説明

コミュニケーションシステムおよびコミュニケーション方法

【課題】再生されるコンテンツに応じて入力されるコメントを複数のユーザ端末間で共有するコミュニケーションシステムにおいてコメントの時間的な出力数を平準化する。
【解決手段】定められたコンテンツを複数のユーザ端末に配信するコンテンツサーバと、ユーザ端末によって再生されるコンテンツに応じてユーザ端末に入力されるコメントと、コメントに対応付けられた、コンテンツの再生開始時点を基準としてコメントが入力された時点を示すコメント付与時間とをユーザ端末から受信し、複数のユーザ端末に配信するコメントサーバとに接続されたユーザ端末が、受信したコンテンツを再生するとともに、コメントサーバから配信される複数のコメントを、コメントに対応するコメント付与時間に応じた複数の時間区分毎に分割し、分割した時間区分毎に定められた件数のコメントを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生されるコンテンツの進行に応じて入力されるコメントを複数のユーザ端末間で共有するコミュニケーションシステムおよびコミュニケーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して接続された複数のユーザ端末から送信されるコメントを配信し、ユーザ同士のコミュニケーションの場を提供するコミュニケーションサービスが存在する。例えば、特許文献1には、大量のユーザ端末が接続可能なチャットサービスが記載されている。また、近年では、ユーザ端末において再生されるコンテンツの進行に合わせてユーザ端末に入力されるコメントを、コンテンツ画面に重ねて表示して複数のユーザ端末間で共有させるコミュニケーションサービスが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−334021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなコミュニケーションサービスにおいて、大量(例えば、数万)のユーザ端末から送信されるコメントの全てを全てのユーザ端末に配信しても、大量のコメントを受信したユーザ端末のユーザが全てのコメントを読んで把握することは困難であるとともに、コメントサーバやネットワーク、ユーザ端末に過剰に負荷をかけることになる。そこで、1コンテンツにつき表示するコメント数を予め定めておくことが考えられるが、これでは、例えば図6に示すように、コンテンツの再生時間中の一定の箇所にコメントが集中する場合がある。この場合、一定の箇所においてのみ大量のコメントが表示され、他の箇所においては全くコメントが表示されないといったことが有り得る。すなわち、コメントが集中する箇所においてはユーザが把握することができないほどの大量のコメントが表示される一方、コメントが付与されていない箇所ではコメントが全く表示されないこととなる。これでは、入力されたコメントの内容に応じてユーザ同士が円滑なコミュニケーションを行うことは難しい場合があると考えられる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、コンテンツを再生するとともにコンテンツに応じて入力されたコメントを出力するコミュニケーションサービスにおいて、再生時間中の一定の箇所にコメントが集中し過ぎることを防ぐとともに、他の箇所にコメントが全く出力されなくなることを防ぐようにコメント出力を制御するコミュニケーションシステムおよびコミュニケーション方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数のユーザ端末と、ユーザ端末によって再生されるコンテンツを配信するコンテンツサーバと、ユーザ端末によって再生されるコンテンツに応じてユーザ端末に入力されるコメントと、コメントに対応付けられた、コンテンツの再生開始時点を基準としてコメントが入力された時点を示すコメント付与時間とをユーザ端末から受信し、複数のユーザ端末に配信するコメントサーバとを備えたコミュニケーションシステムであって、ユーザ端末は、コンテンツを再生するとともに、コメントサーバから配信される複数のコメントを、コメントに対応するコメント付与時間に応じた複数の時間区分毎に分割し、分割した時間区分毎に定められた件数内のコメントを出力する出力制御部を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ユーザ端末の出力制御部が、コンテンツの再生開始時に、コメントサーバから最新の複数件のコメントを受信し、受信したコメントを時間区分毎に分割し、分割した時間区分のうち、対応付けられたコメントの件数が定められた件数に満たない時間区分が存在する場合に、時間区分に対応するコメントをコメントサーバからさらに受信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、ユーザ端末の出力制御部が、コンテンツの再生中にコメントサーバから配信される新規のコメントを受信し、受信したコメントを定められた件数内において出力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、ユーザ端末が、コメントが入力されたコメント付与時間に応じた時間区分を識別する時間区分識別情報を生成する第1の時間区分判定部と、入力されるコメントと、第1の時間区分判定部によって判定された時間区分識別情報とをコメントサーバに送信するコメント送信部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、コメントサーバが、ユーザ端末から送信されるコメントに対応するコメント付与時間に応じた時間区分を識別する時間区分識別情報を生成する第2の時間区分判定部を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、コメントサーバが、複数のユーザ端末から送信されるコメントが、時間区分毎に対応付けられて記憶されるコメント記憶部と、ユーザ端末から、時間区分を指定したコメント取得要求を受信し、受信したコメント取得要求により指定される時間区分に対応付けられたコメントをコメント記憶部から読み出し、読み出したコメントを、コメント取得要求の送信元であるユーザ端末に配信するコメント配信部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、複数のユーザ端末と、ユーザ端末によって再生されるコンテンツを複数のユーザ端末に配信するコンテンツサーバと、ユーザ端末によって再生されるコンテンツに応じてユーザ端末に入力されるコメントと、コメントに対応付けられた、コンテンツの再生開始時点を基準としてコメントが入力された時点を示すコメント付与時間とをユーザ端末から受信し、複数のユーザ端末に配信するコメントサーバとを備えたコミュニケーションシステムのコミュニケーション方法であって、ユーザ端末が、コンテンツを再生するとともに、コメントサーバから配信される複数のコメントを、コメントに対応するコメント付与時間に応じた複数の時間区分毎に分割し、分割した時間区分毎に定められた件数内のコメントを出力するステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、定められたコンテンツを複数のユーザ端末に配信するコンテンツサーバと、ユーザ端末によって再生されるコンテンツに応じてユーザ端末に入力されるコメントと、コメントに対応付けられた、コンテンツの再生開始時点を基準としてコメントが入力された時点を示すコメント付与時間とをユーザ端末から受信し、複数のユーザ端末に配信するコメントサーバとに接続されたユーザ端末が、受信したコンテンツを再生するとともに、コメントサーバから配信される複数のコメントを、コメントに対応するコメント付与時間に応じた複数の時間区分毎に分割し、分割した時間区分毎に定められた件数のコメントを出力するようにしたので、時間区分毎に一定件数のコメントを出力することができ、コメントが集中する一定の時間区分のみに過剰にコメントが集中することを防ぐとともに、コメントが集中する時間区分以外の箇所においても一定件数のコメントを出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるコミュニケーションシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるユーザ端末に表示される画面例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によりコンテンツのコメント付与時間に応じた時間区分の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコメント記憶部に記憶されるデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるコミュニケーションシステムの動作例を示すシーケンス図である。
【図6】従来のコミュニケーションシステムにより出力されるコメントの偏りを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるコミュニケーションシステム1の構成を示すブロック図である。コミュニケーションシステム1は、複数のユーザ端末100(ユーザ端末100−1、ユーザ端末100−2、ユーザ端末100−3、・・・)と、コンテンツサーバ200と、コメントサーバ300とのコンピュータ装置を備えている。これらのコンピュータ装置は、ネットワークを介して接続されている。ここで、複数台のユーザ端末100−N(Nは任意の整数)は同様の構成であるため、特に区別しない場合にはユーザ端末100として説明する。
【0016】
ユーザ端末100は、コンテンツサーバ200から配信されるコンテンツを再生し、コメントサーバ300から配信されるコメントを合わせて出力するコンピュータ装置である。ユーザ端末100は、出力部110と、入力部120と、時間区分判定部130と、コメント送信部140と、コンテンツ受信部150と、コメント受信部160と、出力制御部170とを備えている。
【0017】
出力部110は、コンテンツサーバ200から配信されるコンテンツと、コメントサーバ300から配信されるコメントとを出力する。例えば、図2は、ユーザ端末400に表示される画面例を示す図である。ここでは、動画情報であるコンテンツが再生される例を示している。画面中の再生領域111には、コンテンツサーバ200から配信される動画と、他のユーザ端末100から送信されコメントサーバ300によって配信されたコメントとが重ね合わせて表示される。コメントサーバ300から配信されたコメントは、符号112に示されるように、動画上の右から左に流れるようにスクロールして表示される。これにより、コミュニケーションサービスのユーザは、動画を視聴しながら、動画の内容に応じて入力されるコメントを他のユーザと共有し、コミュニケーションを図ることが可能となる。
【0018】
入力フォーム113には、入力部120を介してユーザからコメントが入力される。書込みボタン114は、クリックされることによって、入力フォーム113に入力されたテキストによるコメントや、コメント付与時間、動画識別情報、ユーザ識別情報などをコメントサーバ300に送信する。ここで、コメント付与時間は、コンテンツの再生開始時点を基準としてそのコメントが入力された時点を示す時間である。
【0019】
コメント一覧表示エリア115は、複数のユーザから入力されたコメントが表示される領域である。このようにリスト化されたコメントは、ユーザ端末100のコメント受信部160がコメントサーバ300から定期的に受信し、ユーザ端末100の記憶領域に記憶される。コメント一覧表示エリア115には、コメントに付与された発言順序を示す番号(符号115a)、コメントを入力したユーザ名(符号115b)、コメントの書き込みをしたコメント付与時間(符号115c)、発言されたコメントの一部(符号115d)が、投稿された実時間情報の順に従って表示される。この図においては、コメント付与時間は、コンテンツの再生開始時点からの経過秒によって示されている。
【0020】
入力部120は、キーボードやマウスなどのデバイスであり、例えば上述した入力フォーム113へのテキストの入力や書込みボタン114の押下入力を受け付ける。
時間区分判定部130は、入力部120にコメントが入力されたコメント付与時間に対応する時間区分を識別する時間区分識別情報を生成する。ここで、時間区分判定部130は、出力部110に出力されるコンテンツの再生開始時点を基準として、入力部120にコメントが入力された時点を示すコメント付与時間に応じた区分識別情報を判定する。例えば、時間区分判定部130は、時間区分を1分としてコンテンツを分割する場合、コンテンツの再生時間が5分であれば、コンテンツを5つの時間区分に分割し、それぞれの区分を識別する区分識別情報(1、2、3、4、5)を生成する。このとき、時間区分判定部130は、コメント付与時間が5秒である場合には、区分識別情報は1であると判定する。
【0021】
コメント送信部140は、入力部120に入力されるコメントと、コメントが入力されたコメント付与時間と、時間区分判定部130によって判定された時間区分識別情報とを、コメントサーバ300に送信する。
コンテンツ受信部150は、コンテンツサーバ200から配信されるコンテンツを受信する。
コメント受信部160は、コメントサーバ300から配信されるコメントを受信する。
【0022】
出力制御部170は、コンテンツ受信部150によって受信されたコンテンツと、コメント受信部160によって受信されたコメントとを出力部110に出力させる。出力制御部170は、出力部110によってコンテンツを再生するとともに、コメントサーバ300から配信される複数のコメントを、そのコメントに対応するコメント付与時間に応じて分割した時間区分毎に、定められた件数(コメント保持数)内のコメントを出力する。例えば、図3は、出力制御部170による時間区分分割の例を示す図である。時間区分の単位を1分とし、コンテンツの再生時間が5分である場合、コメントを5つの時間区分に分割する。例えば、コメント受信部160を介してコメントサーバ300から1000件のコメントと、それぞれのコメントのコメント付与時間とを受信すると、受信したコメントをコメント付与時間に応じて時間区分毎に分割する。図の例では、時間区分「1」に300件、時間区分「2」に400件、時間区分「3」に200件、時間区分「4」に97件、時間区分「5」に3件のコメントが存在することが判定される。ここで、コメント保持数(Y)が250であるとすると、時間区分「1」と「2」とについてはコメント保持数を超えているので、250を超えるコメントを出力対象から除外し、出力対象のコメントを出力する。ここで、出力対象からコメントを除外する際には、コメントがコメントサーバ300に送信された時刻がより古いものから除外する。
【0023】
また、出力制御部170は、コンテンツの再生開始時に、コメント受信部160を介してコメントサーバ300から最新の複数件のコメントを受信し、受信したコメントを時間区分毎に分割し、分割した時間区分のうち、対応付けられたコメントの件数が定められた件数(コメント保持数)に満たない時間区分が存在する場合に、その時間区分に対応するコメントをコメントサーバ300からさらに受信する。コメント保持数は、例えば、出力制御部170の記憶領域に予め記憶される。例えば、図3の例では、出力制御部170は、コンテンツの再生開始時に、コメント受信部160を介してコメントサーバ300から最新の1000件のコメントを受信し、時間区分毎にコメントを分割している。時間区分毎のコメント保持数が250件だとすると、時間区分「1」、「2」については、コメント件数がコメント保持数以上である。一方、時間区分「3」、「4」および「5」については、コメント件数がコメント保持数に満たない。出力制御部170は、このようなコメント件数がコメント保持数に満たない時間区分について、コメントサーバ300にコメントの取得要求を送信し、コメント受信部160を介して不足分のコメントを取得する。
【0024】
また、出力制御部170は、コンテンツの再生中にコメントサーバ300から配信される新規のコメントを受信し、受信したコメントを定められた件数内において出力する。すなわち、ユーザ端末100におけるコンテンツの再生中にも、他のユーザ端末100に入力された新たなコメントがコメントサーバ300に送信されており、コメント受信部160は、このようなコメントをポーリングによりコメントサーバ300から取得している。出力制御部170は、このようなコメントについても出力対象とする。
【0025】
コンテンツサーバ200は、ユーザ端末によって再生されるコンテンツを複数のユーザ端末100に配信するコンピュータ装置である。コンテンツサーバ200は、コンテンツ記憶部210と、コンテンツ配信部220とを備えている。
コンテンツ記憶部210には、ユーザ端末100に配信され再生されるコンテンツが記憶される。コンテンツ記憶部210に記憶されるコンテンツは、例えば、定められた長さの再生時間を有する動画や音声などの情報である。コンテンツには、例えば、予め撮影された料理番組の動画情報や、音楽動画、ゲーム動画等が適用できる。
コンテンツ配信部220は、ユーザ端末100から送信されるコンテンツ配信要求に応じて、コンテンツ記憶部210に記憶されたコンテンツを配信する。
【0026】
コメントサーバ300は、ユーザ端末100によって再生されるコンテンツに応じてユーザ端末100に入力されるコメントと、そのコメントに対応付けられた、そのコンテンツの再生開始時点を基準としてコメントが入力された時点を示すコメント付与時間とをユーザ端末100から受信し、受信したコメントを複数のユーザ端末100に配信するコンピュータ装置である。コメントサーバ300は、コメント受信部310と、記憶部320と、時間区分判定部330と、コメント配信部340とを備えている。
【0027】
コメント受信部310は、ユーザ端末100から送信されるコメントとコメント付与時間と時間区分識別情報とを受信し、コメント記憶部320に記憶させる。
コメント記憶部320には、コンテンツに付与されたコメントが記憶される。図4は、コメント記憶部320に記憶されるコメント情報のデータ例を示す図である。コメント記憶部320には、コメントが付与されたコンテンツを識別するコンテンツ識別情報に対応付けて、コメントと、コメント付与時間と、時間区分識別情報との情報が対応付けられる。ここでは、コメント付与時間を、(hh:mm:ss)形式にて示しているが、秒数のみによって表されるようにしても良い。また、コメント記憶部320に記憶されているコメント情報は、コメント記憶部320に記憶された順序が識別できる構成となっている。例えば、コメント記憶部320には、コメントが記憶された時刻が対応付けられているようにしても良いし、新たにコメント情報が追加される度にインクリメントされるコメント識別情報が対応付けられるようにしても良い。これにより、コメント記憶部320に記憶されたコメントを読み出す際には、例えば、最新のコメントデータをN件(Nは任意の数)といったような読み出しを行なうことができる。
【0028】
時間区分判定部330は、ユーザ端末100が備える時間区分判定部130と同様の機能であり、コメント記憶部320に記憶されたコメント情報に基づいて、コンテンツに対するコメントの付与時間に応じた時間区分識別情報を判定し、判定した時間区分識別情報をコメント記憶部320に記憶させる。ここで、ユーザ端末100において既に時間区分識別情報が判定され送信されたコメント情報については、対応する時間区分識別情報がコメント記憶部320に既に記憶されているが、このように、コメントサーバ300が備える時間区分判定部330によって時間区分の判定を行なうようにしても良い。
【0029】
すなわち、時間区分判定部330は、コメント記憶部320に記憶されたコメント情報に基づいて、コメント付与時間に応じた時間区分を識別する時間区分識別情報を生成し、生成した時間区分識別情報のうち、コメントが入力されたコメント付与時間に対応する時間区分を識別する時間区分識別情報を判定して、コメント記憶部320に記憶させる。このように、コメントサーバ300の時間区分判定部330が時間区分を判定する場合には、ユーザ端末100が時間区分判定部130を備えなくとも良い。また、本実施形態による各機能部を備えるまでに既に稼働しているコミュニケーションシステムが存在し、時間区分識別情報が対応付けられていないコメント情報がサーバ側に蓄積されている場合には、そのコメント情報をコメントサーバ300に記憶させ、時間区分判定部330を動作させることによって、既存のコメント情報についても時間区分識別情報を対応付けて記憶させるようにすることができる。
【0030】
コメント配信部340は、コメント記憶部320に記憶されたコメントをユーザ端末100に配信する。また、コメント配信部340は、ユーザ端末100から、時間区分を指定したコメント取得要求を受信し、受信したコメント取得要求により指定される時間区分に対応付けられたコメントをコメント記憶部320から読み出し、読み出したコメントを、コメント取得要求の送信元であるユーザ端末100に配信する。ここで、コメント配信部340は、時間区分毎に定められた件数内のコメントをユーザ端末100に配信する。
【0031】
次に、本実施形態によるコミュニケーションシステム1の動作例を説明する。図5は、コミュニケーションシステム1により配信されたコメント件数が制御される動作例を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末100−1は、コメントサーバ300に対してX件(例えば、1000件)のコメントを取得するコメント取得要求を送信する(ステップS1)。コメントサーバ300が、ユーザ端末100−1から送信されたコメント取得要求を受信すると、コメント配信部340は、コメント記憶部320に記憶されたX件のコメントを読み出し、ユーザ端末100−1に配信する(ステップS2)。
【0032】
ユーザ端末100のコメント受信部160が、コメントサーバ300から配信されたコメントを受信すると、出力制御部170は、受信したコメントを、コメント付与時間に応じた時間区分に分割し、時間区分毎のコメント件数を算出する(ステップS3)。また、出力制御部170は、分割した時間区分のうち、対応付けられたコメントの件数が定められたコメント保持数に満たない時間区分が存在するか否かを判定する(ステップS4)。
【0033】
出力制御部170が、対応付けられたコメントの件数が定められたコメント保持数に満たない時間区分が存在しないと判定すると、ステップS7に進む(ステップS4:NO)。一方、ステップS4において、出力制御部170が、対応付けられたコメントの件数が定められたコメント保持数に満たない時間区分が存在すると判定すると(ステップS4:YES)、コメント保持数に満たない不足分のコメントのコメント取得要求をコメントサーバ300に送信する(ステップS5)。
【0034】
コメントサーバ300が、ユーザ端末100から送信された不足分のコメント取得要求を受信すると、コメント配信部340は、コメント記憶部320からコメントを読み出し、ユーザ端末100−1に配信する(ステップS6)。ユーザ端末100−1の出力制御部170のコメント受信部160が、コメントサーバ300から配信されたコメントを受信すると、出力制御部170は、時間区分毎にコメント保持数を超えるコメントを表示対象から除外する(ステップS7)。例えば、出力制御部170は、コメント受信部160によって受信され記憶領域に記憶されたコメントを削除することにより、コメント保持数を超えるコメントを表示対象から除外する。
【0035】
出力制御部170は、コンテンツ受信部150がコンテンツサーバ200から取得したコンテンツを出力部110に出力して再生させるとともに、時間区分毎に表示対象として判定したコメントを、コメント付与時間に応じて出力する(ステップS8)。また、出力制御部170は、任意の一定間隔で新規追加分のコメントのコメント取得要求をコメントサーバ300に送信し(ステップS9)、ポーリングを行なう。コメントサーバ300のコメント配信部340は、新規コメントをコメント記憶部320から読み出してユーザ端末100−1に配信する(ステップS10)。出力制御部170は、コメントサーバ300から配信されるコメントを受信すると、時間区分毎に、コメント保持数を超えるコメントを、古いものから順に表示対象から除外する(ステップS11)。
【0036】
以上説明したように、本発明によれば、コンテンツを再生するとともにコンテンツに応じて入力されたコメントを出力するコミュニケーションサービスにおいて、コメントの時間的な出力件数を平準化し、再生時間中の一定の箇所にコメントが集中し過ぎることを防ぐとともに、他の箇所にコメントが全く出力されなくなることを防ぐようにコメント出力を制御することが可能となる。
【0037】
なお、本実施形態の例では、コメント付与時間に応じて時間区分を分割する際、定められた1分の時間区分によって区切り、全ての時間区分におけるコメント保持数を同一の件数としたが、例えば時間区分に端数が出る場合には、端数に応じた件数をコメント保持数として良い。例えば、コンテンツの再生時間が4分30秒であり、時間区分毎のコメント保持数が250件である場合には、1分、1分、1分、1分、30秒の時間区分にコメントを分割し、30秒の時間区分については(250×(30/60)=)125件をコメント保持数とするようにしても良い。
【0038】
また、コメントを分割する時間区分は、コンテンツの内容等に応じて任意の時間区分を定めるようにしても良い。例えば、コンテンツの内容に応じて一幕、二幕などの区切りが存在する場合には、その区切りに合わせた時間区分を設定するようにしても良い。また、例えばコンテンツ中の登場人物毎の登場場面に応じて、時間区分を定めるようにしても良い。また、コンテンツを再生する際の再生の開始時間または終了時間が定まっておらず、リアルタイムに放送されるコンテンツについても、コメント付与時間に応じた時間区分識別情報を判定して付与し、時間区分毎に定められたコメント保持数に応じてコメントの配信を行うようにしても良い。
【0039】
また、時間区分毎のコメント保持数の値は、コメントサーバ300において固定の値を記憶しておくようにしても良いし、動的に変更可能としても良い。例えば、コンテンツ毎に異なるコメント保持数をコンテンツサーバ200に記憶しておき、再生回数などのコンテンツの属性情報とともにユーザ端末100に配信されるようにしても良い。また、ユーザ毎に異なるコメント保持数を定めておき、ユーザがログインを行なう際にログインサーバからユーザ端末100に配信されるようにしても良い。また、ユーザ端末において任意のコメント保持数の入力を受付け、入力されたコメント保持数を適用するようにしても良い。また、例えば特定のコンテンツに対応付けられてコメント記憶部320に記憶されたコメントの、時間区分毎のコメント件数の平均値などをコメント保持数として適用するようにしても良い。
【0040】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりコミュニケーションサービスの提供を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0041】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 コミュニケーションシステム
100 ユーザ端末
110 出力部
120 入力部
130 時間区分判定部
140 コメント送信部
150 コンテンツ受信部
160 コメント受信部
170 出力制御部
200 コンテンツサーバ
210 コンテンツ記憶部
220 コンテンツ配信部
300 コメントサーバ
310 コメント受信部
320 コメント記憶部
330 時間区分判定部
340 コメント配信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末と、前記ユーザ端末によって再生されるコンテンツを配信するコンテンツサーバと、前記ユーザ端末によって再生される前記コンテンツに応じて当該ユーザ端末に入力されるコメントと、当該コメントに対応付けられた、前記コンテンツの再生開始時点を基準として当該コメントが入力された時点を示すコメント付与時間とを前記ユーザ端末から受信し、前記複数のユーザ端末に配信するコメントサーバとを備えたコミュニケーションシステムであって、
前記ユーザ端末は、
前記コンテンツを再生するとともに、前記コメントサーバから配信される複数の前記コメントを、当該コメントに対応する前記コメント付与時間に応じた複数の時間区分毎に分割し、分割した時間区分毎に定められた件数内の前記コメントを出力する出力制御部
を備えることを特徴とするコミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記ユーザ端末の、
前記出力制御部は、前記コンテンツの再生開始時に、前記コメントサーバから最新の複数件のコメントを受信し、受信したコメントを前記時間区分毎に分割し、分割した当該時間区分のうち、対応付けられた前記コメントの件数が前記定められた件数に満たない前記時間区分が存在する場合に、当該時間区分に対応する前記コメントを前記コメントサーバからさらに受信する
ことを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記ユーザ端末の、
前記出力制御部は、前記コンテンツの再生中に前記コメントサーバから配信される新規のコメントを受信し、受信した当該コメントを前記定められた件数内において出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記ユーザ端末は、
前記コメントが入力されたコメント付与時間に応じた前記時間区分を識別する時間区分識別情報を生成する第1の時間区分判定部と、
入力される前記コメントと、前記第1の時間区分判定部によって判定された前記時間区分識別情報とを前記コメントサーバに送信するコメント送信部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記コメントサーバは、
前記ユーザ端末から送信される前記コメントに対応する前記コメント付与時間に応じた前記時間区分を識別する時間区分識別情報を生成する第2の時間区分判定部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
前記コメントサーバは、
前記複数のユーザ端末から送信される前記コメントが、前記時間区分毎に対応付けられて記憶されるコメント記憶部と、
前記ユーザ端末から、前記時間区分を指定したコメント取得要求を受信し、受信したコメント取得要求により指定される前記時間区分に対応付けられた前記コメントを前記コメント記憶部から読み出し、読み出した当該コメントを、コメント取得要求の送信元である前記ユーザ端末に配信するコメント配信部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のコミュニケーションシステム。
【請求項7】
複数のユーザ端末と、前記ユーザ端末によって再生されるコンテンツを前記複数のユーザ端末に配信するコンテンツサーバと、前記ユーザ端末によって再生される前記コンテンツに応じて当該ユーザ端末に入力されるコメントと、当該コメントに対応付けられた、前記コンテンツの再生開始時点を基準として当該コメントが入力された時点を示すコメント付与時間とを前記ユーザ端末から受信し、前記複数のユーザ端末に配信するコメントサーバとを備えたコミュニケーションシステムのコミュニケーション方法であって、
前記ユーザ端末が、
前記コンテンツを再生するとともに、前記コメントサーバから配信される複数の前記コメントを、当該コメントに対応する前記コメント付与時間に応じた複数の時間区分毎に分割し、分割した時間区分毎に定められた件数内の前記コメントを出力するステップ
を備えることを特徴とするコミュニケーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−119847(P2011−119847A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273540(P2009−273540)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(598138327)株式会社ドワンゴ (97)
【Fターム(参考)】