コンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラム
【課題】同一ページ内における頻繁な画面遷移を有効に避けること。
【解決手段】コンテンツを第一のウィンドウに表示しているときに同一コンテンツ内の特定領域に画面遷移するためのリンクが選択されたときに、第二のウィンドウを生成する第二のウィンドウ生成ステップと、第一のウィンドウに表示されたリンクが隠れないように、生成された第二のウィンドウを画面に表示させる第二のウィンドウ表示ステップと、表示された第二のウィンドウにリンクの先となる特定領域を表示するリンク先領域表示ステップとを実行するコンテンツ表示方法を提供する。
【解決手段】コンテンツを第一のウィンドウに表示しているときに同一コンテンツ内の特定領域に画面遷移するためのリンクが選択されたときに、第二のウィンドウを生成する第二のウィンドウ生成ステップと、第一のウィンドウに表示されたリンクが隠れないように、生成された第二のウィンドウを画面に表示させる第二のウィンドウ表示ステップと、表示された第二のウィンドウにリンクの先となる特定領域を表示するリンク先領域表示ステップとを実行するコンテンツ表示方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一コンテンツ内の特定箇所に遷移するためのリンクが選択されたときにおける該コンテンツの閲覧性を改善するためのコンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上の情報を閲覧するための情報閲覧ソフトウェア(以下、「ブラウザ」と記す。)が一般に知られ実用に供されている。ブラウザには、ネットワーク上の情報(例えばHTML(Hyper Text Markup Language)やXHTML(Extensible Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語で記述された文書であるWebコンテンツ)を解析し、解析結果に基づいて画面表示用データの生成(以下、「レンダリング」と記す。)を行う機能が実装されている。ユーザはURI(Uniform Resource Identifier)を指定することによりブラウザ上で所望のWebコンテンツを閲覧することができる。ブラウザはPC(Personal Computer)のみならず、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)、情報家電等の様々な機器に搭載されている。
【0003】
近年、Web技術の向上に伴い、ブラウザを使用することによってWebページの簡単な管理を支援するグループウェアやコンテンツマネージメントシステムが開発されて一般に普及している。かかるグループウェアやコンテンツマネージメントシステムの具体的ツールとして、例えば非特許文献1に開示されるウィキ(Wiki)が広く知られている。
【0004】
ウィキは、複数人が共同でWebサイトを構築していく利用法を想定して開発されたツールであり、ユーザが簡単にWebページを編集したり、新しいWebページを発行したりするのに適した機能を有している。以下、本明細書において、ウィキを使用して発行、編集されたWebページを「ウィキページ」と記す。
【0005】
ユーザは、例えばウィキページに記事を追加するとき、追加したい記事をその標題に所定の制御情報(例えば「*」)を付加して、ウィキページを管理するサーバにアップロードする。これにより、ウィキページに記事が追加されるとともにウィキページの例えばトップに配置されている目次欄に該記事へのリンクが自動的に追加される。そのため、ウィキページは、例えばWikipedia(登録商標)に代表されるように、ウィキページ中の特定箇所に各記事へのリンクがまとまって配置された構造を有している。
【0006】
図1は、ブラウザ上に表示されるウィキページの一例であり、ウィキページ中の目次欄を示している。ユーザは、図1に例示される目次欄にまとめられた各記事の標題を参照することにより、ウィキページ全体の概観や各記事の関連性等を容易に把握することができる。そのため、ユーザは、ウィキページを閲覧する場合には、まず目次欄のなかから閲覧したい記事を探す。そして、閲覧したい記事へのリンク、例えば図1に示されるテキストリンクLをクリックする。これにより、ブラウザの表示は、図2に示されるように、テキストリンクLによって指定された、ユーザが閲覧したい記事にジャンプする。
【0007】
【非特許文献1】Wikipedia(登録商標)The Free Encyclopedia (Categories: Spoken articles | Self-organization | Wikis)、[平成20年7月検索]、インターネット、〈URL: http://en.wikipedia.org/wiki/Wiki〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ウィキページは、不特定多数のユーザによって記事や画像等が次々と追加されてページ全体の領域が拡大していく構成を有している。そのため、ウィキページ全体のサイズは、一般に、ディスプレイの画面サイズより遙かに広い。したがって、ブラウザの表示を記事にジャンプさせたとき、図2に示されるように、遷移後の表示画面に目次欄が含まれることは殆ど無い。つまり、ユーザは、記事を閲覧しているときには目次欄を参照できないため、ウィキページ全体の概観や閲覧中の記事と他の記事との関連性等を把握し難い状態にある。
【0009】
ユーザは、例えば閲覧中の記事と他の記事との関連性等を確認したい場合や、同一ページ内の別の記事を閲覧したい場合等には、目次欄を再度参照するために例えばブラウザのバックボタンをクリックして図1の画面を再び表示させる必要がある。しかし、目次欄と記事との間で画面遷移を繰り返すことは、ユーザにとって煩雑な操作である。また、ウィキページをスムーズに閲覧できないといった不便がある。
【0010】
また、ウィキページに限らず他の形態のWebページにおいても同様の問題点が指摘されている。例えばWebページ中に同一ページ内の特定段落にジャンプするためのリンクが設定されている場合を考える。かかるリンク先には、例えばリンク元の参照情報や注釈が記載されていることが往々にしてある。参照情報や注釈は、例えば一時的に参照するだけで足りる情報である。そのため、ユーザは、リンクをクリックしてブラウザの表示をジャンプさせ、参照情報や注釈を一旦参照した後に、Webページの閲覧を継続するためにリンク元画面に再び画面遷移させる必要がある。また、リンク元の情報と参照情報や注釈とを見比べたい場合には、例えばブラウザのフォワードボタンとバックボタンを交互にクリックしてリンク元とリンク先との間で画面遷移を頻繁に繰り返す必要がある。つまり、ウィキページ以外のWebページを閲覧する場合にも、頻繁な画面遷移を余儀なくされて、ウィキページの場合と同様の不便が生じることがある。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、同一ページ内における頻繁な画面遷移を有効に避けることができるコンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係るコンテンツ表示方法は、コンテンツを第一のウィンドウに表示しているときに同一コンテンツ内の特定領域に画面遷移するためのリンクが選択されたときに、同一コンテンツ内における頻繁な画面遷移を有効に避けることによってユーザにコンテンツをスムーズに閲覧させることを可能とする方法であり、以下の各ステップから構成されている。具体的には、かかるコンテンツ表示方法は、第二のウィンドウを生成する第二のウィンドウ生成ステップと、第一のウィンドウに表示されたリンクが隠れないように、生成された第二のウィンドウを画面に表示させる第二のウィンドウ表示ステップと、表示された第二のウィンドウにリンクの先となる特定領域を表示するリンク先領域表示ステップから構成されている。
【0013】
第二のウィンドウは、所定の条件が満たされる場合に限り画面に表示させるようにしてもよい。別の表現によれば、所定の条件が満たされない場合には、各ステップの実行を省略して無駄なリソースの消費を抑えるようにしてもよい。そのために、本発明に係るコンテンツ表示方法は、例えば特定領域が第一のウィンドウに表示されているか否かを判定するリンク先領域表示判定ステップをさらに含み、特定領域が第一のウィンドウに表示されていないと判定される場合に限り、第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行する方法としてもよい。また、リンクと特定領域とが所定の距離以上離れているか否かを判定する距離判定ステップをさらに含み、リンクと特定領域とが所定の距離以上離れていると判定される場合に限り、第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行する方法としてもよい。
【0014】
第二のウィンドウ表示ステップにおいては、リンクに対する特定領域の位置をユーザに視覚的に把握させるため、例えば特定領域が位置する方向から所定の停止位置に向けて第二のウィンドウを表示画面外から該表示画面内にスライドさせて該表示画面内に表示するようにしてもよい。
【0015】
リンク先領域表示ステップにおいては、リンクと特定領域との距離感をユーザに感覚的に掴ませるため、例えば第二のウィンドウ内でリンクから特定領域までコンテンツをスクロール表示するようにしてもよい。さらに、第二のウィンドウ内のスクロール速度または該第二のウィンドウのスライド速度は、例えばスライドされた第二のウィンドウが所定の停止位置に到達した時点で該第二のウィンドウ内のスクロール位置が特定領域に達するように設定するようにしてもよい。
【0016】
第一のウィンドウと第二のウィンドウは、ユーザが各ウィンドウ内のコンテンツをそれぞれ読み進められるように、例えばユーザ操作により別々にスクロールできるようにしてもよい。
【0017】
第一のウィンドウまたは第二のウィンドウの何れかが選択されたときに、該選択されなかったウィンドウを消去してもよい。そして、選択されたウィンドウの可読性等を向上させるため、例えば選択されたウィンドウを表示画面全域に表示させてもよい。
【0018】
また、本発明に係るコンテンツ表示方法は、フォーカスされたリンクが同一コンテンツまたは別コンテンツの何れへのリンクであるかをユーザに感覚的に理解させるため、コンテンツを解析するコンテンツ解析ステップと、解析結果に基づきリンクが同一コンテンツ内の特定箇所に遷移するためのリンクであるか否かを判定するリンク種別判定ステップと、リンクがフォーカスされたとき、該リンクに対する判定結果に基づき該リンクに関する所定の情報を画面に表示するリンク情報表示ステップとをさらに含む方法であることが望ましい。
【0019】
なお、コンテンツの解析結果に基づきリンクに対する特定領域の位置を計算する位置計算ステップをさらに含む場合には、リンク情報表示ステップにおいて表示される所定の情報は、計算された位置を表す位置情報としてもよい。
【0020】
また、上記の課題を解決する本発明の一形態に係るコンテンツ表示プログラムは、上記の何れかに記載されたコンテンツ表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムによれば、同一コンテンツ内における頻繁な画面遷移を有効に避けることによってユーザにコンテンツをスムーズに閲覧させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
先ず、本明細書において用いられる用語について定義する。
・ネットワーク
移動体通信事業者の移動体通信網、イントラネット、インターネット等を含む各種通信網
・コンテンツ
ネットワーク経由で伝送される、又はローカルに格納されている、ユーザが閲覧する映像や画像、音声、文書、ワークシート等の情報、或いはそれらの組み合わせから構成される一纏まりの情報
・Webコンテンツ
コンテンツの一形態であり、ネットワーク経由で伝送される一纏まりの情報
・Webページ
Webコンテンツの一形態であり、ユーザがあるURIを指定したときに表示されるべき内容全体。すなわち、ディスプレイ上の画像をスクロールすることにより表示され得る内容全体。なお、Webページにはオンラインで閲覧されるものに限らず、オフラインで閲覧されるものも含まれる。オフラインで閲覧されるWebページには、例えばインターネット経由で伝送されてブラウザによりキャッシングされたページや、端末装置のローカルフォルダ等にmht形式で保存されたページ等が含まれる。Webページは、例えばHTMLやXHTML文書、イメージファイル、音声データ等の種々のデータ(Webページデータ)から構成される。
【0024】
上記定義によれば、コンテンツはWebコンテンツを包含し、WebコンテンツはWebページを包含する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態の端末装置10の外観を示す外観図である。また、図4は、端末装置10の概略的構成を示すブロック図である。なお、本実施形態において端末装置10は携帯電話であるが、例えばPDAや、PHS(Personal Handy phone System)、携帯ゲーム機、家電、デスクトップPC、ラップトップPC等の、ブラウザを実装した別形態の端末にも置換可能である。
【0026】
図4に示されるように、端末装置10は、装置全体の制御を統括的に実行するCPU(Central Processing Unit)103を有している。端末装置10を構成する各要素は、システムバス119を介してCPU103と相互に接続されている。端末装置10を構成する各要素には、フラッシュメモリ105、RAM(Random Access Memory)107、ネットワークインタフェース109、ディスプレイ111、ユーザ入力デバイス113、およびVRAM(Video Random Access Memory)115がある。なお、システムバス119はデータラインの他に電源ラインも備えている。CPU103を始めとする端末装置10の各要素には、図示省略されたバッテリから電源ラインを介して電源供給が行われる。
【0027】
CPU103は、端末装置10の電源投入後、システムバス119を介して必要なハードウェアにアクセスする。例えば端末装置10の電源投入直後、CPU103は、フラッシュメモリ105にアクセスしてOS(Operating System)1050を読み出し、RAM107にロードして起動する。これにより、各要素がOS1050によるリソース、プロセス管理下で必要に応じて連係動作して各種処理を実行する。
【0028】
例えばユーザ入力デバイス113によりブラウザ1051を起動させる操作が行われたとき、OS1050は、ブラウザ1051をOS1050上で動作させるためRAM107にロードして起動する。なお、ブラウザ1051は、所定のマークアップ言語で記述されたオンラインまたはオフラインのコンテンツを閲覧するための情報閲覧ソフトウェアであり、コンパクトHTML等で記述されたモバイル機器向けのWebコンテンツだけでなくXGA(eXtended Graphics Array)等の標準的な画面サイズのPCを想定して作成されたPC向けのWebコンテンツにも対応したいわゆるフルブラウザである。OS1050により起動されたブラウザ1051は、Webコンテンツへのアクセス操作等に応じてCPU103等のハードウェアと協働して処理を行う。かかる処理の結果として、ユーザは、ディスプレイ111を通じてWebブラウジング、すなわちWebコンテンツを閲覧することができる。
【0029】
端末装置10には、ユーザ入力デバイス113として、5ウェイキー113a、テンキー113b等が設けられている。なお、5ウェイキー113aは、上下左右の4つの方向キーと決定キーとから構成される複合キーである。ユーザによるユーザ入力デバイス113のキー操作が行われたとき、操作に応じた信号がCPU103に入力される。そして、CPU103が入力信号に応じた処理を実行することにより、Webブラウジングを始めとする様々な機能が端末装置10において実現される。ユーザはWebブラウジング中、5ウェイキー113aまたはテンキー113bの何れを操作しても閲覧中のWebコンテンツを画面スクロールさせることができる。
【0030】
なお、ユーザ入力デバイス113は5ウェイキー113a、テンキー113b等のメカニカルキーである必要がなく、メンブレンキーやタッチパネル等の別形態のキーで構成されてもよい。
【0031】
ユーザ入力デバイス113を例えばタッチパネルで構成した場合、操作キーに相当する操作画面は、ディスプレイ111と一体または別個の画面で構成される。前者の場合、ディスプレイ111そのものがタッチパネルで構成されることになる。後者の場合は、端末装置10はディスプレイ111と操作用タッチパネルの2画面構成となる。また、後者の場合、さらにディスプレイ111もタッチパネルで構成するか否かは、設計仕様に応じて適宜選択される。
【0032】
このようにユーザ入力デバイス113をタッチパネルで構成した場合、画面上に配置された操作キーに対するペンタッチやフィンガータッチにより画面スクロール等の操作がなされるGUI(Graphical User Interface)環境が提供される。また、例えばWebコンテンツ上を直接タッチすることにより、各種操作がなされるGUI環境を提供することも可能である。このようなGUI環境下では、例えばWebコンテンツ上の任意の位置をフィンガータッチした状態でタッチパネル面を上下左右になぞると、それに応じた画面スクロールが行われる(例えばタッチパネル面を上方向に指をなぞると、Webコンテンツが下方向にスクロールする)。すなわち、この場合、スタイラスや指等の動きに応じた画面スクロールがなされるため、より直感的な操作性がユーザに提供される。
【0033】
また、ユーザ入力デバイス113はメカニカルキー、メンブレンキー、タッチパネル等の種々の形態のキーを適宜組み合わせた構成としてもよい。また、ユーザ入力デバイス113は、端末装置10本体と独立したコントローラで構成したものとしてもよい。
【0034】
さらに、メカニカルキーやメンブレンキー、タッチパネル等以外の構成要素をユーザ入力デバイス113の一部として提供することも可能である。このような構成要素の一例として、ジャイロセンサ、加速度センサ、ジャークセンサ等が挙げられる。この場合、例えばCPU103がこれらのセンサの出力を監視して端末装置10本体の傾斜角度、角速度、加速度、躍度(加速度の時間変化率)等を測定し、その測定値に応じた画面スクロールがCPU103とブラウザ1051との連係動作によって実現される。例えばユーザが端末装置10本体を上下左右に移動や傾斜をさせたとき、その移動方向や速度、傾斜角度等に応じた画面スクロールが行われる。そのため、ユーザは、Webコンテンツの表示領域をより直感的にスクロールさせることができる。
【0035】
また、端末装置10は、通常使用時(すなわち図3の上下方向が天地となるように端末装置10を向けた状態)において画面のアスペクト比が例えば3:4(別の表現をすると画面が縦向き)となるように設計されている。そして、この状態から端末装置10の姿勢が変えられたとき、CPU103は、ジャイロセンサ等の出力に基づいて端末装置10の姿勢の変化を検知する。ブラウザ1051は、CPU103による検知結果に基づいて、ディスプレイ111に表示中のWebコンテンツに対する、端末装置10の姿勢に応じたレンダリングを行う。例えば端末装置10が図3に示される姿勢から当該紙面内で90度回転された場合に画面のアスペクト比が4:3(別の表現をすると画面が横向き)となる。このときブラウザ1051は、ディスプレイ111に表示中のWebコンテンツを横向きの画面に合わせて再レンダリングする。このように画面の向きが変えられたとき、例えばレンダリング時におけるテキストの折返し位置等に差が生じてWebコンテンツの見栄えが変わる。
【0036】
また、端末装置10は、図3に示されるように、一体形成されたボディでディスプレイ111とユーザ入力デバイス113を保持するいわゆるストレート型の携帯電話であるが、折り畳み型、回転2軸ヒンジ型、サイクロイド型、スイング型等の他の構造の携帯電話であってもよい。例えばサイクロイド型やスイング型の携帯電話は、ディスプレイ111を保持するディスプレイ側ボディを、ユーザ入力デバイス113を保持する本体側ボディに対してディスプレイ111と平行な面内で回転させられるように構成されている。このような携帯電話では、ディスプレイ側ボディの回転角度に応じて画面の向きが変わる。この場合、ブラウザ1051は、画面の向きの変化に連動するようにディスプレイ111に表示中のWebコンテンツを該向きに応じて再レンダリングする。
【0037】
次にブラウザ1051の機能、特に、ブラウザ1051の基本的な構成要素であるブラウザエンジン30について詳しく説明する。図5は、ブラウザエンジン30の機能ブロック図である。図5に示されるように、ブラウザエンジン30は、パーサ31、ページメーカ32、およびページエディタ33の各機能ブロックから構成されている。
【0038】
Webコンテンツへのアクセス操作、例えばユーザ入力デバイス113によりURIが入力されたとき(またはWebコンテンツ上のアンカーが選択されたことによりURIが指定されたとき、あるいは、端末装置10内部にブックマークや履歴として保持されたURIが選択されたとき)、ブラウザ1051は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に準拠した、Webコンテンツ等のリソースを要求するリクエスト・メッセージを生成してネットワーク上の指定URIに送信する。
【0039】
次いで、指定URIに対応するサーバは、受け取ったリクエスト・メッセージに応じたレスポンス・メッセージを作成して返信する。返信されたレスポンス・メッセージは、ネットワークを経由してブラウザ1051に届き、パーサ31に渡される。レスポンス・メッセージのメッセージ・ボディには、URIで指定された、HTMLやXHTML等で記述されているマークアップ文書21が埋め込まれている。
【0040】
パーサ31は、マークアップ文書21を解析して、その解析結果からマークアップ文書21の論理構造をツリー構造で表現したドキュメントツリー23(例えばDOM(Document Object model)ツリー)を生成してRAM107に展開する。なお、ドキュメントツリー23は、マークアップ文書21の各要素をノードにもつマークアップ文書21のアウトラインを表すデータである。ドキュメントツリー23は、マークアップ文書21の論理構造を表現するのみであり、ドキュメントの表現に関する情報までは含んでいない。
【0041】
ページメーカ32は、ドキュメントツリー23を基に、各タグで決められた表示スタイル(block, inline, table, list, item等)の情報を含むエレメントツリー25を生成して、マークアップ文書21内で指定されている画像のリクエストやイベント処理の登録等を行い、RAM107に格納する。エレメントツリー25は、block, inline, table, list, item等がどのような順番で存在しているかを表現しているが、これらの要素が画面のどこにどのような幅と高さで表示されるか、テキストがどこで折り返されるか、等のレイアウトに関する情報までは含んでいない。
【0042】
ページエディタ33は、設定されている表示倍率や表示モードにしたがって、エレメントツリー25の各ノード(要素)のレイアウト(つまり各要素のテキストの折り返しや、画面上の位置、幅、高さ等)や色等を一つずつ決定し、各要素のレイアウトを表現するレイアウトツリー27を生成する。
【0043】
レイアウトが決定された要素は逐次、ページエディタ33によりRAM107の所定領域に作成されたイメージバッファ1071にレンダリングされる。イメージバッファ1071には、ディスプレイ111への表示が予定される領域およびその周辺を含む領域の要素がレンダリングされる。すなわち、ページエディタ33によりレンダリングされたイメージバッファ1071の全領域のレンダリング結果(描画オブジェクト)は一画面に表示されるわけではない。ディスプレイ111には、ブラウザ1051が指定するイメージバッファ1071上の、Webコンテンツを表示するウィンドウに対応した領域(以下、当該領域を「指定領域」と記す。)のレンダリング結果が表示される。
【0044】
VRAM115は、ディスプレイ111に直接表示される内容を保持するメモリであり、ディスプレイ111の画面サイズに対応するイメージ領域を有している。VRAM115には、ツールバー等の画像とともにイメージバッファ1071の指定領域にレンダリングされた内容が書き込まれる。そのため、レイアウトが決定された要素がイメージバッファ1071に逐次レンダリングされたとき、そのレンダリング結果がVRAM115に逐次書き込まれていく。これにより、Webコンテンツの各要素がディスプレイ111に次々と表示される。ブラウザ1051による以上の処理を経て、Webコンテンツがディスプレイ111に表示される。
【0045】
なお、ブラウザ1051は、Webコンテンツ全体に対する指定領域の位置を管理している。ブラウザ1051は、ユーザ入力デバイス113による画面スクロール操作に応じて指定領域をイメージバッファ1071内で移動させる。かかる指定領域の移動に伴ってVRAM115に書き込まれる内容が更新されることにより、画面スクロール操作に応じたWebコンテンツの領域がディスプレイ111に表示される。
【0046】
図6は、ブラウザ1051のウィンドウW1に表示されるWebコンテンツ(以下、説明の便宜上、「WebコンテンツC」と記す。)の一例を示す図である。図6および後述の各図に示されるWebコンテンツCは、図1および図2に示されるWebコンテンツと同一コンテンツであり、目次欄がページトップに、各記事が目次欄以降に目次順に、それぞれ配置されている。図6に示されるウィンドウW1のサイズは、ディスプレイ111の画面サイズとほぼ同一である。つまり、図6においては、ディスプレイ111の表示画面全域にWebコンテンツCが表示されている。なお、図6および後述の各図においては、図面を明瞭にするためツールバー等の表示を省略している。また、各図においてWebコンテンツC中下線が引かれているテキストは、全てリンクテキストである。図6に示される各リンクテキストには、例えばname属性を用いてWebコンテンツC内の特定段落や特定画像等にジャンプするための情報(フラグメント識別子)が指定されている。
【0047】
ここで、ブラウザ1051は、パーサ31による解析処理後にWebコンテンツCのレンダリング処理と並行して、WebコンテンツCに含まれる全てのリンクの内容をチェックしている。かかるチェック処理においてブラウザ1051は、パーサ31による解析処理の結果を参照して、WebコンテンツC内の特定段落や特定画像等にジャンプするようにフラグメント識別子が指定されたリンクを検出する。次いで、検出されたリンクに対するリンク先の位置情報をレイアウトツリー27が有する各要素のレイアウト情報に基づいて計算し保持する。以下、計算され保持された位置情報を「位置情報P」と記す。位置情報Pは、検出されたリンクに対してそのリンク先が位置する方向の情報と、該リンクとリンク先との距離の情報(ここでいう距離は例えばディスプレイ111表示時におけるリンクと該リンク先との間のピクセル数で表現される)とを有している。なお、位置情報Pが有する方向または距離の情報は、設定されているWebコンテンツCの表示倍率や表示モードに応じて変化する。そのため、ブラウザ1051は、表示倍率や表示モードが設定変更される度に位置情報Pを再計算する。なお、ブラウザ1051は、DOMツリーの操作によるWebコンテンツCの書き換えが発生した場合にも位置情報Pを再計算する。
【0048】
カーソルアイコンCUが操作されてWebコンテンツCの何れかのリンクにフォーカスが当てられた(つまり、ユーザ操作により何れかのリンクが選択された)とき、ブラウザ1051は、フォーカスされたリンクに対応する位置情報Pの方向を指示するインジケータIをカーソルアイコンCUの隣接位置に表示する。例えば図6に示されるように、リンクテキストLがカーソルアイコンCUによりフォーカスされたとき、ブラウザ1051は、リンクテキストLに対応する位置情報Pを読み込み、該位置情報Pの方向情報にしたがって下方向を指示するインジケータIを表示する。ユーザは、インジケータIを視認することにより、リンクテキストLに対するリンク先の位置を画面スクロールを行うことなく瞬時に把握することができる。
【0049】
ブラウザ1051は、別コンテンツへのリンクに対しては位置情報Pの計算処理を実行しない。そのため、別コンテンツへのリンクがフォーカスされたときには、従来のブラウザと同様にインジケータIが表示されることはない。ユーザは、インジケータIにより同一コンテンツ内におけるリンク元に対するリンク先の位置を把握できるだけでなく、インジケータIの有無によりリンク先が同一コンテンツ内または別コンテンツに存在するかを瞬時に判断することができる。ユーザは、インジケータIの有無を確認することにより、必要のないコンテンツへの通信を有効に避けられる。そのため、例えば通信サービスが従量制である場合には通信料金を効果的に抑えることができる。
【0050】
なお、別コンテンツへのリンクがフォーカスされたときには、別コンテンツへのリンクであることを表す画像を表示するようにしてもよい。
【0051】
図6に示されるようにリンクテキストLにフォーカスが当てられた状態でクリック操作が行われたとき、ブラウザ1051は、WebコンテンツCをユーザにスムーズに閲覧させるのに有効な表示領域分割処理を実行する。以下、図7に示される表示領域分割処理のフローチャート、および図8〜図10に示されるWebコンテンツCの表示例を参照して、表示領域分割処理を具体的に説明する。なお、図7のフローチャートおよび以下の説明においては、ステップを「S」と略記する。
【0052】
リンクテキストLがクリックされたとき、ブラウザ1051は、リンクテキストLに対応する位置情報Pを読み込み、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離以上離れているか否かを判定する(S1)。なお、ここでいう所定距離の具体的数値は、WebコンテンツCの表示倍率や表示モード等に応じて変更される。また、かかるS1の距離判定処理に代替して、イメージバッファ1071上の指定領域、つまり、ディスプレイ111上の現在の表示領域にリンクテキストLのリンク先が含まれているか否かを判定するようにしてもよい。
【0053】
リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離以上離れている場合(S1:YES)、リンクテキストLのリンク先は、ディスプレイ111上の現在の表示領域に表示されていない。そこで、ブラウザ1051は、リンク元とリンク先とを一画面に表示させてコンテンツの閲覧性を改善すべくS2以降の処理を実行する。一方、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離未満である場合には(S1:NO)、リンクテキストLとそのリンク先が既に一画面に表示されている。つまり、ユーザはリンク元とリンク先とを既に同時に参照できる状態にあるため、ブラウザ1051は、表示領域分割処理を実行することなく終了する。
【0054】
なお、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離未満であっても表示領域範囲によってはリンクテキストLとリンク先とが画面上に同時に収まらない場合も想定される。そのため、ブラウザ1051は、リンクテキストLとリンク先との距離に加えて、ディスプレイ111上の現在の表示領域にリンクテキストLのリンク先が含まれているか否かも併せて判断するようにしてもよい。ブラウザ1051は、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離未満で、かつディスプレイ111上の現在の表示領域にリンクテキストLのリンク先が含まれていない場合、リンク先が画面先頭に達するまで画面スクロールする、またはリンクテキストLとリンク先の両方が一画面に表示されるように画面スクロールする。
【0055】
S2の処理においてブラウザ1051は、図8に太枠で示された、ウィンドウW1とは別のウィンドウW2を生成する。ウィンドウW2は、ディスプレイ111と同一幅でかつ高さが半分のサイズを有している。ブラウザ1051は、ウィンドウW2を生成したとき、イメージバッファ1071上の、クリックされたリンクテキストLを先頭とした、ディスプレイ111と同一幅でかつ高さが半分の領域を、ウィンドウW2に対応した指定領域として設定する。以下、説明の便宜上、ウィンドウW1に対応するイメージバッファ1071上の指定領域を「指定領域W1’」とし、ウィンドウW2に対応するイメージバッファ1071上の指定領域を「指定領域W2’」とする。
【0056】
ブラウザ1051は、表示領域分割処理において、ウィンドウW2をディスプレイ111の表示領域外から表示領域内にスライドさせてディスプレイ111に表示させるように処理を行う。そのため、ウィンドウW2生成直後は、ウィンドウW2をディスプレイ111に表示しない。ブラウザ1051は、ウィンドウW2生成後、ウィンドウW2をディスプレイ111に表示させるべく、ウィンドウW2のスライド開始位置、スライド方向およびスライド速度を決定する(S3)。
【0057】
スライド開始位置およびスライド方向は、リンクテキストLに対応する位置情報Pに基づいて決定される。リンクテキストLのリンク先はリンクテキストLの下方に位置するため、ブラウザ1051は、ウィンドウW2がディスプレイ111の表示領域直下からスライドされるようにスライド開始位置を決定する。図8ではウィンドウW2をディスプレイ111の表示領域直下に図示することにより、スライド開始位置が該表示領域直下であることを示している。また、スライド方向は、リンクテキストLに対応する位置情報Pの方向と逆方向(図9および図10に示される矢印A方向)に決定される。また、スライド速度は、スライド開始位置から所定のスライド停止位置までの距離およびスライドにかかるスライド時間に基づき計算される。
【0058】
ブラウザ1051は、ウィンドウW2内に表示されるWebコンテンツCのスクロール方向およびスクロール速度を決定する(S4)。具体的には、ブラウザ1051は、ウィンドウW2内のスクロール方向を位置情報Pの方向、すなわち図9の矢印B方向に決定する。また、ウィンドウW2をスライド停止位置までスライドさせた時点でウィンドウW2内の先頭にリンクテキストLのリンク先が到達し表示されるようにスクロール速度を計算する。そのため、スクロール速度はリンク元からリンク先までの距離が長いほど高速になる。ユーザは、ウィンドウW2内のスクロール速度により、リンク元とリンク先との距離感を感覚的に掴むことができる。
【0059】
ブラウザ1051は、ウィンドウW2を図10に示されるスライド停止位置にスライドさせるまで、以下のS5〜S9の処理を所定の周期で繰り返し実行する。
【0060】
すなわち、ブラウザ1051は、S3の処理で計算されたスライド速度でウィンドウW2を矢印A方向にスライドさせ、スライド開始位置からスライドした分だけVRAM115にウィンドウW2の画像を書き込み、ウィンドウW2をディスプレイ111に表示させる(S5)。なお、ウィンドウW2は、ウィンドウW1の前面に表示される。
【0061】
ブラウザ1051は、S5の処理と並行して、S4の処理で計算されたスクロール速度に応じてイメージバッファ1071内で指定領域W2’を移動させ、ウィンドウW2内のWebコンテンツCを図9の矢印B方向にスクロール表示させる(S6)。
【0062】
ところで、ウィンドウW1内に表示されているリンク元は、その表示位置によってはスライド表示されたウィンドウW2の背面に隠れてしまう場合がある。この場合、リンク元とリンク先とを一画面に同時に表示することができないため、コンテンツの閲覧性が改善されない問題が生じる。そこで、ブラウザ1051は、リンク元がウィンドウW2の背面に隠れる場合に限り(S7:YES)、イメージバッファ1071内で指定領域W1’を移動させ、該リンク元がウィンドウW2の背面に隠れないようにウィンドウW1内のWebコンテンツCをスクロール表示させる(S8)。例えば図9の表示状態からウィンドウW2のスライドが矢印A方向にさらに進んだとき、リンクテキストLは、ウィンドウW2の背面に隠れる。これを回避するため、ブラウザ1051は、ウィンドウW1内のWebコンテンツCを図10に示される位置までスクロールさせる。
【0063】
ブラウザ1051は、ウィンドウW2を図10に示されるスライド停止位置までスライドさせた時点で(S9:YES)、表示領域分割処理を終了する。表示領域分割処理を実行することにより、図10に示されるようにリンクテキストLとそのリンク先が一画面に同時に表示される。ユーザは、例えば画面遷移操作を行うことなくリンクテキストLとリンク先とを見比べて、Webコンテンツ全体の概観や他の記事との関連性等を把握しつつ記事の詳細を閲覧することができる。
【0064】
ユーザは、例えば特定の操作キーを操作したり、ウィンドウW1またはW2をシングルタップしたりすることにより、操作対象となるウィンドウを選択することができる。操作対象として選択されたウィンドウW1またはW2は、独立してスクロールさせることができる。例えば図10に示される画面表示時にウィンドウW2を選択して下方向へのスクロール操作を行ったとき、図11に示されるように、ウィンドウW2だけがスクロール操作量に応じた分だけスクロールする。例えばウィンドウW1の表示を変えないままウィンドウW2を矢印B方向にスクロールさせることにより、目次欄を参照しつつリンクテキストLに対応する記事の次の記事を続けて閲覧することができる。
【0065】
ブラウザ1051は、例えば特定の操作キーが操作されたときや、ウィンドウW1またはW2がダブルタップされたときに、操作されたウィンドウをディスプレイ111の表示画面全域に表示させる。例えばウィンドウW1がダブルタップされたとき、ブラウザ1051は、ウィンドウW2を消去して、図6に示されるようにウィンドウW1のみを表示する。かかる表示機能は、ユーザがリンク元またはリンク先の何れかを広い領域で閲覧したい場合に有効である。
【0066】
なお、本実施形態においてブラウザ1051は、共通のレンダリング結果を使用してウィンドウW1とW2にWebコンテンツCを表示している。共通のレンダリング結果を使用した場合、フォーム入力やAjax(Asynchronous JavaScript+XML)等の動的に変化するデータ表示内容を両ウィンドウで完全に一致させられるメリットがある。
【0067】
本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来の問題点を説明するために、ブラウザ上に表示されるウィキページを例示した図である。
【図2】従来の問題点を説明するために、ブラウザ上に表示されるウィキページを例示した図である。
【図3】本発明の実施形態の端末装置の外観を示した図である。
【図4】本発明の実施形態の端末装置の概略的構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態のブラウザに含まれるブラウザエンジンの機能ブロック図である。
【図6】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図7】本発明の実施形態のブラウザが実行する表示領域分割処理のフローチャートである。
【図8】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図9】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図10】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図11】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【符号の説明】
【0069】
10 端末装置
103 CPU
105 フラッシュメモリ
107 RAM
109 ネットワークインタフェース
111 ディスプレイ
113 ユーザ入力デバイス
115 VRAM
1050 OS
1051 ブラウザ
1071 イメージバッファ
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一コンテンツ内の特定箇所に遷移するためのリンクが選択されたときにおける該コンテンツの閲覧性を改善するためのコンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上の情報を閲覧するための情報閲覧ソフトウェア(以下、「ブラウザ」と記す。)が一般に知られ実用に供されている。ブラウザには、ネットワーク上の情報(例えばHTML(Hyper Text Markup Language)やXHTML(Extensible Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語で記述された文書であるWebコンテンツ)を解析し、解析結果に基づいて画面表示用データの生成(以下、「レンダリング」と記す。)を行う機能が実装されている。ユーザはURI(Uniform Resource Identifier)を指定することによりブラウザ上で所望のWebコンテンツを閲覧することができる。ブラウザはPC(Personal Computer)のみならず、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)、情報家電等の様々な機器に搭載されている。
【0003】
近年、Web技術の向上に伴い、ブラウザを使用することによってWebページの簡単な管理を支援するグループウェアやコンテンツマネージメントシステムが開発されて一般に普及している。かかるグループウェアやコンテンツマネージメントシステムの具体的ツールとして、例えば非特許文献1に開示されるウィキ(Wiki)が広く知られている。
【0004】
ウィキは、複数人が共同でWebサイトを構築していく利用法を想定して開発されたツールであり、ユーザが簡単にWebページを編集したり、新しいWebページを発行したりするのに適した機能を有している。以下、本明細書において、ウィキを使用して発行、編集されたWebページを「ウィキページ」と記す。
【0005】
ユーザは、例えばウィキページに記事を追加するとき、追加したい記事をその標題に所定の制御情報(例えば「*」)を付加して、ウィキページを管理するサーバにアップロードする。これにより、ウィキページに記事が追加されるとともにウィキページの例えばトップに配置されている目次欄に該記事へのリンクが自動的に追加される。そのため、ウィキページは、例えばWikipedia(登録商標)に代表されるように、ウィキページ中の特定箇所に各記事へのリンクがまとまって配置された構造を有している。
【0006】
図1は、ブラウザ上に表示されるウィキページの一例であり、ウィキページ中の目次欄を示している。ユーザは、図1に例示される目次欄にまとめられた各記事の標題を参照することにより、ウィキページ全体の概観や各記事の関連性等を容易に把握することができる。そのため、ユーザは、ウィキページを閲覧する場合には、まず目次欄のなかから閲覧したい記事を探す。そして、閲覧したい記事へのリンク、例えば図1に示されるテキストリンクLをクリックする。これにより、ブラウザの表示は、図2に示されるように、テキストリンクLによって指定された、ユーザが閲覧したい記事にジャンプする。
【0007】
【非特許文献1】Wikipedia(登録商標)The Free Encyclopedia (Categories: Spoken articles | Self-organization | Wikis)、[平成20年7月検索]、インターネット、〈URL: http://en.wikipedia.org/wiki/Wiki〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ウィキページは、不特定多数のユーザによって記事や画像等が次々と追加されてページ全体の領域が拡大していく構成を有している。そのため、ウィキページ全体のサイズは、一般に、ディスプレイの画面サイズより遙かに広い。したがって、ブラウザの表示を記事にジャンプさせたとき、図2に示されるように、遷移後の表示画面に目次欄が含まれることは殆ど無い。つまり、ユーザは、記事を閲覧しているときには目次欄を参照できないため、ウィキページ全体の概観や閲覧中の記事と他の記事との関連性等を把握し難い状態にある。
【0009】
ユーザは、例えば閲覧中の記事と他の記事との関連性等を確認したい場合や、同一ページ内の別の記事を閲覧したい場合等には、目次欄を再度参照するために例えばブラウザのバックボタンをクリックして図1の画面を再び表示させる必要がある。しかし、目次欄と記事との間で画面遷移を繰り返すことは、ユーザにとって煩雑な操作である。また、ウィキページをスムーズに閲覧できないといった不便がある。
【0010】
また、ウィキページに限らず他の形態のWebページにおいても同様の問題点が指摘されている。例えばWebページ中に同一ページ内の特定段落にジャンプするためのリンクが設定されている場合を考える。かかるリンク先には、例えばリンク元の参照情報や注釈が記載されていることが往々にしてある。参照情報や注釈は、例えば一時的に参照するだけで足りる情報である。そのため、ユーザは、リンクをクリックしてブラウザの表示をジャンプさせ、参照情報や注釈を一旦参照した後に、Webページの閲覧を継続するためにリンク元画面に再び画面遷移させる必要がある。また、リンク元の情報と参照情報や注釈とを見比べたい場合には、例えばブラウザのフォワードボタンとバックボタンを交互にクリックしてリンク元とリンク先との間で画面遷移を頻繁に繰り返す必要がある。つまり、ウィキページ以外のWebページを閲覧する場合にも、頻繁な画面遷移を余儀なくされて、ウィキページの場合と同様の不便が生じることがある。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、同一ページ内における頻繁な画面遷移を有効に避けることができるコンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係るコンテンツ表示方法は、コンテンツを第一のウィンドウに表示しているときに同一コンテンツ内の特定領域に画面遷移するためのリンクが選択されたときに、同一コンテンツ内における頻繁な画面遷移を有効に避けることによってユーザにコンテンツをスムーズに閲覧させることを可能とする方法であり、以下の各ステップから構成されている。具体的には、かかるコンテンツ表示方法は、第二のウィンドウを生成する第二のウィンドウ生成ステップと、第一のウィンドウに表示されたリンクが隠れないように、生成された第二のウィンドウを画面に表示させる第二のウィンドウ表示ステップと、表示された第二のウィンドウにリンクの先となる特定領域を表示するリンク先領域表示ステップから構成されている。
【0013】
第二のウィンドウは、所定の条件が満たされる場合に限り画面に表示させるようにしてもよい。別の表現によれば、所定の条件が満たされない場合には、各ステップの実行を省略して無駄なリソースの消費を抑えるようにしてもよい。そのために、本発明に係るコンテンツ表示方法は、例えば特定領域が第一のウィンドウに表示されているか否かを判定するリンク先領域表示判定ステップをさらに含み、特定領域が第一のウィンドウに表示されていないと判定される場合に限り、第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行する方法としてもよい。また、リンクと特定領域とが所定の距離以上離れているか否かを判定する距離判定ステップをさらに含み、リンクと特定領域とが所定の距離以上離れていると判定される場合に限り、第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行する方法としてもよい。
【0014】
第二のウィンドウ表示ステップにおいては、リンクに対する特定領域の位置をユーザに視覚的に把握させるため、例えば特定領域が位置する方向から所定の停止位置に向けて第二のウィンドウを表示画面外から該表示画面内にスライドさせて該表示画面内に表示するようにしてもよい。
【0015】
リンク先領域表示ステップにおいては、リンクと特定領域との距離感をユーザに感覚的に掴ませるため、例えば第二のウィンドウ内でリンクから特定領域までコンテンツをスクロール表示するようにしてもよい。さらに、第二のウィンドウ内のスクロール速度または該第二のウィンドウのスライド速度は、例えばスライドされた第二のウィンドウが所定の停止位置に到達した時点で該第二のウィンドウ内のスクロール位置が特定領域に達するように設定するようにしてもよい。
【0016】
第一のウィンドウと第二のウィンドウは、ユーザが各ウィンドウ内のコンテンツをそれぞれ読み進められるように、例えばユーザ操作により別々にスクロールできるようにしてもよい。
【0017】
第一のウィンドウまたは第二のウィンドウの何れかが選択されたときに、該選択されなかったウィンドウを消去してもよい。そして、選択されたウィンドウの可読性等を向上させるため、例えば選択されたウィンドウを表示画面全域に表示させてもよい。
【0018】
また、本発明に係るコンテンツ表示方法は、フォーカスされたリンクが同一コンテンツまたは別コンテンツの何れへのリンクであるかをユーザに感覚的に理解させるため、コンテンツを解析するコンテンツ解析ステップと、解析結果に基づきリンクが同一コンテンツ内の特定箇所に遷移するためのリンクであるか否かを判定するリンク種別判定ステップと、リンクがフォーカスされたとき、該リンクに対する判定結果に基づき該リンクに関する所定の情報を画面に表示するリンク情報表示ステップとをさらに含む方法であることが望ましい。
【0019】
なお、コンテンツの解析結果に基づきリンクに対する特定領域の位置を計算する位置計算ステップをさらに含む場合には、リンク情報表示ステップにおいて表示される所定の情報は、計算された位置を表す位置情報としてもよい。
【0020】
また、上記の課題を解決する本発明の一形態に係るコンテンツ表示プログラムは、上記の何れかに記載されたコンテンツ表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムによれば、同一コンテンツ内における頻繁な画面遷移を有効に避けることによってユーザにコンテンツをスムーズに閲覧させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
先ず、本明細書において用いられる用語について定義する。
・ネットワーク
移動体通信事業者の移動体通信網、イントラネット、インターネット等を含む各種通信網
・コンテンツ
ネットワーク経由で伝送される、又はローカルに格納されている、ユーザが閲覧する映像や画像、音声、文書、ワークシート等の情報、或いはそれらの組み合わせから構成される一纏まりの情報
・Webコンテンツ
コンテンツの一形態であり、ネットワーク経由で伝送される一纏まりの情報
・Webページ
Webコンテンツの一形態であり、ユーザがあるURIを指定したときに表示されるべき内容全体。すなわち、ディスプレイ上の画像をスクロールすることにより表示され得る内容全体。なお、Webページにはオンラインで閲覧されるものに限らず、オフラインで閲覧されるものも含まれる。オフラインで閲覧されるWebページには、例えばインターネット経由で伝送されてブラウザによりキャッシングされたページや、端末装置のローカルフォルダ等にmht形式で保存されたページ等が含まれる。Webページは、例えばHTMLやXHTML文書、イメージファイル、音声データ等の種々のデータ(Webページデータ)から構成される。
【0024】
上記定義によれば、コンテンツはWebコンテンツを包含し、WebコンテンツはWebページを包含する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態の端末装置10の外観を示す外観図である。また、図4は、端末装置10の概略的構成を示すブロック図である。なお、本実施形態において端末装置10は携帯電話であるが、例えばPDAや、PHS(Personal Handy phone System)、携帯ゲーム機、家電、デスクトップPC、ラップトップPC等の、ブラウザを実装した別形態の端末にも置換可能である。
【0026】
図4に示されるように、端末装置10は、装置全体の制御を統括的に実行するCPU(Central Processing Unit)103を有している。端末装置10を構成する各要素は、システムバス119を介してCPU103と相互に接続されている。端末装置10を構成する各要素には、フラッシュメモリ105、RAM(Random Access Memory)107、ネットワークインタフェース109、ディスプレイ111、ユーザ入力デバイス113、およびVRAM(Video Random Access Memory)115がある。なお、システムバス119はデータラインの他に電源ラインも備えている。CPU103を始めとする端末装置10の各要素には、図示省略されたバッテリから電源ラインを介して電源供給が行われる。
【0027】
CPU103は、端末装置10の電源投入後、システムバス119を介して必要なハードウェアにアクセスする。例えば端末装置10の電源投入直後、CPU103は、フラッシュメモリ105にアクセスしてOS(Operating System)1050を読み出し、RAM107にロードして起動する。これにより、各要素がOS1050によるリソース、プロセス管理下で必要に応じて連係動作して各種処理を実行する。
【0028】
例えばユーザ入力デバイス113によりブラウザ1051を起動させる操作が行われたとき、OS1050は、ブラウザ1051をOS1050上で動作させるためRAM107にロードして起動する。なお、ブラウザ1051は、所定のマークアップ言語で記述されたオンラインまたはオフラインのコンテンツを閲覧するための情報閲覧ソフトウェアであり、コンパクトHTML等で記述されたモバイル機器向けのWebコンテンツだけでなくXGA(eXtended Graphics Array)等の標準的な画面サイズのPCを想定して作成されたPC向けのWebコンテンツにも対応したいわゆるフルブラウザである。OS1050により起動されたブラウザ1051は、Webコンテンツへのアクセス操作等に応じてCPU103等のハードウェアと協働して処理を行う。かかる処理の結果として、ユーザは、ディスプレイ111を通じてWebブラウジング、すなわちWebコンテンツを閲覧することができる。
【0029】
端末装置10には、ユーザ入力デバイス113として、5ウェイキー113a、テンキー113b等が設けられている。なお、5ウェイキー113aは、上下左右の4つの方向キーと決定キーとから構成される複合キーである。ユーザによるユーザ入力デバイス113のキー操作が行われたとき、操作に応じた信号がCPU103に入力される。そして、CPU103が入力信号に応じた処理を実行することにより、Webブラウジングを始めとする様々な機能が端末装置10において実現される。ユーザはWebブラウジング中、5ウェイキー113aまたはテンキー113bの何れを操作しても閲覧中のWebコンテンツを画面スクロールさせることができる。
【0030】
なお、ユーザ入力デバイス113は5ウェイキー113a、テンキー113b等のメカニカルキーである必要がなく、メンブレンキーやタッチパネル等の別形態のキーで構成されてもよい。
【0031】
ユーザ入力デバイス113を例えばタッチパネルで構成した場合、操作キーに相当する操作画面は、ディスプレイ111と一体または別個の画面で構成される。前者の場合、ディスプレイ111そのものがタッチパネルで構成されることになる。後者の場合は、端末装置10はディスプレイ111と操作用タッチパネルの2画面構成となる。また、後者の場合、さらにディスプレイ111もタッチパネルで構成するか否かは、設計仕様に応じて適宜選択される。
【0032】
このようにユーザ入力デバイス113をタッチパネルで構成した場合、画面上に配置された操作キーに対するペンタッチやフィンガータッチにより画面スクロール等の操作がなされるGUI(Graphical User Interface)環境が提供される。また、例えばWebコンテンツ上を直接タッチすることにより、各種操作がなされるGUI環境を提供することも可能である。このようなGUI環境下では、例えばWebコンテンツ上の任意の位置をフィンガータッチした状態でタッチパネル面を上下左右になぞると、それに応じた画面スクロールが行われる(例えばタッチパネル面を上方向に指をなぞると、Webコンテンツが下方向にスクロールする)。すなわち、この場合、スタイラスや指等の動きに応じた画面スクロールがなされるため、より直感的な操作性がユーザに提供される。
【0033】
また、ユーザ入力デバイス113はメカニカルキー、メンブレンキー、タッチパネル等の種々の形態のキーを適宜組み合わせた構成としてもよい。また、ユーザ入力デバイス113は、端末装置10本体と独立したコントローラで構成したものとしてもよい。
【0034】
さらに、メカニカルキーやメンブレンキー、タッチパネル等以外の構成要素をユーザ入力デバイス113の一部として提供することも可能である。このような構成要素の一例として、ジャイロセンサ、加速度センサ、ジャークセンサ等が挙げられる。この場合、例えばCPU103がこれらのセンサの出力を監視して端末装置10本体の傾斜角度、角速度、加速度、躍度(加速度の時間変化率)等を測定し、その測定値に応じた画面スクロールがCPU103とブラウザ1051との連係動作によって実現される。例えばユーザが端末装置10本体を上下左右に移動や傾斜をさせたとき、その移動方向や速度、傾斜角度等に応じた画面スクロールが行われる。そのため、ユーザは、Webコンテンツの表示領域をより直感的にスクロールさせることができる。
【0035】
また、端末装置10は、通常使用時(すなわち図3の上下方向が天地となるように端末装置10を向けた状態)において画面のアスペクト比が例えば3:4(別の表現をすると画面が縦向き)となるように設計されている。そして、この状態から端末装置10の姿勢が変えられたとき、CPU103は、ジャイロセンサ等の出力に基づいて端末装置10の姿勢の変化を検知する。ブラウザ1051は、CPU103による検知結果に基づいて、ディスプレイ111に表示中のWebコンテンツに対する、端末装置10の姿勢に応じたレンダリングを行う。例えば端末装置10が図3に示される姿勢から当該紙面内で90度回転された場合に画面のアスペクト比が4:3(別の表現をすると画面が横向き)となる。このときブラウザ1051は、ディスプレイ111に表示中のWebコンテンツを横向きの画面に合わせて再レンダリングする。このように画面の向きが変えられたとき、例えばレンダリング時におけるテキストの折返し位置等に差が生じてWebコンテンツの見栄えが変わる。
【0036】
また、端末装置10は、図3に示されるように、一体形成されたボディでディスプレイ111とユーザ入力デバイス113を保持するいわゆるストレート型の携帯電話であるが、折り畳み型、回転2軸ヒンジ型、サイクロイド型、スイング型等の他の構造の携帯電話であってもよい。例えばサイクロイド型やスイング型の携帯電話は、ディスプレイ111を保持するディスプレイ側ボディを、ユーザ入力デバイス113を保持する本体側ボディに対してディスプレイ111と平行な面内で回転させられるように構成されている。このような携帯電話では、ディスプレイ側ボディの回転角度に応じて画面の向きが変わる。この場合、ブラウザ1051は、画面の向きの変化に連動するようにディスプレイ111に表示中のWebコンテンツを該向きに応じて再レンダリングする。
【0037】
次にブラウザ1051の機能、特に、ブラウザ1051の基本的な構成要素であるブラウザエンジン30について詳しく説明する。図5は、ブラウザエンジン30の機能ブロック図である。図5に示されるように、ブラウザエンジン30は、パーサ31、ページメーカ32、およびページエディタ33の各機能ブロックから構成されている。
【0038】
Webコンテンツへのアクセス操作、例えばユーザ入力デバイス113によりURIが入力されたとき(またはWebコンテンツ上のアンカーが選択されたことによりURIが指定されたとき、あるいは、端末装置10内部にブックマークや履歴として保持されたURIが選択されたとき)、ブラウザ1051は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に準拠した、Webコンテンツ等のリソースを要求するリクエスト・メッセージを生成してネットワーク上の指定URIに送信する。
【0039】
次いで、指定URIに対応するサーバは、受け取ったリクエスト・メッセージに応じたレスポンス・メッセージを作成して返信する。返信されたレスポンス・メッセージは、ネットワークを経由してブラウザ1051に届き、パーサ31に渡される。レスポンス・メッセージのメッセージ・ボディには、URIで指定された、HTMLやXHTML等で記述されているマークアップ文書21が埋め込まれている。
【0040】
パーサ31は、マークアップ文書21を解析して、その解析結果からマークアップ文書21の論理構造をツリー構造で表現したドキュメントツリー23(例えばDOM(Document Object model)ツリー)を生成してRAM107に展開する。なお、ドキュメントツリー23は、マークアップ文書21の各要素をノードにもつマークアップ文書21のアウトラインを表すデータである。ドキュメントツリー23は、マークアップ文書21の論理構造を表現するのみであり、ドキュメントの表現に関する情報までは含んでいない。
【0041】
ページメーカ32は、ドキュメントツリー23を基に、各タグで決められた表示スタイル(block, inline, table, list, item等)の情報を含むエレメントツリー25を生成して、マークアップ文書21内で指定されている画像のリクエストやイベント処理の登録等を行い、RAM107に格納する。エレメントツリー25は、block, inline, table, list, item等がどのような順番で存在しているかを表現しているが、これらの要素が画面のどこにどのような幅と高さで表示されるか、テキストがどこで折り返されるか、等のレイアウトに関する情報までは含んでいない。
【0042】
ページエディタ33は、設定されている表示倍率や表示モードにしたがって、エレメントツリー25の各ノード(要素)のレイアウト(つまり各要素のテキストの折り返しや、画面上の位置、幅、高さ等)や色等を一つずつ決定し、各要素のレイアウトを表現するレイアウトツリー27を生成する。
【0043】
レイアウトが決定された要素は逐次、ページエディタ33によりRAM107の所定領域に作成されたイメージバッファ1071にレンダリングされる。イメージバッファ1071には、ディスプレイ111への表示が予定される領域およびその周辺を含む領域の要素がレンダリングされる。すなわち、ページエディタ33によりレンダリングされたイメージバッファ1071の全領域のレンダリング結果(描画オブジェクト)は一画面に表示されるわけではない。ディスプレイ111には、ブラウザ1051が指定するイメージバッファ1071上の、Webコンテンツを表示するウィンドウに対応した領域(以下、当該領域を「指定領域」と記す。)のレンダリング結果が表示される。
【0044】
VRAM115は、ディスプレイ111に直接表示される内容を保持するメモリであり、ディスプレイ111の画面サイズに対応するイメージ領域を有している。VRAM115には、ツールバー等の画像とともにイメージバッファ1071の指定領域にレンダリングされた内容が書き込まれる。そのため、レイアウトが決定された要素がイメージバッファ1071に逐次レンダリングされたとき、そのレンダリング結果がVRAM115に逐次書き込まれていく。これにより、Webコンテンツの各要素がディスプレイ111に次々と表示される。ブラウザ1051による以上の処理を経て、Webコンテンツがディスプレイ111に表示される。
【0045】
なお、ブラウザ1051は、Webコンテンツ全体に対する指定領域の位置を管理している。ブラウザ1051は、ユーザ入力デバイス113による画面スクロール操作に応じて指定領域をイメージバッファ1071内で移動させる。かかる指定領域の移動に伴ってVRAM115に書き込まれる内容が更新されることにより、画面スクロール操作に応じたWebコンテンツの領域がディスプレイ111に表示される。
【0046】
図6は、ブラウザ1051のウィンドウW1に表示されるWebコンテンツ(以下、説明の便宜上、「WebコンテンツC」と記す。)の一例を示す図である。図6および後述の各図に示されるWebコンテンツCは、図1および図2に示されるWebコンテンツと同一コンテンツであり、目次欄がページトップに、各記事が目次欄以降に目次順に、それぞれ配置されている。図6に示されるウィンドウW1のサイズは、ディスプレイ111の画面サイズとほぼ同一である。つまり、図6においては、ディスプレイ111の表示画面全域にWebコンテンツCが表示されている。なお、図6および後述の各図においては、図面を明瞭にするためツールバー等の表示を省略している。また、各図においてWebコンテンツC中下線が引かれているテキストは、全てリンクテキストである。図6に示される各リンクテキストには、例えばname属性を用いてWebコンテンツC内の特定段落や特定画像等にジャンプするための情報(フラグメント識別子)が指定されている。
【0047】
ここで、ブラウザ1051は、パーサ31による解析処理後にWebコンテンツCのレンダリング処理と並行して、WebコンテンツCに含まれる全てのリンクの内容をチェックしている。かかるチェック処理においてブラウザ1051は、パーサ31による解析処理の結果を参照して、WebコンテンツC内の特定段落や特定画像等にジャンプするようにフラグメント識別子が指定されたリンクを検出する。次いで、検出されたリンクに対するリンク先の位置情報をレイアウトツリー27が有する各要素のレイアウト情報に基づいて計算し保持する。以下、計算され保持された位置情報を「位置情報P」と記す。位置情報Pは、検出されたリンクに対してそのリンク先が位置する方向の情報と、該リンクとリンク先との距離の情報(ここでいう距離は例えばディスプレイ111表示時におけるリンクと該リンク先との間のピクセル数で表現される)とを有している。なお、位置情報Pが有する方向または距離の情報は、設定されているWebコンテンツCの表示倍率や表示モードに応じて変化する。そのため、ブラウザ1051は、表示倍率や表示モードが設定変更される度に位置情報Pを再計算する。なお、ブラウザ1051は、DOMツリーの操作によるWebコンテンツCの書き換えが発生した場合にも位置情報Pを再計算する。
【0048】
カーソルアイコンCUが操作されてWebコンテンツCの何れかのリンクにフォーカスが当てられた(つまり、ユーザ操作により何れかのリンクが選択された)とき、ブラウザ1051は、フォーカスされたリンクに対応する位置情報Pの方向を指示するインジケータIをカーソルアイコンCUの隣接位置に表示する。例えば図6に示されるように、リンクテキストLがカーソルアイコンCUによりフォーカスされたとき、ブラウザ1051は、リンクテキストLに対応する位置情報Pを読み込み、該位置情報Pの方向情報にしたがって下方向を指示するインジケータIを表示する。ユーザは、インジケータIを視認することにより、リンクテキストLに対するリンク先の位置を画面スクロールを行うことなく瞬時に把握することができる。
【0049】
ブラウザ1051は、別コンテンツへのリンクに対しては位置情報Pの計算処理を実行しない。そのため、別コンテンツへのリンクがフォーカスされたときには、従来のブラウザと同様にインジケータIが表示されることはない。ユーザは、インジケータIにより同一コンテンツ内におけるリンク元に対するリンク先の位置を把握できるだけでなく、インジケータIの有無によりリンク先が同一コンテンツ内または別コンテンツに存在するかを瞬時に判断することができる。ユーザは、インジケータIの有無を確認することにより、必要のないコンテンツへの通信を有効に避けられる。そのため、例えば通信サービスが従量制である場合には通信料金を効果的に抑えることができる。
【0050】
なお、別コンテンツへのリンクがフォーカスされたときには、別コンテンツへのリンクであることを表す画像を表示するようにしてもよい。
【0051】
図6に示されるようにリンクテキストLにフォーカスが当てられた状態でクリック操作が行われたとき、ブラウザ1051は、WebコンテンツCをユーザにスムーズに閲覧させるのに有効な表示領域分割処理を実行する。以下、図7に示される表示領域分割処理のフローチャート、および図8〜図10に示されるWebコンテンツCの表示例を参照して、表示領域分割処理を具体的に説明する。なお、図7のフローチャートおよび以下の説明においては、ステップを「S」と略記する。
【0052】
リンクテキストLがクリックされたとき、ブラウザ1051は、リンクテキストLに対応する位置情報Pを読み込み、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離以上離れているか否かを判定する(S1)。なお、ここでいう所定距離の具体的数値は、WebコンテンツCの表示倍率や表示モード等に応じて変更される。また、かかるS1の距離判定処理に代替して、イメージバッファ1071上の指定領域、つまり、ディスプレイ111上の現在の表示領域にリンクテキストLのリンク先が含まれているか否かを判定するようにしてもよい。
【0053】
リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離以上離れている場合(S1:YES)、リンクテキストLのリンク先は、ディスプレイ111上の現在の表示領域に表示されていない。そこで、ブラウザ1051は、リンク元とリンク先とを一画面に表示させてコンテンツの閲覧性を改善すべくS2以降の処理を実行する。一方、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離未満である場合には(S1:NO)、リンクテキストLとそのリンク先が既に一画面に表示されている。つまり、ユーザはリンク元とリンク先とを既に同時に参照できる状態にあるため、ブラウザ1051は、表示領域分割処理を実行することなく終了する。
【0054】
なお、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離未満であっても表示領域範囲によってはリンクテキストLとリンク先とが画面上に同時に収まらない場合も想定される。そのため、ブラウザ1051は、リンクテキストLとリンク先との距離に加えて、ディスプレイ111上の現在の表示領域にリンクテキストLのリンク先が含まれているか否かも併せて判断するようにしてもよい。ブラウザ1051は、リンクテキストLからリンク先までの距離が所定距離未満で、かつディスプレイ111上の現在の表示領域にリンクテキストLのリンク先が含まれていない場合、リンク先が画面先頭に達するまで画面スクロールする、またはリンクテキストLとリンク先の両方が一画面に表示されるように画面スクロールする。
【0055】
S2の処理においてブラウザ1051は、図8に太枠で示された、ウィンドウW1とは別のウィンドウW2を生成する。ウィンドウW2は、ディスプレイ111と同一幅でかつ高さが半分のサイズを有している。ブラウザ1051は、ウィンドウW2を生成したとき、イメージバッファ1071上の、クリックされたリンクテキストLを先頭とした、ディスプレイ111と同一幅でかつ高さが半分の領域を、ウィンドウW2に対応した指定領域として設定する。以下、説明の便宜上、ウィンドウW1に対応するイメージバッファ1071上の指定領域を「指定領域W1’」とし、ウィンドウW2に対応するイメージバッファ1071上の指定領域を「指定領域W2’」とする。
【0056】
ブラウザ1051は、表示領域分割処理において、ウィンドウW2をディスプレイ111の表示領域外から表示領域内にスライドさせてディスプレイ111に表示させるように処理を行う。そのため、ウィンドウW2生成直後は、ウィンドウW2をディスプレイ111に表示しない。ブラウザ1051は、ウィンドウW2生成後、ウィンドウW2をディスプレイ111に表示させるべく、ウィンドウW2のスライド開始位置、スライド方向およびスライド速度を決定する(S3)。
【0057】
スライド開始位置およびスライド方向は、リンクテキストLに対応する位置情報Pに基づいて決定される。リンクテキストLのリンク先はリンクテキストLの下方に位置するため、ブラウザ1051は、ウィンドウW2がディスプレイ111の表示領域直下からスライドされるようにスライド開始位置を決定する。図8ではウィンドウW2をディスプレイ111の表示領域直下に図示することにより、スライド開始位置が該表示領域直下であることを示している。また、スライド方向は、リンクテキストLに対応する位置情報Pの方向と逆方向(図9および図10に示される矢印A方向)に決定される。また、スライド速度は、スライド開始位置から所定のスライド停止位置までの距離およびスライドにかかるスライド時間に基づき計算される。
【0058】
ブラウザ1051は、ウィンドウW2内に表示されるWebコンテンツCのスクロール方向およびスクロール速度を決定する(S4)。具体的には、ブラウザ1051は、ウィンドウW2内のスクロール方向を位置情報Pの方向、すなわち図9の矢印B方向に決定する。また、ウィンドウW2をスライド停止位置までスライドさせた時点でウィンドウW2内の先頭にリンクテキストLのリンク先が到達し表示されるようにスクロール速度を計算する。そのため、スクロール速度はリンク元からリンク先までの距離が長いほど高速になる。ユーザは、ウィンドウW2内のスクロール速度により、リンク元とリンク先との距離感を感覚的に掴むことができる。
【0059】
ブラウザ1051は、ウィンドウW2を図10に示されるスライド停止位置にスライドさせるまで、以下のS5〜S9の処理を所定の周期で繰り返し実行する。
【0060】
すなわち、ブラウザ1051は、S3の処理で計算されたスライド速度でウィンドウW2を矢印A方向にスライドさせ、スライド開始位置からスライドした分だけVRAM115にウィンドウW2の画像を書き込み、ウィンドウW2をディスプレイ111に表示させる(S5)。なお、ウィンドウW2は、ウィンドウW1の前面に表示される。
【0061】
ブラウザ1051は、S5の処理と並行して、S4の処理で計算されたスクロール速度に応じてイメージバッファ1071内で指定領域W2’を移動させ、ウィンドウW2内のWebコンテンツCを図9の矢印B方向にスクロール表示させる(S6)。
【0062】
ところで、ウィンドウW1内に表示されているリンク元は、その表示位置によってはスライド表示されたウィンドウW2の背面に隠れてしまう場合がある。この場合、リンク元とリンク先とを一画面に同時に表示することができないため、コンテンツの閲覧性が改善されない問題が生じる。そこで、ブラウザ1051は、リンク元がウィンドウW2の背面に隠れる場合に限り(S7:YES)、イメージバッファ1071内で指定領域W1’を移動させ、該リンク元がウィンドウW2の背面に隠れないようにウィンドウW1内のWebコンテンツCをスクロール表示させる(S8)。例えば図9の表示状態からウィンドウW2のスライドが矢印A方向にさらに進んだとき、リンクテキストLは、ウィンドウW2の背面に隠れる。これを回避するため、ブラウザ1051は、ウィンドウW1内のWebコンテンツCを図10に示される位置までスクロールさせる。
【0063】
ブラウザ1051は、ウィンドウW2を図10に示されるスライド停止位置までスライドさせた時点で(S9:YES)、表示領域分割処理を終了する。表示領域分割処理を実行することにより、図10に示されるようにリンクテキストLとそのリンク先が一画面に同時に表示される。ユーザは、例えば画面遷移操作を行うことなくリンクテキストLとリンク先とを見比べて、Webコンテンツ全体の概観や他の記事との関連性等を把握しつつ記事の詳細を閲覧することができる。
【0064】
ユーザは、例えば特定の操作キーを操作したり、ウィンドウW1またはW2をシングルタップしたりすることにより、操作対象となるウィンドウを選択することができる。操作対象として選択されたウィンドウW1またはW2は、独立してスクロールさせることができる。例えば図10に示される画面表示時にウィンドウW2を選択して下方向へのスクロール操作を行ったとき、図11に示されるように、ウィンドウW2だけがスクロール操作量に応じた分だけスクロールする。例えばウィンドウW1の表示を変えないままウィンドウW2を矢印B方向にスクロールさせることにより、目次欄を参照しつつリンクテキストLに対応する記事の次の記事を続けて閲覧することができる。
【0065】
ブラウザ1051は、例えば特定の操作キーが操作されたときや、ウィンドウW1またはW2がダブルタップされたときに、操作されたウィンドウをディスプレイ111の表示画面全域に表示させる。例えばウィンドウW1がダブルタップされたとき、ブラウザ1051は、ウィンドウW2を消去して、図6に示されるようにウィンドウW1のみを表示する。かかる表示機能は、ユーザがリンク元またはリンク先の何れかを広い領域で閲覧したい場合に有効である。
【0066】
なお、本実施形態においてブラウザ1051は、共通のレンダリング結果を使用してウィンドウW1とW2にWebコンテンツCを表示している。共通のレンダリング結果を使用した場合、フォーム入力やAjax(Asynchronous JavaScript+XML)等の動的に変化するデータ表示内容を両ウィンドウで完全に一致させられるメリットがある。
【0067】
本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来の問題点を説明するために、ブラウザ上に表示されるウィキページを例示した図である。
【図2】従来の問題点を説明するために、ブラウザ上に表示されるウィキページを例示した図である。
【図3】本発明の実施形態の端末装置の外観を示した図である。
【図4】本発明の実施形態の端末装置の概略的構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態のブラウザに含まれるブラウザエンジンの機能ブロック図である。
【図6】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図7】本発明の実施形態のブラウザが実行する表示領域分割処理のフローチャートである。
【図8】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図9】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図10】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【図11】発明の実施形態のブラウザ上で表示されるWebコンテンツの表示例である。
【符号の説明】
【0069】
10 端末装置
103 CPU
105 フラッシュメモリ
107 RAM
109 ネットワークインタフェース
111 ディスプレイ
113 ユーザ入力デバイス
115 VRAM
1050 OS
1051 ブラウザ
1071 イメージバッファ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを第一のウィンドウに表示しているときに同一コンテンツ内の特定領域に画面遷移するためのリンクが選択されたとき、
第二のウィンドウを生成する第二のウィンドウ生成ステップと、
前記第一のウィンドウに表示された前記リンクが隠れないように、前記生成された第二のウィンドウを画面に表示させる第二のウィンドウ表示ステップと、
前記表示された第二のウィンドウに前記リンクの先となる前記特定領域を表示するリンク先領域表示ステップと、
を実行することを特徴とするコンテンツ表示方法。
【請求項2】
前記特定領域が前記第一のウィンドウに表示されているか否かを判定するリンク先領域表示判定ステップをさらに含み、
前記特定領域が前記第一のウィンドウに表示されていないと判定される場合に限り、前記第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行することを特徴とする、請求項1に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項3】
前記リンクと前記特定領域とが所定の距離以上離れているか否かを判定する距離判定ステップをさらに含み、
前記リンクと前記特定領域とが所定の距離以上離れていると判定される場合に限り、前記第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行することを特徴とする、請求項1に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項4】
前記第二のウィンドウ表示ステップにおいて、前記特定領域が位置する方向から所定の停止位置に向けて前記第二のウィンドウを表示画面外から該表示画面内にスライドさせて該表示画面内に表示することを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項5】
前記リンク先領域表示ステップにおいて、前記第二のウィンドウ内で前記リンクから前記特定領域まで前記コンテンツをスクロール表示することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項6】
前記スライドされた第二のウィンドウが前記所定の停止位置に到達した時点で該第二のウィンドウ内のスクロール位置が前記特定領域に達するように該第二のウィンドウ内のスクロール速度又は該第二のウィンドウのスライド速度を設定することを特徴とする、請求項4を引用する請求項5に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項7】
前記第一のウィンドウと前記第二のウィンドウは、ユーザ操作により別々にスクロール可能であることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項8】
前記第一のウィンドウまたは前記第二のウィンドウの何れかが選択されたときに、該選択されなかったウィンドウを消去することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項9】
前記選択されたウィンドウを表示画面全域に表示させることを特徴とする、請求項8に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項10】
前記コンテンツを解析するコンテンツ解析ステップと、
前記解析結果に基づき前記リンクが同一コンテンツ内の特定箇所に遷移するためのリンクであるか否かを判定するリンク種別判定ステップと、
前記リンクがフォーカスされたとき、該リンクに対する判定結果に基づき該リンクに関する所定の情報を画面に表示するリンク情報表示ステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1から請求項9の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項11】
前記コンテンツの解析結果に基づき前記リンクに対する前記特定領域の位置を計算する位置計算ステップをさらに含む場合、前記リンク情報表示ステップにおいて表示される所定の情報は、前記計算された位置を表す位置情報であることを特徴とする、請求項10に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れかに記載されたコンテンツ表示方法をコンピュータに実行させるためのコンテンツ表示プログラム。
【請求項1】
コンテンツを第一のウィンドウに表示しているときに同一コンテンツ内の特定領域に画面遷移するためのリンクが選択されたとき、
第二のウィンドウを生成する第二のウィンドウ生成ステップと、
前記第一のウィンドウに表示された前記リンクが隠れないように、前記生成された第二のウィンドウを画面に表示させる第二のウィンドウ表示ステップと、
前記表示された第二のウィンドウに前記リンクの先となる前記特定領域を表示するリンク先領域表示ステップと、
を実行することを特徴とするコンテンツ表示方法。
【請求項2】
前記特定領域が前記第一のウィンドウに表示されているか否かを判定するリンク先領域表示判定ステップをさらに含み、
前記特定領域が前記第一のウィンドウに表示されていないと判定される場合に限り、前記第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行することを特徴とする、請求項1に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項3】
前記リンクと前記特定領域とが所定の距離以上離れているか否かを判定する距離判定ステップをさらに含み、
前記リンクと前記特定領域とが所定の距離以上離れていると判定される場合に限り、前記第二のウィンドウ生成ステップ以降の各ステップを実行することを特徴とする、請求項1に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項4】
前記第二のウィンドウ表示ステップにおいて、前記特定領域が位置する方向から所定の停止位置に向けて前記第二のウィンドウを表示画面外から該表示画面内にスライドさせて該表示画面内に表示することを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項5】
前記リンク先領域表示ステップにおいて、前記第二のウィンドウ内で前記リンクから前記特定領域まで前記コンテンツをスクロール表示することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項6】
前記スライドされた第二のウィンドウが前記所定の停止位置に到達した時点で該第二のウィンドウ内のスクロール位置が前記特定領域に達するように該第二のウィンドウ内のスクロール速度又は該第二のウィンドウのスライド速度を設定することを特徴とする、請求項4を引用する請求項5に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項7】
前記第一のウィンドウと前記第二のウィンドウは、ユーザ操作により別々にスクロール可能であることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項8】
前記第一のウィンドウまたは前記第二のウィンドウの何れかが選択されたときに、該選択されなかったウィンドウを消去することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項9】
前記選択されたウィンドウを表示画面全域に表示させることを特徴とする、請求項8に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項10】
前記コンテンツを解析するコンテンツ解析ステップと、
前記解析結果に基づき前記リンクが同一コンテンツ内の特定箇所に遷移するためのリンクであるか否かを判定するリンク種別判定ステップと、
前記リンクがフォーカスされたとき、該リンクに対する判定結果に基づき該リンクに関する所定の情報を画面に表示するリンク情報表示ステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1から請求項9の何れかに記載のコンテンツ表示方法。
【請求項11】
前記コンテンツの解析結果に基づき前記リンクに対する前記特定領域の位置を計算する位置計算ステップをさらに含む場合、前記リンク情報表示ステップにおいて表示される所定の情報は、前記計算された位置を表す位置情報であることを特徴とする、請求項10に記載のコンテンツ表示方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れかに記載されたコンテンツ表示方法をコンピュータに実行させるためのコンテンツ表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−26976(P2010−26976A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190699(P2008−190699)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(591112522)株式会社ACCESS (91)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(591112522)株式会社ACCESS (91)
【Fターム(参考)】
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