説明

コンテンツサーバ装置

【課題】コンテンツサーバにおいて、コンテンツをネットワーク経由で複数の再生装置で再生可能となっている場合でも、多数のコンテンツ、レジュームポイントの中からユーザが望むコンテンツ、レジュームポイントを容易に見つけ出し、再生することを、汎用的なコンテンツ再生装置でも可能にする。
【解決手段】コンテンツサーバ1は、格納コンテンツについて、再生装置で再生が中断された中断位置毎に、コンテンツを識別する識別情報と中断位置情報とを含む仮想コンテンツを作成する仮想コンテンツ作成部と、仮想コンテンツ毎に、中断位置情報と再生を実行した装置を示す装置情報とを含むサムネイル情報を作成するサムネイル作成部と、仮想コンテンツのリストを含む表示されたコンテンツリストに基づき、仮想コンテンツの選択要求があった場合、その仮想コンテンツに関するサムネイル情報を表示のために出力するサムネイル出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツサーバ装置に関し、より詳細には、コンテンツ再生装置からネットワークを介し、内部に格納されたコンテンツを再生させることが可能なホームサーバ等のコンテンツサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ装置等のコンテンツ再生装置では、ネットワークに接続されたコンテンツサーバ装置上からメディアコンテンツを再生することが可能に構成されているものがある。ネットワーク上のサーバからコンテンツを再生する技術としては、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに記述された手順に則って通信を行いながら再生を行う技術がある。
【0003】
さらに、ネットワークプレーヤであるコンテンツ再生装置において、コンテンツを再生して途中で終了させた場合、その再生終了位置をレジュームポイントとして記録しておき、次の再生時にそのレジュームポイントから再生できる装置も普及している。このようなレジュームポイントは、コンテンツ再生装置側で管理すればよいが、一人のユーザが一台のコンテンツ再生装置でのみ視聴するとは限らない。
【0004】
従って、レジュームポイントをコンテンツサーバ装置上で一括して管理する技術も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の技術では、メディア用サーバ装置の保有デジタルコンテンツをコンテンツ再生装置で再生可能になっている状況下で、レジュームポイントをメディア用サーバ装置で一括管理するにあたり、メディア用サーバ装置が再生できる種類のデータ形式の仮のコンテンツとして保存している。また、このメディア用サーバ装置では、その仮のコンテンツとその中断位置としての再生時間とに対応付けた対応付け情報も記憶している。この対応付け情報は、そのコンテンツをその中断位置から再生するためのリンク情報となっており、このリンク情報によりレジュームポイントから再生可能となっている。また、この技術では、レジュームポイントがコンテンツの再生時間中のどの位置にあるのかやいつ作成されたかなどの情報をユーザに提供するために、DLNA標準ではない拡張タグを使用している。
【0005】
また、特許文献2に記載の技術では、同様の状況下で、レジュームポイントをサーバ装置で一括管理するにあたり、コンテンツ再生装置毎にコンテンツ毎のレジュームポイントを管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−66471号公報
【特許文献2】特開2007−180818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、レジュームポイントがコンテンツの再生時間中のどの位置にあるのかやいつ作成されたかなどの情報をユーザに提供するために、DLNA標準ではない拡張タグを使用しているため、拡張タグを理解しないコンテンツ再生装置においてはこれらの情報を理解できず、適切な情報をユーザに提供できないという課題がある。従って、特許文献1に記載の技術では、拡張タグを理解しないコンテンツ再生装置を使用するユーザにとって、所望のコンテンツを所望のレジュームポイントから再生するための選択が困難となる。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術では、あるコンテンツに注目したときコンテンツ再生装置毎にレジュームポイントを管理し、レジュームポイントをリスト表示しているだけであるため、家庭での使用のように、あるユーザが第1の再生装置からそのコンテンツを再生して中断し、別の部屋に移動してから第2の再生装置でそのコンテンツの残りを再生しようとした場合には、第1の再生装置で中断したレジュームポイントを探すのが容易ではない。このように、特許文献2に記載の技術では、所望のコンテンツを所望のレジュームポイントから再生するための操作が複雑で時間がかかる。
【0009】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテンツサーバ装置内部に格納されたコンテンツをネットワーク経由で複数のコンテンツ再生装置から再生可能となっている場合でも、多数のコンテンツ、多数のレジュームポイントの中からユーザが望むコンテンツ、レジュームポイントを容易に見つけ出し、再生することが可能で、且つ汎用的なコンテンツ再生装置でも対応することが可能なコンテンツサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ネットワークを介して複数のコンテンツ再生装置に接続されるコンテンツサーバ装置において、
該コンテンツサーバ装置に格納されたコンテンツについて、前記コンテンツ再生装置で再生が中断された場合に、該再生が中断された位置毎に、当該コンテンツを識別する識別情報と再生が中断された位置を示す中断位置情報とを含む仮想コンテンツを作成する仮想コンテンツ作成部と、該仮想コンテンツ毎に、前記中断位置情報と前記再生を実行した装置を示す装置情報とを含むサムネイル情報を作成するサムネイル作成部と、前記仮想コンテンツのリストを含むコンテンツリストを表示用に出力するリスト出力部と、表示された前記コンテンツリストに基づき前記仮想コンテンツの選択要求があった場合、該選択要求がなされた前記仮想コンテンツに関する前記サムネイル情報を表示のために出力するサムネイル出力部と、表示された前記コンテンツリストに基づき前記仮想コンテンツの再生要求があった場合、該再生要求がなされた前記仮想コンテンツの前記中断位置情報が示す位置から、前記仮想コンテンツに対応するコンテンツを再生出力するコンテンツ出力部とを備えたことを特徴としたものである。
【0011】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツサーバ装置単独で再生され、中断された場合にも、前記仮想コンテンツを作成することを特徴としたものである。
【0012】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツの再生が中断される度に、常に新たに前記仮想コンテンツを作成することを特徴としたものである。
【0013】
第4の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツの再生が中断される度に、前記仮想コンテンツが作成済みか否かを判定し、作成済みであった場合には、作成済みの前記仮想コンテンツを更新することを特徴としたものである。
【0014】
第5の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツの再生が中断される度に、前記仮想コンテンツが現在の中断に係る装置と同じ装置からの中断により作成済みか否かを判定し、作成済みであった場合には、作成済みの前記仮想コンテンツを更新することを特徴としたものである。
【0015】
第6の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記仮想コンテンツ作成部は、作成済みの仮想コンテンツから再生が指示されて中断された場合、該指示された仮想コンテンツを更新することを特徴としたものである。
【0016】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツが所定割合未満再生されて中断された場合にのみ、前記仮想コンテンツを作成することを特徴としたものである。
【0017】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1項の技術手段において、前記仮想コンテンツを、作成から所定期間過ぎた時点で消去する消去部をさらに備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るコンテンツサーバ装置によれば、内部に格納されたコンテンツをネットワーク経由で複数のコンテンツ再生装置から再生可能となっている場合でも、多数のコンテンツ、多数のレジュームポイントの中からユーザが望むコンテンツ、レジュームポイントを容易に見つけ出し、再生することが可能となり、且つ汎用的なコンテンツ再生装置でも対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るコンテンツサーバ装置とコンテンツ再生装置とを含むコンテンツ再生システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るコンテンツサーバ装置で管理される仮想コンテンツを説明するための図である。
【図3】図2の仮想コンテンツのそれぞれについて作成されるサムネイル情報の一例を示す図である。
【図4】図2の仮想コンテンツを作成する処理例を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明に係るコンテンツサーバ装置で作成される仮想コンテンツの格納例を示す図である。
【図6】図5の仮想コンテンツをユーザに選択させるためのリストの一例を示す図である。
【図7】本発明に係るコンテンツサーバ装置で作成される仮想コンテンツの他の格納例を示す図である。
【図8】図7の仮想コンテンツをユーザに選択させるためのリストの一例を示す図である。
【図9】図1のコンテンツ再生システムにおけるコンテンツサーバ装置で表示される問い合わせ画面の一例を示す図である。
【図10】図2の仮想コンテンツを作成する他の処理例を説明するためのフロー図である。
【図11】図2の仮想コンテンツを作成する他の処理例を説明するためのフロー図である。
【図12】図2の仮想コンテンツを作成する他の処理例を説明するためのフロー図である。
【図13】図2の仮想コンテンツを作成する処理例を説明するためのフロー図である。
【図14】図1のコンテンツ再生システムにおけるコンテンツサーバ装置で表示されるレジューム期間とレジューム情報の更新時刻とを設定する設定画面の一例を示す図である。
【図15】図14の設定画面から設定されたレジューム期間に基づく消去処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図16】図2の仮想コンテンツを作成する他の処理例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るコンテンツサーバ装置は、例えばPC、レコーダ、ネットワークHDD(Hard Disk Drive)、ホームサーバなど、コンテンツをクライアント装置に提供可能な装置であり、複数のクライアント装置にネットワークを介して接続可能となっている。また、クライアント装置としてのコンテンツ再生装置は、表示部及び音声出力部を備え且つコンテンツの再生が可能な機器であればよく、例えばPC、テレビ、STB、携帯電話機などに適用することができる。なお、このコンテンツには映像データと音声データとが含まれ、その圧縮形式やファイル形式等は問わない。
【0021】
図1は、本発明に係るコンテンツサーバ装置とコンテンツ再生装置とを含むコンテンツ再生システムの一構成例を示すブロック図である。
図1で例示するコンテンツ再生システムでは、コンテンツサーバ装置(以下、単にコンテンツサーバ1という)と、コンテンツサーバ1のコンテンツ記録部11に記録されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置の一例としてネットワークプレーヤ4とを備えている。図示しないが、ネットワークプレーヤ4は複数接続可能となっている。汎用的な組み合わせとしては、コンテンツサーバ1がDMS(Digital Media Server)であり、ネットワークプレーヤがDLNAプレーヤ(つまり、DMP:Digital Media Player)である場合が挙げられるが、これに限ったものではない。
【0022】
コンテンツサーバ1は、その全体を制御する制御部1a、HDDや可搬記録媒体及びその駆動装置等でなるコンテンツ記録部11、コンテンツ記録部11に記録されたコンテンツの再生制御を行う再生制御部10、後述するコンテンツ情報管理部12、並びに、ネットワークを介してネットワークプレーヤ4と接続するためのネットワークインタフェース部13及びネットワーク端子14を備える。
【0023】
また、コンテンツサーバ1は、映像データや音声データの一時格納用のメモリ15、コンテンツのうち映像データをデコードする映像デコード部16、デコードした映像データをテレビ3に出力する映像出力部17及び映像出力端子18、音声データをデコードするオーディオデコード部19、並びに、デコードした音声データをテレビ3に出力する音声出力部20及び音声出力端子21を備える。テレビ3は、コンテンツサーバ1単独でのコンテンツの再生を行うデバイスであり、映像出力端子18及び音声出力端子21によってコンテンツサーバ1の本体に接続されている。
【0024】
また、コンテンツサーバ1は、ユーザインタフェース部22、及びユーザ入力端子23を備え、ユーザ入力端子23には、リモコン、キーボードやポインティングデバイス等のユーザ操作部2が無線又は有線で接続されている。これにより、ユーザ操作部2からユーザ入力端子23及びユーザインタフェース部22を介して、制御部1aに操作内容を伝えてコンテンツサーバ1を操作することが可能になっている。
【0025】
制御部1a、再生制御部10、及びコンテンツ情報管理部12は、例えばプログラムを記録したROM(Read Only Memory)、そのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)、そのプログラムの実行の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、並びに、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の書き換え可能なメモリで構成できる。このプログラムは、主に、コンテンツの再生や選択処理、後述するレジューム用の仮想コンテンツやサムネイル情報の作成処理等を実行するためのプログラムで、その処理内容についてはコンテンツ情報管理部12の説明として後述する。また、このメモリは、仮想コンテンツやそのサムネイル情報やそれらの管理情報の格納領域となる。
【0026】
図2〜図4を併せて参照しながらコンテンツ情報管理部12について説明する。図2は、本発明に係るコンテンツサーバ装置で管理される仮想コンテンツを説明するための図、図3は、図2の仮想コンテンツのそれぞれについて作成されるサムネイル情報の一例を示す図、図4は、図2の仮想コンテンツを作成する処理例を説明するためのフロー図である。
【0027】
コンテンツ情報管理部12は、統合レジューム管理部12a、サムネイル作成部12b、本体レジューム管理部12c、ネットワークレジューム管理部12d、レジュームコンテンツ作成部(仮想コンテンツ作成部)12e、及びレジュームコンテンツ作成部(仮想コンテンツ作成部)12fを備える。まず、サムネイル作成部12b以外の構成要素について説明する。
【0028】
レジュームコンテンツ作成部12e,12fは、コンテンツサーバ1に格納されたコンテンツについて、再生が中断された位置毎に、コンテンツを識別する識別情報と再生が中断された位置を示す中断位置情報とを含む仮想コンテンツを作成する。この仮想コンテンツは、レジュームのためのコンテンツに過ぎず、映像や音声データを含まず、例えば単にファイル名を記述したテキストファイルであってもよい。例えば、図2に示すように、コンテンツ11aに対して、ネットワークプレーヤ4か本体で再生・中断された位置がレジュームポイントA〜Dの4箇所あれば、それぞれのポイントに対応して仮想コンテンツa〜dが作成される。
【0029】
レジュームコンテンツ作成部12eは、コンテンツサーバ1の本体単独で再生・中断された場合の仮想コンテンツを作成する。本体レジューム管理部12cは、レジュームコンテンツ作成部12eでの仮想コンテンツの作成を指示するとともに、作成された仮想コンテンツを管理する。一方で、レジュームコンテンツ作成部12fは、ネットワークプレーヤ4から再生・中断された場合の仮想コンテンツを作成する。ネットワークレジューム管理部12dは、レジュームコンテンツ作成部12fでの仮想コンテンツの作成を指示するとともに、作成された仮想コンテンツを管理する。
【0030】
レジュームコンテンツ作成部12e及び本体レジューム管理部12cで例示したように、コンテンツサーバ1は、コンテンツサーバ1単独で再生されて中断された場合にも、仮想コンテンツを作成することが好ましい。後述の統合レジューム管理部12aで本体用とクライアント用の管理を統合し、コンテンツサーバ1で単独再生した仮想コンテンツであるのか、ネットワークプレーヤ4でコンテンツサーバ1からの再生出力を再生したかを区別して提示することもできる。但し、仮想コンテンツを作成・管理するのはネットワークプレーヤ4等のクライアント装置からの再生・中断についてのみとするように、コンテンツサーバ1を構成してもよい。
【0031】
統合レジューム管理部12aは、仮想コンテンツのリストを含むコンテンツリストを、ネットワークプレーヤ4やテレビ3に表示用に出力するリスト出力部を備える。このコンテンツリストは、例えば図2の仮想コンテンツa〜dやコンテンツ11a以外のコンテンツについての仮想コンテンツなど、仮想コンテンツが選択可能に表示されるものであればよい。特に、仮想コンテンツについても通常のコンテンツと同様の形式でリスト表示することでユーザ選択を容易できる。また、コンテンツリストはクライアント装置向けに各コンテンツのリスト表示用の情報を提供したり、本体向けのコンテンツリストを表現した画像として出力したりなどすればよい。なお、仮想コンテンツを作成・管理するのはクライアント装置についてのみとするように、コンテンツサーバ1を構成する場合には、このリスト出力部はネットワークレジューム管理部12dに設ければよい。
【0032】
上述したネットワーク端子14及びネットワークインタフェース部13は、リスト上でネットワークプレーヤ4から仮想コンテンツに対する操作を受け付ける受付部の一例である。また、この受付部は、上述したユーザ操作部2、ユーザ入力端子23、及びユーザインタフェース部22でも例示でき、これによりコンテンツサーバ1単独で仮想コンテンツを再生したり中断したりすることができる。
【0033】
そして、コンテンツサーバ1における各構成要素13〜21及び再生制御部10は、コンテンツ出力部の一例である。このコンテンツ出力部は、受付部で受け付けた操作が再生要求の操作であった場合など、表示されたコンテンツリストに基づき仮想コンテンツの再生要求があった場合、その再生要求がなされた仮想コンテンツの中断位置情報が示す中断位置から、仮想コンテンツに対応するコンテンツを再生出力する。
【0034】
また、このコンテンツ出力部は、受付部で再生要求が通常のコンテンツに対してなされた場合には、そのコンテンツを先頭から再生出力すればよい。コンテンツサーバ1単独で再生されて中断されたコンテンツについては、ユーザはそれについて作成された仮想コンテンツを再生させる操作を行えばレジューム再生が可能である。従って、ユーザは、そのようなレジューム再生と先頭からの再生と区別して操作することができる。
【0035】
ここで、再生制御部10は、直接又は間接的に、構成要素11〜23を制御して、コンテンツを再生出力させ、仮想コンテンツが選択された場合にも、その仮想コンテンツに対応するコンテンツを、その仮想コンテンツの中断位置情報が示す中断位置から再生出力させる。
【0036】
以上、このようなコンテンツ再生システムによれば、コンテンツサーバ1の内部に格納されたコンテンツをネットワーク経由で複数のネットワークプレーヤ4から再生可能となっている場合でも、レジュームポイントが上手く受け渡しできてユーザが望むレジュームポイントから再生が可能になり、その結果、利用したいコンテンツを例えば各部屋に設置した複数のネットワークプレーヤ4の間でシームレスに視聴可能になる。従って、例えば、映画を途中までリビングで視聴し、残りを寝室で横になりながら視聴したり、アニメーションをリビングで視聴していたが、同居人が帰宅したため、続きを自分の部屋で視聴したりすることができる。
【0037】
さらに、このようなコンテンツ再生システムによれば、ユーザが望むレジュームポイントからの再生操作が、通常のコンテンツ(タイトル)リストからコンテンツ(タイトル)を選択するのと同様に仮想コンテンツを選択すればよいだけであるため、容易になる。
【0038】
また、同一コンテンツに複数のレジュームポイントが発生した場合でも、例えばそれぞれに仮想コンテンツを作成することで、同一コンテンツに複数のレジュームポイントを持たせることが可能となる。従って、ユーザは、所望するコンテンツ、所望するレジュームポイントからの再生を、それに対応する仮想コンテンツを選択して再生させる操作を行うだけの簡易な操作で実行させることができる。さらに、本発明のコンテンツサーバ1では、仮想コンテンツは映像・音声のデータを含まないため、レジュームのための記憶容量を多く必要としない。
【0039】
次に、コンテンツサーバ1に設けるサムネイル作成部12bについて説明する。サムネイル作成部12bは、例えば統合レジューム管理部12aの指示に従い、中断位置情報と再生を実行した装置を示す装置情報とを含むサムネイル情報を、仮想コンテンツ毎に作成する。統合レジューム管理部12aは、サムネイル作成部12bは作成したサムネイル情報をその仮想コンテンツに関連付けて格納して管理する。サムネイル情報は仮想コンテンツに含むように管理してもよいし、仮想コンテンツに付加して管理してもよい。
【0040】
図3に示すように、サムネイル情報30は、装置情報の一例としての再生機器(コンテンツサーバ1の本体又はネットワークプレーヤ4)のMAC(Media Access Control)アドレスと、再生年月日、再生時刻、中断位置情報の一例としての再生位置及び残り時間が含まれる。MACアドレスは、MACアドレスそのままであってもよいし、コンテンツサーバ1の本体で自動若しくはユーザによって置き換えられた、機器を識別するためのIDや名前であってもよい。サムネイル情報30は、さらに再生位置及び残り時間をグラフィックで表現したプログレスバー(タイムシークバー)31も含んでいる。プログレスバー31にはその再生位置に相当する位置にマーク31aを表示している。中断位置情報としては、コンテンツ全体に対して再生済みの部分の割合を示す情報であってもよい。
【0041】
また、コンテンツサーバ1は、サムネイル作成部12bとともにサムネイル出力部を備える。このサムネイル出力部は、受付部で受け付けた操作が仮想コンテンツの選択操作であった場合、つまり仮想コンテンツの選択要求があった場合、その対象となった仮想コンテンツに関するサムネイル情報を表示のために出力する。このサムネイル出力部としては、統合レジューム管理部12a、ネットワークインタフェース部13、及びネットワーク端子14で例示できる。
【0042】
サムネイル作成部12b及びサムネイル出力部を設けることで、複数コンテンツのレジューム情報としての仮想コンテンツをそれぞれのサムネイル情報とともに提供可能になる。例えば、ネットワークプレーヤ4がサムネイル表示機能を持つ一般的なDLNAプレーヤであれば、コンテンツサーバ1からのDLNA再生時に、コンテンツのレジューム情報に該当する仮想コンテンツの情報を簡単に画面に表示することが可能となる。サムネイル情報には中断位置情報と装置情報とが含まれるため、ユーザは自身の記憶を頼りに再生を希望するコンテンツを、希望するレジュームポイントから再生できるような仮想コンテンツを容易に視認して選択することができる。つまり、ここで提供されるサムネイル情報は、仮想コンテンツの選択のためにユーザに提示するユーザ補助情報となる。
【0043】
このように、コンテンツサーバ1では、レジュームに関する情報を仮想コンテンツとして元のコンテンツと同様に取り扱うとともに、中断位置情報や装置情報を含むサムネイル情報を作成してユーザに提供することができる。DLNA標準ではコンテンツのサムネイル表示が可能になっているため、本発明では、DMSを用いる場合でも、中断位置情報や装置情報を提供するためにDLNA標準ではない拡張タグを使用する必要がないため、拡張タグを理解不能な汎用的なDLNAプレーヤでも対応することが可能となる。また、コンテンツ名は、例えば仮想コンテンツのファイル名としてユーザに提供することができるが、これもサムネイル情報の一部に加えるように作成してもよい。
【0044】
以上、本発明によれば、ユーザにとって、汎用的なコンテンツ再生装置でも、多数のコンテンツ、多数のレジュームポイントの中から望むコンテンツ、望むレジュームポイントを容易に見つけ出し、再生することが可能となる。
【0045】
また、上述したサムネイル作成部12bでのサムネイル情報の作成を他の通常のコンテンツと共通化するために、仮想コンテンツの作成時に、仮想コンテンツ自体に中断位置情報と装置情報等を含むようにしておいてもよい。そして、サムネイル作成部12bは他の通常のコンテンツと同様の方法でサムネイル情報を自動的に作成させることで、結果的にその仮想コンテンツについてのサムネイル情報の出力時には、中断位置情報と装置情報とを含むようにできる。
【0046】
また、コンテンツサーバ1単独で再生されて中断された場合に作成した仮想コンテンツに関し、サムネイル情報に含まれる装置情報は、コンテンツサーバ1自身を示す情報となる。ネットワークプレーヤ4で再生されて中断された場合に作成した仮想コンテンツに関し、サムネイル情報に含まれる装置情報は、ネットワークプレーヤ4を示す情報となる。
【0047】
また、別途、コンテンツサーバ1単独で再生されて中断された場合に作成した仮想コンテンツに関し、ユーザIDを入力したり顔認識等の生体認証を行ったりする機能を設けておくことで、使用するユーザを特定してサムネイル情報にユーザを示す情報を含ませてもよい。これにより、仮想コンテンツがユーザ自身による再生・中断操作に基づいて作成されたものであることを、ユーザが容易に視認することができるようになる。
【0048】
次に、図4を参照して、再生中断時のコンテンツサーバ1における仮想コンテンツ作成処理の一例を説明する。この例では、再生中断がなされる度に常に新しい仮想コンテンツを作成していく作成処理を説明する。
まず、コンテンツサーバ1の統合レジューム管理部12aは、再生中断がなされた場合、本体単独での中断処理か否かを、ユーザインタフェース部22を介した中断処理かネットワークインタフェース部13を介した中断処理かで判定する(ステップS1)。
【0049】
ステップS1でYESの場合、本体レジューム管理部12cがレジュームコンテンツ作成部12eを制御して本体用の仮想コンテンツを作成し(ステップS2)、統合レジューム管理部12aがサムネイル作成部12bを制御してサムネイル情報を作成する(ステップS3)。
【0050】
一方、ステップS1でNOの場合、ネットワークレジューム管理部12dが仮想コンテンツ作成済みのネットワークプレーヤ(ネットワーク機器)4からの中断処理か否かを、中断処理を行ったネットワークプレーヤ4の装置情報と既存の仮想コンテンツのサムネイル情報に含まれる装置情報とを比較するなどして判定する(ステップS4)。ステップS4でYESの場合、ネットワークレジューム管理部12dがレジュームコンテンツ作成部12fを制御して同ネットワークプレーヤ4用の仮想コンテンツを作成し(ステップS5)、ステップS3に進む。ステップS3でその仮想コンテンツに対応したサムネイル情報が作成される。ステップS4でNOの場合、同様にして新たなネットワークプレーヤ用の仮想コンテンツを作成し(ステップS6)、ステップS3に進む。ステップS3でその仮想コンテンツに対応したサムネイル情報が作成される。
【0051】
なお、本体用の仮想コンテンツと同ネットワークプレーヤ4用の仮想コンテンツと新たなネットワークプレーヤ用の仮想コンテンツとは、単に管理場所を振り分けたことだけが相違するが、当然、サムネイル情報に含まれる装置情報は異なるようになる。
【0052】
このように、レジュームコンテンツ作成部12e,12fは、コンテンツの再生が中断される度に、常に新たに仮想コンテンツを作成するようにするとよい。ここで、コンテンツの再生が中断される度とは、例えば仮想コンテンツが選択されて再生指示された後に、中断された場合でも、選択時の仮想コンテンツとは別に新たに仮想コンテンツを作成することを指す。また、ここでは、中断される装置がどの装置かに依らず、常に新たに仮想コンテンツの作成を行っている。
【0053】
次に、図5及び図6を参照しながら、レジュームコンテンツ作成部12e,12fで作成される仮想コンテンツの格納例と、リスト出力部で出力されるコンテンツリストの一例を説明する。
【0054】
図5に示す階層構造50のように、作成された仮想コンテンツは、どのコンテンツが元であるかに拘わらず全ての仮想コンテンツについて区別なく格納することができる。階層構造50では、最上位にCF1,CF2,CF3,...と続くコンテナ(フォルダ)があり、フォルダCF1の下位にCF11,CF12,CF13,...と続くサブフォルダがある。サブフォルダCF12には、さらに下位のサブフォルダCF121,CF122,CF123があり、それぞれのアイテムとしてコンテンツI(IT11),II(IT12),III(IT03)が格納されている。
【0055】
また、サブフォルダCF11では、レジュームコンテンツ作成部12e,12fでそれぞれコンテンツI(IT11),II(IT12),III(IT13)の再生・中断により生成された仮想コンテンツia(IT01),ib(IT02),ii(IT03)の各ファイルを並べている。
【0056】
このような階層構造の仮想コンテンツをユーザに選択させるためのコンテンツリストは、図6のリスト画面60でその表示例を示すようになる。例えば、ネットワークプレーヤ4から若しくはユーザ操作部2から操作することで、リスト画面60には全ての仮想コンテンツのリストを含むコンテンツリスト61が表示される。コンテンツリスト61中の仮想コンテンツはその元のコンテンツがどれであるかを問わず、例えば作成順やファイル名順などで、より好ましくはネットワークプレーヤ4毎に分けて、表示すればよい。コンテンツリスト61に仮想コンテンツが収まらない場合にはスクロール可能にしておけばよい。また、ユーザが仮想コンテンツia(62)にカーソルを合わせることで、その左側にはその仮想コンテンツ62のサムネイル情報30が表示される。
【0057】
次に、図7及び図8を参照しながら、仮想コンテンツの他の格納例とコンテンツリストの他の例を説明する。
図7に示す階層構造70のように、作成された仮想コンテンツは、どのコンテンツが元であるかによって分けて格納する、すなわちコンテンツ単位で仮想コンテンツを分けて格納することができる。階層構造70では、図5の階層構造50と同様に、最上位のフォルダCF1,CF2,CF3やサブフォルダCF11,CF12,CF13、サブフォルダCF121,CF122,CF123があり、それぞれのアイテムとしてコンテンツI(IT11),II(IT12),III(IT03)が格納されている。
【0058】
階層構造70では、サブフォルダCF11では、コンテンツI用サブフォルダCF111、コンテンツII用のサブフォルダCF112といった具合に、仮想コンテンツが作成されたコンテンツについてサブフォルダが作成される。この例では、コンテンツI(IT11)には、レジューム位置及び/又は再生したネットワークプレーヤ4が異なる仮想コンテンツIa(IT01),Ib(IT02),Ic(IT03)が格納されている。
【0059】
このような階層構造の仮想コンテンツをユーザに選択させるためのコンテンツリストは、図8のリスト画面80でその表示例を示すようになる。例えば、ネットワークプレーヤ4から若しくはユーザ操作部2から操作することで、まずサブフォルダCF111,CF112で例示したように、仮想コンテンツ作成済みのコンテンツに関するサブフォルダのリストの画像を表示すればよい。そして、そのリストの画像を表示した状態で、ユーザにより選択されたサブフォルダ内の仮想コンテンツのリスト、つまりユーザにより選択されたコンテンツから作成された仮想コンテンツのリストを含むコンテンツリスト81を表示すればよい。なお、コンテンツリスト81中の仮想コンテンツは、例えば作成順やファイル名順などで、より好ましくはネットワークプレーヤ4毎に分けて、表示すればよい。また、ユーザが仮想コンテンツIa(82)にカーソルを合わせることで、その左側にはその仮想コンテンツ82のサムネイル情報30が表示される。
【0060】
また、図5及び図7を仮想コンテンツの格納例として説明したが、この格納例で示す階層構造50や階層構造70をユーザにコンテンツリストとして提示するようにしてもよい。つまり、リスト出力部は、コンテンツリストとして、図5や図7のように仮想コンテンツとコンテンツ(タイトル)とでなるリストを出力してもよい。さらに、このような出力を行う場合には、仮想コンテンツとコンテンツとはツリー形式で(階層構造が分かるように)表示させることが好ましい。
【0061】
次に、上述したようなコンテンツ再生システムにおける再生処理及び中断処理の他の例を、図9及び図10に基づき説明する。図9はコンテンツサーバ1による問い合わせ画面の一例を示す図で、図10は図2の仮想コンテンツを作成する他の処理例を説明するためのフロー図である。
【0062】
図10の処理例では、コンテンツサーバ1の本体又はネットワークプレーヤ4から再生中断操作がなされると、レジュームするか否かを図9の問い合わせ画面90のように問い合わせて、その応答操作を確認する(ステップS11)。画面90では、継続して別の部屋で視聴するかを問い合わせるようにしてもよい。画面90にはYESボタン91及びNOボタン92が選択可能に設けられている。
【0063】
YESボタン91が選択されることでレジュームする旨の判定を行うと(ステップS11でYESの場合)、中断位置をレジュームポイントとして仮想コンテンツを作成して(ステップS12)、そのサムネイル情報も作成する(ステップS13)。一方、NOボタン92が選択されることでレジュームしない旨の判定を行うと(ステップS11でNOの場合)、そのまま処理を終了する。この処理例では、再生・中断を実行する装置に拘わらず、常に新たな仮想コンテンツが作成される。
【0064】
次に、図11を参照して、図4の仮想コンテンツ作成処理に代わる作成処理例について説明する。
図11の処理例では、同様にして再生中断操作がなされると、再生していたコンテンツが時間にして全体の95%以上再生済みであるか否かを判定し(ステップS21)、NOの場合には、中断位置をレジュームポイントとして仮想コンテンツを作成して(ステップS24)、そのサムネイル情報も作成する(ステップS25)。一方、ステップS21でYESであった場合、再生中であったコンテンツに対応する仮想コンテンツとそのサムネイル情報とを消去する(ステップS22,S23)。ここで、再生中であったコンテンツに対応する全ての仮想コンテンツとサムネイル情報とを消去してもよいが、中断前に再生のための選択を行った仮想コンテンツだけを消去してもよい。なお、この処理例でも、再生・中断を実行する装置に拘わらず、常に新たな仮想コンテンツが作成される。
【0065】
このように、レジュームコンテンツ作成部12e,12fは、コンテンツが所定割合未満再生されて中断された場合にのみ、仮想コンテンツを作成することが好ましい。この例では、95%以上視聴したコンテンツについては終わりまで視聴したと見做し、新たな仮想コンテンツの作成は行なわず、仮想コンテンツを消去し、これによりリストからも消去している。
【0066】
次に、図12を参照して、図4の仮想コンテンツ作成処理に代わる作成処理例について説明する。
図12の処理例では、図4のステップS1と同様の判定を行い(ステップS31)、YESの場合、本体レジューム管理部12cが過去の本体用レジューム情報としての仮想コンテンツがあるか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32でNOの場合には、図4のステップS2,S3と同様に本体用の仮想コンテンツ及びサムネイル情報を作成する(ステップS35,S34)。
【0067】
一方、ステップS32でYESの場合、本体レジューム管理部12cがその仮想コンテンツ(本体用のレジューム情報)を更新し(ステップS33)、ステップS34に進み、サムネイル情報を作成する。また、ステップS31でNOの場合、ネットワークレジューム管理部12dが過去のレジューム情報としての仮想コンテンツがあるか否かを判定する(ステップS36)。
【0068】
ステップS36でYESの場合には、その判定した仮想コンテンツを更新し(ステップS37)、ステップS34に進み、サムネイル情報を作成する。ここで更新されるのは、過去に本体以外で作成された仮想コンテンツであるため、過去に作成されたときと同じネットワークプレーヤ4用のレジューム情報である。従って、ここでは、ネットワークプレーヤ毎に仮想コンテンツの更新を行っている。但し、例えば仮想コンテンツを更新する場合には、その元のコンテンツについての一番過去に作成された仮想コンテンツを更新対象としてもよい。ステップS36でNOの場合には、図4のステップS6と同様に新たな仮想コンテンツを作成し(ステップS38)、ステップS3へ進み、そのサムネイル情報を作成する。
【0069】
図12で例示したように、レジュームコンテンツ作成部12e,12fは、コンテンツの再生が中断される度に、仮想コンテンツが現在の中断に係る装置と同じ装置からの中断により作成済みか否かを判定し、作成済みであった場合には、作成済みの仮想コンテンツを更新するようにしてもよい。この処理例では、再生・中断を実行する装置毎、コンテンツ毎に、1つの仮想コンテンツが作成・更新される。
【0070】
次に、図13を参照して、図4の仮想コンテンツ作成処理に代わる作成処理例について説明する。
図13の処理例では、まず、図10の処理例の問い合わせ結果などからレジュームするか否かを判定し(ステップS41)、NOの場合には処理を終了し、YESの場合には過去のレジューム情報があるか否かを本体レジューム管理部12cやネットワークレジューム管理部12dが判定する(ステップS42)。ステップS42でYESの場合にはレジューム情報を更新し(ステップS43)、NOの場合には新たに仮想コンテンツを作成する(ステップS45)。ステップS43,S45の処理後はいずれもそのサムネイル情報を作成する(ステップS44)。
【0071】
図13で例示したように、レジュームコンテンツ作成部12e,12fは、コンテンツの再生が中断される度に、仮想コンテンツが作成済みか否かを判定し、作成済みであった場合には、過去のレジューム情報に該当する作成済みの仮想コンテンツを更新するようにしてもよい。この処理例では、再生・中断を実行する装置に拘わらず、1つのコンテンツにつき1つの仮想コンテンツが作成・更新される。
【0072】
図14は、コンテンツサーバ1で表示されるレジューム期間とレジューム情報の更新時刻とを設定する設定画面の一例を示す図で、図15は、図14の設定画面から設定されたレジューム期間に基づく消去処理の一例を説明するためのフロー図である。
本体レジューム管理部12cとネットワークレジューム管理部12dとはそれぞれ次の消去部を備えることが好ましい。この消去部は、仮想コンテンツを、作成から所定期間過ぎた時点で消去する。この所定期間は各仮想コンテンツに共通に設定できるものであっても、個別に設定できるものであってもよい。また、この消去部は統合レジューム管理部12aに共通にもたせてもよい。
【0073】
この所定期間の設定は図14の設定画面140から可能になっている。設定画面140には、レジューム情報の保存期間の入力欄141とレジューム情報更新時刻の入力欄142とが表示されている。入力欄142に入力して設定されたレジューム情報更新時刻の到来により、各仮想コンテンツに対して(ステップS51a,S51b)、次のような処理を実行する。つまり、保存期間に基づき、レジューム情報を確認し(ステップS52)、入力欄141に保存期間として入力設定された期間(指定期間)を過ぎているか否かを判定し(ステップS53)、過ぎた場合のみその仮想コンテンツを消去する(ステップS54)。
【0074】
このように、所定期間を越えたレジューム情報を持つ仮想コンテンツを自動的に消去することにより、不要なレジュームポイントの提供をしないようにできる。図14の例では、保存期間と更新時刻とを同時に設定できる画面の例を示したが、別々の画面で設定するように構成してもよい。なお、図4で説明した常に新しい仮想コンテンツを作成する場合にも、仮想コンテンツの保存期間を設定可能にしてもよい。
【0075】
次に、図16を参照して、図4の仮想コンテンツ作成処理に代わる作成処理例について説明する。
図16の処理例では、まず、再生していたコンテンツが時間にして全体の95%以上再生済みであるか否かを判定し(ステップS61)、YESの場合には過去のレジューム情報があるか否かを判定する(ステップS62)。ステップS62でNOの場合にはそのまま処理を終了し、YESの場合にはその仮想コンテンツを消去して(ステップS63)、そのサムネイル情報も消去する(ステップS64)。ここで、再生中であったコンテンツに対応する全ての仮想コンテンツとサムネイル情報とを消去してもよいが、中断前に再生のための選択を行った仮想コンテンツだけを消去してもよい。
【0076】
ステップS61でNOの場合にはステップS62と同様の判定を行い(ステップS65)、YESの場合、中断位置に基づきレジューム情報を更新して(ステップS66)、そのサムネイル情報を作成する(ステップS67)。ステップS65でNOの場合には、中断位置に基づき新たな仮想コンテンツを作成し(ステップS68)、ステップS67に進んで、そのサムネイル情報を作成する。
【0077】
この処理例では、再生・中断を実行する装置毎、コンテンツ毎に、1つの仮想コンテンツが作成・更新される。また、図16の例でもステップS61の前に、図13のステップS41のようにレジュームするか否かを問い合わせ、レジュームする場合のみステップS61以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0078】
また、図4の仮想コンテンツ作成処理に代わる、さらに他の作成処理例として、レジュームコンテンツ作成部12e,12fは、作成済みの仮想コンテンツから再生が指示され、その再生が中断された場合には、その指示された仮想コンテンツを更新するようにしてもよい。つまり、再生指示された仮想コンテンツは再生の中断により、更新するようにする。もし、中断なくその仮想コンテンツに係るコンテンツの再生が最後まで(或いは例えば95%以上)完了した場合には、その仮想コンテンツを削除するようにしてもよい。また、この例でも、図13のステップS41のようにレジュームするか否かの問い合わせを行い、ユーザからの回答に従って処理を実行してもよい。
【0079】
以上、本発明について様々な処理例を説明した。上述した様々なレジューム方法によりコンテンツサーバ1でレジュームに関して一括管理が可能であるが、ネットワークプレーヤ4側でも個々にレジューム管理してもよい。例えば図1で図示したように、ネットワークプレーヤ4にレジューム管理部41を有するコンテンツ情報管理部40を設けておけばよい。その場合、ネットワークプレーヤ4側でコンテンツサーバ1上の元のコンテンツを選択して再生する場合には、レジューム管理部41で管理したレジュームに従った再生位置から再生すればよい。一方で、コンテンツサーバ1上の仮想コンテンツを選択して再生する場合には、その仮想コンテンツが示す再生位置から対応のコンテンツを再生すればよい。
【符号の説明】
【0080】
1…コンテンツサーバ、1a…制御部、2…ユーザ操作部、3…テレビ、4…ネットワークプレーヤ、10…再生制御部、11…コンテンツ記録部、12…コンテンツ情報管理部、12a…統合レジューム管理部、12b…サムネイル作成部、12c…本体レジューム管理部、12d…ネットワークレジューム管理部、12e,12f…レジュームコンテンツ作成部、13…ネットワークインタフェース部、14…ネットワーク端子、15…メモリ、16…映像デコード部、17…映像出力部、18…映像出力端子、19…オーディオデコード部、20…音声出力部、21…音声出力端子、22…ユーザインタフェース部、23…ユーザ入力端子、40…コンテンツ情報管理部、41…レジューム管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数のコンテンツ再生装置に接続されるコンテンツサーバ装置において、
該コンテンツサーバ装置に格納されたコンテンツについて、前記コンテンツ再生装置で再生が中断された場合に、該再生が中断された位置毎に、当該コンテンツを識別する識別情報と再生が中断された位置を示す中断位置情報とを含む仮想コンテンツを作成する仮想コンテンツ作成部と、該仮想コンテンツ毎に、前記中断位置情報と前記再生を実行した装置を示す装置情報とを含むサムネイル情報を作成するサムネイル作成部と、前記仮想コンテンツのリストを含むコンテンツリストを表示用に出力するリスト出力部と、表示された前記コンテンツリストに基づき前記仮想コンテンツの選択要求があった場合、該選択要求がなされた前記仮想コンテンツに関する前記サムネイル情報を表示のために出力するサムネイル出力部と、表示された前記コンテンツリストに基づき前記仮想コンテンツの再生要求があった場合、該再生要求がなされた前記仮想コンテンツの前記中断位置情報が示す位置から、前記仮想コンテンツに対応するコンテンツを再生出力するコンテンツ出力部とを備えたことを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツサーバ装置単独で再生され、中断された場合にも、前記仮想コンテンツを作成することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツの再生が中断される度に、常に新たに前記仮想コンテンツを作成することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツの再生が中断される度に、前記仮想コンテンツが作成済みか否かを判定し、作成済みであった場合には、作成済みの前記仮想コンテンツを更新することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツの再生が中断される度に、前記仮想コンテンツが現在の中断に係る装置と同じ装置からの中断により作成済みか否かを判定し、作成済みであった場合には、作成済みの前記仮想コンテンツを更新することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツ作成部は、作成済みの前記仮想コンテンツから再生が指示されて中断された場合、該指示された仮想コンテンツを更新することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツ作成部は、前記コンテンツが所定割合未満再生されて中断された場合にのみ、前記仮想コンテンツを作成することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテンツサーバ装置において、前記仮想コンテンツを、作成から所定期間過ぎた時点で消去する消去部をさらに備えたことを特徴とするコンテンツサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−23593(P2012−23593A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160403(P2010−160403)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】