説明

コンセント付きテーブル

【課題】 天板からコンセント間に配線される電源ケーブルの弛みを極力防止させるとともに、脚柱の天板支持強度を低下させることがなく、しかも利用者がコンセントの差込口を直接視認せずとも、容易かつ確実に電源ケーブルのプラグの取付位置が確認できるコンセント付きテーブルを提供すること。
【解決手段】 脚柱3の上端部3aに設けられた天板支持部材10に外方を向く開口12aが形成され、この開口12aから内方に向かう通孔12にコンセントユニット20が内挿される。コンセントユニット20が脚柱3の上部にあるので、利用者が容易かつ確実に電源ケーブルのプラグの取付位置を確認することができる。また、テーブルの天板上載置された電気機器から延出される電源ケーブルの差込口20bまでの長さ間隔を極力短くすることができるので、利用者が電源ケーブルに引っ掛かることが避けられるとともに、従来のように脚柱に加工を施してコンセントを取り付ける必要がないので、脚柱3の天板支持強度を低下させることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気あるいは通信ケーブル等のコンセントを有するテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンセント付きテーブルでは、コンセントが天板のコーナー部の下面に設けられた中空状の脚柱の途中に形成した切り欠きに挿入された後、その位置に固設され、このコンセントに接続された電源コードが脚柱内を通り、脚柱の下端部より導出されている。この導出された電源コードの先端部にはプラグが設けられることで、予め室内の壁面や床面等に複数設けられたコンセントのいずれかに接続することが可能になっている。
【0003】
このように、電源コードを脚柱内に配設させることで、電源コードを天板の下方に宙吊り状態で露出することを防止でき、テーブルを使用中の利用者の手や足に電源コードが引っ掛からない配線構造になっていた。
【0004】
【特許文献1】実願昭55−25897号(実開昭56−128031号公報)のマイクロフィルム(第2頁18行〜第3頁14行、第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にあっては、脚柱の途中にコンセントが取り付けられたものであるため、例えば、天板上に載置された電気機器から延出された電源ケーブルのプラグをコンセントに差し込む際に、利用者はコンセントの差込口の位置を確認する必要があり、差し込みに手間が掛かり、同様にプラグのコンセントからの取り外しにも手間が掛かっていた。
【0006】
また、天板から脚柱のコンセントまで電源ケーブルが配線されると、テーブルのコーナー部からコンセントに掛けて配線された電源ケーブルの長さの自重により弛みが生じやすく、利用者の作業中に身体の一部が電源ケーブルに引っ掛かり、プラグがコンセントから抜け落ちる恐れがあった。さらに、脚柱の一部が切り欠かれているために、脚柱の天板支持強度が低下させる恐れがあった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、天板からコンセント間に配線される電源ケーブルの弛みを極力防止させるとともに、利用者がコンセントの差込口を直接視認せずとも、利用者にプラグの取付位置が予測でき、しかも脚柱の天板支持強度を低下させることがないコンセント付きテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のコンセント付きテーブルは、天板の下面と脚柱との間に天板支持部材が固設されたテーブルであって、前記天板支持部材にはテーブルの外方を向く開口から内方に向かって通孔が形成され、該通孔には、差込口を備えたコンセントユニットが該開口より内挿可能に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、脚柱の上部に設けられた天板支持部材にコンセントユニットが設けられるため、利用者にプラグの取付位置が予測できる。また、天板上に載置された電気機器から延出された電源ケーブル等を脚柱の方まで延ばさなくてよいので、利用者が電源ケーブル等に引っ掛かることが極量避けられるとともに、従来のように脚柱に加工を施してコンセントを取り付ける必要がないので、脚柱の天板支持強度を低下させることもない。しかも、コンセントユニットの差込口がテーブルの外側面に向かって設けられることから、コンセントユニットの挿入が容易であり、かつ更に、利用者の一番近い脚柱の上方にあるコンセントユニットを使用できるので、利用勝手がよい。
【0009】
本発明の請求項2に記載のコンセント付きテーブルは、請求項1に記載のコンセント付きテーブルであって、前記コンセントユニットが通孔内に内挿された状態では、前記開口は前記コンセントユニットの差込口側で閉蓋されることを特徴としている。
この特徴によれば、コンセントユニットの取り付け時に、開口はコンセントユニットにより閉蓋されるので、通孔内に塵や埃が侵入することが阻止される。
【0010】
本発明の請求項3に記載のコンセント付きテーブルは、請求項2に記載のコンセント付きテーブルであって、前記差込口の外表面は開口を形成する前記天板支持部材の外表面と面一になっていることを特徴としている。
この特徴によれば、天板支持部材の外表面と差込口の外表面とが面一となっているため、プラグ差し込み時の突出が極力避けられ、且つ面一となった面を脚柱の外表面とも面一とすることも可能で、美感に優れたテーブル脚を提供できる。
【0011】
本発明の請求項4に記載のコンセント付きテーブルは、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンセント付きテーブルであって、前記コンセントユニットの外周面に係合部を設け、前記通孔の内周面に前記係合部と係合する被係合部を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、コンセントユニットを通孔に取り付けると、通孔の内周面に形成された被係合部に、コンセントユニットの外周面に設けられた係合部が嵌合されることで、通孔から安易に取り外れることが防止される。
【0012】
本発明の請求項5に記載のコンセント付きテーブルは、請求項1乃至4のいずれかに記載のコンセント付きテーブルであって、前記通孔は略水平方向に形成され、前記天板支持部材の下側には前記通孔と連通する第2の開口が形成され、前記コンセントユニットが通孔内に内挿された状態では、該コンセントユニットの差込口と反対側が前記第2の開口の上方または第2の開口から前記コンセントユニットの差込口側にわずかに寄った位置にあることを特徴としている。
この特徴によれば、コンセントユニットの差込口の反対側に第2の開口が形成されているので、コンセントユニットに接続した電源コードを第2の開口の空間部を利用して、自由な方向に配線させることができる。
【0013】
本発明の請求項6に記載のコンセント付きテーブルは、請求項5に記載のコンセント付きテーブルであって、前記コンセントユニットの差込口と反対側には係合部を被係合部から外す操作部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、第2の開口から操作部を操作することで、コンセントユニットの通孔からの取り外しが容易にできる。
【0014】
本発明の請求項7に記載のコンセント付きテーブルは、請求項1乃至6のいずれかに記載のコンセント付きテーブルであって、前記天板支持部材は脚柱にボルトで固設すると共に、前記天板支持部材の下面に脚柱の上端部に差し込み可能な下方に向く挿入片を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、天板支持部材の挿入片を脚柱の上端部に差し込むと共に、天板支持部材を脚柱にボルトで固定するので、互いが確実に連結され、天板の支持強度が高められる。
【0015】
本発明の請求項8に記載のコンセント付きテーブルは、請求項1乃至7のいずれかに記載のコンセント付きテーブルであって、前記天板支持部材の上面に天板と連結可能な一対の扇状支持部を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、天板支持部材の扇状支持部により天板の支持面積を拡大させることで、より安定して天板を支えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1におけるコンセント付きテーブルの全体像を示す斜視図であり、図2は、天板支持部材に設けられるコンセントユニットを示す斜視図であり、図3は、天板支持部材と脚柱の分解組立斜視図であり、図4は、天板支持部材の背面構造を示す斜視図であり、図5(a)は、図3のA−A線の断面図でありコンセントユニットを天板支持部材に取り付ける過程を示す図であり、図5(b)は、コンセントユニットを天板支持部材に取り付けた断面図であり、図5(c)は、コンセントユニットを天板支持部材から取り外す断面図である。
【0018】
図6(a)は、天板支持部材にコンセントユニットが取り付けられた斜視図であり、図6(b)は、天板支持部材に閉塞部材が取り付けられた変形例を示す斜視図であり、図6(c)は、天板支持部材に通信ユニットが取り付けられた変形例を示す斜視図であり、図7(a)は、コンセント付きテーブルの下方内側より、天板のコーナー部側を見上げた斜視図であり、図7(b)は図7(a)のB−B線の断面図である。図8は、コンセント付きテーブルの裏面構造を示す一部破断斜視図であり、図9は、コンセント付きテーブルの利用形態を示す平面概略図である。
【0019】
このコンセント付きテーブル1(以下、テーブル1)では、後で詳述するが天板2上に載置された電気機器類に電源を供給可能となっている。そこで、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1に示されるように、テーブル1は主に上面視矩形状の天板2と、天板2の各隅部が切り欠かれたように形成されたコーナー部2c下面に設けられた脚柱3(本実施例では4脚)と、この両者(天板2と脚柱3)の間に設けられた天板支持部材10(本実施例では4つ)と、から構成されており、脚柱3の下端には高さ調整可能な接地部材であるアジャスタ33が取り付けられ、テーブル1が安定して床面39に載置されている。
【0020】
テーブル1の周囲には椅子35が複数設置され、天板2には、飲料が注がれた複数のカップKと、電気機器であるノート型パソコン(以下、パソコン)34が複数設置されており、それぞれのパソコン34に接続される電源ケーブル34aの先端に設けられたプラグ34bが、近傍に位置する各天板支持部材10に設けられた後述するコンセントユニット20に形成された差込口に差し込まれている。このコンセントユニット20の背面側からは電源コード26が脚柱3の背面に沿って延設され、電源コード26の先端に設けられたプラグ26aが、壁面36に設けられたコンセント37に差し込まれている。
【0021】
以下、本実施例の説明において、天板支持部材10の外側を前方とし、天板支持部材10の内方および背面側を後方とし、天板支持部材10の両側方向を左右方向として説明する。
【0022】
コンセントユニット20は、図2に示されるように差込口20bが設けられた表面板20aと、表面板20の後方に向かって延出するように形成された矩形ボックス状の嵌入部20cと、嵌入部20cの差込口20bの反対側から延出された電源コード26から構成され、電源コード26の先端にはプラグ26aが設けられている。電源コード26の所定間隔周りにはスパイラルバンド29が巻き付けられている。
【0023】
嵌入部20cの上下端面の差込口20b側には、それぞれ2本の案内片21が形成され、嵌入部20cの左右端面の差込口20b反対側には、それぞれ後方から下方に向かって「く字形」に折り曲げられた係止片23が形成され、先端部に操作部23aが設けられている。この係止片23の折り曲げ近傍には、外方に突設された係合部に相当する係合凸部25が形成されている。
【0024】
次いで、天板2を支持する天板支持部材10および脚柱3について詳細に説明すると、図3に示されるように、天板支持部材10の上面には、天板2と連結可能な一対の扇状支持部14が設けられており、扇状支持部14の複数箇所に上下に貫通する貫通孔15が形成され、この貫通孔15を介してボルト27で天板2と連結可能になっている。天板支持部材10の下面には、下方に向けて一対の挿入片17が延設されている。
【0025】
天板支持部材10の外側面には、外方を向く第1開口12aから内方に向かって略水平方向に通孔12が形成され、通孔12の内周上下面に内方に向けて摺動溝11が形成され、コンセントユニット20の案内片21が摺動可能に嵌合されるようになっている。通孔12の内方側方には上下方に向けて被係合部に相当する係合凹部18が形成されている。通孔12下面には下方に貫通するボルト用の貫通孔16が形成され、通孔12の上面には上方に貫通する開口12cが連通されている。
【0026】
脚柱3には上下に貫通する溝条5が前後左右に形成され、後方の溝条5には上下方向に挿入溝6が形成されている。脚柱3の上端部3aと下端部3bにはその中央位置に螺合穴4が形成され、下端部3bには貫通孔7aが形成されたカバー部材7が嵌合され、この貫通孔7aを介して下端部3bの螺合穴4に向けてアジャスタ33が取り付けられる。
【0027】
天板支持部材10と脚柱3の連結は、天板支持部材10の挿入片17を左右の溝条5に嵌合させて、脚柱3の上端部3aに位置固定させた後、ボルト28を天板支持部材10の開口12cから貫通孔16に向けて挿し込み、脚柱3の螺合穴4に螺合させ締め付けることで連結が完了する。このように、ボルト28による螺合と、挿入片17により天板支持部材10と脚柱3が確実に連結される。このようにして連結された天板支持部材10と脚柱3は分離も容易であるので、脚柱3の高さの変更を行いたい場合にも、長さの違う新たな脚柱3の交換が容易に行える構成になっている。
【0028】
そして、天板支持部材10と脚柱3の連結完了後、コンセントユニット20を天板支持部材10の第1開口12aから通孔12に向けて内挿可能になっている。なお、コンセントユニット20の取り付けについては、後述において具体的に説明する。また、通孔12にコンセントユニット20を取り付けずに、第1開口12aを閉蓋する部材として、閉塞部材32を取り付けることも可能であり、この閉塞部材32はコンセントユニット20と同様に表面板32aの後方に向かって延設された嵌入部32cと、嵌入部32cの表面板32a側の上下端面にはそれぞれ2本の案内片32eが形成され、嵌入部32cの両側面に切欠き32dが形成されている。
【0029】
次いで、天板支持部材10の背面構造について説明すると、図4に示されるように、天板支持部材10の後方には、下方に向けて第2開口12bが形成され、通孔12に連結されている。つまり、第1開口12aおよび第2開口12bは通孔12を介して連結されている。第2開口12bの内周面の前方両端部には、係合凹部18が上方向に向けて形成されており、第2開口12bの前端近傍から前方斜め下方に向けて配線溝19が形成され、電源コード26が案内可能となっている。この第2開口12bには、閉塞部材32の切欠き32dが前後方向を向く状態で、通孔12内に嵌入部32cを圧入させることで取り付け可能になっている。
【0030】
天板支持部材10の後端上部には、後方に突設された連結部13が形成され、連結部13の中央位置に前後に貫通する連結孔13aが形成されている。ボルト27を第2開口12bから連結孔13aを介して、連結部13の螺合穴45aに螺合させることで、連結部13に後述する連結部材45が接続される。
【0031】
次に、コンセントユニット20を天板支持部材10に取り付ける過程を具体的に説明すると、図5(a)に示されるように、コンセントユニット20が矢印に示される方向に、天板支持部材10の第1開口12aから通孔12に向けて内挿されると、係合凸部25が通孔12の内周面に当接され係止片23が内方に撓みながら、徐々に通孔12内に嵌入部20cが内挿されていく。
【0032】
そして、図5(b)に示されるように、コンセントユニット20の表面板20aが第1開口12aの前端面に当接される位置まで内挿されることにより、左右の係止片23に形成された係合凸部25がそれぞれ通孔12に形成された係合凹部18に嵌合され、係止片23の撓みが解除されることで、天板支持部材10にコンセントユニット20が位置固定され、コンセントユニット20の取り付けが完了する。なお、嵌入部20cの上下面に形成された案内片21が第1開口12aの近傍に形成された摺動溝11(図3参照)に摺動可能に嵌合されるので、コンセントユニット20全体のがたつきが防止される。
【0033】
天板支持部材10からコンセントユニット20を取り外すには、係止片23の後端に位置する左右の操作部23aを利用者の指等で第2開口12b側より、図5(b)の矢印に示される方向に押圧させることにより、係合凹部18と係合凸部25の嵌合状態を解除させることができ、図5(c)に示されるように、コンセントユニット20を矢印に示された方向に引き出すことができる。なお、コンセントユニット20の内挿時と同様に引き出し時にも、係合凸部25が通孔12の内周面に当接されて係止片23が内方に撓むので、取り出し時に引っ掛かりを生じさせることなく、取り出し作業を円滑に行うことができる。
【0034】
このように、コンセントユニット20の係止片23に、外周面側に向けて係合部である係合凸部25を設け、前記通孔12の内周面に被係合部である係合凹部18を設けることで、コンセントユニット20を通孔12に容易に取り付けられるとともに、コンセントユニット20が通孔12から安易に取り外れることが防止されている。
【0035】
図6(a)に示されるように、天板支持部材10にコンセントユニット20が取り付けられると、差込口20bおよび表面板20aの外表面が天板支持部材10の外表面と面一になることにより、プラグ差し込み時の突出が極力避けられ、且つ面一となった面を脚柱3の外表面とも面一とすることも可能で、美感に優れたテーブル脚を提供できる。
【0036】
さらに、コンセントユニット20が通孔12内に取り付けられた状態では、第1開口12aの外側面が表面板20aにより閉蓋されるので、通孔12内に塵や埃が侵入することが阻止される。なお、天板支持部材10の扇状支持部14には、複数のボルト27が上方に向け貫通され、天板2下面に形成された図示しない螺合穴に螺合され堅固に固定されている。
【0037】
図6(b)は、天板支持部材10の第1開口12aに前述した閉塞部材32が取り付けられた変形例であり、閉塞部材32の表面板32aによって、第1開口12aが閉蓋され、天板支持部材10の外表面と面一になることから見栄えを損ねず、コンセントユニット20を必要としないテーブルとしても利用可能となり、また、閉塞部材32を取り外してコンセントユニット20に交換するだけで、いつでもコンセント付きテーブル1に変更できる。
【0038】
図6(c)は、天板支持部材10の第1開口12aに通信ユニット41を取り付けた変形例であり、表面板41aの中央部にLANケーブル等を接続可能な差込口41bが設けられている。なお、通信ユニット41の天板支持部材10からの着脱は、上記したコンセントユニット20と略同様のため説明を割愛する。このように、本発明において、電源供給用のコンセントユニット20や通信接続用の通信ユニット41等に限定されることなく、各種接続用コンセントユニットに対しても対応可能である。
【0039】
コンセントユニット20の背面側に接続される電源コード26の配線について説明すると、図7(a)に示されるように、配線コード26は天板支持部材10の第2開口12bで反転して配線溝19に沿って下方向に配線され、脚柱3の上端部3aから下端部3bに延び、カバー部材7およびアジャスタ33の近傍から図示しない床面に沿って配線されている。
【0040】
天板支持部材10の第2開口12bには、コンセントユニット20の使用により取り外された閉塞部材32が取り付けられ、嵌入部32cの上下に形成された切欠き32d内に電源コード26を配線させ、下方に向けて電源コード26が配線されている。下方に配線された電源コード26は図7(b)に示されるように、脚柱3の背面側に形成された挿入溝6に嵌入され溝条5内に内挿されており、配線コード26の外周に巻き付けられたスパイラルバンド29によって、安易に電源コード26が挿入溝6から抜け出ることのない構成になっている。また、挿入溝6より電源コード26だけを溝条5内に内挿すればよく、プラグ26aは溝条5内を通す必要がないので、配線作業が楽である。
【0041】
このように、コンセントユニット20に接続された電源コード26は、天板支持部材10の第2開口12bから宙吊り状態で配線されることなく脚柱3内に納められ、テーブル1を利用する利用者の手や足に引っ掛かることがなく安全性が高められるとともに、図8に示されるようにテーブル1の外部からの見栄えも良いものとなる。
【0042】
図7,8に示すように、このテーブル1のコーナー部2cに各々設けられた天板支持部材10の後端側の連結部13には、一対毎にアーチ状に連結部材45が連結され、さらに一対の連結部材45間に連結部材46が連結されることにより、強固な枠組みが構成されている。したがって、連結部材45、46により天板2のコーナー部2cにそれぞれ設けられた脚柱4の連結強度が高められ、例えば面積の大きな天板や重量のある天板に対しても対応可能となっている。しかも、天板支持部材10の扇状支持部14により天板2の支持面積を拡大させることで、より安定して天板2を支えることができる。
【0043】
次に、コンセント付きテーブル1の利用形態について具体的に説明すると、図9に示されるように、天板2上に配置された各パソコン34から各々延出された電源ケーブル34aのプラグ34bが、それぞれ近傍に位置するコンセントユニット20に接続されており、各パソコン34に電気が確実に供給される。
【0044】
また、利用者Hがテーブルの所望の位置に移動して作業を行う場合でも近くの脚柱の上にあるコンセントユニット20から電気を供給でき、常時パソコン34を利用可能になっている。また、コンセントユニット20が天板支持部材10の外方に位置するので、電源ケーブル34を周囲に支障をきたすことなく最短距離で配線できる。
【0045】
しかも、コンセントユニット20は差込口20b(図示略)が外方に向くように脚柱上部の天板支持部材10に取り付けられているので、利用者はコンセント位置が容易に予測できるので、プラグ34bの差込、あるいは取り外し操作が楽である。
【0046】
以上の説明により実施例1では、脚柱3の上端部3aに設けられた天板支持部材10にコンセントユニット20が設けられるため、利用者Hに容易かつ確実に電源ケーブル34aのプラグ34bの取付位置を確認させることができるとともに、天板2上に設置された電気機器であるパソコン34等から延出される電源ケーブル34aのコンセントユニット20の差込口20bまでの長さ間隔を極力短くすることができるので、利用者Hが電源ケーブル34aに引っ掛かることが極量避けられるとともに、従来のように脚柱に加工を施してコンセントを取り付ける必要がないので、脚柱3の天板支持強度を低下させることもない。
【実施例2】
【0047】
次に、本発明の実施例2を図10に基づいて説明する。図10は、コンセントユニットのテーブル配線における第2実施例を示す斜視図である。なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0048】
図10に示されるように、コンセントユニット20が通孔12内に取り付けられた状態では、差込口20bの反対側である後端面が第2開口12bから僅かに差込口20b側に寄った位置にあり、コンセントユニット20の後端面から第2開口12bの間に空間部が形成されている。
【0049】
また、コンセントユニット20の後端に接続された電源コード26は、第2開口12bから延出され、連結部材45の下面に沿い天板下面内方に配線されている。この電源コード26は、所定箇所に設けられた金属板状の固定具30により、連結部材45、46に位置固定されており、例えば、図1に示すように、壁面36に設けられたコンセント37の最も近傍に位置する一本の脚柱3からの電源コード26と集線して電源を受けることで、配線処理の複雑化を防止できる。
【0050】
このように、コンセントユニット20の差込口20bの反対側に第2開口12bが形成されているので、電源コード26を第2開口12bの空間部を利用して、自由な方向に配線自在となり、上述の如くコンセントユニット20を各脚柱3の上部に設けても配線処理の複雑化を防止することができる。
【0051】
以上、本発明の実施例1、2を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、コンセントユニット20の嵌入部20cの後端より係止片23を延設させ、係合凸部25および操作部23aを形成させることで、コンセントユニット20を天板支持部材10から取り外す際に、操作部23aの操作だけで容易に係合凹部18から係合凸部25の嵌合を解除でき、コンセントユニット20の取り外しを容易に行えることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、嵌入部20cの外周面にバネ付勢したボールを設け、通孔12の内周面にボール受け溝を形成して、コンセントユニット20を第1開口20aから挿入してボールをボール受け溝に嵌合させて取り付け、第2開口12bからコンセントユニット20を前方に押し出すことで嵌合を解除させ、コンセントユニット20を取り出すようにしても良い。
【0052】
また、上記実施例では、天板支持部材10の上部に一対の扇状支持部14を設けることで、天板2の支持強度がより高められていることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、天板支持部材10に扇状支持部14を設けない構成でも良いことは言うまでもなく、扇状支持部14のない天板支持部材10であっても、充分に天板2を支持可能である。同様に、各天板支持部材10は連結部材45、46によって、間接的に連結され連結強度が高められているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部材45、46を設けない構成でも良い。
【0053】
また、上記実施例では、脚柱3上下方向に延びた溝条5を有した例で説明したが、内部に電源コードを納められるような構造であればどの様な形状であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1におけるコンセント付きテーブルの全体像を示す斜視図である。
【図2】天板支持部材に設けられるコンセントユニットを示す斜視図である。
【図3】天板支持部材と脚柱の分解組立斜視図である。
【図4】天板支持部材の背面構造を示す斜視図である。
【図5】(a)は、図3のA−A線の断面図でありコンセントユニットを天板支持部材に取り付ける過程を示す図であり、(b)は、コンセントユニットを天板支持部材に取り付けた断面図であり、(c)は、コンセントユニットを天板支持部材から取り外す断面図である。
【図6】(a)は、天板支持部材にコンセントユニットが取り付けられた斜視図であり、(b)は、天板支持部材に閉塞部材が取り付けられた変形例を示す斜視図であり、(c)は、天板支持部材に通信ユニットが取り付けられた変形例を示す斜視図である。
【図7】(a)は、テーブルの下方内側より、天板のコーナー部側を見上げた斜視図であり、(b)は、図7(a)のB−B線の断面図である。
【図8】テーブルの裏面構造を示す一部破断斜視図である。
【図9】テーブルの利用形態を示す平面概略図である。
【図10】第2実施例におけるコンセントユニットのテーブル配線構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 テーブル(コンセント付きテーブル)
2 天板
2a 上面
2b 下面
2c コーナー部
3 脚柱
3a 上端部
3b 下端部
4 螺合穴
5 溝条
6 挿入溝
10 天板支持部材
11 摺動溝
12 通孔
12a 第1開口
12b 第2開口
12c 開口
13 連結部
13a 連結孔
14 扇状支持部
15、16 貫通孔
17 挿入片
18 係合凹部(被係合部)
19 配線溝
20 コンセントユニット
20a 表面板
20b 差込口
20c 嵌入部
21 案内片
23 係止片
23a 操作部
25 係合凸部(係合部)
26 電源コード
26a プラグ
27、28 ボルト
29 スパイラルバンド
30 固定具
32 閉塞部材
32a 表面板
32c 嵌入部
32d 切欠き
34 パソコン(ノート型パソコン)
34a 電源ケーブル
34b プラグ
36 壁面
37 コンセント
39 床面
41 LAN等の通信ユニット
41a 表面板
41b 差込口
41c 嵌入部
45、46 連結部材
45a 螺合穴
H 利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下面と脚柱との間に天板支持部材が固設されたテーブルであって、前記天板支持部材にはテーブルの外方を向く開口から内方に向かって通孔が形成され、該通孔には、差込口を備えたコンセントユニットが該開口より内挿可能に取り付けられていることを特徴とするコンセント付きテーブル。
【請求項2】
前記コンセントユニットが通孔内に内挿された状態では、前記開口は前記コンセントユニットの差込口側で閉蓋される請求項1に記載のコンセント付きテーブル。
【請求項3】
前記差込口の外表面は開口を形成する前記天板支持部材の外表面と面一になっている請求項2に記載のコンセント付きテーブル。
【請求項4】
前記コンセントユニットの外周面に係合部を設け、前記通孔の内周面に前記係合部と係合する被係合部を設けた請求項1乃至3のいずれかに記載のコンセント付きテーブル。
【請求項5】
前記通孔は略水平方向に形成され、前記天板支持部材の下側には前記通孔と連通する第2の開口が形成され、前記コンセントユニットが通孔内に内挿された状態では、該コンセントユニットの差込口と反対側が前記第2の開口の上方または第2の開口から前記コンセントユニットの差込口側にわずかに寄った位置にある請求項1乃至4のいずれかに記載のコンセント付きテーブル。
【請求項6】
前記コンセントユニットの差込口と反対側には係合部を被係合部から外す操作部が設けられている請求項5に記載のコンセント付きテーブル。
【請求項7】
前記天板支持部材は脚柱にボルトで固設すると共に、前記天板支持部材の下面に脚柱の上端部に差し込み可能な下方に向く挿入片を設けた請求項1乃至6のいずれかに記載のコンセント付きテーブル。
【請求項8】
前記天板支持部材の上面に天板と連結可能な一対の扇状支持部を設けた請求項1乃至7のいずれかに記載のコンセント付きテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−102117(P2006−102117A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292720(P2004−292720)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】