説明

コポリマーの連続操作製造法

本発明は、供給ライン及び流出口を有する重合反応器を含む、重合装置における連続運転モードでのコポリマーの製造方法であって、ラジカル重合開始剤並びにモノマー出発物質としての酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーを、供給ラインを介して重合反応器中へ通し、該重合反応器中には−20℃〜+120℃の温度に調節された開始剤、モノマー出発物質、並びにコポリマー含有反応組成物が存在し、該コポリマー含有反応組成物を、流出口を通して重合反応器から排出させ、その際、ポリエーテルマクロモノマーの重合反応器中への導入は、該重合反応器中でポリエーテルマクロモノマーと、開始剤、モノマー出発物質、並びにコポリマー含有反応組成物とを混合し、そこで初めて酸モノマーと接触させるように、酸モノマーとは別々に行う、コポリマーの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、コポリマーの製造法、該コポリマー並びに該コポリマーの使用に関する。
【0002】
粉末状の無機物質又は有機物質、例えば、粘土、シリケート粉末、白亜、カーボンブラック、岩石粉末及び水硬性結合剤の水性スラリーに、その加工性、即ち、混練性、被覆性、噴霧性、ポンプ導入性又は流動性の改善のために、添加剤をしばしば分散剤の形で添加することは公知である。このような添加剤は、固形物アグロメレートを破壊し、形成された粒子を分散させ且つこの方法により加工性を改善することができる。この効果は、セメント、石灰、石膏または硬石膏などの水硬性結合剤を含有する、建材混合物の製造の際にも、殊に適切に利用される。
【0003】
上記結合剤をベースとしたこの建材混合物を、すぐに使用できる加工可能な形に変換するために、一般に、その後の水和工程もしくは硬化工程のために必要不可欠とされるよりも、はるかに多くの混合水が必要である。コンクリート体中の過剰な、後で蒸発する水により形成される空隙部分は、機械的強度及び安定性を著しく悪化させる。
【0004】
この過剰の水分量を所定の加工コンシステンシーで減らすために及び/又は加工性を所定の水/結合剤の比で改善するために、一般に減水剤又は流動化剤と呼ばれる添加剤が使用される。このような添加剤として、実際に殊に、ポリエーテルマクロモノマーと酸モノマーとのラジカル共重合により製造されるコポリマーが使用される。通常、共重合はバッチプロセスで又は半バッチプロセスで行われる。
【0005】
EP−B−1218427号は、バッチ運転モード又はセミバッチ運転モードで製造された対応するコポリマーよりも流動化剤/減水剤としてより優れた性能を示す前記コポリマーの連続製造法を記載している。EP−B−1218427号に記載された連続製造法によれば、まずは一方で酸モノマー、他方でポリエーテルマクロモノマーを含有するモノマー流が製造される。はじめに生成された、酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーを含有するモノマー流れは、開始剤流れにより反応帯域中で重合され、その際、最終的にポリマー流れは反応帯域から分離される。
【0006】
このモノマー流れの製造のために行われる酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーの予備混合は欠点を有することが判明した。これは、特に、モノマー流れ中で酸モノマーとポリエーテルマクロモノマーとが相互に不所望の副反応を起こすためである。例えば、ポリエーテルマクロモノマーである「エトキシル化ヒドロキシビニルブチルエーテル」は、酸モノマーである「アクリル酸」と一緒に約7のpH値を下回ると(基礎となる重合条件に関係する)著しい加水分解の副反応を示す。結果として、副反応が得られたコポリマー分散剤の品質を明らかに悪化させることが判明した。更に、大工業規模でのモノマー流れの製造は、酸モノマー並びにポリエーテルマクロモノマーが既に開始剤の添加前に互いに完全に混合される効果的な予備混合ユニットの提供を必要とする。
【0007】
従って、本発明の基礎をなしている課題は、水硬性結合剤のための分散剤として、特に流動化剤/減水剤として良好な性能を示す、経済的なコポリマーの製造方法を提供することである。
【0008】
この課題の解決は、供給ライン及び流出口を有する重合反応器を含む、重合装置における連続運転モードでのコポリマーの製造方法において、ラジカル重合開始剤並びにモノマー出発物質としての酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーを、供給ラインを介して重合反応器中へ通し、該重合反応器中には−20℃〜+120℃の温度に調節された開始剤、モノマー出発物質、並びにコポリマー含有反応組成物が存在し、該コポリマー含有反応組成物を、流出口を通して重合反応器から排出させ、その際、ポリエーテルマクロモノマーの重合反応器中への導入は、該重合反応器中でポリエーテルマクロモノマーと、開始剤、モノマー出発物質、並びにコポリマー含有反応組成物とを混合し、そこで初めて酸モノマーと接触させるように酸モノマーとは別々に行う、コポリマーの製造方法である。
【0009】
酸モノマーとは、少なくとも1つの酸官能基を含み且つ水媒体中で酸として反応する、ラジカル共重合可能な、少なくとも1つの炭素二重結合を有するモノマーであると解釈されるべきである。更に、酸モノマーとは、水性媒体中での加水分解反応の結果として少なくとも1つの酸官能基を形成し且つ水性媒体中で酸として反応する、ラジカル共重合可能な、少なくとも1つの炭素二重結合を有するモノマーであるとも解釈されるべきである(例:マレイン酸無水物)。本発明の文脈においてポリエーテルマクロモノマーは、少なくとも1つの炭素二重結合を有するラジカル共重合可能な化合物であり、該化合物は少なくとも2つのエーテル−酸素原子を有するが、但し、コポリマー中に含有されたポリエーテルマクロモノマー構造単位は少なくとも2つのエーテル−酸素原子を含有する側鎖を有することを条件とする。
【0010】
上記の方法において重要なことは、酸モノマーが重合反応器中で、特に重合開始剤の存在下で、初めてポリエーテルマクロモノマーと接触することである。これは、重合条件において重合開始剤の存在下で酸モノマーとポリエーテルマクロモノマーとの接触が初めて起こるので、酸モノマーとポリエーテルマクロモノマーとの間の副反応が共重合前に回避されることを意味する。この方法により、しばしば酸モノマーとポリエーテルマクロモノマーとの間の望ましくない副反応(例えば、加水分解反応)をかなりの程度まで抑制することができる。本発明による方法で製造された、得られたコポリマー流動化剤は、流動化剤/減水剤としてもしくは水硬性結合剤のための分散剤として良好な性能を示す。
【0011】
本発明による方法の更なる実質的な利点は、酸モノマーとポリエーテルマクロモノマーとを予備混合するための装置を必要としないことが根拠となっており、該装置の準備は特に大工業規模にとってかなりの経済的な出費を意味する。それに対して本発明による方法において、両方のモノマーの完全な混合は、反応組成物において、例えば、しばしば重合反応器が備えている撹拌装置を用いて行われる。
【0012】
本発明の有利な実施態様において、酸モノマーが重合により反応され且つそれによって構造単位がコポリマー中で生成され、該構造単位は一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)
【化1】

(式中、
は同一又は異なり(即ち、コポリマー内で同一又は異なって置換される)且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基(有利にはH又はCH)によって表され;
Xは同一又は異なり且つNH−(C2n)(n=1、2、3又は4)及び/又はO−(C2n)(n=1、2、3又は4)(有利にはNH−C)により及び/又は存在しない単位(即ち、−Xは存在しない)により表され;
は同一又は異なり且つOH、SOH、PO、O−PO及び/又はパラ置換されて存在するC−SOHによって表されるが、但し、Xが存在しない単位の場合には、RはOHにより表されることを条件とする);
【化2】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基(有利にはCH)によって表され;
n=0、1、2、3又は4であり
は同一又は異なり且つSOH、PO、O−PO及び/又はパラ置換されて存在するC−SOHによって表され;
【化3】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基(有利にはH)によって表され;
Zは同一又は異なり且つO及び/又はNHによって表され;
【化4】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基(有利にはH)によって表され;
Qは同一又は異なり且つNH及び/又はOによって表され;
は同一又は異なり且つH、(C2n)−SOH(式中、n=0、1、2、3又は4)、(C2n)−OH(式中、n=0、1、2、3又は4);(C2n)−PO(式中、n=0、1、2、3又は4)、(C2n)−OPO(式中、n=0、1、2、3又は4)、(C)−SOH、(C)−PO、(C)−OPO及び/又は(C2m−O−(A’O)α−R(式中、m=0、1、2、3又は4、e=0、1、2、3又は4、A’=Cx’2x’(式中、x’=2、3、4又は5(有利にはx’=2))及び/又はCHC(C)H−、α=1〜350の整数(有利にはα=15〜200)、ここで、Rは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基(有利にはCH)によって表される)
の1つによって表される。
【0013】
構造式Ia、Ib及びId中のR、R及びRに関しては、対応する酸官能基、特に塩基の添加の際に、(ポリマー中で)脱プロトン化されて存在することができる(塩形成)ことに留意するべきである。
【0014】
上記及び下記で利用されている表現方法「同一又は異なり」は、それぞれ、本発明の方法により製造されたコポリマーの内部での一定であるか又は可変であることを意味する。
【0015】
実地では、酸モノマーとして、しばしばメタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸の半エステル又は複数のこれらの成分からなる混合物が使用される。
【0016】
本発明の有利な実施態様において、ポリエーテルマクロモノマーが重合により反応され且つそれによって構造単位がコポリマー中で生成され、該構造単位は一般式(IIa)、(IIb)及び/又は(IIc)
【化5】

(式中、
10、R11及びR12はそれぞれ同一又は異なり且つ相互に独立してH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基(有利にはH及び/又はCH)によって表され;
Eは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキレン基(典型的にはそれぞれC、C、C、C、C又はCであるが、有利にはC及びCである)、シクロヘキシル基、CH−C10、オルト、メタ又はパラ置換されて存在するC及び/又は存在しない単位(即ち、−Eは存在しない)によって表され;
Gは同一又は異なり且つO、NH及び/又はCO−NHによって表されるが、但し、Eが存在しない単位である場合、Gもまた存在しない単位として存在することを条件とし(即ち、−Gは存在しない);
Aは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5(有利にはx=2))及び/又はCHCH(C)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3、4及び/又は5によって表され;
aは同一又は異なり且つ2〜350(有利には10〜200)の整数によって表され;
13は同一又は異なり且つH、非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基、CO−NH、及び/又はCOCH(有利にはH、CH)によって表される);
【化6】

(式中、
14は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基(有利にはH)によって表され;
Eは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキレン基(有利にはC)、シクロヘキシル基、CH−C10、オルト、メタ又はパラ置換されて存在するC及び/又は存在しない単位(即ち、−Eは存在しない)によって表され;
Gは同一又は異なり且つ存在しない単位、O、NH及び/又はCO−NHによって表されるが、但し、Eが存在しない単位である場合、Gもまた存在しない単位として存在することを条件とし(即ち、−Gは存在しない);
Aは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5(有利にはx=2))及び/又はCHCH(C)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3、4及び/又は5によって表され;
aは同一又は異なり且つ2〜350(有利には10〜200)の整数によって表され;
Dは同一又は異なり且つ存在しない単位(即ち、−Dは存在しない)、NH及び/又はOによって表されるが、但し、Dが存在しない単位である場合:b=0、1、2、3又は4且つc=0、1、2、3又は4、ここでb+c=3又は4であることを条件とし、
DがNH及び/又はOである場合:b=0、1、2又は3、c=0、1、2又は3、ここでb+c=2又は3であることを条件とし;
15は同一又は異なり且つH、非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基、CO−NH、及び/又はCOCH(有利にはH)によって表される);
【化7】

(式中、
16、R17及びR18はそれぞれ同一又は異なり且つ相互に独立してH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基(有利にはH及び/又はCH)によって表され;
Eは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキレン基(有利にはC又はC)、シクロヘキシル基、CH−C10、オルト、メタ又はパラ置換されて存在するCによって及び/又は存在しない単位(即ち、−Eは存在しない)によって表され;
Aは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5(有利にはx=2))及び/又はCHCH(C)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3、4及び/又は5によって表され;
Lは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5(有利にはx=2))及び/又はCH−CH(C)によって表され;
aは同一又は異なり且つ2〜350(有利には10〜200)の整数によって表され;
dは同一又は異なり且つ1〜350(有利には10〜200)の整数によって表され;
19は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基(有利にはH)によって表され、
20は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状のC〜Cアルキル基(有利にはH)によって表される)
の1つによって表される。
【0017】
一般に、ポリエーテルマクロモノマーのポリアルコキシ側鎖(AO)は、多くの場合に純粋なポリエトキシ側鎖であるが、その際、混合ポリアルコキシ側鎖、特に、このようなプロポキシ基もエトキシ基も含む側鎖も存在することが言及され得る。
【0018】
実際に、しばしばポリエーテルマクロモノマーとして、通常それぞれ4〜350の算術平均数のオキシアルキレン基を有するアルコキシル化イソプレノール(アルコキシル化3−メチル−3−ブテン−1−オール)及び/又はアルコキシル化ヒドロキシブチルビニルエーテル及び/又はアルコキシル化(メタ)アリルアルコール(メタリルアルコールに比べてアリルアルコールが有利である)が使用される。アルコキシル化ヒドロキシブチルビニルエーテルが特に有利である。
【0019】
酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーの他に、更なるモノマー型も使用してよい。その場合、これは一般に、ビニル系不飽和化合物をモノマー出発物質として重合反応器中に導入し、該化合物は重合によって反応され且つそれによって構造単位がコポリマー中で生成され、該構造単位は一般式(IIIa)及び/又は(IIIb)
【化8】

(式中、
21は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C基(有利にはH又はCH)によって表され;
Wは同一又は異なり且つO及び/又はNHによって表され;
22は同一又は異なり且つ分枝鎖状又は非分枝鎖状のC〜C−モノヒドロキシアルキル基(典型的にはそれぞれC、C、C、C又はCであるが、有利にはC及び/又はCである)によって表される);
【化9】

(式中、
23、R24及びR25はそれぞれ同一又は異なり且つそれぞれ独立してH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基(有利にはH及び/又はCH)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3及び/又は4によって表され;
26は同一又は異なり且つ(C)、OH及び/又はOCOCHによって表される)
に従って存在するように実際に反応する。
【0020】
重合によって構造単位(IIIa)又は(IIIb)を生成する典型的なモノマーは、例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソプレノール又はアリルアルコールである。この関連において更なる典型的なモノマーとしてヒドロキシブチルビニルエーテルを挙げることができる。
【0021】
通常、この方法によって製造されたコポリマーの全ての構造単位の全部で少なくとも45モル%、しかしながら、有利には少なくとも80モル%が、酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーの重合によって生成される。
【0022】
有利な実施態様において、酸モノマー1モルに対するポリエーテルマクロモノマーは、形成されたコポリマー中の酸モノマー構造単位対ポリエーテルマクロモノマー構造単位の算術平均モル比が20:1〜1:1、有利には12:1〜1:1に調節されるように、重合反応器中に導入される。
【0023】
一般にラジカル重合開始剤としてレドックス開始剤が使用される。その場合、多くの場合にレドックス開始剤として系H/FeSOが、有利には還元剤と一緒に選択される。還元剤として、亜硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソ−アスコルビン酸又はそれらの混合物が挙げられる。レドックス開始剤系として、他の系、例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、アンモニウムペルオキソ二硫酸又はカリウムペルオキソ二硫酸をベースとするものも挙げられる。
【0024】
あまり有利ではない実施態様において、開始剤成分、例えば、H及びポリエーテルマクロモノマーは流れの中で予備混合された形で重合反応器中に導入される。
【0025】
しかしながら、原則的に重合条件下でラジカルに分解する全ての化合物、例えば、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、アゾ化合物及び過リン酸塩を開始剤として使用することができる。ラジカル形成剤と好適な還元剤との組み合わせでは、公知のレドックス系もしくはレドックス触媒が得られる。好適な還元剤は、例えば、亜硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソ−アスコルビン酸、アミン、例えば、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミン、ヒドロキシアミン又はそれらの混合物である。有利には、レドックス系もしくは触媒の使用の際に、遷移金属、例えば、鉄、コバルト、ニッケル又は銀の水溶性の塩が付加的に使用され、有利にはここで鉄塩が使用される。
【0026】
多くの場合、有利には溶解された形で存在する鎖長調節剤が、重合反応器中に導入される。
【0027】
モノマー出発物質及び/又は開始剤は水溶液の形で重合反応器中に導入することができる。
【0028】
有利には連続的に運転する撹拌槽として重合反応器が存在する。
【0029】
重合装置はしばしば、更に重合反応器に後接続された連続的に運転される少なくとも1つの反応器を有しており、該重合反応器の流出口を介してコポリマー含有反応組成物が導入される。次に後接続された反応器中にモノマー出発物質及び/又は開始剤成分を導入することができる。
【0030】
本発明は更に上記の方法によって製造できるコポリマーに関する。本発明によるコポリマーは通常、櫛形ポリマーとして存在する。
【0031】
更に本発明は、本発明によるコポリマーの、水硬性結合剤のための分散剤としての使用に関する。
【0032】
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に記載する。
【0033】
実施例の具体的な説明のために、図面は本発明による方法の実施のための装置構造の概略図を図1に示し、且つ本発明によらない方法を実施するための対応する比較の略図を図2に示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は本発明による方法の実施のための装置構造の概略図を示す。
【図2】図2は本発明によらない方法を実施するための対応する比較の略図を示す。
【0035】
使用した重合装置の詳細な説明:
記載されたコポリマーの連続的な製造のための典型的な実験室規模で設計された製造装置の例は、図1に概略的に図示されている。反応ユニットは、2つの二重壁反応器(1及び1a)からなり、これらはいずれも撹拌装置(2及び2a)及びモータ(3及び3a)の両方を備えている。反応器の全体積は0.657dm(反応器1)及び0.311dm(反応器1a)である。反応器は導管(4)を用いて結合される。
【0036】
反応器(1)は供給管を介して反応体の貯蔵容器に結合されている。中間接続されたポンプを用いて、定義された物質流を調節することができる。装置構造は以下のもののための貯蔵容器(磁気撹拌装置を有する密閉可能なガラス容器)を含む:(5)ビニルエーテル成分(ポリエーテルマクロモノマー);(6)反応において必要とされるpH値の調節のための水性塩基溶液、(7)HO、(8)酸モノマーである2−プロペン酸(アクリル酸)、(9)連鎖移動成分、(10)第1の開始剤成分、(11)第2の開始剤成分及び(12)第3の開始剤成分。貯蔵容器の供給管(5.1、6.1、7.1、8.1、9.1、10.1、11.1及び12.1)は、反応器カバーを通して反応器及び反応媒体中に通じており、その際、反応媒体中への浸透深さは、高い混合効率を有する領域で計量が行われるように選択される。酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーの予備混合の防止を保証するために、反応器において供給管5.1及び8.1の最大間隔が選択される。反応器(1a)も同様に供給管(13.1及び14.1)を介して反応体の貯蔵容器(13)及び(14)(体積はそれぞれ5.00dm)に結合されている。同様に中間接続されたポンプを用いて、定義された物質流を調節することができる。更に装置構造は以下の成分を含む:HO又は水性塩基溶液のための(13)及び第2の開始剤成分のための(14)。反応器1及び1aはそれぞれ更に温度センサ(15及び15a)を含む。
【0037】
製造実施例:
実施例1:本発明による:モノマー成分の予備混合をしないポリマーの製造
最初に装置を水でフラッシュし、反応器1及び1aに水を注入する。貯蔵容器5に4.478kgのHOを装入し且つ撹拌しながら0.022kgのKOH水溶液(20質量%)並びにポリエーテルマクロモノマーとして6000g/モルの数平均モル質量を有する4.500kgのビニルオキシブチルポリ(エチレンオキシド)を添加する。この溶液を、ビニルオキシブチルポリ(エチレンオキシド)が完全に溶解するまで撹拌する。貯蔵容器6を0.100kgのKOH水溶液(20質量%)で充填し、貯蔵容器7を0.100kgの脱イオン水で充填する。貯蔵容器8に0.420kgのHOを装入し且つ撹拌しながら0.280kgの酸モノマーの2−プロペン酸(アクリル酸)を導入する。貯蔵容器9に8%の3−MPS(3−メルカプトプロパン酸)溶液0.500kgを充填し、貯蔵容器10に5%のH溶液を充填する。貯蔵容器11に0.235kgの水を装入し、撹拌しながらBrueggolit(登録商標)FF6M(Brueggolit(登録商標)FF6Mは、BrueggemannChemical L. Brueggemann KGから得られた、亜硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩及び2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩からなる混合物である)0.015kgを添加し且つ完全に溶解するまで撹拌する。貯蔵容器12にFeSO・7HOの水溶液(1.4質量%)0.150kgを充填する。貯蔵容器13に脱イオン水0.100kgを充填し、貯蔵容器14に貯蔵容器11中に充填されたものと同じ方法で製造されたBrueggolit(登録商標)FF6M溶液0.150kgを充填する。
【0038】
反応の開始時に両方の撹拌機並びに全てのポンプを開始し且つ冷却水ジャケット温度を、反応媒体の温度が15℃で一定になるように調節する。貯蔵容器5、8及び9からの反応体の物質流を、平均滞留時間の合計が反応器1中で20分及び反応器1a中で10分になるように対応して調節する。更なる物質流を以下のように調節する:KOH溶液(貯蔵容器6):0.008kg・h−1;HO(貯蔵容器7):0.006kg・h−1;開始剤成分10、11及び12:0.030kg・h−1;0.036kg・h−1及び0.020kg・h−1。反応器1a中の反応体の物質流としてHO(貯蔵容器13):0.006kg・h−1及び開始剤成分2(貯蔵容器14):0.006kg・h−1を調節する。ポリエーテルマクロモノマーの重合反応器中への導入は、ポリエーテルマクロモノマーが開始剤、モノマー出発物質並びにコポリマー含有反応組成物と重合反応器中で混合され、そこで初めて酸モノマーと接触されるように、酸モノマーとは別個に行われることが保証されている。物質流の調節後に、反応器の平均滞留時間の合計にそれぞれ相当する時間間隔で試料を取り出し且つサイズ排除クロマトグラフィーによって分析する。試験の定常状態は、時間に依存するゲルクロマトグラフィー溶出曲線(GPC−曲線)の形及び測定されたモル質量平均値がもはや変化しない場合に達成されている。定常状態が達成された後に、試験条件のために代表的な試料が取り出され(ポリマー1)且つサイズ排除クロマトグラフィーによって分析され、それによりモル質量分布及びその平均値並びに転換率が測定される。反応の終了時点で全ての物質流をゼロにし且つ装置を水でフラッシュする。
【0039】
比較例1:貯蔵容器中のモノマー成分の予備混合下でのポリマーの製造並びに該貯蔵容器からの計量
貯蔵容器5において、まず実施例1に記載されたビニルオキシブチレンポリ(エチレングリコール)溶液(ビニルオキシブチルポリ(エチレンオキシド)溶液)を製造し、引き続き、更に撹拌しながら実施例1に記載された量の水及び2−プロペン酸を貯蔵容器5に混合する。物質流を実施例1に記載されたのと同様に調節する。試験の実施は実施例1と同様に行う。試験の定常状態が達成された後に、実施例1に記載された方法で、試料を取り出し(ポリマー2)且つモル質量分布及びその平均値並びに転換率をサイズ排除クロマトグラフィーによって測定する。
【0040】
比較例2:モノマー成分の予備混合ユニットによる予備混合下でのポリマーの製造(25℃の温度に調節)
実験室規模の重合装置を予備混合ユニットの設置により改変する(図2)。予備混合ユニットは、撹拌機を用いて完全に混合される温度調節可能な容器(0.55dmの容積を有する)から構成されており、該ユニットには、混合されるべき水溶液のための2つの供給管及び混合された溶液のための排出管が備えられている。このために、モノマー成分が相互に混合され且つ供給官によって一緒に反応器中に計量供給されるように、予備混合ユニットが供給管5.1中に取り付けられ、更に供給管8.1が予備混合ユニットに接続される。
【0041】
物質流を実施例1記載されたのと同様に調節する。試験実施を実施例1と同様に行い、その際、室温のシミュレーションのために予備混合機中の温度を25℃に調節する。試験の定常状態が達成された後に、実施例1に記載された方法で、試料を取り出し(ポリマー3)且つモル質量分布及びその平均値並びに転換率をサイズ排除クロマトグラフィーによって測定する。
【0042】
比較例3:予備混合ユニットによるモノマー成分の予備混合下でのポリマーの製造(35℃の温度に調節)
装置構造及び重合の実施は比較例2と同様であり、その際、予備混合ユニットを35℃の温度に調節した。試験の定常状態が達成された後に、実施例1に記載された方法で、試料を取り出し(ポリマー4)且つモル質量分布及びその平均値並びに転換率をサイズ排除クロマトグラフィーによって測定する。
【0043】
実施例1及び比較例1〜3からのコポリマーの分析:
実施例1及び比較例1〜3からのポリマーを、サイズ排除クロマトグラフィーによって平均モル質量及び変換率について分析する(カラムの組み合わせ:PSS社のSuprema1000及びSuprema30、マインツ;溶離液:NaHPO(0.03モル/l)及び0.5g/lのアジ化ナトリウムからなる水溶液;注入体積50μl;流量0.8ml/分)。平均モル質量の測定のための較正を線状ポリ(エチレンオキシド)標準を用いて行った。変換率の基準として、コポリマーのピークを1の相対高さに標準化し且つ未反応のマクロモノマー/PEG含有オリゴマーのピークの高さを残存モノマーの含量の基準として使用する。
【0044】
以下の値を測定することができた:
【表1】

【0045】
モノマーの予備混合下で製造されたポリマー2、3及び4は、本発明による成分の計量によって反応器中で製造された、ポリマー1よりも明らかに高い含量のポリマーに変換されていないマクロモノマー/ポリエチレングリコール(PEG)含有オリゴマーを示す。成分の予備混合は、明らかに比較的高い加水分解度をもたらし、従って変換率の低下をもたらす。
【0046】
使用試験
1〜4のポリマーは、コンクリート液化剤としてのその特性について適切な試験系で分析される。このために、予め全てのポリマーをNaOHの水溶液(20質量%)により6.5±0.2のpH値に調節し且つ気泡率の制御のために少量の慣用の消泡剤と混合する。
【0047】
試験の実施の際に、まず6.00kgのセメントCEM I 52.5R;9.41kgの石英砂及び19.17kgの骨材を30秒間乾燥混合し;1.05kgの水を添加し且つ更に90秒混合する。引き続き、新たに1.05kgの水及びそれぞれ8.40・10-3kgのポリマー(ポリマー固形物の含量をベースとする)を添加し且つ更に90秒混合する(0.35の水/セメント比及びセメントの初期重量を基準として0.14%の固形物のポリマー供給量に相当する)。引き続き、スランプの程度をDIN EN 12350−5に従って製造の直後に並びに10分後及び30分後に測定する。以下の値を測定した:
【表2】

【0048】
本発明によって製造されたポリマー1は、同じ供給量の場合、コンクリートの製造直後に予備混合下で製造されたポリマー2、3及び4よりも明らかに良好な可塑化効果を示す。更に、これは明らかにより良好なコンシステンシーの維持を示す。ポリマー2、3及び4を使用して製造されたコンクリートは、30分後には、もはや加工可能ではない。従って、本発明によるポリマーの製造は、明らかにより良好な適用特性を有するポリマーをもたらす。
【符号の説明】
【0049】
1 二重壁反応器、 1a 二重壁反応器、 2 撹拌装置、 2a 撹拌装置、 3 モータ、 3a モータ、 4 導管、 5 ビニルエーテル成分、 5.1 供給管、 6 pH値の調節のための水性塩基溶液、 6.1 供給管、 7 HO、 7.1 供給管、 8 酸モノマー2−プロペン酸(アクリル酸)、 8.1 供給管、 9 連鎖移動成分、 9.1 供給管、 10 第1の開始剤成分、 10.1 供給管、 11 第2の開始剤成分、 11.1 供給管、 12 第3の開始剤成分、 12.1 供給管、 13 反応体の貯蔵容器、 13.1 供給管、 14 反応体の貯蔵容器、 14.1 供給管、 15 温度センサ、 15a 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ライン及び流出口を有する重合反応器を含む、重合装置における連続運転モードでのコポリマーの製造方法であって、ラジカル重合開始剤並びにモノマー出発物質としての酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーを、供給ラインを介して重合反応器中へ通し、該重合反応器中には−20℃〜+120℃の温度に調節された開始剤、モノマー出発物質、並びにコポリマー含有反応組成物が存在し、該コポリマー含有反応組成物を、流出口を通して重合反応器から排出させ、その際、ポリエーテルマクロモノマーの重合反応器中への導入は、該重合反応器中でポリエーテルマクロモノマーと、開始剤、モノマー出発物質並びにコポリマー含有反応組成物とを混合し、そこで初めて酸モノマーと接触させるように酸モノマーとは別々に行う、コポリマーの製造方法。
【請求項2】
酸モノマーが重合により反応され且つそれによって構造単位がコポリマー中で生成され、該構造単位は一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び/又は(Id)
【化1】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基により表され;
Xは同一又は異なり且つNH−(C2n)(n=1、2、3又は4)及び/又はO−(C2n)(n=1、2、3又は4)により及び/又は存在しない単位により表され;
は同一又は異なり且つOH、SOH、PO、O−PO及び/又はパラ置換されたC−SOHによって表されるが、但し、Xが存在しない単位の場合、RはOHにより表されることを条件とする);
【化2】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基によって表され;
n=0、1、2、3又は4であり
は同一又は異なり且つSOH、PO、O−PO及び/又はパラ置換されて存在するC−SOHによって表され;
【化3】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基によって表され;
Zは同一又は異なり且つO及び/又はNHによって表され;
【化4】

(式中、
は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基によって表され;
Qは同一又は異なり且つNH及び/又はOによって表され;
は同一又は異なり且つH、(C2n)−SOH(式中、n=0、1、2、3又は4)、(C2n)−OH(式中、n=0、1、2、3又は4);(C2n)−PO(式中、n=0、1、2、3又は4)、(C2n)−OPO(式中、n=0、1、2、3又は4)、(C)−SOH、(C)−PO、(C)−OPO及び/又は(C2m−O−(A’O)α−R(式中、m=0、1、2、3又は4、e=0、1、2、3又は4、A’=Cx’2x’(式中、x’=2、3、4又は5)及び/又はCHC(C)H−、α=1〜350の整数、ここで、Rは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基によって表される)
の1つによって表されるものであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
酸モノマーとして、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸の半エステル又は複数のこれらの成分からなる混合物を使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ポリエーテルマクロモノマーが重合により反応され且つそれによって構造単位がコポリマー中で生成され、該構造単位は一般式(IIa)、(IIb)及び/又は(IIc)
【化5】

(式中、
10、R11及びR12はそれぞれ同一又は異なり且つ相互に独立してH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基によって表され;
Eは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキレン基、シクロヘキシル基、CH〜C10、オルト、メタ又はパラ置換されて存在するC及び/又は存在しない単位によって表され;
Gは同一又は異なり且つO、NH及び/又はCO−NHによって表されるが、但し、Eが存在しない単位である場合、Gもまた存在しない単位として存在することを条件とし;
Aは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5(有利にはx=2))及び/又はCHCH(C)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3、4及び/又は5によって表され;
aは同一又は異なり且つ2〜350(有利には10〜200)の整数によって表され;
13は同一又は異なり且つH、非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基、CO−NH、及び/又はCOCHによって表される);
【化6】

(式中、
14は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基によって表され;
Eは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキレン基、シクロヘキシル基、CH−C10、オルト、メタ又はパラ置換されて存在するC及び/又は存在しない単位によって表され;
Gは同一又は異なり且つ存在しない単位、O、NH及び/又はCO−NHによって表されるが、但し、Eが存在しない単位である場合、Gもまた存在しない単位として存在することを条件とし;
Aは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5)及び/又はCHCH(C)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3、4及び/又は5によって表され;
aは同一又は異なり且つ2〜350の整数によって表され;
Dは同一又は異なり且つ存在しない単位、NH及び/又はOによって表されるが、但し、Dが存在しない単位である場合:b=0、1、2、3又は4且つc=0、1、2、3又は4、ここでb+c=3又は4であることを条件とし、DがNH及び/又はOである場合:b=0、1、2又は3、c=0、1、2又は3、ここでb+c=2又は3であることを条件とし;
15は同一又は異なり且つH、非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基、CO−NH、及び/又はCOCHによって表される);
【化7】

(式中、
16、R17及びR18はそれぞれ同一又は異なり且つ相互に独立してH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基によって表され;
Eは同一又は異なり且つ非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキレン基、シクロヘキシル基、CH−C10、オルト、メタ又はパラ置換されて存在するCによって及び/又は存在しない単位によって表され;
Aは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5)及び/又はCHCH(C)によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3、4及び/又は5によって表され;
Lは同一又は異なり且つC2x(式中、x=2、3、4及び/又は5)及び/又はCH−CH(C)によって表され;
aは同一又は異なり且つ2〜350の整数によって表され;
dは同一又は異なり且つ1〜350の整数によって表され;
19は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基によって表され、
20は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状のC〜Cアルキル基によって表される)
の1つによって表されるものであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ポリエーテルマクロモノマーとして、有利にはそれぞれ4〜350の算術平均数のオキシアルキレン基を有するアルコキシル化イソプレノール及び/又はアルコキシル化ヒドロキシブチルビニルエーテル及び/又はアルコキシル化(メタ)アリルアルコールを使用することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
モノマー出発物質としてビニル系不飽和化合物を重合反応器中に導入し、該化合物は重合によって反応され且つそれによって構造単位がコポリマー中で生成され、該構造単位は一般式(IIIa)及び/又は(IIIb)
【化8】

(式中、
21は同一又は異なり且つH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜C−アルキル基によって表され;
Wは同一又は異なり且つO及び/又はNHによって表され;
22は同一又は異なり且つ分枝鎖状又は非分枝鎖状のC〜C−モノヒドロキシアルキル基によって表される);
【化9】

(式中、
23、R24及びR25はそれぞれ同一又は異なり且つそれぞれ独立してH及び/又は非分枝鎖状又は分枝鎖状のC〜Cアルキル基によって表され;
nは同一又は異なり且つ0、1、2、3及び/又は4によって表され;
26は同一又は異なり且つ(C)、OH及び/又は−COCHによって表される)
に従って存在するものであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ラジカル重合開始剤としてレドックス開始剤を使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
レドックス開始剤として還元剤と一緒に使用される、系H/FeSOを選択することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
還元剤として、亜硫酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソ−アスコルビン酸又はそれらの混合物を使用することを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
形成されたコポリマーにおいて、酸モノマー構造単位対ポリエーテルマクロモノマー構造単位の算術平均モル比が20:1〜1:1、有利には12:1〜1:1に調節されるように、酸モノマー1モルに対するポリエーテルマクロモノマーを重合反応器中に導入することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
合計してコポリマーの全ての構造単位の少なくとも45モル%、しかしながら、有利には少なくとも80モル%が、酸モノマー及びポリエーテルマクロモノマーの重合によって生成されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
有利には溶解された形で存在する鎖長調節剤を重合反応器中に導入することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
モノマー出発物質及び/又は開始剤を水溶液の形で重合反応器中に導入することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
重合反応器が連続的に運転する撹拌槽として存在することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
重合装置が、更に少なくとも1つの重合反応器に後接続された連続的に運転される反応器を有し、該重合反応器の流出口を介してコポリマー含有反応組成物が該反応器に導入されることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
後接続された反応器中にモノマー出発物質及び/又は開始剤成分を導入することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項記載の方法により製造可能なコポリマー。
【請求項18】
水硬性結合剤のための分散剤としての請求項17記載のコポリマーの使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−525545(P2011−525545A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546272(P2010−546272)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050260
【国際公開番号】WO2009/100956
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】