説明

コネクタ

【課題】 閉鎖系のコネクタにおいて、ルアー抜去時にコネクタ内の流路空間が陰圧となるのを防止し得るコネクタを提供すること。
【解決手段】 三方活栓100の弁体40にスリット49を設ける。ルアーアクセス時およびルアー抜去時は、スリット49の左右の第一,第二移動部位M1,M2はそれぞれ第一,第二弁体収容室51,52内を進退する。第一,第二弁体収容室51,52は流路空間S外に形成されているので、ルアーアクセス時およびルアー抜去時における第一,第二移動部位M1、M2の進退動作は流路空間Sの容積変動に影響することはなく、上記進退動作により流路空間Sが陰圧となるのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体などの、液体流通流路が形成された液体流通手段に接続されるコネクタに関し、特に、通常は閉鎖しており、必要に応じて開弁して液体を液体流通流路に供給する閉鎖系のコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場において、輸液、輸血、人工透析、あるいは採血などの液体の輸送がよく行われる。各種液体の輸送には、管体状のチューブが液体流通手段として用いられるが、このチューブにコネクタを接続して、複数の液体を合流させたり、または遮断させたりすることがある。斯かるコネクタは、チューブの途中に取り付けられて、そのチューブに他の薬液を混注する混注具として用いられる他、様々な用途で用いられる。例えば、コネクタに切換え弁の機能を持たせて、複数の流路からの液体の供給を制御する三方活栓として用いることもできるし、薬液チューブの末端に取り付けて、通常はその薬液チューブからの液体の供給を遮断し、必要に応じて液体を供給する常閉弁機能を持つ端末コネクタとしても用いることができる。
【0003】
一般的に上記のようなコネクタは、内部に薬液などの液体が流通する流路空間が形成された流路形成部を備える。この流路形成部には、管体などが接続される管体接続口が設けられ、この管体接続口を通じて流路空間に管体内の液体流通流路が接続されて、薬液の流通が行われる。また、流路形成部には、外部から供給すべき液体を供給するための液体供給手段を接続する液体供給手段接続口も形成されている。この液体供給手段接続口に液体供給手段としてのシリンジのルアー部などが差し込まれ、シリンジから薬液などが液体供給手段接続口を介して流路空間内に供給される。
【0004】
しかし、液体供給手段接続口が開放しているコネクタでは、ルアー部が差し込まれていない状態では外部と流路空間とが常時連通する状態となり、流路空間内の薬液が外部にこぼれてしまう場合がある。また、液体供給手段接続口の薬液付着部分から細菌が繁殖してしまうおそれもある。このため、近年では、この液体供給手段接続口に常閉型の弁部材を取り付け、ルアー部が差し込まれていない状態では、液体供給手段接続口が液密的に閉塞されるような、閉鎖系のコネクタを用いることもある。
【0005】
特許文献1には、注射針が接続される接続口に弁部材を取り付け、この弁部材の上方にゴム弁をキャップに螺合した状態で取り付けた閉鎖系のコネクタが記載されている。特許文献1によれば、このコネクタは、注射器を弁部材から抜去したときに液溜まりがゴム弁上に生じるので、こぼれた液の拭き取りが容易であるという効果を奏するものと記載されている。
【特許文献1】特開2004−16437号公報
【発明の開示】
【0006】
特許文献1に記載のコネクタでは、注射針を弁部材に差し込んだときに注射器の口部が弁部材上部に配置されたアダプタを押し込み、さらにアダプタが弁部材をコネクタ内の流路中に押し出すことによって、弁部材が開弁する。このため、注射器の接続時には弁部材の一部が流路中に押し出されることによって流路空間容積が減少する。この状態から注射器を抜去すると、流路中に押し出された部分が元に戻り、流路空間容積は増加して元の容積に戻る。このとき、流路空間容積の増加に伴って流路空間内の圧力が陰圧となり、流路空間に連通した流路内の液体が逆流するおそれがある。このような逆流は好ましくない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みなされたのもので、閉鎖系のコネクタにおいて、液体供給手段の抜去時にコネクタ内の流路空間が陰圧となるのを抑制し得るコネクタを提供することを目的とする。
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係るコネクタの特徴は、内部に液体供給流路が形成された液体供給手段と内部に液体流通流路が形成された液体流通手段とが接続されて、前記液体供給流路と前記液体流通流路とを連通するためのコネクタにおいて、前記液体供給手段が接続可能な液体供給手段接続口および前記液体流通手段が接続可能な液体流通手段接続口を有し、前記液体供給手段接続口および前記液体流通手段接続口に連通する流路空間が内部に形成される流路形成部と、前記液体供給手段接続口に取り付けられ、前記液体供給手段が前記液体供給手段接続口に接続されるときに前記液体供給手段からの押圧力によって移動する移動部位を有し、前記押圧力によって開弁する弁部材と、前記流路空間外に設けられ、前記移動部位を収容する収容室と、を備えるコネクタとすることにある。
【0009】
前述したように構成した本発明のコネクタによれば、液体供給手段が液体供給手段接続口に接続されるときに、弁部材は、液体供給手段によって押圧されて移動する移動部位を有する。この移動部位は、流路空間外に設けられる収容室に収容されるので、上記移動部位が流路空間内にはみ出して流路容積を減少することを防止することができる。このため、液体供給手段を開口部から抜去した場合においても、流路容積の増加を抑えて陰圧となるのを抑えることができ、ひいては流路空間に連通した流路内を流れる液体の逆流を防止することができる。
【0010】
上記コネクタは、液体供給手段と液体流通手段とを接続可能なものであれば、どのようなものでもよい。例えば、流路中に他の液体を混注する混注具として用いてもよいし、コネクタに切換え弁の機能を持たせて複数の流路からの液体の供給を制御する三方活栓として用いてもよい。また、薬液チューブの末端に取り付けて、通常はその薬液チューブからの液体の供給を遮断し、必要に応じて液体を供給する常閉弁機能を持つ端末コネクタとして用いてもよい。
【0011】
上記収容室は、移動部位のうち、流路空間の容積変動に影響するように移動する部位を収容すれば足りる。したがって、元の弁部材の外形内で変形して移動する部位等を収容するものである必要はない。また、上記収容室は流路形成部と一体に形成してもよいし、また別体として形成してもよい。一体に形成する場合には、一つのハウジングに流路空間と収容空間とを区画して形成する構成とするとよい。
【0012】
上記収容室は、外部に連通する窓部を有するものであるとよい。液体供給手段を液体供給手段接続口に取り付けあるいは抜き取るときに、移動部材が収容室内を進退して収容室内の空間容積が変動する。このとき窓部が収容室内に設けられていれば、収容室内の空間容積が変動しても収容室内の圧力が一定に保たれる。よって、収容室内の圧力の増減によって、移動部位が収容室に収容され難くなることや、移動部位が収容室から退避し難くなることを防止することができる。
【0013】
上記弁部材は、流路空間に面した側にスリットが形成され、さらに上記移動部位は、前記液体供給手段が前記液体供給手段接続口に接続されるときに前記スリットの両側に広がって形成される第一移動部位および第二移動部位を有し、上記収容室は、前記第一移動部位を収容する第一収容室および前記第二移動部位を収容する第二収容室を有するものであるとよい。このように構成すれば、弁部材がスリットに対して左右に裂けることにより第一移動部位および第二移動部位を容易に第一収容室および第二収容室に収容することができる。この場合、前記スリットは、外部から前記流路空間にかけて貫通しているものであるとなおよい。スリットが外部から流路空間に貫通していることによって、液体供給手段が液体供給手段接続口に接続されたときにこのスリットを通じて液体供給流路が流路空間に連通可能となる。
【0014】
また、上記コネクタは、前記弁部材が配置される弁配置空間と前記流路空間との連通または遮断を行う補助弁部材を備え、この補助弁部材は、前記液体供給手段が前記液体供給手段接続口から抜き取られるときに前記弁部材よりも先に閉弁して前記流路空間と前記弁配置空間との連通を遮断するものであるとよい。補助弁部材の閉弁によって流路空間と弁配置空間との連通が遮断されるので、それ以後の弁部材の閉弁動作に伴う容積変化が流路空間に伝わることがない。よって、弁部材の閉弁動作に伴う微小な容積変化さえも、流路空間に伝達するのを防ぐことができ、より一層流路空間に連通する液体流通流路内の逆流を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第一実施形態)
以下、本発明に係るコネクタについて、図面を用いて詳しく説明する。まず、第一実施形態として、本発明に係るコネクタを三方活栓として利用した例について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る三方活栓の平面図、図2は正面図、図3は図2を正面図とした場合の左側面図である。これらの図からわかるように、三方活栓100は、外郭を形成するハウジング10と、このハウジング10内に装着される栓体20と、栓体20と一体的に形成された把持部30とを備える。
【0016】
ハウジング10は、筒状部15と、この筒状部15に取り付けられた3本の分岐管である第一分岐管11、第二分岐管12および第三分岐管13を備える。筒状部15には、内部に円柱状の空間が形成される。図4は、図1におけるA−A断面図である。図4からわかるように、各分岐管11,12,13内には、それぞれ分岐流路(第一分岐流路11a、第二分岐流路12a、第三分岐流路13a)が形成されており、各分岐流路11a,12a,13aは、筒状部15の内部に形成される円柱状の空間に開口している。また、第三分岐流路13aには後述する弁体40が取り付けられている。筒状部15、第一分岐管11、第二分岐管12および第三分岐管13が、本発明における流路形成部に相当する。なお、ハウジング10の材質として、本実施形態においては、ポリカーボネート(PC)を用いているが、その他、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)その他の樹脂材料が好ましく使用される。
【0017】
図5は、図2におけるB−B断面図である。図4および図5に示すように、栓体20は外形が円柱形状をしており、筒状部15の内周側に形成される円柱状空間内に回転可能に嵌めこまれている。また、栓体20の外周には、図5に示すように二本の溝部21,22が形成されている。溝部21,22は、栓体20が回転することによって分岐流路11a,12a,13aのいずれかに連通可能となるようにその形状が工夫されている。溝部21,22の間には隔壁23が形成されており、溝部21内の液体はこの隔壁23を越えないと溝部22内に流れないようになっている。栓体20の一方端はハウジング10から突出しており、この突出した端部に把持部30が取り付けられている。把持部30は、三本の腕を備えており(図2参照)、栓体20と一体回転可能である。したがって、把持部30を回転させることによって栓体20も筒状部15の円柱状空間内で回転する。栓体20の回転により溝部21,22の配置状態が変化して、各分岐流路11a,12a,13aの連通や遮断を切換えることができる。なお、栓体20と把持部30の材質は、ポリエチレン(PE)が用いられているが、その他、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)その他の樹脂が使用できる。
【0018】
図4からわかるように、第一分岐流路11aは、筒状部15内の円柱状空間の側面に図示右側から連通しており、その開口部11bは図示右側に開口している。また、第二分岐流路12aは、上記円柱状空間の側面に図示左側から連通しており、その開口部12bは図示左側に開口している。さらに、第三分岐流路13aは、上記円柱状空間の側面に図示上側から連通しており、その開口部13bが図示上側に開口している。第一分岐流路11aの開口部11bには、内部に液体が流通する液体流通流路R1が形成された液体流通手段としての医療用チューブT1の一端が接続可能である。第二分岐流路12aの開口部12bには、内部に液体が流通する液体流通流路R2が形成された液体流通手段としての医療用チューブT2の一端が接続可能である。第三分岐流路13aの開口部13bには、液体を三方活栓100に供給するための液体供給流路Kが内部に形成された液体供給手段としてのシリンジのルアー部Lが接続可能である。
【0019】
図2および図4に示すように、第一分岐管11、第二分岐管12および第三分岐管13は、それぞれ略90度の間隔で筒状部15に連結されている。第一分岐管11と第二分岐管12とは、筒状部15を挟んで対向して配置されている。また、第三分岐管13は、筒状部15の周方向において第一、第二分岐流路11,12からそれぞれ90度の間隔を隔てた位置に配置され、第三分岐流路13aは、第一分岐流路11aおよび第二分岐流路12aに対して直交するように形成されている。
【0020】
図5に示すように、ハウジング10には、筒状部15の図示上部に第一弁体収容室51と第二弁体収容室52が設けられている。第一弁体収容室51および第二弁体収容室52は、第三分岐管13の下方にて図示左右に延びて形成され、内部には蒲鉾状の弁体収容空間51a,52aがそれぞれ形成されている。第一,第二弁体収容室51,52は、一方端に窓部51b,52bが形成されて、この窓部51b,52bから第一,第二弁体収容空間51a,52aが外部と連通している。また、第一,第二弁体収容室51,52の他方端には、図5に示すように斜め上方に延びて形成されたガイド通路53a,53bが形成されている。このガイド通路53a,53bの上方端に第三分岐管13が連結している。
【0021】
図4および図5に示すように、第三分岐流路13aには弁体40が取り付けられている。この弁体40は常閉型の開閉弁であり、図に示す状態では閉弁していて開口部13bが閉塞される。図6は弁体40の斜視図、図7は弁体40の分解斜視図である。これらの図に示すように、弁体40は、対称形状である対の弁体片(第一弁体片41,第二弁体片46)で構成され、これらの第一,第二弁体片41,46が互いに対称的に向き合わさって第三分岐管流路13aの開口部13bに取り付けられている。両弁体片41,46は、それぞれ本体部42,47および支持腕43,48を備える。本体部42,47は、図6に示されるように両弁体片41,46が組み合わされた状態において、上端から円柱状に形成された円柱部42a,47aと、この円柱部42a,47aの図示下部にてテーパ状に拡径していくテーパ部42b,47bと、テーパ部42b,47bの図示下端からさらに水平方向に拡径するとともに鉛直下方に向かって円筒状に形成された大径部42c,47cを有する。大径部42c,47cは、その内部が下端から円錐台形状にくり貫かれている。
【0022】
本実施形態においては、テーパ部42b,47bおよび大径部42c,47cは等方向に拡径しているわけではなく、所定の径方向(図6においてX軸に沿った方向)に拡径しており、その方向とは垂直な径方向(図6においてY軸に沿った方向)には拡径していない。したがって、テーパ部42b,47bおよび大径部42c,47cを上面方向から見れば楕円形状となっている。このような形状の弁体40は、図示6のY方向に沿って鉛直に切断されて、対の弁体片41,46とされている。したがって、両弁体片41,46が向き合わさる面は平面状となり、この平面が向き合うことにより、弁体40を図示上方から下方まで貫通するスリット49が形成される。
【0023】
図6および図7に示すように、円柱部42a,47aの側周には支持腕43,48が取り付けられている。支持腕43,48は、上記スリット49に対して対称となるように、図6においてX軸方向に沿って設けられている。支持腕43,48は、折れ曲がり可能なように薄く形成され、円柱部42a,47aの側周から径方向外方に延びて形成されている。
【0024】
上記構成の弁体40が、対の弁体片41,46を組み合わせた状態で図5に示すように第三分岐流路13aに取り付けられる。このとき、円柱部42a,47aが第三分岐流路13aに配設され、テーパ部42b,47bが第三分岐管13につながるガイド通路53a,53bに配設され、大径部42c,47cがガイド通路53a,53bにつながる第一弁体収容室51,第二弁体収容室52に僅かに入るように配設される。このように弁体40を配設すると、スリット49が外部から流路空間Sにかけて貫通するように形成される。また、第三分岐流路13aの開口部13bにはキャップ17が被せられる。キャップ17は、内周孔を有するリング形状をしており、ルアーロックのためのネジを外側面に形成している(図2、図3参照)。このキャップ17が上記開口部13bに被せられて固定されることにより、支持腕43,48がキャップ17によって折り曲げられて、キャップ17の側周内面と第三分岐管13の側周外面との間で狭着固定される。
【0025】
上記のように構成された本実施形態の三方活栓100において、図4に示すように第一分岐管11の開口部11bおよび第二分岐管12の開口部12bに医療用チューブT1およびT2が取り付けられた状態で、把持部30を回転操作して、第一分岐流路11aを栓体20に形成された溝部21に連通し、第二分岐流路12aを溝部22に連通する。そして、第一分岐管11に接続された医療用チューブT1から薬液を流す。すると、この薬液は第一分岐流路11aから栓体20の溝部21に流れる。溝部21内の薬液は、隔壁23を乗り越えて溝部22に入る。そして、溝部22から第二分岐流路12aに流れる。このようにして流路が形成される。ここで、溝部21,22内の空間、隔壁23よりも上部の空間、および第一、第二分岐流路11a,12aが、三方活栓100内の流路空間Sを構成する。
【0026】
このとき、図5に示すように第三分岐管13の開口部13bは弁体40により液密的に閉塞されて、閉じている状態になっている。したがって、流路空間Sを流れる液体が第三分岐管13から外部に漏れ出すことはない。また、外部から何らかの不純物が第三分岐管13の開口部13bを経由して第三分岐流路13aに進入することもない。
【0027】
図8(a)〜(c)は、弁体40の開弁時および閉弁時の作動状態を示す図である。ルアー部Lを第三分岐管13の開口部13bに接続する際には、まず図8(a)に示すように、ルアー部Lの先端を弁体40の本体部42,47の上面に近づける。そして、ルアー部Lの先端を本体部42,47に上面から押し付けて、本体部42,47を第三分岐管13内に押し込む。すると、図8(b)に示すようにルアー部Lからの押圧力によってスリット49の上方が押し開かれるとともに、本体部42,47が弾性変形する。この弾性変形によって本体部42,47がガイド通路53a,53bを通って第一,第二弁体収容室51,52に収容される。
【0028】
さらにルアー部Lによって本体部42,47を第三分岐管13内に押し込むと、図8(c)に示すように、スリット49が鉛直方向に開通してルアー部Lが流路空間Sに露呈する。そして、本体部42、47がさらに第一,第二弁体収容室51,52内に進入する。図8(c)のような状態となったら、ルアー部Lに嵌挿されたロックリング(図示省略)をキャップ17の外周に形成されたネジにより螺合固定することにより、第三分岐管13の開口部13bへのルアー部Lの取り付け(ルアーアクセス)が完了する。なお、ルアー部Lには、シリンジのみならず、医療用チューブを接続することもできる。
【0029】
ルアーアクセス完了時には、弁体40は図8(c)に示すような状態となる。本体部42は、ルアー部Lからの押圧力によって第一弁体収容室51に移動した部位(第一移動部位M1)と、ルアー部Lと第三分岐管13との間で引き伸ばされる部位(第一引き伸ばし部位H1)とを形成するように変形し、これらの部位が支持腕43によって支持される。同様に、本体部47は、ルアー部Lからの押圧力によって第二弁体収容室52に移動した部位(第二移動部位M2)と、ルアー部Lと第三分岐管13との間で引き伸ばされる部位(第二引き延ばし部位H2)とを形成するように変形し、これらの部位が支持腕48によって支持される。この状態でルアー部Lに接続されるシリンジ等から薬液を供給すると、薬液が液体供給流路Kから溝部21内または22内に注入されて、流路空間Sを流れる液体に混入される。このようにして第三分岐管13側からの薬液の混注が行われる。なお、本実施形態の三方活栓100は、栓体20の回転操作によって流路の接続を切り換えることができる。例えば、第二分岐流路12aと第三分岐流路13aとを連通し、第一分岐流路11aと第二分岐流路12aとの連通を遮断することができる。このような状態で第三分岐管13の開口部13bにルアー部Lを接続し、ルアー部Lからの液体を第二分岐流路12aに流すこともできる。
【0030】
第三分岐管13の開口部13bからルアー部Lを抜き去る(ルアー抜去)ときには、ルアー部Lの固定を解除した後に、ルアー部Lを図8(c)において上方に引き上げる。すると、第一,第二弁体収容室51,52内に収容されていた第一,第二移動部位M1,M2が復元力によって収容室51,52から退避し、ルアー部Lが引き抜かれて空間となった部分を埋めようとする。このとき、図8(b)に示すようにルアー部Lの先端から最も遠い部分、つまり流路空間Sに面した部分からスリット49が閉じ、ルアー部Lが上昇していくにつれて閉じた部分が上昇していく。そして、ルアー部Lが完全に引き抜かれると、図8(a)の状態に復帰する。
【0031】
以上のように、本実施形態の三方活栓100は、弁体40のうちルアー部Lからの押圧力によって移動する第一,第二移動部位M1,M2が収容される第一,第二弁体収容室51,52が流路空間S外に形成されているので、ルアーアクセス時およびルアー抜去時に第一,第二移動部位M1,M2が流路空間Sに進入することはない。よって、ルアー抜去時における第一,第二移動部位M1、M2の移動が流路空間Sの容積変動に影響することはなく、上記移動により流路空間Sが陰圧となるのを抑制することができる。また、ルアー抜去時には図8(b)に示すようにスリット49がルアー部Lの先端から最も離れた部分、つまり流路空間Sに面した部分から閉じて行くので、スリット49の開閉に伴う流路空間Sの容積変動を最小限に抑えることができ、より一層流路空間S内の圧力変動、特に流路空間Sが陰圧になることを抑えることができる。このため、三方活栓100に接続された医療用チューブT1,T2内の液体流通流路R1,R2内の液体が逆流することを抑制することができる。
【0032】
また、第一,第二弁体収容室51,52には窓部51b,52bが形成されていて、この窓部51b,52bを通じて第一,第二弁体収容空間51a,52aが外部と連通しているので、第一,第二移動部位M1,M2が第一,第二弁体収容室51,52内を進退するときの第一,第二弁体収容空間51a,52a内の圧力変動を抑えることができる。よって、ルアーアクセス時に第一,第二弁体収容空間51a,52a内が陽圧となって弁体40を押し込むことができなくなることを防止することができる。また、ルアー抜去時に第一,第二弁体収容空間51a,52a内が陰圧となってルアー部Lを引き抜くことができなくなることを防止することができる。また、第一,第二弁体収容室51,52と第三分岐管13との間にガイド通路53a,53bを設けたので、本体部42,47がこのガイド通路53a,53bを経由して第一,第二弁体収容室51,52にスムーズに進入することができ、弁体40の開弁動作の信頼性を向上することができる。
【0033】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態につき説明するが、本実施形態は、平板状の補助弁体を設けた点に特徴を有し、その他の点については上記第一実施形態と同様の形態である。
【0034】
図9(a)〜図9(d)は、本実施形態における三方活栓200の構造および弁体40の開閉時における作動状態を示す図である。図9(a)に示すように、本実施形態における三方活栓200は、第一,第二弁体収容室51,52のそれぞれ直下に第一,第二補助弁体収容室55,56が設けられる。そして、この第一,第二補助弁体収容室55,56内には、それぞれ平板状の第一,第二補助弁体片61,62が配設されている。これらの第一,第二補助弁体片61,62が対となってひとつの補助弁体60を構成する。第一,第二補助弁体61、62は、第一,第二補助弁体収容室55,56内に配置される固定部61a,62aと、この固定部61a,62aに連結するとともに流路空間S内に配された弁部61b,62bを有する。弁部61b,62bの先端同士は当接しており、この当接によってスリット63が形成されている。スリット63は、弁体40のスリット49の直下に形成され、通常時は閉じており、押圧力によって開くようにされている。このように配置された補助弁体60は、弁体40が配置されている弁配置空間である第三分岐流路13aと流路空間Sとの連通または遮断を行うように構成される。その他の構成は、上記第一実施形態と同様である。
【0035】
上記構成の三方活栓200において、ルアー部Lが第三分岐管13に押し込まれると、図9(b)に示すように弁体40が変形して、本体部42,47が第一,第二弁体収容室51,52に進入する。さらにルアー部Lが第三分岐管に押し込まれると、図9(c)に示すようにルアー部Lがスリット49を突き抜けて、スリット49が開く。しかし、図9(c)の状態はルアー部Lの先端が補助弁体60に当接していないので、この補助弁体60に形成されているスリット63は閉じたままである。この状態からルアー部Lを僅かに下方に押し進めると、図9(d)に示すようにルアー部Lの先端が補助弁体60に当接する。このため補助弁体60の弁部61b,62bがルアー部Lに押されてスリット63が開く。これにより、弁体40および補助弁体60の双方が開弁し、ルアー部L内の液体供給流路Kが流路空間Sに連通する。このようにしてルアーアクセスが完了する。
【0036】
ルアー抜去時には、ルアー部Lを図9(d)において上方に引き抜く。すると、最初に補助弁体60のスリット63が閉じて図9(c)の状態となる。この状態で既にルアー部Lの液体供給流路Kと流路空間Sとの連通が遮断される。さらにルアー部Lを引き上げると、図9(b)の状態を経て図9(a)の状態に復帰する。このようにしてルアー抜去が完了する。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、弁体40が配置している弁配置空間である第三分岐流路13aと流路空間Sとの連通または遮断を行う補助弁体60は、ルアー抜去時に弁体40よりも先に閉弁して第三分岐流路13aと流路空間Sとの連通を遮断する。このため、ルアー抜去時に弁体40の閉弁動作が流路空間Sの容積変動に影響を及ぼすことを防ぎ、より一層流路空間Sが陰圧となるのを抑制することができる。このとき、補助弁体60の閉弁動作を行う弁部61b,62bは流路空間Sに配置され、且つ、弁体40のスリット49の直下に位置している。よって、この弁部61b,62bが閉弁動作しても、閉弁動作前後で流路空間Sの容積変化はない。よって、補助弁体60の閉弁動作に伴って流路空間Sが陰圧になることはない。
【0038】
上記第一および第二実施形態では、本発明のコネクタを三方活栓に適用した例を示したが、本発明は、流路の途中から液体を混注するための混注具に適用することもできる。図10は、本発明を適用した混注具の平面図、図11は正面図、図12は図11を正面図としたときの左側面図、図13は図10のC−C断面図、図14は図11のD−D断面図である。
【0039】
これらの図からわかるように、混注具300は、外郭を形成するハウジング310を備える。このハウジング310は、第一分岐管311、第二分岐管312および第三分岐管313、および本体部315を備え、各分岐管311,312,313がこの本体部315に接続されている。これらの分岐管311,312,313内には、それぞれ分岐流路(第一分岐流路311a、第二分岐流路312a、第三分岐流路313a)が形成されている。図13に示すように、本体部315内には、第一連通空間315bおよび第二連通空間315cが形成されている。第一連通空間315bと第二連通空間315cとの間には隔壁315aが形成されている。第一連通空間315bと第二連通空間315cは、隔壁315aの図示上部に位置する上部空間315dを介して連通可能とされている。
【0040】
第一連通空間315bは、第一分岐流路311aと連通されており、第二連通空間315cは、第二分岐流路312aと連通されている。したがって、第一分岐流路311aは、第一連通空間315b、上部空間315dおよび第二連通空間315cを介して第二分岐流路312aと連通されている。本例においては、第一分岐流路311a、第二分岐流路312a、第一連通空間315b、第二連通空間315cおよび上部空間315dによって、混注具300内の流路空間Sが構成される。
【0041】
図13からわかるように、第一分岐流路311aの開口部311bは図示右側に開口している。この開口部311bには液体流通手段として医療用チューブなどが接続可能である。第二分岐流路312aの開口部312bは図示左側に開口している、この開口部312bにも液体流通手段として医療用チューブなどが接続可能である。第三分岐流路313aの開口部313bは図示上側に開口している。この開口部313bには、液体供給手段としてのシリンジ等のルアー部等が接続可能である。
【0042】
図13および図14に示すように、第三分岐流路313aの開口部313bには弁体40が取り付けられている。また、第三分岐管313の図示下方側には水平方向に第一弁体収容室51および第二弁体収容室52が一体的に設けられている。第一,第二弁体収容室51,52は、ガイド通路53a,53bを介して第三分岐管313に連結している。弁体40、第一弁体収容室51、第二弁体収容室52、ガイド通路53a,53bの具体的構成は、上記第一実施形態において説明した構成と同一である。
【0043】
上記のように構成された本実施形態の混注具300において、第一分岐管311に接続された薬液チューブから薬液を流す。すると、この薬液は第一分岐流路311aから本体部315の第一連通空間315bに流れる。第一連通空間315b内の薬液は、隔壁315aを乗り越えて上部空間315dに入る。さらに、薬液は、上部空間315dから隔壁315aを挟んで第一連通空間315bとは逆側に形成される第二連通空間315cに入る。そして、第二連通空間315cから第二分岐流路312aに流れる。このようにして流れが形成される。
【0044】
第三分岐管313側から薬液を混注する場合には、シリンジのルアー部を弁体40の上端面に位置させて、弁体40を第三分岐管313内に押し込む。ルアーアクセス時およびルアー抜去時の弁体40の作動は、上記第一実施形態において図8に従って説明した動作と同様である。このように、本発明のコネクタは、混注具においても適用可能である。
【0045】
また、本発明のコネクタは、流路の端部に取り付けて、通常時は流路を閉塞し、チューブやシリンジのルアー部が取り付けられると流路を開通させる端末コネクタとして適用することもできる。図15は、本発明を適用した端末コネクタの平面図、図16は正面図、図17は図16を正面図とした場合の左側面図、図18は図15のE−E断面図、図19は図16のF−F断面図である。
【0046】
これらの図からわかるように、本実施形態の端末コネクタ400は、外郭を形成するハウジング410を備える。このハウジング410には、雄側接続部411、カバー部412、および、端末接続部413が形成されている。
【0047】
雄側接続部411は、細長い円筒形状を呈しており、内部に流路411aが形成されている。流路411aの開口部411bからは、チューブなどの液体流通手段の端末に取り付けられる雌側接続部等が接続される。また、カバー部412は雄側接続部411の外周を覆うように円筒状に形成されている。また、カバー部412の内壁には、内ネジ412aが形成されている。この内ネジ412aは、雄側接続部411に接続されるチューブに取り付けられる雄ネジ部材と螺合して、雌側接続部等を固定するのに使用される。端末接続部413は、雄側接続部411の端部に連結されており、内部に弁体40が配設される弁配置空間413aが形成されている。この弁配置空間413aは、図に示すように雄側接続部411内の流路411aに連通しているとともに、一端が開口413bにて開口している。この開口部413bは、シリンジのルアー部などの液体供給手段が接続可能である。なお、流路411aが、本発明における流路空間Sに相当する。
【0048】
図18および図19に示すように、弁配置空間413aの開口部413bには弁体40が取り付けられている。また、端末接続部413の図示下方側には水平方向に第一弁体収容室51および第二弁体収容室52が一体的に設けられている。第一,第二弁体収容室51,52は、ガイド通路53a,53bを介して端末接続部413に連結している。弁体40、第一弁体収容室51、第二弁体収容室52、ガイド通路53a,53bの具体的構成は、上記第一実施形態において説明した構成と同一である。
【0049】
上記のように構成された端末コネクタ400において、まず、雄側接続部411にチューブなどの管体の端末に取り付けられた雌側接続部等(図示省略)を接続し、カバー部412の内ネジ412aによりこの雌側接続部等を螺合固定する。このとき、弁体40にシリンジのルアー部などの液体供給手段が取り付けられていない場合は、図18に示すように端末接続部413の開口部413bは弁体40によって液密的に閉塞されて、閉じている状態になっている。端末接続部413側から薬液を供給する場合には、シリンジのルアー部などを弁体40の上端面に位置させて、弁体40を端末接続部413内に押し込む。ルアーアクセス時およびルアー抜去時の弁体40の動作は、上記第一実施形態において図8に従って説明した動作と同様である。このように、本発明は、端末コネクタとしても適用可能である。
【0050】
(第三実施形態)
図20は、本発明のコネクタの第三実施形態を示す断面図であり、(a)は弁体540が開弁する前の状態を、(b)は弁体540が開弁したときの状態を示す。図20(a)からわかるように、本実施形態のコネクタは、三方活栓である。この三方活栓500の基本的構成は、上記第一実施形態にて説明した三方活栓100と同様であるので、以下、同一部分について同一符号で示し、差異点を中心に説明する。三方活栓500は弁体540を備える。弁体540にはスリット549が形成されている。このスリット549は、弁体540の下端から3分の2程度の高さまでしか形成されておらず、流路空間Sに面する側に形成され、上下に貫通していない。このため、弁体540は一体に形成される。これ以外の弁体540の構造は、上記第一実施形態にて説明した弁体40の構造と同一である。また、第三分岐流路13a、第一,第二弁体収容室51,52は、連結壁57によって流路空間Sとの連通が遮断されている。さらに、第三分岐管13の側壁には逆三角形形状の連通孔13cが形成されている。この連通孔13cから、第三分岐流路13aと流路空間Sとを連通する連通路13dが形成されている。その他の構成は、上記第一実施形態と同一である。
【0051】
上記構成の三方活栓500において、ルアーアクセス時に、ルアー部Lを弁体540の上面に押し付けて押圧力を付与することによって弁体540を第三分岐管13内に押し込むと、弁体540に形成されたスリット549が上記押圧力によって左右に開く。このため弁体540はスリット549を境に両側に広げられ、広げられた部分のうちの一方が第一弁体収容室51に進入し、他方が第二弁体収容室52に進入する。また、スリット549が開くことによって弁体540の上表面が中央に折れ込むような力が作用する。このため図20(b)に示すように弁体540の上表面が折れ曲がって窪み部Pが形成される。上記連通孔13cはこの窪み部Pが形成されるあたりに形成されている。したがって、窪み部P内の空間は、上記連通孔13cから連通路13dを経て流路空間Sに連通される。このため、ルアー部Lからの薬液は、連通路13dを通って流路空間Sに流通する。このとき、弁体540の開弁動作に伴う弁体540の変形は、流路空間Sと連通していない第一,第二弁体収容空間51a,52aで行われるので、弁体540の開弁動作にともなって流路空間Sの容積が変化することはない。
【0052】
また、ルアー抜去時には、復元力によって第一,第二弁体収容空間51a,52a内に進入した部分が退避して元の位置に復帰するとともに、弁体540の上面に形成されていた窪み部Pが消滅する。このため、ルアー部Lは流路空間Sとの連通が遮断される。このとき、弁体540の閉弁動作に伴う弁体540の変形は、流路空間Sと連通していない第一,第二弁体収容空間51a,52aで行われるので、弁体540の閉弁動作に伴って流路空間Sの容積が変化することはない。よって、弁体540の閉弁動作によって流路空間Sが陰圧となるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第一実施形態に係る三方活栓の平面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る三方活栓の正面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る三方活栓の左側面図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る弁体の斜視図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る弁体の分解斜視図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係るコネクタに設けられる弁体の開弁時および閉弁時の作動状態を示す図であり、(a)はルアー部が弁体を押圧する前の状態を、(b)はルアー部が弁体を押圧しているときの状態を、(c)はルアー部が弁体のスリットを貫通して開弁したときの状態を、それぞれ示す。
【図9】本発明の第二実施形態に係るコネクタに設けられる弁体および補助弁体の開弁時および閉弁時の作動状態を示す図であり、(a)はルアー部が弁体を押圧する前の状態を、(b)はルアー部が弁体を押圧しているときの状態を、(c)はルアー部が弁体のスリットを貫通しているが、補助弁体は押圧していないときの状態を、(d)はルアー部が補助弁体を押圧して開弁したときの状態を、それぞれ示す。
【図10】本発明を適用した混注具の平面図である。
【図11】本発明を適用した混注具の正面図である。
【図12】本発明を適用した混注具の左側面図である。
【図13】図10のC−C断面図である。
【図14】図11のD−D断面図である。
【図15】本発明を適用した端末コネクタの平面図である。
【図16】本発明を適用した端末コネクタの正面図である。
【図17】本発明を適用した端末コネクタの左側面図である。
【図18】図15のE−E断面図である。
【図19】図16のF−F断面図である。
【図20】本発明の第三実施形態に係る三方活栓の断面図であり、(a)は弁体が閉弁しているときの状態を、(b)は弁体が開弁しているときの状態を示す。
【符号の説明】
【0054】
10,310,410…ハウジング、11,311…第一分岐管(流路形成部)、11a,311a…第一分岐流路(流路空間)、11b,311b…開口部(液体流通手段接続口)、12,312…第二分岐管(流路形成部)、12a,312a…第二分岐流路(流路空間)、12b,312b…開口部(液体流通手段接続口)、13,313…第三分岐管、13a,313a…第三分岐流路(弁配置空間)、13b,313b…開口部(液体供給手段接続口)、15…筒状部(流路形成部)、21,22…溝部、30…把持部、40,540…弁体(弁部材)、49,549…スリット、51b,52b…窓部、51…第一弁体収容室(収容室、第一収容室)、52…第二弁体収容室(収容室、第二収容室)、60…補助弁体(補助弁部材)、61…第一補助弁体(補助弁部材)、62…第二補助弁体(補助弁部材)、63…スリット、100,200,500…三方活栓、300…混注具,315…本体部(流路形成部),315b…第一連通空間(流路空間),315d…上部空間(流路空間)、315c…第二連通空間(流路空間)、400…端末コネクタ、411…雄側接続部、411a…流路(流路空間)、411b…開口部(液体流通手段接続口)、413…端末接続部、413a…弁配置空間、413b…開口部(液体供給手段接続口)、K…液体供給流路、L…ルアー部(液体供給手段)、M1…第一移動部位、M2…第二移動部位、R1,R2…液体流通流路、S…流路空間、T1,T2…医療用チューブ(液体流通手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体供給流路が形成された液体供給手段と内部に液体流通流路が形成された液体流通手段とが接続されて、前記液体供給流路と前記液体流通流路とを連通するためのコネクタにおいて、
前記液体供給手段が接続可能な液体供給手段接続口および前記液体流通手段が接続可能な液体流通手段接続口を有し、前記液体供給手段接続口および前記液体流通手段接続口に連通する流路空間が内部に形成される流路形成部と、
前記液体供給手段接続口に取り付けられ、前記液体供給手段が前記液体供給手段接続口に接続されるときに前記液体供給手段から付与される押圧力によって移動する移動部位を有し、前記押圧力によって開弁する常閉型の弁部材と、
前記流路空間外に設けられ、前記移動部位を収容する収容室と
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記収容室は、外部に連通する窓部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコネクタにおいて、
前記弁部材は、前記流路空間に面した側にスリットが形成され、
前記移動部位は、前記液体供給手段が前記液体供給手段接続口に接続されるときに前記スリットの両側に広がって形成される第一移動部位および第二移動部位を有し、
前記収容室は、前記第一移動部位を収容する第一収容室および前記第二移動部位を収容する第二収容室を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタにおいて、
前記スリットは、前記液体供給流路が前記流路空間に連通するように、外部から前記流路空間にかけて貫通していることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1に記載のコネクタにおいて、
前記弁部材が配置される弁配置空間と前記流路空間との連通または遮断を行う補助弁部材を備え、前記補助弁部材は、前記液体供給手段が前記液体供給手段接続口から抜き取られるときに前記弁部材よりも先に閉弁して前記流路空間と前記弁配置空間の連通を遮断することを特徴とするコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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