説明

コンクリート構造体及びその施工方法

【課題】 硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのガイドレールのレベル調整を容易に行うことができると共に、強固な有筋構造を有するコンクリート構造体及びその施工方法を提供する。
【解決手段】 ボックスカルバート2の設置基礎となるコンクリート構造体1は、ネジ機構によってその軸方向の長さを増減することができる高さ調整具10c及び10hと、各々の軸方向がほぼ平行に位置するように配置され、高さ調整具10c及び10hの各々の上部に取り付けられた一対のガイドレール5a及び5bと、ガイドレール5a及び5bの各々の軸方向と平面視において交差するようにガイドレール5a及び5bに取り付けられた横鉄筋18cと、これらが埋め込まれるように打設されたコンクリート19とからなる。コンクリート19に埋め込まれた横鉄筋18cにより、コンクリート構造体1は有筋構造となるため、強固なコンクリートブロックの設置基礎となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート構造体及びその施工方法に関し、特に複数の硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのコンクリート構造体及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来の基礎コンクリートの概略構成を示した平面図であり、図15は、図14で示したXV−XVラインから見た図である。
【0003】
これらの図を参照して、基礎コンクリート61のガイドレール5a及び5b上に複数の硬球8を介して、ボックスカルバート2が設置されている。この基礎コンクリート61は、硬球8によるベアリング効果を利用して、図のように配置されたボックスカルバート2をガイドレール5a及び5bの伸びる方向へと所定位置まで移動させ、据え付けるための基礎構造として用いられるものである。
【0004】
この基礎コンクリート61は、転圧された砕石65上に打設された捨コンクリート64と、捨コンクリート64上に取り付けられたレール受部材62a〜62dと、各々がほぼ平行に配置され、レール受部材62a及び62cと、レール受部材62b及び62dとの上方をそれぞれ架け渡すように取り付けられた一対のガイドレール5a及び5bと、ガイドレール5a及び5bの上面より下方の部分と、レール受部材62a〜62dとを埋め込むように打設されたコンクリート66とから主に構成されている。
【0005】
ここで、このガイドレール及びレール受部材の取り付け状態について更に説明する。
【0006】
図16は、図15で示したXVI−XVIラインの断面図であり、更に図17は、図16で示した”Z”部分の拡大図である。
【0007】
これらの図を参照して、砕石65上に打設された捨コンクリート64には、例えば異型鉄筋よりなる差筋67a及び67bの一部が埋め込まれ、この差筋67a及び67bに例えば断面逆U字形となるように配置された溝形鋼よりなるレール受部材62dの側壁部分が溶接されている。そして、レール受部材62dの上面には、例えば鋼板よりなる複数の平板63a〜63cが積み重ねた状態で配置され、最も上方の平板63cの上面にガイドレール5bが設置されている。尚、これらのレール受部材62dと、平板63a〜63cの各々と、ガイドレール5bとは、例えば点溶接によって互いに接合され固定されている。また、他方のガイドレール5aについても同様に、レール受部材62bに積み重ねられた複数の平板上に取り付けられている。
【0008】
尚、ガイドレール5bは、図17に示されるように、例えば溝形鋼よりなり、その上面に平坦面を有する水平部材9と、水平部材9の外方側の端縁に沿って溶接された丸棒6と、水平部材9の内方側の端縁に沿って溶接された丸棒7とから構成されている。丸棒6の寸法は、その上端の水平レベルが平板4bの下面と上面との間に位置するように設定され、丸棒7の寸法は硬球8の直径より小さく設定されている。また、他方のガイドレール5aは、ガイドレール5bと対称となるように形成されている。このように構成されたガイドレール5a及び5bの上面には、配置された複数の硬球8が配置され、配置された複数の硬球8上に平板4a及び4bを介してボックスカルバート2が載置されている。したがって、複数の硬球8の転動によって、ボックスカルバート2をスムーズに移動させることが可能となると共に、丸棒6が平板4bに対するガイドとして機能し、ボックスカルバート2をガイドレール5a及び5bに沿って移動させることが可能となる。
【0009】
図18は、従来の基礎コンクリートの施工過程を示した概略工程図である。
【0010】
まず、図18の(1)を参照して、上記のような基礎コンクリート61の施工時には、転圧して平坦化した砕石65上に所定間隔を開けて角材68a及び68bを配置し、これらを型枠として捨コンクリート64を打設する。このとき、例えば異型鉄筋よりなる差筋67a〜67dを、硬化前の捨コンクリート64の所定位置にほぼ垂直方向に差し込んでおく。
【0011】
次に、図18の(2)を参照して、捨コンクリート64の硬化後、角材68a及び68bを取り外し、差筋67a及び67b、差筋67c及び67dにレール受部材62d及び62bをそれぞれ溶接する。
【0012】
次に、図18の(3)を参照して、溶接されたレール受部材62dの上面に、例えば鋼板よりなる複数の平板63a〜63cを、その最上面の位置が所定の高さとなるまで積み重ねて点溶接等で接合する。他方のレール受部材62bについても同様に、厚さの異なる複数の平板が積み重ねられている。
【0013】
次に、図18の(4)を参照して、レール受部材62dの上面に重ねられた平板63cの上面にガイドレール5bを設置し、例えば点溶接によってガイドレール5bと平板63cとを接合する。他方のガイドレール5aについても同様にレール受部材62b上に重ねられた平板上に取り付けた後、コンクリートを打設するための型枠69a及び69bを組み立てる。
【0014】
そして、図18の(5)に示すように、ガイドレール5a及び5bの上面より下方の部分と、レール受部材62d及び62bとが埋め込まれるようにコンクリート66を打設し、コンクリート66の硬化後、型枠69a及び69bを取り外すと、基礎コンクリート61の施工が完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記のような従来の基礎コンクリートの構造では、ガイドレールの幅方向の水平レベルと、軸方向の勾配とを複数の平板の積み重ねによって行うため、ガイドレールの取り付け及びそのレベル調整を容易に行うことができず、基礎コンクリートの施工が非効率的となっていた。
【0016】
また、上記のような従来の基礎コンクリートは、その内部に鉄筋が配されない、いわゆる無筋構造として形成されている。コンクリートブロックの設置基礎は、無筋構造での施工が認められているものの、内部に鉄筋を配した有筋構造の基礎の方が強度の面で好ましい。
【0017】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのガイドレールのレベル調整を容易に行うことができると共に、強固な有筋構造を有するコンクリート構造体及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、支持基盤上に形成され、その上部に複数の硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのコンクリート構造体であって、支持基盤上に設置され、ネジ機構によってその軸方向の長さを増減することができる少なくとも一対の高さ調整手段と、金属材料よりなり、各々の軸方向がほぼ平行に位置すると共に高さ調整手段の各々に取り付けられ、各々の上面に硬球が配置される一対のレール手段と、金属材料よりなり、その軸方向がレール手段の各々の軸方向と平面視において交差するように、レール手段の各々の上面より下方の部分に取り付けられる少なくとも1つの横部材と、レール手段の上面より下方の部分と、横部材と、高さ調整手段とが埋め込まれるように打設されたコンクリートとを備えたものである。
【0019】
このように構成すると、高さ調整手段によってレール手段の高さが調整自在となると共に、コンクリートに埋め込まれるレール手段と横部材とが平面視において交差した状態となる。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、高さ調整手段は、レール手段の各々の軸方向に複数配置されるものである。
【0021】
このように構成すると、レール手段の各々の軸方向の複数の部分において、高さが調整自在となる。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の構成において、高さ調整手段は、レール手段の各々の幅方向の両側の部分にそれぞれ配置されるものである。
【0023】
このように構成すると、レール手段の各々の幅方向の両端側の高さをそれぞれ独立に調整自在となる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、横部材は、その軸方向がレール手段の各々の軸方向と平面視においてほぼ直交するように複数取り付けられ、金属材料よりなり、レール手段の各々の軸方向とほぼ平行に配置され、横部材の各々に取り付けられた少なくとも1つの縦部材を更に備え、縦部材はコンクリートによって埋め込まれるものである。
【0025】
このように構成すると、コンクリートが打設される部分に、横部材と縦部材とが縦横に配置された状態となる。
【0026】
請求網5記載の発明は、支持基盤上に形成され、複数の硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのコンクリート構造体の施工方法であって、その上面に硬球が配置されるレール手段を、上下方向の長さを増減することができる少なくとも1つの高さ調整手段を介して、支持基盤上に配置する第1工程と、配置された高さ調整手段を操作して、レール手段の上面の水平レベルを調整する第2工程と、調整されたレール手段の上面より下方の部分と高さ調整手段とが埋め込まれるようにコンクリートを打設する第3工程とを備えたものである。
【0027】
このように構成すると、第1工程でレール手段を配置した後、第2工程でレール手段の水平レベルが調整自在となる。
【0028】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、第1工程は、高さ調整手段を所定間隔を開けて少なくとも一対配置する工程と、レール手段を各々の軸方向がほぼ平行となるように一対配置し、各々を高さ調整手段の各々の上部に取り付ける工程とを含み、第2工程は、レール手段の各々と平面視において交差するように、レール手段の各々の上面より下方の部分に少なくとも1つの横部材を取り付ける工程を含むものである。
【0029】
このように構成すると、レール手段を利用して横部材が取り付けられる。
【0030】
請求網7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、横部材は複数取り付けられ、第2工程は、その軸方向がレール手段の各々の軸方向と平行となるように配置され、取り付けられた横部材の各々と平面視において交差するように、横部材の各々に少なくとも1つの縦部材を取り付ける工程を更に含むものである。
【0031】
このように構成すると、レール部材に取り付けられた複数の横部材を介して縦部材が取り付けられる。
【0032】
請求項8記載の発明は、請求項5から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、高さ調整手段は、レール手段の各々の幅方向の両側の部分にそれぞれ取り付けられるものである。
【0033】
このように構成すると、レール手段の各々の両側の高さが調整自在となる。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項5から請求項8のいずれかに記載の発明の構成において、高さ調整手段は、その下端部分に取り付けられ、支持基盤に接するように配置される平板を更に備えるものである。
【0035】
このように構成すると、高さ調整手段の支持基盤上への配置が安定する。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、高さ調整手段によってレール手段の高さが調整自在となるため、レール手段の水平レベルの調整が容易となる。また、コンクリートに埋め込まれるレール手段と横部材とが平面視において交差した状態となるため、コンクリート構造体が有筋構造となり、その強度が向上する。
【0037】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、レール手段の各々の軸方向の複数の部分において、高さが調整自在となるため、レール手段の軸方向の勾配の調整が容易となる。
【0038】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、レール手段の各々の幅方向の両端側の高さをそれぞれ独立に調整自在となるため、レール手段の各々の幅方向の水平レベルの調整が容易となる。
【0039】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、コンクリートが打設される部分に、横部材と縦部材とが縦横に配置された有筋構造となるため、コンクリート構造体の強度がより向上する。
【0040】
請求項5記載の発明は、第1工程でレール手段を配置した後、第2工程でレール手段の水平レベルが調整自在となるため、効率的なコンクリート構造体の施工が可能となる。
【0041】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、レール手段を利用して横部材が取り付けられるため、有筋構造を有する強固なコンクリート構造体の形成が容易となる。
【0042】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、レール部材に取り付けられた複数の横部材を介して縦部材が取り付けられるため、より強固なコンクリート構造体を形成することが可能となる。
【0043】
請求項8記載の発明は、請求項5から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、レール手段の各々の両側の高さが調整自在となるため、一対のレール手段の幅方向の水平レベルの調整が容易に行える施工方法となる。
【0044】
請求項9記載の発明は、請求項5から請求項8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、高さ調整手段の支持基盤上への配置が安定するため、レール手段の設置がより一層容易となり、更に効率的にコンクリート構造体を施工することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるコンクリート構造体の概略構成を示した平面図であり、図2は、図1で示したII−IIラインから見た図であり、図3は、図2で示したIII−IIIラインの断面図であり、更に図4は、図3で示した”Y”部分の拡大図である。
【0046】
これらの図を参照して、支持基盤3上に形成されたコンクリート構造体1のガイドレール5a及び5b上に複数の鋼球等よりなる硬球8を介して、ボックスカルバート2が設置されている。このコンクリート構造体1は、硬球8によるベアリング効果を利用して、図のように配置されたボックスカルバート2等のコンクリートブロックをガイドレール5a及び5bの伸びる方向へと所定位置まで移動させ、据え付けるための基礎構造として用いられるものである。
【0047】
コンクリート構造体1は、複数の高さ調整具10a〜10jと、各々の軸方向がほぼ平行に位置するように配置され、高さ調整具10a〜10jの上部に取り付けられた一対のガイドレール5a及び5bと、ガイドレール5a及び5bに取り付けられた複数の横鉄筋18a〜18dと、これらが埋め込まれるように打設されたコンクリート19とから構成されている。
【0048】
高さ調整具10a〜10jは、例えば地盤上に転圧された砕石よりなる支持基盤3の上に、一対の平行線上に整列した状態で配置されている。すなわち、高さ調整具10a〜10eは、ほぼ等間隔で直線状に整列して配置され、残りの高さ調整具10f〜10jの各々は、高さ調整具10a〜10eの各々と対応する位置に、直線状に整列して配置されている。尚、高さ調整具10a〜10jは全て同一の構成であるので、以下では高さ調整具10cについてのみ詳細に説明する。
【0049】
高さ調整具10cは、図4に示されるように、ターンバックル式ナット14を中心に構成され、ターンバックル式ナット14の上方に平頭ボルト12がねじ込まれ、平頭ボルト12とは反対方向のネジ山が切られた平頭ボルト13がターンバックル式ナット14の下方にねじ込まれている。そして、下方の平頭ボルト13の下面には、例えば鋼板よりなる平板11が点溶接により固定されている。このように構成されているため、高さ調整具10cの使用時には、ターンバックル式ナット14をいずれか一方方向に回転させることによって、平頭ボルト12の上面と平頭ボルト14の下面との距離、すなわち、高さ調整具10cの軸方向の長さを増減させることができる。
【0050】
ガイドレール5a及び5bは、各々の軸方向がほぼ平行に位置するように配置され、上記のように設置された高さ調整具10a〜10e及び高さ調整具10f〜10jの上面を、それぞれ架け渡すように取り付けられている。
【0051】
ガイドレール5aは、図4に示されるように、例えば溝形鋼よりなり、その上面に平坦面を有する水平部材9と、水平部材9の外方側の端縁に沿って水平部材9の上面に溶接された丸棒6と、水平部材の内方側の端縁に沿って溶接された丸棒7とから構成されている。水平部材9の側壁部28a及び28bの各々には、側面視において重なり合う位置に開口30a及び30bが形成されている。そして、水平部材9の上面に複数の硬球8が配置され、更に配置された複数の硬球8の上に配置された平板4aを介して、ボックスカルバート2が載置されている。
【0052】
また、丸棒6の直径は硬球8の直径より大きく、且つ硬球8の直径と平板4aの厚さとの合計より小さく設定され、丸棒7の直径は硬球8の直径より小さく設定されている。したがって、丸棒6はボックスカルバート2の移動時における平板4aに対するガイドとして機能することができる。
【0053】
尚、他方のガイドレール5bは、ガイドレール5aと幅方向において左右対称となるように形成されている。
【0054】
横鉄筋18a〜18dは、例えば丸鋼や異型鉄筋等の金属材料よりなり、一対のガイドレール5a及び5bの各々の軸方向と平面視において直交するように配置されている。そして、図4に示されるように、横鉄筋18cは、水平部材9の側壁部28a及び28bに形成された開口30a及び30bを挿通するように取り付けられ、ガイドレール5aの上面より下方の部分に溶接により固定されている。横鉄筋18cの他方側の部分についても同様に、ガイドレール5bに取り付けられている。また、他の横鉄筋18a、18b及び18dもまた、横鉄筋18cと同様にガイドレール5a及び5bの各々に取り付けられている。
【0055】
そして、コンクリート19は、ガイドレール5a及び5bの各々の上面より下方の部分と、横鉄筋18a〜18dの各々と、高さ調整具10a〜10jとが埋め込まれるように打設されている。
【0056】
このように、横鉄筋18a〜18dがガイドレール5a及び5bと平面視において交差した状態でコンクリート19に埋め込まれているため、コンクリート構造体1は有筋構造となり、その強度を向上させることが可能となる。
【0057】
また、ガイドレール5a及び5bを支持する高さ調整具10a〜10jはそれぞれ、ネジ機構によってその軸方向の長さが調整自在となるため、コンクリート19の打設前にあっては、ガイドレール5a及び5bの上面の水平レベルの調整を容易に行うことが可能となる。同様に、高さ調整具10a〜10jは、ガイドレール5a及び5bの各々の軸方向に複数配置されているため、ガイドレール5a及び5bは各々の軸方向における複数の部分において高さが調整自在となる。よって、この実施の形態によるコンクリート構造体1の構成においては、コンクリート19の打設前にガイドレール5a及び5bの軸方向の勾配を容易に調整することも可能となる。
【0058】
ここで、上記のようなコンクリート構造体1の施工方法について説明する。
【0059】
図5は、この発明の第1の実施の形態によるコンクリート構造体の施工過程を示した概略工程図であり、図6は、図5に続くコンクリート構造体の施工過程と、その後のコンクリートブロックの設置過程とを示した概略工程図である。尚、これらの図は、先の図3に対応する部分について示したものである。
【0060】
まず、図5の(1)を参照して、転圧された砕石等の支持基盤3上におけるガイドレールの配置位置と対応する位置に、一対の高さ調整具10c及び10hを設置する。尚、同様にして、複数対の高さ調整具を先の図1に示した状態に整列するように設置する。
【0061】
次に、配置された高さ調整具10c及び10hの各々の上部に、一対のガイドレール5a及び5bの各々を仮置きする。これにより、高さ調整具10c及び10hを介してガイドレール5a及び5bが支持基盤3上に配置された状態となる。その後、配置された高さ調整手段10c及び10hの各々のターンバックル式ナットを回転させて、ガイドレール5a及び5bの上面の水平レベルを調整する。このとき、幅方向の一対の高さ調整具10c及び10hを操作して、ガイドレール5a及び5bの幅方向の水平レベルが一致するように調整すると共に、ガイドレール5a及び5bの軸方向に配置された他の複数対の高さ調整具を操作して、ガイドレール5a及び5bの各々が軸方向において所定の勾配となるように調整する。そして、ガイドレール5a及び5bの通りを確認した後、高さ調整具10c及び10hの上面と、ガイドレール5a及び5bの水平部分の下面とを溶接して固定する。
【0062】
次に、図5の(3)を参照して、ガイドレール5a及び5bの各々の側壁部に形成された図示しない開口を挿通させるようにして、横鉄筋18cを取り付ける。横鉄筋18cの取り付け後、図5の(4)に示されるように、横鉄筋18cとガイドレール5a及び5bとを溶接して、横鉄筋18cをガイドレール5a及び5bに固定する。
【0063】
尚、ここではガイドレール5a及び5bと高さ調整具10c及び10hとを溶接した後に横鉄筋18cを取り付けているが、図5の(2)でレベル調整が完了したガイドレール5a及び5bに横鉄筋18を挿通させてから、横鉄筋18cと高さ調整具10c及び10hとをガイドレール5a及び5bに溶接して、図5の(4)の状態となるように施工しても良い。
【0064】
続いて、図6の(1)を参照して、横鉄筋18cの両端部の外方に型枠20a及び20bを組んだ後、ガイドレール5a及び5bの上面より下方部分と、横鉄筋18cと、高さ調整具10c及び10hとが埋め込まれるように、コンクリート19を打設する。コンクリート19の硬化後、型枠20a及び20bを取り外せば、コンクリート構造体1の施工が完了する。
【0065】
次に、図6の(2)を参照して、上記のように形成されたコンクリート構造体1のガイドレール5a及び5b上に複数の硬球8を配置し、更に配置された複数の硬球8上に、ガイドレール5a及び5bの各々の上面と対向するように平板4a及び4bを設置する。そして、クレーン等を用いてボックスカルバート2を吊下げ、図6の(3)に示すように、平板4a及び4bの上面にボックスカルバート2を載置する。この状態において、複数の硬球8のベアリング効果によって、ボックスカルバート2をガイドレール5a及び5bの伸びる方向へとスムーズに移動させることが可能となる。
【0066】
ボックスカルバート2を所定位置まで移動させた後、図6の(4)に示すように、ボックスカルバート2の幅方向の外方側に型枠21a及び21bを組み立て、ガイドレール5a及び5bの上面より上方の部分と、平板4a及び4bと、ボックスカルバート2の下面部分とが埋め込まれるようにコンクリート22またはセメントミルク等を打設または充填する。そして、コンクリート22の硬化後に型枠21a及び21bを取り外すと、コンクリート構造体1と一体化した状態で、ボックスカルバート2の据え付けが完了する。
【0067】
以上のような方法によれば、高さ調整具10c及び10hを介してガイドレール5a及び5bを配置した後に、ガイドレール5a及び5bの水平レベルが調整自在となるので、効率的なコンクリート構造体1の施工が可能となる。
【0068】
また、ガイドレール5a及び5bを利用して横鉄筋18cが取り付けられるため、有筋構造を有する強固なコンクリート構造体1を容易に形成することが可能となる。更に、横鉄筋18cによって、ガイドレール5a及び5bの間隔は一定に維持されているため、コンクリート19の打設時にガイドレール5a及び5bの配置がずれてしまうことが防止されている。
【0069】
更に、この実施の形態においては、高さ調整具10c及び10hの下端部分には、支持基盤3の上面に接した状態で配置される平板11が取り付けられている。これにより、図5の(1)の段階での高さ調整手段10c及び10hの配置が安定するため、図5の(2)の段階でガイドレール5a及び5bの設置がより一層容易となり、コンクリート構造体1の施工が更に効率的となる。
【0070】
図7は、この発明の第2の実施の形態によるコンクリート構造体の概略構成を示した平面図であり、図8は、図7で示したVIII−VIIIラインの断面図であり、図9は、図8で示したIX−IXラインの拡大断面図である。
【0071】
これらの図を参照して、この実施の形態によるコンクリート構造体1の基本的な構成は先の第1の実施の形態によるものと同様であるが、ガイドレール5a及び5bの形状と、縦鉄筋24a〜24cを更に備えている点とが先の第1の実施の形態とは異なっている。
【0072】
ガイドレール5aは、図9に示されるように、上面が平坦な水平部26と、水平部26の外方側の端縁から垂直上方に立ち上がる垂直部27とを有する断面L字型の水平部材9と、水平部26の内方側の端縁に溶接された丸棒25とから構成されている。垂直部27の水平部26の上面からの高さは、硬球8の直径と平板4aの厚さとの合計より大きく設定されているため、ボックスカルバート2及び平板4aの移動時におけるガイドとして機能する。一方、丸棒25の直径は硬球8の直径より小さく設定されているため、平板4aの図の右方向への大きさは制限されず、ボックスカルバート2の大きさに合わせて適切なサイズの平板4aを使用することができる。
【0073】
また、ガイドレール5aはこのような断面L字型形状を有しているため、この実施の形態では横鉄筋18cは、ガイドレール5aの水平部26の下面に直接溶接されている。尚、他方のガイドレール5bは、ガイドレール5aと幅方向において左右対称に形成されており、その水平部の下面に同様にして横鉄筋18cが溶接されている。
【0074】
縦鉄筋24a〜24cは、例えば丸鋼や異型鉄筋等の金属材料よりなり、その軸方向がガイドレール5a及び5bの各々の軸方向とほぼ平行となるように配置され、横鉄筋18a〜18dの各々の下端部分に溶接によって固定されている。そして、これらの縦鉄筋24a〜24cもまた、他の部材と同様にコンクリート19に埋め込まれている。
【0075】
尚、この実施の形態では、ガイドレール5a及び5bの形状に応じて、横鉄筋24a〜24cの各々を横鉄筋18a及び18dの各々の下端に取り付けているが、先の第1の実施の形態で示したように溝形鋼を中心に構成されたガイドレールの場合には、縦鉄筋の各々を横鉄筋の上部に配置して取り付けるのがより好ましい。
【0076】
この実施の形態では、コンクリート19が打設される部分に横鉄筋18a〜18dと縦鉄筋24a〜24cとが縦横に配置された有筋構造となるため、コンクリート構造体1の強度を更に向上させることが可能となる。また、施工するコンクリート構造体1の大きさや用途に応じて、横鉄筋及び縦鉄筋の数を増やして、これらの配置間隔を小さく設定すれば、更に強固なコンクリート構造体1を形成することができる。
【0077】
尚、この実施の形態によるコンクリート構造体1の施工は、先の第1の実施の形態と同様の工程を経て取り付けられた横鉄筋18a〜18dに、ガイドレール5a及び5bの各々の軸方向と平行に配置された縦鉄筋24a〜24cを取り付ける工程を更に追加すれば良い。このような施工方法によれば、ガイドレール5a及び5bに取り付けられた横鉄筋18a〜18dを介して縦鉄筋24a〜24cが取り付けられるため、より強固な有筋構造のコンクリート構造体1を容易に形成することが可能となる。
【0078】
図10は、この発明の第3の実施の形態によるコンクリート構造体に用いられるガイドレール及び高さ調整具の概略構成を示した平面図であり、図11は、図10で示したXI−XIラインの断面図である。
【0079】
これらの図を参照して、この実施の形態によるコンクリート構造体には、先の第1の実施の形態と同様のガイドレール5aが用いられるが、ガイドレール5aの幅方向の両側の部分にそれぞれ高さ調整具10a及び10bが配置されている点が、先の第1の実施の形態とは異なっている。
【0080】
ガイドレール5aには、水平部材9の側壁部28a及び28bに形成された開口30a及び30bを挿通した状態で、ガイドレール5aの幅より長い丸棒29が取り付けられている。そして、この丸棒29における側壁部28a及び28bより外方側の部分は、円筒形状の支持パイプ33a及び33bに挿通されている。
【0081】
この実施の形態による高さ調整具10aは、ターンバックル式ナット14を中心に構成され、その下方に平頭ボルト13がねじ込まれている点は、先の第1の実施の形態と同様であるが、その上方には全ネジボルト31がねじ込まれている点が異なっている。そして、全ネジボルト31の上方部分が、支持パイプ33aに接続された円筒形状の収納パイプ32aの内部に収納されて固定されている。また、他方の高さ調整具10bも同様に形成され、その全ネジボルトの上方部分が支持パイプ33bに接続された収納パイプ32bに収納されて固定されている。
【0082】
そして、これらの高さ調整具10a及び10bの各々の下端は、平板11に例えば点溶接されて固定されている。これによって、ガイドレール5aと高さ調整具10a及び10bの位置関係が固定されるため、高さ調整具10a及び10bを介した支持基盤3上へのガイドレール5aの配置をより安定させることが可能となる。
【0083】
尚、ここでは一方のガイドレール5aについてのみ示したが、ガイドレール5aと幅方向において左右対称に形成される他方のガイドレールについても同様に、幅方向の両側に一対の高さ調整具がそれぞれ取り付けられている。
【0084】
このようにガイドレール5aの幅方向の両側に高さ調整具10a及び10bの各々が接続されていることにより、ガイドレール5aの幅方向の両端側の高さはそれぞれ独立に調整自在となる。したがって、一対のガイドレールの各々の幅方向の水平レベルを、より容易に且つ迅速に調整することが可能となる。尚、ガイドレール5aの軸方向の水平レベルも当然調整することが可能である。
【0085】
また、先の第1の実施の形態によるコンクリート構造体の施工方法において、この実施の形態のように、一対のガイドレールの各々の幅方向の両側に一対の高さ調整具を配置すれば、その後にガイドレールの各々の両側の高さが調整自在となるため、一対のレール手段の幅方向の水平レベルが更に容易に調整できる施工方法となる。この場合、支持基盤3の平坦度にかかわらず、ガイドレールの水平度を確保できるので、コンクリート構造体の施工がより容易となる。
【0086】
図12は、この発明の第4の実施の形態によるコンクリート構造体に用いられるガイドレール及び高さ調整具の概略構成を示した断面図であって、先の第3の実施の形態の図11に対応する図である。
【0087】
図を参照して、この実施の形態における高さ調整具10a及び10bは、先の第3の実施の形態におけるものと同様に、各々のターンバックル式ナットの上方に全ネジボルト31a及び31bの各々がねじ込まれている。そして、全ネジボルト31a及び31bの上端の外周壁部分と、ガイドレール5aの側壁部28a及び28bの外面の各々とが直接溶接されている。尚、高さ調整具10a及び10bの下端部分が平板11の上面に溶接されている点については、先の第3の実施の形態と同様である。
【0088】
この実施の形態においても、ガイドレール5aの幅方向の両側にそれぞれ高さ調整具10a及び10bが配置されているため、ガイドレール5aの軸方向の水平レベルのみならず、幅方向の水平レベルも容易に調整することが可能となる。
【0089】
図13は、この発明の第5の実施の形態によるコンクリート構造体に用いられるガイドレール及び高さ調整具の概略構成を示した断面図であって、先の第3の実施の形態の図11に対応する図である。
【0090】
図を参照して、この実施の形態における高さ調整具10aは、先の第1の実施の形態におけるものと同様に、ターンバックル式ナット14と、その上方にねじ込まれた平頭ボルト12aと、その下方にねじ込まれた平頭ボルト13aとから構成されている。尚、他方の高さ調整具10bは、高さ調整具10aと同一形状に形成されている。そして、平頭ボルト12a及び12bの上面に、ガイドレール5aの側壁部28a及び28bの下端部分が直接溶接されている。
【0091】
この実施の形態においても、ガイドレール5aの幅方向の両側にそれぞれ高さ調整具10a及び10bが配置されているため、ガイドレール5aの軸方向の水平レベルのみならず、幅方向の水平レベルも容易に調整することが可能となる。
【0092】
尚、上記の各実施の形態では、ボックスカルバートを移動させて据え付けるためのコンクリートの構造体に適用しているが、アーチカルバートや、貯水槽、ガレージ、L形擁壁、水路、側溝、擁壁ブロック等の他の形状のコンクリートブロックの設置基礎となるコンクリート構造体にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0093】
また、上記の各実施の形態では、横部材である横鉄筋は、ガイドレールの軸方向と平面視において直交するように取り付けられているが、必ずしも直交方向である必要はなく、平面視において交差していれば良い。
【0094】
更に、上記の各実施の形態では、ガイドレールの形状を特定しているが、硬球の上方に配置される平板及びコンクリートブロックの少なくとも一方をガイドできるものであれば、他の形状のガイドレールを使用しても良い。
【0095】
更に、上記の各実施の形態では、高さ調整具は平板を備えているが、必ずしも平板は必要なものではなく、なくても良い。また、幅方向の一対の高さ調整具や、ガイドレールの軸方向に整列する複数の高さ調整具を一枚の平板に一体的に接続しても良い。
【0096】
更に、上記の各実施の形態では、ガイドレールは高さ調整具の上部に取り付けられているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、高さ調整具の他の部分に取り付けても良い。また、必ずしもガイドレールと高さ調整具とを直接接続する必要はなく、例えば平板やL形鋼、溝形鋼等の部材を介してこれらを接続しても良い。
【0097】
更に、上記の各実施の形態においてコンクリート構造体を構成するための高さ調整具は、ターンバックル式ナットと一対のボルトとからなるが、必ずしもこのような高さ調整具を用いる必要はなく、ネジ機構によって軸方向の長さを増減できるものであれば、他の構造の高さ調整具を用いても良い。また、ガイドレールのレベル調整が容易になるという施工方法の利点の面では、必ずしもネジ機構に限らず、ガイドレールの配置後に上下方向の長さを増減することができる高さ調整具であれば良い。
【0098】
更に、上記の各実施の形態において、ガイドレールとして、その上面から下方に伸びる部材を備えた形状のものを使用し、当該下方に伸びる部材を介して横鉄筋や縦鉄筋を取り付けても良い。
【0099】
更に、上記の各実施の形態において、更に捨コンクリートを打設し、これを支持基盤として高さ調整具を設置すれば、更に施工がしやすくなる。
【0100】
更に、上記の各実施の形態において、高さ調整具同志を接続するように、横鉄筋または縦鉄筋を取り付けても良い。
【0101】
更に、上記の第1及び第2の各実施の形態では、ガイドレール上に配置された硬球上に平板を介してコンクリートブロックが載置されているが、コンクリートブロックの形状や重量によっては、硬球上に直接コンクリートブロックを載置しても良い。
【0102】
更に、上記の第3から第5の各実施の形態では、ガイドレールと高さ調整具のみを示したが、上記の第1及び第2の実施の形態と同様にして、横鉄筋及び縦鉄筋を取り付けると共に、コンクリートを打設すれば良い。
【0103】
更に、上記の第1の実施の形態では、ガイドレールの下方部分に形成された開口を挿通させた状態で横鉄筋を取り付けているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、直接ガイドレールの下方部分に固定しても良い。
【0104】
更に、上記の第1の実施の形態による施工方法では、支持基盤上に高さ調整具を設置してからガイドレールを配置しているが、予め高さ調整具を一体的に取り付けたガイドレールを支持基盤上に配置しても良い。
【0105】
更に、上記の第3の実施の形態において、ガイドレールと一対の高さ調整具とを接続するように取り付けられている丸棒の長さを更に長くして、横鉄筋として使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるコンクリート構造体の概略構成を示した平面図である。
【図2】図1で示したII−IIラインから見た図である。
【図3】図2で示したIII−IIIラインの断面図である。
【図4】図3で示した”Y”部分の拡大図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態によるコンクリート構造体の施工過程を示した概略工程図である。
【図6】図5に続くコンクリート構造体の施工過程と、その後のコンクリートブロックの設置過程とを示した概略工程図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態によるコンクリート構造体の概略構成を示した平面図である。
【図8】図7で示したVIII−VIIIラインの断面図である。
【図9】図8で示したIX−IXラインの拡大断面図である。
【図10】この発明の第3の実施の形態によるコンクリート構造体に用いられるガイドレール及び高さ調整具の概略構成を示した平面図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインの断面図である。
【図12】この発明の第4の実施の形態によるコンクリート構造体に用いられるガイドレール及び高さ調整具の概略構成を示した断面図である。
【図13】この発明の第5の実施の形態によるコンクリート構造体に用いられるガイドレール及び高さ調整具の概略構成を示した断面図である。
【図14】従来のコンクリート構造体の概略構成を示した平面図である。
【図15】図14で示したXV−XVラインから見た図である。
【図16】図15で示したXVI−XVIラインの断面図である。
【図17】図16で示した”Z”部分の拡大図である。
【図18】従来の基礎コンクリートの施工過程を示した概略工程図である。
【符号の説明】
【0107】
1…コンクリート構造体
2…ボックスカルバート
3…支持基盤
5…ガイドレール
8…硬球
10…高さ調整具
11…平板
18…横鉄筋
19…コンクリート
24…縦鉄筋
尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基盤上に形成され、その上部に複数の硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのコンクリート構造体であって、
前記支持基盤上に設置され、ネジ機構によってその軸方向の長さを増減することができる少なくとも一対の高さ調整手段と、
金属材料よりなり、各々の軸方向がほぼ平行に位置すると共に前記高さ調整手段の各々に取り付けられ、各々の上面に前記硬球が配置される一対のレール手段と、
金属材料よりなり、その軸方向が前記レール手段の各々の軸方向と平面視において交差するように、前記レール手段の各々の前記上面より下方の部分に取り付けられる少なくとも1つの横部材と、
前記レール手段の前記上面より下方の部分と、前記横部材と、前記高さ調整手段とが埋め込まれるように打設されたコンクリートとを備えた、コンクリート構造体。
【請求項2】
前記高さ調整手段は、前記レール手段の各々の軸方向に複数配置される、請求項1記載のコンクリート構造体。
【請求項3】
前記高さ調整手段は、前記レール手段の各々の幅方向の両側の部分にそれぞれ配置される、請求項1または請求項2記載のコンクリート構造体。
【請求項4】
前記横部材は、その軸方向が前記レール手段の各々の軸方向と平面視においてほぼ直交するように複数取り付けられ、
金属材料よりなり、前記レール手段の各々の軸方向とほぼ平行に配置され、前記横部材の各々に取り付けられた少なくとも1つの縦部材を更に備え、
前記縦部材は前記コンクリートによって埋め込まれる、請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンクリート構造体。
【請求項5】
支持基盤上に形成され、複数の硬球を介してコンクリートブロックを設置するためのコンクリート構造体の施工方法であって、
その上面に前記硬球が配置されるレール手段を、上下方向の長さを増減することができる少なくとも1つの高さ調整手段を介して、前記支持基盤上に配置する第1工程と、
前記配置された高さ調整手段を操作して、前記レール手段の前記上面の水平レベルを調整する第2工程と、
前記調整されたレール手段の前記上面より下方の部分と前記高さ調整手段とが埋め込まれるようにコンクリートを打設する第3工程とを備えた、コンクリート構造体の施工方法。
【請求項6】
前記第1工程は、前記高さ調整手段を所定間隔を開けて少なくとも一対配置する工程と、前記レール手段を各々の軸方向がほぼ平行となるように一対配置し、各々を前記高さ調整手段の各々の上部に取り付ける工程とを含み、
前記第2工程は、前記レール手段の各々と平面視において交差するように、前記レール手段の各々の上面より下方の部分に少なくとも1つの横部材を取り付ける工程を含む、請求項5記載のコンクリート構造体の施工方法。
【請求項7】
前記横部材は複数取り付けられ、
前記第2工程は、その軸方向が前記レール手段の各々の軸方向と平行となるように配置され、前記取り付けられた横部材の各々と平面視において交差するように、前記横部材の各々に少なくとも1つの縦部材を取り付ける工程を更に含む、請求項6記載のコンクリート構造体の施工方法。
【請求項8】
前記高さ調整手段は、前記レール手段の各々の幅方向の両側の部分にそれぞれ取り付けられる、請求項5から請求項7のいずれかに記載のコンクリート構造体に施工法方。
【請求項9】
前記高さ調整手段は、その下端部分に取り付けられ、前記支持基盤に接するように配置される平板を更に備える、請求項5から請求項8のいずれかに記載のコンクリート構造体の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−169779(P2006−169779A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362137(P2004−362137)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(593070321)
【Fターム(参考)】