説明

コンテンツ再生システム、制御装置及び再生装置

【課題】制御装置と再生装置との間の通信量の増大を抑えつつ、再生装置でコンテンツの連続再生を実現する。
【解決手段】制御装置である無線通信端末は、コンテンツの属性を示す属性情報に基づいて、コンテンツ再生装置と共有するソート情報が示す規則に従って、コンテンツ再生装置に再生させる複数のコンテンツを再生順に列挙した第1再生リストを生成する(S1〜S6)。無線通信端末は、第1再生リストを用いて先頭再生コンテンツを指定する操作及び再生順を変更する操作を受け付け(S7,S8)、それらの内容を指定して再生指示を送信する(S9)。コンテンツ再生装置は、再生指示とコンテンツの属性を示す属性情報とに基づいて、ソート情報が示す規則に従ってコンテンツを再生順に列挙した第2再生リストを生成し(S10〜S12)、先頭再生コンテンツから開始して第2再生リストに従った再生順でコンテンツを順次再生する(S13〜S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを連続再生するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツサーバから取得したコンテンツを再生する再生装置と、その再生装置の動作を制御する制御装置(コントローラ)とを備えたコンテンツの再生システムが知られている。例えば、特許文献1は、コントローラがコンテンツを再生順に列挙したプレイリストを作成し、そのプレイリストに従った再生順で複数のコンテンツを連続して再生装置に再生させることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−287196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示する技術では、再生装置でコンテンツの再生が完了するたびに、コントローラが次に再生するコンテンツを予約するための次再生予約を再生装置に送信する。この技術では、コントローラと再生装置との間で次再生予約などによる通信量が増大することがあるし、例えばコンテンツの連続再生中にコントローラの電源が切られてしまうと、その連続再生が中断してしまう。
本発明の目的は、制御装置と再生装置との間の通信量の増大を抑えつつ、再生装置でコンテンツの連続再生を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明に係るコンテンツ再生システムは、蓄積装置に蓄積されたコンテンツを取得して再生する再生装置と、前記再生装置を通信により制御する制御装置とを備えるコンテンツ再生システムであって、前記制御装置は、前記再生装置により再生される対象であるコンテンツの属性を示す属性情報を取得する第1属性情報取得手段と、前記再生装置により再生される複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う規則を示す規則情報を取得する第1規則取得手段と、前記第1属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記第1規則取得手段が取得した規則情報が示す規則に従って前記複数のコンテンツを再生順に列挙した第1再生リストを生成する第1再生リスト生成手段と、前記第1再生リスト生成手段が生成した第1再生リストを用いて、最初に再生させるコンテンツを指定する操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記最初に再生するコンテンツを指定して、前記複数のコンテンツの再生指示を送信する再生指示送信手段とを有し、前記再生装置は、前記第1規則取得手段が取得したものと共通する規則を示す前記規則情報を取得する第2規則取得手段と、前記再生指示送信手段が送信した再生指示を取得する再生指示取得手段と、前記再生指示取得手段が取得した再生指示に応じて再生する対象であるコンテンツの属性を示す属性情報を取得する第2属性情報取得手段と、前記第2属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、指定された前記最初に再生するコンテンツから開始して、前記第2規則取得手段が取得した規則情報が示す規則に従った再生順で、前記複数のコンテンツを順次取得して再生する再生手段とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の好ましい態様において、前記再生装置は、前記第2属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記複数のコンテンツを前記共通する規則に従って再生順に列挙した第2再生リストを生成する第2再生リスト生成手段を備え、前記再生手段が、前記最初に再生するコンテンツから開始して、前記第2再生リスト生成手段が生成した第2再生リストに従った再生順で、前記複数のコンテンツを順次取得して再生する。
本発明の別の好ましい態様において、前記受付手段は、前記最初に再生させるコンテンツのほか、前記再生順を変更する変更指示を受け付け、前記第1再生リスト生成手段は、前記変更指示の内容を反映させて前記第1再生リストを生成し、前記再生指示送信手段は、前記最初に再生させるコンテンツのほか、前記変更指示の内容を指定して前記再生指示を送信し、前記再生手段は、前記再生指示で指定される前記変更指示の内容を反映させた再生順で前記複数のコンテンツを順次再生することを特徴とする。
【0007】
本発明の制御装置は、蓄積装置に蓄積されたコンテンツを取得して再生する再生装置を通信により制御する制御装置であって、前記再生装置により再生される対象であるコンテンツの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記再生装置により再生される複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う、自装置と当該再生装置とで共通する規則を示し、両装置で共有される規則情報を取得する規則取得手段と、前記属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記規則取得手段が取得した規則情報が示す規則に従って前記複数のコンテンツを再生順に列挙した再生リストを生成する再生リスト生成手段と、前記再生リスト生成手段が生成した再生リストを用いて、最初に再生させるコンテンツを指定する操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記最初に再生するコンテンツを指定して、前記複数のコンテンツの再生指示を送信する再生指示送信手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の再生装置は、制御装置によって通信により制御され、蓄積装置に蓄積されたコンテンツを当該制御に応じて取得して再生する再生装置であって、自装置で再生する複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う自装置と前記制御装置とで共通する規則を示し、両装置で共有される規則情報を取得する規則取得手段と、前記複数のコンテンツを前記共通する規則に従って再生順に列挙した再生リストを用いて最初に再生するコンテンツが前記制御装置で指定されると、当該最初に再生するコンテンツを指定した再生指示を当該制御装置から取得する再生指示取得手段と、前記再生指示取得手段が取得した再生指示に応じて、再生する対象であるコンテンツの属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記複数のコンテンツを前記共通する規則に従って再生順に列挙した再生リストを生成する再生リスト生成手段と、指定された前記最初に再生するコンテンツから開始して、前記再生リスト生成手段が生成した再生リストに従った再生順で、前記複数のコンテンツを順次取得して再生する再生手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、制御装置と再生装置との間の通信量の増大を抑えつつ、再生装置でコンテンツの連続再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コンテンツ再生システムの概略構成を示す図
【図2】無線通信端末の構成を示すブロック図
【図3】コンテンツ再生装置の構成を示すブロック図
【図4】コンテンツサーバの構成を示すブロック図
【図5】コンテンツサーバでのコンテンツの管理構造を説明する図
【図6】第1再生リストの構造の一例を示す図
【図7】第2再生リストの構造の一例を示す図
【図8】無線通信端末の制御部が実現する機能的構成を示す機能ブロック図
【図9】コンテンツ再生装置の制御部が実現する機能的構成を示す機能ブロック図
【図10】コンテンツ再生システムにおける処理の流れを示すシーケンスチャート
【図11】第1及び第2再生リストの構造の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は、コンテンツ再生システム1の概略構成を示す図である。コンテンツ再生システム1は、ここでは、家庭内のパーソナルコンピュータやAV(Audio Visual)機器を相互に接続するためのプロトコルであるUPnP(Universal Plug and Play)に基づくネットワークAVシステムである。コンテンツ再生システム1は、無線通信端末10と、コンテンツ再生装置20とを備える。無線通信端末10は、コントロールポイントとも呼ばれる制御装置であり、ここではスマートフォンである。コンテンツ再生装置20は、メディアレンダラとも呼ばれる再生装置であり、ここではオーディオプレーヤである。
【0012】
コンテンツサーバ30は、メディアサーバとも呼ばれ、コンテンツを蓄積する蓄積装置として機能し、コンテンツ再生装置20からの要求に応じたコンテンツをストリーミング形式によって送信する。コンテンツサーバ30が蓄積するコンテンツは、ここでは楽曲に関するものである。コンテンツ再生装置20は、無線通信端末10と無線通信する一方、通信ネットワーク90に接続してコンテンツサーバ30と通信する。コンテンツ再生装置20は、無線通信を用いた無線通信端末10による制御の下で、コンテンツサーバ30との通信により、コンテンツサーバ30からコンテンツを取得して再生する。
なお、本実施形態では、無線通信端末10、コンテンツ再生装置20及びコンテンツサーバ30をそれぞれ1つずつとするが、複数存在していてもよい。
【0013】
図2は、無線通信端末10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、無線通信端末10は、制御部11と、UI(User Interface)部12と、無線通信部13と、音声入出力部14と、記憶部15とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備える制御手段である。演算装置は、メモリや記憶部15に記憶されたプログラムを実行することにより、無線通信端末10の動作を制御する。UI部12は、タッチパネルを備え、ユーザからの操作を受け付ける操作手段と、画像により情報を報知する表示手段としての機能を兼ね備えるものである。無線通信部13は、無線通信回路やアンテナを備え、コンテンツ再生装置20に接続するためのインタフェースである。音声入出力部14は、受話音声などを収音するマイクロホンや送話音声などを放音するスピーカを備え、無線通信端末10における音声の入出力に関する機能を実現する。
【0014】
記憶部15は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)を備え、制御部11が用いる各種のプログラムを記憶する。記憶部15は、更に、第1再生リスト151を記憶することがある。第1再生リスト151は、コンテンツ再生装置20に連続再生させる複数のコンテンツを再生順に列挙しリスト化したものである。第1再生リスト151は、例えば図8に示されるデータ構造を有する。図8において、「1」や「2」のように各行の冒頭の数字が再生順を示し、それに後続する「A1」や「A2」が再生対象であるコンテンツを識別するコンテンツ識別子である。第1再生リスト151に関する構成について詳しくは後述する。
なお、この実施形態で、連続再生とは、複数のコンテンツを1つずつ続けて再生することをいう。
【0015】
図3は、コンテンツ再生装置20の構成を示すブロック図である。図3に示すように、コンテンツ再生装置20は、制御部21と、無線通信部22と、ネットワーク通信部23と、スピーカ24と、記憶部25と、表示部26とを備える。
制御部21は、CPUを含む演算装置やメモリを備える制御手段である。演算装置は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、コンテンツ再生装置20の動作を制御する。無線通信部22は、無線通信回路やアンテナを備え、無線通信端末10に接続するためのインタフェースである。ネットワーク通信部23は、通信ネットワーク90に接続するためのインタフェースである。スピーカ24は、制御部21から供給される楽音信号に応じて放音する放音部である。表示部26は、例えばFL(Fluorescent Lamp)ディスプレイであり、再生中のコンテンツに関する情報などを表示する。
【0016】
記憶部25は、例えばハードディスク装置を備え、制御部21が動作するためのプログラムやソート情報251を記憶する。ソート情報251は、本発明の規則情報に相当し、コンテンツ再生装置20で連続再生する複数のコンテンツの再生順を決定する際に従うべき規則を表す。具体的には、ソート情報251は、複数のコンテンツ(ここでは、楽曲)の集合からなる音楽アルバムやいわゆるプレイリストなどのコンテンツ群(以下、「アルバム等」と総称することがある。)について、デフォルトでどのような再生順とするかを規定するものである。ソート情報251は、例えば、音楽アルバムであれば、トラック番号が昇順となるように並べた(ソートした)再生順とすることを規定し、プレイリストであれば、再生順を変更しないで(ソートしないで)、コンテンツサーバ30等であらかじめ決定された再生順に従うことを規定する。
【0017】
また、ソート情報251は、複数のアルバム等に跨ってコンテンツの連続再生を実現する場合において、そのアルバム等単位での再生順を決定する際に従うべき規則を表すものでもある。ソート情報251は、例えば、或るアーティスト(歌手)に関する複数のアルバム等について、アルバム等の名称(タイトル)が、例えばアルファベット順又は50音順となる再生順とすることを規定する。
【0018】
記憶部25は、更に、第2再生リスト252を記憶することがある。第2再生リスト252は、コンテンツ再生装置20で連続再生する複数のコンテンツを、ソート情報251が示す規則に従って再生順に列挙しリスト化したものである。第2再生リスト252は、例えば図9に示されるデータ構造を有する。第2再生リスト252のデータ構造は、基本的に第1再生リストのそれと共通する。第2再生リスト252に関する構成について詳しくは後述する。
【0019】
図4は、コンテンツサーバ30の構成を示すブロック図である。図4に示すように、コンテンツサーバ30は、制御部31と、ネットワーク通信部32と、記憶部33とを備える。
制御部31は、CPUを含む演算装置やメモリを備える制御手段である。演算装置は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、コンテンツサーバ30の動作を制御する。ネットワーク通信部32は、通信ネットワーク90に接続するためのインタフェースである。記憶部33は、例えばハードディスク装置を備え、制御部31が動作するためのプログラムを記憶する一方、コンテンツDB(Data Base)331及び属性情報DB332を有している。コンテンツDB331は、コンテンツサーバ30が提供するコンテンツを蓄積するデータベースである。属性情報DB332は、コンテンツDB331に蓄積された各コンテンツの属性を示す属性情報を蓄積するデータベースである。属性情報は、例えば、アーティストの名称などを含み各アーティストを識別するアーティスト識別子や、アルバム等の名称などを含み各アルバム等を識別するアルバム等識別子、コンテンツの名称などを含み各コンテンツを識別するコンテンツ識別子、アルバム等内でのデフォルトでの再生順(例えば、音楽アルバムにおけるトラック番号)、アルバム等を構成するコンテンツの総数、著作権保護情報、コンテンツDB331における各コンテンツの所在を示すアドレス情報(例えば、URI;Uniform Resource Identifier)を含む。属性情報は、ソート情報251に従ってコンテンツを連続再生するときの再生順を決定するために必要な情報を含んでいる。
【0020】
図5は、コンテンツサーバ30でのコンテンツの管理構造を説明する図である。コンテンツサーバ30では属性情報が示す属性に基づいて、図5に示す階層構造に従って各コンテンツが管理される。図5において、各ブロックに示すアルファベット、又はアルファベットと数値の組み合わせは、アーティスト識別子(「アーティスト」と示した階層)、アルバム等識別子(「アルバム等」と示した階層)、コンテンツ識別子(「コンテンツ」と示した階層)を表す。
図5に示すように、コンテンツサーバ30に蓄積される各コンテンツは、アーティスト単位でグループ化され、更に、各アーティストに関するアルバム等単位でさらに細分化してグループ化されている。このようなグループ化は、属性情報に記述されたアーティスト識別子及びアルバム等識別子から特定可能である。また、アルバム等識別子について、括弧書きで「abm」と記述したものは音楽アルバムに対応することを意味し、括弧書きで「ply」と記述したものはプレイリストに対応することを意味する。また、コンテンツ識別子にあって、符号の末尾の数値はアルバム等内でのデフォルトでの再生順を表し、特に、音楽アルバムについてはトラック番号に対応している。
【0021】
図6は、無線通信端末10の制御部11が実現する機能的構成を示す機能ブロック図である。制御部11は、プログラムを実行することにより、属性情報取得部111と、第1規則取得部112と、第1再生リスト生成部113と、受付部114と、送信制御部115とに相当する機能を実現する。
属性情報取得部111は、本発明の第1属性情報取得手段(属性情報取得手段)に相当し、コンテンツ再生装置20により再生される対象であるコンテンツの属性を表す属性情報を取得する。ここでは、属性情報取得部111は、ユーザによりUI部12が操作されることで指定された再生対象のコンテンツについて属性情報を取得する。属性情報取得部111は、例えば、再生対象のコンテンツに関するアーティストを指定するものであったり、アルバム等を指定したりするものなどのように、連続再生の対象とするコンテンツの範囲が指定されると、それらのコンテンツの属性を示す属性情報を取得する。
【0022】
第1規則取得部112は、本発明の第1規則取得手段(規則取得手段)に相当し、コンテンツ再生装置20に連続再生させる複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う規則を示す情報を取得する。ここでは、第1規則取得部112は、ソート情報251をコンテンツ再生装置20との通信により無線通信部22によって取得する。
【0023】
第1再生リスト生成部113は、本発明の第1再生リスト生成手段(再生リスト生成手段)に相当し、属性情報取得部111が取得した属性情報に基づいて、第1規則取得部112により取得されたソート情報251が示す規則に従って、再生対象である複数のコンテンツを再生順に列挙した第1再生リスト151を生成する。例えば、図5に示すアーティスト識別子「PQR」のコンテンツを連続再生する場合、第1再生リスト生成部113は、図8に示す内容の第1再生リスト151を生成する。図8に示す内容の第1再生リスト151であれば、第1再生リスト生成部113は、コンテンツ識別子「A1」→「A2」→・・・「A13」→「D1」→「D2」→・・・「D11」→「G1」→・・・「G13」→・・・という再生順で、各コンテンツを連続再生させるための再生リストを生成したことになる。第1再生リスト151は、連続再生における再生順を示す数値と、コンテンツ識別子とを少なくとも含む。このコンテンツ識別子は、各コンテンツを一意に識別する文字列であるが、コンテンツサーバ30におけるコンテンツの所在を示すURIが用いられてもよく、コンテンツを一意に特定できる情報であればよい。
【0024】
受付部114は、本発明の受付手段に相当し、第1再生リスト生成部113により生成された第1再生リスト151を用いて、連続再生の対象である複数のコンテンツのうち最初に再生させるコンテンツ(以下、「先頭再生コンテンツ」という。)を指定する操作を受け付ける。受付部114は、ユーザによりUI部12が操作されることで、いずれか1つのコンテンツを先頭再生コンテンツとする指示を受け付ける。
【0025】
また、受付部114は、第1再生リスト151に記述された再生順を変更する変更指示を受け付ける。第1再生リスト生成部113は、この変更指示が受け付けられた場合には、変更指示の内容を反映させて第1再生リスト151を生成する(つまり、更新する)。この変更指示は、例えば、一のコンテンツと他のコンテンツとの再生順を入れ替えたり、或るコンテンツを再生しないことを指示したりするものである。すなわち、変更指示は、ソート情報251に基づいて決定される再生順でないものに変更することを指示するものである。
【0026】
送信制御部115は、受付部114により受け付けられた先頭再生コンテンツを指定して複数のコンテンツの再生指示を送信させるよう、この再生指示を無線通信部13に供給する。再生指示は、ここでは、先頭再生コンテンツを指定する情報と、連続再生の対象とするコンテンツを指定する情報とを含む。
なお、送信制御部115及び無線通信部13の協働により、本発明の再生指示送信手段に相当する機能が実現される。
【0027】
図7は、コンテンツ再生装置20の制御部21が実現する機能的構成を示す機能ブロック図である。制御部21は、プログラムを実行することにより、第2規則取得部211と、再生指示取得部212と、第2属性情報取得部213と、第2再生リスト生成部214と、再生部215とに相当する機能を実現する。
第2規則取得部211は、本発明の第2規則取得手段(規則取得手段)に相当し、連続再生する複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う規則を示す情報を取得する。ここでは、第2規則取得部211は、ソート情報251を記憶部25から読み出して取得する。すなわち、第2規則取得部211及び上述した第1規則取得部112は、無線通信端末10とコンテンツ再生装置20とで共通の規則を表し、両装置で共有されるソート情報251を取得する。
【0028】
再生指示取得部212は、本発明の再生指示取得手段に相当し、送信制御部115の制御に応じて無線通信部13により送信された再生指示が無線通信部22により受信されると、受信された再生指示を取得する。
第2属性情報取得部213は、本発明の第2属性情報取得手段(属性情報取得手段)に相当し、コンテンツ再生装置20で再生する対象であるコンテンツの属性を表す属性情報を取得する。ここでは、第2属性情報取得部213は、再生指示により指定された再生対象のコンテンツについて属性情報を取得する。
【0029】
第2再生リスト生成部214は、本発明の第2再生リスト生成手段(再生リスト生成手段)に相当し、再生指示取得部212が取得した再生指示と第2属性情報取得部213が取得した属性情報とに基づいて、連続再生の対象である複数のコンテンツを、第2規則取得部211で取得されたソート情報251が示す規則に従って再生順に列挙して、第2再生リスト252を生成する。例えば、図5に示すアーティスト識別子「PQR」のアーティストのコンテンツを連続再生する場合、第2再生リスト生成部214は、図9に示す内容の第2再生リスト252を生成する。また、第2再生リスト生成部214は、必要に応じて、再生指示で指定される変更指示の内容を反映させて第2再生リスト252を更新する。
【0030】
再生部215は、本発明の再生手段に相当し、再生指示取得部212により取得された再生指示に基づいて、先頭再生コンテンツから開始して、第2再生リスト252に従った再生順で、連続再生する複数のコンテンツをコンテンツサーバ30から取得して、
順次再生する。例えば図9に示す内容の第2再生リスト252であれば、再生部215は、コンテンツ識別子「A1」→「A2」→・・・「A13」→「D1」→「D2」→・・・「D11」→「G1」→・・・「G13」→・・・という再生順でコンテンツを連続再生する。再生部215は、連続再生時にあっては、コンテンツサーバ30から取得したコンテンツに応じた楽音信号を生成してスピーカ24に出力し、その楽音信号に応じてスピーカ24に放音させる。
【0031】
図10は、コンテンツ再生システム1における処理の流れを示すシーケンスチャートである。
無線通信端末10のユーザはUI部12を操作して、コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムの起動を指示する。この指示に応じて、制御部11はアプリケーションプログラム読み出して実行し、まず、自端末と無線通信可能なコンテンツ再生装置20を無線通信部13により探索して、UI部12にその一覧を表示する。UI部12がユーザにより操作されていずれかのコンテンツ再生装置20が指定されると、制御部11は、以降、このコンテンツ再生装置20にコンテンツを再生させるものとして、以下の処理ステップを実行する。
【0032】
制御部11は、無線通信部13によってコンテンツ再生装置20宛てにソート情報251の送信を要求する(ステップS1)。コンテンツ再生装置20の制御部21は、無線通信部22によりソート情報251の送信要求を受信すると、ソート情報251を記憶部25から読み出して、無線通信端末10宛てに送信する(ステップS2)。無線通信端末10の制御部11は、無線通信部13によりソート情報251を受信すると、これをメモリ又は記憶部15に記憶させる。
無線通信端末10及びコンテンツ再生装置20の双方は、以降、ソート情報251に従って再生リストを生成する。このステップS1,S2の処理により、無線通信端末10とコンテンツ再生装置20とで、互いに共通する規則に従ってコンテンツの再生順を決定するための取り決めが完了する。
【0033】
次に、制御部11は、連続再生の対象とするコンテンツを指定する操作を受け付ける(ステップS3)。制御部11は、例えばアーティスト単位やアルバム等単位で、再生の対象とするコンテンツを指定する操作をUI部12により受け付ける。ここでは、制御部11は、図5に示されるアーティスト識別子「PQR」のアーティストに関するコンテンツの連続再生の指示を受け付けたとする。
なお、制御部11は、コンテンツ単位で連続再生させる対象の指定を受け付けてもよく、要するに、連続再生の対象とするコンテンツの範囲を特定できる指定を受け付ける。
【0034】
続いて、制御部11は、無線通信部13によってコンテンツサーバ30宛てに再生対象とするコンテンツの属性情報の送信を要求する(ステップS4)。ここでは、制御部11は、ステップS3の処理で再生対象として受け付けたコンテンツに関する属性情報の送信を要求する。コンテンツサーバ30の制御部31は、例えばコンテンツ再生装置20経由で属性情報の送信要求を受信すると、属性情報DB332から対応するものを読み出して、無線通信端末10宛てに送信する(ステップS5)。
【0035】
次に、制御部11は、連続再生の対象とするコンテンツを、ステップS5の処理で取得した属性情報に基づいて、ステップS2の処理で取得したソート情報251が示す規則に従って列挙して、第1再生リスト151を生成する(ステップS6)。ここで、制御部11は、ソート情報251に基づいて、図8に示す内容の第1再生リスト151を生成する。制御部11は、生成した第1再生リスト151を記憶部15に記憶させる。
【0036】
次に、制御部11は、第1再生リスト151によって指定される再生順を変更する変更指示を受け付ける(ステップS7)。ここでは、制御部11は、UI部12の操作により変更指示を受け付けると、その変更指示の内容に従った再生順となるように、第1再生リスト151の内容を更新する。ここで、制御部11は、コンテンツ識別子「A1」のコンテンツを再生しないで、かつ、コンテンツ識別子「D1」と「D2」とのコンテンツの再生順を入れ替えるという再生順の変更指示を受け付けたとする。この場合、制御部11は、この変更指示の内容を反映させ、図11(a)に示す内容となるように第1再生リスト151の内容を更新する。この結果、先頭再生コンテンツはコンテンツ識別子「A1」のコンテンツから「A2」のコンテンツに変更され、コンテンツ識別子「D1」のコンテンツよりも「D2」のコンテンツの方が先になるように再生順が変更される。
【0037】
次に、制御部11は、先頭再生コンテンツを指定する操作をUI部12によって受け付ける(ステップS8)。例えば、制御部11は、記憶部15から読み出した第1再生リスト151の内容をUI部12に表示させて、そのリスト中のいずれかのコンテンツをユーザに指定させる。ここでは、制御部11は、コンテンツ識別子「A2」のコンテンツを指定する操作を受け付けたとする。
そして、制御部11は、ステップS8の処理で受け付けた先頭再生コンテンツを指定した再生指示を、無線通信部13によりコンテンツ再生装置20宛てに送信する(ステップS9)。ここで、制御部11がステップS7の処理で再生順の変更指示を受け付けていた場合には、先頭再生コンテンツのほか、この変更指示の内容を指定した再生指示を送信する。
なお、再生指示は、制御部11がステップS3の処理で受け付けた内容に応じて、アルバム等単位やアーティスト単位、コンテンツ単位で連続再生の対象とするコンテンツを指定する指示を含んでいるが、再生順を指定するための指示を含んでいなくてよい。
以上が、コンテンツの連続再生時において、無線通信端末10で実行される処理の説明である。
【0038】
コンテンツ再生装置20の制御部21は、無線通信部22によって無線通信端末10により送信された再生指示を受信して、これを取得する。そして、制御部21は、ネットワーク通信部23によってコンテンツサーバ30宛てに、再生対象のコンテンツの属性情報送信要求を送信する(ステップS10)。ここでは、制御部21は、ステップS3の処理で再生対象として受け付けたコンテンツに関する属性情報の送信を要求するから、無線通信端末10と同じ属性情報の送信を要求することになる。コンテンツサーバ30の制御部31は、ネットワーク通信部32により属性情報の送信要求を受信すると、属性情報DB332から対応するものを読み出して、コンテンツ再生装置20宛てに送信する(ステップS11)。これにより、制御部21は、コンテンツサーバ30から受信した属性情報を取得する。
【0039】
次に、制御部21は、無線通信端末10から取得した再生指示と、コンテンツサーバ30から取得した属性情報とに基づいて、ソート情報251が示す規則に従ってコンテンツを列挙した第2再生リスト252を生成する(ステップS12)。ここで、制御部21は、ソート情報251が示す規則で連続再生するコンテンツの再生順を決定するとともに、再生指示に再生順の変更指示を示す内容が含まれていれば、その内容を反映させて、第2再生リスト252を生成する。ここでは、制御部21は、図11(b)に示す内容となるように、第2再生リスト252を生成する。制御部21は、生成した第2再生リスト252を記憶部15に記憶させる。
このステップS12の処理により、無線通信端末10で保持される第1再生リスト151と、コンテンツ再生装置20で保持される第2再生リスト252との内容は共通する。
【0040】
次に、制御部21は、無線通信端末10から取得した再生指示で指定された先頭再生コンテンツから開始して、第2再生リスト252に従った再生順で、連続再生の対象であるコンテンツをコンテンツサーバ30から取得して順次再生する。この間、制御部21は、連続再生するコンテンツの総数や再生中のコンテンツの名称など、取得した属性情報が示す属性に応じて表示部26に情報を表示する。
まず、制御部21は、第2再生リスト252に記述された1番目のコンテンツを再生すべく、アルバム等識別子「ABC」の音楽アルバムのトラック番号「2」のコンテンツの送信を、ネットワーク通信部23によってコンテンツサーバ30に要求する(ステップS13)。コンテンツサーバ30の制御部31は、ネットワーク通信部32によりコンテンツの送信要求を受信すると、コンテンツDB331から対応するものを読み出して、コンテンツ再生装置20宛てにストリーミング形式で送信する(ステップS14)。制御部21は、ストリーミング形式で送信されたアルバム等識別子「ABC」の音楽アルバムのトラック番号「2」のコンテンツを、ネットワーク通信部23により受信すると、楽音信号を生成し、これをスピーカ24に出力することでコンテンツを再生する(ステップS15)。
【0041】
そして、制御部21は、アルバム等識別子「ABC」の音楽アルバムのトラック番号「2」のコンテンツの再生終了時刻が近づくと、第2再生リスト252に記述された2番目のコンテンツを再生するべく、同アルバムのトラック番号「3」のコンテンツの送信をネットワーク通信部23によってコンテンツサーバ30に要求する(ステップS16)。
なお、制御部21は、無線通信端末10によりUI部12が操作されて、再生対象のコンテンツが変更される可能性があるので、例えば、コンテンツ再生終了前の所定期間前など、コンテンツの再生終了時付近で、新たなコンテンツの送信を要求することが好ましい。
【0042】
コンテンツサーバ30の制御部31は、ネットワーク通信部32によりコンテンツの送信要求を受信すると、コンテンツDB331から対応するものを読み出して、コンテンツ再生装置20宛てにストリーミング形式で送信する(ステップS17)。制御部11は、ストリーミング配信されたアルバム等識別子「ABC」の音楽アルバムのトラック番号「3」のコンテンツを、ネットワーク通信部23により受信すると、そのコンテンツを再生する(ステップS18)。
【0043】
以降においても、コンテンツ再生装置20及びコンテンツサーバ30間の遣り取りにより、第2再生リスト252に従った再生順でコンテンツ再生装置20によってコンテンツが連続再生される。コンテンツ再生装置20が、アルバム等識別子「ABC」の音楽アルバムのコンテンツ識別子「A13」のコンテンツの再生を終了すると、次に、アルバム等識別子「DEF」の音楽アルバム内のコンテンツを再生するように、上記手順で処理を実行する。そして、コンテンツ再生装置20が同アルバムのコンテンツ識別子「D11」のコンテンツの再生を終了すると、次に、アルバム等識別子「GHI」のプレイリスト内のコンテンツを再生するように、上記手順で処理を実行する。
なお、制御部11がステップS8の処理で受け付けた先頭再生コンテンツがコンテンツ識別子「A3」のものであれば、コンテンツ再生装置20は、コンテンツ識別子「A2」のものを再生しないでもよいし、コンテンツ識別子「A13」のものの後に再生してもよい。要するに、コンテンツ再生装置20は、第2再生リスト252に従った再生順で再生することを原則とするが、全コンテンツについてそのような再生順とする構成に限らない。
【0044】
また、無線通信端末10が複数のアーティストに跨った連続再生を指示する再生指示を送信した場合、コンテンツ再生装置20では、アーティスト識別子「PQR」に関するコンテンツが連続再生された後、アーティスト識別子「STU」に関するコンテンツが連続再生される。この連続再生を実現する場合であっても、無線通信端末10にすれば、ステップS9の処理における再生指示を行うことでこれを指示することができる。
【0045】
コンテンツ再生装置20における連続再生に関して、図10のステップS9以降のように無線通信端末10の処理は含まれない。よって、コンテンツの連続再生中に、例えば無線通信端末10の電源が切られたり、コンテンツ再生装置20との無線通信が不可能な場所に無線通信端末10が移動させられたりしても、第1再生リスト151の内容でコンテンツ再生装置20で連続再生が実現される。また、ユーザが再生させたいコンテンツの数が膨大になっても、それらを逐一ユーザが指定する必要がないので、ユーザが多数のコンテンツを再生させたい場合であっても、その指定に係る負担が過大になることはない。
【0046】
以上説明した実施形態のコンテンツ再生システム1では、無線通信端末10とコンテンツ再生装置20とが、複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う規則を示す情報を互いに共有している。これにより、無線通信端末10側では、先頭再生コンテンツと変更指示の内容とを指定した再生指示を送信するだけで、第1再生リスト151及び第2再生リスト252の内容を共通にして、コンテンツの連続再生を実現することができる。よって、無線通信端末10は、コンテンツの連続再生に先立って再生指示を送信するだけで、コンテンツの連続再生に関するすべての指示を完了させることができる。したがって、コンテンツ再生システム1によれば、無線通信端末10とコンテンツ再生装置20との間の通信量の増大を抑えつつ、コンテンツ再生装置20でコンテンツの連続再生を実現することができる。
【0047】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、コンテンツ再生装置20がソート情報251を記憶する構成の下で、コンテンツ再生装置20は自装置内のソート情報251を参照し、無線通信端末10はコンテンツ再生装置20から取得したソート情報251を参照することで、両装置の再生リストの内容が一致するようにしていた。これに代えて、無線通信端末10がソート情報251を記憶する構成としてもよい。この場合、無線通信端末10は自端末内のソート情報251を参照し、コンテンツ再生装置20は無線通信端末10から取得したソート情報251を参照することで、両装置の再生リストの内容を一致させる。また、コンテンツ再生システム1において、無線通信端末10及びコンテンツ再生装置20以外の装置がソート情報251を記憶し、無線通信端末10及びコンテンツ再生装置20の双方がこの装置からソート情報251を取得してもよい。要するに、無線通信端末10及びコンテンツ再生装置20が、互いに共通する規則に従って連続再生の対象であるコンテンツの再生順を決定するように、両装置が共通する規則を示し、両装置で共有される規則を示す情報を取得すればよい。
【0048】
(変形例2)
上述した実施形態では、コンテンツサーバ30がコンテンツDB331と属性情報DB332との双方を有していたが、コンテンツDB331のみを有し、他の装置が属性情報DB332を有していてもよい。この構成であっても、無線通信端末10及びコンテンツ再生装置20の双方が属性情報DBにアクセスして属性情報を取得すれば、上述した実施形態と同等の作用効果を奏する。
【0049】
(変形例3)
上述した実施形態では、コンテンツ再生システム1において、1つのコンテンツサーバ30に蓄積される複数コンテンツを連続再生していたが、複数のサーバに跨ってコンテンツを連続再生してもよい。再生対象として指定されたコンテンツが複数サーバに跨る場合は、ソート情報251でサーバごとに指定された再生順に従って、連続再生が実現されるとよい。
また、図5に示されるコンテンツの管理構造はあくまで一例である。よって、例えば、アーティスト識別子を無視して、すべてのアルバム等を対象として、アルファベット順又は50音順の再生順としてもよく、再生順の決定の仕方については種々の変形が可能である。また、属性情報が示す属性も一例であり、その他の情報が含まれてもよい。要するに、本発明の属性情報は、コンテンツ再生システム1において連続再生の対象であるコンテンツの再生順を決定する際に参照される属性を示すものであればよい。
また、コンテンツサーバ30においてデフォルトで決められる再生順はいかように決められていてもよく、例えば、アルバムについてトラック番号順でなく、タイトルがアルファベット順又は50音順となるように決められてもよい。
【0050】
(変形例4)
上述した実施形態において、無線通信端末10は、コンテンツ再生装置20におけるコンテンツの連続再生中に、第1再生リスト151の内容に応じた表示を行ってもよい。具体的には、制御部11は、第1再生リスト151を用いて現在コンテンツ再生装置20で再生中であるコンテンツの名称を表示する。属性情報に各コンテンツの再生時間を含ませておき、無線通信端末10がこの再生時間を参照すればどの時期に再生コンテンツが切り替わるかを推測できるので、コンテンツ再生装置20との通信を行わなくとも、第1再生リスト151とこの再生時間とを用いて、再生中のコンテンツを特定することができる。
【0051】
(変形例5)
上述した実施形態のコンテンツは、楽曲に関するものであったが、本発明のコンテンツの内容は特定のものに限定されない。例えば、本発明のコンテンツは、動画や静止画などの映像を表すものであってもよいし、楽曲及び映像の双方を表すものであってもよい。この場合、コンテンツ再生装置20は、コンテンツサーバ30から取得したコンテンツから映像信号を生成し、これを外部モニタに出力することでコンテンツを再生する過程を含む。
また、コンテンツサーバ30がストリーミング形式でコンテンツを送信する構成に限らず、コンテンツ再生装置20がプログレッシブダウンロードのようにデータをダウンロードしながら再生する形式でもよい。要するに、コンテンツ再生装置20がコンテンツを取得しつつ、既に取得したコンテンツを再生する構成であればよい。
【0052】
(変形例6)
本発明の制御装置は、スマートフォン以外の端末であってもよく、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)やモバイルコンピュータ、リモコンなどの、通信を行うことのできる種々の装置とすることができる。本発明の再生装置は、オーディオプレーヤ以外であってもよく、例えばパーソナルコンピュータ、スピーカ、ステレオ、テレビなどの、配信されるコンテンツを再生できる再生装置であればよい。また、本発明のコンテンツ再生システムは、いわゆるネットワークAVシステムに相当するものでなくてもよく、蓄積装置から取得したコンテンツを再生する再生装置と、この再生装置を通信により制御する制御装置とを備えるシステムであればよい。
【0053】
また、本発明の蓄積装置に相当するものは、本発明の再生装置からみて外部装置に相当するものに限らず、例えば再生装置からみて内部装置に相当するものであってもよい。再生装置が、第2再生リストに従って蓄積装置からコンテンツを取得しつつそれを再生する構成であれば、制御装置による制御を介在させないで済むので、コンテンツの連続再生を実現可能である。
【0054】
上述した実施形態では、コンテンツ再生装置20が第2再生リスト生成部214を実現し、第2再生リスト生成部214が第2再生リスト252を生成していた。これに対し、コンテンツ再生装置20は、再生指示に基づいて再生対象のコンテンツを特定し、無線通信端末10と共通の規則に従ってコンテンツの再生順を決定する構成であれば、第2再生リスト252を生成しない構成であってもよい。この場合、コンテンツ再生装置20の制御部21は、第2再生リスト生成部214に相当する機能を実現する必要がない。
【0055】
上述した実施形態では、連続再生の対象であるコンテンツを指定する操作を無線通信端末10が受け付けていた。これに代えて、コンテンツ再生装置20が連続再生の対象であるコンテンツを指定する操作を受け付けてもよい。この場合、コンテンツ再生装置20は、コンテンツを指定する操作に基づいて連続再生の対象であるコンテンツを特定できるので、無線通信端末10は連続再生の対象とするコンテンツを指定する情報を再生指示に含めないようにしてもよい。
【0056】
(変形例7)
上述した実施形態における無線通信端末10の制御部11や、コンテンツ再生装置20の制御部21によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD)など)、光記録媒体(光ディスク(CD、DVD)など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。また、制御部11や制御部21によって実現される機能は、1又は複数のソフトウェアにより実現されてもよいし、1又は複数のハードウェアにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…コンテンツ再生システム、10…無線通信端末、11…制御部、111…属性情報取得部、112…第1規則取得部、113…第1再生リスト生成部、114…受付部、115…送信制御部、12…UI部、13…無線通信部、14…音声入出力部、15…記憶部、151…第1再生リスト、20…コンテンツ再生装置、20…再生装置、21…制御部、211…第2規則取得部、212…再生指示取得部、213…第2属性情報取得部、214…第2再生リスト生成部、215…再生部、22…無線通信部、23…ネットワーク通信部、24…スピーカ、25…記憶部、251…ソート情報、252…第2再生リスト、26…表示部、30…コンテンツサーバ、31…制御部、32…ネットワーク通信部、33…記憶部、331…コンテンツDB、332…属性情報DB、90…通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄積装置に蓄積されたコンテンツを取得して再生する再生装置と、前記再生装置を通信により制御する制御装置とを備えるコンテンツ再生システムであって、
前記制御装置は、
前記再生装置により再生される対象であるコンテンツの属性を示す属性情報を取得する第1属性情報取得手段と、
前記再生装置により再生される複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う規則を示す規則情報を取得する第1規則取得手段と、
前記第1属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記第1規則取得手段が取得した規則情報が示す規則に従って前記複数のコンテンツを再生順に列挙した第1再生リストを生成する第1再生リスト生成手段と、
前記第1再生リスト生成手段が生成した第1再生リストを用いて、最初に再生させるコンテンツを指定する操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記最初に再生するコンテンツを指定して、前記複数のコンテンツの再生指示を送信する再生指示送信手段と
を有し、
前記再生装置は、
前記第1規則取得手段が取得したものと共通する規則を示す前記規則情報を取得する第2規則取得手段と、
前記再生指示送信手段が送信した再生指示を取得する再生指示取得手段と、
前記再生指示取得手段が取得した再生指示に応じて再生する対象であるコンテンツの属性を示す属性情報を取得する第2属性情報取得手段と、
前記第2属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、指定された前記最初に再生するコンテンツから開始して、前記第2規則取得手段が取得した規則情報が示す規則に従った再生順で、前記複数のコンテンツを順次取得して再生する再生手段と
を有することを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項2】
前記再生装置は、
前記第2属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記複数のコンテンツを前記共通する規則に従って再生順に列挙した第2再生リストを生成する第2再生リスト生成手段
を備え、
前記再生手段が、前記最初に再生するコンテンツから開始して、前記第2再生リスト生成手段が生成した第2再生リストに従った再生順で、前記複数のコンテンツを順次取得して再生する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記受付手段は、前記最初に再生させるコンテンツのほか、前記再生順を変更する変更指示を受け付け、
前記第1再生リスト生成手段は、前記変更指示の内容を反映させて前記第1再生リストを生成し、
前記再生指示送信手段は、前記最初に再生させるコンテンツのほか、前記変更指示の内容を指定して前記再生指示を送信し、
前記再生手段は、前記再生指示で指定される前記変更指示の内容を反映させた再生順で前記複数のコンテンツを順次再生する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項4】
蓄積装置に蓄積されたコンテンツを取得して再生する再生装置を通信により制御する制御装置であって、
前記再生装置により再生される対象であるコンテンツの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記再生装置により再生される複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う、自装置と当該再生装置とで共通する規則を示し、両装置で共有される規則情報を取得する規則取得手段と、
前記属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記規則取得手段が取得した規則情報が示す規則に従って前記複数のコンテンツを再生順に列挙した再生リストを生成する再生リスト生成手段と、
前記再生リスト生成手段が生成した再生リストを用いて、最初に再生させるコンテンツを指定する操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記最初に再生するコンテンツを指定して、前記複数のコンテンツの再生指示を送信する再生指示送信手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
制御装置によって通信により制御され、蓄積装置に蓄積されたコンテンツを当該制御に応じて取得して再生する再生装置であって、
自装置で再生する複数のコンテンツの再生順を決定する際に従う自装置と前記制御装置とで共通する規則を示し、両装置で共有される規則情報を取得する規則取得手段と、
前記複数のコンテンツを前記共通する規則に従って再生順に列挙した再生リストを用いて最初に再生するコンテンツが前記制御装置で指定されると、当該最初に再生するコンテンツを指定した再生指示を当該制御装置から取得する再生指示取得手段と、
前記再生指示取得手段が取得した再生指示に応じて、再生する対象であるコンテンツの属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段が取得した属性情報に基づいて、前記複数のコンテンツを前記共通する規則に従って再生順に列挙した再生リストを生成する再生リスト生成手段と、
指定された前記最初に再生するコンテンツから開始して、前記再生リスト生成手段が生成した再生リストに従った再生順で、前記複数のコンテンツを順次取得して再生する再生手段と
を備えることを特徴とする再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−53959(P2012−53959A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197154(P2010−197154)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】