コンテナ荷役車両
【課題】各案内ローラからの主桁の外れ防止、両主桁間の距離に応じた各案内ローラ間の間隔変更により、コンテナの車台上への積み込みを円滑に行えるようにする。
【解決手段】コンテナ荷役車両1に設けられた荷役アーム14は、その先端に設けられたフック15をコンテナ5の前面に設けられた係合ピン5aに対して係合させた状態で、コンテナ5の下面に設けられた両主桁8,8を荷役アーム15によりそれぞれ案内ローラ20、20で案内させて、コンテナ5を車台上に積み卸しする。各案内ローラ20は、水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持され、各案内ローラ20の少なくとも一端側にはフランジ20bが設けられ、コンテナ5を積込む際には、該コンテナ5の積込動作で各案内ローラ20が水平面内で揺動し両主桁8,8が各案内ローラ20のフランジ20bに係合してコンテナ5が正規の積込み姿勢に修正される。
【解決手段】コンテナ荷役車両1に設けられた荷役アーム14は、その先端に設けられたフック15をコンテナ5の前面に設けられた係合ピン5aに対して係合させた状態で、コンテナ5の下面に設けられた両主桁8,8を荷役アーム15によりそれぞれ案内ローラ20、20で案内させて、コンテナ5を車台上に積み卸しする。各案内ローラ20は、水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持され、各案内ローラ20の少なくとも一端側にはフランジ20bが設けられ、コンテナ5を積込む際には、該コンテナ5の積込動作で各案内ローラ20が水平面内で揺動し両主桁8,8が各案内ローラ20のフランジ20bに係合してコンテナ5が正規の積込み姿勢に修正される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側フレーム上にコンテナを積み卸し可能に搭載するコンテナ荷役車両に関し、詳しくは、コンテナの車台上への積み込みを円滑に行えるようにする対策に係る。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンテナ荷役車両は、車体側フレームに基端部が車体前後方向へ回動可能に支持され、先端側に伸縮移動可能なL型アームを有する荷役アームと、該荷役アームを車体側フレームに対して車体前後方向へ回動させる伸縮自在な傾動シリンダとを備えている。そして、上記L型アームを収縮させてコンテナを後方へ移動させた状態で上記傾動シリンダを伸長させることで、荷役アームをその基端部回りに後方へ回動させてコンテナを車体側フレーム上から地上に卸す一方、傾動シリンダを収縮させて荷役アームをその基端部回りに前方回動させた状態でL型アームを伸長させて荷役アームを前方へ摺動させることで、コンテナを地上から車体側フレーム上に積み込むように構成されている。
【0003】
そして、このようなコンテナ荷役車両にあっては、走行時にコンテナに走行振動などが作用した際に車体側フレームに対するコンテナの跳ね上がりなどをコンテナと車体側フレームとの係合により防止するようにしたコンテナ固縛装置を備えたものがある。このコンテナ固縛装置としては、車体側フレームより上方に突出し、かつその上部に係合凹部を有する第1係合部材と、コンテナの下面に基端部が取付けられて下方に突出し、かつ先端が上記係合凹部に係脱可能に係合する断面略L字状の第2係合部材とを備え、コンテナ卸し時に伸縮シリンダを伸長させて荷役アームを後方へ摺動させることで、第2係合部材の先端を第1係合部材の係合凹部から離脱させてコンテナ固縛装置による車体側フレーム上からのコンテナの固縛を解除する一方、コンテナ積み込み時に伸縮シリンダを収縮させて荷役アームを前方へ摺動させることで、第2係合部材の先端を第1係合部材の係合凹部に係合させてコンテナ固縛装置により車体側フレーム上にコンテナを固縛するようにしたものが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記コンテナを車体側フレーム上などの車台上に積み込む場合には、以下に述べるような欠点がある。
【0005】
すなわち、コンテナを積み込む際にそのコンテナの車体前後方向へ延びるコンテナ縦中心軸線と車台の前後方向へ延びる車台縦中心軸線との間に角度差が存在してコンテナの積込み姿勢が悪化していると、コンテナの主桁が各案内ローラにより確実に案内されずに該各案内ローラから外れる虞があり、コンテナを車台上に円滑に積み込むことができない。しかも、このように積込み姿勢が悪化しているコンテナを車台上に積み込めたとしても、車台上で正規の積込み姿勢に保持されるはずがなく、走行振動などによりコンテナが車台上から落下する虞もある。
【0006】
そして、専用のコンテナとはサイズが異なるコンテナを積込む場合、その両主桁間の距離と各案内ローラ間の間隔とが一致しないことがあり、このようなコンテナではコンテナ積込時に両主桁を各案内ローラで案内することができず、コンテナを車台上に円滑に積込むことができない。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、各案内ローラからの主桁の外れ防止、両主桁間の距離に応じた各案内ローラ間の間隔変更により、コンテナの車台上への積み込みを円滑に行えるようにせんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、コンテナの主桁の各案内ローラを水平面内で車体前後方向へ揺動させるようにしている。
【0009】
具体的には、車台に、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、上記車台に搭載されるコンテナに、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両を前提とする。そして、上記各案内ローラを、水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持し、上記各案内ローラの少なくとも一端側にフランジを設ける。上記コンテナを積込む際に、該コンテナの積込動作で上記各案内ローラを水平面内で揺動させ上記両主桁を各案内ローラのフランジに係合させてコンテナを正規の積込み姿勢に修正するような構成としたものである。
【0010】
これにより、請求項1記載の発明では、各案内ローラは、コンテナの積込動作によって水平面内で車体前後方向へ揺動し、コンテナ下面の両主桁を各案内ローラのフランジに係合させてコンテナを正規の積込み姿勢に修正するようにしているので、コンテナを積み込む際にそのコンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間に角度差が存在してコンテナの積込み姿勢が悪化していても、コンテナの両主桁を各案内ローラにより確実に案内して該コンテナが車台上へ円滑に積込まれる。しかも、積込み姿勢が悪化しているコンテナが水平面内で揺動可能な各案内ローラのフランジに両主桁を係合させて正規の積込み姿勢に修正されることにより、コンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間の角度差も荷役アームの前方回動に伴って徐々に消滅し、走行振動などによりコンテナが車台上から落下することが確実に防止される。
【0011】
請求項2記載の発明では、両主桁間の距離に応じて各案内ローラ間の間隔を変更するようにしている。
【0012】
具体的には、車台に、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、上記車台に搭載されるコンテナに、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両を前提とする。そして、上記各案内ローラ間にローラ間隔変更手段を設け、上記各案内ローラを共に、上記ローラ間隔変更手段に連結し、該ローラ間隔変更手段の作動により、上記車台上に積み込まれるコンテナの両主桁間の距離に応じて車幅方向の間隔を変更させるような構成としたものである。
【0013】
これにより、請求項2記載の発明では、ローラ間隔変更手段により、車台上に積込まれるコンテナの両主桁間の距離に応じて各案内ローラの車幅方向の間隔が変更されるので、サイズの異なるコンテナを車台上に積込む場合には、そのコンテナの両主桁間の距離に応じて各案内ローラ間の間隔を変更させることで、コンテナの両主桁間の距離と各案内ローラ間の間隔とを合致させることが可能となり、サイズの異なるコンテナも、その両主桁が各案内ローラにより確実に案内されて車台上へ円滑に積込まれる。
【0014】
請求項3記載の発明が講じた解決手段は、請求項2記載の発明の構成要件に加えて、各案内ローラの一側端にフランジを設ける構成としたものである。
【0015】
これにより、請求項3記載の発明では、コンテナを積み込む際にそのコンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間に角度差が存在してコンテナの積込み姿勢が悪化している場合、コンテナの積込動作によってコンテナ下面の両主桁が各案内ローラのフランジに係合して各案内ローラにより確実に案内され、コンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間の角度差が荷役アームの前方回動に伴って徐々に消滅し、コンテナが正規の積込み姿勢に修正されて、車台上へ円滑に積込まれる上、走行振動などによりコンテナが車台上から落下することも確実に防止される。
【発明の効果】
【0016】
以上の如く、請求項1記載の発明におけるコンテナ荷役車両によれば、コンテナの積込動作により水平面内で揺動する各案内ローラのフランジにコンテナ下面の両主桁を係合させてコンテナを正規の積込み姿勢に修正するので、積込み姿勢の悪化しているコンテナの両主桁を各案内ローラにより確実に案内して該コンテナを車台上へ円滑に積込むことができるとともに、走行振動などによるコンテナの車台上からの落下を確実に防止することができる。
【0017】
請求項2記載の発明におけるコンテナ荷役車両によれば、コンテナの両主桁間の距離に応じて各案内ローラの車幅方向の間隔を変更するので、サイズの異なるコンテナの両主桁間の距離と各案内ローラ間の間隔とを合致でき、サイズの異なるコンテナも車台上へ円滑に積込むことができる。
【0018】
請求項3記載の発明におけるコンテナ荷役車両によれば、各案内ローラの一側端にフランジを設けたので、積込み姿勢が悪化しているコンテナの積込動作によってコンテナ下面の両主桁を各案内ローラのフランジに係合させて確実に案内し、コンテナを正規の積込み姿勢に修正して車台上へ円滑に積込むことができるとともに、走行振動などによるコンテナの落下も確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図2ないし図4は本発明の第1の参考例に係るコンテナ荷役車両1の構成を示し、2は運転席3の下方より後方に延設された左右一対の車体フレーム、4は該各車体フレーム2の後部上にそれぞれ設けられた車台としてのサブシャーシである。上記サブシャーシ4(車体フレーム2)上には、そのサブシャーシ4上と地上との間でコンテナ5を積み卸し可能とする積み卸し装置6が搭載されている。上記コンテナ5の後壁は、軸9により上端が枢支されて後方へ下開き可能なテールゲート7に形成されている。尚、8はコンテナ5の下面を車体前後方向に延びる左右一対の主桁であり、また、FT,RTは前輪および後輪である。
【0021】
上記積み卸し装置6は、図5にも示すように、上記サブシャーシ4の後端部間において軸11回りに後方へ傾動自在に支持され、サブシャーシ4後部に位置する左右一対の傾動フレーム12と、該各傾動フレーム12の前部の支持軸13回りに起伏可能に連結された略L字状の荷役アーム14とを備えている。また、上記荷役アーム14は、案内部材16と、該案内部材16内に摺動自在に嵌挿された略L字形のL型アーム17と、上記案内部材16とL型アーム17との間に連携された伸縮自在な伸縮シリンダ18とを備えている。この伸縮シリンダ18は、コンテナ5をサブシャーシ4上の搭載状態(図5のA参照)から地上に卸す際に収縮動作されてL型アーム17を後退移動(図5のB参照)させ、この状態で荷役アーム14を支持部13回りに後方へ回動(図5のC参照)させることで、コンテナ5(主桁8)がその自重により案内ローラ20(後述する)上にて摺動して地上に卸されるようになっている。一方、伸縮シリンダ18は、荷役アーム14を支持部13回りに前方へ回動させてコンテナ5を地上からサブシャーシ4上に搭載する際に伸長動作されてL型アーム17を前進移動させることにより、コンテナ5が地上からサブシャーシ4上に搭載されるようになっている。また、上記伸縮シリンダ18は、サブシャーシ4上のコンテナ5を傾動させる際に収縮動作されず、この状態でL型アーム17を前進位置(図5のA)に保持することにより、傾動フレーム12に対する荷役アーム14の支持部13回りの回動が禁止されて、上記傾動フレーム12および荷役アーム14が一体的な固縛状態となり、傾動フレーム12および荷役アーム14が枢軸11回りに後方へ傾動(図5のD参照)してコンテナ5が車体フレーム2上で傾動され、テールゲート7の開放に伴いコンテナ5内の内容物が排出されるようになっている。
【0022】
上記荷役アーム14の先端つまり案内部材16の先端には、係合孔15aを有する鉤状のフック15が設けられており、このフック15は、コンテナ5前面上端中央位置に設けられたフック係合部材としての係合ピン5aに対して係合孔15aを経て係脱可能に係合するようになっている。さらに、上記案内部材16(荷役アーム14)の後端に近い部位と、上記サブシャーシ4の前側位置との間には、それぞれ前後の枢軸19a,19bを介して左右一対の傾動シリンダ19が回動自在に支持されている。該各傾動シリンダ19は、図4において詳述するように、上記サブシャーシ4間における荷役アーム14の左右両側方に配置され、そのサブシャーシ4の前端部間を連結するメンバ21より後方へ延びる一対の延設フランジ22の先端に上記前側の枢軸19aを介して前端が取り付けられている。一方、各傾動シリンダ19の後端は、上記後側の枢軸19bを介して荷役アーム14(案内部材16)の後端に近い左右両側部に取り付けられているとともに、その後側の枢軸の車幅方向外方から該後側の枢軸19bよりも後方の荷役アーム14の後端(基端)に亘って延設された左右一対の大型ブラケット23により取り付けられている。この各大型ブラケット23は、サブシャーシ4の後端部間の有効寸法を目一杯活用しかつ荷役アーム14の後端部付近まで及んで形成され、コンテナ荷役車両に搭載されるコンテナの規制緩和に伴って重量の重いコンテナを積み卸しする際に荷役アーム14に対する傾動シリンダ19の連結点付近での応力集中が効果的に緩和されるように構成されている。
【0023】
また、上記サブシャーシ4後端の枢軸11には左右一対の案内ローラ20が回動自在に支持されている。該各案内ローラ20は、上記傾動フレーム12間を車体前後方向へ延びる車体縦中心軸線Y(車台の縦中心軸線)側となる内側部分に上記コンテナ5の主桁8と摺接するよう略均一外径形状に形成された摺接部20aを備えているとともに、上記摺接部20aの外側端に外方へ拡径されたテーパ状のフランジ20bを備えている。
【0024】
さらに、図1に示すように、上記傾動フレーム12と、該傾動フレーム12上に搭載されたコンテナ5の下面側(主桁8側)との間には、この傾動フレーム12上においてコンテナ5を固縛するコンテナ固縛装置24が設けられている。該コンテナ固縛装置24は、上記左右の傾動フレーム12の略中央部上に突設された左右一対の第1係合部材26と、上記コンテナ5の下面後部に設けられた左右一対の第2係合部材25とを備えている。上記第2係合部材25は、その基端部が主桁8よりも車幅方向内側に取り付けられ、下方へ延びたのち先端25aが前方へ延びて断面略L字状に形成されてなる。一方、上記第1係合部材26は、その上部に上記第2係合部材25の先端25aが係脱可能に係合する係合凹部26aを有している。そして、上記コンテナ5を積み卸し装置6により傾動フレーム12上に積み込んだ際には、伸縮シリンダ18の収縮動作によるL型アーム17の前進移動によって第2係合部材25の先端25aが第1係合部材26の係合凹部26aに後方から挿入されて係合することでコンテナ5が傾動フレーム12に固縛され、一方、上記コンテナ5を積み卸し装置6により地上に卸す際には、伸縮シリンダ18の伸長動作によるL型アーム17の後退移動によって第2係合部材25の先端25aが第1係合部材26の係合凹部26a内から後方へ離脱することでコンテナ5の傾動フレーム12に対する固縛が解除されるようになっている。
【0025】
そして、上記第1係合部材26は、その係合凹部26aの下端より傾動フレーム12の内外両側面に沿って下方に延びる左右一対の突片26bが設けられ、この両突片26bの下端部が傾動フレーム12の内外両側面に対して水平ピン26cにより回動自在に支持されて、車体前後方向向きの鉛直面内で上下方向への移動を可能にしている。上記荷役アーム14の後端部には先端が支持軸13よりも下方へ突出する突出片14aが設けられている。該突出片14aは、支持軸13に回動自在に支持され、荷役アーム14(案内部材16)の直立状態(図1に二点鎖線で示す状態)から後方の係合可能な後傾状態(図1に実線で示す状態)の間の所定領域での前方回動および後方回動に連動して一体回転し、それ以外の荷役アーム14の前方および後方回動時には該荷役アーム14と相対回転するようになっている。そして、上記第1係合部材26の内側の突片26bの下端には下方へ延びるアーム26dが設けられ、このアーム26dの下端と上記突出片14aの先端との間には車体前後方向へ延びるリンク27の前後両端がそれぞれ回動自在に支持されている。該リンク27は、上記荷役アーム14が前方回動する場合には上記所定領域での前方回動(荷役アーム14の後傾状態から直立状態までの間での前方回動)と連動する突出片14aの後方回動により車体後方へ移動する一方、上記荷役アーム14が後方回動する場合には上記所定領域での後方回動(荷役アーム14の直立状態から後傾状態までの間での後方回動)と連動する突出片14aの前方回動により車体前方へ移動するようになっている。
【0026】
また、上記第1係合部材26は、上記荷役アーム14の上記所定領域での前方回動と連動するリンク27の後方移動により、車体前後方向後向きに下方へ回動して荷役アーム14の回動軌跡K(図1に一点鎖線で示す領域)外に後退(退去)し、上記第2係合部材25の先端25aが係合凹部26a内に係合不能な非係合位置(図1に実線で示す位置)に位置付けられる。一方、上記第1係合部材26は、上記荷役アーム14の上記所定領域での前方回動と連動するリンク27の後方移動により、車体前後方向前向きに上方へ回動して荷役アーム14の回動軌跡K内に進出し、上記第2係合部材25の先端25aが係合凹部26a内に係合可能な係合位置(図1に二点鎖線で示す位置)に位置付けられ、該位置において係合姿勢に保持されるようになっている。そして、上記第1係合部材26の係合位置において該第1係合部材26直前方に対応する各傾動フレーム12の内側対応位置にはストッパ28が設けられている。上記第1係合部材26は、荷役アーム14の上記所定領域での前方回動に連動して後方移動するリンク27により上方へ回動(荷役アーム14の回動軌跡K内に進出)した際に上記ストッパ28に当接し、係合位置において係合姿勢に保持される。
【0027】
したがって、上記第1の参考例では、傾動フレーム12より上方に突設した第1係合部材26は、荷役アーム14の所定領域での後方回動(荷役アーム14の図1に二点鎖線で示す直立状態から図1に実線で示す後傾状態までの間での後方回動)時にのみその後方回動に連動して車体前後方向向きの鉛直面内で後向きに下方へ回動することで、荷役アーム14の回動軌跡K外の非係合位置(図1に実線で示す位置)まで移動し、荷役アーム14と干渉しないようにしているので、荷役アーム14の左右両側方においてサブシャーシ4間の有効寸法を目一杯活用しかつ荷役アーム14の後端部付近まで及ぶ左右一対の大型ブラケット23により傾動シリンダ19の後端が荷役アーム14に対して取り付けられていても、この大型ブラケット23が荷役アーム14に伴い後方回動した際に第1係合部材26との干渉が確実に防止され、荷役アーム14の後方回動を円滑に行うことができる。
【0028】
一方、第1係合部材26は、荷役アーム14の所定領域での前方回動(荷役アーム14の図1に実線で示す後傾状態から図1に二点鎖線で示す直立状態までの間での前方回動)時にその荷役アーム14の所定領域での前方回動と連動して車体前後方向前向きに上方へ回動することで、荷役アーム14の回動軌跡K内における第2係合部材25と係合可能な係合位置つまり傾動フレーム12上の突出位置まで移動し、ストッパ28との当接により該位置で係合姿勢に保持されるので、この荷役アーム14の前方回動により積み込まれるコンテナ5下面の第2係合部材25の先端25aが第1係合部材26の係合凹部26aに対して円滑に係合し、サブシャーシ4上でのコンテナ5の固縛を確実に行うことができる。
【0029】
尚、上記第1の参考例では、第1係合部材26をリンク27を介して上方の係合位置と下方の非係合位置との間で回動させたが、図6に示すように、第1係合部材26の上部と、該第1係合部材26前側に対応する傾動フレーム12の対応位置との間にスプリング29を連結し、該スプリング29の付勢力により第1係合部材26がストッパ28に当接するまで車体前後方向前向きに上方へ付勢されて係合位置で係合姿勢に保持される一方、荷役アーム14の後方への回動により大型ブラケット23が第1係合部材26の前面と当接して該第1係合部材26がスプリング29の付勢力に抗して車体前後方向後向きに下方へ回動して非係合位置に移動するようにしても良い。しかも、第1係合部材は、車体前後方向向きの鉛直面内で上下方向に回動して上方の係合位置と下方の退去位置との間で移動するものに限定されず、車体前後方向前向きに下方へ回動して非係合位置に、車体前後方向後向きに上方へ回動して係合位置にそれぞれ位置付けられるように両位置間で移動するものであっても良い。また、第1係合部材が、車幅方向向きの鉛直面内で車体内方向き又は外方向きに下方へ回動して非係合位置に、車体外方向き又は内方向きに上方へ回動して係合位置にそれぞれ位置付けられるように両位置間で移動するものなどであっても良い。
【0030】
さらに、上記第1の参考例では、ストッパ28を係合位置にある第1係合部材26直前方に対応する各傾動フレーム12の内側対応位置に設けたが、荷役アームの所定領域での前方回動完了時に突出片の後方回動又はリンクの後方移動を規制するストッパであっても良い。
【0031】
しかも、上記第1の参考例では、コンテナ5下面の断面略L字状の第2係合部材25の先端25aと、傾動フレーム12上の第1係合部材26の係合凹部26aとを係合させたが、コンテナ下面の第2係合部材に係合凹部を設ける一方、傾動フレーム上の第1係合部材を断面略L字状に形成しても良い。
【0032】
次に、本発明の第1の実施形態を図7に基づいて説明する。
【0033】
この実施形態では、案内ローラの構成を変更している。
【0034】
すなわち、本実施形態では、図7に示すように、傾動フレーム12の後端部にそれぞれ車幅方向外方に突出する左右一対の支持ブラケット31が設けられている。上記各支持ブラケット31の外端には、水平方向に延びるピン状部材32の一端(内端)が、鉛直方向に延びるピン33(鉛直軸線)を介してそのピン33回りに回動自在に支持されている。上記ピン状部材32の他端側(外端側)には案内ローラ20がそのピン状部材32回りに回動自在に支持されている。つまり、案内ローラ20は、傾動フレーム12後端部の各支持ブラケット31に対して水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持されている。
【0035】
この場合、各案内ローラ20は、コンテナ5を積み込む際にそのコンテナ5の積込動作により水平面内で揺動し、コンテナ5の主桁8間を車体前後方向へ延びるコンテナ縦中心軸線X(コンテナの縦中心軸線)と車体縦中心軸線Yとの間に角度差θがあっても、各案内ローラ20のフランジ20bに対するコンテナ5の主桁5の係合により各案内ローラ20のピン状部材32がコンテナ縦中心軸線Xと直交する向きとなるよう支持ブラケット31を伴い各案内ローラ20が水平面内で車体前後方向に揺動し、コンテナ5が正規の積込み姿勢に修正されるようになっている。尚、案内ローラを除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0036】
したがって、上記実施形態では、各案内ローラ20は、コンテナ5を積み込む際にそのコンテナ5の積込動作により、フランジ20bに対するコンテナ5の主桁8の係合により該各案内ローラ20のピン状部材32がコンテナ縦中心軸線Xと直交する向きとなるよう水平面内で車体前後方向に揺動し、コンテナ5を正規の積込み姿勢に修正するようにしているので、コンテナ5を積み込む際にそのコンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間に角度差θが存在してコンテナ5の姿勢が悪化していても、コンテナ5の主桁8を各案内ローラ20により確実に案内してコンテナ5をサブシャーシ4上へ円滑に積み込むことができる。
【0037】
しかも、積込み姿勢が悪化しているコンテナ5が水平面内で揺動可能な各案内ローラ20のフランジ20bに両主桁8を係合させて正規の積込み姿勢に修正されることにより、コンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θも車体縦中心軸線Y上を前方へ移動する荷役アーム14の前方回動に伴って徐々に消滅し、走行振動などによるサブシャーシ4上からのコンテナ5の落下を確実に防止することができる。
【0038】
尚、上記第1の実施形態では、フランジ20bを摺接部20aの外側端に設けたが、フランジ20bを摺接部の内側端にフランジが設けられていても良いのは勿論のこと、摺接部の内外両側端にフランジが設けられていれば、サブシャーシ上でのコンテナの保持をより確実に行うことができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態を図8ないし図10に基づいて説明する。
【0040】
この実施形態では、案内ローラの構成を変更している。
【0041】
すなわち、本実施形態では、図8および図9に示すように、各案内ローラ20間、つまり各傾動フレーム12の後端部間には、ロータ間隔変更手段としてのシリンダ41が車幅方向に延びて設けられている。このシリンダ41は、左右一対のピストン41aにより中央のヘッド側室41bと左右のロッド側室41c,41dとに区画され、上記両ピストン41aよりそれぞれ外方へ延びるピストンロッド41eの先端に案内ローラ20が設けられている。該各案内ローラ20は、ピストンロッド41eの先端において該ピストンロッド41eの軸回りに回動自在に支持されている。上記各案内ローラ20は、上記ピストンロッド41eの伸縮作動により車幅方向に移動するようになっている。つまり、各案内ローラ20間の間隔は、各ピストンロッド41eの伸長作動時に増大する一方、各ピストンロッド41eの収縮作動時に減少するようになっていて、サブシャーシ4上に積込まれるコンテナ5が、図8に示すようにコンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θによって各案内ローラ20間の間隔dよりも両主桁8間の距離h(d+i)が増大しているものや、図10に示すようなサイズの大きなコンテナ5´であるが故に各案内ローラ20間の間隔dよりも両主桁8´間の距離h´(d+i)が増大しているものであっても、それぞれの主桁8(又は8´)間の距離h(h´)に応じた増減変更を可能にしている。また、積込み姿勢の悪いコンテナ5を積込んだ場合には、荷役アーム14の前方回動終了にシリンダ41のピストンロッド41eを収縮動作させて各案内ローラ20を車幅方向内方に移動させ、該各案内ローラ20の摺接部20a外側端間の間隔dを元に戻すことで、コンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θを消滅させて正規の積込み姿勢されるようにしている。尚、案内ローラを除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0042】
したがって、上記実施形態では、シリンダ41により、サブシャーシ4上に積込まれるコンテナ5(5´)の両主桁8(8´)間の距離に応じて各案内ローラ20の車幅方向の間隔が増減変更されるので、コンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θによって各案内ローラ20間の間隔dよりも両主桁8間の距離hが増大している積込み姿勢の悪いコンテナ5や、両主桁8´間の距離h´が各案内ローラ20間の間隔dよりもサイズの大きいコンテナ5´などを積み込む場合には、そのコンテナ5(5´)の主桁8(8´)間の距離に応じてシリンダ41のピストンロッド41eを伸長動作させて各案内ローラ20の間隔を増大変更することで、コンテナ5(5´)の両主桁8(8´)間の距離h(h´)と各案内ローラ20間の間隔d+iとを合致させることが可能となり、積込み姿勢の悪いコンテナ5や大きいサイズのコンテナ5´なども、その両主桁8(8´)が各案内ローラ20により確実に案内されてサブシャーシ4上へ円滑に積込むことができる。
【0043】
また、積込み姿勢の悪いコンテナ5を積込む場合には、コンテナ5の積込動作によってコンテナ5下面の両主桁8が各案内ローラ20のフランジ20bに係合して各案内ローラ20により確実に案内されることでコンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θが荷役アーム14の前方回動に伴って徐々に消滅する上、荷役アーム14の前方回動終了にシリンダ41のピストンロッド41eを収縮動作させて各案内ローラ20の摺接部20a外側端間の間隔dが元に戻されるので、コンテナ5が正規の積込み姿勢に円滑に修正され、走行振動などによりコンテナ5がサブシャーシ4上から落下することを確実に防止できる。
【0044】
尚、上記第2の実施形態では、大きいサイズのコンテナ5´を積み込む場合について述べたが、これに限らず、小さいサイズのコンテナも積み込むことができるようにしても良い。具体的には、正規の積み込み姿勢で積み込まれるコンテナの両主桁間の距離に対して各案内ローラ間の間隔を増大変更のみでなく減少変更をも可能に構成しておくことで、小さいサイズのコンテナを積み込むことも可能となる。
【0045】
また、上記第2の実施形態では、単一のシリンダ41を兼用して左右の案内ローラ20を車幅方向へ移動させたが、左右個別の専用のシリンダ、又は兼用または専用のアクチュエータやモータなどにより左右の案内ローラが車幅方向へ移動するようにしても良いのは勿論である。
【0046】
次に、本発明の第2の参考例を図11および図12に基づいて説明する。
【0047】
この参考例では、フックの構成を変更している。
【0048】
すなわち、本参考例では、図11に示すように、フック15には、コンテナ積み卸し時にコンテナ5の係合ピン5aに対する該フック15の係合を確認する係合確認手段51が設けられている。該係合確認手段51は、図12にも示すように、上記フック15の内部に設けられ、上記係合ピン5aとの係合完了を検出する係合検出手段52を備えている。該係合検出手段52は、上記フック15の形状に倣って湾曲する湾曲部53aを一端側(図12では右側)に有するアーム状の係合検出部材53を備えている。該係合検出部材53は、その略中央部がピン54を介してフック15に回動自在に支持されている。また、上記係合検出部材53の他端側はL型アーム17内をその角部側に向かって直線状に延びている。そして、上記湾曲部53aは、係合ピン5aがフック15に係合する係合位置(図12に二点鎖線で示す位置)よりも手前(図12に実線で示す位置)で係合ピン5aと当接し、この係合ピン5aとの当接によりフック15との係合位置まで下方に揺動するようになっており、これによって、他端側を上方に揺動させるようにしている。
【0049】
上記係合検出部材53の他端側の上方揺動位置(図12に二点鎖線で示す位置)において係合検出部材53の他端と対向するL型アーム17内の対向位置には、近接スイッチ55が設けられている。この近接スイッチ55は、上記係合検出部材53の他端側が上方へ揺動したことを検出、つまり係合ピン5aがフック15に係合完了していることを検出するように構成されている。この場合、係合検出手段52は、係合検出部材53および近接スイッチ55により構成されている。
【0050】
そして、運転席3から確認し易いL型アーム17右側外面の角部付近には、係合報知手段としての発光ダイオード装置56が取付けられている。該発光ダイオード装置56は、上記係合検出部材53の他端側の上方への揺動を近接スイッチ55(係合検出手段52)により検出した際の検出信号を受けて発光する発光部56aを有し、この発光部56aでの発光により、上記フック15と係合ピン5aとの係合が報知されるようになっている。この場合、係合確認手段51は、係合検出手段52(係合検出部材53および近接スイッチ55)と発光ダイオード装置56とにより構成されている。尚、係合確認手段51を除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
したがって、上記参考例では、運転席3から確認し易いL型アーム17右側外面の角部付近において発光する発光ダイオード装置56の発光部56aにより、フック15と係合ピン5aとの係合が報知されるので、フック15と係合ピン5aとの係合が目視可能な荷役アーム14先端付近までコンテナ積込み作業に従事する作業者、たとえばコンテ荷役車両1の運転者などが足を運んで確認しなくとも、運転席3に居ながらにしてフック15と係合ピン5aとの係合が確認される上、夜間や屋内など暗所でのフック15と係合ピン5aとの係合も容易に行え、積込み作業性の向上を効率良く図ることができる。
【0052】
尚、上記第2の参考例では、発光ダイオード装置56の発光部56aの発光によりフック15と係合ピン5aとの係合を報知せしめたが、このように視認により報知するものに限定されることはなく、警報、又は警報との組合わせにより報知せしめられるようにしても良い。また、発光ダイオード装置56を荷役アーム14(L型アーム17)に設けたが、このような係合報知手段が運転席等視認性に優れた位置に設けられていても良いのは勿論である。
【0053】
次に、本発明の第3の参考例を図13ないし図15に基づいて説明する。
【0054】
この参考例では、フックと係合ピンとの係合を容易にする対策を施している。
【0055】
すなわち、本参考例では、図13に示すように、L型アーム17の一側面(車体右側面)先端には赤外線発射検出装置61が設けられている。該赤外線発射検出装置61は、コンテナ積込時つまりL型アーム17(荷役アーム14)の後方回動時、コンテナ5の前面と対向する対向部側(図13では右側)よりコンテナ5の前面(後述する反射板63)に向かって赤外線を発射する一方、その発射した赤外線が反射して元通り戻ってきたことを検出するように構成されてなる。
【0056】
そして、上記フック15と係合ピン5aとの係合は、荷役アーム14を後方回動させて係合ピン5aの中央にフック15の係合孔15aの中央を一致させた状態で、フック15が上下方向および左右方向に多少位置ずれしても係合ピン5aに対する係合を許容する係合許容範囲Z(図14に示す範囲)内で行われるようになっている。上記係合ピン5aの中央にフック15の係合孔15aの中央を一致させた状態で上記赤外線発射検出装置61に対向するコンテナ5の前面における係合ピン5aよりも上方でかつコンテナ縦中心線軸線X(図示せず)よりも若干右寄り(図14では左寄り)には、上記係合許容範囲Zと一致する形状となる横長矩形状の反射板63が取り付けられている。上記係合ピン5aの中央にフック15の係合孔15aの中央を一致させた状態で上記赤外線発射検出装置61から発射された赤外線は、上記反射板63の中央に照射されて反射し、その反射光が元通り赤外線発射検出装置61に戻って来るようになっている。つまり、フック15は、赤外線発射検出装置61から発射した赤外線が元通り戻って来ていれば係合許容範囲Z内に位置しており、係合ピン5aに対する係合が許容されるようになっている。
【0057】
そして、上記赤外線発射検出装置61および反射板63により係合許容範囲検出手段62が構成され、この係合許容範囲検出手段62によって、コンテナ積込時にコンテナ荷役車両1が後退移動してコンテナ5に近付いた際、上記フック15が係合許容範囲Z内に位置していることが検出されるようにしている。
【0058】
また、上記赤外線発射検出装置61の背面側(コンテナ積込時には車体前面側)には係合許容範囲報知手段としてのランプ64が取付けられている。該ランプ64は、上記反射板63への赤外線の照射により反射する反射光を赤外線発射検出装置61により検出した際の検出信号を受けて点灯し、この点灯により、フック15が係合許容範囲Z内に位置していることが報知されるようになっている。尚、係合許容範囲検出手段62およびランプ64を除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0059】
したがって、上記参考例では、赤外線発射検出装置61背面のランプ64により、コンテナ積込時にコンテナ荷役車両1が後退移動してコンテナ1に近付いた際、フック15が係合許容範囲Z内に位置していることが報知されるので、コンテ荷役車両1の運転者が運転席3に居ながらにしてフック15と係合ピン5aとの位置合わせ確認が簡単に行える上、夜間や屋内など暗所でのフック15と係合ピン5aとの位置合わせ確認も容易に行え、コンテナ5の積込み作業を効果的に行うことができる。
【0060】
尚、上記第3の参考例では、ランプ64の点灯により係合許容範囲Zにフック15が位置していることを報知せしめたが、このように視認により報知するものに限定されることはなく、警報、又は警報との組合わせにより報知せしめられるようにしても良い。また、ランプ64を荷役アーム14(L型アーム17)に設けたが、このような係合許容範囲報知手段が運転席等視認性に優れた位置に設けられていても良いのは勿論である。
【0061】
次に、本発明の第4の参考例を図16および図17に基づいて説明する。
【0062】
この参考例では、係合ピンの構成を変更している。
【0063】
すなわち、本参考例では、図16および図17に示すように、コンテナ5の前面上端中央位置の係合ピン5a(中央フック係合部材)の左右両側方、つまりコンテナ5の前面上端の左右両側端には側方フック係合部材としての側方係合ピン71,72が設けられている。該両側方係合ピン71,72には、コンテナ5の前面側に駐車車両などの障害物Gが存在しているときにコンテナの斜め側方(図では左斜め側方)よりコンテナ積み込み姿勢でコンテナ荷役車両1を近付けてフック15が係合されるようになっている。そして、各側方係合ピン71,72の一方(図では左側の側方係合ピン71)にフック15を係合させた状態で、コンテナ荷役車両1を前方(コンテナ5に対して左斜め側方)に移動させることにより、コンテナ5の前部が側方(図では左側方)に引き出され、一方の側方係合ピン71(又は72)からフック15を離脱させて中央の係合ピン5aにフック15を係合し直すことで、サブシャーシ4上へのコンテナ5の積み込みを可能にしている。この左右の側方係合ピン71,72は、中央の係合ピン5aと同一構造となっている。尚、側方係合ピン71,72を除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
したがって、上記参考例では、コンテナ5の前面上端の左右両側端に側方係合ピン71,72が設けられているので、コンテナ5前方に駐車車両などの障害物Gが存在している場合には障害物Gが退くまで待機しなくとも、上記コンテナ5の斜め側方からのフック15が側方係合ピン71(又は72)に容易に届いて係合される。このため、上記コンテナ5の前部が側方に簡単に引き出され、中央の係合ピン5aにフック15を係合し直してサブシャーシ4上にコンテナ5を迅速に積込むことができる上、その積込作業効率も飛躍的に向上させることができる。
【0065】
尚、上記第4の参考例では、左右の側方係合ピン71,72を中央の係合ピン5aと同一構造としたが、図18に示すように、左右の側方係合ピン73,74がそれぞれ斜め外側方向きとなるよう湾曲形成しても良く、この場合には、左右の側方係合ピン73,74に対するフック15の側方からの係合がより円滑に行われ、コンテナ5前部の側方への引き出しがさらに円滑に行われる。
【0066】
また、上記第4の参考例では、中央の係合ピン5aの左右両側方にそれぞれ側方係合ピン71,72(73,74)を設けたが、中央の係合ピンの一側方にのみ側方係合ピンが設けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の参考例に係るコンテナ荷役車両におけるボディーロック装置付近の側面図である。
【図2】コンテナ荷役車両の背面図である。
【図3】コンテナ搭載状態でのコンテナ荷役車両の側面図である。
【図4】コンテナ荷役車両後部の平面図である。
【図5】傾動フレームおよび荷役アームの作動状態を示す側面図である。
【図6】第1の参考例の変形例を示す図1相当図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るコンテナ積込開始状態での車体後端部付近の平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るコンテナ積込開始状態での車体後端部付近の平面図である。
【図9】コンテナの積込終了後の姿勢矯正を示すコンテナ荷役車両の背面図である。
【図10】サイズの大きいコンテナの積込状態を示すコンテナ荷役車両の背面図である。
【図11】本発明の第2の参考例に係るコンテナ積込直前状態でのコンテナおよび荷役アームの側面図である。
【図12】係合検出手段の構成を示すフック付近の側面図である。
【図13】本発明の第3の参考例に係るコンテナ積込直前状態でのコンテナおよび荷役アームの側面図である。
【図14】係合識別手段によるフックの係合許容範囲を示すコンテナの正面図である。
【図15】コンテナ積込直前状態でのコンテナおよび荷役アームの斜視図である。
【図16】本発明の第4の参考例に係るコンテナ積込開始状態を示すコンテナおよび荷役アームの平面図である。
【図17】係合ピンの構成を示すコンテナ前部付近の平面図である。
【図18】第4の参考例の変形例に係る図17相当図である。
【符号の説明】
【0068】
1 荷役車両
4 サブシャーシ(車台)
5,5´ コンテナ
5a 係合ピン(中央のフック係合部材)
8,8´ 主桁
14 荷役アーム
15 フック
20 案内ローラ
20b フランジ
25 第2係合部材
26 第1係合部材
31 コンテナ固縛装置
41 シリンダ(ローラ間隔変更手段)
52 係合検出手段
56 発光ダイオード(係合報知手段)
62 係合許容範囲検出手段
64 ランプ(係合許容範囲報知手段)
71〜74 側方係合ピン(側方フック係合部材)
Z 係合許容範囲
d 案内ローラ間の間隔
h,h´ 主桁間の距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側フレーム上にコンテナを積み卸し可能に搭載するコンテナ荷役車両に関し、詳しくは、コンテナの車台上への積み込みを円滑に行えるようにする対策に係る。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンテナ荷役車両は、車体側フレームに基端部が車体前後方向へ回動可能に支持され、先端側に伸縮移動可能なL型アームを有する荷役アームと、該荷役アームを車体側フレームに対して車体前後方向へ回動させる伸縮自在な傾動シリンダとを備えている。そして、上記L型アームを収縮させてコンテナを後方へ移動させた状態で上記傾動シリンダを伸長させることで、荷役アームをその基端部回りに後方へ回動させてコンテナを車体側フレーム上から地上に卸す一方、傾動シリンダを収縮させて荷役アームをその基端部回りに前方回動させた状態でL型アームを伸長させて荷役アームを前方へ摺動させることで、コンテナを地上から車体側フレーム上に積み込むように構成されている。
【0003】
そして、このようなコンテナ荷役車両にあっては、走行時にコンテナに走行振動などが作用した際に車体側フレームに対するコンテナの跳ね上がりなどをコンテナと車体側フレームとの係合により防止するようにしたコンテナ固縛装置を備えたものがある。このコンテナ固縛装置としては、車体側フレームより上方に突出し、かつその上部に係合凹部を有する第1係合部材と、コンテナの下面に基端部が取付けられて下方に突出し、かつ先端が上記係合凹部に係脱可能に係合する断面略L字状の第2係合部材とを備え、コンテナ卸し時に伸縮シリンダを伸長させて荷役アームを後方へ摺動させることで、第2係合部材の先端を第1係合部材の係合凹部から離脱させてコンテナ固縛装置による車体側フレーム上からのコンテナの固縛を解除する一方、コンテナ積み込み時に伸縮シリンダを収縮させて荷役アームを前方へ摺動させることで、第2係合部材の先端を第1係合部材の係合凹部に係合させてコンテナ固縛装置により車体側フレーム上にコンテナを固縛するようにしたものが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記コンテナを車体側フレーム上などの車台上に積み込む場合には、以下に述べるような欠点がある。
【0005】
すなわち、コンテナを積み込む際にそのコンテナの車体前後方向へ延びるコンテナ縦中心軸線と車台の前後方向へ延びる車台縦中心軸線との間に角度差が存在してコンテナの積込み姿勢が悪化していると、コンテナの主桁が各案内ローラにより確実に案内されずに該各案内ローラから外れる虞があり、コンテナを車台上に円滑に積み込むことができない。しかも、このように積込み姿勢が悪化しているコンテナを車台上に積み込めたとしても、車台上で正規の積込み姿勢に保持されるはずがなく、走行振動などによりコンテナが車台上から落下する虞もある。
【0006】
そして、専用のコンテナとはサイズが異なるコンテナを積込む場合、その両主桁間の距離と各案内ローラ間の間隔とが一致しないことがあり、このようなコンテナではコンテナ積込時に両主桁を各案内ローラで案内することができず、コンテナを車台上に円滑に積込むことができない。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、各案内ローラからの主桁の外れ防止、両主桁間の距離に応じた各案内ローラ間の間隔変更により、コンテナの車台上への積み込みを円滑に行えるようにせんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、コンテナの主桁の各案内ローラを水平面内で車体前後方向へ揺動させるようにしている。
【0009】
具体的には、車台に、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、上記車台に搭載されるコンテナに、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両を前提とする。そして、上記各案内ローラを、水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持し、上記各案内ローラの少なくとも一端側にフランジを設ける。上記コンテナを積込む際に、該コンテナの積込動作で上記各案内ローラを水平面内で揺動させ上記両主桁を各案内ローラのフランジに係合させてコンテナを正規の積込み姿勢に修正するような構成としたものである。
【0010】
これにより、請求項1記載の発明では、各案内ローラは、コンテナの積込動作によって水平面内で車体前後方向へ揺動し、コンテナ下面の両主桁を各案内ローラのフランジに係合させてコンテナを正規の積込み姿勢に修正するようにしているので、コンテナを積み込む際にそのコンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間に角度差が存在してコンテナの積込み姿勢が悪化していても、コンテナの両主桁を各案内ローラにより確実に案内して該コンテナが車台上へ円滑に積込まれる。しかも、積込み姿勢が悪化しているコンテナが水平面内で揺動可能な各案内ローラのフランジに両主桁を係合させて正規の積込み姿勢に修正されることにより、コンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間の角度差も荷役アームの前方回動に伴って徐々に消滅し、走行振動などによりコンテナが車台上から落下することが確実に防止される。
【0011】
請求項2記載の発明では、両主桁間の距離に応じて各案内ローラ間の間隔を変更するようにしている。
【0012】
具体的には、車台に、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、上記車台に搭載されるコンテナに、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両を前提とする。そして、上記各案内ローラ間にローラ間隔変更手段を設け、上記各案内ローラを共に、上記ローラ間隔変更手段に連結し、該ローラ間隔変更手段の作動により、上記車台上に積み込まれるコンテナの両主桁間の距離に応じて車幅方向の間隔を変更させるような構成としたものである。
【0013】
これにより、請求項2記載の発明では、ローラ間隔変更手段により、車台上に積込まれるコンテナの両主桁間の距離に応じて各案内ローラの車幅方向の間隔が変更されるので、サイズの異なるコンテナを車台上に積込む場合には、そのコンテナの両主桁間の距離に応じて各案内ローラ間の間隔を変更させることで、コンテナの両主桁間の距離と各案内ローラ間の間隔とを合致させることが可能となり、サイズの異なるコンテナも、その両主桁が各案内ローラにより確実に案内されて車台上へ円滑に積込まれる。
【0014】
請求項3記載の発明が講じた解決手段は、請求項2記載の発明の構成要件に加えて、各案内ローラの一側端にフランジを設ける構成としたものである。
【0015】
これにより、請求項3記載の発明では、コンテナを積み込む際にそのコンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間に角度差が存在してコンテナの積込み姿勢が悪化している場合、コンテナの積込動作によってコンテナ下面の両主桁が各案内ローラのフランジに係合して各案内ローラにより確実に案内され、コンテナの縦中心軸線と車台の縦中心軸線との間の角度差が荷役アームの前方回動に伴って徐々に消滅し、コンテナが正規の積込み姿勢に修正されて、車台上へ円滑に積込まれる上、走行振動などによりコンテナが車台上から落下することも確実に防止される。
【発明の効果】
【0016】
以上の如く、請求項1記載の発明におけるコンテナ荷役車両によれば、コンテナの積込動作により水平面内で揺動する各案内ローラのフランジにコンテナ下面の両主桁を係合させてコンテナを正規の積込み姿勢に修正するので、積込み姿勢の悪化しているコンテナの両主桁を各案内ローラにより確実に案内して該コンテナを車台上へ円滑に積込むことができるとともに、走行振動などによるコンテナの車台上からの落下を確実に防止することができる。
【0017】
請求項2記載の発明におけるコンテナ荷役車両によれば、コンテナの両主桁間の距離に応じて各案内ローラの車幅方向の間隔を変更するので、サイズの異なるコンテナの両主桁間の距離と各案内ローラ間の間隔とを合致でき、サイズの異なるコンテナも車台上へ円滑に積込むことができる。
【0018】
請求項3記載の発明におけるコンテナ荷役車両によれば、各案内ローラの一側端にフランジを設けたので、積込み姿勢が悪化しているコンテナの積込動作によってコンテナ下面の両主桁を各案内ローラのフランジに係合させて確実に案内し、コンテナを正規の積込み姿勢に修正して車台上へ円滑に積込むことができるとともに、走行振動などによるコンテナの落下も確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図2ないし図4は本発明の第1の参考例に係るコンテナ荷役車両1の構成を示し、2は運転席3の下方より後方に延設された左右一対の車体フレーム、4は該各車体フレーム2の後部上にそれぞれ設けられた車台としてのサブシャーシである。上記サブシャーシ4(車体フレーム2)上には、そのサブシャーシ4上と地上との間でコンテナ5を積み卸し可能とする積み卸し装置6が搭載されている。上記コンテナ5の後壁は、軸9により上端が枢支されて後方へ下開き可能なテールゲート7に形成されている。尚、8はコンテナ5の下面を車体前後方向に延びる左右一対の主桁であり、また、FT,RTは前輪および後輪である。
【0021】
上記積み卸し装置6は、図5にも示すように、上記サブシャーシ4の後端部間において軸11回りに後方へ傾動自在に支持され、サブシャーシ4後部に位置する左右一対の傾動フレーム12と、該各傾動フレーム12の前部の支持軸13回りに起伏可能に連結された略L字状の荷役アーム14とを備えている。また、上記荷役アーム14は、案内部材16と、該案内部材16内に摺動自在に嵌挿された略L字形のL型アーム17と、上記案内部材16とL型アーム17との間に連携された伸縮自在な伸縮シリンダ18とを備えている。この伸縮シリンダ18は、コンテナ5をサブシャーシ4上の搭載状態(図5のA参照)から地上に卸す際に収縮動作されてL型アーム17を後退移動(図5のB参照)させ、この状態で荷役アーム14を支持部13回りに後方へ回動(図5のC参照)させることで、コンテナ5(主桁8)がその自重により案内ローラ20(後述する)上にて摺動して地上に卸されるようになっている。一方、伸縮シリンダ18は、荷役アーム14を支持部13回りに前方へ回動させてコンテナ5を地上からサブシャーシ4上に搭載する際に伸長動作されてL型アーム17を前進移動させることにより、コンテナ5が地上からサブシャーシ4上に搭載されるようになっている。また、上記伸縮シリンダ18は、サブシャーシ4上のコンテナ5を傾動させる際に収縮動作されず、この状態でL型アーム17を前進位置(図5のA)に保持することにより、傾動フレーム12に対する荷役アーム14の支持部13回りの回動が禁止されて、上記傾動フレーム12および荷役アーム14が一体的な固縛状態となり、傾動フレーム12および荷役アーム14が枢軸11回りに後方へ傾動(図5のD参照)してコンテナ5が車体フレーム2上で傾動され、テールゲート7の開放に伴いコンテナ5内の内容物が排出されるようになっている。
【0022】
上記荷役アーム14の先端つまり案内部材16の先端には、係合孔15aを有する鉤状のフック15が設けられており、このフック15は、コンテナ5前面上端中央位置に設けられたフック係合部材としての係合ピン5aに対して係合孔15aを経て係脱可能に係合するようになっている。さらに、上記案内部材16(荷役アーム14)の後端に近い部位と、上記サブシャーシ4の前側位置との間には、それぞれ前後の枢軸19a,19bを介して左右一対の傾動シリンダ19が回動自在に支持されている。該各傾動シリンダ19は、図4において詳述するように、上記サブシャーシ4間における荷役アーム14の左右両側方に配置され、そのサブシャーシ4の前端部間を連結するメンバ21より後方へ延びる一対の延設フランジ22の先端に上記前側の枢軸19aを介して前端が取り付けられている。一方、各傾動シリンダ19の後端は、上記後側の枢軸19bを介して荷役アーム14(案内部材16)の後端に近い左右両側部に取り付けられているとともに、その後側の枢軸の車幅方向外方から該後側の枢軸19bよりも後方の荷役アーム14の後端(基端)に亘って延設された左右一対の大型ブラケット23により取り付けられている。この各大型ブラケット23は、サブシャーシ4の後端部間の有効寸法を目一杯活用しかつ荷役アーム14の後端部付近まで及んで形成され、コンテナ荷役車両に搭載されるコンテナの規制緩和に伴って重量の重いコンテナを積み卸しする際に荷役アーム14に対する傾動シリンダ19の連結点付近での応力集中が効果的に緩和されるように構成されている。
【0023】
また、上記サブシャーシ4後端の枢軸11には左右一対の案内ローラ20が回動自在に支持されている。該各案内ローラ20は、上記傾動フレーム12間を車体前後方向へ延びる車体縦中心軸線Y(車台の縦中心軸線)側となる内側部分に上記コンテナ5の主桁8と摺接するよう略均一外径形状に形成された摺接部20aを備えているとともに、上記摺接部20aの外側端に外方へ拡径されたテーパ状のフランジ20bを備えている。
【0024】
さらに、図1に示すように、上記傾動フレーム12と、該傾動フレーム12上に搭載されたコンテナ5の下面側(主桁8側)との間には、この傾動フレーム12上においてコンテナ5を固縛するコンテナ固縛装置24が設けられている。該コンテナ固縛装置24は、上記左右の傾動フレーム12の略中央部上に突設された左右一対の第1係合部材26と、上記コンテナ5の下面後部に設けられた左右一対の第2係合部材25とを備えている。上記第2係合部材25は、その基端部が主桁8よりも車幅方向内側に取り付けられ、下方へ延びたのち先端25aが前方へ延びて断面略L字状に形成されてなる。一方、上記第1係合部材26は、その上部に上記第2係合部材25の先端25aが係脱可能に係合する係合凹部26aを有している。そして、上記コンテナ5を積み卸し装置6により傾動フレーム12上に積み込んだ際には、伸縮シリンダ18の収縮動作によるL型アーム17の前進移動によって第2係合部材25の先端25aが第1係合部材26の係合凹部26aに後方から挿入されて係合することでコンテナ5が傾動フレーム12に固縛され、一方、上記コンテナ5を積み卸し装置6により地上に卸す際には、伸縮シリンダ18の伸長動作によるL型アーム17の後退移動によって第2係合部材25の先端25aが第1係合部材26の係合凹部26a内から後方へ離脱することでコンテナ5の傾動フレーム12に対する固縛が解除されるようになっている。
【0025】
そして、上記第1係合部材26は、その係合凹部26aの下端より傾動フレーム12の内外両側面に沿って下方に延びる左右一対の突片26bが設けられ、この両突片26bの下端部が傾動フレーム12の内外両側面に対して水平ピン26cにより回動自在に支持されて、車体前後方向向きの鉛直面内で上下方向への移動を可能にしている。上記荷役アーム14の後端部には先端が支持軸13よりも下方へ突出する突出片14aが設けられている。該突出片14aは、支持軸13に回動自在に支持され、荷役アーム14(案内部材16)の直立状態(図1に二点鎖線で示す状態)から後方の係合可能な後傾状態(図1に実線で示す状態)の間の所定領域での前方回動および後方回動に連動して一体回転し、それ以外の荷役アーム14の前方および後方回動時には該荷役アーム14と相対回転するようになっている。そして、上記第1係合部材26の内側の突片26bの下端には下方へ延びるアーム26dが設けられ、このアーム26dの下端と上記突出片14aの先端との間には車体前後方向へ延びるリンク27の前後両端がそれぞれ回動自在に支持されている。該リンク27は、上記荷役アーム14が前方回動する場合には上記所定領域での前方回動(荷役アーム14の後傾状態から直立状態までの間での前方回動)と連動する突出片14aの後方回動により車体後方へ移動する一方、上記荷役アーム14が後方回動する場合には上記所定領域での後方回動(荷役アーム14の直立状態から後傾状態までの間での後方回動)と連動する突出片14aの前方回動により車体前方へ移動するようになっている。
【0026】
また、上記第1係合部材26は、上記荷役アーム14の上記所定領域での前方回動と連動するリンク27の後方移動により、車体前後方向後向きに下方へ回動して荷役アーム14の回動軌跡K(図1に一点鎖線で示す領域)外に後退(退去)し、上記第2係合部材25の先端25aが係合凹部26a内に係合不能な非係合位置(図1に実線で示す位置)に位置付けられる。一方、上記第1係合部材26は、上記荷役アーム14の上記所定領域での前方回動と連動するリンク27の後方移動により、車体前後方向前向きに上方へ回動して荷役アーム14の回動軌跡K内に進出し、上記第2係合部材25の先端25aが係合凹部26a内に係合可能な係合位置(図1に二点鎖線で示す位置)に位置付けられ、該位置において係合姿勢に保持されるようになっている。そして、上記第1係合部材26の係合位置において該第1係合部材26直前方に対応する各傾動フレーム12の内側対応位置にはストッパ28が設けられている。上記第1係合部材26は、荷役アーム14の上記所定領域での前方回動に連動して後方移動するリンク27により上方へ回動(荷役アーム14の回動軌跡K内に進出)した際に上記ストッパ28に当接し、係合位置において係合姿勢に保持される。
【0027】
したがって、上記第1の参考例では、傾動フレーム12より上方に突設した第1係合部材26は、荷役アーム14の所定領域での後方回動(荷役アーム14の図1に二点鎖線で示す直立状態から図1に実線で示す後傾状態までの間での後方回動)時にのみその後方回動に連動して車体前後方向向きの鉛直面内で後向きに下方へ回動することで、荷役アーム14の回動軌跡K外の非係合位置(図1に実線で示す位置)まで移動し、荷役アーム14と干渉しないようにしているので、荷役アーム14の左右両側方においてサブシャーシ4間の有効寸法を目一杯活用しかつ荷役アーム14の後端部付近まで及ぶ左右一対の大型ブラケット23により傾動シリンダ19の後端が荷役アーム14に対して取り付けられていても、この大型ブラケット23が荷役アーム14に伴い後方回動した際に第1係合部材26との干渉が確実に防止され、荷役アーム14の後方回動を円滑に行うことができる。
【0028】
一方、第1係合部材26は、荷役アーム14の所定領域での前方回動(荷役アーム14の図1に実線で示す後傾状態から図1に二点鎖線で示す直立状態までの間での前方回動)時にその荷役アーム14の所定領域での前方回動と連動して車体前後方向前向きに上方へ回動することで、荷役アーム14の回動軌跡K内における第2係合部材25と係合可能な係合位置つまり傾動フレーム12上の突出位置まで移動し、ストッパ28との当接により該位置で係合姿勢に保持されるので、この荷役アーム14の前方回動により積み込まれるコンテナ5下面の第2係合部材25の先端25aが第1係合部材26の係合凹部26aに対して円滑に係合し、サブシャーシ4上でのコンテナ5の固縛を確実に行うことができる。
【0029】
尚、上記第1の参考例では、第1係合部材26をリンク27を介して上方の係合位置と下方の非係合位置との間で回動させたが、図6に示すように、第1係合部材26の上部と、該第1係合部材26前側に対応する傾動フレーム12の対応位置との間にスプリング29を連結し、該スプリング29の付勢力により第1係合部材26がストッパ28に当接するまで車体前後方向前向きに上方へ付勢されて係合位置で係合姿勢に保持される一方、荷役アーム14の後方への回動により大型ブラケット23が第1係合部材26の前面と当接して該第1係合部材26がスプリング29の付勢力に抗して車体前後方向後向きに下方へ回動して非係合位置に移動するようにしても良い。しかも、第1係合部材は、車体前後方向向きの鉛直面内で上下方向に回動して上方の係合位置と下方の退去位置との間で移動するものに限定されず、車体前後方向前向きに下方へ回動して非係合位置に、車体前後方向後向きに上方へ回動して係合位置にそれぞれ位置付けられるように両位置間で移動するものであっても良い。また、第1係合部材が、車幅方向向きの鉛直面内で車体内方向き又は外方向きに下方へ回動して非係合位置に、車体外方向き又は内方向きに上方へ回動して係合位置にそれぞれ位置付けられるように両位置間で移動するものなどであっても良い。
【0030】
さらに、上記第1の参考例では、ストッパ28を係合位置にある第1係合部材26直前方に対応する各傾動フレーム12の内側対応位置に設けたが、荷役アームの所定領域での前方回動完了時に突出片の後方回動又はリンクの後方移動を規制するストッパであっても良い。
【0031】
しかも、上記第1の参考例では、コンテナ5下面の断面略L字状の第2係合部材25の先端25aと、傾動フレーム12上の第1係合部材26の係合凹部26aとを係合させたが、コンテナ下面の第2係合部材に係合凹部を設ける一方、傾動フレーム上の第1係合部材を断面略L字状に形成しても良い。
【0032】
次に、本発明の第1の実施形態を図7に基づいて説明する。
【0033】
この実施形態では、案内ローラの構成を変更している。
【0034】
すなわち、本実施形態では、図7に示すように、傾動フレーム12の後端部にそれぞれ車幅方向外方に突出する左右一対の支持ブラケット31が設けられている。上記各支持ブラケット31の外端には、水平方向に延びるピン状部材32の一端(内端)が、鉛直方向に延びるピン33(鉛直軸線)を介してそのピン33回りに回動自在に支持されている。上記ピン状部材32の他端側(外端側)には案内ローラ20がそのピン状部材32回りに回動自在に支持されている。つまり、案内ローラ20は、傾動フレーム12後端部の各支持ブラケット31に対して水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持されている。
【0035】
この場合、各案内ローラ20は、コンテナ5を積み込む際にそのコンテナ5の積込動作により水平面内で揺動し、コンテナ5の主桁8間を車体前後方向へ延びるコンテナ縦中心軸線X(コンテナの縦中心軸線)と車体縦中心軸線Yとの間に角度差θがあっても、各案内ローラ20のフランジ20bに対するコンテナ5の主桁5の係合により各案内ローラ20のピン状部材32がコンテナ縦中心軸線Xと直交する向きとなるよう支持ブラケット31を伴い各案内ローラ20が水平面内で車体前後方向に揺動し、コンテナ5が正規の積込み姿勢に修正されるようになっている。尚、案内ローラを除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0036】
したがって、上記実施形態では、各案内ローラ20は、コンテナ5を積み込む際にそのコンテナ5の積込動作により、フランジ20bに対するコンテナ5の主桁8の係合により該各案内ローラ20のピン状部材32がコンテナ縦中心軸線Xと直交する向きとなるよう水平面内で車体前後方向に揺動し、コンテナ5を正規の積込み姿勢に修正するようにしているので、コンテナ5を積み込む際にそのコンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間に角度差θが存在してコンテナ5の姿勢が悪化していても、コンテナ5の主桁8を各案内ローラ20により確実に案内してコンテナ5をサブシャーシ4上へ円滑に積み込むことができる。
【0037】
しかも、積込み姿勢が悪化しているコンテナ5が水平面内で揺動可能な各案内ローラ20のフランジ20bに両主桁8を係合させて正規の積込み姿勢に修正されることにより、コンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θも車体縦中心軸線Y上を前方へ移動する荷役アーム14の前方回動に伴って徐々に消滅し、走行振動などによるサブシャーシ4上からのコンテナ5の落下を確実に防止することができる。
【0038】
尚、上記第1の実施形態では、フランジ20bを摺接部20aの外側端に設けたが、フランジ20bを摺接部の内側端にフランジが設けられていても良いのは勿論のこと、摺接部の内外両側端にフランジが設けられていれば、サブシャーシ上でのコンテナの保持をより確実に行うことができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態を図8ないし図10に基づいて説明する。
【0040】
この実施形態では、案内ローラの構成を変更している。
【0041】
すなわち、本実施形態では、図8および図9に示すように、各案内ローラ20間、つまり各傾動フレーム12の後端部間には、ロータ間隔変更手段としてのシリンダ41が車幅方向に延びて設けられている。このシリンダ41は、左右一対のピストン41aにより中央のヘッド側室41bと左右のロッド側室41c,41dとに区画され、上記両ピストン41aよりそれぞれ外方へ延びるピストンロッド41eの先端に案内ローラ20が設けられている。該各案内ローラ20は、ピストンロッド41eの先端において該ピストンロッド41eの軸回りに回動自在に支持されている。上記各案内ローラ20は、上記ピストンロッド41eの伸縮作動により車幅方向に移動するようになっている。つまり、各案内ローラ20間の間隔は、各ピストンロッド41eの伸長作動時に増大する一方、各ピストンロッド41eの収縮作動時に減少するようになっていて、サブシャーシ4上に積込まれるコンテナ5が、図8に示すようにコンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θによって各案内ローラ20間の間隔dよりも両主桁8間の距離h(d+i)が増大しているものや、図10に示すようなサイズの大きなコンテナ5´であるが故に各案内ローラ20間の間隔dよりも両主桁8´間の距離h´(d+i)が増大しているものであっても、それぞれの主桁8(又は8´)間の距離h(h´)に応じた増減変更を可能にしている。また、積込み姿勢の悪いコンテナ5を積込んだ場合には、荷役アーム14の前方回動終了にシリンダ41のピストンロッド41eを収縮動作させて各案内ローラ20を車幅方向内方に移動させ、該各案内ローラ20の摺接部20a外側端間の間隔dを元に戻すことで、コンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θを消滅させて正規の積込み姿勢されるようにしている。尚、案内ローラを除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0042】
したがって、上記実施形態では、シリンダ41により、サブシャーシ4上に積込まれるコンテナ5(5´)の両主桁8(8´)間の距離に応じて各案内ローラ20の車幅方向の間隔が増減変更されるので、コンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θによって各案内ローラ20間の間隔dよりも両主桁8間の距離hが増大している積込み姿勢の悪いコンテナ5や、両主桁8´間の距離h´が各案内ローラ20間の間隔dよりもサイズの大きいコンテナ5´などを積み込む場合には、そのコンテナ5(5´)の主桁8(8´)間の距離に応じてシリンダ41のピストンロッド41eを伸長動作させて各案内ローラ20の間隔を増大変更することで、コンテナ5(5´)の両主桁8(8´)間の距離h(h´)と各案内ローラ20間の間隔d+iとを合致させることが可能となり、積込み姿勢の悪いコンテナ5や大きいサイズのコンテナ5´なども、その両主桁8(8´)が各案内ローラ20により確実に案内されてサブシャーシ4上へ円滑に積込むことができる。
【0043】
また、積込み姿勢の悪いコンテナ5を積込む場合には、コンテナ5の積込動作によってコンテナ5下面の両主桁8が各案内ローラ20のフランジ20bに係合して各案内ローラ20により確実に案内されることでコンテナ縦中心軸線Xと車体縦中心軸線Yとの間の角度差θが荷役アーム14の前方回動に伴って徐々に消滅する上、荷役アーム14の前方回動終了にシリンダ41のピストンロッド41eを収縮動作させて各案内ローラ20の摺接部20a外側端間の間隔dが元に戻されるので、コンテナ5が正規の積込み姿勢に円滑に修正され、走行振動などによりコンテナ5がサブシャーシ4上から落下することを確実に防止できる。
【0044】
尚、上記第2の実施形態では、大きいサイズのコンテナ5´を積み込む場合について述べたが、これに限らず、小さいサイズのコンテナも積み込むことができるようにしても良い。具体的には、正規の積み込み姿勢で積み込まれるコンテナの両主桁間の距離に対して各案内ローラ間の間隔を増大変更のみでなく減少変更をも可能に構成しておくことで、小さいサイズのコンテナを積み込むことも可能となる。
【0045】
また、上記第2の実施形態では、単一のシリンダ41を兼用して左右の案内ローラ20を車幅方向へ移動させたが、左右個別の専用のシリンダ、又は兼用または専用のアクチュエータやモータなどにより左右の案内ローラが車幅方向へ移動するようにしても良いのは勿論である。
【0046】
次に、本発明の第2の参考例を図11および図12に基づいて説明する。
【0047】
この参考例では、フックの構成を変更している。
【0048】
すなわち、本参考例では、図11に示すように、フック15には、コンテナ積み卸し時にコンテナ5の係合ピン5aに対する該フック15の係合を確認する係合確認手段51が設けられている。該係合確認手段51は、図12にも示すように、上記フック15の内部に設けられ、上記係合ピン5aとの係合完了を検出する係合検出手段52を備えている。該係合検出手段52は、上記フック15の形状に倣って湾曲する湾曲部53aを一端側(図12では右側)に有するアーム状の係合検出部材53を備えている。該係合検出部材53は、その略中央部がピン54を介してフック15に回動自在に支持されている。また、上記係合検出部材53の他端側はL型アーム17内をその角部側に向かって直線状に延びている。そして、上記湾曲部53aは、係合ピン5aがフック15に係合する係合位置(図12に二点鎖線で示す位置)よりも手前(図12に実線で示す位置)で係合ピン5aと当接し、この係合ピン5aとの当接によりフック15との係合位置まで下方に揺動するようになっており、これによって、他端側を上方に揺動させるようにしている。
【0049】
上記係合検出部材53の他端側の上方揺動位置(図12に二点鎖線で示す位置)において係合検出部材53の他端と対向するL型アーム17内の対向位置には、近接スイッチ55が設けられている。この近接スイッチ55は、上記係合検出部材53の他端側が上方へ揺動したことを検出、つまり係合ピン5aがフック15に係合完了していることを検出するように構成されている。この場合、係合検出手段52は、係合検出部材53および近接スイッチ55により構成されている。
【0050】
そして、運転席3から確認し易いL型アーム17右側外面の角部付近には、係合報知手段としての発光ダイオード装置56が取付けられている。該発光ダイオード装置56は、上記係合検出部材53の他端側の上方への揺動を近接スイッチ55(係合検出手段52)により検出した際の検出信号を受けて発光する発光部56aを有し、この発光部56aでの発光により、上記フック15と係合ピン5aとの係合が報知されるようになっている。この場合、係合確認手段51は、係合検出手段52(係合検出部材53および近接スイッチ55)と発光ダイオード装置56とにより構成されている。尚、係合確認手段51を除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
したがって、上記参考例では、運転席3から確認し易いL型アーム17右側外面の角部付近において発光する発光ダイオード装置56の発光部56aにより、フック15と係合ピン5aとの係合が報知されるので、フック15と係合ピン5aとの係合が目視可能な荷役アーム14先端付近までコンテナ積込み作業に従事する作業者、たとえばコンテ荷役車両1の運転者などが足を運んで確認しなくとも、運転席3に居ながらにしてフック15と係合ピン5aとの係合が確認される上、夜間や屋内など暗所でのフック15と係合ピン5aとの係合も容易に行え、積込み作業性の向上を効率良く図ることができる。
【0052】
尚、上記第2の参考例では、発光ダイオード装置56の発光部56aの発光によりフック15と係合ピン5aとの係合を報知せしめたが、このように視認により報知するものに限定されることはなく、警報、又は警報との組合わせにより報知せしめられるようにしても良い。また、発光ダイオード装置56を荷役アーム14(L型アーム17)に設けたが、このような係合報知手段が運転席等視認性に優れた位置に設けられていても良いのは勿論である。
【0053】
次に、本発明の第3の参考例を図13ないし図15に基づいて説明する。
【0054】
この参考例では、フックと係合ピンとの係合を容易にする対策を施している。
【0055】
すなわち、本参考例では、図13に示すように、L型アーム17の一側面(車体右側面)先端には赤外線発射検出装置61が設けられている。該赤外線発射検出装置61は、コンテナ積込時つまりL型アーム17(荷役アーム14)の後方回動時、コンテナ5の前面と対向する対向部側(図13では右側)よりコンテナ5の前面(後述する反射板63)に向かって赤外線を発射する一方、その発射した赤外線が反射して元通り戻ってきたことを検出するように構成されてなる。
【0056】
そして、上記フック15と係合ピン5aとの係合は、荷役アーム14を後方回動させて係合ピン5aの中央にフック15の係合孔15aの中央を一致させた状態で、フック15が上下方向および左右方向に多少位置ずれしても係合ピン5aに対する係合を許容する係合許容範囲Z(図14に示す範囲)内で行われるようになっている。上記係合ピン5aの中央にフック15の係合孔15aの中央を一致させた状態で上記赤外線発射検出装置61に対向するコンテナ5の前面における係合ピン5aよりも上方でかつコンテナ縦中心線軸線X(図示せず)よりも若干右寄り(図14では左寄り)には、上記係合許容範囲Zと一致する形状となる横長矩形状の反射板63が取り付けられている。上記係合ピン5aの中央にフック15の係合孔15aの中央を一致させた状態で上記赤外線発射検出装置61から発射された赤外線は、上記反射板63の中央に照射されて反射し、その反射光が元通り赤外線発射検出装置61に戻って来るようになっている。つまり、フック15は、赤外線発射検出装置61から発射した赤外線が元通り戻って来ていれば係合許容範囲Z内に位置しており、係合ピン5aに対する係合が許容されるようになっている。
【0057】
そして、上記赤外線発射検出装置61および反射板63により係合許容範囲検出手段62が構成され、この係合許容範囲検出手段62によって、コンテナ積込時にコンテナ荷役車両1が後退移動してコンテナ5に近付いた際、上記フック15が係合許容範囲Z内に位置していることが検出されるようにしている。
【0058】
また、上記赤外線発射検出装置61の背面側(コンテナ積込時には車体前面側)には係合許容範囲報知手段としてのランプ64が取付けられている。該ランプ64は、上記反射板63への赤外線の照射により反射する反射光を赤外線発射検出装置61により検出した際の検出信号を受けて点灯し、この点灯により、フック15が係合許容範囲Z内に位置していることが報知されるようになっている。尚、係合許容範囲検出手段62およびランプ64を除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0059】
したがって、上記参考例では、赤外線発射検出装置61背面のランプ64により、コンテナ積込時にコンテナ荷役車両1が後退移動してコンテナ1に近付いた際、フック15が係合許容範囲Z内に位置していることが報知されるので、コンテ荷役車両1の運転者が運転席3に居ながらにしてフック15と係合ピン5aとの位置合わせ確認が簡単に行える上、夜間や屋内など暗所でのフック15と係合ピン5aとの位置合わせ確認も容易に行え、コンテナ5の積込み作業を効果的に行うことができる。
【0060】
尚、上記第3の参考例では、ランプ64の点灯により係合許容範囲Zにフック15が位置していることを報知せしめたが、このように視認により報知するものに限定されることはなく、警報、又は警報との組合わせにより報知せしめられるようにしても良い。また、ランプ64を荷役アーム14(L型アーム17)に設けたが、このような係合許容範囲報知手段が運転席等視認性に優れた位置に設けられていても良いのは勿論である。
【0061】
次に、本発明の第4の参考例を図16および図17に基づいて説明する。
【0062】
この参考例では、係合ピンの構成を変更している。
【0063】
すなわち、本参考例では、図16および図17に示すように、コンテナ5の前面上端中央位置の係合ピン5a(中央フック係合部材)の左右両側方、つまりコンテナ5の前面上端の左右両側端には側方フック係合部材としての側方係合ピン71,72が設けられている。該両側方係合ピン71,72には、コンテナ5の前面側に駐車車両などの障害物Gが存在しているときにコンテナの斜め側方(図では左斜め側方)よりコンテナ積み込み姿勢でコンテナ荷役車両1を近付けてフック15が係合されるようになっている。そして、各側方係合ピン71,72の一方(図では左側の側方係合ピン71)にフック15を係合させた状態で、コンテナ荷役車両1を前方(コンテナ5に対して左斜め側方)に移動させることにより、コンテナ5の前部が側方(図では左側方)に引き出され、一方の側方係合ピン71(又は72)からフック15を離脱させて中央の係合ピン5aにフック15を係合し直すことで、サブシャーシ4上へのコンテナ5の積み込みを可能にしている。この左右の側方係合ピン71,72は、中央の係合ピン5aと同一構造となっている。尚、側方係合ピン71,72を除くその他の構成は上記第1の参考例の場合と同じであり、同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
したがって、上記参考例では、コンテナ5の前面上端の左右両側端に側方係合ピン71,72が設けられているので、コンテナ5前方に駐車車両などの障害物Gが存在している場合には障害物Gが退くまで待機しなくとも、上記コンテナ5の斜め側方からのフック15が側方係合ピン71(又は72)に容易に届いて係合される。このため、上記コンテナ5の前部が側方に簡単に引き出され、中央の係合ピン5aにフック15を係合し直してサブシャーシ4上にコンテナ5を迅速に積込むことができる上、その積込作業効率も飛躍的に向上させることができる。
【0065】
尚、上記第4の参考例では、左右の側方係合ピン71,72を中央の係合ピン5aと同一構造としたが、図18に示すように、左右の側方係合ピン73,74がそれぞれ斜め外側方向きとなるよう湾曲形成しても良く、この場合には、左右の側方係合ピン73,74に対するフック15の側方からの係合がより円滑に行われ、コンテナ5前部の側方への引き出しがさらに円滑に行われる。
【0066】
また、上記第4の参考例では、中央の係合ピン5aの左右両側方にそれぞれ側方係合ピン71,72(73,74)を設けたが、中央の係合ピンの一側方にのみ側方係合ピンが設けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の参考例に係るコンテナ荷役車両におけるボディーロック装置付近の側面図である。
【図2】コンテナ荷役車両の背面図である。
【図3】コンテナ搭載状態でのコンテナ荷役車両の側面図である。
【図4】コンテナ荷役車両後部の平面図である。
【図5】傾動フレームおよび荷役アームの作動状態を示す側面図である。
【図6】第1の参考例の変形例を示す図1相当図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るコンテナ積込開始状態での車体後端部付近の平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るコンテナ積込開始状態での車体後端部付近の平面図である。
【図9】コンテナの積込終了後の姿勢矯正を示すコンテナ荷役車両の背面図である。
【図10】サイズの大きいコンテナの積込状態を示すコンテナ荷役車両の背面図である。
【図11】本発明の第2の参考例に係るコンテナ積込直前状態でのコンテナおよび荷役アームの側面図である。
【図12】係合検出手段の構成を示すフック付近の側面図である。
【図13】本発明の第3の参考例に係るコンテナ積込直前状態でのコンテナおよび荷役アームの側面図である。
【図14】係合識別手段によるフックの係合許容範囲を示すコンテナの正面図である。
【図15】コンテナ積込直前状態でのコンテナおよび荷役アームの斜視図である。
【図16】本発明の第4の参考例に係るコンテナ積込開始状態を示すコンテナおよび荷役アームの平面図である。
【図17】係合ピンの構成を示すコンテナ前部付近の平面図である。
【図18】第4の参考例の変形例に係る図17相当図である。
【符号の説明】
【0068】
1 荷役車両
4 サブシャーシ(車台)
5,5´ コンテナ
5a 係合ピン(中央のフック係合部材)
8,8´ 主桁
14 荷役アーム
15 フック
20 案内ローラ
20b フランジ
25 第2係合部材
26 第1係合部材
31 コンテナ固縛装置
41 シリンダ(ローラ間隔変更手段)
52 係合検出手段
56 発光ダイオード(係合報知手段)
62 係合許容範囲検出手段
64 ランプ(係合許容範囲報知手段)
71〜74 側方係合ピン(側方フック係合部材)
Z 係合許容範囲
d 案内ローラ間の間隔
h,h´ 主桁間の距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台には、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、
上記車台に搭載されるコンテナには、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、
上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両であって、
上記各案内ローラは、水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持され、
上記各案内ローラの少なくとも一端側にはフランジが設けられ、
上記コンテナを積込む際には、該コンテナの積込動作で上記各案内ローラが水平面内で揺動し上記両主桁が各案内ローラのフランジに係合してコンテナが正規の積込み姿勢に修正されるようになっていることを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項2】
車台には、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、
上記車台に搭載されるコンテナには、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、
上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両であって、
上記各案内ローラ間にはローラ間隔変更手段が設けられ、
上記各案内ローラは共に、上記ローラ間隔変更手段に連結され、該ローラ間隔変更手段の作動により、上記車台上に積み込まれるコンテナの両主桁間の距離に応じて車幅方向の間隔が変更されるように構成されていることを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項3】
上記各案内ローラの一側端にはフランジが設けられている請求項2記載のコンテナ荷役車両。
【請求項1】
車台には、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、
上記車台に搭載されるコンテナには、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、
上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両であって、
上記各案内ローラは、水平面内で車体前後方向に揺動自在に支持され、
上記各案内ローラの少なくとも一端側にはフランジが設けられ、
上記コンテナを積込む際には、該コンテナの積込動作で上記各案内ローラが水平面内で揺動し上記両主桁が各案内ローラのフランジに係合してコンテナが正規の積込み姿勢に修正されるようになっていることを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項2】
車台には、先端にフックを有する荷役アームが車体前後方向へ回動可能に支持されているとともに、左右一対の案内ローラが後端に回動自在に支持され、
上記車台に搭載されるコンテナには、上記フックに対して係脱可能に係合するフック係合部材が前面に設けられているとともに、左右一対の主桁が下面に設けられ、
上記フックをフック係合部材に対して係合させた状態で、上記コンテナの両主桁を上記荷役アームの後方回動によりそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上から卸す一方、上記荷役アームの前方回動により上記コンテナの両主桁をそれぞれ案内ローラで案内させて該コンテナを車台上に積み込むようにしたコンテナ荷役車両であって、
上記各案内ローラ間にはローラ間隔変更手段が設けられ、
上記各案内ローラは共に、上記ローラ間隔変更手段に連結され、該ローラ間隔変更手段の作動により、上記車台上に積み込まれるコンテナの両主桁間の距離に応じて車幅方向の間隔が変更されるように構成されていることを特徴とするコンテナ荷役車両。
【請求項3】
上記各案内ローラの一側端にはフランジが設けられている請求項2記載のコンテナ荷役車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−213321(P2006−213321A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119078(P2006−119078)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【分割の表示】特願平9−339742の分割
【原出願日】平成9年12月10日(1997.12.10)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【分割の表示】特願平9−339742の分割
【原出願日】平成9年12月10日(1997.12.10)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
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