説明

コンテンツ再生制御装置、コンテンツ再生制御方法、およびプログラム

【課題】コンテンツ再生装置への操作や特別な拡張の追加なく、コンテンツ再生制御装置にてコンテンツの再生を行うコンテンツ再生装置を識別し、制御すること。
【解決手段】コンテンツ再生制御装置100は、保存装置リストおよび再生装置リストを取得する装置検索部101と、ユーザ操作により、保存装置リストに含まれる保存装置からコンテンツを選択するコンテンツ検索部102と、再生装置リストの各コンテンツ再生装置を識別する再生装置識別情報を生成する再生装置識別情報生成部103と、生成された再生装置識別情報をコンテンツ再生装置に送信する再生装置識別情報送信部104と、受信した再生装置識別情報により識別されるコンテンツ再生装置から、ユーザ操作により、1のコンテンツ再生装置を選択する再生装置選択部105と、選択されたコンテンツ再生装置に、選択されたコンテンツの再生指示を送信するコンテンツ再生指示部106と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの再生を行うコンテンツ再生装置を識別し、制御するコンテンツ再生制御装置、コンテンツ再生制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホームネットワークを通じて、離れた場所に設置してあるレコーダやストレージに保存されたコンテンツを、目の前のコンテンツ再生装置で再生する技術規格として、DLNA(Digital Living Network Alliance)の普及が急速に進んでいる。DLNAにより、DMP(Digital Media Player)機能を実装したコンテンツ再生装置で、DMS(Digital Media Server)機能を実装したレコーダやストレージに保存されているコンテンツの一覧を自動的に取得することが可能となった。それにより、DMP機能を実装したコンテンツ再生装置(以下、DMPという)を操作することにより、DMS機能を実装したレコーダやストレージ(以下、DMSという)に保存されているコンテンツを選択し、選択したコンテンツをDMPの表示部やスピーカ等で再生することができるようになった。
【0003】
さらに、DLNA1.5では、DMC(Digital Media Controller)機能を搭載したリモコン(以下、DMCいう)を用いて、DMSに保存されているコンテンツの検索、およびコンテンツの出力先のコンテンツ再生装置の検索を行い、ユーザ操作によって選択されたコンテンツ再生装置に、同じくユーザ操作により選択されたコンテンツの再生を指示する機能が新たに追加されている。このように、コンテンツ再生装置自身がDMPのようにコンテンツ検索を行わず、DMCから再生コンテンツの指示を受けてDMSから受信再生を行うコンテンツ再生装置をDMR(Digital Media Renderer)と言う。
【0004】
一方、宅内で有線LANや無線LANを用いて、複数の部屋や複数の階をまたがって構築されているホームネットワークにおいて、DMCがホームネットワーク上にある複数のDMRのリストを取得する場合、DMCは取得したDMRのリストに含まれるDMRのうち、DMCを操作するユーザの目の前にあるDMRがどれに該当するかを把握することが困難であるという問題があった。DMCが取得するDMRの名前は、出荷時にメーカーが初期値として付与した名前、もしくは、ユーザがDMRを操作して自動で付与した名前であることがほとんどであるために、例えば、DMCが取得したDMRのリストに同じメーカー製のDMRが含まれる場合に、複数のDMRの名前が似かよるために区別しにくく、DMCを操作するユーザの目の前にあるDMRがどれに該当するかを把握することが困難であった。
【0005】
そこで、DMRの遠隔制御に必要となる設定情報を、DMRの画面に表示して、携帯端末のカメラで読み込ませることによって、確実にユーザの目の前にあるDMRに適合した設定情報を携帯端末に通知して、携帯端末をDMCとして利用することにより、ユーザの目の前にあるDMRとDMCとの紐付けを容易に行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−174166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、DMRに設定情報を表示させるためにDMR自体も操作する必要があるため、DMRを直接操作せず、DMRにコンテンツを再生させるための操作をDMCで実現するという、DLNA1.5本来の目的と反して、操作する手間を増加させてしまう。また、DMRが設定情報を特殊な方式(QRコード等)で表示するための機能を実装している必要があるため、汎用的にDMRとDMCのマッチングを行うための手段として利用することは現実的に困難であるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、コンテンツ再生装置(DMR)に対して特別の拡張を加えることなく、コンテンツの再生を行うコンテンツ再生装置を識別し、制御するコンテンツ再生制御装置(DMC)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0010】
(1) 本発明は、コンテンツを保存している1以上のコンテンツ保存装置と、前記コンテンツを再生する1以上のコンテンツ再生装置と、通信を行うコンテンツ再生制御装置であって、前記1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、前記1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する装置検索手段(例えば、図1の装置検索部101)と、前記保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、当該選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、前記ユーザの操作に従ってコンテンツを選択するコンテンツ検索手段(例えば、図1のコンテンツ検索部102)と、前記再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する再生装置識別情報生成手段(例えば、図1の再生装置識別情報生成部103)と、生成された再生装置識別情報を前記1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する再生装置識別情報送信手段(例えば、図1の再生装置識別情報送信部104)と、受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される前記1以上のコンテンツ再生装置の中から、前記ユーザの操作に従って、前記コンテンツ検索手段で選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する再生装置選択手段(例えば、図1の再生装置選択部105)と、前記コンテンツ検索手段で選択されたコンテンツの再生指示を、前記再生装置選択手段で選択されたコンテンツ再生装置に送信するコンテンツ再生指示手段(例えば、図1のコンテンツ再生指示部106)と、を具備することを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0011】
この発明によれば、装置検索手段は、1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する。コンテンツ検索手段は、保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する。再生装置識別情報生成手段は、再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する。再生装置選択手段は、受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される1以上のコンテンツ再生装置の中から、ユーザの操作に従って、コンテンツ検索手段で選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する。コンテンツ再生指示手段は、コンテンツ検索手段で選択されたコンテンツの再生指示を、再生装置選択手段で選択されたコンテンツ再生装置に送信する。したがって、コンテンツ再生制御装置で生成された再生装置識別情報によって1以上のコンテンツ再生装置それぞれを識別し、コンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択することができる。それにより、コンテンツ再生装置に特別な拡張を加えることなく、また、ユーザはコンテンツ再生装置への操作なく、コンテンツ再生装置を制御することができる。
【0012】
(2) 本発明は、(1)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置識別情報として、前記コンテンツ再生装置が再生可能なフォーマットの試験コンテンツを生成することを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0013】
この発明によれば、再生装置識別情報生成手段は、再生装置識別情報として、コンテンツ再生装置が再生可能なフォーマットの試験コンテンツを生成する。したがって、再生装置識別情報として、コンテンツ再生装置が再生可能なフォーマットの試験コンテンツを用いることができる。
【0014】
(3) 本発明は、(2)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置識別情報として、音声、画像、映像のうち、ユーザの選択によって前記コンテンツ検索手段で指定されたコンテンツと同じ種別の試験コンテンツを生成することを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、再生装置識別情報生成手段は、再生装置識別情報として、音声、画像、映像のうち、ユーザの選択によってコンテンツ検索手段で指定されたコンテンツと同じ種別の試験コンテンツを生成する。したがって、コンテンツが再生可能なコンテンツ再生装置を、再生装置識別情報により識別することができる。
【0016】
(4) 本発明は、(1)から(3)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置識別情報を1つ生成し、前記再生装置識別情報送信手段は、前記再生装置リストの各コンテンツ再生装置に対して順に、生成された1の再生装置識別情報を一定時間の間隔毎に送信し、前記再生装置選択手段が、コンテンツ再生装置を選択するためのユーザの操作を受信するまで、または、前記再生装置リストを所定回数巡回するまで、繰り返すことを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0017】
この発明によれば、再生装置識別情報生成手段は、再生装置識別情報を1つ生成する。再生装置識別情報送信手段は、再生装置リストの各コンテンツ再生装置に対して順に、生成された1の再生装置識別情報を一定時間の間隔毎に送信し、再生装置選択手段が、コンテンツ再生装置を選択するためのユーザの操作を受信するまで、または、再生装置リストを所定回数巡回するまで、繰り返す。したがって、各コンテンツ再生装置が、順に、再生装置識別情報を再生することにより、ユーザは、コンテンツを再生させたいコンテンツ再生装置を選択することができる。また、再生装置リストを所定回数巡回するまで、各コンテンツ再生装置の再生装置識別情報の再生を繰り返すことにより、ユーザが操作しそびれて、コンテンツを再生させたいコンテンツ再生装置を選択しそこなることを防ぐことができる。
【0018】
(5) 本発明は、(4)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置選択手段は、前記再生装置識別情報送信手段により前記再生装置識別情報が送信された後に受け付けたユーザの操作に応じて、当該ユーザの操作を受け付ける直前に、再生装置識別情報送信手段が前記再生装置識別情報を送信したコンテンツ再生装置を、前記コンテンツを再生するコンテンツ再生装置に選択することを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0019】
この発明によれば、再生装置選択手段は、再生装置識別情報送信手段により再生装置識別情報が送信された後に受け付けたユーザの操作に応じて、ユーザの操作を受け付ける直前に、再生装置識別情報送信手段が再生装置識別情報を送信したコンテンツ再生装置を、コンテンツを再生するコンテンツ再生装置に選択する。したがって、ユーザがコンテンツを再生させたいコンテンツ再生装置が再生装置識別情報を再生している間に、コンテンツ再生制御装置に、ユーザが再生装置識別情報を再生しているコンテンツ再生装置を選択する操作を行うことによって、コンテンツ再生装置を選択することができる。それにより、簡単かつ容易にコンテンツ再生装置を選択することができる。
【0020】
(6) 本発明は、(1)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置リストに含まれる各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子を生成し、生成した識別子を描画した画像または映像を前記再生装置識別情報とするとともに、前記生成した識別子を前記各コンテンツ再生装置に対応付けて前記再生装置リストに格納し、前記再生装置識別情報送信手段は、前記再生装置リストの各コンテンツ再生装置に対して、当該各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子を送信し、前記再生装置選択手段は、前記各コンテンツ再生装置で再生された再生装置識別情報に基づいて、ユーザの操作により入力された識別子に対応するコンテンツ再生装置を、前記再生装置リストから選択することを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0021】
この発明によれば、再生装置識別情報生成手段は、再生装置リストに含まれる各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子を生成し、生成した識別子を描画した画像または映像を再生装置識別情報とするとともに、生成した識別子を各コンテンツ再生装置に対応付けて再生装置リストに格納する。再生装置識別情報送信手段は、再生装置リストの各コンテンツ再生装置に対して、各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子を送信する。再生装置選択手段は、各コンテンツ再生装置で再生された再生装置識別情報に基づいて、ユーザの操作により入力された識別子に対応するコンテンツ再生装置を、再生装置リストから選択する。したがって、コンテンツ再生装置全てに一斉に再生装置識別情報を送信することにより、同時期にコンテンツ再生装置に再生装置識別情報を再生させることができ、再生装置識別情報を順に送信する場合に比べ、ユーザがコンテンツを再生させるコンテンツ再生装置を選択するまでの時間を短縮することができる。
【0022】
(7) 本発明は、(6)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置リストに含まれる各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子は、文字、数字または記号の少なくとも何れか1つからなるコードであることを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0023】
この発明によれば、再生装置リストに含まれる各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子は、文字、数字または記号の少なくとも何れか1つからなるコードである。したがって、コンテンツ再生装置を識別するための識別子として、文字、数字または記号の少なくとも何れか1つからなるコードを用いることができる。
【0024】
(8) 本発明は、(7)のコンテンツ再生制御装置において、前記各コンテンツ再生装置で再生された再生装置識別情報を撮像する撮像手段を備え、前記再生装置選択手段は、前記撮像手段で撮像された前記再生装置識別情報から取得された識別子に対応するコンテンツ再生装置を、前記再生装置リストから選択することを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0025】
この発明によれば、撮像手段は、各コンテンツ再生装置で再生された再生装置識別情報を撮像する。再生装置選択手段は、撮像手段で撮像された再生装置識別情報から取得された識別子に対応するコンテンツ再生装置を、再生装置リストから選択する。したがって、コンテンツ再生装置を選択するために必要な識別子を、撮影された再生装置識別情報から取得することができるので、ユーザは識別子を入力することなく、容易にコンテンツ再生装置を選択することができる。
【0026】
(9) 本発明は、(8)のコンテンツ再生制御装置において、前記再生装置識別情報生成手段は、前記コードを変換したバーコードまたは2次元コードを描画した画像または映像を前記再生装置識別情報とすることを特徴とするコンテンツ再生制御装置を提案している。
【0027】
この発明によれば、再生装置識別情報生成手段は、コードを変換したバーコードまたは2次元コードを描画した画像または映像を再生装置識別情報とする。したがって、再生装置識別情報をバーコードまたは2次元コードを含む画像または映像とすることができる。
【0028】
(10) 本発明は、コンテンツを保存している1以上のコンテンツ保存装置と、前記コンテンツを再生する1以上のコンテンツ再生装置と、通信を行うコンテンツ再生制御装置におけるコンテンツ再生制御方法であって、前記1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、前記1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する第1のステップ(例えば、図3のステップS1)と、前記保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、当該選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、前記ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する第2のステップ(例えば、図3のステップS2〜S4)と、前記再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する第3のステップ(例えば、図3のステップS5)と、生成された再生装置識別情報を前記1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する第4のステップ(例えば、図3のステップS6、S7、S10)と、受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される前記1以上のコンテンツ再生装置の中から、前記ユーザの操作に従って、前記第2のステップで選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する第5のステップ(例えば、図3のステップS8)と、前記第2のステップで選択されたコンテンツの再生指示を、前記第5のステップで選択されたコンテンツ再生装置に送信する第6のステップ(例えば、図3のステップS9)と、を具備することを特徴とするコンテンツ再生制御方法を提案している。
【0029】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する。次に、第2のステップにおいて、保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する。次に、第3のステップにおいて、再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する。次に、第4のステップにおいて、生成された再生装置識別情報を1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する。次に、第5のステップにおいて、受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される1以上のコンテンツ再生装置の中から、ユーザの操作に従って、第2のステップで選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する。次に、第6のステップにおいて、第2のステップで選択されたコンテンツの再生指示を、第5のステップで選択されたコンテンツ再生装置に送信する。したがって、コンテンツ再生制御装置で生成された再生装置識別情報によって1以上のコンテンツ再生装置それぞれを識別し、コンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択することができる。それにより、コンテンツ再生装置に特別な拡張を加えることなく、また、ユーザはコンテンツ再生装置への操作なく、コンテンツ再生装置を制御することができる。
【0030】
(11) 本発明は、コンテンツを保存している1以上のコンテンツ保存装置と、前記コンテンツを再生する1以上のコンテンツ再生装置と、通信を行うコンテンツ再生制御装置におけるコンテンツ再生制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、前記1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する第1のステップ(例えば、図3のステップS1)と、前記保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、当該選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、前記ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する第2のステップ(例えば、図3のステップS2〜S4)と、前記再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する第3のステップ(例えば、図3のステップS5)と、生成された再生装置識別情報を前記1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する第4のステップ(例えば、図3のステップS6、S7、S10)と、受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される前記1以上のコンテンツ再生装置の中から、前記ユーザの操作に従って、前記第2のステップで選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する第5のステップ(例えば、図3のステップS8)と、前記第2のステップで選択されたコンテンツの再生指示を、前記第5のステップで選択されたコンテンツ再生装置に送信する第6のステップ(例えば、図3のステップS9)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0031】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する。次に、第2のステップにおいて、保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する。次に、第3のステップにおいて、再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する。次に、第4のステップにおいて、生成された再生装置識別情報を1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する。次に、第5のステップにおいて、受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される1以上のコンテンツ再生装置の中から、ユーザの操作に従って、第2のステップで選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する。次に、第6のステップにおいて、第2のステップで選択されたコンテンツの再生指示を、第5のステップで選択されたコンテンツ再生装置に送信する。したがって、コンテンツ再生制御装置で生成された再生装置識別情報によって1以上のコンテンツ再生装置それぞれを識別し、コンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択することができる。それにより、コンテンツ再生装置に特別な拡張を加えることなく、また、ユーザはコンテンツ再生装置への操作なく、コンテンツ再生装置を制御することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、コンテンツ再生装置に対して特別の拡張を加えることなく、また、ユーザはコンテンツ再生装置への操作なく、コンテンツ再生制御装置にて、コンテンツの再生を行うコンテンツ再生装置を識別し、制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ再生制御装置を含むコンテンツ再生システムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ再生制御装置によるコンテンツ再生装置への再生装置識別情報の再生動作例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ再生制御処理の処理フローを示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ再生制御装置を含むコンテンツ再生システムの構成図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ再生制御装置によるコンテンツ再生装置への再生装置識別情報の再生動作例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ再生制御処理の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含むさまざまなバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0035】
<第1の実施形態>
図1から図3を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0036】
<コンテンツ再生制御装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ再生制御装置100を含むコンテンツ再生システム1の構成図である。図1に示すように、コンテンツ再生制御装置100(以下、簡略化のため、制御装置という)、コンテンツ保存装置200(以下、簡略化のため、保存装置という)、およびコンテンツ再生装置300(以下、簡略化のため、再生装置という)は、いずれもLAN(Local Area Network)等を用いた宅内ネットワークにより接続されており、互いに通信してデータ送受信することができる。
【0037】
本図において、再生装置300は1台以上の再生装置を意味し、ユーザがコンテンツを再生させたい1台の再生装置300a(以下、対象再生装置という)と、それ以外の再生装置300b(以下、対象外再生装置という)とを含む。以下、対象再生装置300aと対象外再生装置300bとをいずれ含む概念として再生装置300を用いる。なお、対象外再生装置300bは、0台であってもよいし、1台以上あってもよい。また、対象再生装置300aは、通常、ユーザの目の前にある再生装置である。さらに、保存装置200は1台しか記載していないが、1台以上あるものとする。
【0038】
本実施形態における制御装置100、保存装置200、および再生装置300は、DLNA対応装置であって、制御装置100は、DMC機能を実装し、保存装置200はDMS機能を実装し、再生装置300はDMR機能を実装している。
【0039】
保存装置200は、インターネット等の公衆回線を通じて、コンテンツを配信および放送しているサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツを内部の記憶媒体に保存する。ここで、コンテンツとは、例えば、動画や静止画、音楽、文章、あるいはそれらの組み合わせである。また、保存装置200は、保存しているコンテンツを他の装置からの要求に応じて提供する機能を備える。保存装置200は、例えば、ホームネットワーク内に設置されたHDDレコーダやDVDレコーダ等、コンテンツを保存する機能や送信する機能を備える装置であればよく、カメラ等のリアルタイムにコンテンツを蓄積するデバイスであってもよい。
【0040】
再生装置300は、ホームネットワークを通じて、保存装置200からコンテンツを受信し、受信したコンテンツを再生する。また、再生装置300は、制御装置100から受信したコンテンツを再生する。再生装置300は、例えば、ホームネットワーク内に設置されたDVDプレーヤー、CDプレーヤー、スピーカ、液晶ディスプレイ、テレビ受像機等であって、動画や静止画の表示、音楽の再生、文章の提示等を行い、コンテンツの再生を行う機能を備える装置であればよい。
【0041】
制御装置100は、ホームネットワークを通じて、保存装置200および再生装置300と無線で双方向通信を行い、保存装置200および再生装置300を制御する。制御装置100は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PHS(Personal handy Phone System)、PDA等であって、無線LAN等の手段によってTCP/IPでデータ送受信が可能な情報端末であればよい。
【0042】
図1に示すように、制御装置100は、装置検索部101、コンテンツ検索部102、再生装置識別情報生成部103、再生装置識別情報送信部104、再生装置選択部105、およびコンテンツ再生指示部106から構成される。
【0043】
装置検索部101は、ホームネットワーク内にある全ての保存装置200の一覧である保存装置リストと、ホームネットワーク内にある全ての再生装置300の一覧である再生装置リストとを取得する。保存装置リストは、例えば、名前やID等の保存装置200を識別するための識別情報や、IPアドレスといった保存装置200のホームネットワーク上における位置を特定する装置アクセス情報を含む。再生装置リストも同様である。取得された保存装置リストは、制御装置100が備える、液晶ディスプレイ等の表示部(図示せず)に表示され、表示された保存装置リストの中から、ユーザは、対象再生装置300aに再生させるコンテンツを保存している保存装置200を選択する。
【0044】
コンテンツ検索部102は、タッチパネルやキー等の入力部(図示せず)を介して、表示部に表示された保存装置リストの中から保存装置200を選択する操作を、ユーザから受け付けると、ユーザにより選択された保存装置200が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得する。コンテンツリストは、例えば、名前といったコンテンツを識別するための識別情報や、URLといったコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を含む。なお、コンテンツリストは、コンテンツ内容、出演者、再生時間等のコンテンツに付与されているメタデータを含んでもよい。コンテンツリストは、表示部に表示され、表示されたコンテンツリストの中から、ユーザは、対象再生装置300aに再生させるコンテンツを選択する。
【0045】
また、コンテンツ検索部102は、入力部を介して、表示部に表示されたコンテンツリストの中からコンテンツを選択する操作を、ユーザから受け付けると、ユーザにより選択されたコンテンツのコンテンツアクセス情報を後述するコンテンツ再生指示部106に送信する。
【0046】
再生装置識別情報生成部103は、装置検索部101で取得した再生装置リストに含まれる再生装置300それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する。本実施形態において、再生装置識別情報は少なくとも1つ生成されればよい。また、再生装置識別情報生成部103は、生成した再生装置識別情報を、制御装置100が備える記憶媒体(図示せず)に保存する。なお、記憶媒体に保存された再生装置識別情報は、後述する再生装置識別情報送信部104が再生装置識別情報の送信を終了すると、削除される。
【0047】
ここで、再生装置識別情報は、再生装置300で再生可能なフォーマットのコンテンツであって、例えば、再生装置300がスピーカである場合には、リニアPCMやMP3、AAC等の音楽に関するフォーマット、テレビである場合には、JPEGやMPEG、H.264等の画像ないし映像に関するフォーマットのコンテンツを生成する。なお、再生装置識別情報は、ユーザが容易に視聴・知覚できるものであれば内容はどのようなコンテンツであってもよい。
【0048】
また、再生装置識別情報は、コンテンツ検索部102で選択されたコンテンツと同じ種別のコンテンツ、すなわち、コンテンツ検索部102で選択されたコンテンツが音楽であれば音楽コンテンツ、映像であれば映像コンテンツ、画像であれば画像コンテンツとしてもよい。この場合、再生装置識別情報生成部103は、コンテンツ検索部102で選択されたコンテンツを保存装置200から取得し、取得したコンテンツの一部から新たなコンテンツを生成し、生成したコンテンツを再生装置識別情報としてもよい。
【0049】
再生装置識別情報送信部104は、再生装置識別情報生成部103で生成され、記憶媒体に保存された再生装置識別情報にアクセスするためのURLといった識別アクセス情報を含む。装置検索部101で取得した再生装置リストに含まれる再生装置300に対して、リストの最初から順に、一定時間の間隔毎に送信する。なお、予め再生装置300に優先順位を付けておき、再生装置識別情報送信部104はそれに従って順に送信してもよい。また、一定時間間隔とは、1の再生装置300の再生装置識別情報の再生が終了すると、次の再生装置300で再生装置識別情報が再生されるような間隔であり、例えば、再生装置識別情報の再生時間間隔である。
【0050】
再生装置識別情報送信部104は、具体的には、カルーセル方式を用いて再生装置リストに含まれる再生装置300に識別アドレス情報を送信する。そうすると、再生装置300は、受信した識別アドレス情報に基づいて、制御装置100に再生装置識別情報の取得要求を行い、取得した再生装置識別情報を再生する。すなわち、制御装置100を保存装置200として扱い、再生保存装置が保持する再生装置識別情報を再生対象コンテンツとして、再生装置300に送信することにより、再生装置300を拡張することなく、再生装置300に再生装置識別情報を再生させることができる。このようにして、再生装置リストに含まれる再生装置300に、順次、連続して再生装置識別情報を再生させる。
【0051】
再生装置リストに含まれる全ての再生装置300にて、再生装置識別情報送信部104から受信した再生装置識別情報の再生が終了するまでに、ユーザによる対象再生装置300aを選択する操作がない場合には、再度、再生装置識別情報送信部104は、再生装置リストの最初の再生装置300から順に、再生装置識別情報を送信し、再生装置識別情報を再生させる。なお、一回ないし数回、リストを巡回したにも関わらず対象再生装置300aが選択されなかった場合、タイムアウトとして処理を終了してもよい。
【0052】
図2に示す例を用いて、制御装置100による再生装置300への再生装置識別情報の再生動作例について説明する。図2(a)には、再生装置識別情報が音楽コンテンツの場合の再生動作例を、図2(b)には、再生装置識別情報が画像または映像コンテンツの場合の再生動作例を示す。
【0053】
図2(a)に示す、再生装置300である、スピーカA10、スピーカB11、スピーカC12、およびスピーカD13はホームネットワーク上にあり、装置検索部101で取得される再生装置リストには、これらのスピーカが含まれ、スピーカA10、スピーカB11、スピーカC12、スピーカD13の順に記載されているとする。本例において、再生装置リストの順に、各スピーカに再生装置識別情報を再生させるとする。
【0054】
まず、スピーカA10に対して、再生装置識別情報送信部104は、識別アドレス情報を送信する。次に、スピーカA10は、受信した識別アドレス情報に基づいて、制御装置100から再生装置識別情報を取得する。そして、スピーカA10は、取得した再生装置識別情報を再生する。スピーカA10が再生装置識別情報を再生している間に、ユーザが制御装置100に対象再生装置300aを選択する操作として、選択ボタン120の押下を行わなければ、スピーカA10での再生装置識別情報の再生が終了すると、上述した処理を、順にスピーカB11、スピーカC12に対して行う。スピーカC12にて再生装置識別情報が再生されている際に、ユーザがスピーカCから音声が出力されていることを確認して、選択ボタン120の押下を行うと、対象再生装置300aとしてスピーカC12を選択することができ、スピーカC12にコンテンツ検索部102で選択されたコンテンツを再生させることができる。
【0055】
図2(b)に示すように、再生装置識別情報が画像または映像コンテンツの場合であっても、図2(a)を用いて説明した再生装置識別情報が音楽コンテンツの場合の再生動作場合と同様に、再生装置リストに含まれるディスプレイA20、ディスプレイB21、ディスプレイC22、ディスプレイD23に、順に、再生装置識別情報を再生させ、選択ボタン120を押下させることで、対象再生装置300aをユーザに選択させる。
【0056】
再生装置選択部105は、再生装置300でコンテンツが再生されている間に、入力部を介して、再生装置300を選択する操作をユーザから受け付けると、直前に再生装置識別情報の再生指示を送信した再生装置300を、コンテンツを再生する対象再生装置300aとして選択する。
【0057】
コンテンツ再生指示部106は、再生装置選択部105で選択された対象再生装置300aに、コンテンツ検索部102から受信したコンテンツアクセス情報を送信する。コンテンツアクセス情報を受信した対象再生装置300aは、受信したコンテンツアクセス情報に基づいて、保存装置200からコンテンツを取得し、再生する。
【0058】
<コンテンツ再生制御処理>
図3は、本発明の第1実施形態に係るコンテンツ再生制御処理の処理フローを示す図である。
【0059】
まず、ステップS1において、装置検索部101は、ホームネットワーク内にある全ての保存装置200の一覧である保存装置リストと、ホームネットワーク内にある全ての再生装置300の一覧である再生装置リストとを取得する。
【0060】
次に、ステップS2において、コンテンツ検索部102は、ステップS1で取得した保存装置リストの中から保存装置200を選択する操作を、入力部を介してユーザから受け付け、保存装置200を選択する。
【0061】
次に、ステップS3において、コンテンツ検索部102は、ステップS2で選択された保存装置200から、保存装置200が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得する。
【0062】
次に、ステップS4において、コンテンツ検索部102は、ステップS3で取得されたコンテンツリストの中から、再生するコンテンツの選択を、ユーザから入力部を介して受け付け、コンテンツを選択する。
【0063】
次に、ステップS5において、再生装置識別情報生成部103は、装置検索部101で取得した再生装置リストに含まれる再生装置300それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する。
【0064】
次に、ステップS6において、再生装置識別情報送信部104は、ステップS1で取得された再生装置リストに基づいて、再生装置リストに含まれる再生装置300に対して、順に、ステップS4で生成された再生装置識別情報の識別アドレス情報を送信する。
【0065】
次に、ステップS7において、再生装置識別情報送信部104は、識別アドレス情報を受信した再生装置300からの再生装置識別情報取得要求に応じて、再生装置識別情報を送信する。
【0066】
次に、ステップS8において、再生装置選択部105は、ステップS6で再生装置識別情報を送信してから所定時間内に、対象再生装置300aを選択する操作をユーザから受け付けたか否かを判断する。対象再生装置300aを選択する操作をユーザから受け付けた場合(YES)には、ステップS9に処理を進め、対象再生装置300aを選択する操作をユーザから受け付けなかった場合(NO)には、ステップS10に処理を進める。
【0067】
次に、ステップS9において、コンテンツ再生指示部106は、ステップS8で選択された対象再生装置300aに、ステップS4で選択されたコンテンツのコンテンツアドレス情報を送信する。コンテンツアドレス情報を受信した対象再生装置300aは、受信したコンテンツアドレス情報に基づいて、保存装置200からコンテンツを取得し、再生する。
【0068】
ステップS10において、再生装置識別情報送信部104は、再生装置リストを所定回数繰り返したか否かを判断する。再生装置リストを所定回数繰り返したと判断した場合(YES)には、処理を終了し、再生装置リストを所定回数繰り返していないと判断した場合(NO)には、ステップS6に処理を戻す。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御装置100で生成された再生装置識別情報を再生装置300に表示することによって、ユーザは、1以上の再生装置300それぞれを識別でき、コンテンツを再生する対象再生装置300aを選択することができる。それにより、再生装置300に特別な拡張を加えることなく、また、ユーザは再生装置300への操作なく、制御装置100にて、コンテンツの再生を行う対象再生装置300aを識別し、制御することができる。
【0070】
<第2の実施形態>
図4〜図6を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態における制御装置は、再生するコンテンツが画像または映像である場合に、複数の再生装置に一斉に再生装置識別情報を送信するものである。
【0071】
<コンテンツ再生制御装置の構成>
本実施形態に係る制御装置110は、図4に示すように、保存装置200および再生装置300と接続され、装置検索部101、コンテンツ検索部102、再生装置識別情報生成部113、再生装置識別情報送信部114、再生装置選択部115、およびコンテンツ再生指示部106から構成される。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。なお、図示しないが、制御装置100は、撮像部としてカメラを備えてもよい。
【0072】
再生装置識別情報生成部113は、装置検索部101で取得された再生装置リストに含まれる各再生装置300に対応付けられた識別子を生成し、装置検索部101で取得された再生装置リストに格納する。ここで、識別子とは、文字、数字または記号の少なくとも何れか1つからなるコードであって、例えば、「1125」、「AS135」、「#1234F56」等、である。そして、再生装置識別情報生成部113は、生成した識別子を描画した画像または映像を再生装置識別情報とする。また、再生装置識別情報生成部113は、生成した識別子をバーコードやQRコードといった2次元コードに変換し、バーコードや2次元コードを描画した画像または映像を再生装置識別情報としてもよい。
【0073】
再生装置識別情報送信部114は、装置検索部101で取得した再生装置リストに含まれる再生装置300全てに対して、再生装置識別情報生成部113で生成された再生装置識別情報の識別アドレス情報を、一斉に送信する。このようにして、再生装置リストに含まれる各再生装置300に対応付けられた識別子から生成された再生装置識別情報を、各再生装置300で再生することにより、各再生装置300を識別することができる。
【0074】
図5を用いて、制御装置100による再生装置300への再生装置識別情報の再生動作例について説明する。図5(a)には、識別子が文字、数字または記号からなるコードである場合の再生動作例を、図5(b)には、識別子が2次元コードに変換された場合の再生動作例を示す。
【0075】
図5(a)に示す、ディスプレイA30、ディスプレイB31、ディスプレイC32、およびディスプレイD33はホームネットワーク上にあり、装置検索部101で取得される再生装置リストには、これらのディスプレイが含まれる。まず、各ディスプレイは、再生装置識別情報送信部114から再生装置識別情報の識別アドレス情報を受信すると、制御装置100に再生装置識別情報取得要求を行う。次に、各ディスプレイは、制御装置100から取得した再生装置識別情報を再生する。本例においては、再生装置識別情報は、数字からなる各ディスプレイの識別子を描画した画像または映像コンテンツである。ユーザは、コンテンツを再生させたいディスプレイに表示されている再生装置識別情報の識別子を、制御装置100に入力することにより、再生装置を選択することができる。
【0076】
本例において、ディスプレイC32にコンテンツを再生させたい場合には、制御装置100に「3545」を入力することにより、対象再生装置300aとしてディスプレイC32を選択することができる。なお、制御装置100が、マイクおよび音声認識機能を備える場合には、音声により入力することもできる。
【0077】
図5(b)の例においては、再生装置識別情報は、2次元コードに変換された各ディスプレイの識別子を描画した画像または映像コンテンツである。本例において、ディスプレイC32にコンテンツを再生させたい場合には、ディスプレイC32で再生されている2次元コードを、制御装置100のカメラで撮影することにより、対象再生装置300aとしてディスプレイC32を選択することができる。具体的には、制御装置100は、ディスプレイC32から取得した2次元コードから識別子を取得し、取得した識別子に基づいて、コンテンツを再生させる対象再生装置300aとしてディスプレイC32と選択する。
【0078】
再生装置選択部115は、入力部を介して、ユーザから識別子を受け付けると、受け付けた識別子に基づいて、再生装置識別情報生成部113で識別子が格納された再生装置リストの中から対象再生装置300aを選択する。なお、再生装置選択部105は、カメラで撮影された画像を受け付けた場合には、画像解析し、識別子を取得する。画像解析としては、文字認識、バーコード解析、および2次元コード解析等がある。
【0079】
<コンテンツ再生制御処理>
図3は、本発明の第2実施形態に係るコンテンツ再生制御処理の処理フローを示す図である。なお、第1の実施形態と同一の符号を付すステップについては、同一の処理を行うステップであることから、その詳細な説明は省略する。
【0080】
ステップS21において、再生装置選択部125は、コンテンツを再生する対象再生装置300aを選択する操作入力をユーザから受け付ける。
【0081】
次に、ステップS22において、再生装置選択部105は、ステップS21で受け付けた操作入力により取得した識別子に基づいて、コンテンツを再生する対象再生装置300aを選択する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、再生装置300全てに一斉に再生装置識別情報を送信することにより、同時期に再生装置300に再生装置識別情報を再生させることができ、再生装置識別情報を順に送信する場合に比べ、ユーザがコンテンツを再生させる対象再生装置300aを選択するまでの時間を短縮することができる。特に、再生装置300の台数が多い場合に有効である。
【0083】
なお、制御装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを、制御装置を構成する機器に読み込ませ、実行することによって本発明の制御装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0084】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されても良い。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0085】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0086】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 コンテンツ再生制御システム
100 コンテンツ再生制御装置
101 装置検索部
102 コンテンツ検索部
103 再生装置識別情報生成部
104 再生装置識別情報送信部
105 再生装置選択部
106 コンテンツ再生指示部
200 コンテンツ保存装置
300 コンテンツ再生装置
300a 対象再生装置
300b 対象外再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを保存している1以上のコンテンツ保存装置と、前記コンテンツを再生する1以上のコンテンツ再生装置と、通信を行うコンテンツ再生制御装置であって、
前記1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、前記1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する装置検索手段と、
前記保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、当該選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、前記ユーザの操作に従ってコンテンツを選択するコンテンツ検索手段と、
前記再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する再生装置識別情報生成手段と、
生成された再生装置識別情報を前記1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する再生装置識別情報送信手段と、
受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される前記1以上のコンテンツ再生装置の中から、前記ユーザの操作に従って、前記コンテンツ検索手段で選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する再生装置選択手段と、
前記コンテンツ検索手段で選択されたコンテンツの再生指示を、前記再生装置選択手段で選択されたコンテンツ再生装置に送信するコンテンツ再生指示手段と、
を具備することを特徴とするコンテンツ再生制御装置。
【請求項2】
前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置識別情報として、前記コンテンツ再生装置が再生可能なフォーマットの試験コンテンツを生成することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項3】
前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置識別情報として、音声、画像、映像のうち、ユーザの選択によって前記コンテンツ検索手段で指定されたコンテンツと同じ種別の試験コンテンツを生成することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項4】
前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置識別情報を1つ生成し、
前記再生装置識別情報送信手段は、前記再生装置リストの各コンテンツ再生装置に対して順に、生成された1の再生装置識別情報を一定時間の間隔毎に送信し、前記再生装置選択手段が、コンテンツ再生装置を選択するためのユーザの操作を受信するまで、または、前記再生装置リストを所定回数巡回するまで、繰り返すことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項5】
前記再生装置選択手段は、前記再生装置識別情報送信手段により前記再生装置識別情報が送信された後に受け付けたユーザの操作に応じて、当該ユーザの操作を受け付ける直前に、再生装置識別情報送信手段が前記再生装置識別情報を送信したコンテンツ再生装置を、前記コンテンツを再生するコンテンツ再生装置に選択することを特徴とする請求項4の記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項6】
前記再生装置識別情報生成手段は、前記再生装置リストに含まれる各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子を生成し、生成した識別子を描画した画像または映像を前記再生装置識別情報とするとともに、前記生成した識別子を前記各コンテンツ再生装置に対応付けて前記再生装置リストに格納し、
前記再生装置識別情報送信手段は、前記再生装置リストの各コンテンツ再生装置に対して、当該各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子を送信し、
前記再生装置選択手段は、前記各コンテンツ再生装置で再生された再生装置識別情報に基づいて、ユーザの操作により入力された識別子に対応するコンテンツ再生装置を、前記再生装置リストから選択することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項7】
前記再生装置リストに含まれる各コンテンツ再生装置に対応付けられた識別子は、文字、数字または記号の少なくとも何れか1つからなるコードであることを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項8】
前記各コンテンツ再生装置で再生された再生装置識別情報を撮像する撮像手段を備え、
前記再生装置選択手段は、前記撮像手段で撮像された前記再生装置識別情報から取得された識別子に対応するコンテンツ再生装置を、前記再生装置リストから選択することを特徴とする請求項7に記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項9】
前記再生装置識別情報生成手段は、前記コードを変換したバーコードまたは2次元コードを描画した画像または映像を前記再生装置識別情報とすることを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ再生制御装置。
【請求項10】
コンテンツを保存している1以上のコンテンツ保存装置と、前記コンテンツを再生する1以上のコンテンツ再生装置と、通信を行うコンテンツ再生制御装置におけるコンテンツ再生制御方法であって、
前記1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、前記1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する第1のステップと、
前記保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、当該選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、前記ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する第2のステップと、
前記再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する第3のステップと、
生成された再生装置識別情報を前記1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する第4のステップと、
受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される前記1以上のコンテンツ再生装置の中から、前記ユーザの操作に従って、前記第2のステップで選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する第5のステップと、
前記第2のステップで選択されたコンテンツの再生指示を、前記第5のステップで選択されたコンテンツ再生装置に送信する第6のステップと、
を具備することを特徴とするコンテンツ再生制御方法。
【請求項11】
コンテンツを保存している1以上のコンテンツ保存装置と、前記コンテンツを再生する1以上のコンテンツ再生装置と、通信を行うコンテンツ再生制御装置におけるコンテンツ再生制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記1以上のコンテンツ保存装置の一覧である保存装置リストと、前記1以上のコンテンツ再生装置の一覧である再生装置リストを取得する第1のステップと、
前記保存装置リストのうち、ユーザの操作に従って選択されたコンテンツ保存装置から、当該選択されたコンテンツ保存装置が保存しているコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得し、取得したコンテンツリストのうち、前記ユーザの操作に従ってコンテンツを選択する第2のステップと、
前記再生装置リストに含まれるコンテンツ再生装置それぞれを識別するための再生装置識別情報を生成する第3のステップと、
生成された再生装置識別情報を前記1以上のコンテンツ再生装置それぞれに送信する第4のステップと、
受信した再生装置識別情報を再生することにより識別される前記1以上のコンテンツ再生装置の中から、前記ユーザの操作に従って、前記第2のステップで選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択する第5のステップと、
前記第2のステップで選択されたコンテンツの再生指示を、前記第5のステップで選択されたコンテンツ再生装置に送信する第6のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231222(P2012−231222A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97046(P2011−97046)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】