説明

コンテンツマッチ広告配信装置、方法

【課題】Webページにおいて必要な部分を拡大して表示した場合に、ユーザの興味にマッチした広告を表示させることを実現したコンテンツマッチ広告配信装置を提供すること。
【解決手段】Webサーバ5から、広告を含むWebページを受信するWebページ受信部142と、Webページを表示する表示部12と、Webページに表示される各種情報のレイアウトを、Webページ全体の座標系で取得するレイアウト取得部144と、操作部11と、操作部11からWebページの表示を拡大縮小させる操作を受け付ける拡大縮小操作受付部145と、拡大縮小される表示領域及びその中心位置をWebページ全体の座標系で特定する表示領域特定部147と、中心位置の略近傍の特徴語を抽出し、特徴語に関連する広告を選択する広告選択部148と、広告選択部148によって選択された広告を表示部12に表示させる広告表示制御部149とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツマッチ広告配信装置、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1に記載されている端末のように、タッチパネル表示装置を有する携帯型の端末が普及し、Webページの閲覧に利用されている。また、タッチパネル表示装置を有する携帯型の端末は、タッチパネルにおける指の操作によって、各種の画面操作が行われる。例えば、ユーザが2本の指先をタッチパネルに接触させながら広げたり狭めたりする指先操作(所謂、ピンチイン、ピンチアウト)が行われることにより、Webページの拡大、縮小が行われる。また、ユーザが指先でタッチパネルを軽く叩く操作(所謂、タップ)が行われることにより、項目選択が行われる。更に、ユーザが、指先でタッチパネルを軽く払う操作(所謂、フリック)が行われることにより、払った方向に画面がスクロールされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−178176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯型の端末におけるタッチパネル表示装置は、携帯性のため、据え置き型パーソナルコンピュータのディスプレイよりも小さいのが通常である。ここで、Webページを閲覧する場合、Webページ全体を表示させたままでは文字や画像が小さく読みにくいことから、必要な部分を拡大表示させるのが一般的である。
【0005】
しかし、コンテンツの他に広告が含まれているWebページの中から必要な部分を拡大表示させた場合、必ずしも広告領域が確保されるとは限らない。また、広告が表示された場合に、その広告の内容がユーザの興味にマッチしているとは限らない。
【0006】
本発明は、Webページにおいて必要な部分を拡大して表示した場合に、ユーザの興味にマッチした広告を表示させることを実現したコンテンツマッチ広告配信装置、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0008】
(1) Webサーバに通信可能に接続されるコンテンツマッチ広告配信装置であって、前記Webサーバから、広告を含むWebページを受信するWebページ受信手段と、前記Webページ受信手段が受信した前記Webページを表示する表示手段と、前記Webページにおける各種情報のレイアウトを、前記Webページ全体の座標系で取得するレイアウト取得手段と、ユーザによって操作される操作手段と、当該操作手段から前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小させる操作を受け付ける受付手段と、当該受付手段が受け付けた前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小する操作に基づいて、拡大、あるいは縮小される表示領域及びその中心位置を前記Webページ全体の座標系で特定する表示領域特定手段と、前記表示領域に表示される情報のうち前記中心位置の略近傍の特徴語を抽出し、当該特徴語に関連する広告を選択する広告選択手段と、当該広告選択手段によって選択された広告を前記表示手段に表示させる広告表示制御手段とを備えるコンテンツマッチ広告配信装置。
【0009】
(1)によれば、表示手段に表示しているWebページを拡大、あるいは縮小する場合に、拡大、あるいは縮小する表示領域に含まれる特徴語に関連する広告を選択して表示手段に表示する。ここで、ユーザが拡大表示させる部分は、Webページの中でもユーザが興味を持ったコンテンツ部分である場合が多く、特に、拡大表示領域の中心位置付近には、ユーザが興味を持ったコンテンツの特徴語が含まれている可能性が高い。このため、広告のコンテンツマッチ精度をより高くすることが可能になる。
【0010】
(2) 前記操作手段は、前記表示手段上に設けられ、ユーザによって操作されるタッチパネルからなり、前記受付手段は、前記タッチパネルにユーザの2本の指先を接触させながら広げたり狭めたりする指先操作を受け付け、前記表示領域特定手段は、Webページの全体座標系におけるユーザの2本の指先の位置に基づいて前記中心位置を取得して、前記表示領域を特定する(1)のコンテンツマッチ広告配信装置。
【0011】
(2)によれば、タッチパネルにユーザの2本の指先を接触させながら広げたり狭めたりする指先操作(所謂、ピンチイン、ピンチアウト)を受け付け、Webページを拡大、縮小する。この時、拡大縮小させる表示領域の中心に近い特徴語に関連する広告が優先して選択されるため、ユーザが興味を持ったコンテンツにマッチした広告をより確実に表示させることが可能になる。
【0012】
(3) 前記レイアウト取得手段は、Webページの特徴語の位置を取得し、前記広告選択手段は、前記Webページの特徴語に対し、前記中心位置からの距離が近い特徴語ほど高い優先順位を付与し、当該高い優先順位を付与した特徴語に関連する広告を選択する(1)又は(2)のコンテンツマッチ広告配信装置。
【0013】
(3)によれば、拡大、あるいは縮小後の表示領域の中心に対する特徴語の位置を精度よく求めることが可能になる。
【0014】
(4) 前記レイアウト取得手段は、WebページのDIVタグの位置を取得し、前記広告選択手段は、拡大、あるいは縮小された表示領域内における前記DIVタグによって規定された複数の分割ページ領域において、前記中心位置からの距離が近い前記分割ページ領域ほど高い優先順位を付与し、当該高い優先順位を付与した前記分割ページ領域内から特徴語を特定し、当該特徴語に関連する広告を選択する(1)又は(2)記載のコンテンツマッチ広告配信装置。
【0015】
(4)によれば、拡大、縮小された表示領域内において、中心位置からDIVタグによって分割された個々の分割ページ領域に優先順位を付与し、高い優先順位の分割ページ領域から特徴語を特定する。これにより、広告を選択するために必要な特徴語を特定するための処理に係る負荷を軽減することが可能になる。
【0016】
(5) Webサーバに通信可能に接続され、当該Webサーバから受信したWebページを表示手段に表示させるコンテンツマッチ広告配信装置が実行する広告の表示方法であって、前記Webサーバから、広告を含むWebページを受信するWebページ受信ステップと、前記Webページにおける各種情報のレイアウトを、前記Webページ全体の座標系で取得するレイアウト取得ステップと、ユーザによって操作される操作手段から前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小させる操作を受け付ける受付ステップと、当該受付ステップが受け付けた前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小する操作に基づいて、拡大、あるいは縮小される表示領域及びその中心位置を前記Webページ全体の座標系で特定する表示領域特定ステップと、前記表示領域に表示される情報のうち前記中心位置の略近傍の特徴語を抽出し、当該特徴語に関連する広告を選択する広告選択ステップと、当該広告選択ステップによって選択された広告を前記表示手段に表示させる広告表示制御ステップとを備える方法。
【0017】
(5)によれば、(1)に係る発明と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、端末に表示されている一部分のWebページのコンテンツにマッチする広告を選択して表示できるので、ユーザの興味によりマッチした広告を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツマッチ広告配信装置1の機能概要を示す図である。
【図2】コンテンツマッチ広告配信装置1の構成及び拡大表示した場合の表示例を示す説明図である。
【図3】図2に示すコンテンツマッチ広告配信装置1に表示されるWebページの座標系を示す説明図である。
【図4】本実施形態に係るコンテンツマッチ広告配信装置1において、広告表示をする際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4の広告表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】コンテンツマッチ広告配信装置1における他の特徴語を選択する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
[機能構成]
図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツマッチ広告配信装置1の機能概要を示す図である。コンテンツマッチ広告配信装置1は、Webサーバ5とネットワークを介して接続され、Webサーバ5から受信するWebページを、画面表示することができる端末である。
【0022】
本実施形態は、コンピュータ(コンテンツマッチ広告配信装置1)及びその周辺装置に適用される。本実施形態における各部は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに当該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成される。
【0023】
上記ハードウェアには、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)の他、記憶部、通信装置、表示装置及び入力装置が含まれる。記憶部としては、例えば、メモリ(RAM:Random Access Memory、ROM:Read Only Memory等)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び光ディスク(CD:Compact Disk、DVD:Digital Versatile Disk等)ドライブが挙げられる。通信装置としては、例えば、各種有線及び無線インターフェース装置が挙げられる。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置としては、例えば、タッチパネル、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)が挙げられる。
【0024】
上記ソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するコンピュータ・プログラムやデータが含まれる。コンピュータ・プログラムやデータは、記憶部により記憶され、制御部により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、通信回線を介して配布されることも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布されることも可能である。
【0025】
コンテンツマッチ広告配信装置1は、図1に示すように、操作者(ユーザ)から直接的な入力を受け付ける操作手段としての操作部11と、このコンテンツマッチ広告配信装置1の機能に関する情報を表示する表示手段としての表示部12と、本実施形態の機能を実行するプログラム(図示省略)等を記憶する記憶部13と、コンテンツマッチ広告配信装置1に係る各機能を統括的に制御する制御部14とを備える。
【0026】
操作部11は、例えば、タッチパネルにより実装される。
【0027】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイにより実装される。
【0028】
記憶部13は、上述の各種プログラムの他に、Webサーバ5から送信されるWebページを表示部12に表示させるためのブラウザアプリケーションを記憶している。
【0029】
制御部14は、ブラウザアプリケーションを実行することにより、Webページ要求部141と、Webページ受信手段としてのWebページ受信部142と、Webページ表示制御部143と、受信手段としての拡大縮小操作受付部145と、拡大縮小表示制御部146と、を備える。更に、制御部14は、ブラウザアプリケーションが、Webサーバ5から受信したWebページに組み込まれているスクリプトプログラムを適宜、解釈実行することにより、レイアウト取得手段としてのレイアウト取得部144と、表示領域特定手段としての表示領域特定部147と、広告選択手段としての広告選択部148と、広告表示制御手段としての広告表示制御部149と、を備える。
【0030】
Webページ要求部141は、Webサーバ5に、操作部11の操作によって指定されたWebページの送信を要求する。
【0031】
Webページ受信部142は、Webページ要求部141からの要求に応じてWebサーバ5から送信されたWebページを受信して、記憶部13に記憶、展開する。
【0032】
Webページ表示制御部143は、記憶部13に記憶されたWebページを解析し、表示部12に表示させる制御を行う。
【0033】
レイアウト取得部144は、Webページに表示されるテキスト情報に含まれる特徴語の配置を取得する。具体的に、レイアウト取得部144は、Webページ全体の座標系における特徴語の座標を取得する。
【0034】
拡大縮小操作受付部145は、操作部11からWebページの表示を拡大、あるいは縮小させる操作を受け付ける。また、拡大縮小操作受付部145は、操作部11から拡大、あるいは縮小させる操作を受け付けた場合に、制御部14を表示領域特定部147、広告選択部148及び広告表示制御部149として機能させるWebページに組み込まれているスクリプトプログラムを解釈、実行する。
【0035】
拡大縮小表示制御部146は、拡大縮小操作受付部145が受け付けた操作部11の操作に基づいて、Webページを拡大、あるいは縮小する処理を行い、表示部12に表示させる。
【0036】
表示領域特定部147は、拡大縮小操作受付部145が受け付けたWebページの表示を拡大、あるいは縮小する操作に基づいて、表示部12の表示領域に適合するように、拡大、あるいは縮小されるWebページの領域及びその中心位置をWebページ全体の座標系で特定する。
【0037】
広告選択部148は、Webページにおいて拡大、あるいは縮小される領域に表示される情報のうち、表示領域特定部147で特定した中心位置あるいはその近傍に位置する特徴語を抽出し、この特徴語に関連する広告を選択する。
【0038】
広告表示制御部149は、広告選択部148によって選択された広告を表示部12に表示させる。例えば、広告選択部148によって選択された広告が表示部12の下部に表示させる。
【0039】
Webサーバ5は、スクリプトDB51と、広告DB52と、ページDB53とを備える。
【0040】
スクリプトDB51は、Webページに組み込むスクリプトプログラムを記憶している。広告DB52は、Webページに表示させる各種の広告を記憶している。ページDB53は、Webページの本文情報を記憶している。
【0041】
Webサーバ5は、Webサーバ5がネットワークを介してコンテンツマッチ広告配信装置1から、Webページ要求を受信した場合に、スクリプトDB51と、広告DB52と、ページDB53とから、Webページを作成するために必要な情報を読み出して、Webページ要求に応じたWebページを作成し、コンテンツマッチ広告配信装置1に送信する。
【0042】
図2は、コンテンツマッチ広告配信装置1の構成及び拡大表示した場合の表示例を示す説明図、図3は、図2に示すコンテンツマッチ広告配信装置1に表示されるWebページの座標系を示す説明図である。
【0043】
図2に示すように、コンテンツマッチ広告配信装置1は、筐体3に、操作部11、表示部12、更に、記憶部13(図1参照)となる回路基板や制御部14(図1参照)を構成する回路基板等を組み込むことによって構成されている。ここで、本実施形態においては、操作部11として、例えば、静電容量式のタッチパネルが採用され、表示部12として液晶パネルが採用されており、表示部12上に操作部11が配置されている。操作部11は透過性を有する材料によって構成されているため、表示部12の表示画像100は、操作部11を介してユーザに視認可能である。また、表示部12の下部の領域に広告画像110が表示される。
【0044】
Webページを拡大あるいは縮小表示する場合には、ユーザが、ユーザの2本の指先を操作部11に接触させながら広げたり狭めたりする操作を行う。この操作が行われた場合に、制御部14は、操作部11におけるユーザの2本の指先の接触位置に対応する、Webページの全体座標系の座標を求める。更に、制御部14は、ユーザの2本の指先の移動方向及び移動量を検知する。そして、制御部14は、2本の指先の移動方向が広がる方向であれば、2本の指先の移動量に応じて、Webページを拡大表示させ、2本の指先の移動方向が狭まる方向であれば、2本の指先の移動量に応じて、Webページを縮小表示させる。このとき、制御部14は、2本の指先の中間点の座標を算出し、この中間点が拡大、縮小したWebページの中心位置になるように、表示部12に表示される拡大、縮小後のWebページの表示領域102を決定する。そして、制御部14は、表示領域102が表示部12全体に表示されるように、Webページの拡大、縮小及び移動を行う。
【0045】
例えば、図2(a)に示す通常の表示状態において、「△△」の部分を挟むようにユーザが2本の指先を操作部11に接触させ、2本の指先を広げていくことにより、図2(b)に示すように、「△△」の部分を中心にWebページが拡大表示される。逆に、図2(b)に示す通常の表示状態において、「△△」の部分を挟むようにユーザが2本の指先を広げた状態で操作部11に接触させ、「△△」の部分に向かって2本の指先を狭めていくことにより、図2(a)に示すように、「△△」の部分を中心にWebページが縮小表示される。
【0046】
次に、特徴語の抽出方法について説明する。
まず、Webサーバ5からWebページを受信したWebページを表示部12に表示した後、レイアウト取得部144は、記憶部13に展開されているWebページのテキスト情報から、記憶部13に予め導入されている辞書に含まれている語句を特徴語として抽出する。更に、レイアウト取得部144は、抽出した特徴語と当該特徴語のWebページの全体座標系における座標とを関連付けて記憶部13に一時記憶する。ここで、本実施形態におけるWebページの全体座標系は、Webページの左側上端を原点し、横軸をx軸、縦軸をy軸とする直交座標系であり、特徴語と特徴語の表示範囲に対応するxy座標とが関連付けられる。
【0047】
次に、ユーザが操作部11を操作して、Webページを拡大表示した際に、表示領域特定部147が、拡大表示しているWebページの表示領域の中心位置(xt、yt)をWebページの全体座標系における座標によって特定する。
【0048】
次に、広告選択部148が、拡大表示しているWebページの表示領域を、中心位置(xt、yt)を中心とする複数の同心円によって領域分けする。本実施形態においては、拡大表示しているWebページの表示領域が、3つの同心円によって領域分けされており、中止位置(xt、yt)を含む第1領域104a、第1領域104aの1つ外側の円環状の第2領域104b、第2領域104bの1つ外側の円環状の第3領域104c、第3領域104cの1つ外側の第4領域104dに分けられる。
【0049】
また、広告選択部148は、特定した範囲内に属する座標の特徴語を記憶部13から呼び出し、特徴語に対して中心位置(xt、yt)から近い順に優先順位を付ける。例えば、特徴語が第1領域104aに配置されている場合には、特徴語に「3」の重み付けを行い、特徴語が第2領域104bに配置されている場合には、特徴語に「2」の重み付けを行い、特徴語が第3領域104cに配置されている場合には、特徴語に「1」の重み付けを行い、特徴語が第4領域104dに配置されている場合には、特徴語に重み付けを行わない。そして、高い重み付けが行われた特徴語の優先順位を高くする。ここで、特徴語が複数の領域にまたがっている場合には、より中心に近い領域の重み付け値を採用する。
【0050】
そして、広告選択部148は、優先順位が高い特徴語に関連した広告を、Webサーバ5から取得しているか否かを判定する。取得していると判断した場合には、その広告を表示部12に表示させる広告として選択する。ここで、取得していると判断した広告が複数ある場合には、特徴語にのみ適合する広告を優先的に選択する。取得していると判断しない場合には、次に優先順位が高い特徴語に関連した広告を、Webサーバ5から取得しているか否かを判定する。
【0051】
このようにして広告選択部148が選択した広告が、表示部12の下部に表示される。
【0052】
図3に示す例においては、図3(a)の二点鎖線で囲まれたWebページの領域が拡大されて、図3(b)に示す表示になった場合、「新型△△」という特徴語のみが第1領域104aに属している。このため、「新型△△」という特徴語に関連した広告が選択される。本実施形態によれば、「新型△△」は新車の名前であることから、「新型△△」を製造している自動車メーカーの広告画像110が表示部12に表示される。
【0053】
[フローチャート]
続いて、コンテンツマッチ広告配信装置1における処理の流れについて、図4、図5を参照しながら説明する。
【0054】
図4は、本実施形態に係るコンテンツマッチ広告配信装置1において、広告表示をする際の処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
ステップS10において、制御部14(Webページ要求部141)は、Webページ要求処理を行う。この処理において、制御部14は、Webページ要求をWebサーバ5に送信する。
【0056】
Webサーバ5は、コンテンツマッチ広告配信装置1からのWebページ要求を受信すると、ページDB53から本文情報を読み出し、広告DB52から広告情報を読み出し、スクリプトDB51から広告表示に必要なスクリプトを読み出して、コンテンツマッチ広告配信装置1から要求されたWebページを生成する。そして、Webサーバ5は、生成したWebページをコンテンツマッチ広告配信装置1に送信する。
【0057】
ステップS20において、制御部14(Webページ受信部142)は、Webページ受信処理を行う。この処理において、制御部14は、Webサーバ5から送信されるWebページを受信し、このWebページを記憶部13に記憶、展開する処理を行う。
【0058】
ステップS30において、制御部14(Webページ表示制御部143)は、Webページ解析処理を行う。この処理において、制御部14は、Webページを構成するhtmlコードやスクリプト等を解析する処理を行う。また、制御部14は、ステップS50のレイアウト取得を実行させるスクリプトを記憶部13から読み出し、当該スクリプトを実行させる。
【0059】
ステップS40において、制御部14(Webページ表示制御部143)は、Webページ表示処理を行う。この処理において、制御部14は、ステップS30における解析結果に基づいて、Webページを表示部12に表示する処理を行う。
【0060】
ステップS50において、制御部14(レイアウト取得部144)は、レイアウト取得処理を行う。この処理において、制御部14は、表示部12に表示されているWebページにおけるテキスト情報に含まれる特徴語の配置を取得する。具体的に、レイアウト取得部144は、Webページ全体の座標系における、特徴語の座標を取得する。
【0061】
ステップS60において、制御部14(拡大縮小操作受付部145)は、操作受付処理を行う。この処理において、制御部14は、操作部11の操作を受け付け、操作内容を解析する。ここで、制御部14は、操作部11の操作が拡大縮小を要求する操作である場合には、ステップS80の広告表示を実行させるためのスクリプトを記憶部13から読み出し、当該スクリプトを実行させる。
【0062】
ステップS70において、制御部14(拡大縮小表示制御部146)は、拡大縮小表示得処理を行う。この処理において、制御部14は、表示部12に表示されているWebページを、拡大縮小操作受付部145が受け付けた操作部11の操作に基づいて、拡大、あるいは縮小させる。
【0063】
ステップS80において、制御部14は、広告表示処理を行う。この処理の詳細については、次に、図5を用いて、次に説明する。ステップS80の処理が終了した場合には、ステップS60に処理を移す。
【0064】
図5は、図4の広告表示処理の流れを示すフローチャートである。この広告表示処理は、図4に示すステップS80の処理において実行されるサブルーチンである。
【0065】
ステップS100において、制御部14(表示領域特定部147)は、表示領域特定処理を行う。この処理において、制御部14は、Webページ全体の中で、拡大、あるいは縮小表示する領域を及びその中心位置をWebページ全体の座標系によって特定する。
【0066】
ステップS110において、制御部14(広告選択部148)は、広告選択処理を行う。この処理において、制御部14は、ステップS100において特定した表示領域に含まれている特徴語の中から、当該表示領域の中心位置に近い特徴語を抽出し、抽出した特徴語に関連した広告を、Webサーバ5から受信した広告の中から選択する。
【0067】
ステップS120において、制御部14(広告表示制御部149)は、ステップS100において選択した広告を、拡大縮小したWebページに重ねて表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0068】
以上、説明したように本実施形態によれば、表示部12に表示しているWebページを拡大、あるいは縮小する場合に、拡大、あるいは縮小するWebページの領域に含まれる特徴語に関連する広告を選択して表示部12に表示する。ここで、ユーザが拡大表示させる部分は、Webページの中でもユーザが興味を持ったコンテンツ部分である場合が多く、特に、拡大表示領域の中心位置付近には、ユーザが興味を持ったコンテンツの特徴語が含まれている可能性が高い。このため、拡大表示したコンテンツと広告とのマッチ精度をより高くすることが可能になる。
【0069】
また本実施形態によれば、操作部11がタッチパネルであり、操作部11にユーザの2本の指先を接触させながら広げたり狭めたりする指先操作(所謂、ピンチイン、ピンチアウト)を受け付け、Webページを拡大、縮小する。この時、拡大縮小させるWebページの領域の中心に近い特徴語に関連する広告が優先して選択されるため、ユーザが興味を持ったコンテンツにマッチした広告をより確実に表示させることが可能になる。
【0070】
また本実施形態によれば、レイアウト取得部144が、Webページの特徴語の位置を取得し、広告選択部148が、Webページの特徴語に対し、拡大縮小したWebページの領域の中心位置からの距離が近い特徴語ほど高い優先順位を付与し、高い優先順位を付与した特徴語に関連する広告を選択する。これにより、拡大、あるいは縮小後のWebページの領域の中心に対する特徴語の位置を精度よく求めることが可能になり、ユーザが興味を持ったコンテンツにマッチした広告をより確実に表示させることが可能になる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態によれば、レイアウト取得部144は、Webページの特徴語の位置を取得しているが、それに限らず、レイアウト取得部144は、WebページのDIVタグの位置を取得し、広告選択部148は、拡大、あるいは縮小されたWebページの領域内におけるDIVタグによって規定された複数の分割ページ領域において、中心位置からの距離が近い前記分割ページ領域ほど高い優先順位を付与し、当該高い優先順位を付与した分割ページ領域内から特徴語を特定し、当該特徴語に関連する広告を選択するようにしてもよい。
【0072】
具体的に説明すると、Webページを構成するhtml文書に組み込まれているDIVタグによって、図6(a)に示すように、Webページが第1〜第5分割ページ領域(以下、div#1〜div#5と称する)の5つに分けられているとする。このようなWebページが表示された場合に、レイアウト取得部144は、Webページの中心位置とともに、div#1〜div#5の位置を取得する。この時、div#1〜div#5の位置は、Webページ全体の座標系によって表される。言い換えれば、レイアウト取得部144は、表示部12に表示されるWebページにおいて、div#1〜div#5がそれぞれ占める領域をWebページ全体の座標系によって特定する。
【0073】
次に、ユーザが操作部11を操作することにより、このWebページにおいてdiv#1、div#3及びdiv#4を含む二点鎖線の領域が、図6(b)に示すように拡大表示されたとする。この場合、広告選択部148は、div#1、div#3及びdiv#4に対して重み付け値を付与する。
【0074】
例えば、図6(b)に示す表示例において、div#1は第2、第3及び第4領域(104b、104c、104d)にまたがっているため、div#1にはこれらの領域に付与されている重み付け値の総和である「3」が重み付け値として付与される。同様に、div#3は第1〜第4領域(104a、104b、104c、104d)にまたがっているため、div#3には「6」が重み付け値として付与される。div#4は第2、第3及び第4領域(104b、104c、104d)にまたがっているため、div#4には「3」が重み付け値として付与される。このため、div#3が最も優先順位が高くなる。広告選択部148は、div#3に含まれる特徴語において、最も中心位置に近い「△○」を特徴語として抽出する。そして、広告選択部148は、「△○」という特徴語に関連する広告を選択する。図6(b)に示す表示例においては、「△○」がプロ野球選手の名前であることから、表示部12には、プロ野球を中継するラジオ局の広告画像110が表示部12に表示される。このように、広告選択部148は、中心位置に近い分割ページ領域ほど高い優先順位を付与し、高い優先順位を付与した分割ページ領域内から特徴語を特定し、特徴語に関連する広告を選択する中心位置からの距離が近い分割ページ領域ほど高い優先順位に設定し、分割ページ領域に含まれる特徴語において、中心位置に近い特徴語を抽出する。
【0075】
なお、上述した実施形態によれば、div#1、div#3及びdiv#4に対する重み付けを、図3(b)に示す同心円状の第1〜第4領域のいずれにまたがっているかによって付与していたが、それに限らず、第1〜第4領域は矩形領域であってもよい。
【0076】
このように構成することにより、中心位置との距離を求める特徴語の数を減らすことができるため、広告を選択するために必要な特徴語を特定するための処理負荷を軽減することが可能になる。
【0077】
また、上述した実施形態によれば、ユーザが2本の指先をタッチパネルに接触させながら広げたり狭めたりする指先操作(所謂、ピンチイン、ピンチアウト)によって、拡大縮小表示を行っているが、本発明は、それに限らず、ユーザが指先でタッチパネルを軽く2度叩く操作(所謂、ダブルタップ)を行うことにより、拡大縮小表示を行う場合においても適用可能である。この場合、2度叩いた位置が中心位置となる。
【0078】
また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0079】
本実施形態では、コンテンツマッチ広告配信装置1というコンピュータを例にとって説明したが、本発明はコンピュータに限られるものではなく、コンピュータが各種機能を実行する方法、コンピュータに各種機能を実行させるためのプログラム及びこのプログラムを記憶した記憶媒体にも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 コンテンツマッチ広告配信装置
3 筐体
5 Webサーバ
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 制御部
141 Webページ要求部
142 Webページ受信部
143 Webページ表示制御部
144 レイアウト取得部
145 拡大縮小操作受付部
146 拡大縮小表示制御部
147 表示領域特定部
148 広告選択部
149 広告表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサーバに通信可能に接続されるコンテンツマッチ広告配信装置であって、
前記Webサーバから、広告を含むWebページを受信するWebページ受信手段と、
前記Webページ受信手段が受信した前記Webページを表示する表示手段と、
前記Webページにおける各種情報のレイアウトを、前記Webページ全体の座標系で取得するレイアウト取得手段と、
ユーザによって操作される操作手段と、
当該操作手段から前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小させる操作を受け付ける受付手段と、
当該受付手段が受け付けた前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小する操作に基づいて、拡大、あるいは縮小される表示領域及びその中心位置を前記Webページ全体の座標系で特定する表示領域特定手段と、
前記表示領域に表示される情報のうち前記中心位置の略近傍の特徴語を抽出し、当該特徴語に関連する広告を選択する広告選択手段と、
当該広告選択手段によって選択された広告を前記表示手段に表示させる広告表示制御手段とを備えるコンテンツマッチ広告配信装置。
【請求項2】
前記操作手段は、前記表示手段上に設けられ、ユーザによって操作されるタッチパネルからなり、
前記受付手段は、前記タッチパネルにユーザの2本の指先を接触させながら広げたり狭めたりする指先操作を受け付け、
前記表示領域特定手段は、Webページの全体座標系におけるユーザの2本の指先の位置に基づいて前記中心位置を取得して、前記表示領域を特定する請求項1記載のコンテンツマッチ広告配信装置。
【請求項3】
前記レイアウト取得手段は、Webページの特徴語の位置を取得し、
前記広告選択手段は、前記Webページの特徴語に対し、前記中心位置からの距離が近い特徴語ほど高い優先順位を付与し、当該高い優先順位を付与した特徴語に関連する広告を選択する請求項1又は2記載のコンテンツマッチ広告配信装置。
【請求項4】
前記レイアウト取得手段は、WebページのDIVタグの位置を取得し、
前記広告選択手段は、拡大、あるいは縮小された表示領域内における前記DIVタグによって規定された複数の分割ページ領域において、前記中心位置に近い前記分割ページ領域ほど高い優先順位を付与し、当該高い優先順位を付与した前記分割ページ領域内から特徴語を特定し、当該特徴語に関連する広告を選択する請求項1又は2記載のコンテンツマッチ広告配信装置。
【請求項5】
Webサーバに通信可能に接続され、当該Webサーバから受信したWebページを表示手段に表示させるコンテンツマッチ広告配信装置が実行する広告の表示方法であって、
前記Webサーバから、広告を含むWebページを受信するWebページ受信ステップと、
前記Webページにおける各種情報のレイアウトを、前記Webページ全体の座標系で取得するレイアウト取得ステップと、
ユーザによって操作される操作手段から前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小させる操作を受け付ける受付ステップと、
当該受付ステップが受け付けた前記Webページの表示を拡大、あるいは縮小する操作に基づいて、拡大、あるいは縮小される表示領域及びその中心位置を前記Webページ全体の座標系で特定する表示領域特定ステップと、
前記表示領域に表示される情報のうち前記中心位置の略近傍の特徴語を抽出し、当該特徴語に関連する広告を選択する広告選択ステップと、
当該広告選択ステップによって選択された広告を前記表示手段に表示させる広告表示制御ステップとを備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−11991(P2013−11991A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143463(P2011−143463)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】