説明

コンテンツ選択装置およびそのプログラム

【課題】 迅速に所望のコンテンツを選択すること。
【解決手段】 コンテンツ選択装置は、ユーザ操作による回転操作を受け付ける第1操作手段と、通常モードにおいて、第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを1つ次のコンテンツに進める手段と、コンテンツスキップモードにおいて、第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを2つ以上先のコンテンツにスキップさせる手段と、ユーザ操作によって、第1操作手段の一連の連続回転操作が実行されたか否かを判断する手段と、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数をカウントする手段と、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であるか否かを判断する手段と、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であると判断された場合に、通常モードからコンテンツスキップモードに移行する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ選択装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
曲ファイル等のコンテンツをHDD等の記憶媒体に記録し、HDDからコンテンツを読み出して再生する再生装置が利用されている。ユーザが再生装置を操作し、HDDに記録されている複数のコンテンツの中から再生する所望のコンテンツを選択する際、再生装置の表示部に曲リストが表示される。曲リストは複数の曲ファイルの曲名の一覧であり、HDDに記録されているコンテンツ情報DBからコンテンツ情報を取得し、生成される。ユーザ操作によって、曲リスト内の所望の曲名にカーソルが表示され、再生指示が入力されると、カーソルが表示された曲ファイルがHDDから読み出され再生される。再生装置の表示部の画面サイズが小さい場合には、表示部に表示される曲リストには数曲分の曲名しか一度に表示することができない。
【0003】
曲リストにおいてカーソルを移動させるためにジョグダイヤルが使用されている。ジョグダイヤルを回転操作することによってカーソルの表示位置を次のコンテンツに移動させることができ、ジョグダイヤルをプッシュ操作することによってカーソルが表示されたコンテンツを決定することができる。しかし、HDDに膨大な数のコンテンツが記録されている場合、膨大な回数にわたってジョグダイヤルを回転操作しなければ、ユーザ所望のコンテンツにカーソルを表示することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−100065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、迅速に所望のコンテンツを選択することができるコンテンツ選択装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ選択装置は、ユーザ操作による回転操作を受け付ける第1操作手段と、通常モードにおいて、前記第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを1つ次のコンテンツに進める手段と、コンテンツスキップモードにおいて、前記第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを2つ以上先のコンテンツにスキップさせる手段と、ユーザ操作によって、前記第1操作手段の一連の連続回転操作が実行されたか否かを判断する手段と、前記第1操作手段の一連の連続回転操作の回数をカウントする手段と、前記第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であるか否かを判断する手段と、前記第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であると判断された場合に、通常モードからコンテンツスキップモードに移行する手段とを備える。
【0007】
第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上継続した場合には、ユーザはかなり先のコンテンツを選択することを所望していると考えられる。従って、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上継続した場合に、通常モードからコンテンツスキップモードに移行する。コンテンツスキップモードでは、第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを2つ以上先のコンテンツにスキップさせる。従って、迅速に所望のコンテンツを選択することができる。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ選択装置は、コンテンツスキップモードにおいて、スキップさせるコンテンツの個数と、現在選択されているコンテンツの情報と、スキップさせた後に選択されるコンテンツの情報とを表示装置に表示させる手段と、ユーザ操作によるプッシュ操作を受け付ける第2操作手段と、コンテンツスキップモードにおいて、前記第2操作手段がプッシュ操作された場合、コンテンツスキップモードから通常モードに移行し、表示されている現在選択されているコンテンツの情報を含むコンテンツリストを表示させる手段とをさらに備える。
【0009】
コンテンツスキップモードにおいては、スキップさせるコンテンツの個数と、現在選択されているコンテンツの情報と、スキップさせた後に選択されるコンテンツの情報とが表示される。従って、ユーザは、表示内容を確認することで、コンテンツスキップモードにおいてさらに第1操作手段を回転操作させるべきか、もしくは、第2操作手段をプッシュ操作させて通常モードに移行すべきかを容易に判断することができる。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ選択装置は、前記第1操作手段の一連の連続回転操作の終了時刻から、次の前記第1操作手段の回転操作までの経過時間が所定時間以上であるか否かを判断する手段と、前記第1操作手段の一連の連続回転操作の終了時刻から、次の前記第1操作手段の回転操作までの経過時間が所定時間以上であると判断された場合、前記第1操作手段の一連の連続操作回数のカウントを0に初期化する手段とをさらに備える。
【0011】
第1操作手段の一連の連続回転操作の終了時刻から、次の第1操作手段の回転操作までの経過時間が所定時間以上である場合、ユーザはかなり先のコンテンツを選択することを所望しているとは考えることができない。従って、このような場合に、第1操作手段の一連の連続操作回数のカウントを0に初期化することによって、ユーザの意に反して通常モードからコンテンツスキップモードに移行することを防止することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ選択装置は、コンテンツスキップモードにおいてスキップさせるコンテンツの個数を、コンテンツスキップモードにおける前記第1操作手段の回転操作回数に基づいて増加または減少させる手段をさらに備える。
【0013】
例えば、コンテンツスキップモードにおける第1操作手段の回転操作回数が多いほどスキップさせるコンテンツの数を増加させると、コンテンツ数が膨大である場合にも、迅速にコンテンツをスキップさせることができる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ選択プログラムは、上記いずれかのコンテンツ選択装置の各手段をコンピュータに実行させる。
【0015】
従って、コンテンツ選択プログラムという形態で提供することが可能である。
【発明の効果】
【0016】
迅速に所望のコンテンツを選択することができるコンテンツ選択装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好ましい実施形態による再生装置(コンテンツ選択装置)100を示すブロック図である。
【図2】コンテンツスキップモードおよび通常モードにおける表示内容の遷移を示す図である。
【図3】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図4】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図5】コンテンツスキップモードにおける表示内容の遷移を示す図である。
【図6】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ選択装置が適用される再生装置1を示すブロック図である。
【0019】
再生装置1は、HDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリ等の記憶媒体に、複数のコンテンツを記録する。コンテンツとは、音楽データ(曲ファイル)、映像データ、および画像データ等の総称であるが、本例では、曲ファイルの場合を例に説明する。再生装置1は、HDDから所望のコンテンツを読み出して、再生する。再生装置1は、複数のコンテンツのコンテンツ情報をHDDから取得し、コンテンツ情報が列挙されたコンテンツリスト(以下、曲リストという。)を表示する。コンテンツ情報は、コンテンツが曲ファイルである場合、曲ファイルの曲名(タイトル)、アーティスト名、アルバム名、ジャンル名、著作者、リリース年等のメタデータであるが、本例では曲名を例に説明する。
【0020】
再生装置1は、制御部2と、メモリ(ROM、RAM等)3と、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体4と、画像処理部5と、再生部6と、増幅部7と、操作部8と、表示部9とを概略備えている。制御部2は、メモリ(ROM)3又はHDD4に格納されているコンテンツ選択プログラムをRAMに読み出して実行することにより、後述するフローチャートの各処理を実行するものであり、例えばマイコンやCPU等である。
【0021】
HDD4は、複数の曲ファイルと、コンテンツ情報データベース(以下、コンテンツ情報DBという。)とを格納している。コンテンツ情報DBは、HDD4に記録されている全曲ファイルに関するコンテンツ情報(曲名、アーティスト名、アルバム名等)を記憶および管理するためのデータベースである。例えば、曲ファイルの曲名は、五十音順及び/又はアルファベット順に並べ換えられ、その順番に曲番号が付与される。
【0022】
制御部2は、コンテンツ情報DBからコンテンツ情報を取得し、画像処理部5に曲リストを生成させ、表示部9に曲リストを表示させる。曲リストには、HDD4に記録されている複数の曲ファイルの曲名の内、表示部9に表示可能な所定数の曲名が含まれている。
【0023】
操作部8は、ユーザ操作を受け付けるものである。操作部8は、ユーザによる回転操作が入力される第1操作手段と、ユーザによるプッシュ操作が入力される第2操作手段とを有する。本実施形態では、第1操作手段と第2操作手段との機能を兼ねたジョグダイヤルが採用され得る。なお、回転操作とは時計方向の回転の他に、反時計方向の回転の意味を含む。
【0024】
曲名を選択する際のモードとして、コンテンツスキップモードと、通常モードとが存在する。
【0025】
コンテンツスキップモードは、第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを2つ以上先のコンテンツにスキップするモードである。図2(a)〜(c)に示すように、コンテンツスキップモードにおいは、スキップする曲の個数(例えば100曲)と、現在カーソルが表示され選択されているコンテンツの情報(曲名)と、スキップさせた後にカーソルが表示され選択される曲名とが表示される。例えば、図2(a)は、ユーザ操作によってジョグダイヤルが1回(1ステップ)回転操作されると、現在選択されている曲名「CCCC」から100曲スキップして、曲名「FFFF」が選択されることを示している。図2(a)の状態で、ユーザ操作によってジョグダイヤルが1回回転操作されると、図2(b)の状態に遷移する。図2(b)は、ユーザ操作によってジョグダイヤルが1回回転操作されると、現在選択されている曲名「FFFF」から100曲スキップして、曲名「JJJJ」が選択されることを示している。
【0026】
通常モードは、ユーザ操作によって第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを1つ次のコンテンツに進めるモードである。コンテンツスキップモードにおいて、第2操作手段がプッシュ操作された場合、コンテンツスキップモードから通常モードに移行される。例えば、図2(a)の状態で、ユーザ操作によってジョグダイヤルがプッシュ操作されると、図2(d)に示すよう、現在選択されている曲名「CCCC」から始まる曲リストが表示され、「CCCC」にカーソルが表示されている。通常モードにおいて、ユーザ操作によってジョグダイヤルが1回(1ステップ)回転操作されると、カーソルの表示位置が次の曲名に移動され、次の曲名が選択される。例えば、図2(d)の状態で、ユーザ操作によってジョグダイヤルが1回回転操作されると、曲名「CCCD」が選択される。
【0027】
制御部2は、ユーザ操作によってジョグダイヤルが連続的に回転操作され、その後僅かな時間ユーザ操作が停止した後、再度ジョグダイヤルが連続的に回転操作されるといった操作が継続した場合、ユーザは膨大な数の曲をスクロールさせることを希望していると判断する。従って、このような場合に、通常モードからコンテンツスキップモードに移行させる。すなわち、制御部2は、ユーザ操作によって、第1操作手段の一連の連続回転操作が実行されたか否かを判断し、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数をカウントする。例えば、第1操作手段が5回以上連続して同一方向に回転操作された際に、一連の連続回転操作と認められる。そして、制御部2は、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であるか否かを判断し、第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であると判断された場合に、通常モードからコンテンツスキップモードに移行させる。
【0028】
図1に戻って、画像処理部5は、制御部2からの指示に応じて、コンテンツスキップモードにおける表示画面、又は、通常モードにおける表示画面を生成し、表示部9に表示させる。再生部6は、ユーザ操作によって選択された曲ファイルをHDD4から読み出して、読み出した曲ファイルについて、再生処理(伸長処理や、D/A変換処理、イコライザ処理等を含む)を実行する。増幅部7は、再生部6によって再生された音声信号を増幅して、図示しないスピーカーに音声信号を供給する。
【0029】
表示部9は、上記の通り、コンテンツスキップモードにおける表示画面、又は、通常モードにおける表示画面を表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、FL管等の任意のものが採用され得る。表示部9は、再生装置1の外部に接続されるTV受像機等のディスプレイ装置に曲リストを表示させるためのOSD(オンスクリーンディスプレイ)生成部であってもよい。
【0030】
以上の構成を有する再生装置1について、その動作を説明する。図3、図4は、本実施形態における制御部2の処理を示すフローチャートである。図3は、通常モードからコンテンツスキップモードに移行する際の処理を示す。図3に示すように、制御部2は、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作の回数RCntを0に初期化する(S1)。制御部2は、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作と見なすための累計回転操作回数Cntを0に初期化する(S2)。
【0031】
制御部2は、ユーザ操作によってジョグダイヤルが回転操作されたか否かを判断する(S3)。ジョグダイヤルが回転操作されたと判断された場合(S3でYES)、制御部2は、Rcntが1以上であり、かつ、現在時刻から時刻t1を減算した時間が所定の閾値以上であるか否かを判断する(S4)。ここで、時刻t1は、後述するS14で記憶する時刻である。ここでは、S4でNOと判断されるので、制御部2は、Cntの値を1加算する(インクリメントする)(S5)。なお、S4でYESと判断される状況については後述する。
【0032】
続いて、制御部2は、ユーザ操作によってジョグダイヤルがさらに回転操作されたか否かを判断する(S6)。ジョグダイヤルが回転操作された場合(S6でYES)、制御部2は、今回のジョグダイヤルの回転操作が前回のジョグダイヤルの回転操作と同一方向であり、かつ、前回のジョグダイヤルの回転操作から今回のジョグダイヤルの回転操作までの経過時間(操作間隔)が所定値RT以下であるかを判断する(S7)。すなわち、今回のジョグダイヤルの回転操作が、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作の一操作と見なすことができるか否かが判断される。なお、前回のジョグダイヤルの回転操作の時刻及び回転方向は、制御部2によってメモリに保存されている。
【0033】
S7でNOと判断された場合、すなわち、(1)今回のジョグダイヤルの回転操作が前回のジョグダイヤルの回転操作とは反対方向である、又は、(2)前回のジョグダイヤルの回転操作から今回のジョグダイヤルの回転操作までの経過時間(操作間隔)が所定値RTよりも大である場合、処理はS1に戻り、RCntおよびCntが0に初期化される。このような場合には、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作ではないと考えられるので、コンテンツスキップモードに移行する必要がないからである。
【0034】
S7でYESと判断された場合、制御部2は、Cntの値を1加算する(インクリメントする)(S8)。続いて、制御部2は、Cntが所定値N以上であるか否かを判断する(S9)。所定値Nは、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作と見なすことができる回転操作の回数であり、例えば5である。つまり、5回(5ステップ)連続的に同一方向にジョグダイヤルが回転操作されたか否かが判断される。CntがN未満であると判断された場合(S9でNO)、処理はS6に戻る。
【0035】
CntがN以上であると判断された場合(S9でYES)、制御部2は、Rcntの値に1を加算する(インクリメントする)(S10)。つまり、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作が実行されたことを判断し、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作の回数を1回加算する。続いて、制御部2は、RCntが所定値M以上であるか否かを判断する(S11)。所定値Mは、コンテンツスキップモードに移行すべきと判断するためのジョグダイヤルの一連の連続回転操作の回数であり、例えば3である。
【0036】
RCntが所定値M未満である場合(S11でNO)、制御部2は、ユーザ操作によって直前の操作から一定時間ジョグダイヤルの回転操作が実行されていないかを判断する(S13)。ジョグダイヤルの回転操作がさらに実行されている場合(S13でNO)、制御部2は処理を進めずに待機する。これは、既に、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作と認められる回数に、ジョグダイヤルの回転操作の回数が達しているものの(S9でYES)、ユーザ操作によって引き続きジョグダイヤルの回転操作が継続されている場合に、その回転操作をCntやRCntのカウントから除外するためである。すなわち、5ステップ分連続的に同一方向にジョグダイヤルが回転操作された時点で、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作と既に認められているが、例えば8ステップ分連続的に同一方向にジョグダイヤルが回転操作されたとしても、ジョグダイヤルの同じ一連の連続回転操作と判断するようにしている。
【0037】
S13でYESと判断された場合、つまり、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作の後、ユーザが一旦ジョグダイヤルの回転操作を停止した場合、制御部2はその時の時刻t1をメモリに記憶する(S14)。その後、処理は、S2に戻り、Cntを0に初期化する。
【0038】
一方、S11においてRCntが所定値M以上であるろ判断された場合(S11でYES)、制御部2は、通常モードからコンテンツスキップモードに移行させる(S12)。つまり、ジョグダイヤルの一連の連続回転操作がM回続いたので、ユーザはかなり先の曲名を選択することを所望していると判断することができ、通常モードからコンテンツスキップモードへと移行する。
【0039】
ここで、S4でYESと判断される場合を説明する。RCntが1以上であるので、少なくとも1回はジョグダイヤルの一連の連続回転操作が実行されている。そして、現在時刻−時刻t1、すなわち、直前のジョグダイヤルの一連の連続回転操作の終了からの経過時間(操作間隔)が閾値(例えば1秒)以上になる場合は、ユーザがかなり先の曲名を選択することを所望していると判断することができないので、コンテンツスキップモードには移行せずに、S1に戻って、RCntおよびCntを0に初期化する。
【0040】
図4は、コンテンツスキップモードにおける制御部2の処理を示す。制御部2は、現在選択されている曲名をメモリに記憶し、かつ、表示する(S21)。例えば、図2(a)に示すように、現在選択されている曲名として「CCCC」が表示されている。制御部2は、次のジョグダイヤルの回転操作による曲名のスキップ個数を表示する(S22)。例えば、図2(a)に示すように、スキップ個数として100が表示される。さらに、制御部2は、表示されているスキップ個数分、曲名をスキップした場合に、選択される曲名を特定し、特定した曲名を表示する(S23)。例えば、図2(a)に示すように、現在選択されている曲名「CCCC」から、表示されているスキップ個数分(100曲)スキップさせると、曲名「FFFF」が選択されることが表示される。
【0041】
続いて、制御部2は、ユーザ操作によって、ジョグダイヤルの回転操作が実行されたか否かを判断する(S24)。ジョグダイヤルの回転操作が実行された場合(S24でYES)、制御部2は、表示されているスキップ個数分を選択されている曲名をスキップさせ、新たに曲名を選択する(S25)。そして、処理はS21に戻って、新たな表示が実行される。例えば、図2(a)において、ジョグダイヤルの回転操作が実行された場合、現在選択されている曲名「CCCC」から、表示されているスキップ個数分(100曲)スキップさせ、曲名「FFFF」が選択される。
【0042】
その結果、図2(b)のように、現在選択されている曲名として「FFFF」が表示される。また、現在選択されている曲名「FFFF」から、表示されているスキップ個数分(100曲)スキップさせると、曲名「JJJJ」が選択されることが表示される。
【0043】
ジョグダイヤルの回転操作が実行されないと判断された場合(S24でNO)、制御部2は、ユーザ操作によるジョグダイヤルのプッシュ操作が実行されたか否かを判断する(S26)。ジョグダイヤルのプッシュ操作が実行されないと判断された場合(S26でNO)、処理はS24に戻る。ジョグダイヤルのプッシュ操作が実行されたと判断された場合(S26でYES)、制御部2は、コンテンツスキップモードから通常モードに移行し、曲リストを表示する(S27)。このとき、選択されている曲名にカーソルが表示される。例えば、図2(b)の状態で、ジョグダイヤルのプッシュ操作が実行されると、図2(e)に示すように、選択されている曲名「FFFF」にカーソルが表示された曲リストが表示される。なお、選択されている曲名が曲リストの先頭に表示されているが、これに限定されず選択されている曲名が曲リストの他の箇所(例えば中央)に表示されてもよい。
【0044】
なお、図2の例ではコンテンツスキップモードにおいて、スキップ個数は100曲に固定されているが、ジョグダイヤルの回転操作のたびにスキップ個数が増加または減少するようにしてもよい。例えば、コンテンツスキップモードにおけるジョグダイヤルの回転操作回数に応じて、曲名のスキップ個数が予め設定されており、図5に示すように、図5(a)で表示されるスキップ個数が100、図5(b)で表示されるスキップ個数が500、図5(c)で表示されるスキップ個数が1000というように、ジョグダイヤルの回転操作回数が増加するたびに、スキップ個数を増加させる。
【0045】
図6は、本実施形態における制御部2の処理を示すフローチャートである。図4と同じ処理には同一符号を付ける。制御部2は、コンテンツスキップモードにおけるジョグダイヤルの回転操作回数を0に初期化する(S31)。制御部2は、現在選択されている曲名をメモリに記憶し、かつ、表示する(S21)。例えば、図5(a)に示すように、現在選択されている曲名として「CCCC」が表示されている。
【0046】
制御部2は、次のジョグダイヤルの回転操作回数に対応するスキップ個数を特定し、特定したスキップ個数を表示する(S32)。例えば、次のジョグダイヤルの回転操作回数は1回目であるので、1回目に対応するスキップ数として100を特定し、図5(a)に示すように、スキップ個数として100が表示される。さらに、制御部2は、表示されているスキップ個数分、曲名をスキップした場合に、選択される曲名を特定し、特定した曲名を表示する(S23)。例えば、図5(a)に示すように、現在選択されている曲名「CCCC」から、表示されているスキップ個数分(100曲)スキップさせると、曲名「FFFF」が選択されることが表示される。
【0047】
続いて、制御部2は、ユーザ操作によって、ジョグダイヤルの回転操作が実行されたか否かを判断する(S24)。ジョグダイヤルの回転操作が実行された場合(S24でYES)、制御部2は、表示されているスキップ個数分を選択されている曲名をスキップさせ、新たに曲名を選択する(S25)。制御部2は、ジョグダイヤルの回転操作回数を1加算する(インクリメントする)(S33)。
【0048】
そして、処理はS21に戻って、新たな表示が実行される。例えば、図5(a)において、ジョグダイヤルの回転操作が実行された場合、現在選択されている曲名「CCCC」から、表示されているスキップ個数分(100曲)スキップさせ、曲名「FFFF」が選択される。
【0049】
その結果、図5(b)のように、現在選択されている曲名として「FFFF」が表示される。また、次のジョグダイヤルの回転操作回数は2回目であるので、2回目に対応するスキップ数として500を特定し、図5(b)に示すように、スキップ個数として500が表示される。また、現在選択されている曲名「FFFF」から、表示されているスキップ個数分(500曲)スキップさせると、曲名「JJJJ」が選択されることが表示される。
【0050】
なお、コンテンツスキップモードにおけるジョグダイヤルの回転操作回数に加えて、曲リストにおけるスキップ可能な残りコンテンツ数に応じて、スキップ個数を変更しても良い。例えば、コンテンツスキップモードにおけるジョグダイヤルの回転操作回数が多いが、曲リストにおけるスキップ可能な残りコンテンツ数が少ない場合には、スキップ個数を減少させるとよい。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本実施形態では、回転操作およびプッシュ操作の両方が可能なジョグダイヤルを採用しているが、これに限定されず、回転操作が可能な第1の操作手段と、プッシュ操作が可能な第2の操作手段とを個別に設けてもよい。また、本発明は、コンテンツおよびコンテンツ情報DBを格納するサーバにネットワーク経由で接続可能なクライアント装置(再生装置)やコントローラ等にも適用され得る。つまり、本発明のコンテンツ選択装置自体がコンテンツやコンテンツ情報DBを格納している必要はなく、また、本発明のコンテンツ選択装置自体がコンテンツを再生する機能を備えていなくても良い。すなわち、本発明のコンテンツ選択装置は、単にコンテンツを選択する機能を有していればよい。本発明は、上記のコンテンツ選択装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体あるいはコンテンツ情報表示方法という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は再生装置に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0053】
1 再生装置
2 制御部
3 メモリ
4 HDD
5 画像処理部
6 再生部
7 増幅部
8 操作部
9 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作による回転操作を受け付ける第1操作手段と、
通常モードにおいて、前記第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを1つ次のコンテンツに進める手段と、
コンテンツスキップモードにおいて、前記第1操作手段が回転操作された場合、選択されるコンテンツを2つ以上先のコンテンツにスキップさせる手段と、
ユーザ操作によって、前記第1操作手段の一連の連続回転操作が実行されたか否かを判断する手段と、
前記第1操作手段の一連の連続回転操作の回数をカウントする手段と、
前記第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であるか否かを判断する手段と、
前記第1操作手段の一連の連続回転操作の回数が所定値以上であると判断された場合に、通常モードからコンテンツスキップモードに移行する手段とを備える、コンテンツ選択装置。
【請求項2】
コンテンツスキップモードにおいて、スキップさせるコンテンツの個数と、現在選択されているコンテンツの情報と、スキップさせた後に選択されるコンテンツの情報とを表示装置に表示させる手段と、
ユーザ操作によるプッシュ操作を受け付ける第2操作手段と、
コンテンツスキップモードにおいて、前記第2操作手段がプッシュ操作された場合、コンテンツスキップモードから通常モードに移行し、表示されている現在選択されているコンテンツの情報を含むコンテンツリストを表示させる手段とをさらに備える、請求項1に記載のコンテンツ選択装置。
【請求項3】
前記第1操作手段の一連の連続回転操作の終了時刻から、次の前記第1操作手段の回転操作までの経過時間が所定時間以上であるか否かを判断する手段と、
前記第1操作手段の一連の連続回転操作の終了時刻から、次の前記第1操作手段の回転操作までの経過時間が所定時間以上であると判断された場合、前記第1操作手段の一連の連続操作回数のカウントを0に初期化する手段とをさらに備える、請求項1または2に記載のコンテンツ選択装置。
【請求項4】
コンテンツスキップモードにおいてスキップさせるコンテンツの個数を、コンテンツスキップモードにおける前記第1操作手段の回転操作回数に基づいて増加または減少させる手段をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ選択装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ選択装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ選択プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−30234(P2013−30234A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163917(P2011−163917)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】