説明

コロイド状組成物およびその調製方法

コロイド状組成物及びその製造方法が提供される。コロイド状組成物は、シリケート及びそこに分散された金属を含有する。コロイド状組成物は、シリケート中の金属負荷の分散を増進するための、第4級アミンなどの安定剤を更に含有することができる。コロイド状組成物は、金属がシリケート中に制御された状態で分散されるように形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、コロイド状組成物およびその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、広い範囲の金属含有量にわたりその中に分散した金属を有し、制御された状態で分散されることができるシリカなどのコロイド状シリカに関する。
【背景技術】
【0002】
コロイド状シリカなどの、コロイド状物質の調製および使用は一般的に公知である。例えば、金属コーティングされた表面を有するコロイド状シリカは一般的に公知であり、使用されている。通常は、シリカコロイドが最初に合成される。上記コロイドはその後金属酸化物でコーティングされる。この工程中、用いられる金属出発物質の特性およびコーティング方法によって、負の電荷を帯びた表面および正の電荷を帯びた表面の両方が得られる。金属含有シリカコロイドは、電子産業における化学的機械的研磨剤、特殊コーティング用途、および触媒プロセスにおける担体物質などとして多数の用途において有用である。このような用途の広さにかかわらず、従来型のシリカコロイドは様々な不利点がある。
【0003】
金属は通常コロイド状シリカ粒子の表面に導入されるため、シリカ粒子に添加される金属成分の量および種類は事実上粒子の表面積および表面形態に制限される。また、従来の表面処理されたシリカゾルは中性のpH、すなわちpH6〜8では不安定である。アルミノシリケートコロイドで明らかなように、例えば、アルミニウム種は、一般的に中性のpH状況下では加水分解するコロイド状粒子表面とは非結合または弱く結合する。これは、粒子コーティング物質の沈殿または凝固のいずれかにつながる。このことは、中性のpHで安定な化学的機械的研磨スラリーへの需要が増え続ける電子産業においては特に問題である。
【0004】
従って、より大きな金属負荷を有し、より広いpH範囲および/またはその他の適した特性において安定性が向上された、シリカ系コロイドなどの、改良されたコロイド状組成物に対する必要性が存在する。このように、有効で費用効率の高い、このような組成物を製造する方法に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は概して、コロイド状組成物およびその製造方法に関する。特には、本発明は、シリケート中に分散された金属を有するシリケートを含有し、シリカベース(based on silica)で約35重量%までの範囲を取り得る様々な金属負荷のコロイド状組成物に関する。上記コロイド状組成物は、シリケート中での金属の分散および負荷を促進する、第4化合物などの安定剤を更に含有することができる。
【0006】
この点において本発明は、従来の表面処理されたシリカコロイドの、新規で独特な代替品を提供する。本発明のコロイド状組成物は、任意の適した方法により製造することができる。好ましくは、コロイド状組成物は一般的に、本発明の様々な態様に従った、以下により詳細に述べられた2つの手順によって合成される。
【0007】
第1の合成手順によれば、シリカコロイドの製造方法は:安定剤成分を有するアルカリ溶液を準備すること;上記アルカリ溶液にケイ酸溶液を添加すること;および、各粒子に亘って上記安定剤成分が分散された、シリカ粒子のコロイドを形成することを含む。更に、一態様においては、安定剤含有アルカリ溶液にカチオン金属成分が添加されてもよい。このように、アルカリ溶液へのケイ酸溶液の添加は、例えば均質などに、安定剤成分および金属成分の両方が1以上のシリケート粒子中に分散されたシリカ粒子のコロイドを形成する。
【0008】
一態様において、上記安定剤は第4化合物であり、好ましくは水酸化第4級アンモニウムなどの第4級アミンである。安定剤は、コロイド状シリカの合成において数々の機能をする。例えば、安定剤はアルカリ溶液に、ケイ酸と、金属成分との間の反応を触媒し、コロイドを形成するOH成分を提供する。また、安定剤は、コロイドの形成中により多くの金属成分を、シリカ成分と接着または化学的に結合することを可能にする。結果物のシリカコロイドが、増加された量の金属を運ぶ能力を実証する。コロイドは、シリカベースで約.0001重量%〜約35重量%の含有金属を有していてもよい。コロイド状粒子は非結晶質であり、球形である。加えて、コロイド状組成物は、以下により詳細に述べられているように、結晶構造を形成するために更に処理されてもよい。コロイド状粒子の直径は、一態様においては約2nm〜約1000nmの範囲である。
【0009】
第2の合成手順によれば、ケイ酸溶液がカチオン金属成分と反応され、金属シリケート溶液を形成する、金属含有シリカコロイドの製造方法が提供される。上記金属シリケート溶液は、続いてアルカリ溶液に添加され、金属シリケート粒子のコロイドを形成する。ケイ酸溶液を金属成分と反応させると、金属シリケート溶液がアルカリ溶液に添加された際に続いて重合される、金属シリケートモノマーを形成する。上記重合は、コロイドの固相の全体にわたって均質な金属シリケート格子微細構造または骨組を形成する。
【0010】
金属シリケートの重合およびコロイドの形成における多価カチオン金属成分の利用は、一態様においては、シリカ重量で約.0001%〜2%もの範囲の含有金属を有する金属シリケートコロイドをもたらす。固相全体にわたる格子金属シリケート構造は、コロイドの安定性も向上させる。本発明の金属シリケートコロイドはpH範囲全体、すなわちpH1〜14にわたり溶解性を維持する。本発明の金属シリケートコロイドの固相は、一態様においては、通常は球形粒子であり、約2nm〜約1000nmの範囲のサイズの実質的な非晶質である。
【0011】
第2の合成手順では、金属含有シリカコロイド中の金属成分の配置は効果的に制御することができる。1以上のシリカ粒子中に分散された金属を含有するシリカ粒子のコロイドを形成するために、金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を選択的にアルカリ溶液へ添加することができる。金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を添加する際の順番および継続時間は、コロイドの固相中の金属の配置を効果的に制御する。例えば、各粒子の内側コア層中に分散された金属を有するシリカ粒子のコロイドを形成するために、ケイ酸溶液の前に金属シリケート溶液がアルカリ溶液に添加されてもよい。また、シリカコアと、各粒子の外側または外面層中に分散された金属とを有するシリカ粒子のコロイドを形成するために、金属シリケート溶液の前にケイ酸溶液がアルカリ溶液に添加されてもよい。また、金属含有層と、シリカのみを含有する層とを反復または連続的に交互に繰り返す、多数の層を有するシリカ粒子のコロイドを形成するために、金属シリケート溶液およびケイ酸溶液が交互にアルカリ溶液に添加されてもよい。
【0012】
この目的を達成するために、一態様において本発明は、コロイド状組成物を提供する。上記コロイド状組成物は、金属でドープされたシリケート;および上記シリケート中に分散された安定剤、を含む。
【0013】
一態様においては、上記金属でドープされたシリカが、シリカベースで約35重量%以下の金属を含有する。
【0014】
一態様においては、上記安定剤が第4化合物を含有する。
【0015】
一態様においては、上記第4化合物が第4級アミンである。
【0016】
一態様においては、上記安定剤の量が上記金属の量と相関する。
【0017】
一態様において本発明は、金属でドープされたコロイド状シリケート組成物を提供する。上記コロイド状シリケート組成物は、1以上のシリケート粒子を含み、1以上のシリケート粒子中に上記金属が分散されている。
【0018】
一態様においては、上記金属が制御された状態で分散されている。
【0019】
一態様においては、上記1以上のシリケート粒子が層構造を含有する。
【0020】
一態様においては、上記金属が、層構造の1以上の粒子層中に制御可能に分散されている。
【0021】
一態様においては、上記金属がアルカリ金属、アルカリ土類金属、第1列遷移金属、第2列遷移金属、ランタニドおよびそれらの組合せを含有する。
【0022】
一態様においては、上記金属は、シリカベースで約2重量%以下である。
【0023】
更に他の態様において本発明は、コロイド状組成物の製造方法を提供する。上記方法は、安定剤を含有するヒール溶液(heel solution)を調製する工程と;ケイ酸溶液を調製する工程と;コロイド状組成物を形成するために、上記ヒール溶液と上記ケイ酸溶液とを混合し、更に処理する工程とを含む。
【0024】
一態様においては、金属が前記ヒール溶液に添加される。
【0025】
一態様においては、上記安定剤および金属がシリケートの1以上の粒子中に分散されるように、コロイド状組成物が上記安定剤と、上記金属でドープされたシリケートとを含有する。
【0026】
一態様においては、金属が、シリカベースで約35重量%以下を含有する。
【0027】
一態様においては、上記コロイド状組成物が、結晶構造を形成するために更に処理される。
【0028】
一態様においては、上記コロイド状組成物が、更に熱により処理される。
【0029】
一態様においては、結晶化に先立ち、金属がヒール溶液に添加される。
【0030】
一態様においては、上記コロイド状組成物がゼオライトを含有する。
【0031】
一態様においては、上記安定剤が第4級アミンを含有する。
【0032】
更に他の態様において本発明は、コロイド状シリケート組成物の製造方法を提供する。上記方法は、ケイ酸溶液と、金属シリケート溶液と、アルカリ溶液とを調製する工程と;上記ケイ酸溶液および金属シリケート溶液を上記アルカリ溶液と混合し、更に処理する工程と;金属でドープされた1以上のシリケート粒子であって、1以上のシリケート粒子中に金属が分散しているものを形成する工程とを含む。
【0033】
一態様においては、上記金属が制御された状態で分散されている。
【0034】
一態様においては、上記金属でドープされたシリカが、シリカベースで約2重量%以下の金属を含有する。
【0035】
一態様においては、上記金属がアルカリ金属、アルカリ土類金属、第1列遷移金属、第2列遷移金属、ランタニドおよびそれらの組合せを含有する。
【0036】
更なる態様においては、金属含有シリカコロイド中の金属の配置を制御する方法を提供する。上記方法は、ケイ酸溶液と、金属シリケート溶液と、アルカリ溶液とを調製する工程と;上記金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を選択的に前記アルカリ溶液に添加し、金属を含有するシリカ粒子のコロイドを形成する工程とを含む。
【0037】
一態様においては、上記方法はケイ酸溶液の前に上記金属シリケート溶液を添加する工程を更に含み、1以上のシリカ粒子の内側層(interior layer)中に分散された金属を有するシリカ粒子のコロイドを形成する。
【0038】
一態様においては、上記方法は、金属シリケート溶液の前に上記ケイ酸溶液を添加する工程を更に含み、1以上のシリカ粒子の外側層(outer layer)中に分散された金属を有するシリカ粒子のコロイドを形成する。
【0039】
一態様においては、上記方法は、金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を交互に添加する工程を更に含み、金属含有層および非金属含有層(non-metal containing layer)を有するシリカ粒子のコロイドを形成する。
【0040】
一態様においては、シリカ粒子が、金属含有層上に非金属含有層が配置された繰り返しの層構造を含有する。
【0041】
本発明の更なる特徴および利点は、下記の「発明を実施するための最良の形態」に述べられ、また、それから明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明は概してコロイド状組成物およびその製造方法に関する。ここでは、用語「コロイド」およびその他の類似の用語は、分散相および連続相を有する2相系に関する「コロイド状」、「ゾル」等を含む。本発明のコロイドは、連続または実質的に連続液相に分散または懸濁した固相を有し、典型的には水溶液である。このように、用語「コロイド」は、分散物または固相に関する「コロイド状粒子」または「粒子」の両方の相を包含する。
【0043】
より具体的には、本発明はシリケートを含有し、以下により詳細に述べられるように簡単に、費用効率が高く製造することができるコロイド状組成物に関する。本発明は概して2種類の合成手順を提供する。一つの合成手順において本発明は、第4化合物などの安定剤を含有するヒール溶液を利用する。上記安定剤は、安定させてコロイド状組成物のシリケート中に金属が分散されやすくするなど、様々な方法においてコロイドの合成を増進する。また、安定剤は、シリカベースで約35重量%以下など、シリケートのより高い金属負荷を有する能力も増進させると信じられている。他の合成手順においては、ケイ酸および金属シリケート溶液を選択的にアルカリ溶液に添加することにより、その内部に金属が制御された状態で分散されているシリケートを有するコロイドを製造する。以下、本発明を、それらに限定されることなく、様々な態様に従った本発明の構成および方法を説明する特定の例を含み、より詳細に説明する。
【0044】
本発明の一態様においては、コロイド状組成物の製造方法はシリカ粒子のコロイドを形成するために、金属成分および安定剤成分を含有する水溶液を有するヒール溶液を含有する反応容器へケイ酸溶液を添加することを提供する。一態様においては、上記安定剤はアミンまたは第4化合物である。上記安定剤としての使用に適したアミンの例としては、これらに限定されないが、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソブチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン4酢酸、ピリジン等およびそれらの組合せを含む。好ましくは、安定剤成分は、水酸化第4級アンモニウムなどの、水に分散された際にアルカリ溶液を形成する第4級アミンである。更に、第4級アミンが、各アルキル基の炭素鎖長さが1〜10であり、各アルキル基が同じでも異なっていてもよいテトラアルキルアンモニウムイオンを含有することがより好ましい。上記安定剤としての使用に適した第4級アミンの例としては、これらに限定はされないが、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAOH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAOH)、水酸化テトラヘキシルアンモニウム、水酸化テトラオクチルアンモニウム、水酸化トリブチルメチルアンモニウム、水酸化トリエチルメチルアンモニウム、水酸化トリメチルフェニルアンモニウム、水酸化メチルトリプロピルアンモニウム、水酸化ドデシルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化ジメチルドデシルエチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム等およびそれらの組合せを含む。また、水酸化アルキルアンモニウム物質を形成するために水酸化物(アニオン)−交換カラムを通過させることにより、上記アンモニウム塩の臭化物および塩化物型も用いることができる。
【0045】
上記金属は任意の適した物質を含有していてもよく、水溶液に可溶性または実質的に可溶性の金属塩を含む任意の適した物質から由来してもよい。一態様においては、上記金属はアルカリ金属、アルカリ土類金属、第1列遷移金属、第2列遷移金属、ランタニドおよびそれらの組合せを含む。好ましい金属成分は、アルミニウム、セリウム、チタン、錫、ジルコニウム、亜鉛、銅、ニッケル、モリブデン、鉄、レニウム、バナジウム、ボロン等およびそれらの任意の組合せを含む。
【0046】
ケイ酸溶液はケイ酸ナトリウム溶液に、H−カチオン交換樹脂のベッドを通過させることにより調製することができる。得られた脱イオン化ケイ酸溶液は反応性が高い傾向にあり、通常は重合を抑制するために冷却状態に保たれる。ヒール中のアルカリ溶液へケイ酸溶液を添加する際に、安定剤から解離したOHは、ケイ酸からのシリケート成分と、カチオン金属成分との間の重合反応を触媒し、シリカ粒子のコロイドを形成する。これにより、上記反応は、金属および安定剤がシリカ粒子中に分散したものであり、金属成分、安定剤およびシリカからなる固相をもたらす。安定剤成分の使用により、NaOH、KOH、NHOH等およびそれらの組合せなどのアルカリ触媒を含有するヒールを準備する必要がなくなる。当然のことながら、任意の適した種類のケイ酸溶液を用いることができる。
【0047】
触媒する粒子の形成に加え、上記安定剤は金属成分の分解防止剤としても機能する。いかなる特定の学説にも結びつけられたくないが、第4級アミンカチオンがヒール中の金属酸化物アニオン(Mが金属カチオンであるMOx−)と相互作用し、結局金属を安定させると考えられている。第4級アミンが金属酸化物アニオンを4配位状態または4面体配向性に保ち、4つのシリコン−金属比率(silicon-to-metal ratio of four)が得られると考えられている。このような方法により金属成分を安定させることは、より多数のシリコン−金属連鎖を形成させ、例えば表面処理されたコロイドに比べ、コロイドの固相が増量された金属を運ぶことを可能にさせる。
【0048】
一態様において、得られたシリカコロイドはシリカベースで約0.0001重量%〜約35重量%の金属を担持することができる。金属安定化(metal-stabilized)されたシリカ固相は増大された安定性を実証し、pH約1〜約14の範囲において安定に保たれる。当業者は「安定」を、コロイドの固相が存在しており、媒体の至るところに分散し、全pH範囲を通じて実質的に沈殿がなく安定であることを意味すると認識するであろう。一態様において上記固相は、非晶質であり、通常は球形の多数の粒子を有する。コロイド状粒子は一態様によると、約2ナノメートル(nm)〜約1000nmの範囲の直径を有する。
【0049】
本発明の他の態様においては、ケイ酸は金属成分をコロイド状シリカの枠組みに組み込むまたは分散させる(すなわちドーピング)ために使用される。上記方法はヒールの準備を含む。上記ヒールは、ここで定義されている第4級アミンまたはアルカリ剤を少なくとも含有する水溶液を含有する。適したアルカリ剤は例えば、NaOH、KOH、NHOH等およびそれらの組合せを含む。ケイ酸溶液(上述した方法、または他の適した方法により調製することができる)は、金属シリケート溶液を形成するために、カチオン金属成分と反応され、化学的には下記のように表される:
SiO+Mx+→[x(HSiO)−Mx+]+xH
【0050】
上記金属シリケート溶液は続いてヒールに添加され、コロイドが形成される。粒子形成中、ヒール中に存在するOHはケイ酸からのシリケート(SiO)およびカチオン金属成分の共重合を触媒する。これは、コロイドの固相全体にわたり均質な配置の金属成分を有するなど、シリケート中に金属が分散されたコロイド(すなわち、上述したように、粒子の枠組みに組み込まれる)を製造する。いかなる特定の学説にも結びつけられたくないが、金属の分散物および負荷は、共重合体が固相の微細構造にわたり金属シリケート格子を形成する際に得られると考えられる。カチオン金属成分として用いることができる、適した金属の例としては、それらには限定されないが、アルミニウム、セリウム、チタン、錫、ジルコニウム、亜鉛、銅、ニッケル、モリブデン、鉄、レニウム、バナジウム、ボロン、第1および第2列遷移金属、ランタニド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、等およびそれらの任意の組合せをふくむ。上述したように金属成分は、例えば水溶液に可溶性または実質的に可溶性の任意の適した金属塩を含む任意の適した金属源に由来してもよい
【0051】
一態様によるこの合成手順によれば、本発明の金属シリケートコロイドは、シリカベースの重量で約0.0001%〜約2%の含有金属を有することができる。本発明の金属シリケートコロイドは、一態様においては非晶質であり、約2nm〜約1000nmの実質的な直径または粒子サイズを有する、通常は粒径の粒子である。金属シリケートコロイドは、約1〜約14のpH範囲で安定であり、この範囲においては実質的に沈殿を示さない。当業者は、コロイド状粒子のサイズはヒールへの金属シリケート溶液の添加時間を変えることにより調整することができると認識するであろう。
【0052】
上述したように上記合成手順は、コロイド状粒子中のその方法および負荷の配置を効果的に制御するために使用することができる。一態様においては、金属シリケート溶液およびケイ酸溶液はヒールへ選択的に添加され、コロイドの固相中の金属が所望の配置に制御される。ケイ酸溶液および金属シリケート溶液の両方は、粒子形成を開始させる、または成長、さもなければ最初にヒールに添加される純シリカ粒子のサイズを増大させるためにヒールへ添加されてもよい。例えば一態様においては、ケイ酸溶液の前に金属シリケート溶液はヒールに添加される。この添加順序は金属がコロイド状粒子のコアまたは内側層に分散した、金属含有シリカコロイドをもたらす。その後のケイ酸の添加は、粒子の内側の金属含有部を、金属を含有しないシリカの層で覆うために用いることができる。
【0053】
また、一態様においては、金属シリケート溶液の添加に先立ち、ケイ酸溶液がヒールに添加されてもよい。この添加順序は、シリカからなるコアまたは内側を有するコロイド状粒子をもたらす。この粒子層中に金属が分散された粒子の外面または外側層上に金属を含有する粒子を形成するためにシリカ粒子を覆う目的で、その後金属シリケート溶液が添加されてもよい。当業者は、コロイド状固相の構成物として利用できる無数の可能性を認識するであろう。ヒールに金属シリケート溶液のみを添加することは、上述したような1以上のコロイド状粒子中に分散または配置された金属を有するコロイドをもたらす。金属シリケート−ケイ酸−金属シリケート−ケイ酸など、交互または順々に金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を添加することは、一態様においては、複数の金属含有層がシリカを含有し、かつ金属を含有しない層により隔てられた数々の層を有するコロイド状粒子をもたらす。当然のことながら、コロイドにおける各粒子層の幅または厚さを変えるために、ケイ酸および/または金属シリケートの添加の持続時間を所望により変えることができる。本発明の多層コロイド粒子は、一態様においては通常球形であり、約2nm〜約1000nmの実質的な粒子サイズを有する。
【0054】
当然のことながら、コロイド状組成物およびその製造方法は任意の適した方法に改良することができる。例えば、上述したようなコロイド状組成物を更に処理し、結晶シリケート、ゼオライトを含む結晶メタロシリケート(metallosilicate)等およびそれらの組合せのような結晶構造を形成することができる。一態様においては、適切な温度において適切な期間継続的な熱水処理することにより、上述したコロイド状組成物であって、特定の例がより詳細に以下に示されている、シリケート中に分散した金属を有する、または有しない安定剤およびシリケートを含有するコロイド状組成物から、ゼオライトなどのメタロシリケートを含有する、より結晶化されたシリケートを製造することができる。
【0055】
一態様においては、第2の合成手順におけるヒールが、第1の合成手順において用いられるような有機カチオン(すなわち水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAOH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)等を含む安定剤)と代替された場合、ケイ酸または金属/ケイ酸含有溶液が添加された後の継続的な熱水処理は、より結晶化されたシリケートまたはゼオライトを含むメタロシリケートの形成をもたらし得る。
【0056】
ドープされたコロイド状シリカは例えば歯科用途、たんぱく質の分離、分子ふるい、ナノ多孔性膜、導波管、フォトニック結晶、耐火物用途、ワインおよびジュースの清澄化、半導体およびディスクドライブコンポーネントの化学機械平坦化、触媒担体、製紙における保持および廃液の補助、フィラー、表面コーティング、セラミック物質、インベストメント鋳造バインダ、平坦化剤、プロパント、化粧品処方、特に日焼け止め、およびガラス、光学およびエレクトロニクスおよび半導体産業における研磨剤を含む多様な産業上の利用において有用である。特定用途において用いられるシリカの形状は、シリカ粒子のサイズおよび空隙率に大きく依存する。所望の特性を有するドープされたコロイド状シリカは、本発明の方法によって容易に製造される。
【0057】
一態様においては、本発明はここに記載されるコロイド状組成物を含む工業用途において用いられる物質である。
【0058】
一態様においては、産業上の利用が触媒担体、製紙における保持および廃液の補助、フィラー、平坦化剤、プロパントおよび研磨剤からなる群から選択される。
【0059】
本発明は、限定されることのない、様々な態様に準じた下記の説明する実施例を参照することにより、さらに理解することができる。
【実施例】
【0060】
合成手順1:
12ガロンの反応装置に、10.23重量%の脱イオン(DI)水と共に5重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(20−25重量%)溶液が添加された。0.70重量%のアルミニウムクロロハイロレイト(50重量%)溶液を19.82重量%DI水に添加した。その後アルミニウムクロロハイドレイト溶液は室温において、200mL/分の速度で反応装置に添加された。上記反応装置は100℃に加熱された。その後、64.25重量%のケイ酸がランプ(ramp)速度100−220mL/分で3.25時間かけて反応装置に添加された。以下に示すように表1は、12ガロン反応装置において形成されたコロイド状アルミノシリケートの、限外ろ過による濃縮後の物理的特性を一覧表にする:
【0061】
【表1】

【0062】
合成手順2:
1.アルミニウム含有溶液の調製
単量体含有アルミニウム溶液:
0.37MのAlCl・6HO溶液がpH2.2で調製され、調製されたままの状態で
下記において用いられた。
【0063】
多価アルミニウム含有溶液:
0.50M、AlCl・6HOの第2の溶液が調製された。この溶液を、アニオン交換樹脂(Dowex 550A(OH))を含有するイオン交換カラムに通した。AlCl・6HO溶液100gを、100mLの樹脂に通した。アルミニウム含有溶液の、カラム通過後のpHはおよそ3.4であった。アルミニウムクロロハイドレイトも用いることができる。
【0064】
2.ケイ酸の調製:
25.00gの「ケイ酸ナトリウム」が57.37gDI水に添加された。上記溶液を、カチオン交換樹脂(Dowex 650C(H))を含有するカラムに通した。ケイ酸溶液の調製のために、100gの希釈ケイ酸ナトリウム溶液用の約40mLの樹脂が用いられた。上記ケイ酸溶液に、シリカベース(BOS)で所望のアルミニウム濃度(ppm)をえるために適した量のアルミニウム含有溶液を下記表2に詳細を示すように添加した。
【0065】
3.メタロシリケートコロイドの調製:
実施例1:ケイ酸溶液/単量体アルミニウム溶液(0.37MのAlCl・6HO溶液2.93g)が、14.40gのDI水中のNaOH(50重量%)を0.30g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で68.57gのケイ酸溶液/アルミニウム溶液が添加された。
【0066】
実施例2:ケイ酸溶液/多価アルミニウム溶液(0.50MのAlCl・6HOアニオン交換溶液3.02g)が、14.20gのDI水中のNaOH(50重量%)を0.30g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で68.57gのケイ酸溶液/アルミニウム溶液が添加された。
【0067】
実施例3:ケイ酸溶液/多価アルミニウム溶液(0.50MのAlCl・6HOアニオン交換溶液3.02g)が、14.20gの実施例2のNaOH(50重量%)を0.30g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で68.57gのケイ酸溶液/アルミニウム溶液が添加された。
【0068】
実施例4:ケイ酸溶液/アルミニウム溶液(0.50MのAlCl・6HOアニオン交換溶液3.02g)が、14.20gの実施例3のNaOH(50重量%)を0.30g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で68.57gのケイ酸溶液/アルミニウム溶液が添加された。
【0069】
実施例5:パイロットプラント合成:
ケイ酸溶液/アルミニウム溶液(0.87Mのアルミニウムクロロハイドレイト溶液0.67g)が、8.18gのDI水中の20nmシリカゾル3.82g中のNaOH(50重量%)を0.11g含有する苛性ヒールに4.75時間ランプにわたり添加された。上記反応は93℃で加熱された。全量で87.89gのケイ酸溶液/アルミニウム溶液が添加された。最終生成物は過剰のナトリウムを除去するためにカチオン交換し、大粒子フィルター(LPC)に通し、pHを6.4に調整した。
【0070】
実施例6:セリウムドープされたシリカコロイド:
100mlのDI水にCe(CO)を46g添加し、その後1NのHClを溶解するまで添加することにより、0.50MのCe(CO)溶液を調製した。その後、上記溶液にDI水を200mlまでつぎ足した。
【0071】
1000gのDI水に200gの「ケイ酸ナトリウム」を添加し、ケイ酸溶液を調製した。上記溶液をカチオン交換樹脂(Dowex 650C(H))を含有するカラムに通した。100gの希釈ケイ酸ナトリウム溶液用の約40mLの樹脂が用いられた。
【0072】
上記ケイ酸溶液に、シリカベース(BOS)で所望のセリウム濃度(ppm)をえるための量のセリウム含有溶液を下記表2に説明するように添加した。
【0073】
ケイ酸溶液/セリウム溶液(0.5MのCe(CO)溶液6.2ml)が、200gのDI水中にKOH(45重量%)を5g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で1200gのケイ酸溶液/セリウム溶液が添加され、セリウムドープされたシリカコロイドを形成した。
【0074】
実施例7:チタンドープされたシリカコロイド:
チタン含有溶液が調製された。特に、9.4gのTiCl4および10mlのイソプロピルアルコールを含有するビーカーへ100mlのDI水をゆっくり添加することにより、0.50MのTiCl溶液を調製した。
【0075】
ケイ酸溶液を実施例6に記載されたものと同じ方法で調製した。上記ケイ酸溶液に、シリカベース(BOS)で所望のチタン濃度(ppm)を調製するための量のチタン含有溶液を下記表2に説明するように添加した。
【0076】
ケイ酸溶液/チタン溶液(0.5MのTiCl溶液12.6ml)が、200gのDI水中にKOH(45重量%)を5g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で1200gのケイ酸溶液/セリウム溶液が添加され、チタンドープされたシリカコロイドを形成した。
【0077】
実施例8:亜鉛ドープされたシリカコロイド:
この手順において用いられた亜鉛含有溶液は市販品であり、すなわち1NのZn(NO)である。ケイ酸溶液を実施例6に記載されたものと同じ方法で調製した。上記ケイ酸溶液に、シリカベース(BOS)で所望の亜鉛濃度(ppm)を得るための量の亜鉛含有溶液を下記表2に説明するように添加した。ケイ酸溶液/亜鉛溶液(1MのZn(NO)溶液6ml)が、200gのDI水中にKOH(45重量%)を5g含有する苛性ヒールに5.0時間ランプにわたり添加された。全量で1200gの酸ゾル/セリウム溶液が添加され、亜鉛ドープされたシリカコロイドを形成した。
【0078】
合成手順3。結晶シリケートおよびメタロシリケートコロイドの調製:
実施例9:下記のモル組成(mole composition)から、狭い粒子サイズ分布にコロイド状シリカライト−1を合成した:
1TPAOH:1.9SiO:109H
【0079】
シリカの源はケイ酸であった。反応装置を、90℃まで加熱した20−25重量%のTPAOHでチャージした。これに、ケイ酸が3時間かけて添加された。透明な溶液が得られ、18時間加熱した。
【0080】
実施例10:下記のモル組成から、狭い粒子サイズ分布にコロイド状ZSM−5を合成した:
65TPAOH:125SiO:1Al:7000H
【0081】
シリカの源はケイ酸であった。反応装置を、90℃まで加熱した20−25重量%のTPAOHでチャージした。これに、アルミニウム/ケイ酸溶液が2時間かけて添加された。透明な溶液が得られ、24時間加熱した。
【0082】
メタロシリケートコロイド:
表2は、異なるヒール、異なる金属含有溶液のpH、シリカベース(BOS)での酸ゾルへ添加された金属量、および粒子サイズ及び範囲、ある場合は集塊を測定する様々な特性化技術の様々に調製された金属ドープされた試料を示す。下記のように、表2は上で詳述した実施例1−10に従った合成手順の概要を示す。
【0083】
【表2】

【0084】
通常上述した及び様々の態様に従って形成された金属ドープされたコロイドは、pH3−9の範囲で良好な安定性を示す。例えば、実施例5の、フィルターを通され、カチオン脱イオン化されたアルミノシリケートコロイドについて、安定性試験が行われた。pHを4.1、6.5及び8.5に調整し、60℃で2週間熱処理を行う前及び行った後に実質的な粒径を測定(QELS)した。熱処理後の試料ではゲル化は起こらず、下記表3に実証されているように、粒径は基本的に同じままであった。
【0085】
【表3】

【0086】
本発明のコロイド状組成物は、数々の異なる、及び適したタイプの用途で、任意の適した形状及びその量において利用することができる。例えば、コロイド状組成物はエレクトロニックコンポーネント用途を含む化学的機械的研磨剤として;ガソリンの留分を増加するためのクラッキングなど、石油化学工業用とを含む触媒物質及びその担体として;溶液からカルシウムイオン等を除去するための洗浄剤またはその作用薬として;任意の他のタイプの適した用途に用いることができる。
【0087】
当然のことながら、当業者にとってはここに記載された現在の好ましい態様への様々な変更及び改良が明らかである。このような変更及び改良は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、付随の利点を損なうことなくなすことが可能である。従って、そのような変更及び改良は添付の特許請求の範囲に及ぶことを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属でドープされたシリケート;および
前記シリケート中に分散された安定剤、を含むコロイド状組成物。
【請求項2】
前記金属でドープされたシリカが、シリカベース(based on silica)で約35重量%以下の金属を含有する、請求項1のコロイド状組成物。
【請求項3】
前記安定剤が第4化合物を含有する、請求項1のコロイド状組成物。
【請求項4】
前記第4化合物が第4級アミンである、請求項3のコロイド状組成物。
【請求項5】
前記安定剤の量が前記金属の量と相関する、請求項1のコロイド状組成物。
【請求項6】
金属でドープされた1以上のシリケート粒子を含む、金属でドープされたコロイド状シリケート組成物であって、
1以上のシリケート粒子中に前記金属が分散されている、コロイド状シリケート組成物。
【請求項7】
前記金属が制御された状態で分散されている、請求項6のコロイド状シリケート組成物。
【請求項8】
1以上のシリケート粒子が層構造を含有する、請求項6のコロイド状シリケート組成物。
【請求項9】
前記金属が、層構造の1以上の粒子層中に制御可能に分散されている、請求項8のコロイド状シリケート組成物。
【請求項10】
前記金属がアルカリ金属、アルカリ土類金属、第1列遷移金属、第2列遷移金属、ランタニドおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項6のコロイド状シリケート組成物。
【請求項11】
前記金属でドープされたシリカが、シリカベースで約2重量%以下の金属を含有する、請求項10のコロイド状シリケート組成物。
【請求項12】
コロイド状組成物の製造方法であって、
安定剤を含有するヒール溶液(heel solution)を調製する工程と;
ケイ酸溶液を調製する工程と;
コロイド状組成物を形成するために、前記ヒール溶液と前記ケイ酸溶液とを混合し、さらに処理する工程とを含む方法。
【請求項13】
金属が前記ヒール溶液に添加される、請求項12の方法。
【請求項14】
安定剤および金属がシリケートの1以上の粒子中に分散されるように、コロイド状組成物が前記安定剤と、前記金属でドープされたシリケートとを含有する、請求項13の方法。
【請求項15】
金属でドープされたシリケートが、シリカベースで約35重量%以下の金属を含有する、請求項14の方法。
【請求項16】
前記コロイド状組成物が、結晶構造を形成するために更に処理される、請求項12の方法。
【請求項17】
前記コロイド状組成物が、更に熱により処理される、請求項16の方法。
【請求項18】
結晶化に先立ち、金属が前記ヒールに添加される、請求項16の方法。
【請求項19】
前記コロイド状組成物がゼオライトを含有する、請求項18の方法。
【請求項20】
前記安定剤が第4級アミンを含有する、請求項12の方法。
【請求項21】
コロイド状シリケート組成物の製造方法であって、
ケイ酸溶液と、金属シリケート溶液と、アルカリ溶液とを調製する工程と;
前記ケイ酸溶液および金属シリケート溶液を前記アルカリ溶液と混合し、更に処理する工程と;
金属でドープされた1以上のシリケート粒子であって、1以上のシリケート粒子中に金属が分散しているものを形成する工程とを含む方法。
【請求項22】
前記金属が制御された状態で分散されている、請求項21の方法。
【請求項23】
前記金属でドープされたシリカ粒子が、シリカベースで約2重量%の金属を含有する、請求項21の方法。
【請求項24】
前記金属がアルカリ金属、アルカリ土類金属、第1列遷移金属、第2列遷移金属、ランタニドおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21の方法。
【請求項25】
金属含有シリカコロイド中の金属の配置を制御する方法であって、
ケイ酸溶液と、金属シリケート溶液と、アルカリ溶液とを調製する工程と;
前記金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を選択的に前記アルカリ溶液に添加し、金属を含有するシリカ粒子のコロイドを形成する工程とを含む方法。
【請求項26】
前記ケイ酸溶液の前に前記金属シリケート溶液を添加する工程を更に含み、1以上のシリカ粒子の内側層(interior layer)中に金属が分散されたシリカ粒子のコロイドを形成する、請求項25の方法。
【請求項27】
前記金属シリケート溶液の前に前記ケイ酸溶液を添加する工程を更に含み、1以上のシリカ粒子の外側層(outer layer)中に金属が分散されたシリカ粒子のコロイドを形成する、請求項25の方法。
【請求項28】
前記金属シリケート溶液およびケイ酸溶液を交互に添加する工程を更に含み、金属含有層および非金属含有層(non-metal containing layer)を有するシリカ粒子のコロイドを形成する、請求項25の方法。
【請求項29】
1以上のシリカ粒子が、金属含有層上に非金属含有層が配置された繰り返しの層構造を含有する、請求項28の方法。
【請求項30】
請求項1のコロイド状組成物を含む、産業上の利用において用いられる物質。
【請求項31】
前記産業上の利用が歯科用途、たんぱく質の分離、分子ふるい、ナノ多孔性膜、導波管、フォトニック結晶、耐火物用途、ワインおよびジュースの清澄化、半導体およびディスクドライブコンポーネントの化学機械平坦化、触媒担体、製紙における保持および廃液の補助、フィラー、表面コーティング、セラミック物質、インベストメント鋳造バインダ、平坦化剤、プロパント、化粧品処方および研磨剤からなる群から選択される、請求項30の物質。

【公表番号】特表2007−532470(P2007−532470A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509513(P2007−509513)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/012371
【国際公開番号】WO2005/104683
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(503270032)ナルコ カンパニー (22)
【氏名又は名称原語表記】NALCO COMPANY
【住所又は居所原語表記】1601 W.Diehl Road,Naperville,IL 60563−1198,United States of America
【Fターム(参考)】