説明

コンテンツ管理方法、管理ストレージ及びコンテンツ管理プログラム

【課題】管理ストレージとパブリックネットワークを介して接続された接続ストレージに格納されたコンテンツを、管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されたローカル装置において利用することができるコンテンツ管理方法等を提供する。
【解決手段】コンテンツ管理方法は、管理ストレージが、接続ストレージに格納された接続コンテンツリストを接続ストレージから取得するステップと、管理ストレージが、管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された接続ストレージを示すサブディレクトリの下位層に接続コンテンツリストを配置するステップと、接続ストレージに対応するプロトコルを管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されるローカル装置に対応するプロトコルに変換して、接続コンテンツリストをローカル装置に対して送信するステップ、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理ストレージにおいて、この管理ストレージとパブリックネットワークを介して接続された接続ストレージに格納されたコンテンツを管理するコンテンツ管理方法、管理ストレージ及びコンテンツ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像や音声等のデジタルコンテンツの利用が促進されており、コンテンツを自身のストレージに格納して利用するだけでなく、複数のストレージにおいてコンテンツを共有することが望まれている。近年、DLNA機器等を用いて、ローカルネットワーク内においてコンテンツを利用する技術が普及している。例えば、DMS(Degital Media Server)に格納されたコンテンツを、DMP(Digital Media Player)において再生することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献2には、ローカルネットワークを介して接続されたPCとサーバとを備え、サーバに格納されたコンテンツをPCにおいて利用する会議支援システムが記載されている。具体的には、会議室内のPCからサーバに対して、会議に対応するプロジェクトに関連するコンテンツを要求するコンテンツ要求を送信する。サーバは、コンテンツを格納するファイルスペースを会議室毎に有しており、コンテンツ要求に応じて、コンテンツ要求の発信元となるPCに対応する会議室のファイルスペースに、要求のあったプロジェクトのコンテンツを格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−41120号公報
【特許文献2】特開2006−12085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、コンテンツは、ローカルネットワークを介して接続されたストレージのみならず、パブリックネットワークを介して接続されたストレージにも格納されており、パブリックネットワークを介してコンテンツを取得したいというユーザのニーズがある。
【0006】
パブリックネットワークでは、例えば、HTML、XML、JSONといった言語でコンテンツを含む情報が記述されている。一方、DMP等のローカル装置は、これらの言語で記述された情報を表示する機能を有していないことが想定される。このような場合には、ローカル装置は、パブリックネットワークに接続されたコンテンツを利用することができない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、パブリックネットワークを介して管理ストレージと接続された接続ストレージに格納されたコンテンツを、管理ストレージ及びこの管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されたローカル装置において利用することができるコンテンツ管理方法、管理ストレージ及びコンテンツ管理プログラムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としてのコンテンツ管理方法は、管理ストレージが、パブリックネットワークを介して接続された接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、接続ストレージに対して送信するステップと、接続ストレージが、リスト要求に応じて、接続コンテンツリストを送信するステップと、管理ストレージが、管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された接続ストレージを示すディレクトリの下位層に、接続コンテンツリストを配置するステップと、接続ストレージに対応するプロトコルを管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されるローカル装置に対応するプロトコルに変換して、接続コンテンツリストを含む管理コンテンツリストをローカル装置に対して送信するステップと、を備える。
【0009】
このコンテンツ管理方法によれば、管理ストレージが、接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを取得し、この接続コンテンツリストを含む管理コンテンツリストをローカル装置に対応するプロトコルによってローカル装置に対して送信する。したがって、管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されたローカル装置において、接続コンテンツリストをローカル装置において利用することができる。なお、管理コンテンツリストは、接続ストレージから取得した接続コンテンツリストのみによって構成されていてもよいし、自機に格納されたコンテンツのリストと接続コンテンツリストとを含んで構成されていてもよい。
【0010】
このプロトコル変換は、例えば、接続ストレージから取得した接続コンテンツリストを、接続ストレージに対応する通信プロトコル又は言語フォーマットからローカル装置に対応する通信プロトコル又は言語フォーマットに変換するものである。例えば、ローカル装置が、DLNA機器である場合においては、管理ストレージが、HTTPとDLNA機器対応のプロトコルとを変換することにより、ローカル装置においても、接続ストレージ内のコンテンツを利用することが可能となる。
【0011】
また、このコンテンツ管理方法によれば、コンテンツ等を自機に格納するための所定の記憶領域を備えない管理ストレージにおいて、ネットワークを介して接続された接続ストレージのコンテンツを、管理ストレージ内に格納されたコンテンツとして操作することができる。管理ストレージは、接続ストレージのコンテンツを自機に格納されているコンテンツであるように利用することができる。このような所定の記憶領域を備えない管理ストレージは、接続ストレージとローカル装置との間でコンテンツを中継する機能を発揮する。
【0012】
なお、コンテンツとは、デジタルデータ化された画像、音声のみならず、テキストファイル、Word、Excel等のデータファイルも含む概念である。コンテンツのリストは、複数の項目が階層化されたツリー構造を有していてもよい。例えば、リストは、コンテンツ名の一覧を示すリストであってもよいし、コンテンツを格納するフォルダ名の一覧を示すリストであってもよい。
【0013】
また、接続ストレージを示すディレクトリは、管理ストレージが接続ストレージと接続されたタイミング等所定のタイミングにおいて、予めサブディレクトリを作成するように構成してもよいし、接続ストレージから接続コンテンツリストを取得した際に作成するように構成してもよい。
【0014】
なお、管理ストレージと接続ストレージは、互いに同一セグメント内に配置されていても良いし、それぞれ異なるセグメントに配置されていてそれぞれのセグメントを中継サーバ等を介して接続されるように構成されていても良い。なお、管理ストレージは、階層構造のディレクトリを管理するシステムである。
【0015】
また、接続ストレージを示す接続ディレクトリは、管理ストレージの所定の記憶領域に配置されていてもよい。このような構成によれば、管理ストレージにおいて、自機に格納されているコンテンツのリストと、接続コンテンツリストと、を同じように操作することができる。
【0016】
具体的には、例えば、一般的なPCにおいてコンテンツの移動や閲覧を実行するファイルソフト(explorer等)は、コンテンツの移動等をドラック&ドロップやコピー&ペースト等、ユーザが直感的に操作できるように構築されている。しかし、このような直感的な操作は、管理ストレージの所定の記憶領域に格納されたコンテンツのみであり、例えばWebブラウザを用いた閲覧等、他のストレージに格納されたコンテンツの閲覧等において直感的な操作を行うことは難しかった。しかし、接続コンテンツリストを、管理ストレージの所定の記憶領域のディレクトリ内に配置することにより、接続ストレージに格納されたコンテンツの直感的な操作を実現でき、操作性を向上させることができる。
【0017】
なお、サブディレクトリは、管理ストレージの所定の記憶領域のルートディレクトリの下位層に配置されてもよいし、ルートディレクトリ(例えば、Dドライブ)であってもよく、接続ストレージを示すサブディレクトリとしてルートディレクトリに割り当ててもよい。
【0018】
本発明に係るコンテンツ管理方法は、管理ストレージが、パブリックネットワークを介して接続された接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、該接続ストレージに対して送信するステップと、前記接続ストレージが、前記リスト要求に応じて、該接続コンテンツリストを送信するステップと、前記管理ストレージが、該管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された該接続ストレージを示すディレクトリの下位層に、前記接続コンテンツリストを配置するステップと、前記管理ストレージが、前記管理ストレージの所定の記憶領域に配置された前記接続コンテンツリストと前記管理ストレージが保持するコンテンツのリストとを集約した管理コンテンツリストを、前記管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されるローカル装置に対応するプロトコルに変換して、該ローカル装置に対して送信するステップと、を備える。
【0019】
このようなコンテンツ管理方法によれば、ローカル装置は、接続ストレージに格納された接続コンテンツリストと、管理ストレージが保持するコンテンツのリストと、を集約した管理コンテンツリストを取得することができる。
【0020】
本発明に係るコンテンツ管理方法は、前記管理ストレージが、前記管理ストレージの所定の記憶領域に配置された前記接続コンテンツリストと前記管理ストレージが保持するコンテンツのリストとを集約した管理コンテンツリストを前記ローカル装置に対して送信するステップと、前記ローカル装置が、前記接続コンテンツリスト及び前記管理コンテンツリストに含まれるコンテンツのデータを要求するコンテンツ要求を前記管理ストレージに対して送信するステップと、前記管理ストレージが、前記コンテンツ要求に前記接続ストレージのコンテンツが含まれる場合に、該当するコンテンツの要求を、該接続ストレージに対して送信するステップと、前記管理ストレージが、前記コンテンツ要求に該管理ストレージのコンテンツが含まれる場合に、該当するコンテンツのデータを、該ローカル装置に対して送信するステップと、前記接続ストレージが、前記管理ストレージからのコンテンツ要求の受信に応じて、該当するコンテンツのデータを前記管理ストレージに対して送信するステップと、前記管理ストレージが、前記接続ストレージからのコンテンツの受信に応じて、該コンテンツを前記ローカル装置に対して送信するステップと、を更に備えていてもよい。
【0021】
このようなコンテンツ管理方法によれば、ローカル装置は、接続ストレージに格納された接続コンテンツリストと、管理ストレージが保持するコンテンツのリストと、を集約した管理コンテンツリストを取得し、これらのコンテンツのリストから選択したコンテンツを取得することができる。ローカル装置は、管理ストレージに格納されたコンテンツであっても、接続ストレージに格納されたコンテンツであっても、区別することなく同様の操作によって取得することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係るコンテンツ管理方法は、管理ストレージが、前記リスト要求に応じて、前記接続ストレージとの名前解決を実行する名前解決サーバに対して該接続ストレージのアドレスを取得するための名前解決要求を送信するステップと、前記名前解決サーバが、前記名前解決要求に応じて、前記管理ストレージに対して名前解決結果としての前記接続ストレージのアドレスを送信するステップと、を更に備えていてもよい。
【0023】
また、本発明の他の例示的側面としての管理ストレージは、パブリックネットワークを介して接続ストレージと通信可能に接続され、かつローカルネットワークを介してローカル装置と通信可能に接続される管理ストレージであって、前記接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、前記ローカル装置から受信するリスト要求受信部と、前記リスト要求に応じて、前記接続コンテンツリストを該接続ストレージから取得する接続コンテンツリスト取得部と、管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された接続ストレージを示すディレクトリの下位層に接続コンテンツリストを配置するディレクトリ編成部と、前記接続ストレージに対応するプロトコルをローカル装置に対応するプロトコルに変換して、前記接続コンテンツリストを含む管理コンテンツリストを該ローカル装置に対して送信するコンテンツリスト送信部と、を備える。
【0024】
また、管理ストレージから接続ストレージに対するリスト要求は、ローカル装置からのリスト要求に応じて送信するように構成してもよいし、管理ストレージと接続ストレージとが接続されたことを契機として送信するように構成してもよい。
【0025】
更に、本発明に係る管理ストレージは、接続ストレージのコンテンツのリストである前記接続コンテンツリストを一時的に記録する記録保持部を更に備えていてもよい。この構成によれば、管理ストレージは、リスト要求を受信する毎に接続ストレージから接続コンテンツリストを取得せずに、記録保持部に記録された接続コンテンツリストをローカル装置に対して送信することができ、処理時間を短縮することが可能となる。例えば、管理ストレージと接続ストレージとを接続するネットワークが比較的低速な場合においては、ネットワークを介して接続コンテンツリストを取得する構成と比較して、処理時間を短縮することが可能となる。
【0026】
また、本発明の他の例示的側面としてのコンテンツ管理プログラムは、パブリックネットワークを介して接続ストレージと通信可能であって、ローカルネットワークを介してローカル装置と通信可能なコンピュータを、前記接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、前記ローカル装置から受信するリスト要求受信手段と、前記リスト要求に応じて、前記接続コンテンツリストを該接続ストレージから取得する接続コンテンツリスト取得手段と、管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された接続ストレージを示すディレクトリの下位層に接続コンテンツリストを配置するディレクトリ編成手段と、前記接続ストレージに対応するプロトコルをローカル装置に対応するプロトコルに変換して、前記接続コンテンツリストを含む管理コンテンツリストを該ローカル装置に対して送信するコンテンツリスト送信手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、パブリックネットワークを介して管理ストレージと接続された接続ストレージに格納されたコンテンツを、管理ストレージ及びこの管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されたローカル装置において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態1に係るコンテンツ管理システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す管理ストレージの構成図である。
【図3】図1に示す接続ストレージの構成図である。
【図4】図1に示すローカル再生装置の構成図である。
【図5】管理ストレージのローカルディレクトリの編成過程を示す図である。
【図6】ローカルディレクトリの編成過程を示す図である。
【図7】ローカルディレクトリの編成過程を示す図である。
【図8】コンテンツ管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】名前解決サーバの構成図である。
【図10】実施の形態2に係るコンテンツ管理システムの構成を示す図である。
【図11】図10に示す管理ストレージのローカルディレクトリを示す図である。
【図12】実施の形態2に係るコンテンツ管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図13】実施の形態3に係るコンテンツ管理システムの構成を示す図である。
【図14】管理ストレージのディレクトリの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施の形態1>
次に、本発明の実施の形態1について図面を参照して説明する。具体的には、(1)コンテンツ管理システムの概略構成、(2)管理ストレージの構成、(3)接続ストレージの構成、(4)ローカル再生装置の構成、(5)管理ストレージのローカルディレクトリ構成、(6)コンテンツ管理システムの動作、(7)作用・効果について説明する。
【0030】
(1)コンテンツ管理システムの概略構成
図1は、実施の形態に係るコンテンツ管理システム1の構成を示すブロック図である。コンテンツ管理システム1は、ローカルネットワーク100と、パブリックネットワーク200と、ローカル装置としてのローカル再生装置300と、管理ストレージ400と、接続ストレージ500と、名前解決サーバ600と、を備える。コンテンツ管理システム1は、管理ストレージ400に格納されたコンテンツと、接続ストレージ500に格納されたコンテンツである接続コンテンツと、をローカル再生装置300に対して送信するシステムである。
【0031】
ローカルネットワーク100は、LANあるいは無線LANなどの局所的なネットワークである。ローカルネットワーク100は、パブリックネットワーク200とは独立して設けられる。パブリックネットワーク200は、例えばインターネットなどのネットワークである。
【0032】
ローカル再生装置300は、ローカルネットワーク100に接続され、映像や音声などのコンテンツを再生する装置である。具体的には、ローカル再生装置300は、リスト要求を行うことで、コンテンツのリストである管理コンテンツリストを、ローカルネットワーク100を介して管理ストレージ400から受信する。ローカル再生装置300は、受信したコ管理コンテンツリストの中から選択されたコンテンツを要求するコンテンツ要求を、ローカルネットワーク100を介して管理ストレージ400に送信する。ローカル再生装置300は、コンテンツ要求に応じて送信されるコンテンツを、ローカルネットワーク100を介して受信する。ローカル再生装置300は、受信されたコンテンツを再生する。なお、リスト要求とは、所定のストレージに格納されたコンテンツに設定された名称であるコンテンツ名の一覧を取得するための要求である。
【0033】
管理ストレージ400は、ローカル再生装置300とローカルネットワーク100を介して接続されるとともに、接続ストレージ500及び名前解決サーバ600とパブリックネットワーク200を介して接続される。管理ストレージ400は、自機に格納されたコンテンツをローカル再生装置300に提供するコンテンツサーバとして機能するとともに、ローカルネットワーク100とパブリックネットワーク200との間のゲートウェイとして機能する。
【0034】
管理ストレージ400は、接続ストレージ500からの接続コンテンツリストの取得に応じて、管理ストレージの所定の記憶領域のディレクトリに、接続ストレージ500を示すサブディレクトリを作成し、その下位層に接続ストレージ500のコンテンツリストを配置する。管理ストレージ400は、ローカル再生装置300に対応するプロトコルに従って、ローカル再生装置300に送信する管理コンテンツリストを作成する。
【0035】
管理ストレージ400は、作成した管理コンテンツリストをローカル再生装置300に送信する。管理ストレージ400は、管理コンテンツリストの中から選択されたコンテンツの要求であるコンテンツ要求を、ローカルネットワーク100を介してローカル再生装置300から受信する。管理ストレージ400は、ローカル再生装置300から受信されたコンテンツ要求が、接続ストレージのコンテンツの要求を示す場合、パブリックネットワーク200を介して接続ストレージのコンテンツを受信し、この受信したコンテンツを、ローカルネットワーク100を介してローカル再生装置300に送信する。
【0036】
接続ストレージ500は、パブリックネットワーク200に接続され、自機に格納されたコンテンツを提供するコンテンツサーバである。接続ストレージ500は、コンテンツ要求を、ローカルネットワーク100およびパブリックネットワーク200を介してローカル再生装置300から受信する。接続ストレージ500は、コンテンツ要求の受信に応じて、コンテンツを、パブリックネットワーク200およびローカルネットワーク100を介してローカル再生装置300に送信する。
【0037】
名前解決サーバ600は、接続ストレージ500及び管理ストレージ400とパブリックネットワーク200を介して接続されるサーバである。名前解決サーバ600は、接続ストレージ500と管理ストレージ400との名前解決を実行する。
【0038】
名前解決サーバ600は、パブリックネットワーク200に接続され、名前解決要求を、管理ストレージ400から受信する。名前解決サーバ600は、名前解決要求の受信に応じて、名前解決結果としてのIPアドレスを、パブリックネットワーク200を介して管理ストレージ400に送信する。
【0039】
(2)管理ストレージの構成
次に、本発明の第1実施形態に係る管理ストレージ400の構成について、図2を参照して説明する。図2は、第1実施形態に係る管理ストレージ400を示す図である。管理ストレージ400は、ローカル通信部410と、パブリック通信部420と、処理部430と、リスト作成部440と、格納部450とを備える。
【0040】
ローカル通信部410は、管理ストレージ400をローカルネットワーク100に接続するためのインターフェイスである。ローカル通信部410としては、LANポートあるいは無線LANポートなどが用いられる。パブリック通信部420は、管理ストレージ400をパブリックネットワーク200に接続するためのインターフェイスである。
【0041】
処理部430は、ローカル通信部410を介してローカル再生装置300から受信される要求および選択項目情報に応じた処理を実行する。処理部430は、リスト要求などを、ローカル通信部410から取得する。処理部430は、取得した要求に応じて、ローカル再生装置300への管理コンテンツリストの送信などを実行する。また、処理部430は、管理コンテンツリストの項目のうち選択された項目を示す選択項目情報を、ローカル通信部410から取得する。処理部430は、取得された選択項目情報に応じて、他の項目またはコンテンツの送信を実行する。また、処理部430は、接続ストレージからのコンテンツのリストである接続コンテンツリストの取得に応じて、管理ストレージの所定の記憶領域のディレクトリ(以下、ローカルディレクトリとする)に、接続ストレージを示すサブディレクトリを作成し、その下位層に接続コンテンツリストを配置する。
【0042】
なお、管理ストレージ400は、ネットワークを介して接続されたストレージのコンテンツを、管理ストレージの所定の記憶領域に格納されたコンテンツと同様に扱うことが可能に構成されている。この機能を実現するソフトウェアとしては、ユーザ空間においてファイルシステムを実装するFUSE(Filesystem In Userspace)やDokanを例示することができる。
【0043】
リスト作成部440は、処理部430から取得されるコンテンツリスト作成指示に応じて管理コンテンツリストを作成する。リスト作成部440は、作成した管理コンテンツリストを格納部450に入力する。
【0044】
格納部450は、所定の情報を格納するHDDなどのストレージである。格納部450は、コンテンツ格納部451と、リスト格納部452と、接続リスト格納部454と、管理リスト格納部455と、アドレステーブル格納部453と、を有する。
【0045】
コンテンツ格納部451は、複数のコンテンツを格納する。リスト格納部452は、管理ストレージ400が保持するコンテンツのリストを格納する。接続リスト格納部454は、接続ストレージ500に格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを格納する。管理リスト格納部455は、接続コンテンツリストと管理ストレージ400が保持するコンテンツのリストとを集約した管理コンテンツリストを格納する。アドレステーブル格納部453は、名前解決サーバ600から取得した名前解決結果としてのIPアドレスと、装置名と、を対応付けるアドレステーブルを格納する。
【0046】
(3)接続ストレージの構成
本発明の第1実施形態に係る接続ストレージ500の構成について、図3を参照して説明する。図3は、接続ストレージ500を示す図である。接続ストレージ500は、パブリック通信部520と、処理部530と、リスト作成部540と、格納部550とを備える。
【0047】
パブリック通信部520は、接続ストレージ500をパブリックネットワーク200に接続するためのインターフェイスである。処理部530は、パブリック通信部520を介して管理ストレージ400から受信される要求に応じた処理を実行する。処理部530は、リスト要求などを、パブリック通信部520から取得する。処理部530は、取得された要求に応じて、管理ストレージ400への接続コンテンツリストの送信やコンテンツの送信などを実行する。
【0048】
リスト作成部540は、処理部530から取得されるコンテンツリスト作成指示に応じて接続コンテンツリストを作成する。リスト作成部540は、作成された接続コンテンツリストを格納部550に入力する。
【0049】
格納部550は、所定の情報を格納するHDDなどのストレージである。格納部550は、コンテンツ格納部551と、リスト格納部552とを有する。
【0050】
(4)ローカル再生装置の構成
次に、実施の形態1に係るローカル再生装置の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、ローカル再生装置300を示す図である。ローカル再生装置300は、ローカル通信部310と、受付部320と、処理部330と、再生部340と、表示部350とを備える。
【0051】
ローカル通信部310は、ローカル再生装置300をローカルネットワーク100に接続するためのインターフェイスである。
【0052】
受付部320は、ローカル再生装置300を操作するための要求を、ローカル再生装置300の外部から受け付ける。受付部320は、例えば、リスト要求などを受け付ける。受付部320は、受け付けた要求を処理部330に入力する。
【0053】
また、受付部320は、表示部350に表示されるコンテンツのリストの項目を選択する情報を受け付ける。具体的には、コンテンツのリストは、一ないし複数の項目によって構成されており、受付部320は、少なくとも1つの項目を選択する情報を受け付ける。受付部320は、項目を選択する情報を受け付けると、選択された項目を示す選択項目情報を処理部330に入力する。
【0054】
受付部320としては、ローカル再生装置300のユーザが操作可能な操作機器であるタッチパネルやキーボード、あるいはリモコンからの無線信号受信部、あるいは、ローカル再生装置300の外側面に設けられ、ローカル再生装置300のユーザが押下できるように構成されたボタンなどが用いられる。
【0055】
処理部330は、受付部320またはローカル通信部310から取得される要求および情報を処理する。処理部330は、リスト要求を、受付部320から取得する。処理部330は、取得されたリスト要求を、ローカル通信部310を介して管理ストレージ400に送信する。処理部330は、リスト要求に応じて、コンテンツのリストを、ローカル通信部310を介して管理ストレージ400から受信する。処理部330は、受信された管理コンテンツリストを表示部350に入力する。
【0056】
処理部330は、表示部350に表示される管理コンテンツリストの項目のうち選択された項目を示す選択項目情報を、受付部320から取得する。処理部330は、取得された選択項目を、ローカル通信部310を介して管理ストレージ400に送信する。処理部330は、選択項目に応じて、管理コンテンツリストに含まれる他の項目、またはコンテンツを、ローカル通信部310を介して管理ストレージ400から受信する。処理部330は、他の項目を受信した場合、受信された他の項目を表示部350に入力する。処理部330は、コンテンツを受信した場合、受信されたコンテンツを再生部340に入力する。
【0057】
再生部340は、処理部330から取得されるコンテンツの再生処理を行う。再生部340は、例えば、映像やデータを表示する表示部、音声を出力するスピーカなどによって構成される。
【0058】
表示部350は、処理部330から取得される管理コンテンツリストを表示する。具体的には、表示部350は、処理部330から取得される管理コンテンツリストの項目を表示する。
【0059】
なお、図示していないが、ローカル再生装置300、管理ストレージ400、及び接続ストレージ500は、パブリック通信部、ローカル通信部、処理部等による処理をCPUに実行させるためのプログラムを保持するプログラム保持部を備えていてもよい。プログラム保持部としては、例えば、RAM、ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどの記録媒体が用いられる。
【0060】
(5)管理ストレージのローカルディレクトリ構成
次いで、管理ストレージのローカルディレクトリ構成について説明する。管理ストレージ400は、接続コンテンツリストの取得に応じて、接続コンテンツリストを、ルートディレクトリの下位層に配置するが、図5は、接続コンテンツリストを受信する前の構成である。なお、図5においては、説明の便宜上、ルートディレクトリ、サブディレクトリ及びコンテンツの一部を省略している。
【0061】
ローカルディレクトリは、複数の項目が階層化されたツリー構造であって、複数のルートディレクトリ(ルートディレクトリA,B,C)を有している。各ルートディレクトリの下位層には、サブディレクトリが配置されている。例えば、ルートディレクトリCの下位層には、サブディレクトリC1とサブディレクトリC2が配置されている。サブディレクトリC1は、ネットワーク上の他のユーザからのアクセスを制限するコンテンツを格納している。一方、サブディレクトリC2は、ネットワーク上の他のユーザからのアクセスを制限しないコンテンツ(以下、共有コンテンツとする)を格納している。
【0062】
サブディレクトリの下位層には、サブディレクトリC21と、サブディレクトリC22が配置されている。サブディレクトリC21には、自機に格納した共有コンテンツのリスト(コンテンツ名C21−1〜C21−3)が配置されており、サブディレクトリ22には、ネットワークを介して接続された他のストレージ(例えば、接続ストレージ500)の共有コンテンツのリストが配置される。
【0063】
そして、管理ストレージ400が、接続ストレージ500から接続コンテンツリストを取得すると、図6に示すように、コンテンツのリストの送信元である接続ストレージを示すサブディレクトリC221を作成する。そして、図7に示すように、サブディレクトリC221の下位層に、接続ストレージから取得したコンテンツのリストを配置する。具体的には、サブディレクトリC221の下位層に接続コンテンツリストC221−1〜C221−3を配置する。
【0064】
(6)コンテンツ管理システムの動作
以下において、本発明の第1実施形態に係るコンテンツ管理システムの動作について、図8を参照しながら説明する。図8は、ローカル再生装置300からのリスト要求に応じて、コンテンツのリストをローカル再生装置300に送信するとともに、コンテンツの送信に至るまでのコンテンツ管理システム1の動作を示すシーケンス図である。
【0065】
S101において、ローカル再生装置300は、リスト要求を管理ストレージ400に送信する。S102において、管理ストレージ400は、接続ストレージ500に格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを取得するためのリスト要求を、接続ストレージ500に対して送信する。
【0066】
S103において、接続ストレージ500は、自機に格納されたコンテンツ名を含む接続コンテンツリストを作成する。S104において、接続ストレージ500は、S104において作成された接続コンテンツリストを管理ストレージ400に対して送信する。管理ストレージ400は、接続ストレージ500から、接続コンテンツリストを受信する。ここで、受信された接続コンテンツリストは、例えばHTML、XML、JSONなどの、接続ストレージ500に対応する言語フォーマットにより記述され、接続ストレージに対応するHTTP通信による。
【0067】
S105において、管理ストレージ400は、接続コンテンツリストの受信に応じて、管理ストレージ400の所定の記憶領域のディレクトリに接続ストレージ500を示すサブディレクトリC221を作成し、その下位層に接続コンテンツリストを配置する。自機に格納しているコンテンツのリストと、接続コンテンツリストと、を集約した管理コンテンツリストを、ローカル再生装置300に対応するプロトコルで作成する。
【0068】
次いで、S106において、管理ストレージ400は、管理コンテンツリストをローカル再生装置300に送信する。このとき、管理ストレージ400は、ローカル再生装置300に対応するプロトコルによって送信する。S107において、ローカル再生装置300は、管理ストレージ400から受信した接続コンテンツリストを表示し、コンテンツの選択を受け付ける。S108において、ローカル再生装置300は、選択されたコンテンツ情報を含むコンテンツ要求を管理ストレージ400に対して送信する。
【0069】
S109において、管理ストレージ400は、コンテンツ要求における選択コンテンツ名を抽出する。そして、選択されたコンテンツ名が接続コンテンツリストに含まれる場合には、該当するコンテンツを要求するコンテンツ要求を、接続ストレージ500に対して送信する(S110)。なお、このとき、自機に格納されているコンテンツの取得要求である場合には、該当するコンテンツをローカル再生装置300に対して送信する。
【0070】
S111において、接続ストレージ500は、コンテンツ要求に対応するコンテンツを読み出す。S112において、接続ストレージ500は、読み出したコンテンツを管理ストレージ400に対して送信する。S113において、管理ストレージ400は、受信したコンテンツをコンテンツ格納部551に格納する。S114において、管理ストレージ400は、ローカル再生装置300に対して送信する。S115において、ローカル再生装置300は、受信されたコンテンツを再生する。
【0071】
(7)作用・効果 本発明の第1実施形態に係るコンテンツ管理システム1によれば、管理ストレージ400は、接続ストレージ500から、接続ストレージ500に格納されているコンテンツのリストである接続コンテンツリストを受信した場合、ローカル再生装置300に対応するプロトコルに変換して、接続コンテンツリストを含む管理コンテンツリストを送信する。したがって、管理ストレージ400とローカルネットワークを介して接続されたローカル再生装置300において、接続コンテンツリストを取得し、接続ストレージのコンテンツを利用することができる。
【0072】
また、管理ストレージ400は、接続ストレージ500から取得した接続コンテンツリストを、接続ストレージ500を示すサブディレクトリの下位層に配置する。ローカル再生装置300は、接続ストレージ500に格納されたコンテンツと、管理ストレージ400に格納されたコンテンツと、を区別することなく取得して利用することができる。
【0073】
また、本実施の形態1では、ローカル再生装置300からの要求に応じて、接続ストレージ500のコンテンツをローカル再生装置300に対して送信するように構成しているが、ローカル再生装置300からの要求に応じて、接続ストレージ500のコンテンツを消去するように構成してもよいし、接続ストレージ500のコンテンツ名を変更するように構成してもよい。
【0074】
具体的には、管理ストレージ400が、ローカル再生装置300からコンテンツの消去要求を取得することにより、管理ストレージ400から接続ストレージ500に該当するコンテンツの消去要求を送信する。そして、管理ストレージ400は、接続ストレージ500から消去完了通知を受信することにより、管理ストレージ400の所定の記憶領域の接続コンテンツリストから該当するコンテンツを消去すると共に、ローカル再生装置300に対して該当するコンテンツを消去する接続コンテンツリストの変更要求を送信する。このようにして、接続ストレージ500に格納されたコンテンツの消去を実行し、更に、管理ストレージ400とローカル再生装置300における管理コンテンツリストを接続ストレージに格納された接続コンテンツリストと同期させることができる。
【0075】
なお、本実施の形態1では、管理ストレージが、接続ストレージの接続先を示すIPアドレスを予め取得している場合について説明したが、管理ストレージが、接続ストレージのIPアドレスを取得していない場合、名前解決サーバ600を介して名前解決を実行するように構成してもよい。図9は、名前解決サーバを示す図である。名前解決サーバ600は、パブリック通信部610と、処理部620と、格納部630と、を備える。
【0076】
パブリック通信部610は、名前解決サーバ600をパブリックネットワーク200に接続するためのインターフェイスである。処理部620は、パブリックネットワークを介して管理ストレージ等から受信される要求に応じた処理を実行する。例えば、処理部620は、名前解決要求をパブリック通信部610から取得する。処理部620は、名前解決要求に応じて、該当するストレージの名前解決結果としてのIPアドレスを抽出して、名前解決処理等を実行する。
【0077】
格納部630は、所定の情報を格納するHDDなどのストレージである。格納部630は、名前解決データベース631を備えている。名前解決データベース631には、各ストレージの装置名と、送信先を示すアドレスであるIPアドレスと、が関連付けて記憶されている。
【0078】
次いで、名前解決処理について詳細に説明する。管理ストレージ400は、接続ストレージ500に対してリスト要求を送信すべく、接続ストレージ500の名前解決要求を名前解決サーバ600に対して送信する。具体的には、接続ストレージ500の装置名と、IPアドレスの取得要求と、を含んだメッセージを送信する。名前解決サーバ600は、名前解決要求に応じて、名前解決結果としてのIPアドレスを管理ストレージ400に対して送信する。管理ストレージ400は、IPアドレスを受信すると、接続ストレージ500のIPアドレスをアドレステーブル格納部453に格納する。これにより、管理ストレージ400と接続ストレージ500とが接続可能となる。
【0079】
<実施の形態2>
次いで、実施の形態2に係るコンテンツ管理システムについて、図10を参照して詳細に説明する。図10は、実施の形態2に係るコンテンツ管理システム1Aを示す図である。実施の形態2に係るコンテンツ管理システム1Aは、接続ストレージとしてのNAS700と、管理ストレージとしてのPC800と、中継サーバ900と、を備えている。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成については説明を省略する。
【0080】
PC800は、移動可能に構成されており、NASと同一のLAN(ローカルエリアネットワーク)内にある状態と、NASと同一のLAN外にある状態と、を実現する。NAS700とPC800とは、PC800とNAS700とが同一のLAN内にある場合においては、ローカルネットワークを介して通信可能であり、NAS700とPC800とが同一のLAN外にある場合においては、グローバルIPアドレスを指定することで、パブリックネットワークを介して通信可能である。
【0081】
NAS700は、複数のコンテンツを格納した格納部を備えている。PC800は、パブリックネットワークを介して中継サーバ900にアクセスすることにより、NAS700に格納されたコンテンツを利用することができるように構成されている。
【0082】
中継サーバ900は、携帯電話やPC等の装置からパブリックネットワークを介して各NAS700に外部からアクセスして、NAS700内の
コンテンツのダウンロード及びアップロード等ができるように、NASと他の装置とを中継する機能(以下、Webアクセス機能とする)を実現する。NAS700には、Webアクセスを許可するか否か、及び許可する場合にアクセス可能なコンテンツの設定が予めなされている。PC800等から中継サーバ900にアクセスすることにより、Webアクセス機能によってNASに格納されたコンテンツのリストを取得することが可能である。
【0083】
また、PC800は、NAS700に格納されたコンテンツである接続コンテンツリストを、ローカルディレクトリのルートディレクトリDの下位層に配置するように構成されている。すなわち、実施の形態2においてルートディレクトリDは、NAS700を示すサブディレクトリとして機能している。
【0084】
図11は、PC800のローカルディレクトリを示す図である。ローカルディレクトリは、複数の項目が階層化されたツリー構造を有する。PC800のローカルディレクトリは、複数のルートディレクトリD,E,Fを有している。各ルートディレクトリの下位層には、サブディレクトリが配置されている。ルートディレクトリFは、パブリックネットワークを介して接続されるNAS700を示すサブディレクトリとして機能しており、NAS700の共有コンテンツのリスト(コンテンツ名F−1〜F−3)が配置される。
【0085】
次いで、実施の形態2に係るコンテンツ管理システム1Aの動作について図12に基づいて詳細に説明する。図12は、PC800がNAS700とパブリックネットワークを介して接続された場合における動作を示すシーケンス図であり、中継サーバ900を介して、PC800とNAS700とが接続されている。
【0086】
まず、S201において、PC800は、中継サーバ900に対してWebアクセス要求を送信する。具体的には、中継サーバ900に対して、IDとパスワードを送信する。次いで、中継サーバ900は、認証処理を実行する(S202)。
【0087】
中継サーバ900は、IDとパスワードの受信に応じて、IDとパスワードの認証処理を行う。IDとパスワードの認証が可能な場合には、セキュリティー識別子(SID)を発行し、SIDをPC800に対して送信する。一方、IDとパスワードの認証が不可である場合には、例えば、エラー処理を実行する。エラー処理としては、例えば、PC800に対して、再度のID等の送信を促すメッセージを送信する(S203)。次いで、PC800は、中継サーバ900からのSIDの受信に応じて、受信したSIDを格納部に保存する(S204)。以上が認証処理である。
【0088】
次いで、PC800は、ルートディレクトリD,E,Fの選択を受け付ける。ルートディレクトリFが選択された場合は、NAS700の接続コンテンツリストを取得するためのリスト要求とSIDとを中継サーバ900に対して送信する(S205)。中継サーバ900は、各NASの装置名とIPアドレスとを関連付けて格納しており、接続対象となる装置名に該当するNAS700のIPアドレスを抽出する(S206)。そして、中継サーバ900は、リスト要求をNAS700に対して送信すべく、Webアクセス要求をNAS700に対して送信する(S207)。次いで、認証処理が実行される。なお、認証処理(S208からS210)は、上述の認証処理と同様であるため、説明を省略する。次いで、中継サーバ900は、リスト要求をNAS700に対して送信する(S211)。このリスト要求には、認証処理において中継サーバ900が取得したSIDが含まれている。
【0089】
S212において、NAS700は、リスト要求の受信に応じて、SIDに基づいて中継サーバ900がコンテンツを保存するフォルダへのアクセスが許可されているか否かを判定する。S212においてNOの場合、すなわち第1NAS10が該当するフォルダへのアクセスが許可されていない場合には、エラー処理を実行する。一方、S212においてYESの場合には、共有コンテンツのリストを作成し、リストを中継サーバ900に対して送信する(S213)。
【0090】
なお、SIDの認証は、他の装置から要求(コンテンツ要求やリスト要求)を受信した際に、常に実行するように構成してもよいし、例えばコンテンツを受信する場合等、要求を受信した装置に変更が加えられる場合にのみ、当該権限を有している装置からの要求であることを確認するために実行するように構成してもよい。
【0091】
S214において、中継サーバ900は、NAS700の接続コンテンツリストをPC800に対して送信する。S215において、PC800は、NAS700の接続コンテンツリストをルートディレクトリFの下位層に配置する。また、PC800は、NAS700の接続コンテンツリスト(コンテンツ名F−1〜F−3)を表示して、コンテンツの項目の選択を受け付ける。
【0092】
S216において、PC800は、選択された項目(例えば、コンテンツ名F−1)のデータを要求するコンテンツ要求を中継サーバ900に対して送信する。S217において、中継サーバ900は、コンテンツ取得を要求するコンテンツ要求をNAS700に対して送信する。S218において、NAS700は、コンテンツ要求に応じて、該当するコンテンツを読み出す。S219において、NAS700は、読み出したコンテンツを中継サーバ900に対して送信する。S220において、中継サーバ900は、コンテンツをPC800に対して送信する。S221において、中継サーバ900は、NAS700のコンテンツを格納する。
【0093】
以上のように、本実施の形態2によれば、NAS700に格納されたコンテンツをPC800の所定の記憶領域内に格納されたコンテンツとして利用することができる。したがって、PC800に格納されたコンテンツであっても、NAS700に格納されたコンテンツであっても、PC800において同じように取り扱うことができ、PC800の操作性を向上させることができる。また、PC800がLAN内にある場合であっても、ローカルネットワークを介してNAS700の接続コンテンツリスト及びコンテンツを取得するように構成することで、同様の効果を得ることができる。
【0094】
<実施の形態3>
次いで、実施の形態3に係るコンテンツ管理システムについて、図13を参照して詳細に説明する。図13は、実施の形態3に係るコンテンツ管理システム1Bを示す図である。実施の形態3に係るコンテンツ管理システム1Bは、実施の形態1と同様に、管理ストレージ400と、ローカル再生装置300と、接続ストレージ500と、を備える。実施の形態3に係るコンテンツ管理システム1Bは、実施の形態1のコンテンツ管理システムと異なり、複数の接続ストレージ500A,500B,500Cを備えており、管理ストレージ400は、コンテンツ等を自機に格納するための記憶領域を備えていない。
【0095】
図14は、管理ストレージ400のディレクトリ構成を示した図である。管理ストレージ400のディレクトリは、複数の接続ストレージを示すルートディレクトリA,B,Cを有する。各ルートディレクトリA,B,Cが、接続ストレージ500A、500B、500Cを示すディレクトリとして機能している。そして、各ルートディレクトリA,B,Cの下位層には、各接続ストレージから取得した接続コンテンツリストが配置されている。
【0096】
管理ストレージ400は、複数の接続ストレージから接続コンテンツリストを取得し、取得した接続コンテンツリストを、管理ストレージ400の所定の記憶領域に配置する。管理ストレージ400は、複数の接続コンテンツリストを集約した管理コンテンツリストをローカル再生装置300に送信する。
【0097】
このようなコンテンツ管理システムによれば、自機に格納するための記憶領域を有しない管理ストレージ400において、パブリックネットワークを介して接続された接続ストレージのコンテンツを、この管理ストレージ400とローカルネットワークを介して接続されたローカル再生装置300において利用することができる。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、実施の形態2においては、PC800から中継サーバに対してWebアクセス要求を送信して認証処理を実行するように構成しているが、実施の形態1における管理ストレージと接続ストレージにおいても認証処理を実行するように構成してもよいし、名前解決サーバにおいても認証処理を実行するように構成してもよい。
【0099】
また、セキュリティーの観点から一定時間の経過によってSIDを無効にするように構成してもよい。このような構成においては、リスト要求に含まれるSIDの有効期限が切れていた場合等、認証できない場合に認証処理を自動的に再度実行するように構成することができる。認証処理を自動的に再度実行することにより、ユーザによる操作を低減することができ、迅速な処理を実現することができる。
【符号の説明】
【0100】
1…コンテンツ管理システム、 100…ローカルネットワーク、 200…パブリックネットワーク、 300…ローカル再生装置(ローカル装置)、 310…ローカル通信部、 320…受付部、 330…処理部、 340…再生部、 350…表示部、 400…管理ストレージ、 410…ローカル通信部、 420…パブリック通信部、 430…処理部、 440…リスト作成部、 450…格納部、 451…コンテンツ格納部、 452…リスト格納部、 453…アドレステーブル格納部、 454…接続リスト格納部、 455…管理リスト格納部、 453…アドレステーブル格納部、 500…接続ストレージ、 510…パブリック通信部、 520…格納部、 521…コンテンツ格納部、 522…リスト格納部、 523…設定情報格納部、 530…管理部、 540…リスト作成部、 600…名前解決サーバ、 610…パブリック通信部、 620…処理部、 630…格納部、 700…NAS(接続ストレージ)、 800…PC(管理ストレージ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理ストレージが、パブリックネットワークを介して接続された接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、該接続ストレージに対して送信するステップと、
前記接続ストレージが、前記リスト要求に応じて、該接続コンテンツリストを送信するステップと、
前記管理ストレージが、該管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された該接続ストレージを示すディレクトリの下位層に、前記接続コンテンツリストを配置するステップと、
前記管理ストレージが、前記接続ストレージに対応するプロトコルを、該管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されるローカル装置に対応するプロトコルに変換して、前記接続コンテンツリストを含む管理コンテンツリストを該ローカル装置に対して送信するステップと、を備える、コンテンツ管理方法。
【請求項2】
管理ストレージが、パブリックネットワークを介して接続された接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、該接続ストレージに対して送信するステップと、
前記接続ストレージが、前記リスト要求に応じて、該接続コンテンツリストを送信するステップと、
前記管理ストレージが、該管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された該接続ストレージを示すディレクトリの下位層に、前記接続コンテンツリストを配置するステップと、
前記管理ストレージが、前記管理ストレージの所定の記憶領域に配置された前記接続コンテンツリストと前記管理ストレージが保持するコンテンツのリストとを集約した管理コンテンツリストを、前記管理ストレージとローカルネットワークを介して接続されるローカル装置に対応するプロトコルに変換して、該ローカル装置に対して送信するステップと、を備える、コンテンツ管理方法。
【請求項3】
前記管理ストレージが、前記管理ストレージの所定の記憶領域に配置された前記接続コンテンツリストと前記管理ストレージが保持するコンテンツのリストとを集約した管理コンテンツリストを前記ローカル装置に対して送信するステップと、
前記ローカル装置が、前記管理コンテンツリストに含まれるコンテンツのデータを要求するコンテンツ要求を前記管理ストレージに対して送信するステップと、
前記管理ストレージが、前記コンテンツ要求に前記接続ストレージのコンテンツが含まれる場合に、該当するコンテンツの要求を、該接続ストレージに対して送信するステップと、
前記管理ストレージが、前記コンテンツ要求に該管理ストレージのコンテンツが含まれる場合に、該当するコンテンツのデータを、該ローカル装置に対して送信するステップと、
前記接続ストレージが、前記管理ストレージからのコンテンツ要求の受信に応じて、該当するコンテンツのデータを前記管理ストレージに対して送信するステップと、
前記管理ストレージが、前記接続ストレージからのコンテンツの受信に応じて、該コンテンツを前記ローカル装置に対して送信するステップと、を更に備える、請求項1又は請求項2に記載のコンテンツ管理方法。
【請求項4】
前記管理ストレージが、前記リスト要求に応じて、前記接続ストレージとの名前解決を実行する名前解決サーバに対して該接続ストレージのアドレスを取得するための名前解決要求を送信するステップと、
前記名前解決サーバが、前記名前解決要求に応じて、前記管理ストレージに対して名前解決結果としての前記接続ストレージのアドレスを送信するステップと、を更に備える請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンテンツ管理方法。
【請求項5】
パブリックネットワークを介して接続ストレージと通信可能に接続され、かつローカルネットワークを介してローカル装置と通信可能に接続される管理ストレージであって、
前記接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツストを要求するリスト要求を、前記ローカル装置から受信するリスト要求受信部と、
前記リスト要求に応じて、前記接続コンテンツリストを該接続ストレージから取得する接続コンテンツリスト取得部と、
前記管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された該接続ストレージを示すディレクトリの下位層に前記接続コンテンツリストを配置するディレクトリ編成部と、
前記接続ストレージに対応するプロトコルを前記ローカル装置に対応するプロトコルに変換して、前記接続コンテンツリストを該ローカル装置に対して送信するコンテンツリスト送信部と、を備える、管理ストレージ。
【請求項6】
前記接続ストレージのコンテンツリストである前記接続コンテンツリストを一時的に記録する記録保持部を更に備える、請求項5に記載の管理ストレージ。
【請求項7】
パブリックネットワークを介して接続ストレージと通信可能であって、ローカルネットワークを介してローカル装置と通信可能なコンピュータを、
前記接続ストレージに格納されたコンテンツのリストである接続コンテンツリストを要求するリスト要求を、前記ローカル装置から受信するリスト要求受信手段と、
前記リスト要求に応じて、前記接続コンテンツリストを該接続ストレージから取得する接続コンテンツリスト取得手段と、
前記管理ストレージを示すディレクトリの下位層に配置された該接続ストレージを示すディレクトリの下位層に前記接続コンテンツリストを配置するディレクトリ編成手段と、
前記接続ストレージに対応するプロトコルを前記ローカル装置に対応するプロトコルに変換して、前記接続コンテンツリストを該ローカル装置に対して送信するコンテンツリスト送信手段と、して機能させる、コンテンツ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−160017(P2012−160017A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19184(P2011−19184)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】