説明

コリメータ

本発明は、高エネルギのビーム(2)の束を制限するためのコリメータ(1)であって、束が、ほぼ点状の放射線源(3)から出発して治療対象(4)に向けられていて、特に腫瘍の定位的な原体照射のために働くようになっており、当該コリメータ(1)が、ビーム制限手段として虹彩絞り(5)を有している形式のものに関する。このようなコリメータ(1)に対して、高い遮蔽率と、僅かな構造高さと、絞り開口(12)の可変の開口サイズとは、虹彩絞り(5)が、少なくとも3つの絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)を有しており、該絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が、等しい角度(α)を成す、互いに接触する側面(10)を有しており、多くとも1つだけ減少させられた個数の絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)による側面(10)に沿ったスライド運動(13)が行われることによって、絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が、ビーム制限開口(12)を開放するようになっていることによって得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高エネルギのビームの束を制限するためのコリメータであって、束が、ほぼ点状の放射線源から出発して治療対象に向けられていて、特に腫瘍の定位的な原体照射のために働くようになっており、当該コリメータが、ビーム制限手段として虹彩絞りを有している形式のものに関する。
【0002】
高エネルギのビームの束を制限するためのコリメータは、特に腫瘍の診断目的および治療のために使用される。この場合、コリメータは、診断領域もしくは治療領域に並んで位置する健康な組織が可能な限り良好にビームに対して防護され、これによって、損害が回避されるかまたは最小限に減じられるように、ビームを制限するために働く。この目的のためには、交換可能な不動のコリメータまたは、たとえばマルチリーフコリメータの事例のように、調整可能である開口を備えたコリメータが働く。
【0003】
「RHHCT Journal(2002年6月17日)(http://www.rhhct.org.uk/news/rhhct17/17.html)」では、表題「The Centenary of the founding of the British Electro Therapeutic Society 1902−2002」のもと、1905年3月24日の会合において、冒頭で述べた形式のコリメータ、すなわち、ビーム制限手段としての虹彩絞りを備えたコリメータを使用することが報告されている。この場合、極めて肉厚な絞り羽根も所要の遮蔽特性のため述べられている。
【0004】
当時、キロボルト範囲内の出力を備えた放射線源しか使用されなかったので、1.5〜3mmの厚さのオーダ内にあるような絞り羽根が、前述した極めて肉厚な絞り羽根と解されていた。この厚さの場合、環状に配置された、部分領域でオーバラップする絞り羽根を備えた虹彩絞りの既知の構造がまだ可能であった。
【0005】
しかし、今日、特にビーム治療では、メガボルト範囲内にある出力を備えた放射線源が使用される。しかし、このようにエネルギ強烈なビームを所要の程度遮蔽するためには、6〜10cmの材料厚さが必要となる。慣用の構造の虹彩絞りを、このように肉厚の、部分的にオーバラップする絞り羽根を備えて形成したい場合には、虹彩絞りの、もはやまともに取り扱うことができない構造高さが達成される恐れがある。
【0006】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式のコリメータを改良して、高い遮蔽率および僅かな構造高さで、絞り開口の可変の開口サイズが獲得可能となるようにすることである。
【0007】
この課題を解決するために本発明の構成では、虹彩絞りが、少なくとも3つの絞り羽根を有しており、該絞り羽根が、等しい角度を成す、互いに接触する側面を有しており、多くとも1つだけ減少させられた個数の絞り羽根による側面に沿ったスライド運動が行われることによって、絞り羽根が、ビーム制限開口を開放するようになっているようにした。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、全ての絞り羽根のスライド運動が、等しい調整ストロークだけ行われるようになっており、これによって、調整運動後、開口が、側面の、中心点から等しい距離を有する部分領域によって形成されるようになっている。
【0009】
本発明の有利な構成によれば、絞り羽根が、スライド運動の方向に延びるリニアガイドによって支承されている。
【0010】
本発明の有利な構成によれば、虹彩絞りが、4つの絞り羽根を有している。
【0011】
本発明の有利な構成によれば、開口を形成する各側面が、その内側の端部で、1/4円を形成する、ノーズ状に突出した円弧部に移行しており、これによって、4つの絞り羽根が、選択的に、それぞれ異なるサイズの円形の開口または丸み付けられた角隅を備えた正方形の開口を形成するようになっている。
【0012】
本発明の有利な構成によれば、虹彩絞りが、少なくとも6つの絞り羽根を有している。
【0013】
本発明の有利な構成によれば、治療対象を、当該コリメータにより制限されたビームによって走査する走査装置が設けられている。
【0014】
本発明の有利な構成によれば、放射線源と当該コリメータとが、ロボットアームに位置しており、該ロボットアームが、治療対象を中心として運動可能である。
【0015】
本発明の有利な構成によれば、放射線源と当該コリメータとが、ガントリによって、治療対象に対する、当該コリメータにより制限されたビームのそれぞれ異なる立体角方向付けにもたらされるようになっている。
【0016】
本発明の有利な構成によれば、絞り羽根の側面を互いに押圧する力負荷手段が設けられている。
【0017】
本発明の有利な構成によれば、絞り羽根に、力負荷手段を生ぜしめるばねが作用するようになっている。
【0018】
本発明の有利な構成によれば、側面が、開口の形成のために働かない互いに接触する領域に、共通のガイドを有しており、該ガイドで、互いに隣接した絞り羽根の側面が、相互に移動可能である。
【0019】
本発明の有利な構成によれば、絞り羽根のスライド運動が、少なくとも1つの絞り羽根が駆動されることによって行われるようになっている。
【0020】
本発明の有利な構成によれば、全ての絞り羽根が、同時に駆動されるようになっている。
【0021】
本発明の有利な構成によれば、各絞り羽根に対して1つの駆動装置が設けられており、電子的な制御によって、同時の運動が行われるようになっている。
【0022】
本発明の有利な構成によれば、1つの駆動装置が、機械装置を介して全ての絞り羽根を同時に駆動するようになっている。
【0023】
本発明の有利な構成によれば、機械装置が、絞り羽根を、中心点を中心として回動可能なカムディスクに螺線状に配置された調整カムを介して駆動するようになっている。
【0024】
本発明の有利な構成によれば、機械装置が、中心点を中心として回動可能な調整機構を有しており、該調整機構が、各絞り羽根に調整アームで作用するようになっている。
【0025】
本発明の有利な構成によれば、調整アームによるスライド運動に抗して戻しばねが作用するようになっている。
【0026】
本発明の有利な構成によれば、絞りの、互いに接触する側面が、誤差によって生ぜしめられるギャップが、ビーム路に対して平行に延びないように延びている。
【0027】
本発明の有利な構成によれば、側面が、該側面の平坦度に対する、スライド方向に延びる相補的に内外で係合する公差を有している。
【0028】
本発明の有利な構成によれば、虹彩絞りが、光軸に対して直角に位置する仮想絞り平面に対して傾倒させられており、これによって、ビームが、もはやギャップを通過しないようになっている。
【0029】
本発明の有利な構成によれば、当該コリメータの遮蔽能が、メガボルト範囲内の放射線源の高エネルギのビームに対して規定されている。
【0030】
本発明の有利な構成によれば、絞り羽根の厚さが、6〜10cmの間にある。
【0031】
本発明の有利な構成によれば、虹彩絞りのほかに、付加的な遮蔽のための固定絞りが、ビーム路に位置しており、固定絞りの開口が、虹彩絞りの最大の開口に調和されている。
【0032】
本発明の基本思想は、絞り羽根のオーバラップがもはや不要となるように、虹彩絞りを形成することにある。このことは、全ての絞り羽根が1つの平面(レベル)に位置していて、これらの絞り羽根の側面が互いに接触していることによって達成される。絞り開口を形成するための絞り羽根のスライド運動後に初めて、この絞り羽根の側面の前方の短い部分領域が開放され、これによって、こうして形成されたビーム制限絞り開口が制限される。こうして、虹彩絞りを極めて高エネルギのビームの分野にも使用することが可能になる。この場合、絞り羽根の、ビーム遮蔽のために必要となる厚さにもかかわらず、取扱い可能な構造高さを維持することができる。オーバラップ領域が不要となるので、重量が慣用の虹彩絞り構造に比べて僅かとなる。主として、遮蔽材料によって規定される重量は、固定絞りの重量にほぼ相当している。構造は比較的簡単であり、絞り開口の調整のために必要となる調整運動は、簡単な機械的なまたは電子的な手段によって得ることができる。コンパクトな構造によって、虹彩絞りを備えたコリメータを適宜な装置によって所要の位置にもたらすことも可能となる。このことは、特に治療照射の分野において、面の走査またはそれぞれ異なる立体角から治療対象に向けられた照射のために必要となる。この場合、調整可能な虹彩絞りは、不動の絞りの交換によって可能となるよりも迅速に所要のサイズにもたらすことができる。これに対して、ビーム路にもたらされ得る複数の開口を備えた絞りプレートに比べて、調整可能な虹彩絞りは一層僅かな重量だけでなく、調整可能な絞り開口幅に関する一層高いフレキシビリティも有している。
【0033】
原理的には、1つの絞り羽根が不動に配置されていて、別の絞り羽根が、開口を形成するために、等しい部分だけ、隣接した1つの絞り羽根の縁部に沿って移動させられることが可能である。しかし、絞り開口の中心点がそのサイズに関係なく常に同じ箇所にあるように、全ての絞り羽根のスライド運動が等しい調整ストロークだけ行われ、これによって、調整運動後、開口が、側面の、中心点から等しい距離を有する部分領域によって形成されると有利である。この構成では、光軸が虹彩絞りの絞り羽根の開放運動に関係なく常に同一の箇所にとどまる。
【0034】
何が絞り羽根の支承に関して必要となるのかは、全ての絞り羽根がスライド運動を実施し、どのくらい多くの絞り羽根が存在しているのかに依る。1つが不動であるただ3つの絞り羽根の場合、移動可能な両絞り羽根のガイドのためには、固定された絞り羽根の側面に対する確実な当付けで十分である。特に全ての絞り羽根が移動可能である場合、一義的な運動経過は、絞り羽根が、スライド運動の方向に延びるリニアガイドによって支承されていることを要求する。このリニアガイドの延びに関して、各絞り羽根の運動の正確な経過が考慮されなければならない。このことは、図面説明から一層詳しく明らかである。たとえば、4枚羽根の絞りに対して、リニアガイドが、別の絞り羽根に接触する側面に対して45゜の角度で延びていなければならないことが明らかである。
【0035】
特に有利な構成は、虹彩絞りが4つの絞り羽根を有していることにある。このことは、正方形の開口を生ぜしめる。この開口は、走査運動中に治療対象の面にわたって案内することができ、これによって、走査過程の終了時に照射期間が、照射される全ての面で正確に同じとなる。
【0036】
4つの絞り羽根を備えた虹彩絞りは、開口を形成する各側面がその内側の端部で、1/4円を形成する、ノーズ状に突出した円弧部に移行しているように形成されてもよい。この場合、この円弧部は側面の終端部を形成している。この場合、4つの絞り羽根がまとめられ、これによって、円弧部が直接互いに接触すると、円形の開口が形成される。このような開口は、特に走査または点での照射のために、極めて小さな直径を備えた個別ビームが必要になると有利である。このような形式の絞り羽根がさらに開放されると、丸い角隅を備えた正方形の開口が形成される。この場合、それぞれ異なるサイズが可能となる。この場合、この開口は、上述した形式で走査のために使用することができる。こうして、比較的大きな正方形の開口によって、面の大部分を走査することができ、円形の小さな開口によって、極めて微細なビームを得ることが可能となる。このビームによって、正方形の開口が面的に大き過ぎる不規則な縁領域をさらに走査することができる。
【0037】
択一的に、虹彩絞りは、可能な限り円形のビームが成形されるために調整されていてよい。この場合、このためには、少なくとも6つの絞り羽根が有利である。この場合、個数によって、当然ながら、円形への接近がますます改善される。これによって、たとえば診断の目的でのX線照射のために必要となるような大きな開口を形成することが可能となるかまたは高エネルギのビームによって、円形の腫瘍、たとえば脳腫瘍に照射することができる。他方では、まず、開口をより大きくすることができ、これによって、面が走査され、その後、細かくされ、1回の走査運動によって任意の形状、たとえば治療対象の面の不規則な縁領域が走査される。
【0038】
コリメータによって面の走査を行いたい(このことは最も頻繁な使用事例である)場合には、治療対象を、コリメータによって制限されたビームによって走査する走査装置が設けられていなければならない。このような形式の走査装置は、ドイツ連邦共和国特許第10157523号明細書に基づき公知である。この事例では、虹彩絞りが、不変のサイズを備えたコリメータ開口の、選択的に所要のサイズでビーム路にもたらされなければならない箇所に移動する。当該刊行物に開示された残りの全ての特徴は、特に機械装置を放射線源とコリメータとを中心として所要の走査運動でガイドするために、虹彩絞りを備えたコリメータに相応に転用することができる。したがって、その説明はこの指摘によって置き換えられる。このような走査装置の別の可能性は、放射線源とコリメータとがロボットアームに位置しており、このロボットアームが治療対象を中心として運動可能であることにある。このような形式のロボットアームは知られている。このロボットアームは、特に自動化された製造においてすでに数多く使用されており、これによって、詳しい説明は省略されてもよい。
【0039】
放射線源とコリメータとがガントリによって、治療対象に対する、コリメータにより制限されたビームのそれぞれ異なる立体角方向付けにもたらされるようになっていてもよい。当然ながら、上述した走査装置が、照射したい立体的な構造物をそれぞれ異なる側から走査するために、このようなガントリに懸設されてもよい。このような形式のガントリは、すでに照射機器において、特に照射したい面を手間のかかる機械装置によって模作するマルチリーフコリメータに相俟って通常使用される。
【0040】
本発明によるコリメータでは、虹彩絞りの絞り羽根の側面が正確に互いに載置していることが保証されていなければならない。したがって、側面は正確に平坦でなければならず、表面粗さを有していてはならない。このためには、場合により、精密加工、たとえば研削またはラッピングが必要となる。さらに、側面が固く互いに接触していることが必要となる。このためには、絞り羽根の側面を互いに押圧する力負荷手段が設けられていることが提案される。たとえば、絞り羽根に、力負荷手段を生ぜしめるばねが作用することが提案されていてよい。このような形式の力負荷手段によって、精密なガイドよりも一層良好な面当付けを得ることができる。なぜならば、ガイドは常に小さな遊びを有していなければならないからである。
【0041】
側面の良好な相互接触に対する別の可能性は、側面が、絞り開口の形成のために働かない互いに接触する領域に、共通のガイドを有しており、このガイドで、互いに隣接した絞り羽根の側面が、相互に移動可能であることにある。互いに隣接した絞り羽根の2つの側面のこのような共通のガイドも、側面の精密な面当付けの目的でのばねによる力負荷手段を含んでいてよい。
【0042】
絞り羽根のスライド運動は、少なくとも1つの絞り羽根が駆動されることによって達成される。特にすでに前述した3枚羽根の虹彩絞りの場合には、これで十分である。より多くの絞り羽根が設けられている場合には、たとえば第2の各絞り羽根を駆動することができ、別の絞り羽根は、この場合に得られる力伝達によって一緒に運動させられる。しかし、開放運動の、可能な限り摩擦なしのかつ正確な運動経過のためには、全ての絞り羽根が同時に駆動されると有利である。
【0043】
全ての絞り羽根のこのような同時の駆動は種々異なる形式で行うことができる。たとえば、各絞り羽根に対して1つの駆動装置が設けられており、この場合、電子的な制御によって、同時の運動が行われることが可能となる。しかし、この運動は極めて精密でなければならない。なぜならば、不均一な駆動によって、絞り羽根が相互に引っ掛かる恐れがあるからである。別の可能性は、1つの駆動装置が機械装置を介して全ての絞り羽根を同時に駆動することを提案している。このような形式の機械装置は種々異なる形式で形成することができる。したがって、たとえば伝動装置を介して同時に運動させられるスピンドル駆動装置またはウォーム駆動装置が設けられていてよい。別の可能性は、機械装置が、絞り開口の中心点を中心として回動可能なカムディスクを有していることにある。この場合、当然ながら、カムディスクの中心に1つの開口が必要となる。この開口によって、最大のビームのビーム通過が可能となる。この場合、カムディスクには、螺線状に調整カムが配置されている。この調整カムが絞り羽根を操作する。調整カムは、溝または張出し部であってよい。この溝または張出し部は絞り羽根をエレメントによって調節する。このエレメントは絞り羽根に配置されていて、調整カムに対して滑動する。
【0044】
このような機械装置の構造の別の可能性は、絞り開口の中心点を中心として回動可能な調整機構が設けられており、この調整機構が、各絞り羽根に調整アームで作用することを提案している。この場合、当然ながら、このようなスライド運動が調整アームによって戻りも含んでいると有利である。このような戻りは、たとえば調整運動に抗して作用する戻しばねによって行うことができる。
【0045】
すでに述べたように、絞りの側面は絶対的に面平行に互いに載置していなければならない。なぜならば、さもないと、漏れビームが通過し得るギャップが生ぜしめられるからである。このことは、回避されなければならない。なぜならば、このような漏れビームが健康な組織に衝突する恐れがあるからである。極めて僅かなギャップを最も精密な面処理によっても、互いに隣接した面の面経過全体にわたって完全に回避することができないことは、ギャップがビーム路に対して平行に延びていないように、互いに接触する側面が延びていると有利である。このためには、側面が、この側面の平坦度に対する、スライド方向に延びる相補的に内外で係合する公差を有していることが提案されていてよい。このために、段部またはこれに類するものを設けることが知られている。したがって、この構成は詳しく説明しない。前述した漏れビームを回避するための良好な解決手段は、本発明による虹彩絞りでは、この虹彩絞りが、ビームの光軸に対して直角に位置する仮想コリメータ平面に対して傾倒させられており、これによって、ビームがもはや可能なギャップを通過し得ないことにある。誤差によって生ぜしめられ得るこのようなギャップは、面の精度が高い場合には、マイクロメートル範囲内にあるので、ビーム成形に実際に影響を与えない秒だけの相応に小さな傾倒で十分である。
【0046】
本発明によるコリメータは、当然ながら、極めて高エネルギのビームの分野以外にX線機器に対して使用されてもよい。なぜならば、僅かな構造高さはあらゆる機器に対して有利であるので、オーバラップしない絞り羽根の利点がそこでも重要となるからである。本発明の目的は、当然ながら、特に高エネルギのビームに対する遮蔽能と同時に虹彩絞りの僅かな構造高さを提供可能にすることにある。このような使用分野に対して、遮蔽能は、メガボルト範囲内の放射線源に関する高エネルギのビームに対して規定されていることが望ましい。この場合、このことは、主として、ビーム治療の使用分野に該当する。なぜならば、たとえば腫瘍組織の破壊のために、このような高エネルギのビームが必要となるからである。この目的のためには、絞り羽根の厚さが6〜10cmの間にあることが望ましい。この場合、たとえばタングステン合金であってよい慣用の絞り羽根材料が前提とされる。
【0047】
付加的な遮蔽を得るためには、本発明によるコリメータが、虹彩絞りのほかに、固定絞りを有しており、この固定絞りが、ビーム路に位置しており、固定絞りの開口が、虹彩絞りの最大の開口に調和されていることが提案されていてよい。
【0048】
以下に、本発明を、図面に示した実施例につき説明する。
【0049】
図1には、3枚羽根の虹彩絞り5の簡単な実施例が原理の説明のために示してある。この説明のためには、3枚羽根の虹彩絞り5が少ない部材に基づき最も見やすく図示可能であるので、3枚羽根の虹彩絞り5が選択された。この虹彩絞り5は3つの絞り羽根6,6’,6’’を有している。この実施例では、絞り羽根6が不動であり、絞り羽根6’,6’’が矢印13の方向に移動可能である。虹彩絞り5の閉鎖状態では、角度αは中心点11に位置している。この場合、各角度αは絞り羽根6,6’,6’’の2つの側面10によって形成されている。この角度αは、当然ながら、複数の絞り羽根を備えた虹彩絞り5の場合には相応により小さくなる。
【0050】
この構成では、絞り羽根6’,6’’が、側面10に設けられたガイド21によってガイドされており、この場合、側面10は固く互いに載置している。この場合、絞り羽根6の不動の配置に基づき、この絞り羽根6の側縁部10が、別の両絞り羽根6’,6’’に対するリニアガイド16を形成しており、両絞り羽根6’,6’’の間のガイド21は両絞り羽根6’,6’’と共に移動させられる。この場合、この両絞り羽根6’,6’’が調整ストローク14を実施する。この移動のためには、絞り羽根6’に設けられたシンボリックに図示した駆動装置31が働き、戻りのためには、絞り羽根6’’に設けられた戻しばね27が働く。スライド運動13によって、絞り開口12が開放される。この場合、この絞り開口12のサイズは、進められる調整ストローク14の量に依る。
【0051】
三角形の絞り開口12よりも、四角形のまたはほぼ円形の絞り開口が有利である。このことは、あとで図説する実施例に示してある。さらに、中心点11が、ここでは小さな両十字によって記入したように、虹彩絞り5の開放によって移動させられず、虹彩絞り5が開放された場合に、中心点11が維持されたままとなる構成がより有利である。しかし、この場合、この目的のためには、全ての絞り羽根がスライド運動13を実施しなければならず、したがって、これらの絞り羽根が相応のリニアガイドによって支承されていることが必要となる。このことも、さらに以下の実施例に説明してある。
【0052】
図2には、虹彩絞り5を備えたコリメータ1の原理図が示してある。このコリメータ1は放射線源3に対応配置されている。この放射線源3から、ビーム2が出発する。虹彩絞り5には、固定絞り30が前置されている。この固定絞り30は開口を有している。この開口は虹彩絞り5の最大の開口に相当している。固定絞り30は、放射線源3のビーム2を制限しかつ散乱ビームの発生を可能な限り十分に阻止するために働く。虹彩絞り5は、ここには、断面図で示してある。この虹彩絞り5は、絞り羽根7,7’,7’’,7’’’を備えた4枚羽根の虹彩絞り5である。この4枚羽根の虹彩絞り5は、あとでさらに詳しく説明する。虹彩絞り5の開口12によって、ビーム2がビーム2’に十分に制限され、しかも、このビーム2’によって、たとえば治療対象4の面を走査することができるように制限される。この場合、このような走査装置は、ドイツ連邦共和国特許第10157523号明細書に開示されている。さらに、このような走査装置はガントリに配置することができ、これによって、治療対象4にそれぞれ異なる側から照射し、したがって、たとえば腫瘍への最大の照射を得ることが可能となる。この照射時には、同時に周辺の組織が著しく少ない放射線を獲得する。
【0053】
図3には、2つの絞り羽根の間のガイド21の詳細が示してある。絞り羽根32は任意の絞り羽根であってよく、当該明細書に記載されているものでもよいし、当然ながら、さらに多くの絞り羽根を有する虹彩絞り5のものであってもよい。ここに図示したガイド21は、2つの絞り羽根32をその側面10で固く保持し、これによって、可能な限りギャップ28を形成しないために働く。このためには、ガイド21内に配置されたばね20も働く。このばね20は、絞り羽根32に付設された段付け部38を押し合わせる。このようなガイド21は、当然ながら、側面10の、絞り開口12の形成のための部分領域15として使用されない領域にしか配置することができない。
【0054】
ギャップ28は決して100パーセント回避することができないので、図2に記入した絞り平面29が光軸33に対して僅かに、しかも、ビーム2が絞り羽根32の間のギャップ28を通過し得ないように傾倒させられることが提案される。このことは、角度βが90゜から僅かな公差を有していることを意味している。この場合、一般的には、数秒で十分である。補足的に付言しておくと、ビーム路は図2には著しく短縮して示してある。実際には、絞り開口12に比較して、放射線源3に対する間隔は著しく大きく、これによって、ビーム2が虹彩絞り5の領域でまだ平行な経過から最小の公差しか有しておらず、これによって、図2と異なり、ギャップ28を通るビーム2の通過が可能となり、したがって、前述した傾倒または別の手段によって阻止されることが望ましい。しかし、傾倒は極めて僅かになり得る。なぜならば、側面10の高い表面品質および平坦度に基づき、ギャップ28が元々マイクロ範囲内でしか生ぜしめられ得ないからである。
【0055】
図4a、図4bおよび図4cには、4枚羽根の虹彩絞り5の原理図が示してある。この4枚羽根の虹彩絞り5は絞り羽根7,7’,7’’,7’’’を有している。図4aでは、虹彩絞り5が閉鎖されている。この場合、直角である角度αが互いに接触している。図4bでは、全ての絞り羽根が同一の調整ストローク14だけ運動させられており、これによって、開口12が形成されている。この開口12は、絞り羽根7,7’,7’’,7’’’の側面10の部分領域15によって形成される。調整ストローク14は、それぞれ正方形の開口12の両対角線の半分に相当している。
【0056】
図4cには、虹彩絞り5の別の開口が示してある。この場合、光軸33(図2参照)に位置する中心点11が記入してあり、この中心点11から出発して、絞り羽根7の左上の角隅が実施した調整ストローク14が記入している。相応して、別の絞り羽根7’,7’’,7’’’も調整ストローク14を実施している。
【0057】
図5a、図5bおよび図5cには、絞り羽根を同時に調節するための機械装置22の実施例が示してある。このことは、4つの絞り羽根7,7’,7’’,7’’’につき図示してある。機械装置22は調整機構25を有している。この調整機構25は調整アーム26を有している。この調整アーム26は、絞り羽根7,7’,7’’,7’’’のそれぞれ1つに対応配置されている。この絞り羽根7,7’,7’’,7’’’はガイドピン34を有していて、しかも、それぞれ2つのガイドピン34を有している。両ガイドピン34はリニアガイド16に支承されている。調整機構25が矢印35の方向に回動させられると、調整アーム26がピン34をリニアガイド16に沿ってスライドさせ、したがって、絞り羽根7,7’,7’’,7’’’の上述した調整ストローク14を生ぜしめる。
【0058】
図5bには、すでに開口12が示してある。この開口12は、図5cでは、さらに一層開放されている。図5cには、スライド運動13も、戻しばね27の可能な配置も記入してある。この戻しばね27は、調整機構25が矢印35の方向と逆方向に戻される場合に、虹彩絞り5を再び閉鎖する。
【0059】
図6aおよび図6bには、4枚羽根の虹彩絞り5の別の構成可能性が示してある。この場合、絞り羽根7,7’,7’’,7’’’はその側面10の前方の端部に、ノーズ状に突出した円弧部19を有している。この構成可能性では、虹彩絞り5を完全に閉鎖することはできない。なぜならば、調整運動13が、ここでは、それぞれ1/4円である円弧部19が互いに組み合わされて円形の開口17を形成するまでしか可能とならないからである。この場合、これは、最小の開口12である。虹彩絞り5が、相応して、上述したように開放されると、正方形の開口18が形成される。この開口18では、円弧部19が、丸み付けられた角隅を形成している。このことは、図6bに示してある。このような形式の構成の利点は、すでに上述してある。
【0060】
図7a、図7bおよび図7cには、5枚羽根の虹彩絞り5の原理図が示してある。ここでも、全ての絞り羽根8,8’,8’’,8’’’,8’’’’が、図7bおよび図7cに示したように、開口12を形成するために、同時の調整運動を実施する。図7cには、さらに、どのような調整ストローク14を、たとえば斜線で特徴付けた絞り羽根8が実施するのかが明瞭に示してある。この場合、中心点11から出発した調整ストローク14は、絞り羽根8の、いま矢印先端に位置する角隅が実施した道程を描く。
【0061】
図8a、図8bおよび図8cには、6枚羽根の虹彩絞り5の原理図が示してある。これらの図は、前述した図に相当している。この場合、絞り羽根9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’は、図8bおよび図8cに示した開放運動の場合の絞り羽根の位置をより良好に認めることができるように、それぞれ異なる斜線で示してある。図8cには、さらに、矢印13によって、各絞り羽根9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’のスライド運動が記入してある。調整運動14は、中心点11から出発した、矢印先端における角隅に対する矢印によって図示してある。この角隅は絞り羽根9’に属している。
【0062】
図9には、絞り羽根を同時に調節するための機械装置22の別の実施例が示してある。この場合、図9aには、この機械装置22の詳細が保持アーム36に対して横方向の断面図として示してある。本実施例は、調整カム23を有するカムディスク24である。任意に形成されていてよい絞り羽根32は、ここでは、それぞれ保持アーム36を備えている。この保持アーム36は、それぞれ2つのガイドピン34を支持している。この場合、図面は1つの絞り羽根32に制限されている。ガイドピン34は、カムディスク24の、溝として形成された調整カム23を通って延びていて、付加的にリニアガイド16内で走行する。こうして、カムディスク24の矢印35の方向への回動によって、絞り羽根32が矢印13の方向へのスライド運動を実施することが達成される。これに対して、カムディスク24が矢印35と逆方向に運動させられると、絞り羽根32が再び調整ストローク14と逆方向に戻される。この場合、この調整ストローク14を、配置された全ての絞り羽根32が常に同時に実施する。
【0063】
ここでは、どのくらい多くの絞り羽根が存在しているのか規定されなかった。なぜならば、このような形式のカムディスク24は、ほぼ任意の個数の絞り羽根32に対して使用することができるからである。絞り羽根32の個数と、所望の開口12ひいては所望の調整ストローク14とに相応して、調整カム23の個数と経過とが調整される。この場合、図9aには、さらに、カバープレート37が示してある。このカバープレート37は機械装置22を有利にカバーする。保持アーム36の代わりに、当然ながら、ガイドピン34を各絞り羽根32に直接相応に配置することが行われてもよい。
【0064】
図示の実施例は、可能性の小さな一部しか描出していない。特に支承手段および調整機械装置は、冒頭ですでに述べたように、別の形式で形成されていてもよい。特に絞り開口12の可能な限り円形の構成を得るために、絞り羽根の個数をさらに増加させることも可能である。また、たとえばガイド21の代わりに、開口12の形成のために働かない領域にしか配置されていない場合には、側面10に鳩尾状ガイドが設けられていてもよい。また、ばね20が絞り羽根6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’の外面に配置されていてもよく、これによって、絞り羽根が、それぞれ隣接した両絞り羽根の側面10に向かって押圧される。この側面10の相互の良好な保持を得るための別の可能性は、1つの虹彩絞り5の全ての絞り羽根の弾性的な取囲みであってもよい。数多くの別の構成可能性が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】原理を説明するための3枚羽根の虹彩絞りの簡単な実施例を示す図である。
【図2】コリメータの原理図である。
【図3】絞り羽根の側面に設けられたガイドを示す図である。
【図4a】4枚羽根の虹彩絞りの原理図である。
【図4b】4枚羽根の虹彩絞りの原理図である。
【図4c】4枚羽根の虹彩絞りの原理図である。
【図5a】絞り羽根を同時に調節するための機械装置の実施例を示す図である。
【図5b】絞り羽根を同時に調節するための機械装置の実施例を示す図である。
【図5c】絞り羽根を同時に調節するための機械装置の実施例を示す図である。
【図6a】4枚羽根の虹彩絞りの別の構成可能性を示す図である。
【図6b】4枚羽根の虹彩絞りの別の構成可能性を示す図である。
【図7a】5枚羽根の虹彩絞り原理図である。
【図7b】5枚羽根の虹彩絞り原理図である。
【図7c】5枚羽根の虹彩絞り原理図である。
【図8a】6枚羽根の虹彩絞り原理図である。
【図8b】6枚羽根の虹彩絞り原理図である。
【図8c】6枚羽根の虹彩絞り原理図である。
【図9】絞り羽根を同時に調節するための機械装置の別の実施例を示す図である。
【図9a】図9の機械装置の詳細を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 コリメータ、 2,2’ ビーム、 3 放射線源、 4 治療対象、 5 虹彩絞り、 6,6’,6’’ 絞り羽根、 7,7’,7’’,7’’’ 絞り羽根、 8,8’,8’’,8’’’,8’’’’ 絞り羽根、 9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’ 絞り羽根、 10 側面、 11 中心点、 12 絞り開口、 13 スライド運動、 14 調整ストローク、 15 部分領域、 16 リニアガイド、 17 開口、 18 開口、 19 円弧部、 20 ばね、 21 ガイド、 22 機械装置、 23 調整カム、 24 カムディスク、 25 調整機構、 26 調整アーム、 27 戻しばね、 28 ギャップ、 29 絞り平面、 30 固定絞り、 31 駆動装置、 32 絞り羽根、 33 光軸、 34 ガイドピン、 35 矢印、 36 保持アーム、 37 カバープレート、 38 段付け部、 α 角度、 β 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高エネルギのビーム(2)の束を制限するためのコリメータ(1)であって、束が、ほぼ点状の放射線源(3)から出発して治療対象(4)に向けられていて、特に腫瘍の定位的な原体照射のために働くようになっており、当該コリメータ(1)が、ビーム制限手段として虹彩絞り(5)を有している形式のものにおいて、
虹彩絞り(5)が、少なくとも3つの絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)を有しており、該絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が、等しい角度(α)を成す、互いに接触する側面(10)を有しており、多くとも1つだけ減少させられた個数の絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)による側面(10)に沿ったスライド運動(13)が行われることによって、絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が、ビーム制限開口(12)を開放するようになっていることを特徴とする、高エネルギのビームの束を制限するためのコリメータ。
【請求項2】
全ての絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)のスライド運動(13)が、等しい調整ストローク(14)だけ行われるようになっており、これによって、調整運動後、開口(12)が、側面(10)の、中心点(11)から等しい距離を有する部分領域(15)によって形成されるようになっている、請求項1記載のコリメータ。
【請求項3】
絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が、スライド運動(13)の方向に延びるリニアガイド(16)によって支承されている、請求項1または2記載のコリメータ。
【請求項4】
虹彩絞り(5)が、4つの絞り羽根(7,7’,7’’,7’’’)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項5】
開口(12)を形成する各側面(10)が、その内側の端部で、1/4円を形成する、ノーズ状に突出した円弧部(19)に移行しており、これによって、4つの絞り羽根(7,7’,7’’,7’’’)が、選択的に、それぞれ異なるサイズの円形の開口(17)または丸み付けられた角隅を備えた正方形の開口(18)を形成するようになっている、請求項4記載のコリメータ。
【請求項6】
虹彩絞り(5)が、少なくとも6つの絞り羽根(9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項7】
治療対象(4)を、当該コリメータ(1)により制限されたビーム(2’)によって走査する走査装置が設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項8】
放射線源(3)と当該コリメータ(1)とが、ロボットアームに位置しており、該ロボットアームが、治療対象(4)を中心として運動可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項9】
放射線源(3)と当該コリメータ(1)とが、ガントリによって、治療対象(4)に対する、当該コリメータ(1)により制限されたビーム(2’)のそれぞれ異なる立体角方向付けにもたらされるようになっている、請求項1から7までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項10】
絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)の側面(10)を互いに押圧する力負荷手段が設けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項11】
絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)に、力負荷手段を生ぜしめるばね(20)が作用するようになっている、請求項10記載のコリメータ。
【請求項12】
側面(10)が、開口(12)の形成のために働かない互いに接触する領域に、共通のガイド(21)を有しており、該ガイド(21)で、互いに隣接した絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)の側面が、相互に移動可能である、請求項10または11記載のコリメータ。
【請求項13】
絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)のスライド運動(13)が、少なくとも1つの絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が駆動されることによって行われるようになっている、請求項1から12までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項14】
全ての絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)が、同時に駆動されるようになっている、請求項13記載のコリメータ。
【請求項15】
各絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)に対して1つの駆動装置が設けられており、電子的な制御によって、同時の運動が行われるようになっている、請求項14記載のコリメータ。
【請求項16】
1つの駆動装置が、機械装置(22)を介して全ての絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)を同時に駆動するようになっている、請求項14記載のコリメータ。
【請求項17】
機械装置(22)が、絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)を、中心点(11)を中心として回動可能なカムディスク(24)に螺線状に配置された調整カム(23)を介して駆動するようになっている、請求項16記載のコリメータ。
【請求項18】
機械装置(22)が、中心点(11)を中心として回動可能な調整機構(25)を有しており、該調整機構(25)が、各絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)に調整アーム(26)で作用するようになっている、請求項16記載のコリメータ。
【請求項19】
調整アーム(26)によるスライド運動(13)に抗して戻しばね(27)が作用するようになっている、請求項18記載のコリメータ。
【請求項20】
絞り(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)の、互いに接触する側面(10)が、誤差によって生ぜしめられるギャップ(28)が、ビーム路に対して平行に延びないように延びている、請求項1から19までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項21】
側面(10)が、該側面(10)の平坦度に対する、スライド方向に延びる相補的に内外で係合する公差を有している、請求項20記載のコリメータ。
【請求項22】
虹彩絞り(5)が、光軸に対して直角に位置する仮想絞り平面(29)に対して傾倒させられており、これによって、ビーム(2)が、もはやギャップ(28)を通過しないようになっている、請求項20記載のコリメータ。
【請求項23】
当該コリメータの遮蔽能が、メガボルト範囲内の放射線源(3)の高エネルギのビームに対して規定されている、請求項1から22までのいずれか1項記載のコリメータ。
【請求項24】
絞り羽根(6,6’,6’’;7,7’,7’’,7’’’;8,8’,8’’,8’’’,8’’’’;9,9’,9’’,9’’’,9’’’’,9’’’’’)の厚さが、6〜10cmの間にある、請求項23記載のコリメータ。
【請求項25】
虹彩絞り(5)のほかに、付加的な遮蔽のための固定絞り(30)が、ビーム路に位置しており、固定絞り(30)の開口が、虹彩絞り(5)の最大の開口(12)に調和されている、請求項1から24までのいずれか1項記載のコリメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図9a】
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【公表番号】特表2008−539833(P2008−539833A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509308(P2008−509308)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008659
【国際公開番号】WO2006/119796
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(500349247)
【氏名又は名称原語表記】Deutsches Krebsforschungszentrum
【住所又は居所原語表記】Im Neuenheimer Feld 280,D−69120 Heidelberg,Germany
【Fターム(参考)】