説明

コンテンツ再生装置

【課題】VODコンテンツの高品質な再生表示が妨げられないようにしつつ、ユーザに操作を強いることなく関連情報等を表示させることが可能となる、コンテンツ再生装置を提供する。
【解決手段】再生させるVODコンテンツのタイトルである再生対象タイトルを特定する特定部と、インターネットを介して前記再生対象タイトルのVODコンテンツを取得し、ディスプレイに再生させる再生部と、前記再生対象タイトルの関連情報またはその一覧を前記ディスプレイへ表示させる、関連情報表示処理を行う関連情報表示部と、を備え、前記関連情報表示部は、前記再生が開始される前および前記再生が終了した後の、少なくとも一方において関連情報表示処理を行うものであり、前記再生が行われている期間においては、関連情報表示処理は行われないようにしたコンテンツ再生装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VOD[Video On Demand]サービスのコンテンツを再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ受像機等について、インターネット接続機能を有する機種が増えてきており、VODサービスとしてストリーミング配信されるコンテンツ(本願では「VODコンテンツ」と称する)を再生する機能を有した機種も一般化しつつある。このようなテレビ受像機を使ってVODサービスを利用すれば、ユーザは、見たいコンテンツを好きな時に見ることが可能である。
【0003】
VODコンテンツを再生する機能を有した装置(コンテンツ再生装置)は、インターネットを介して、各種タイトルのVODコンテンツを保有したVODサーバにアクセスする。コンテンツ再生装置は、VODサーバから送信されるVODコンテンツを取得し、再生させるようになっている。
【0004】
また、再生させるVODコンテンツのタイトルに関連した関連情報をVODサーバ等から取得し、関連情報等(関連情報或いはその一覧)をディスプレイに表示させるコンテンツ再生装置も提案されている。このようなコンテンツ再生装置によれば、ユーザは、視聴するVODコンテンツに関連した各種情報を得ることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−306588号公報
【特許文献2】特開2009−171049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コンテンツ再生装置が関連情報等を表示させるタイミングは、(1)VODコンテンツの再生中(再生中の一部または全部の期間)や、(2)ユーザによる表示要求の操作(例えばリモコンのボタン操作)がなされたとき、であるのが一般的である。
【0007】
上記(1)の場合、VODコンテンツの高品質な再生表示が、妨げられるおそれがある。例えば、関連情報等の表示領域がVODコンテンツの再生表示領域とは別に設けられると、VODコンテンツは縮小して(或いは一部がカットされて)再生表示されてしまうことになる。また関連情報等がVODコンテンツに重畳して表示されると、当該重畳している部分において、VODコンテンツのクリアな再生表示が妨げられる。
【0008】
上記(2)の場合、ユーザは、関連情報等を表示させるために、所定の操作を行う必要がある。このように操作が強いられることは、ユーザにとって面倒であり、コンテンツ再生装置の利便性を損なうおそれがある。
【0009】
上述したように上記(1)と(2)の何れの場合であっても、ユーザにとって不都合な面があると言える。本発明は上述した問題に鑑み、VODコンテンツの高品質な再生表示が妨げられないようにしつつ、ユーザに操作を強いることなく関連情報等を表示させることが可能となるコンテンツ再生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るコンテンツ再生装置は、再生させるVODコンテンツのタイトルである再生対象タイトルを特定する特定部と、インターネットを介して前記再生対象タイトルのVODコンテンツを取得し、ディスプレイに再生させる再生部と、前記再生対象タイトルの関連情報またはその一覧を前記ディスプレイへ表示させる、関連情報表示処理を行う関連情報表示部と、を備え、前記関連情報表示部は、前記再生が開始される前および前記再生が終了した後の、少なくとも一方において関連情報表示処理を行うものであり、前記再生が行われている期間においては、関連情報表示処理は行われないようにした構成とする。
【0011】
本構成によれば、VODコンテンツの高品質な再生表示が妨げられないようにしつつ、ユーザに操作を強いることなく関連情報等を表示させることが可能となる。
【0012】
また上記構成としてより具体的には、前記特定部は、ユーザによる操作に応じて、前記再生対象タイトルを特定し、前記関連情報表示部は、前記再生対象タイトルが特定された後、インターネットを介して、該再生対象タイトルの関連情報を取得する構成としてもよい。
【0013】
また上記構成としてより具体的には、前記関連情報表示部は、前記関連情報表示処理として、前記再生が開始される前に第1関連情報表示処理を行い、前記再生が終了した後に第2関連情報表示処理を行う構成としてもよい。
【0014】
また、インターネットを介して、タイトルごとのVODコンテンツおよび関連情報を保有したサーバにアクセスする、上記構成のコンテンツ再生装置において、前記関連情報表示部は、前記再生対象タイトルの関連情報を自機へ送信するように前記サーバに要求し、該要求に応じて送信されてきた情報を用いて第1関連情報表示処理を行い、前記再生部は、第1関連情報表示処理が終了したとき、前記再生対象タイトルのVODコンテンツを自機へ送信するように前記サーバに要求し、該要求に応じて送信されてきたVODコンテンツを再生させ、更に前記関連情報表示部は、前記再生が終了したときに、第2関連情報表示処理を行う構成としてもよい。
【0015】
また、前記関連情報として再生前用関連情報および再生後用関連情報を保有した前記サーバにアクセスする、上記構成のコンテンツ再生装置において、関連情報表示部は、前記サーバから送信されてきた再生前用関連情報を用いて、第1関連情報表示処理を行い、前記サーバから送信されてきた再生後用関連情報を用いて、第2関連情報表示処理を行う構成としてもよい。
【0016】
また上記構成としてより具体的には、関連情報表示処理は、前記再生対象タイトルの関連情報の一覧を表示させながら、所定のキーを用いた該一覧中の何れかの操作選択を待機し、該操作選択のなされた関連情報を表示させる処理であって、所定の待機時間内に前記キーの操作がなされなかったときには、終了される処理である構成としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
上述した通り、本発明に係るコンテンツ再生装置によれば、VODコンテンツの高品質な再生表示が妨げられないようにしつつ、ユーザに操作を強いることなく関連情報等を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビ受像機の構成、およびVODサーバとの接続形態を示した説明図である。
【図2】第1実施形態に係るVODサーバが保有する情報に関する説明図である。
【図3】第1実施形態に係る再生関連動作に関するフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る関連情報表示処理に関するフローチャートである。
【図5】関連情報の一覧の表示に関する説明図である。
【図6】関連情報表示処理を終了させるための選択肢の表示に関する説明図である。
【図7】第2実施形態に係るVODサーバが保有する情報に関する説明図である。
【図8】第2実施形態に係る再生関連動作に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、第1実施形態および第2実施形態をそれぞれ例に挙げ、以下に説明する。
【0020】
1.第1実施形態
[テレビ受像機の構成等]
先ず第1実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るテレビ受像機(コンテンツ再生装置の一形態)の構成、およびVODサーバとの接続形態を示した説明図である。本図に示すように当該テレビ受像機1は、CPU8、リモコン9、リモコン信号受信部10、チューナ11、MPEGデコーダ12、ビデオ入力端子13、ネットワークIF14、映像・音声処理回路15、スピーカ16、OSD出力回路17、ディスプレイ18、およびメモリ19を備えている。
【0021】
CPU8は、テレビ受像機1がその機能を発揮するように、テレビ受像機1の各部を適切に制御し、各種の動作を実行する。なおテレビ受像機1が行う主な動作については、改めて説明する。
【0022】
リモコン(リモートコントローラ)9は、テレビ受像機1を遠隔操作するための装置である。リモコン9には、ユーザに操作される複数のキー(押しボタンスイッチ等)が設けられている。何れかのキーが操作されると、リモコン9は、このキー操作に応じたリモコン信号(無線信号)を出力する。なおリモコン9には、受信チャンネルを切替える際に使う選局キー、入力される外部信号の切替の際に使う入力切替キー、VODコンテンツを視聴する際に使うVOD視聴キー、および、各種選択肢を操作選択する際に使う選択キーなどのキーが設けられている。
【0023】
リモコン信号受信部10は、リモコン9から出力されたリモコン信号を受信する。受信されたリモコン信号が示す情報(リモコン9における操作内容)は、CPU8に伝送され、テレビ受像機1の動作に反映される。
【0024】
チューナ11は、外部からテレビ放送信号が入力されるようになっている。チューナ11は、このテレビ放送信号に対して選局キーの操作に応じた選局処理を行い、選局された信号をMPEGデコーダ12に送出する。
【0025】
MPEGデコーダ12は、チューナ11から送出されてきたテレビ放送信号(MPEG形式の信号)に対して、デコード処理等を施す。デコード処理等の施された信号は、映像・音声処理回路15に送出される。
【0026】
ビデオ入力端子13は、外部機器(例えばDVDプレーヤ)との接続に用いられる端子であり、接続された外部機器からのビデオ信号の入力を可能とする。ビデオ入力端子13に入力されたビデオ信号は、映像・音声処理回路15に送出される。
【0027】
ネットワークIF14は、ネットワークへの接続に用いられるインターフェースであり、テレビ受像機1におけるインターネットへの接続を可能とする。
【0028】
映像・音声処理回路15は、前段側から入力される信号に所定の処理を施し、映像信号および音声信号(或いは何れか一方)を生成する。生成された音声信号はスピーカ16に向けて出力され、生成された映像信号はディスプレイ18に向けて出力される。なお、MPEGデコーダ12、ビデオ入力端子13、およびネットワークIF14のうち、何れからの信号が映像・音声処理回路15に入力されるかは、入力切替キーの操作等に応じ、CPU8によって決定される。
【0029】
スピーカ16は、受取った音声信号に基づいて音声を出力する。またOSD出力回路17は、CPU8の指示に応じて、ディスプレイ18に向けてOSD信号(OSD表示される画像の信号)を出力する。ディスプレイ18は、前段側から受取った映像信号あるいはOSD信号に基づいた表示を行う。またメモリ19は、各種情報を書換え可能に記録するように形成されており、取得された情報(後述する関連情報を含む)の保持に用いられる。
【0030】
またVODサーバ2は、インターネットを用いてVODサービスを提供するためのサーバであり、通常、VODサービスの各プロバイダが管理している。図2は、VODサーバ2が保有する情報の一部の種類を、概略的に示したものである。本図に示すようにVODサーバ2は、複数種のタイトルの各々について、VODコンテンツや複数種の関連情報などを保有している。なお、VODサーバ2が関連情報を一種しか保有していない場合、或いは、関連情報を全く保有していない場合もあり得る。
【0031】
VODコンテンツは、そのタイトルの映像や音声を表すストリーミング送信用のデータであり、VODサービスの中核的役割を果すデータである。また関連情報は、そのタイトルに関連する情報であり、静止画或いは簡単な動画を含むデータである。なお、そのタイトルにどのように関連している情報を関連情報とするかについては、例えばVODコンテンツの視聴者のニーズ等に鑑み、プロバイダ側において決められる。各タイトルの関連情報は、予めそのタイトルに対応付けられた表示用の情報と見ることも出来る。
【0032】
一例を挙げれば、タイトルがスポーツの試合である場合、そのスポーツに関するニュースや、そのスポーツの他の試合の結果などが、関連情報に該当し得る。またタイトルがドラマである場合、そのドラマのあらすじや出演者情報などが、関連情報に該当し得る。なお関連情報の各々には、その内容を端的に示した題目(一覧表示に用いられる名称)が設定されている。またVODサーバ2は、後述するタイトル選択用の画面を形成するために必要な各種情報(各タイトルの名称や、管理するプロバイダの名称など)も保有している。
【0033】
VODサーバ2は、クライアント側からの要求に応じて、保有している各種情報を、インターネットを介してそのクライアントへ送信する。なおテレビ受像機1は、複数のVODサーバ2のIPアドレス等を記憶しており、これらのVODサーバ2へアクセス可能である。テレビ受像機1は、これらのVODサーバ2のクライアントとして、各種情報を受取ることが可能である。
【0034】
[テレビ受像機の動作等]
テレビ受像機1は上述した通りの構成となっており、一般的なテレビ受像機としての動作を行うことが可能である。すなわちテレビ受像機1は、テレビ放送信号や外部機器から得られるビデオ信号を適切に処理し、ディスプレイ18やスピーカ16を通じて、映像音声出力を行う。
【0035】
そして更にテレビ受像機1は、VODコンテンツを再生するコンテンツ再生装置としての動作を行うことも可能である。以下、VODコンテンツの再生に関わる一連の動作(便宜的に、「再生関連動作」と称する)の内容について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
リモコン9のVOD視聴キーが操作されると、CPU8は、再生関連動作(ステップS1〜S5)を開始させる。再生関連動作が開始されると、まずCPU8は、ユーザによる操作に応じて、再生させるVODコンテンツのタイトルである再生対象タイトルを特定する(ステップS1)。なお当該特定を行うに際して、CPU8は、所定のタイトル選択用の画面をディスプレイ18にOSD表示させながら、ユーザによる再生対象タイトルの操作選択を待機するようになっている。
【0037】
より具体的には、各VODサーバ2から取得される情報などに基づいて、VODサービスのプロバイダの一覧が表示される。そして当該プロバイダの一覧のうちの何れかがユーザに操作選択されると、選択されたプロバイダが提供するタイトルの一覧が表示される。
【0038】
そして更に、当該タイトルの一覧のうちの何れかがユーザに操作選択されると、CPU8は、この選択されたタイトルを再生対象タイトルとして特定する。なお、再生対象タイトルを特定するための動作形態や、タイトル選択用の画面の形態などは、ここで説明したものに限られることはなく、他の形態が採用されていても構わない。
【0039】
再生対象タイトルが特定された後、次にCPU8は、再生対象タイトルの各関連情報を取得する(ステップS2)。すなわちCPU8は、インターネットを介して、再生対象タイトルの各関連情報を保有している(再生対象タイトルに対応している)VODサーバ2にアクセスし、これらの関連情報を自機(テレビ受像機1)へ送信するよう要求する。テレビ受像機1は、VODサーバ2が当該要求に応じて送信する各関連情報を取得する。
【0040】
ここで、テレビ受像機1が再生対象タイトルの各関連情報を取得する手法としては、上述した形態のものには限られず、他の手法が採用されていても構わない。例えば、再生対象タイトルに対応しているVODサーバ2(或いは、その他のVODサーバ2をも加えたサーバ群)が保有する様々な表示用の情報に対して、再生対象タイトルの名称などのキーワードを含む情報が検索されるようにし、見つかった各情報が関連情報として取得されるようにしても良い。
【0041】
また、テレビ受像機1がテレビ放送に関するEPG[Electronic Program Guide]情報を取得する機能を有する場合、既に取得されているEPG情報に対して、再生対象タイトルの名称などのキーワードを含む情報が検索されるようにし、見つかった各情報が関連情報として取得(抽出)されるようにしても良い。
【0042】
なお、VODサーバ2が再生対象タイトルの関連情報を保有していない(或いは、上述した検索の条件に適合する情報が見つからない)場合等には、再生対象タイトルの関連情報は取得不可であるため、後述するステップS3およびS5の動作の実行は省略される。以下、再生対象タイトルの関連情報は取得可能であるとして説明を続ける。
【0043】
各関連情報を取得したら、CPU8は次に、第1関連情報表示処理を実行する(ステップS3)。なお関連情報表示処理は、再生対象タイトルの関連情報またはその一覧を、ディスプレイ18へ表示させるための処理であり、当該処理のフロー等については改めて説明する。第1関連情報表示処理は、関連情報表示処理の一形態であり、VODコンテンツの再生開始の前に、再生対象タイトルの関連情報またはその一覧を表示するための処理である。
【0044】
第1関連情報表示処理が終了したら、CPU8は次に、VODコンテンツの再生を実行する(ステップS4)。すなわちCPU8は、インターネットを介して、再生対象タイトルのVODコンテンツを保有している(再生対象タイトルに対応している)VODサーバ2にアクセスし、当該VODコンテンツを自機(テレビ受像機1)へ送信するよう要求する。
【0045】
これによりVODサーバ2は、当該要求に応じて、テレビ受像機1へ再生対象タイトルのVODコンテンツをストリーミング送信することになる。CPU8は、ディスプレイ18およびスピーカ16を通じて、送信されてきたVODコンテンツの映像表示および音声出力が略リアルタイムに行われるようにし、当該VODコンテンツの再生を実現させる。
【0046】
VODコンテンツの再生が終了したら、CPU8は次に、第2関連情報表示処理を実行する(ステップS5)。第2関連情報表示処理は、関連情報表示処理の一形態であり、VODコンテンツの再生終了の後に、再生対象タイトルの関連情報またはその一覧を表示するための処理である。第2関連情報表示処理が終了したら、一連の再生関連動作は終了することになる。
【0047】
次に、先述した関連情報表示処理(ステップS3、S5)の内容について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0048】
関連情報表示処理が開始されると、ディスプレイ18に関連情報の一覧(リスト)が表示される(ステップS11)。図5は、関連情報の一覧が表示されている状態の一例を表している。本図に示すように関連情報の一覧31は、各関連情報の題目を表すとともに、ユーザが何れかの関連情報を選択するための選択肢を兼ねている。関連情報の一覧31が表示されているとき、ユーザは選択キーを操作して、何れかの関連情報を操作選択することが可能である。
【0049】
CPU8は、このような関連情報の一覧31を表示させながら、所定の待機時間(例えば5秒)の間、ユーザによる選択キーの操作を待機する(ステップS12、S13)。選択キーの操作がないまま、待機時間が経過したときは(ステップS13のY)、ユーザに関連情報の表示を閲覧する意思がないと想定される。そこでこの場合は、関連情報表示処理は終了される。
【0050】
一方、待機中に選択キーの操作があったときは(ステップS12のY)、ユーザに関連情報の表示を閲覧する意思があると想定される。そこでCPU8は、関連情報表示処理の終了の操作指示を待機しつつ(ステップS14)、一覧中の関連情報の何れかの操作選択(見たい情報の選択)を待機する(ステップS15)。
【0051】
なおこのとき、ディスプレイ18上のOSD表示には、例えば図6に示すように、関連情報表示処理を終了させるための選択肢32が追加される。これによりユーザは、選択肢32を操作選択し、関連情報表示処理の終了を指示することが可能である。
【0052】
そして関連情報表示処理の終了が操作指示されたときは(ステップS14のY)、関連情報表示処理は終了される。一方、一覧中の関連情報の何れかが操作選択されたときは(ステップS15のY)、選択された関連情報がディスプレイ18に表示される(ステップS16)。
【0053】
すなわち、関連情報の一覧31の表示などはキャンセルされ、その代わりに、ディスプレイ18の表示領域の大部分を使って、選択された関連情報の本来の内容が表示される。これにより、ユーザは所望の関連情報を選択し、その関連情報を見易い状態で閲覧することが可能である。
【0054】
選択された関連情報の表示は、ユーザによって一覧表示への戻りが操作指示されるまで継続される(ステップS17)。そして、一覧表示への戻りが指示されたときは(ステップS17のY)、ディスプレイ18の表示状態は、関連情報の一覧31が表示された状態に戻り(ステップS18)、ステップS14の動作が繰り返される。
【0055】
上述した内容の関連情報表示処理によれば、ユーザは、先ず関連情報の一覧を確認することが可能である。そして一覧中に詳細を知りたい関連情報が無い場合、ユーザはそのまま待っているだけで(特に操作を要することなく)、自動的に関連情報表示処理を終了させることができる(ステップS13を参照)。一方、一覧中に詳細を知りたい関連情報があれば、ユーザはそれを選択し、見易い状態でその関連情報を閲覧することが可能である。
【0056】
なお関連情報表示処理の内容は、上述したものに限られず、再生対象タイトルの関連情報またはその一覧をディスプレイへ表示させる処理として、その他の内容とすることも可能である。例えば関連情報表示処理は、最初から関連情報の一覧を表示させることなく、何れかの関連情報そのものを表示させる処理であっても構わない。
【0057】
上述したように本実施形態のテレビ受像機1は、VODコンテンツの再生が開始される前には、第1関連情報表示処理を自動的に行い、当該再生が終了した後には、第2関連情報表示処理を自動的に行うようになっている。より具体的には、第1関連情報表示処理は、VODコンテンツの再生前に完了する動作(ステップS1)の終了をトリガとして、第2関連情報表示処理は、VODコンテンツの再生(ステップS4)の終了をトリガとして、それぞれ開始されるようになっている。そのため、ユーザに操作を強いることなく関連情報等を表示させることが可能となっている。
【0058】
またテレビ受像機1は、VODコンテンツの再生が行われている期間においては、関連情報表示処理は行われないようになっている。そのため、関連情報等の表示によってVODコンテンツの高品質な再生表示が妨げられることが、回避されるようになっている。
【0059】
なお本実施形態では、関連情報表示処理として、第1関連情報表示処理と第2関連情報表示処理の両方が行われるようになっている。これによりユーザは、VODコンテンツの再生の開始前と終了後の何れのタイミングにおいても、所望の関連情報を閲覧することが可能である。但し関連情報表示処理として、第1関連情報表示処理および第2関連情報表示処理の、何れか一方のみが行われるようになっていても構わない。
【0060】
2.第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。なお第2実施形態は、関連情報として「再生前用関連情報」と「再生後用関連情報」の二種類が利用される点、およびこれに関する点を除き、第1実施形態と基本的に同等である。第2実施形態の説明では、第1実施形態と異なる点の説明に重点を置き、同様の点については説明を省略することがある。
【0061】
図7は、VODサーバ2(本実施形態のテレビ受像機1がアクセスするVODサーバ)が保有する情報の一部の種類を、概略的に示したものである。本図に示すように、VODサーバ2は、複数種のタイトルの各々について、VODコンテンツ、複数種の再生前用関連情報、および複数種の再生後用関連情報などを保有している。
【0062】
再生前用関連情報は、関連情報の一形態であり、そのタイトルのVODコンテンツの再生前(視聴前)に閲覧されることが望ましいと見込まれる関連情報である。なお、どのような情報を再生前用関連情報とするかについては、例えばVODコンテンツの視聴者のニーズ等に鑑み、プロバイダ側において決められる。
【0063】
一例を挙げれば、タイトルが連続ドラマである場合、前回分のあらすじ(前回分を見逃している視聴者でも、これを閲覧すれば今回分の内容が理解容易となる)などが、再生前用関連情報に該当し得る。
【0064】
また再生後用関連情報は、関連情報の一形態であり、そのタイトルのVODコンテンツの再生後(視聴後)に閲覧されることが望ましいと見込まれる関連情報である。なお、どのような情報を再生後用関連情報とするかについては、例えばVODコンテンツの視聴者のニーズ等に鑑み、プロバイダ側において決められる。
【0065】
一例を挙げれば、タイトルが連続ドラマである場合、次回分のあらすじ(今回分を見た視聴者がこれを閲覧すれば、次回分も見たくなる)などが、再生前用関連情報に該当し得る。
【0066】
次に、本実施形態のテレビ受像機1が行う再生関連動作について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。図8に示すように本実施形態の再生関連動作は、主に、ステップS2の動作に代えてステップS2aおよびステップS2bの動作が行われる点で、第1実施形態とは異なっている。
【0067】
すなわちCPU8は、再生対象タイトルの特定(ステップS1)がなされた後、再生対象タイトルの各再生前用関連情報を取得する(ステップS2a)。
【0068】
より具体的には、CPU8はインターネットを介して、再生対象タイトルの各再生前用関連情報を保有している(再生対象タイトルに対応している)VODサーバ2にアクセスし、当該再生前用関連情報を自機(テレビ受像機1)へ送信するよう要求する。CPU8は、VODサーバ2が当該要求に応じて送信する各再生前用関連情報を取得する。
【0069】
そして各再生前用関連情報を取得したら、CPU8は次に、第1関連情報表示処理を実行する(ステップS3)。なお本実施形態の第1関連情報表示処理は、関連情報として再生前用関連情報が用いられる点を除き、第1実施形態のものと同様である。つまり本実施形態の第1関連情報表示処理は、VODコンテンツの再生開始の前に、再生対象タイトルの再生前用関連情報またはその一覧を表示するための処理となっている。
【0070】
第1関連情報表示処理が終了したら、第1実施形態の場合と同様、VODコンテンツの再生が開始される(ステップS4)。そしてCPU8は、VODコンテンツの再生が終了したら、再生対象タイトルの各再生後用関連情報を取得する(ステップS2b)。
【0071】
より具体的には、CPU8はインターネットを介して、再生対象タイトルの各再生後用関連情報を保有している(再生対象タイトルに対応している)VODサーバ2にアクセスし、当該再生後用関連情報を自機(テレビ受像機1)へ送信するよう要求する。CPU8は、VODサーバ2が当該要求に応じて送信する各再生後用関連情報を取得する。
【0072】
そして各再生後用関連情報を取得したら、CPU8は次に、第2関連情報表示処理を実行する(ステップS5)。なお本実施形態の第2関連情報表示処理は、関連情報として再生後用関連情報が用いられる点を除き、第1実施形態のものと同様である。つまり本実施形態の第2関連情報表示処理は、VODコンテンツの再生終了の後に、再生対象タイトルの再生後用関連情報またはその一覧を表示するための処理となっている。
【0073】
本実施形態のテレビ受像機1によれば、VODコンテンツの再生開始の前には、再生前用関連情報やその一覧が表示され、VODコンテンツの再生終了の後には、再生後用関連情報やその一覧が表示される。これにより、そのときのタイミング(VODコンテンツの再生の前か後か)に応じて、より適切な関連情報をユーザに提供することが可能となっている。
【0074】
なお本実施形態では、再生前用関連情報を取得する動作(ステップS2a)と再生後用関連情報を取得する動作(ステップS2b)は別になっており、再生後用関連情報を取得する動作は、再生前用関連情報を用いる動作(ステップS3)の終了時以降に行われるようになっている。そのためテレビ受像機1は、再生前用関連情報と再生後用関連情報の両方を同時に保持する必要が無く、メモリ容量の節約が容易となっている。但し、例えばステップS2aの動作において、再生前用関連情報だけでなく再生後用関連情報も取得されるようにしておき、ステップS2bの動作は省略されるようにしても構わない。
【0075】
3.その他
上述したように本発明の各実施形態に係るテレビ受像機1は、再生させるVODコンテンツのタイトルである再生対象タイトルを特定する機能部(特定部)と、インターネットを介して再生対象タイトルのVODコンテンツを取得し、ディスプレイ18に再生させる機能部(再生部)と、再生対象タイトルの関連情報またはその一覧をディスプレイ18へ表示させる、関連情報表示処理を行う機能部(関連情報表示部)と、を備えている。
【0076】
そして関連情報表示部は、前記再生が開始される前および前記再生が終了した後の、少なくとも一方において関連情報表示処理を行うようになっている。また前記再生が行われている期間においては、関連情報表示処理は行われないようにされている。そのためテレビ受像機1によれば、VODコンテンツの高品質な再生表示が妨げられないようにしつつ、ユーザに操作を強いることなく関連情報等を表示させることが可能となっている。
【0077】
また本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、VODサービスのコンテンツを再生する各種装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 テレビ受像機(コンテンツ再生装置)
2 VODサーバ
8 CPU
9 リモコン
10 リモコン信号受信部
11 チューナ
12 MPEGデコーダ
13 ビデオ入力端子
14 ネットワークIF
15 映像・音声処理回路
16 スピーカ
17 OSD出力回路
18 ディスプレイ
19 メモリ
31 関連情報の一覧
32 選択肢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生させるVODコンテンツのタイトルである再生対象タイトルを特定する特定部と、
インターネットを介して前記再生対象タイトルのVODコンテンツを取得し、ディスプレイに再生させる再生部と、
前記再生対象タイトルの関連情報またはその一覧を前記ディスプレイへ表示させる、関連情報表示処理を行う関連情報表示部と、を備え、
前記関連情報表示部は、
前記再生が開始される前および前記再生が終了した後の、少なくとも一方において関連情報表示処理を行うものであり、
前記再生が行われている期間においては、関連情報表示処理は行われないようにしたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記特定部は、
ユーザによる操作に応じて、前記再生対象タイトルを特定し、
前記関連情報表示部は、
前記再生対象タイトルが特定された後、インターネットを介して、該再生対象タイトルの関連情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記関連情報表示部は、
前記関連情報表示処理として、前記再生が開始される前に第1関連情報表示処理を行い、前記再生が終了した後に第2関連情報表示処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
インターネットを介して、タイトルごとのVODコンテンツおよび関連情報を保有したサーバにアクセスする、請求項3に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記関連情報表示部は、
前記再生対象タイトルの関連情報を自機へ送信するように前記サーバに要求し、該要求に応じて送信されてきた情報を用いて第1関連情報表示処理を行い、
前記再生部は、
第1関連情報表示処理が終了したとき、前記再生対象タイトルのVODコンテンツを自機へ送信するように前記サーバに要求し、該要求に応じて送信されてきたVODコンテンツを再生させ、
更に前記関連情報表示部は、
前記再生が終了したときに、第2関連情報表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記関連情報として再生前用関連情報および再生後用関連情報を保有した前記サーバにアクセスする、請求項4に記載のコンテンツ再生装置であって、
関連情報表示部は、
前記サーバから送信されてきた再生前用関連情報を用いて、第1関連情報表示処理を行い、
前記サーバから送信されてきた再生後用関連情報を用いて、第2関連情報表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項6】
関連情報表示処理は、
前記再生対象タイトルの関連情報の一覧を表示させながら、所定のキーを用いた該一覧中の何れかの操作選択を待機し、該操作選択のなされた関連情報を表示させる処理であって、
所定の待機時間内に前記キーの操作がなされなかったときには、終了される処理であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のコンテンツ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−16962(P2013−16962A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147151(P2011−147151)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】