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて前記回復率を高く設定することが好ましい。
【0040】
この構成によれば、預金したプレーヤは預金していないプレーヤに比べて回復率が高く設定されるため、より速やかに能力値を回復することができる。その結果、プレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【0041】
(11)前記集合体が所持する金銭を仮想的に示す金銭アイテムを更に含み、前記集合体管理部は、前記対戦に勝利した集合体に対して、前記対戦に負けた集合体が所持する金銭アイテムを、当該金銭アイテムが示す価値を所定の増幅率で増大させて譲渡し、前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金していない場合に比べ、前記増幅率を増大させることが好ましい。
【0042】
この構成によれば、預金したプレーヤは、自身の集合体が対戦に勝利した場合、対戦相手の集合体が所持する金銭アイテムの価値より高い価値を持つ金銭アイテムが得られる。その結果、プレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、プレーヤは仮想通貨を預金した場合、預金しない場合に比べ、対戦に対して有利となる特典が付与される。ここでの預金は預金期間が経過するまでは預金した仮想通貨の使用が禁止されるが、預金した仮想通貨が目減りするわけではない。そのため、プレーヤは仮想通貨を預金することで、仮想通貨を形を変えて保有することができ、その上で、預金期間の間、特典を享受することができる。したがって、プレーヤは、自分の仮想通貨を実質上減らすことなく、特典を得ることができるのである。
【0044】
こうすることで、従来ゲームにおいては、能力向上を図るために仮想通貨を消費する場合、アイテムを購入する程度の選択肢しかなかったのに対して、本構成においては、預金期間において特典を享受した上で、アイテム購入するという新たな選択肢をプレーヤに提供することができる。
【0045】
その結果、プレーヤはアイテム購入のための資力が限られている場合であっても、仮想通貨の使用を全く考慮しない状態から、例えばランキング向上を目指す意欲が喚起されて、仮想通貨の使用を検討する動機付けが与えられる。そのため、ゲーム全体のコミュニティを活性化し、ひいては興趣性に満ちた魅力あるゲームを実現することができる。
【0046】
また、プレーヤは、預金期間中において、どうしても仮想通貨で購入したいアイテムが発生すると、預金期間中は仮想通貨の使用が禁止されているため、別途、現金を仮想通貨に交換する必要がある。これにより、プレーヤに対して仮想通貨への換金への動機付けを与えることができる。したがって、ゲーム運用装置を管理するゲーム提供者側は、プレーヤからの課金額が増大し、より多く収入を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態によるゲーム運用装置が適用されたゲームシステムの全体構成図である。
【図2】図1に示すゲーム運用装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す端末装置のブロック図である。
【図4】図2に示すゲーム情報記憶部が記憶するデータベースのデータ構造を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態によるゲーム運用装置に端末装置がログインし、敵軍隊と対戦する際の処理を示すフローチャートである。
【図6】仮想通貨の預金時、アイテム購入時、預金更新時、及び返金時における端末装置とゲーム運用装置との処理を示すフローチャートである。
【図7】抽選処理が行われる際の端末装置とゲーム運用装置との処理を示すフローチャートである。
【図8】頻度の算出処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態によるゲーム運用装置で実行されるゲームにおいて、端末装置表示されるログイン画面の画面図である。
【図10】マイページ画面を示した図である。
【図11】プレーヤが選択した対戦候補となる軍隊の詳細を示す画面図である。
【図12】(A)は対戦画面を示した図であり、(B)は対戦に勝利した際に表示される勝利報知画面を示した図である。
【図13】抽選処理の選択画面を示した図である。
【図14】レア武将カードの画像を示した図である。
【図15】ノーマル武将カードの画像を示した図である。
【図16】(A)は頻度係数と頻度との関係を示したグラフであり、(B)は期間変動係数と預金期間との関係を示したグラフである。
【図17】返金指令が受信されたときの預金管理部の処理の説明図である。
【図18】預金更新指令が受信された場合における預金管理部の処理の説明図であり、(A)は預金更新指令を採用しない場合の問題点を示した図であり、(B)は預金更新指令を採用した場合の利点を示した図である。
【図19】特典付与部により設定される特典付与確率を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置が適用されたゲームシステムの全体構成図である。図1に示すようにゲームシステムは、ゲーム運用装置11及び1又は複数の端末装置12を備えている。
【0049】
ゲーム運用装置11は、一般的なコンピュータにより構成されている。端末装置12は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型の情報端末装置により構成されている。
【0050】
ゲーム運用装置11及び端末装置12は通信回線NTを介して相互に通信可能に接続されている。通信回線NTとしては、携帯電話網、及びインターネット通信網が採用されている。ゲーム運用装置11及び端末装置12には例えばIPアドレス等の固有の通信IDが割り振られ、ゲーム運用装置11及び端末装置12はこの通信IDを用いて、例えばTCP/IP等の通信プロトコルを用いて相互に通信を行う。
【0051】
端末装置12は、プレーヤからゲームを行うための種々の指示を受け付け、受け付けた指示に応じた指令を通信回線NTを介してゲーム運用装置11に送信する。ゲーム運用装置11は、端末装置12から送信された種々の指令にしたがって適宜処理を実行し、処理結果を適宜端末装置12に送信することで、ゲームを進行させていく。
【0052】
本実施の形態では、ゲームとしてはソーシャルゲームを採用している。ソーシャルゲームはソーシャルアプリケーションソフトによるゲームである。ソーシャルアプリケーションソフトは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上にウェブブラウザ上で動作するAPIなどの動作環境(アプリケーション・プラットフォーム)が提供され、これを基盤として制作されたアプリケーションソフトである。
【0053】
ソーシャルゲームは、既存のオンラインゲームとは異なり、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、ウェブブラウザとSNSとのアカウントのみで利用可能で、SNSが本来持つコミュニケーション機能と組み合わされている。そして、ソーシャルゲームは、ゲーム自体は短時間で気楽に遊べるといった特徴を持っている。
【0054】
本実施の形態では、ソーシャルゲームとして、プレーヤにより操作される端末装置12に通信回線NTを介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを採用する。
【0055】
ここで、上記の集合体としては、プレーヤが所有する団体を採用する。団体としては、例えば、野球、サッカー、又はアメリカンフットボール等の団体スポーツのチームを採用してもよいが、本実施の形態では、戦国武将から構成される軍隊を採用する。また、単位としては、戦国武将を模擬した武将カードや武将キャラクタが採用されるが、以下では、武将カードを例に挙げて説明する。この武将カードは、実空間に存在するカードではなく、ゲーム空間内に設定された仮想カードである。なお、集合体として、団体スポーツのチームを採用した場合、単位としては、例えば選手カードや選手キャラクタが採用される。
【0056】
プレーヤは、自身が所有する軍隊の能力値をアップさせ、別のプレーヤが所有する軍隊と対戦し、敵の軍隊が持つアイテムや武将カードを奪う等して、自身が所有する軍隊の能力値をアップさせる。
【0057】
武将カードには、個別にカードレベル値が設定されており、このカードレベル値により所属する軍隊のトータルの能力値が決定される。武将カードには、軍隊のリーダとなる武将を示すリーダ武将カード、カードレベル値が通常の値を持つノーマル武将カード(第1仮想カードの一例)と、カードレベル値がノーマル武将カードよりも高いレア武将カード(第2仮想カードの一例)とが含まれる。
【0058】
図2は、図1に示すゲーム運用装置11の詳細な構成を示すブロック図である。図2に示すようにゲーム運用装置11は、プレーヤ管理部21、預金管理部22、頻度管理部23、特典付与部24、軍隊管理部25(集合体管理部の一例)、ゲーム情報記憶部26、及び、通信部27を備えている。ここで、プレーヤ管理部21〜軍隊管理部25は、例えばCPUにより構成され、ゲーム情報記憶部26は、ハードディスク等の記憶装置により構成され、通信部27はモデム等の通信回路により構成され、これらのブロックは、CPUが本発明の実施の形態によるゲーム運用プログラムを実行することで実現される。
【0059】
プレーヤ管理部21は、本ゲーム運用装置11が運用するソーシャルゲームの実行を希望するプレーヤを会員登録させ、会員登録したプレーヤに関する情報を管理する。具体的には、プレーヤ管理部21は、端末装置12から送信された会員登録依頼が通信部27で受信されると、会員登録を希望するプレーヤについての情報を図4に示すプレーヤ情報データベースに格納する。
【0060】
図4は、図2に示すゲーム情報記憶部26が記憶するデータベースのデータ構造を示した図である。図4に示すようにゲーム情報記憶部26は、プレーヤ情報データベース、軍隊情報データベース、履歴情報データベース、預金情報データベース、及びカードデータベースを記憶している。
【0061】
プレーヤ情報データベースは、プレーヤ毎に1つのレコードが割り当てられたリレーショナルデータベースであり、プレーヤID、プレーヤ名、登録日、及び仮想通貨のフィールドを備えている。
【0062】
会員登録依頼には、プレーヤ名が含まれている。なお、プレーヤ名としては、例えばプレーヤのニックネームや本名が採用される。したがって、プレーヤ管理部21は、会員登録依頼が受信されると、当該会員登録依頼を送信したプレーヤにプレーヤIDを付与し、当該プレーヤIDを格納したレコードを生成し、生成したレコードをプレーヤ情報データベースに追加する。そして、当該プレーヤのレコードのプレーヤ名のフィールドに会員登録依頼に含まれるプレーヤ名を格納する。また、当該プレーヤのレコードの登録日のフィールドに会員登録を行った日を格納する。
【0063】
仮想通貨のフィールドには各プレーヤが所持する仮想通貨の金額が格納されている。仮想通貨は、ゲーム運用装置11でのみ使用が許可された疑似マネーであり、プレーヤが所持する現金を換金したものである。例えば、プレーヤが1000円を支払うと1000円分の仮想通貨が得られる。ゲーム運用装置11が複数のゲームを提供している場合、いずれのゲームにおいてもプレーヤは換金した仮想通貨を使用することができる。
【0064】
プレーヤは、仮想通貨の購入を希望する場合、仮想通貨の購入指示を端末装置12に入力する。すると、端末装置12はゲーム運用装置11に仮想通貨の購入指令を送信する。仮想通貨の購入指令には、例えば、“プレーヤID”、“クレジットカード情報”、及び“仮想通貨の購入額”が含まれている。
【0065】
したがって、プレーヤ管理部21は、通信部27により仮想通貨の購入指令が受信されると、クレジットカード情報から電子決済を行い、購入額に相当する仮想通貨の金額をプレーヤ情報データベースに格納する。
【0066】
クレジットカード情報としては、例えばプレーヤが所持するクレジットカードのカード番号が採用される。そして、プレーヤ管理部21は、カード番号からクレジットカード会社を特定し、クレジットカード会社により運用される電子決済サーバに電子決済を依頼し、電子決済の許可が得られると、仮想通貨の購入をプレーヤに許可する。
【0067】
履歴情報データベースは、プレーヤ毎に1つのレコードが割り当てられたリレーショナルデータベースであり、プレーヤID、ゲーム履歴、及び頻度情報のフィールドを備えている。
【0068】
プレーヤ管理部21は、プレーヤがゲームを実行するためにゲーム運用装置11にログインした場合、ログインした年、月、日、及び時刻を図4に示す履歴情報データベースの該当するプレーヤのレコードのゲーム履歴のフィールドに格納する。また、プレーヤ管理部21は、プレーヤがゲームを終了するためにゲーム運用装置11からログアウトした場合、ログアウトした年、月、日、及び時刻を履歴情報データベースの該当するプレーヤのレコードのゲーム履歴のフィールドに格納する。履歴情報データベースの頻度履歴の欄には、プレーヤがゲームを実行する頻度が格納されている。頻度については後述する。
【0069】
預金管理部22は、端末装置12から送信されたプレーヤによる預金指令を受信し、受信した預金指令にしたがって、プレーヤが指定した預金額の仮想通貨を預金する。そして、預金管理部22は、所定の預金期間が満了するまでプレーヤが預金した仮想通貨のプレーヤによる使用を禁止する。つまり、プレーヤは仮想通貨を預金すると、預金期間が満了するまで仮想通貨を用いてアイテム等を購入することができなくなるのである。
【0070】
具体的には、預金管理部22は、通信部27により預金指令が受信されると、預金指令を送信したプレーヤのプレーヤIDを格納したレコードを生成し、生成したレコードを預金情報データベースに追加する。そして、追加したレコードの各フィールドに必要な情報を格納し、図4に示す預金情報データベースを更新する。
【0071】
預金情報データベースは、プレーヤ毎に1つのレコードが割り当てられ、プレーヤID、預金額、及び預金期間のフィールドを備えるリレーショナルデータベースである。プレーヤIDのフィールドには、プレーヤを識別するためのプレーヤIDが格納されている。預金額のフィールドには、プレーヤが預金した仮想通貨の預金額が格納されている。
【0072】
預金期間のフィールドには、プレーヤにより指定された預金期間を特定するための情報が格納されている。図4の例では、預金期間のフィールドには、預金開始日と預金終了日とが格納されている。よって、預金期間は預金開始日から預金終了日までの期間となる。
【0073】
プレーヤは、端末装置12を操作して、仮想通貨の預金額、及び預金期間等を指示するための預金指示を入力する。すると、端末装置12は、預金指示の内容を含む預金指令を生成し、ゲーム運用装置11に送信する。預金指令には、プレーヤID、預金額、及び預金期間を示す情報が含まれている。
【0074】
したがって、預金管理部22は、通信部27により預金指令が受信されると、預金指令に含まれる預金額がプレーヤが所持する仮想通貨の金額以下であるか否かをプレーヤ情報データベースを参照して判定する。そして、プレーヤが指示した預金額が仮想通貨の金額以下であると判定し場合、預金指令に含まれるプレーヤIDを格納したレコードを生成し、生成したレコードを預金情報データベースに追加する。そして、追加したレコードの預金額のフィールドに預金指令に含まれる預金額を格納する。また、プレーヤ情報データベースの該当するプレーヤの仮想通貨の金額を、預金額分差し引き、プレーヤ情報データベースを更新する。
【0075】
また、追加したレコードの預金期間のフィールドに預金指令を受け付けた日を預金開始日として格納する。また、追加したレコードの預金期間のフィールドに、預金開始日に預金指令に含まれる預金期間を加えた日を預金終了日として格納する。以上により、プレーヤは仮想通貨を預金することができる。以下、仮想通貨を預金したプレーヤを“預金プレーヤ”と記述する。
【0076】
なお、預金管理部22は、預金終了日が到来すると該当するレコードを預金情報データベースから削除する。
【0077】
また、預金管理部22は、預金期間が満了するまでに、預金プレーヤの端末装置12から、預金した仮想通貨を返金する返金指令が通信部27により受信された場合、預金額を低下させて預金プレーヤに仮想通貨を返金させる。
【0078】
図17は、返金指令が受信されたときの預金管理部22の処理の説明図である。預金管理部22は、返金指令の受信時刻から預金終了日までの期間T172が長くなるにつれて、預金額からの低下額を増大させて、プレーヤに仮想通貨を返金する。
【0079】
例えば、預金額をXoとし、預金期間をT171とすると、低下額Xdは、Xd=(T172/T171)・Xoと算出される。したがって、預金プレーヤに返金される返金額Xrは、Xr=Xo−Xdとなる。
【0080】
このように、預金期間T171が満了するまでに預金プレーヤが預金を解約しようとすると、返金額Xrが預金額Xoよりも低下されるため、預金プレーヤに対して預金期間T171が満了するまで、解約を行わないでおこうとする動機付けを与えることができる。
【0081】
例えば、預金プレーヤが預金を解約しようとするケースとして、どうしても仮想通貨を用いて購入したいアイテムが発生したケースが挙げられる。この場合、預金を解約し、返金された仮想通貨を用いて仮想通貨を購入させてしまうと、預金をするそもそもの意味が薄れてしまう。一方、預金を解約すると預金額が減少するというペナルティを預金プレーヤに課すと、預金プレーヤは預金を解約せず、別途、現金を仮想通貨に換金し、その仮想通貨を用いてアイテムを購入しようとする。そのため、ゲーム運営会社の収入を増やすことができる。
【0082】
また、期間T172が増大するほど返金額Xrを減少させることで、預金終了日間近であれば、多少損をしても預金を解約してアイテムを購入しようか、あるいは、別途、現金を仮想通貨に換金してアイテムを購入しようかといった選択肢を預金プレーヤに与えることができ、ゲームの面白みを増大させることができる。更には、どうしても購入したアイテムが発生した場合であっても、もう少し待って預金を解約すれば、返金額Xrが全額返金されるため、もう少し待ってから預金を解約しようとするというような選択肢を預金プレーヤに与えることができ、プレーヤの判断のバリエーションを増大させることができる。
【0083】
なお、預金管理部22は、通信部27により返金指令が受信されると、図4に示す預金情報データベースから返金指令を送信した預金プレーヤのレコードを削除すればよい。
【0084】
また、預金管理部22は、預金期間中において、預金プレーヤの端末装置12から預金額を増大させる預金更新指令が通信部27により受信された場合、現状の預金額を低下させることなく、預金更新指令により指定された増額分を現状の預金額に加算し、加算した額を更新後の預金額とし、かつ、預金更新指令の受信時刻を基準として預金期間のカウントを開始する。
【0085】
図18は、預金更新指令が受信された場合における預金管理部22の処理の説明図であり、(A)は預金更新指令を採用しない場合の問題点を示した図であり、(B)は預金更新指令を採用した場合の利点を示した図である。
【0086】
預金プレーヤは、預金期間T171の途中において、預金額を増大させたい場合もある。例えば、現在の預金額が1000円の場合において、この預金額を5000円に引き上げたい場合もある。理由は、後述するように、預金プレーヤに付与される特典は預金額に応じて増大するからである。
【0087】
この場合、単純に現在の預金額である1000円に4000円をプラスして預金額を5000円に引き上げてしまうと、当初から5000円を預金した預金プレーヤが得られる特典との差があまりなくなってしまい、面白みに欠けてしまう。
【0088】
一方、一旦、預金を解約し、再度、5000円を預金する構成にしてしまうと、本実施の形態では、上記のように、預金期間の途中で預金を解約すると、返金額が元の預金額から減少する構成が採用されているため、預金プレーヤに損をさせてしまう。
【0089】
例えば、図18(A)に示すように、1000円を預金した預金プレーヤが返金指令を送信し、預金を解約した場合の返金額が800円だったとする。この場合、預金プレーヤは、5000円の預金を行おうとすると、800円に4200円をプラスしなければならなくなり、200円の損が生じてしまう。
【0090】
そこで、図18(B)に示すように、預金更新指令を送信すると、預金プレーヤは預金額である1000円にそのまま4000円をプラスすれば、5000円の預金を行うことができる。これにより、預金プレーヤは預金期間の途中であっても損することなく預金額を増額することができる。
【0091】
ここで、預金更新指令を送信してから、当初の預金終了日t18において預金期間T171を満了させてしまうと、預金プレーヤが5000円分の特典を得られる期間が短くなってしまう。そこで、預金更新指令を送信した日を預金期間T171の開始日とし、預金期間171をカウントし直すことで、預金プレーヤが5000円分の特典を得られる期間を増大させることができる。これにより、預金プレーヤに対して預金更新指令を送信して、預金額を増大させようとする動機付けを与えることができる。
【0092】
なお、預金管理部22は、預金更新指令が通信部27により受信された場合、図4に示す預金情報データベースの預金額のフィールドに更新後の預金額を書き込み、かつ、預金開始日及び預金終了日のフィールドに更新後の預金開始日及び預金終了日を書き込む。
【0093】
図2に戻り、頻度管理部23は、預金プレーヤがゲームを実行した頻度を管理する。頻度管理部23は、例えば、所定時間毎(例えば1日毎)に履歴情報データベースを参照し、各預金プレーヤの頻度を算出する。具体的には、頻度管理部23は、所定の頻度算出時刻(例えば、午前0時0分等)が到来すると、頻度算出時刻から過去一定期間における各預金プレーヤのゲームの実行回数を求める。ここで、過去一定期間Tpとしては、頻度算出時刻を基準として過去1か月、1週間等の期間を採用すればよい。そして、過去一定期間Tpでのゲーム実行回数Cpを履歴情報データベースのゲーム履歴のフィールドから特定する。例えば、ゲーム履歴のフィールドに書き込まれている過去一定期間Tpのログイン時刻、又はログイン時刻の個数をカウントすることで、ゲーム実行回数Cpを特定すればよい。
【0094】
そして、特定したゲーム実行回数Cpを過去一定期間Tpの日数Dpで割ることで、頻度Hp(=Cp/Dp)を求めればよい。つまり、頻度Hpは過去一定期間Tpにおける1日あたりのゲーム実行回数Cpとなる。例えば、過去一定期間Tpを1週間とし、預金プレーヤが1日1回、ゲームを実行していたとすると、ゲーム実行回数Cpは7回となり、日数Dpは7日であるため、頻度HpはHp=1.0(=7/7)となる。なお、預金プレーヤが1日2回ゲームを実行しており、ゲーム実行回数CpがCp=14となった場合、頻度HpはHp=2.0(=14/7)となる。
【0095】
そして、履歴管理部23は、預金プレーヤ毎に算出した頻度Hpを履歴情報データベースの頻度履歴の欄に、頻度算出時刻と対応付けて書き込む。これにより、頻度履歴のフィールドには、1日毎に各預金プレーヤの頻度Hpが書き込まれる。
【0096】
なお、預金プレーヤが預金を開始してから最初の一定期間Tpが経過するまでは、預金を開始してからの日数で、ゲーム実行回数を割ることで、頻度Hpを求めればよい。
【0097】
図2に戻り、特典付与部24は、預金プレーヤが仮想通貨を預金した場合、預金プレーヤが仮想通貨を預金しない場合に比べ、預金期間が満了するまで、対戦に対して有利となる特典を預金プレーヤに付与する。
【0098】
具体的には、特典付与部24は、預金プレーヤに対して、預金期間が満了するまで、ゲーム運用装置11へのアクセスに基づいて、ノーマル武将カード又はレア武将カードのいずれの仮想カードを預金プレーヤに付与するかを決定する抽選処理を実行する。
【0099】
そして、この抽選処理を行うにあたり、特典付与部24は、プレーヤが仮想通貨を預金している場合、プレーヤが仮想通貨を預金していない場合に比べ、レア武将カードが当たる確率を示す特典付与確率を高く設定する。
【0100】
本実施の形態では、預金プレーヤに対しては、特典付与確率は例えば1/10に設定されるが、仮想通貨を預金していないノーマルプレーヤに対しては、特典付与確率は例えば1/10000に設定されている。このように、預金プレーヤの特典付与確率はノーマルプレーヤの特典付与確率の1000倍程度の値に設定される。但し、これは一例であり、預金プレーヤの方がノーマルプレーヤより特典付与確率が高ければどのような値を採用してもよい。
【0101】
ノーマルプレーヤも、ゲーム運用装置11へのアクセスに基づいた抽選処理が実行されるが、この場合、後述するエネルギー値が一定の値に到達していなければ、抽選処理は実行されない。この場合、レア武将カードを得るための特典付与確率は、上記の1/10000に設定されるため、ノーマルプレーヤがレア武将カードを得ることは極めて困難にされている。
【0102】
また、特典付与部24は、頻度管理部23により算出された頻度が低下するにつれて、特典付与確率を低下させる。具体的には、特典付与部24は、頻度に応じて予め定められた頻度係数α1を特定し、特定した頻度係数α1に預金プレーヤに対して設定した特典付与確率Pgを乗じて、特典付与確率Pg´を求めることで、特典付与確率Pgを低下させる。
【0103】
図16(A)は、頻度係数α1と頻度との関係を示したグラフであり、縦軸は頻度係数α1を示し、横軸は頻度を示している。このグラフの例では、頻度が0の場合、頻度係数α1は最小値α1(Min)に設定されている。ここで、最小値α1(Min)は、特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pgよりも大きな値になる値が採用されている。例えば、預金プレーヤの特典付与確率Pgを1/10、ノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを1/10000とすると、最小値α1(Min)は1/1000以上の値が採用される。
【0104】
こうすることで、預金プレーヤの特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを下回ることが防止され、預金プレーヤをノーマルプレーヤに対して損にさせない措置が講じられている。
【0105】
また、このグラフの例では、頻度が1.0の場合、頻度係数α1は1.0に設定されている。こうすることで、預金プレーヤの頻度が1.0以上であれば、頻度係数α1が1.0となり、特典付与確率Pgは低下しない。よって、預金プレーヤが1日、1回、ゲームを実行していれば、頻度係数α1が1.0に設定され、特典付与確率Pgは低下しない。
【0106】
このように、預金プレーヤが毎日ゲームを実行すれば特典付与確率が減少されないため、預金プレーヤに対して毎日ゲームを実行しようとする動機付けを与えることができ、ゲームへのアクセス数の増大を図ることができる。
【0107】
また、このグラフの例では、頻度が1.0から低下しても頻度係数α1は1.0からさほど減少せず、頻度が1.0からある程度(例えば0.5程度)減少したときに急激に最小値α1(Min)に向けて減少するように設定されている。
【0108】
また、図16(A)のグラフを用いて頻度係数α1を特定し、特定した頻度係数α1を用いて特典付与確率Pg´を求めているため、頻度Hpが増大に転じた場合、頻度Hpの低下に応じて減少された特典付与確率Pg´を増大させることができる。
【0109】
これにより、預金プレーヤは、暫くゲームから遠ざかっており、特典付与確率Pg´を低下させてしまった場合であっても、ゲームの実行回数を増大させていけば、特典付与確率Pg´を回復させることができる。その結果、預金プレーヤに対し、ゲームの実行回数を増やそうとする動機付けを与え、ゲームから遠ざかってしまうことを防止することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、預金プレーヤ及びノーマルプレーヤを問わず、プレーヤは上記の抽選処理の実行を依頼するための抽選処理依頼アイテムを仮想通貨を用いて購入することが可能である。
【0111】
この場合、特典付与部24は、この抽選処理依頼アイテムを使用する操作指示がプレーヤに入力され、プレーヤの端末装置12から送信された抽選処理依頼アイテムの使用指令を通信部27が受信した場合、預金プレーヤに対して設定した特典付与確率Pgの最大値よりも高い値に特典付与確率Pgを設定し、設定した特典付与確率Pgにしたがって、ノーマル武将カード又はレア武将カードを付与するかの抽選処理を実行すればよい。
【0112】
預金管理部22は、頻度管理部23により算出された預金プレーヤの頻度が低下するにつれて預金プレーヤの預金額を低下させてもよい。この場合、預金管理部22は、特典付与部24と同様、図16(A)に示すグラフを用いて頻度に応じた頻度係数α1を特定し、この頻度係数α1を預金額に乗じることで、預金額を減額すればよい。
【0113】
この場合、頻度係数α1の最小値α1(Min)としては、0を採用してもよい。最小値α1(Min)として0を採用すると預金プレーヤによるゲームの頻度Hpが0になると頻度係数α1=0となり、特典付与確率Pg´=0となる。こうすることで、預金プレーヤはゲーム実行回数が減少すると、せっかく預金した仮想通貨の預金額が0になってしまうため、預金プレーヤに対してゲーム実行回数を減少させないでおこうとする動機付けを与え、ゲームのアクセス数の増大を図ることができる。
【0114】
また、預金プレーヤは頻度Hpの低下により預金額を低下させた場合であっても、ゲーム実行回数を増大させて頻度Hpを増大させれば、再び、預金額を元の値にまで回復させることができる。これにより、預金プレーヤに対して、預金額を元の値に戻すためにゲーム実行回数を増大させようとする動機付けを与えることができ、ゲームのアクセス数の増大を図ることができる。
【0115】
また、特典付与部24は、預金額が増大するにつれて、預金プレーヤに付与する特典を増大する。具体的には、特典付与部24は、預金額が増大するにつれて特典付与確率Pgを増大させる。
【0116】
図19は、特典付与部24により設定される特典付与確率Pgを示したグラフであり、縦軸は特典付与確率Pgを示し、横軸は預金額を示している。図19に示すように特典付与確率Pgは、預金額があるある値X(1)になるまでは緩やかに増大し、値X(1)を超えると値X(2)になるまで急激に増大し、値X(2)を超えると値X(3)になるまで緩やかに増大していることが分かる。そして、特典付与確率Pgは、預金額が値X(3)まで増大すると、最大値Pg(Max)となり、以後、預金額が増大しても最大値Pg(Max)を維持していることが分かる。
【0117】
預金額が低いにも関わらず特典付与確率Pgを高く設定する、或いは、預金額に関わらず、特典付与確率Pgの値を一定の値に設定してしまうと、どの預金プレーヤも低額の預金しか行わなくなる。そこで、預金額に応じて高い特典付与確率Pgを設定することで、預金プレーヤに対してより高額の預金を行おうとする動機付けを与えることができる。
【0118】
一方、上記のように、プレーヤは、仮想通貨を用いて抽選処理依頼アイテムを購入し、この抽選処理依頼アイテムを使用することで、抽選処理を行うこともできる。
【0119】
そして、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく特典付与確率Pgを預金プレーヤに対して設定する特典付与確率Pgよりも低くすると、ゲームを実行する都度、実施される抽選処理を行った方がレア武将カードを得られる確率が高くなるため、預金プレーヤはあえて抽選処理依頼アイテムを購入しなくなる。
【0120】
そこで、図19に示す特典付与確率Pgの最大値Pg(Max)は、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく特典付与確率Pgよりも低い値に設定されている。これにより、預金プレーヤによる抽選処理依頼アイテムの購入意欲の減退の防止を図ることができる。なお、最大値Pg(Max)となる預金額の値X(3)としては、抽選処理依頼アイテムの購入金額と同程度の値を採用すればよい。これにより、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく抽選処理と、預金に基づく抽選処理とのバランスを保つことができる。
【0121】
本実施の形態では、最大値Pg(Max)として例えば1/10が採用されているため、抽選処理依頼アイテムの使用に基づく特典付与確率Pgは、1/10よりも高い値(例えば、1/2、1/3、1/4等)の値が設定される。
【0122】
特典付与確率Pgと預金額との関係をリニアな関係にしてしまうと、プレーヤはどの程度の額を預金すればどの程度の値に特典付与確率Pgが設定されるかを容易に推測することができ、面白みにかけてしまう。
【0123】
そこで、図19に示すように、預金額が値X(2)以下になると特典付与確率Pgを急激に減少させることで、プレーヤに対して預金額と特典付与確率Pgとの関係を容易に分かってしまうことを防止すると共に、プレーヤに対してある程度の額の預金を行おうとする動機付けを与えることが可能となる。つまり、預金額をどの程度の額に設定すれば、特典付与確率Pgがどの程度の値に設定されるのかというように預金額に応じた特典付与確率Pgを推測する面白みをプレーヤに与えることができる。
【0124】
なお、図19では、預金額が値X(3)になったときに最大値Pg(Max)になる構成を採用したが、これに限定されず、最大値Pg(Max)を漸近線として、預金額が増大するにつれて、特典付与確率Pgが最大値Pg(Max)に限りなく近づく構成を採用してもよい。これにより、預金額を増やしても特典付与確率Pgが頭打ちとなってこれ以上増大しないことを防止することができる。
【0125】
また、特典付与部24は、預金期間が長くなるにつれて、預金プレーヤに付与する特典を増大させる。具体的には、特典付与部24は、預金期間が長くなるにつれて、特典付与確率Pgを増大させる。より具体的には、特典付与部24は、図16(B)に示すように、預金期間に応じて予め定められた期間変動係数α2を特定し、特定した期間変動係数α2を特典付与確率Pgに乗じて、特典付与確率Pgを補正することで、特典付与確率Pg´を算出してもよい。
【0126】
図16(B)は期間変動係数α2と預金期間との関係を示したグラフであり、縦軸は期間変動係数α2を示し、横軸は預金期間を示している。横軸に示す値T(1)はプレーヤが設定し得る預金期間の最小値を示している。また、横軸に示す値T(2)はプレーヤが設定し得る預金期間の最大値を示している。
【0127】
縦軸に示す期間変動係数α2の最小値α2(Min)は、例えば、預金プレーヤの特典付与確率Pgを1/10、ノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを1/10000とすると、1/1000以上の値が採用される。なお、特典付与確率Pgに上記の頻度係数α1と期間変動係数α2とを乗じることで算出した特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pg(=1/10000)よりも小さくなった場合、特典付与確率Pg´としてノーマルプレーヤの特典付与確率Pg(=1/10000)を設定すればよい。
【0128】
こうすることで、預金プレーヤの特典付与確率Pg´がノーマルプレーヤの特典付与確率Pgを下回ることが防止され、預金プレーヤがノーマルプレーヤよりも損することが防止される。
【0129】
また、図16(B)の例では、預金期間が増大するにつれて、期間変動係数α2が漸次に増大していき、預金期間が値T(2)に設定されると、期間変動係数α2が1.0に設定されている。
【0130】
これにより、預金期間を増大させれば、その分、特典付与確率Pgが増大し、預金プレーヤに対してより長い預金期間を設定させようとする動機付けを与えることができる。
【0131】
図2に戻り、軍隊管理部25は、ゲーム空間において、軍隊同士を対戦させ、両軍隊が持つ能力値を比較することで両軍隊の勝敗を決定し、決定した勝敗に基づいて、負けた軍隊の能力値を減少させる。
【0132】
具体的には、軍隊管理部25は、プレーヤの端末装置12から、対戦相手となる軍隊(以下、“敵軍隊”と記述する。)と、譲渡を希望するアイテムとを指定し、敵軍隊と自身の軍隊(以下、“自軍隊”と記述する。)とを対戦させる対戦要求が送信され、その対戦要求が通信部27により受信された場合、図4に示す軍隊情報データベースを参照し、敵軍隊のエネルギー値と自軍隊のエネルギー値とを比較する。そして、軍隊管理部25は、エネルギー値が大きい方の軍隊が対戦に勝利したと判定し、対戦に勝利した軍隊に対し、対戦に敗れた軍隊が所持するアイテムであって、プレーヤが指定したアイテムを譲渡する。
【0133】
図4に示す軍隊情報データベースは、軍隊毎に1つのレコードが割り当てられたリレーショナルデータベースであり、軍隊ID、軍隊名、プレーヤID、能力値、アイテム、カード、及び対戦履歴のフィールドを備えている。
【0134】
軍隊IDのフィールドには、軍隊を特定するための識別情報である軍隊IDが格納されている。軍隊名のフィールドには、軍隊に付された名前が格納されている。プレーヤIDのフィールドには軍隊を所有するプレーヤのプレーヤIDが格納されている。これにより、プレーヤとプレーヤの所持する軍隊とが紐付けられる。能力値のフィールドには、軍隊の現在の能力値が格納されている。
【0135】
能力値としては、レベル値及びエネルギー値が含まれる。レベル値は、リーダ武将カードの能力の度合いを示す数値であり、軍隊が対戦に勝利したり、クエストと呼ばれるイベントを経験したりすることで増大する。また、レベル値は、軍隊が所持する武将カードの枚数を規定する。本実施の形態では、軍隊は、所持する武将カードのカード基本値の合計値が、レベル値に応じて定められた値以下となるまで武将カードを所持することができる。
【0136】
エネルギー値は、軍隊が他の軍隊と対戦する都度、減少し、プレーヤがゲームを実行していない場合に回復される。本実施形態では、エネルギー値として、例えば、軍隊が所持する各武将カードのカードエネルギー値の合計値が採用される。なお、各武将カードは、カードレベル値に応じて予め定められた値を最大値とするエネルギー値を持つことができる。
【0137】
アイテムのフィールドには軍隊が所持するアイテムが格納されている。ここで、アイテムとしては、所定個数集めることでノーマル又はレア武将カードと引き替えることができるカード引き替えアイテム、エネルギー値を回復させるための回復薬アイテム、及び軍隊の所持金を仮想的に示す金銭アイテム等が存在する。カード引き替えアイテムとしては、例えば水晶アイテムが存在する。プレーヤは水晶アイテムを所定個数(例えば6個)集めると、水晶アイテムに応じて予め定められたノーマル又はレア武将カードが得られる。カード引き替えアイテムは、そのカード引き替えアイテムを所持する軍隊との対戦で勝利する、そのカード引き替えアイテムを得るためのクエストを一定回数経験する、或いは、仮想通貨を用いて購入することで付与される。
【0138】
また、プレーヤは回復薬アイテムを使用すると軍隊のエネルギー値を回復薬アイテムの種類に応じて定められた値だけ回復させることができる。ここで、回復薬アイテムは、回復薬アイテムを得るためのクエストを一定回数経験する、或いは仮想通貨を購入することで得られる。
【0139】
金銭アイテムは、仮想通貨のように現金を換金して得られるものではなく、軍隊の所持金を仮想的に示したものであり、このゲームでのみ有効な金額である。そして、金銭アイテムは、例えば、レベル値を上昇させたり、エネルギー値を回復させたりする際に使用される。なお、軍隊管理部25は、軍隊同士を対戦させた場合、勝利した軍隊に負けた軍隊の金銭アイテムの一部を譲渡させる。
【0140】
カードのフィールドには、軍隊が所持する武将カードを特定するためのカードID、及び各武将カードが持つカードレベル値、及び各武将カードが持つカードエネルギー値が格納されている。カードレベル値は、カードエネルギー値の最大値を規定する。つまり、カードレベル値が大きいほどカードエネルギー値の最大値が増大し、軍隊のエネルギー値が増大するのである。また、カードレベル値は、クエストの経験回数や、対戦に勝利した回数に応じて増大される。よって、カードエネルギー値もカードレベル値の増大に応じて増大する。
【0141】
対戦履歴のフィールドには、軍隊が敵軍隊と対戦を行った年、月、日、時刻と、その敵軍隊の軍隊IDとが対応付けて格納されている。
【0142】
カードデータベースは仮想カード毎に1つのレコードが割り付けられ、カードID、種別、カードレベル値、及びカード基本値のフィールドを備えている。種別のフィールドには、武将カードの種類を示す情報が格納され、本実施の形態では、ノーマル又はレア武将カードであるかを示す情報が格納されている。カードレベル値のフィールドには武将カードが個別に持つ初期のカードレベル値が格納されている。カード基本値のフィールドには、プレーヤが武将カードを持つことができる枚数を規定するためのカード基本値が格納されている。
【0143】
図2に戻り、軍隊管理部25は、軍隊情報データベースを参照し、両軍隊のエネルギー値を比較し、エネルギー値が高い方の軍隊を勝利させる。
【0144】
そして、軍隊管理部25は、自軍隊が水晶のアイテムを奪うことを目的として、敵軍隊に対戦を挑み、勝利した場合、自軍隊のアイテムのフィールドに敵軍隊から奪った水晶のアイテムを書き込み、かつ、敵軍隊のアイテムのフィールドから奪われた水晶のアイテムを削除する。これにより、自軍隊は敵軍隊から水晶のアイテムを奪うことができる。
【0145】
また、軍隊管理部25は、対戦により両軍隊のエネルギー値をそれぞれ減少させてもよい。この場合、軍隊管理部25は、勝利した軍隊のエネルギー値の減少量を負けた軍隊のエネルギー値の減少量よりも少なくすればよい。こうすることで、対戦に勝利することで得られるメリットをより高めることができ、対戦の緊張感を高めることができる。
【0146】
また、軍隊管理部25は、両軍隊が持つ各武将カードの減少量を個別に求め、各武将カードのエネルギー値を減少さればよい。この場合、軍隊管理部25は、各武将カードのエネルギー値のトータルの減少量を求め、このエネルギー値トータルの減少量を均等に又は重み付けして各武将カードに割り振って、各武将カードのエネルギー値を減少させればよい。
【0147】
また、軍隊管理部25は、軍隊同士を対戦させた場合において、勝利した軍隊を所有するプレーヤが預金プレーヤである場合、負けた軍隊から奪う金銭アイテムの価値に所定の増幅率を乗じ、得られた価値の金銭アイテムを勝利した軍隊に譲渡させてもよい。
【0148】
この場合、特典付与部24は、増幅率として、勝利したプレーヤがノーマルプレーヤである場合、1.0に設定し、勝利したプレーヤが預金プレーヤである場合、1.0より大きな値(例えば1.5、2.0等)の値を設定する。これにより、預金プレーヤに付与する特典がノーマルプレーヤよりも増大し、ノーマルプレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【0149】
なお、特典付与部24は、特典付与確率Pgと同様、預金プレーヤの頻度が増大するにつれて、預金プレーヤの預金期間が長くなるにつれて、及び/又は預金額が増大するにつれて増幅率を増大させてもよい。この場合、預金プレーヤの増幅率の最小値は、ノーマルプレーヤの増幅率よりも大きく設定すればよい。
【0150】
また、軍隊管理部25は、プレーヤがゲームを実行していない場合、軍隊のエネルギー値を所定の回復率で経時的に回復させる。この場合、特典付与部24は、預金プレーヤの回復率を、ノーマルプレーヤの回復率よりも高く設定する。これによっても、預金プレーヤに付与する特典がノーマルプレーヤよりも増大し、ノーマルプレーヤに対して仮想通貨を預金しようとする動機付けを与えることができる。
【0151】
この場合、特典付与部24は、特典付与確率Pgと同様、預金プレーヤの頻度が増大するにつれて、預金プレーヤの預金期間が長くなるにつれて、及び/又は預金額が増大するにつれて回復率を増大させてもよい。この場合、預金プレーヤの回復率の最小値は、ノーマルプレーヤの回復率よりも大きく設定すればよい。
【0152】
図3は、図1に示す端末装置12のブロック図である。端末装置12は、操作表示部31、制御部32、記憶部33、及び通信部34を備える。操作表示部31は、例えばタッチパネル式の表示装置により構成され、ユーザから入力される種々の操作指示を受け付けると共に、ゲームについての種々の画像を表示する。本実施の形態では、特に、仮想通貨の購入指示や仮想通貨の預金指示等の指示を受け付け、ゲーム運用装置11から送信されるデータに従ってゲームについての種々の画像を表示する。
【0153】
制御部32は、例えば、CPUにより構成され、端末装置12の全体制御を司る。記憶部33は、例えば、不揮発性の記憶装置により構成され、端末装置12に上記のゲームを行わせるためのプログラムや上記のゲームを行う上で必要になる画像データ等を記憶する。
【0154】
通信部34は、通信回線NTに対して種々のデータを送信し、通信回線NTに流れる種々のデータを受信する通信回路により構成されている。本実施の形態では、特に、通信部34は、預金指令、返金指令、預金更新指令、及び抽選処理依頼アイテムの使用指令等をゲーム運用装置11に送信する。
【0155】
図5は、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置11に端末装置12がログインし、敵軍隊と対戦する際の処理を示すフローチャートである。まず、端末装置12は、プレーヤにより入力されるログイン指示を受け付けると(S501でYES)、ログイン指令をゲーム運用装置11に送信する。一方、端末装置12は、ログイン指示を受け付けない場合(S501でNO)、処理をS501に戻す。
【0156】
図9は、本発明の実施の形態によるゲーム運用装置11で実行されるゲームにおいて、端末装置12表示されるログイン画面の画面図である。このログイン画面は、プレーヤが端末装置12を操作し、ゲーム運用装置11にアクセスすることでダウンロードされる。
【0157】
このログイン画面に表示された“いざ戦国ゲームマイページへ”と記載された項目91への入力指示を端末装置12に入力することで、プレーヤはログイン指示を入力する。そして、この項目91への入力指示を行うとゲーム運用装置11にログイン指令が送信される。
【0158】
図9のログイン画面では、プレーヤが既にゲーム運用装置11に対して会員登録を行っているため、項目91が表示されているが、プレーヤが会員登録を行っていない場合は、このゲームのトップページにおいて会員登録を行えば、以後、項目91が表示されたログイン画面が端末装置12に表示される。
【0159】
図5に戻り、ゲーム運用装置11は、端末装置12から送信されたログイン指令を受信すると(S521でYES)、図4に示す履歴情報データベースにおいて、ログイン指令を送信したプレーヤのゲーム履歴のログインのフィールドにログイン指令を受信又は送信した年、月、日、時刻を書き込む(S522)。これにより、ログイン指令を送信したプレーヤのゲーム履歴が更新される。なお、ゲーム運用装置11は、端末装置12からログイン指令を受信しない場合(S521でNO)、処理をS523に進める。
【0160】
プレーヤは、ゲーム運用装置11にログインするとマイページ画面がプレーヤの端末装置12に表示される。図10は、マイページ画面を示した図である。
【0161】
このマイページ画面の上部の右側には、プレーヤが所有する軍隊の能力値が表示されている。この例では、能力値として、“Lv5”、“体力”、“攻撃”、“防御”“友情”、“ゼニ”、“カード”の項目が表示されている。“Lv5”は、リーダ武将カードのレベル値を示しており、この場合、軍隊のレベル値はレベル5である。
【0162】
“体力”、“攻撃”、“防御”はリーダ武将カードの能力値を示すパラメータであり、それぞれ、分数で表記されている。分母の値は、パラメータ毎に蓄積することができるエネルギー値の最大値を示し、軍隊の持つレベル値に応じた値を持つ。分子の値は、リーダ武将カードが持つパラメータ毎の現在のエネルギー値を示している。
【0163】
“ゼニ”は軍隊が持つ金銭アイテムの価値を示している。“カード”は軍隊が所持する武将カードの枚数を示している。
【0164】
このマイページ画面の上部の左側には、“水”と記載され、リーダ武将カードの属性が表示されている。“水”の下にはリーダ武将カードを画像化して示したサムネイル画像が表示されている。
【0165】
マイページ画面の下部には、“クエスト”、“合戦”、“カード合成”、“ガチャ”のボタンが2行2列で表示されている。プレーヤが“クエスト”を選択すると、クエストの実行画面がゲーム運用装置からダウンロードされ、端末装置12に表示される。このクエストの実行画面では、プレーヤに対して簡単なボタン操作を促す内容が表示され、この内容にしたがってプレーヤがボタン操作を行うと、プレーヤは所有する軍隊にクエストを経験させることができる。そして、このクエストの経験回数が一定回数に到達すると、軍隊のレベル値が1ポイント増大する。
【0166】
プレーヤが“合戦”を選択すると、対戦相手選択画面がゲーム運用装置11から端末装置12にダウンロードされ、端末装置12に表示される。対戦相手選択画面には対戦候補となる別のプレーヤの軍隊がリスト表示されている。そして、プレーヤはリスト表示された軍隊のうちいずれか1つの軍隊を選択すると、図11に示す軍隊の詳細を示す画面が端末装置12に表示される。
【0167】
図11は、プレーヤが選択した対戦候補となる軍隊の詳細を示す画面図である。図11の画面の上部R111には、軍隊のリーダ武将カードの画像及び能力値を規定するパラメータが示されている。図11では、“Lv○”、“必要魔力○○○”、“攻○○○”、“防○○○”と表示されている。“Lv”はリーダ武将カードが持つレベル値を示している。“必要魔力”、“攻”、“防”はそれぞれ、リーダ武将カードの能力値を示すパラメータであり、レベル値に応じた値を持つ。
【0168】
上部R111の下に表示された中部R112は、上部R111に表示されたリーダ武将カードが属する軍隊が所持する武将カードを表示させるための入力欄である。武将カードには“炎”、“風”、“水”等の属性が規定されている。中部R112に表示された例えば“炎”をプレーヤが選択すると“炎”の属性を持つ“武将A”の武将カードが下部R113に表示される。
【0169】
また、中部R112に表示された条件表示欄R1121には、下部R113に表示させる武将カードの表示順序を規定するための条件が入力される。条件表示欄R1121は、条件がプルダウン形式で表示されるため、プレーヤはいずれかの条件を選択し、“並べ替え”ボタンを選択することで、選択した条件に従った順序で武将カードを表示させることができる。
【0170】
図11の例では、“防御高い順”が選択されているため、下部R113において、“防御”のパラメータが高い順に武将カードがリスト表示される。そして、図11の例では、“武将B”の武将カードが表示されている。これにより、プレーヤは、対戦候補となる軍隊が“武将B”の武将カードを持っていることを認識することができる。
【0171】
この“武将B”の武将カードは、“レア”と表記されており、レア武将カードであることが分かる。下部R113には、各武将カードの画像、名称、及び能力値等が記載されている。
【0172】
そして、プレーヤは、上部R111に表示されたリーダ武将カードが属する軍隊との対戦を希望し、対戦開始画面への遷移指示を入力すると、図11(B)に示す対戦開始画面が端末装置12に表示される。そして、この対戦開始画面において、プレーヤは“決定”ボタン(図略)を選択することで、対戦指示を入力する(S503でYES)。
【0173】
対戦指示がプレーヤにより入力されると、対戦指令がプレーヤの端末装置12からゲーム運用装置11に送信される(S504)。一方、対戦指示がプレーヤにより入力されない場合(S503でNO)、処理が図6のS601に進められる。
【0174】
ゲーム運用装置11は、対戦指令を受信すると(S523でYES)、勝敗判定を行い(S524)、対戦結果を端末装置12に送信する(S525)。この場合、端末装置に12は、図12(A)に示す対戦画面を表示する。図12(A)は、対戦画面を示した図である。この対戦画面には、プレーヤの軍隊が所持する武将カードが一覧表示されている。そして、ゲーム運用装置11は、上述したように、軍隊同士のエネルギー値を比較して勝敗を決定する。
【0175】
そして、プレーヤが対戦に勝利した場合、ゲーム運用装置11は、図12(B)に示す勝利報知画面を端末装置12に送信する。一方、プレーヤが対戦に負けた場合は、そのことを報知する画面を端末装置12に送信する。
【0176】
そして、ゲーム運用装置11は、対戦結果にしたがって、図4に示す軍隊情報データベースを更新し(S526)、処理を図6に示すS621に進める。具体的には、ゲーム運用装置11の軍隊管理部25は、対戦した両軍隊が所持する各武将カードのカードエネルギー値の減少量を求め、対戦後の各武将カードのカードエネルギー値を求め、求めたカードエネルギー値でカードのフィールドを更新する。また、軍隊管理部25は、対戦後の各武将カードのカードエネルギー値の合計値で、能力値のフィールドを更新する。また、軍隊管理部25は、対戦によって奪われたアイテムをアイテムのフィールドから削除すると共に、対戦によって奪ったアイテムをアイテムのフィールドに書き込む。また、軍隊管理部25は、対戦した両軍隊の対戦した年、月、日、時刻に対戦した軍隊の軍隊IDを対応付けて対戦履歴のフィールドに書き込む。
【0177】
なお、ゲーム運用装置11は、対戦指令を受信しない場合(S523でNO)、処理を終了させる。図6は、仮想通貨の預金時、アイテム購入時、預金更新時、及び返金時における端末装置12とゲーム運用装置11との処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、図5に続くフローチャートである。
【0178】
まず、端末装置12は、プレーヤから仮想通貨を預金するための預金指示の入力を受け付けると(S601でYES)、預金指令をゲーム運用装置11に送信する。一方、端末装置12は、プレーヤから預金指示の入力を受け付けない場合(S601でNO)、処理をS603に進める。
【0179】
ゲーム運用装置11は、預金指令を受信すると(S621でYES)、預金指令にしたがって、図4に示す預金情報データベースを更新する(S622)。一方、ゲーム運用装置11は、預金指令を受信しない場合(S621でNO)、処理をS623に進める。
【0180】
これにより、プレーヤは仮想通貨を預金することになる。以後、ゲーム運用装置11は、預金期間が満了するまで、預金した仮想通貨のプレーヤによる使用を禁止する。
【0181】
次に、端末装置12は、プレーヤからアイテムを購入するためのアイテム購入指示の入力を受け付けると(S603でYES)、アイテム購入指令をゲーム運用装置11に送信する(S604)。一方、端末装置12は、プレーヤからアイテム購入指令の入力を受け付けない場合(S603でNO)、処理をS605に進める。
【0182】
ゲーム運用装置11は、アイテム購入指令を受信すると(S623でYES)、預金期間であるか否かを判定する(S623)。この場合、ゲーム運用装置11は、預金情報データベースにアイテム購入指示を入力したプレーヤのレコードが存在すれば、預金期間であると判定すればよい。
【0183】
ゲーム運用装置11は、預金期間であると判定した場合(S624でYES)、プレーヤによるアイテムの購入を禁止する(S626)。この場合、ゲーム運用装置11は、預金期間であるため、アイテムを購入することができなかったことをプレーヤに報知する画面を端末装置12に表示させればよい。
【0184】
なお、預金期間であっても、プレーヤが預金していない仮想通貨を所持し、その仮想通貨がアイテムの購入価格よりも多ければ、ゲーム運用装置11は、アイテムの購入を許可すればよい。
【0185】
一方、ゲーム運用装置11は、預金期間でないと判定した場合(S624でNO)、プレーヤが所持する仮想通貨が購入を希望するアイテムの価格よりも多ければ、当該アイテムの購入を許可する(S625)。
【0186】
なお、ゲーム運用装置11は、アイテム購入指令を受信しなかった場合(S623でNO)、処理をS627に進める。
【0187】
端末装置12は、プレーヤから預金を更新する預金更新指令の入力を受け付けると(S605でYES)、預金更新指令をゲーム運用装置に送信する(S606)。一方、端末装置12は、預金更新指令の入力を受け付けなかった場合(S605でNO)、処理をS607に進める。
【0188】
ゲーム運用装置11は、預金更新指令を受信すると(S627でYES)、預金情報データベースを更新する(S628)。具体的には、ゲーム運用装置11の預金管理部22は、預金更新指令が示す預金額の増額分を現在の預金額に加算し、加算した預金額で預金更新指示を入力したプレーヤの預金額のフィールドの預金額を更新する。また、預金管理部22は、預金更新指令の受信日を預金期間の開始日として、預金更新指示を入力したプレーヤの預金期間の預金開始日を更新する。また、預金管理部22は、更新した預金開始日から預金更新指示が示す預金期間を加えた日を預金終了日として、預金更新指示を入力したプレーヤのレコードの預金終了日を更新する。
【0189】
端末装置12は、プレーヤから預金した仮想通貨の返金を依頼する返金指示の入力を受け付けた場合(S607でYES)、返金指令をゲーム運用装置11に送信する(S608)。一方、端末装置は、返金指示の入力を受け付けない場合(S607でNO)、処理を図7のS701に進める。
【0190】
ゲーム運用装置11は、返金指示を受信すると(S629でYES)、預金情報データベースから返金指示を入力したプレーヤのレコードを削除し、預金情報データベースを更新する(S630)。このとき、削除したレコードの格納されていた預金額は、プレーヤ情報データベースの仮想通貨のフィールドに書き込まれる。これにより、預金した仮想通貨がプレーヤに返金される。一方、ゲーム運用装置11は、返金指示を受信しない場合(S629でNO)、処理を図7のS721に進める。
【0191】
図7は、抽選処理が行われる際の端末装置12とゲーム運用装置11との処理を示すフローチャートである。このフローチャートは図6の続きのフローチャートである。
【0192】
端末装置12は、プレーヤからアクセスに基づく抽選処理をゲーム運用装置11に実行させるための抽選指示(以下、“アクセスに基づく抽選指示”と記述する。)の入力を受け付けると(S701でYES)、アクセスに基づく抽選処理をゲーム運用装置11に実行させるための抽選指令(以下、“アクセスに基づく抽選指令”と記述する。)をゲーム運用装置11に送信する(S702)。
【0193】
ここで、図10に示すマイページ画面の“ガチャ”のボタンがプレーヤにより選択されると、端末装置12には、図13に示す抽選処理の選択画面が表示される。この抽選処理の選択画面は、3段の画像領域R131、R132、R133を備えている。画像領域R131は、カード引き替えアイテムを購入したプレーヤがカード取得アイテムを使用することで実行される抽選処理(以下、“アイテムに基づく抽選処理”と記述する。)を依頼するための画像領域である。画像領域R132は、預金プレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼するための画像領域である。画像領域R133は、ノーマルプレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼するための画像領域である。画像領域R131〜R133には、それぞれモアイの画像が表示されている。画像領域R131の4隅には、装飾模様が付されて高級感が醸し出されており、アイテムに基づく抽選処理であることがプレーヤに報知されている。
【0194】
画像領域R133の上部には“スロット”と記載され、ノーマルプレーヤのアクセスに基づく抽選処理であることがプレーヤに報知されている。
【0195】
画像領域R132にはモアイ以外特に何も表示されておらず、預金プレーヤのアクセスに基づく抽選処理であることがプレーヤに報知されている。
【0196】
画像領域R131〜R133には、それぞれ“実行”ボタンが表示され、プレーヤはこの“実行”ボタンを選択することで、抽選処理を依頼することができる。
【0197】
カード引き替えアイテムを購入したプレーヤが抽選処理を依頼する場合、画像領域R131の“実行”ボタンを選択することで、アイテムに基づく抽選処理を依頼することができる。
【0198】
預金プレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼する場合、画像領域R132の“実行”ボタンを選択することで、アクセスに基づく抽選処理を依頼することができる。なお、預金プレーヤは、少なくとも1日あたり1回、アクセスに基づく抽選処理を依頼することができる。
【0199】
ノーマルプレーヤがアクセスに基づく抽選処理を依頼する場合、画像領域R132の“実行”ボタンを選択することで、アクセスに基づく抽選処理を依頼することができる。なお、ノーマルプレーヤは、例えば、所有する軍隊のエネルギー値が一定の値を超えていれば、抽選処理を依頼することができ、エネルギー値が一定の値を超えていなければ、抽選処理を依頼することができない。
【0200】
図7に戻り、ゲーム運用装置11は、アクセスに基づく抽選指令を受信すると(S721でYES)、アクセスに基づく抽選指示を入力したプレーヤが預金プレーヤであるか否かを判定する(S722)。そして、ゲーム運用装置11は、預金プレーヤであると判定した場合(S722でYES)、前回、抽選処理を行ってから1日以上経過していれば、預金プレーヤの頻度、預金額、及び預金期間から特典付与確率を設定し、抽選処理を実行する(S723)。
【0201】
一方、アクセスに基づく抽選指示を入力したプレーヤがノーマルプレーヤである場合(S722でNO)、ゲーム運用装置11は、ノーマルプレーヤに対して予め定められた特典付与確率を設定し、抽選処理を実行する(S724)。この場合、預金プレーヤの特典付与確率は、ノーマルプレーヤの特典付与確率よりも1000倍程度高い値に設定されているため、預金プレーヤに対してレア武将カードが当たる確率が大幅に高くなる。
【0202】
次に、ゲーム運用装置11は、抽選結果を端末装置12に送信する(S725)。この場合、端末装置12は、モアイの口から武将カードが引き出される画面演出を行った後、抽選の結果得られた武将カードの画像を表示する。
【0203】
図14は、レア武将カードの画像を示した図である。図15は、ノーマル武将カードの画像を示した図である。図14に示すようにレア武将カードの画像には、武将のキャラクタ画像が表示され、かつ、4隅には、例えば金色の装飾が施され、グレードの高さが醸し出されている。これによりプレーヤは、レア武将カードが得られたことを認識する。
【0204】
一方、ノーマル武将カードは、武将のキャラクタを示す画像のみが表示され、図14のような装飾が施されておらず、レア武将カードに比べてグレードの低さが醸し出されている。
【0205】
図7に戻り、端末装置12は、プレーヤによりアイテムに基づく抽選指示の入力を受け付けると(S704でYES)、アイテムに基づく抽選指令をゲーム運用装置11に送信する(S705)。一方、端末装置12は、アイテムに基づく抽選指示の入力を受け付けない場合(S704でNO)、処理をS707に進める。
【0206】
ゲーム運用装置11は、アイテムに基づく抽選指令を受信すると(S726でYES)、アイテムに基づく抽選指示を入力したプレーヤが抽選処理依頼アイテムを所持しているか否かを、図4に示す軍隊情報データベースを参照することで判定する(S727)。そして、ゲーム運用装置11は、当該プレーヤが抽選処理依頼アイテムを所持していると判定した場合(S727でYES)、アイテムに基づく抽選処理に対して予め定められた特典付与確率を設定し、抽選処理を実行する(S727)。この場合、設定される特典付与確率は、預金プレーヤに対して設定される特典付与確率よりも高い値が設定される。これにより、アイテムに基づく抽選処理を依頼した場合、レア武将カードが当たる確率がアクセスに基づく抽選処理に比べて高くなる。
【0207】
一方、ゲーム運用装置は、当該プレーヤが抽選処理依頼アイテムを所持していないと判定した場合(S727でNO)、抽選処理を行わず、処理をS730に進める。また、ゲーム運用装置11は、アイテムに基づく抽選指令を受信しない場合(S726でNO)、処理をS730に進める。
【0208】
次に、ゲーム運用装置11は、抽選結果を端末装置12に送信する(S729)。次に、端末装置12は、抽選結果を受信する(S706)。この場合、端末装置12は、S703と同様、抽選処理により得られた武将カードを表示する。
【0209】
次に、端末装置12は、プレーヤからログアウト指示の入力を受け付けると(S707でYES)、ログアウト指令をゲーム運用装置11に送信し(S708)、処理を図5に示すS503に戻す。
【0210】
次に、ゲーム運用装置11は、端末装置12からログアウト指令を受信すると(S730でYES)、該当するプレーヤの履歴情報データベースのログアウトのフィールドにログアウト指令を受信した、年、月、日、時刻を書き込み、履歴情報データベースを更新し(S731)、処理を図5に示すS521に戻す。
【0211】
次に、ゲーム運用装置11による頻度の算出処理について説明する。図8は、頻度の算出処理を示すフローチャートである。まず、ゲーム運用装置11は、頻度の算出タイミングが到来すると(S801でYES)、図4に示す履歴情報データベースに登録された全プレーヤの頻度を算出する(S802)。ここで、頻度の算出タイミングは、上記のように一日毎に到来する。頻度の算出処理の詳細については上述したため、説明を省く。
【0212】
一方、頻度の算出タイミングが到来しない場合(S801でNO)、処理がS801に戻される。次に、ゲーム運用装置11は、S802で算出した頻度で、履歴情報データベースを更新し(S803)、処理を終了する。
【0213】
なお、上記実施の形態では、抽選処理で付与される武将カードをレア武将カードとノーマル武将カードとに分けたが、これに限定されず、レア武将カードを、カードレベル値に応じて複数のレア武将カードに分け、ノーマル武将カードを、カードレベル値に応じて複数のノーマル武将カードに分けても良い。
【0214】
この場合、預金プレーヤの頻度、預金額、預金期間が増大するにつれて、よりカードレベル値の高い武将カードが得られる確率を高く設定してもよい。
【0215】
また、図10において、プレーヤにより“カード合成”が選択された場合、ゲーム運用装置11は、プレーヤが所持し、かつ、指定した2枚の武将カードを合成し、新たに1枚の武将カードを生成してもよい。この場合、新たに生成した1枚の武将カードのカード基本値は、例えば合成前の2枚の武将カードのカード基本値の平均値等を採用し、カードレベル値は、合成前の2枚の武将カードのカードレベル値の和以上の値を採用すればよい。
【0216】
これにより、プレーヤはカード能力値の高い武将カードを所持することができる一方、現在所持している武将カードのカード基本値の合計値が合成前に比べて低くなるため、別の武将カードを更に多く所持することが可能となり、自身の軍隊のカードレベル値の合計値をより高くし、対戦を有利に進めることができる。
【符号の説明】
【0217】
11 ゲーム運用装置
12 端末装置
21 プレーヤ管理部
22 預金管理部
23 履歴管理部
24 特典付与部
25 軍隊管理部
26 ゲーム情報記憶部
27 通信部
31 操作表示部
32 制御部
33 記憶部
34 通信部
NT 通信回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用装置であって、
前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理部と、
前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与部とを備えるゲーム運用装置。
【請求項2】
前記プレーヤが前記ゲームを実行した頻度を管理する頻度管理部を更に備え、
前記特典付与部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤに付与する特典を低下させる請求項1記載のゲーム運用装置。
【請求項3】
前記特典付与部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、前記プレーヤに付与する特典の低下を回復させる請求項2記載のゲーム運用装置。
【請求項4】
前記預金管理部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤが預金した前記仮想通貨の預金額を低下させる請求項2又は3記載のゲーム運用装置。
【請求項5】
前記預金管理部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、低下させた前記仮想通貨の預金額を回復させる請求項4記載のゲーム運用装置。
【請求項6】
前記預金管理部は、前記預金期間が満了するまでに、前記プレーヤの前記端末装置から、預金した前記仮想通貨を返金する返金指令を受信した場合、前記預金額を低下させて前記プレーヤに前記仮想通貨を返金するものであり、前記返金指令の受信時刻から前記預金期間の満了時刻までの期間が長くなるにつれて、前記預金額からの低下額を増大させて、前記プレーヤに前記仮想通貨を返金する請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム運用装置。
【請求項7】
前記預金管理部は、前記預金期間中において、前記プレーヤの前記端末装置から前記預金額を増大させる預金更新指令を受信した場合、現状の預金額を低下させることなく前記預金更新指令により指定された増額分を前記現状の預金額に加算し、加算した額を更新後の預金額とし、かつ、前記預金更新指令の受信時刻を基準として前記預金期間のカウントを開始する請求項6記載のゲーム運用装置。
【請求項8】
前記単位は、仮想カードを含み、
前記仮想カードは、前記集合体の能力値を増大させるための第1仮想カードと、前記第1仮想カードよりも前記集合体の能力値をより高く増大させるための第2仮想カードとを含み、
前記特典付与部は、前記仮想通貨を預金したプレーヤに対して、前記預金期間が満了するまで、前記ゲーム運用装置へのアクセスに基づいて、前記第1仮想カード又は前記第2仮想カードのいずれの仮想カードを前記プレーヤに付与するかを決定する抽選処理を実行し、
前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて高く設定される請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム運用装置。
【請求項9】
前記プレーヤは、預金した仮想通貨とは別の仮想通貨を用いて、前記抽選処理の実行を依頼するための抽選処理依頼アイテムが購入可能であり、
前記特典付与部は、前記抽選処理依頼アイテムが前記プレーヤにより使用された場合、前記特典付与確率を設定し、設定した特典付与確率にしたがって前記抽選処理を実行し、
前記抽選処理依頼アイテムの使用に基づく前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記アクセスに基づいて実行される抽選処理において設定される特典付与確率の最大値よりも高く設定される請求項8記載のゲーム運用装置。
【請求項10】
前記ゲーム空間において、前記集合体同士を対戦させ、両集合体が持つ能力値を比較することで両集合体の勝敗を決定し、決定した勝敗に基づいて、少なくとも負けた集合体の前記能力値を減少させる集合体管理部を更に備え、
前記集合体管理部は、前記プレーヤが前記ゲームを実行していない場合、前記集合体の能力値を所定の回復率で経時的に回復させ、
前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて前記回復率を高く設定する請求項1〜9のいずれかに記載のゲーム運用装置。
【請求項11】
前記集合体が所持する金銭を仮想的に示す金銭アイテムを更に含み、
前記集合体管理部は、前記対戦に勝利した集合体に対して、前記対戦に負けた集合体が所持する金銭アイテムを、当該金銭アイテムが示す価値を所定の増幅率で増大させて譲渡し、
前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金していない場合に比べ、前記増幅率を増大させる請求項10記載のゲーム運用装置。
【請求項12】
プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用方法であって、
コンピュータが、前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理ステップと、
コンピュータが、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与ステップとを備えるゲーム運用方法。
【請求項13】
プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用プログラムであって、
前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理部と、
前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与部としてコンピュータを機能させるゲーム運用プログラム。
【請求項1】
プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用装置であって、
前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理部と、
前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与部とを備えるゲーム運用装置。
【請求項2】
前記プレーヤが前記ゲームを実行した頻度を管理する頻度管理部を更に備え、
前記特典付与部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤに付与する特典を低下させる請求項1記載のゲーム運用装置。
【請求項3】
前記特典付与部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、前記プレーヤに付与する特典の低下を回復させる請求項2記載のゲーム運用装置。
【請求項4】
前記預金管理部は、前記頻度が低下するにつれて前記プレーヤが預金した前記仮想通貨の預金額を低下させる請求項2又は3記載のゲーム運用装置。
【請求項5】
前記預金管理部は、低下した前記頻度が増大に転じた場合、低下させた前記仮想通貨の預金額を回復させる請求項4記載のゲーム運用装置。
【請求項6】
前記預金管理部は、前記預金期間が満了するまでに、前記プレーヤの前記端末装置から、預金した前記仮想通貨を返金する返金指令を受信した場合、前記預金額を低下させて前記プレーヤに前記仮想通貨を返金するものであり、前記返金指令の受信時刻から前記預金期間の満了時刻までの期間が長くなるにつれて、前記預金額からの低下額を増大させて、前記プレーヤに前記仮想通貨を返金する請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム運用装置。
【請求項7】
前記預金管理部は、前記預金期間中において、前記プレーヤの前記端末装置から前記預金額を増大させる預金更新指令を受信した場合、現状の預金額を低下させることなく前記預金更新指令により指定された増額分を前記現状の預金額に加算し、加算した額を更新後の預金額とし、かつ、前記預金更新指令の受信時刻を基準として前記預金期間のカウントを開始する請求項6記載のゲーム運用装置。
【請求項8】
前記単位は、仮想カードを含み、
前記仮想カードは、前記集合体の能力値を増大させるための第1仮想カードと、前記第1仮想カードよりも前記集合体の能力値をより高く増大させるための第2仮想カードとを含み、
前記特典付与部は、前記仮想通貨を預金したプレーヤに対して、前記預金期間が満了するまで、前記ゲーム運用装置へのアクセスに基づいて、前記第1仮想カード又は前記第2仮想カードのいずれの仮想カードを前記プレーヤに付与するかを決定する抽選処理を実行し、
前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて高く設定される請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム運用装置。
【請求項9】
前記プレーヤは、預金した仮想通貨とは別の仮想通貨を用いて、前記抽選処理の実行を依頼するための抽選処理依頼アイテムが購入可能であり、
前記特典付与部は、前記抽選処理依頼アイテムが前記プレーヤにより使用された場合、前記特典付与確率を設定し、設定した特典付与確率にしたがって前記抽選処理を実行し、
前記抽選処理依頼アイテムの使用に基づく前記抽選処理において設定される特典付与確率は、前記アクセスに基づいて実行される抽選処理において設定される特典付与確率の最大値よりも高く設定される請求項8記載のゲーム運用装置。
【請求項10】
前記ゲーム空間において、前記集合体同士を対戦させ、両集合体が持つ能力値を比較することで両集合体の勝敗を決定し、決定した勝敗に基づいて、少なくとも負けた集合体の前記能力値を減少させる集合体管理部を更に備え、
前記集合体管理部は、前記プレーヤが前記ゲームを実行していない場合、前記集合体の能力値を所定の回復率で経時的に回復させ、
前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べて前記回復率を高く設定する請求項1〜9のいずれかに記載のゲーム運用装置。
【請求項11】
前記集合体が所持する金銭を仮想的に示す金銭アイテムを更に含み、
前記集合体管理部は、前記対戦に勝利した集合体に対して、前記対戦に負けた集合体が所持する金銭アイテムを、当該金銭アイテムが示す価値を所定の増幅率で増大させて譲渡し、
前記特典付与部は、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金していない場合に比べ、前記増幅率を増大させる請求項10記載のゲーム運用装置。
【請求項12】
プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用方法であって、
コンピュータが、前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理ステップと、
コンピュータが、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与ステップとを備えるゲーム運用方法。
【請求項13】
プレーヤにより操作される端末装置に所定の通信回線を介して接続され、ゲーム空間内に設定された複数の単位から構成される集合体同士を対戦させるゲームを運用するゲーム運用プログラムであって、
前記ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨を、前記端末装置から送信された前記プレーヤによる預金指令に従って預金し、所定の預金期間が満了するまで、前記プレーヤによる、前記預金した仮想通貨の使用を禁止する預金管理部と、
前記プレーヤが前記仮想通貨を預金した場合、前記プレーヤが前記仮想通貨を預金しない場合に比べ、前記預金期間が満了するまで、前記対戦に対して有利となる特典を前記プレーヤに付与する特典付与部としてコンピュータを機能させるゲーム運用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−235871(P2012−235871A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106007(P2011−106007)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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