説明

コントローラ支持装置、及びコントローラの充電システム

【課題】ユーザが簡単な動作でコントローラを充電できるコントローラ支持装置を提供する。
【解決手段】支持装置10は、ユーザによって把持される把持部91を左右に有するコントローラ90を支持するための支持装置である。支持装置10は、2つの壁部を有している。2つの壁部は、それらの間に把持部91の間の部分92が上方から挿入可能となっている。また、支持装置10は、把持部91の間の部分92の下面を支持する支持部を備える。2つの壁部と支持部は、コントローラ90が一方の壁部に向けて傾倒できるよう形成されている。そして、一方の壁部側に、コントローラ90と電気的に接続させるための端子が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが両手で把持可能なコントローラを支持し且つ当該コントローラと電気的に接続するコントローラ支持装置、及びコントローラの充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置などの電子機器を操作する際に、ユーザが両手で把持可能なコントローラ(操作デバイス)が利用されている(例えば、下記特許文献1)。この種のコントローラは、その左右に、ユーザが把持するための把持部を有し、各把持部に操作ボタン等が設けられている。この種のコントローラには、ユーザの操作を示す信号を無線でゲーム装置に送信するものがある。こういったコントローラは、その内部に、充電可能なバッテリ、及び、コネクタを備えている。ユーザはコントローラのコネクタにケーブルを接続して、バッテリを予め充電しておく必要が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0281787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コントローラの充電に際しては、ケーブルのコネクタをコントローラのコネクタに円滑に嵌められないなど、接続作業が円滑に進まない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、簡単な動作でコントローラと電気的に接続できるコントローラ支持装置及びコントローラの充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコントローラ支持装置は、ユーザによって把持される把持部を左右に有するコントローラを支持するための支持装置である。前記コントローラ支持装置は、互いに向き合うとともに上方に伸びる2つの壁部を有する。前記2つの壁部は、それらの間に前記コントローラの前記把持部の間の部分であるコントローラ中央部が上方から挿入可能となっている。また、前記コントローラ支持装置は、前記2つの壁部の間に配置された前記コントローラ中央部の下面を支持する支持部を備えている。前記2つの壁部と前記支持部は、前記コントローラ中央部が前記2つの壁部の間で一方の壁部に向けて傾倒できるよう形成され、前記一方の壁部側に、前記コントローラと電気的に接続させるための端子が設けられている。
【0007】
本発明によれば、ユーザは、コントローラの把持部を把持しつつ、2つの壁部によってコントローラ中央部を挟むように当該2つの壁部の間にコントローラ中央部を通すことができる。その後、ユーザは、コントローラの把持部を把持しながらコントローラを一方の壁部に向けて傾け、端子とコントローラとを電気的に接続できる。その結果、コントローラの接続作業に要するユーザの動作を、簡素化できる。なお、本発明は、コントローラを充電する支持装置だけでなく、コントローラとゲーム装置との間でのデータの送受信などに利用される支持装置に適用されてよい。
【0008】
本発明の一態様では、前記端子の接点は前記一方の壁部の上側に位置してもよい。コントローラ中央部が一方の壁部に向けて傾倒するとき、コントローラの上部の可動範囲の方が、コントローラの下部の可動範囲に比べて大きくなる。そのため、この態様によれば、端子とコントローラとの接続安定性が確保し易くなる。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記コントローラ支持装置は、前記一方の壁部に向けて傾倒した前記コントローラ中央部の反対方向への動きを抑えるロック機構をさらに有してもよい。この態様によれば、端子とコントローラとの接続安定性を確保できる。この態様においては、前記ロック機構は前記一方の壁部側に設けられてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記コントローラ支持装置は、前記一方の壁部側に配置され前記コントローラ中央部に押されて後退可能な可動部材をさらに備えてもよい。また、前記端子の接点は穴に収容され、前記可動部材は後退したときに前記端子の前記接点を前記穴から露出させてもよい。この態様によれば、端子の接点を保護できる。この態様では、前記可動部材は前記端子の前記接点を収容する前記穴が形成された保護部を備え、前記ロック機構は前記保護部に隣接してもよい。こうすることにより、端子の接点における接触安定性を向上できる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記2つの壁部のうち他方の壁部には、前記コントローラの上下動を案内するガイド部が形成されてもよい。この態様によれば、コントローラ中央部を2つの壁部の間に配置するための作業を円滑化できる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記コントローラ支持装置は、前記支持部として、前記2つの壁部が対向する方向において離れて位置する複数の支持部を有してもよい。この態様によれば、コントローラの支持安定性を向上できる。
【0013】
また、本発明に係る充電システムは、ユーザによって把持される把持部を左右に有するコントローラを支持するためのコントローラ支持装置と、前記コントローラに装着するためのアダプタとを備える。前記コントローラ支持装置は、互いに向き合うとともに上方に伸びる2つの壁部を備える。前記2つの壁部は、それらの間に前記コントローラの前記把持部の間の部分であるコントローラ中央部が上方から挿入可能となっている。また、前記コントローラ支持装置は、前記2つの壁部の間に配置された前記コントローラ中央部の下面を支持する支持部を備える。前記2つの壁部と前記支持部は、前記コントローラ中央部が前記2つの壁部の間で一方の壁部に向けて傾倒できるよう形成され、前記一方の壁部側に端子が設けられている。前記アダプタは、前記端子と接触する接触部と、前記コントローラのコネクタに嵌るコネクタとを有する。
【0014】
本発明によれば、ユーザは、コントローラの把持部を把持しつつ、2つの壁部によってコントローラ中央部を挟むように当該2つの壁部の間にコントローラ中央部を通すことができる。その後、ユーザは、コントローラの把持部を把持しながらコントローラを一方の壁部に向けて傾け、端子とコントローラとを電気的に接続できる。その結果、コントローラとの接続に要するユーザの動作を簡素化できる。また、本発明に係る充電システムはアダプタを有しているので、コントローラのコネクタの位置の自由度を増すことができる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記コントローラ支持装置は、前記一方の壁部に向けて前記コントローラ中央部が傾倒した時に、前記アダプタと係合するロック機構をさらに備えてもよい。この態様によれば、端子とコントローラとの接続安定性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る、ゲームコントローラを充電するための充電システムの使用状態を示す斜視図である。
【図2】上記充電システムを構成するコントローラ支持装置の斜視図である。
【図3】図2の拡大図であり、上記コントローラ支持装置の端子が配置された部分が拡大されている。
【図4】上記コントローラ支持装置の斜視図である。
【図5】上記充電システムを構成するアダプタと、ゲームコントローラの斜視図である。
【図6】上記コントローラ支持装置を構成する主要な部材の分解斜視図である。
【図7】上記コントローラ支持装置の断面図である。同図はゲームコントローラが第1の姿勢に配置された状態での上記コントローラ支持装置を示している。
【図8】上記コントローラ支持装置の断面図である。同図はゲームコントローラが第2の姿勢に配置された状態での上記コントローラ支持装置を示している。
【図9】上記アダプタの側面図であり、同図ではゲームコントローラに取り付けられた時の姿勢のアダプタが示されている。
【図10】上記アダプタが有するコネクタの動きを説明する為の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の例である、ゲームコントローラ90を充電するための充電システム1の使用状態を示す斜視図である。図2は充電システム1を構成するコントローラ支持装置10の斜視図である。図3は図2の拡大図であり、コントローラ支持装置10の端子69が設けられた部分が拡大されている。図4はコントローラ支持装置10の斜視図である。図5は、充電システム1を構成するアダプタ70と、ゲームコントローラ90の斜視図である。図6はコントローラ支持装置10を構成する主要な部材の分解斜視図である。図7及び図8はコントローラ支持装置10の断面図である。図7は、ゲームコントローラ90が後述する第1の姿勢に配置された状態でのコントローラ支持装置10を示し、図8はゲームコントローラ90が後述する第2の姿勢に配置された状態でのコントローラ支持装置10を示している。図9はアダプタ70の側面図であり、同図ではアダプタ70はゲームコントローラ90に取り付けられた時の姿勢に配置されている。
【0018】
以下の説明では、図1に示すX1−X2が示す方向を左右方向とする。また、図1に示すY1−Y2方向を前後方向とする。さらに、図1に示すZ1−Z2が示す方向を上下方向とする。
【0019】
図1に示すように、充電システム1は、ゲームコントローラ90(以下において、単にコントローラとする)を支持するためのコントローラ支持装置(以下において単に支持装置とする)10と、コントローラ90に装着するためのアダプタ70とを備えている。この例の支持装置10は、前後方向に並ぶ複数(具体的には2つ)のコントローラ90を支持可能に構成されている。
【0020】
コントローラ90は、ユーザが両手で操作するコントローラ(操作デバイス)である。図1及び図5に示すように、コントローラ90は、その左右に、ユーザが把持するための把持部91を有している。また、コントローラ90は、右の把持部91と左の把持部91との間の部分であるコントローラ中央部92を有している。コントローラ中央部92は略直方体に形成され、上面92b、下面92c、前面92d、及び背面92eを有している(図5及び図7参照)。コントローラ中央部92の上下方向の幅(上面92bと下面92cとの距離)は、コントローラ中央部92の前後方向の幅(前面92dと背面92eとの距離)よりも大きい。把持部91は上下方向に細長い形状を有している。コントローラ中央部92は把持部91の上部を連結している。把持部91の下部はコントローラ中央部92の下面92cを越えて下方に突出している。この例の支持装置10は、把持部91がコントローラ中央部92から下方に突出する姿勢で、コントローラ90を支持する。
【0021】
図1に示すように、右の把持部91の上部の前面と左の把持部91の上部の前面のそれぞれに、ユーザが指で操作可能な操作部材が配置されている。この例では、右の把持部91の上部の前面には、十字に配置される複数(この例では4つ)の操作ボタン(押しボタン)91Rが設けられている。左の把持部91の上部の前面には、複数の方向(4方向又は8方向)を入力可能な方向キー91Lが設けられている。方向キー91Lは十字に配置される4つの凸部91aを有している。さらに、コントローラ90は左右の操作スティック95を有している。操作スティック95は操作ボタン91Rが設けられた領域と方向キー91Lが設けられた領域とに対して内方(中心寄り)に位置している。また、右の操作スティック95は操作ボタン91Rの斜め下方に位置し、左の操作スティック95は方向キー91Lの斜め下方に位置している。操作スティック95はコントローラ90の前面から突出している。
【0022】
コントローラ90は、ゲーム装置(不図示)などの電子機器本体と無線通信可能なコントローラであり、操作ボタン91R、方向キー91L及び操作スティック95の操作に応じた信号を無線で電子機器本体に送信する。
【0023】
コントローラ90は、その内部に、充電可能なバッテリを備えている。図5に示すように、コントローラ90は、その外面に雌コネクタ92aを備えている。支持装置10は端子69を備えている(図3参照)。端子69は雌コネクタ92aと電気的に接続する。支持装置10はコントローラ90の充電装置として機能し、コントローラ90を支持しながら、端子69及び雌コネクタ92aを通してコントローラ90を充電する。なお、ゲーム装置などの電子機器本体とコントローラ90との間でのデータの送受信に、支持装置10は利用されてもよい。
【0024】
本実施形態では、雌コネクタ92aはコントローラ中央部92の上面92bに設けられている。コントローラ90が支持装置10に装着された時、端子69は雌コネクタ92aから離れた位置に位置し、コントローラ90に装着されたアダプタ70を介してコントローラ90に電気的に接続される。図5に示すように、アダプタ70は、端子69と接触する接触プレート71aを有している。
【0025】
図2に示すように、支持装置10にはケーブル85が接続されている。このケーブル85は、支持装置10が内蔵する回路基板(不図示)に接続されている。回路基板は支持装置10によるコントローラ90の充電を制御するなどの機能を有する。すなわち、回路基板は、コントローラ90のバッテリが満充電の状態になったら、充電を停止するなどの処理を行う。上述した端子69は、支持装置10が備える配線を通してこの回路基板に接続されている。
【0026】
図2及び図4に示すように、支持装置10は、前後方向において互いに向き合う前壁部21と後壁部22とを有している。前壁部21と後壁部22は、それらの間にコントローラ中央部92が挿入可能に形成されている。すなわち、前壁部21と後壁部22との間隔は、コントローラ中央部92の厚さ(前後方向におけるコントローラ中央部92の幅)に対応している。そのため、コントローラ中央部92を前壁部21と後壁部22との間に嵌めることができる。前壁部21の表面はコントローラ中央部92の前面92dと向き合う面を形成し、後壁部22の表面はコントローラ中央部92の背面92eと向き合う面を形成する。
【0027】
図2及び図4に示すように、前壁部21と後壁部22の下部には、支持部21a,22aが設けられている。支持部21a,22aは、前壁部21と後壁部22との間に配置されたコントローラ中央部92の下面92c(図7参照)を支持する。前壁部21と後壁部22との間に配置されたコントローラ90が後壁部22に向けて傾倒可能となるように、前壁部21と後壁部22と支持部21a,22aは形成されている(図7及び図8参照)。すなわち、前壁部21と後壁部22との間に配置されたコントローラ90は、図7に示す姿勢と図8に示す姿勢との間で動くことができる。支持装置10の端子69は後壁部22側に設けられている。コントローラ90が後壁部22に向けて倒れることで、コントローラ90と端子69とが電気的に接続する。
【0028】
図2に示すように、この例の支持装置10は、その下部にベースプレート部10aを有している。また、支持装置10は、上方に伸びる複数(この例では3つ)の柱部11,12,13を有している。柱部11,12,13は前後方向において間隔を空けて並んでいる。最前の柱部11の後面及び中央の柱部12の後面に前壁部21が設けられている。また、中央の柱部12の前面及び最後部の柱部13の前面に、後壁部22が設けられている。
【0029】
図1に示すように、左右方向における柱部11,12,13の幅(すなわち前壁部21及び後壁部22の幅)は、左右の把持部91の間隔(左右方向におけるコントローラ中央部92の幅)よりも小さい。そのため、支持装置10がコントローラ90を支持した状態では、左右の把持部91は柱部11,12,13よりも右側又は左側に位置する。その結果、ユーザは、コントローラ90を支持装置10に置く作業、及び、コントローラ90を支持装置10から取り外す作業を、把持部91を把持しながら行うことができ、これらの作業が行い易くなっている。
【0030】
図2に示すように、この例の支持装置10は、ベースプレート部10a上で立つとともに前後方向に細長いベース壁部10bを有している。柱部11,12,13はベース壁部10bから上方に伸びている。換言すると、柱部11,12,13の下部はベース壁部10bによって連結されている。ベース壁部10bの幅も、左右の把持部91の間隔(左右方向におけるコントローラ中央部92の幅)よりも小さい。左右方向におけるベースプレート部10aの幅は、ベース壁部10bや柱部11,12,13の幅よりも大きい。この例ではベースプレート部10aは略円形である。
【0031】
図2に示すように、前壁部21と後壁部22は、それらが向き合う方向(この例では前後方向)の一方側に傾斜している。この例では、各柱部11,12,13は後側に傾斜し、これにより、柱部11,12,13に形成された前壁部21と後壁部22も後側に傾斜している。このように前壁部21と後壁部22とが後側に傾斜しているので、コントローラ中央部92は前壁部21と後壁部22との間に斜め下方に挿入可能となっている。また、前壁部21と後壁部22とが後側に傾斜しているので、コントローラ90を後壁部22に向けて傾倒させたとき、コントローラ90の荷重が端子69に掛る。その結果、後壁部22側に設けられた端子69と、アダプタ70に設けられた接触プレート71aとの接触安定性を向上させることができる。
【0032】
図6に示すように、この例の支持装置10は、フレーム15と、複数(この例では2つ)の上プレート20と、カバー40とを備えている。また、支持装置10は、スライダー51と、可動部材61とを備えている。これらの部材は、それぞれ樹脂により形成されている。
【0033】
図6に示すように、フレーム15は、前後方向に並ぶ複数(この例では3つ)のフレーム柱部15a,15b,15cを備えている。上プレート20は上方に開いた略U字状に形成されている。この例では、上述した前壁部21と後壁部22は上プレート20に設けられている。上プレート20は、前壁部21と後壁部22とに加えて、それらの下部を繋ぐ湾曲した底部23を有している。前壁部21と後壁部22は底部23から上方に伸びている。上プレート20は、フレーム15上に配置され、当該フレーム15に取り付けられている。詳細には、一方の上プレート20は、最前のフレーム柱部15aと中央のフレーム柱部15bとの間に配置され、他方の上プレート20は、中央のフレーム柱部15bと最後部のフレーム柱部15cとの間に配置されている。
【0034】
カバー40はフレーム15を覆い、柱部11,12,13の上面及び側面を形成する。すなわち、図6に示すように、カバー40は側壁部41b,42b,43bを有している。側壁部41b,42b,43bは、フレーム柱部15a,15b,15cに沿って立ち、柱部11,12,13の側面をそれぞれ形成する。また、カバー40は上壁部41a,42a,43aを有している。上壁部41a,42a,43aは、左右の側壁部41b,42b,43bの上縁に掛け渡されている。上壁部41a,42a,43aは、フレーム柱部15a,15b,15cの上側を覆い、柱部11,12,13の上面をそれぞれ形成する。
【0035】
図7に示すように、可動部材61とスライダー51は、後壁部22側に配置されている。スライダー51は、後壁部22に向けて傾倒したコントローラ90の反対方向への動きを抑えるロック機構を構成する。可動部材61は、後壁部22に向けて傾倒するコントローラ90に押されて後退し、端子69の接点69aを露出させる。これら可動部材61とスライダー51については、後において詳説する。
【0036】
図6に示すように、この例の支持装置10は、当該支持装置10の底面を形成するベースカバー81と、ベースカバー81上に配置されるベースプレート82(例えば金属板)とを有している。フレーム15はベースカバー81及びベースプレート82上に配置される。充電を制御する上述した回路基板は、ベースカバー81とカバー40とに収容される。カバー40は側壁部41b,42b,43bの下縁から左右方向に広がり、ベースプレート82とベースカバー81とに重ねられるプレート部40aを有している。プレート部40aとベースプレート82とベースカバー81とによって、上述のベースプレート部10aが構成される(図2参照)。
【0037】
上述したように、前壁部21と後壁部22の下部には、コントローラ中央部92の下面92cを支持する支持部21a,22aが設けられている(図2及び図4参照)。この例では、支持部21a,22aは、前壁部21と後壁部22とが向き合う方向(この例では前後方向)に離れて位置している。これにより、下面92cを1つの位置で支持する形態に比べて、支持安定性を向上できる。この例では、支持部21a,22aは、前壁部21の最下部と後壁部22の最下部とにそれぞれ位置している。
【0038】
図7に示すように、支持部21aは前壁部21から後壁部22に向かって(すなわち後側に)突出している。この例の支持部21aの外面は円弧状の断面を有している。支持部21aは、湾曲したその外面においてコントローラ中央部92の下面92cを支持している。これにより、支持部21aと下面92cとの間の接触面積を小さくでき、下面91cと支持部21aとの間に生じる摩擦を低減できる。この例では、支持部21aは、下面91cの前縁(コントローラ中央部92の角)に当っている。
【0039】
この例の支持部21aは上プレート20とは異なる材料によって形成されている。支持部21aは、前壁部21に形成された穴に嵌められている。このように支持部21aと上プレート20とを異なる材料によって形成することによって、コントローラ中央部92の後壁部22に向けた傾倒の円滑さを調整し易くなる。支持部21aは、例えば2色成型により上プレート20に形成される。また、支持部21aは上プレート20とは別体の部材として形成され、上プレート20に嵌められてもよい。支持部21aは上プレート20と同一の材料で形成されてもよい。その場合、製造工程を低減できる。
【0040】
図2に示すように、後壁部22の最下部には段差が設けられており、この段差が支持部22aとして機能している。この例では、底部23には、上プレート20の内側に向かって膨らむ、ガイド凸部(請求項におけるガイド部)20aが形成されている。このガイド凸部20aと後壁部22の表面(前面)との境に形成される段差が、支持部22aとして機能している。
【0041】
前壁部21の最下部と後壁部22の最下部との間(換言すると、支持部21aと支持部22aとの間)の部分(すなわち底部23)は、支持部21aと支持部22aとの位置よりさらに低くなっている(図7参照)。そのため、コントローラ中央部92が支持装置10によって支持されているとき、コントローラ中央部92の下面92cは、底部23から上方に離れて位置する。その結果、下面92cとプレート20との接触面積を小さくでき、それらの間の摩擦を低減できる。また、コントローラ中央部92の下面92cの形状の自由度を増すことができる。なお、支持部21a,22aの形態はこれに限られない。例えば、前壁部21と後壁部22のいずれか一方にのみ支持部が設けられてもよい。また、底部23に支持部が形成されてもよい。
【0042】
図1及び図5に示すように、コントローラ90は、左右の把持部91の内側に、左右の膨らみ部93を有している。膨らみ部93は、左右の把持部91とコントローラ中央部92の下面92cとから、内方且つ下方に膨らんでいる。2つの膨らみ部93は左右方向に離れて位置している。膨らみ部93は正面視で環状に形成され、膨らみ部93の内側に操作スティック95の基部が配置されている。膨らみ部93は、コントローラ中央部92の前面92dよりも前方に僅かに突出する環状凸部93aを有している(図1参照)。
【0043】
前壁部21には、コントローラ90の上下動を案内するガイド部が形成されている。この例では、図4に示すように、底部23に形成されたガイド凸部20aは、前壁部21の表面(後面)上で上方に伸びている。ガイド凸部20aが、上述のガイド部として機能する。詳細には、コントローラ90に形成された左右の膨らみ部93の環状凸部93aの間に、ガイド凸部20aは配置可能となっている。すなわち、左右の環状凸部93aの間の距離に、左右方向におけるガイド凸部20aの幅が対応している。コントローラ中央部92を前壁部21と後壁部22との間に挿入する際、ガイド凸部20aは環状凸部93aの間に位置し、当該環状凸部93aに対して上下方向において相対的に移動する。これにより、ガイド凸部20aによって、コントローラ中央部92の左右方向における移動が規制され、且つ、コントローラ90の上下動が案内される。
【0044】
ガイド凸部20aの上部(換言すると前壁部21の上部)は、コントローラ中央部92が前壁部21と後壁部22との間に挿入された時、コントローラ中央部92の前面92dと対向する。図1又は図7に示すように、この例では、前面92dには操作ボタン92fが設けられている。図4に示すように、前壁部21の上部には、この操作ボタン92fとの干渉を避けるための凹部21cが形成されている。
【0045】
ガイド凸部20aの底部は、左右の膨らみ部93の間に配置可能となっている。すなわち、左右の膨らみ部93の間の距離は、左右方向におけるガイド凸部20aの幅に対応している。前壁部21と後壁部22との間に配置されたコントローラ中央部92の左右方向における位置は、環状凸部93aとガイド凸部20aと引っ掛かりだけでなく、膨らみ部93とガイド凸部20aの底部との引っ掛かりによっても規定される。
【0046】
前壁部21と後壁部22と支持部21a,22aは、上述したように、前壁部21と後壁部22との間でコントローラ中央部92が後壁部22に向けて僅かに傾倒できるように形成されている。すなわち、図7及び図8に示すように、コントローラ90が前壁部21と後壁部22との間で2つの姿勢をとることができるように、前壁部21と後壁部22と支持部21a,22aは形成されている。具体的には、コントローラ90は、後壁部22から離れている第1の姿勢(図7に示す姿勢)と、後壁部22に倒れた第2の姿勢(図8に示す姿勢)との間で動くことができる。
【0047】
図7及び図8に示すように、前壁部21と後壁部22との間隔は、コントローラ中央部92の厚さ(前後方向におけるコントローラ中央部92の幅)よりも僅かに大きくなっている。また、支持部21a,22aに対する下面92cの相対移動を許容するように、支持部21a,22aは形成されている。すなわち、コントローラ中央部92の下面92cは、支持部21aに接した状態で、当該支持部21aに対して動くことができる。これにより、コントローラ中央部92は、前壁部21と後壁部22との間で後壁部22に向けて僅かに傾倒できる。
【0048】
図7に示す第1の姿勢においては、コントローラ中央部92は次のように配置される。後壁部22とコントローラ中央部92の背面92eとの間には隙間が形成されている。この例では、後壁部22の最下部はコントローラ中央部92の背面92eの最下部に当接している。背面92eの最下部よりも上側においては、後壁部22とコントローラ中央部92の背面92eとの間に隙間が形成されている。また、前壁部21とコントローラ中央部92の前面92dとの間にも隙間が設けられている。さらに、第1の姿勢においては、前壁部21側の支持部21aがコントローラ中央部92の下面92cに当り、当該下面92cを支持している。一方、後壁部22側に形成された支持部22aと、コントローラ中央部92の下面92cとの間には隙間が設けられている。そのため、第1の姿勢に配置されたコントローラ中央部92は、後壁部22に向けて倒れることができる。
【0049】
図8に示すように、第2の姿勢においては、コントローラ90は後壁部22上に倒れ、背面92eは後壁部22に接している。コントローラ中央部92の下面92cは、支持部21aと支持部22aの双方によって支持されている。
【0050】
上述したように、第1の姿勢のコントローラ90は、2つの支持部21a,22aのうち支持部21aのみで支持さている(図7参照)。そのため、コントローラ90は、支持部21aと下面92cとの接点を中心にして、後壁部22に向けて傾倒することができる。前側の支持部21aは後側の支持部22aよりも高い位置に位置し、下面92cの最前部を支持している。そのため、第2の姿勢におけるコントローラ90の支持安定性を向上できている。
【0051】
上述したように、充電システム1はアダプタ70を有している。図5に示すように、アダプタ70は板状の嵌合部71を有している。アダプタ70がコントローラ中央部92に装着された時、嵌合部71はコントローラ中央部92の背面92eの上部に位置する。また、この時、嵌合部71は背面92eから後方に僅かに突出するように配置される。図3及び図7に示すように、上述した可動部材61はその上部に板状の保護部62を有している。保護部62は後壁部22の上側に位置し、保護部62の前面は後壁部22の前面と同一平面上に位置している。保護部62は嵌合部71によって押されて後退可能に支持されている。これにより、背面92eよりも後方に突出する嵌合部71を有するアダプタ70が装着されたコントローラ90を、図7に示す第1の姿勢と、図8に示す第2の姿勢との間で動かすことができる。
【0052】
コントローラ中央部92を前壁部21と後壁部22との間に挿入したときに、コントローラ中央部92は、まず第1の姿勢に配置される。コントローラ中央部92が第1の姿勢に達するまで(すなわち、コントローラ中央部92の下面92cが支持部21aにあたるまで)コントローラ中央部92の後壁部22に向けた傾倒を規制するストッパを、柱部12及び柱部13は有している。
【0053】
この例では、保護部62の上側に位置する部分がストッパとして機能する。つまり、嵌合部71と保護部62は互いに対応した形状を有している。図3に示すように、保護部62の外周は、カバー40の上壁部42aと側壁部42bとスライダー51とによって囲まれている。上壁部42aと側壁部42bとスライダー51との内側に形成される開口(保護部62によって閉じられている開口)の形状は、嵌合部71の外形に概ね対応している。そのため、コントローラ中央部92を前壁部21と後壁部22との間に挿入する過程では、保護部62の上側に位置する上壁部42aの前縁42c(図3及び図7参照)が、嵌合部71に当る。そのため、前縁42cは、コントローラ中央部92の後壁部22に向けた傾倒を規制するストッパとして機能する。コントローラ中央部92が第1の姿勢に到達した時、嵌合部71は、保護部62(換言すると、上壁部42aや側壁部42bの内側に形成される開口)と正対し、前縁42cと当らなくなる。その結果、コントローラ中央部92の後壁部22に向けた傾倒が許容される。なお、このようなストッパ機能は、柱部13にも設けられている。すなわち、カバー40の上壁部43aの前縁がストッパとして機能する(図6参照)。
【0054】
図3及び図5に示すように、保護部62の前面と嵌合部71とには、互いに対応する凹凸が形成されている。この凹凸により、嵌合部71は、保護部62に対する適切な位置(特に左右方向における位置)に配置され得る。この例では、保護部62の前面には凸部62bが形成されている(図3参照)。一方、嵌合部71には凹部71fが形成されている(図5参照)。嵌合部71が保護部62を押した時、凸部62bが凹部71fに嵌る。これにより、嵌合部71の保護部62に対する相対位置が規定される。
【0055】
図5に示すように、アダプタ70の嵌合部71は、当該嵌合部71の外面(後壁部22側の面)において露出する接触プレート71aを有している。この例では、アダプタ70は複数の接触プレート71aを有している。これらは嵌合部71の表面において左右方向に並んでいる。上述したように、後壁部22側には複数(この例では4つ)の端子69が設けられている。複数の端子69は左右方向に間隔を空けて並んでいる(図3参照)。コントローラ中央部92が壁部21,22の間で支持された時、接触プレート71aは端子69の接点69aと正対する。
【0056】
図7及び図8に示すように、保護部62は、端子69に対して後方に移動可能となっている。すなわち、保護部62は端子69の接点69aとは独立して後方に移動可能となっている。そのため、コントローラ90が後壁部22に向けて傾倒し、嵌合部71が保護部62を押すと、端子69の接点69aは保護部62の前面から突出し、接触プレート71aに接触する。
【0057】
図7に示すように、端子69の接点(アダプタ70の接触プレート71aと接触する部分)69aは、後壁部22側に設けられた支持部22aから上方に離れて位置している。この例では、接点69aは後壁部22よりも上方に位置している。コントローラ中央部92が傾倒する際、コントローラ中央部92の上部(アダプタ70が取り付けられる部分)の移動範囲は、下部の移動範囲よりも大きい。そのため、接点69aが後壁部22よりも上側に設けられることによって、接触プレート71aと接点69aとの間に接触圧が確保し易くなる。また、接点69aの位置が高いため、支持装置10が置かれる設置面上の塵等に接点69aが曝されにくい。端子69の通常状態(アダプタ70の接触プレート71aに押されていない状態)においては、接点69aは後壁部22の表面と概ね同一平面上に位置している。
【0058】
図7に示すように、この例の端子69はねじりコイルばねである。すなわち、端子69はコイル部69bと、コイル部69bから伸びる一対のアーム部69c,69dとを有している。アーム部69c,69dは、コイル部69bと頂点とする略V字状に配置されている。一方のアーム部69cの端部に接点69aが形成されている。また、後壁部22の裏側には基板68が配置されている。他方のアーム部69dは基板68に固定されている。接点69aが後方に押されたとき、端子69の力は接点69aが復帰する方向に作用する。なお、基板68はフレーム15のフレーム柱部15b,15cによって支持されている。充電を制御する回路基板は、当該回路基板と基板68とを繋ぐ配線(不図示)と、この基板68とを通して、端子69に接続される。
【0059】
上述したように、支持装置10は後壁部22に対して後退可能に支持された可動部材61を有している。図6及び図7に示すように、可動部材61は、上述した保護部62と、保護部62の裏面から下方に伸びる左右のアーム部63とを有している。保護部62は後壁部22の上側に位置している。保護部62が通常位置(コントローラ90に押されていないときの位置、図7に示す位置)にあるとき、その前面は後壁部22と同一平面上に位置する。保護部62には左右方向に並ぶ複数の穴が形成されている(図3参照)。保護部62が通常位置にあるときには、端子69の接点69aは保護部62の穴の内側に位置し、この穴に収容されている。このようにして、保護部62は端子69の接点69aを保護している。
【0060】
図7に示すように、アーム部63は、後壁部22の裏側に位置し、当該後壁部22に沿って配置されている。アーム部63は、保護部62から下方に離れた位置に、被支持部63aを有している。被支持部63aは、フレーム柱部15bに形成された支持軸15dによって回動可能に支持されている。そのため、可動部材61は支持軸15dを中心にして後方に動くことができる(図8参照)。なお、可動部材61は最後部の柱部13にも設けられている。柱部13に設けられた可動部材61の被支持部63aはフレーム柱部15cに形成された支持軸によって支持されている。
【0061】
可動部材61が支持軸15dを中心にして後方に傾いた時、保護部62は後壁部22に対して後退する。その結果、端子69の接点69aは保護部62に形成された穴から前方に突出し、保護部62の前面よりも前方に位置する。
【0062】
図7に示すように、可動部材61はばね64によって上述の通常位置に向けて付勢されている。この例ではばね64もねじりコイルばねであり、そのコイル部分は支持軸15dによって支持されている。ばね64の一端はフレーム15によって保持され、他端はアーム部63に係合している。可動部材61が支持軸15dを中心にして後方に倒れたとき、ばね64は可動部材61を通常位置に戻す力を当該可動部材61に作用させる。
【0063】
上述したように、後壁部22側には、コントローラ90の動きを抑えるロック機構(コントローラ90が第2の姿勢から第1の姿勢に向けて動くのを抑える機構)が設けられている。ロック機構はスライダー51とばね52とによって構成されている。図3に示すように、スライダー51は後壁部22の上側に配置されている。スライダー51は、後壁部22の表面(前面)から続く前面を有している。より具体的には、スライダー51の前面は、後壁部22と概ね同一平面を形成している。スライダー51の前面は後壁部22に隣接し配置され、後壁部22の上縁の上に位置している。
【0064】
スライダー51は下方に移動可能に支持されている。この例では、図7に示すように、スライダー51の下方にはガイド15eが設けられ、スライダー51の上下動はガイド15eによって案内される。この例のガイド15eはスライダー51の下部を収容するよう形成されている。また、この例では、ガイド15eはフレーム15に形成されている。
【0065】
ばね52はスライダー51を上方に付勢し、スライダー51の上縁は可動部材61の保護部62の下面に当っている。これにより、スライダー51の位置が規定されている。この例では、図7に示すように、ばね52もガイド15eによって支持されている。具体的には、ガイド15eはばね52を収容するよう形成されている。
【0066】
スライダー51とばね52とからなるロック機構は、コントローラ90に装着されたアダプタ70と係合することで、コントローラ90の反対方向への移動を規制する。詳細には、コントローラ中央部92が支持部21aとの接点を中心にして後壁部22に向けて倒れる際、アダプタ70の嵌合部71は斜め下方に移動する。スライダー51の上縁51a(図3及び図9参照)は、嵌合部71の下縁71b(図9参照)の軌道上に位置している。また、アダプタ70がコントローラ90に装着された時にコントローラ中央部92の背面92eと下縁71bとの間に隙間D(図9参照)が生じるように、当該下縁71bは形成されている。これらの構造により、コントローラ90がロックされ得る。すなわち、コントローラ中央部92が後壁部22に向けて倒れる際、スライダー51は嵌合部71の下縁71bに当り、一時的に下方に移動する。コントローラ90が第2の姿勢に達すると、スライダー51は元の位置に復帰する(すなわち上方に移動する)。これにより、上縁51aは隙間Dに進入し、下縁71bと係合する。
【0067】
なお、コントローラ90を支持装置10から取り外す際には、コントローラ90を上方に僅かに移動させて、スライダー51とアダプタ70との係合を解除する。そして、コントローラ90を第2の姿勢から第1の姿勢に戻した後に、コントローラ中央部92を前壁部21と後壁部22との間から上方に移動させる。
【0068】
図9に示すように、嵌合部71の下縁71bには斜面71cが形成されている。この斜面71cは、コントローラ中央部92が支持部21aとの接点を中心にして後方に倒れる際にスライダー51の上縁51aに当る。斜面71cは、スライダー51の上縁51aと上下方向で当るように、嵌合部71の表面(接触プレート71aが設けられた面)に対して傾斜している。そのため、斜面71cがスライダー51の上縁51aに当った時、スライダー51を下げる力が発生し易くなる。
【0069】
上述したように、後壁部22の上側には、可動部材61の保護部62及び端子69の接点69aが配置されている。図7に示すように、ロック機構(より具体的にはスライダー51)は保護部62と隣接している。そのため、支持装置10が振動した場合であっても、接点69aと嵌合部71に設けられた接触プレート71aとの接触が維持され易い。この例では、保護部62はロック機構のさらに上側に配置されている。すなわち、保護部62と端子69の接点69aはスライダー51の上側に位置している。スライダー51の上縁51aは保護部62の下面に当接している。
【0070】
アダプタ70について詳細に説明する。図5に示すように、アダプタ70は、上述した嵌合部71の他に、装着プレート72を有している。装着プレート72はコントローラ中央部92の上面92bに装着可能に形成されている。図9に示すように、装着プレート72には、上面92bに設けられた雌コネクタ92aに嵌合可能な雄コネクタ72bが設けられている。雄コネクタ72bは装着プレート72から下方に突出するように配置されている。
【0071】
図5に示すように、この例のコントローラ90は各把持部91から上方に突出する凸部94を有している。各凸部94には複数の操作ボタン94a,94bが設けられている。装着プレート72は左右方向に細長く、その長さは左右の凸部94の間隔に対応している。そのため、装着プレート72に対して外力が作用することが、凸部94によって抑えられている。その結果、コネクタ92a,72bに不適切な力が作用することを抑えられている。なお、装着プレート72の形状は、これに限定されず、さらに短くてもよい。
【0072】
図5に示すように、嵌合部71は装着プレート72の縁から下方に伸びるように形成されている。アダプタ70がコントローラ90に装着された時に、嵌合部71はコントローラ中央部92の背面92eに沿って配置され、背面92eの最上部に位置する。
【0073】
嵌合部71は背面92eに係合可能となっている。具体的には、図9に示すように、嵌合部71の前面(背面92eと向き合う面)には突起71dが形成されている。突起71dは、背面92eに向かって突出している(図9においては前方に突出している)。コントローラ中央部92の背面92eには穴92gが形成されている(図5参照)。アダプタ70がコントローラ90に装着された時、突起71dは穴92gに嵌る。突起71dの突出方向は、雌コネクタ92aと雄コネクタ72bとの嵌合方向(上下方向)に対して概ね直交している。そのため、雄コネクタ72bの雌コネクタ92aからの抜けが突起71dによって抑えられる。
【0074】
図10はコネクタ72bの動きを説明する為の図である。図10に示すように、雄コネクタ72bは装着プレート72に対して傾斜可能に支持されている。すなわち、雄コネクタ72bの基部72cは装着プレート72によって回動可能に支持されている。アダプタ70がコントローラ90に装着されている時、突起71dがコントローラ中央部92の穴92gから抜ける方向に移動するように、嵌合部71は基部72cを中心にして動くことができる。このような構造により、アダプタ70をコントローラ90から外すための作業が容易になる。
【0075】
なお、図10に示すように、コネクタ72bの基部72cには、板ばね72dが形成されている。アダプタ70の通常状態においては(コネクタ72bに外力が作用しない状態においては)、板ばね72dの端部は、装着プレート72に形成された壁(不図示)に当っている。板ばね72dの付勢力によって、コネクタ72bは基準位置(装着プレート72から真っ直ぐ下方に突出するコネクタ72bの姿勢、図10の実線で示すコネクタ72bの姿勢)に戻る。
【0076】
図9に示すように、嵌合部71の最下部の前面(背面92eに向いた面)には、突起71dよりも突出量の小さい突起71eが形成されている。一方、コントローラ中央部92の背面92eには穴92hが形成されている(図5参照)。アダプタ70がコントローラ90に取り付けられた状態では、突起71eは穴92hに嵌る。このように嵌合部71には背面92eに嵌る2つの突起が形成されているので、保護部62に対する嵌合部71の相対位置(具体的には、接触プレート71aの端子69に対する相対位置)のずれを抑えることができる。
【0077】
以上説明したように、支持装置10は、互いに向き合うとともに上方に伸びる前壁部21と後壁部22とを有している。これらの壁部21,22は、それらの間にコントローラ90のコントローラ中央部92が挿入可能となっている。また、支持装置10は、前壁部21と後壁部22との間に配置されているコントローラ中央部92の下面92cを支持する支持部21a,22aを有している。前壁部21と後壁部22と支持部21a,22aは、2つの壁部21,22の間でコントローラ90が後壁部22に向けて傾倒できるように形成されている。後壁部22側に、コントローラ90と電気的に接続させるための端子69が設けられている、
【0078】
この様な支持装置10によれば、ユーザは、コントローラ90の把持部91を把持しながら、2つの壁部21,22の間にコントローラ中央部92を挿入できる。そして、ユーザは、それらの間にコントローラ中央部92を配置した後に、コントローラ90の把持部91を把持しながら、コントローラ90を後壁部22に向けて傾け、端子69とコントローラ90とを電気的に接続できる。その結果、コントローラの充電に要するユーザの動作を簡素化できる。
【0079】
また、以上説明した充電システム1は、コントローラ90に装着するためのアダプタ70を有している。アダプタ70は、端子69と接触する接触プレート71aと、コントローラ90のコネクタ92aに嵌るコネクタ72bとを有している。そのため、コントローラ90のコネクタ92aの位置の自由度を増すことができる。
【0080】
なお、本発明はコントローラ支持装置10及び充電システム1に限られず、種々の変更が可能である。
【0081】
例えば、以上の説明では、アダプタ70の嵌合部71が保護部62を押した時、端子69の接点69aが保護部62に形成された穴から突出していた。しかしながら、可動部材61は端子69とは異なる位置に配置されてもよい。そして、可動部材61がコントローラ中央部92に押されたときに、端子69の接点69aが後壁部22を含む平面よりも前方に突出してもよい。
【0082】
また、以上の説明ではスライダー51を含むロック機構は、後壁部22側に設けられていた。しかしながら、ロック機構は、後壁部22とは異なる位置(例えば前壁部21側)に設けられてもよい。
【0083】
また、以上の説明では、前壁部21と後壁部22とを含む上プレート20はフレーム15とは別体に形成され、当該フレーム15上に配置されていた。しかしながら、このような上プレート20が設けられることなく、前壁部21と後壁部22はフレーム15と一体的に形成されてもよい。
【0084】
さらに、以上の説明では、支持装置10は、前壁部21と後壁部22について2つの対を有し、2つのコントローラ90を同時に支持可能に構成されていた。しかしながら、支持装置10は、前壁部21と後壁部22の対を1つだけ有し、1つのコントローラ90のみが支持可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 充電システム、10 コントローラ支持装置、11,12,13 柱部、15 フレーム、15a,15b,15c フレーム柱部、20 上プレート、20a ガイド凸部、21 前壁部、21a,22a 支持部、22 後壁部、23 底部、40 カバー、41a,42a,43a 上壁部、41b,42b,42c 側壁部、51 スライダー、51a 上縁、61 可動部材、62 保護部、63 アーム部、64 ばね、69 端子、69a 接点、70 アダプタ、71 嵌合部、71a 接触プレート、71b 下縁、72 装着プレート、72b コネクタ、90 ゲームコントローラ、91 把持部、91R 操作ボタン、91L 方向キー、92 コントローラ中央部、92a コネクタ、92b 上面、92c 下面、92d 前面、92e 背面、92f ボタン、92g 穴、92h 穴、93 膨らみ部、93a 環状凸部、95 操作スティック。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって把持される把持部を左右に有するコントローラを支持するためのコントローラ支持装置であって、
互いに向き合うとともに上方に伸びる2つの壁部であって、それらの間に前記コントローラの前記把持部の間の部分であるコントローラ中央部が上方から挿入可能な2つの壁部と、
前記2つの壁部の間に配置された前記コントローラ中央部の下面を支持する支持部と、を備え、
前記2つの壁部と前記支持部は、前記コントローラ中央部が前記2つの壁部の間で一方の壁部に向けて傾倒できるよう形成され、
前記一方の壁部側に、前記コントローラと電気的に接続させるための端子が設けられている、
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラ支持装置において、
前記端子の接点は前記一方の壁部の上側に位置している、
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコントローラ支持装置において、
前記一方の壁部に向けて傾倒した前記コントローラ中央部の反対方向への動きを抑えるロック機構をさらに有する、
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項4】
請求項2に記載のコントローラ支持装置において、
前記ロック機構は前記一方の壁部側に設けられている、
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコントローラ支持装置において、
前記一方の壁部に向けて傾倒した前記コントローラ中央部に押されて後退可能な可動部材をさらに備え、
前記端子の接点は穴に収容されており、前記可動部材は後退したときに前記端子の前記接点を前記穴から露出させる、
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項6】
請求項5に記載のコントローラ支持装置において、
前記一方の壁部に向けて傾倒した前記コントローラ中央部の反対方向への動きを抑えるロック機構をさらに有し、
前記可動部材は、前記端子の前記接点を収容する前記穴が形成された保護部を備え、
前記ロック機構は前記保護部に隣接している、
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項7】
請求項1に記載のコントローラ支持装置において、
前記2つの壁部のうち他方の壁部には、前記コントローラ中央部の上下動を案内するガイド部が形成されている。
ことを特徴とするコントローラ支持装置。
【請求項8】
請求項1に記載のコントローラ支持装置において、
前記支持部として、前記2つの壁部が対向する方向に離れて位置する複数の支持部を有する、
ことを特徴とするコントローラ。
【請求項9】
ユーザによって把持される把持部を左右に有するコントローラを支持するためのコントローラ支持装置と、前記コントローラに装着するためのアダプタとを備える充電システムにおいて、
前記コントローラ支持装置は、互いに向き合うとともに上方に伸びる2つの壁部であって、それらの間に、前記コントローラの前記把持部の間の部分であるコントローラ中央部が上方から挿入可能な2つの壁部と、前記2つの壁部の間に配置された前記コントローラ中央部の下面を支持する支持部と、を備え、
前記2つの壁部と前記支持部は、前記コントローラ中央部が前記2つの壁部の間で一方の壁部に向けて傾倒できるよう形成され、前記一方の壁部側に端子が設けられ、
前記アダプタは、前記端子と接触する接触部と、前記コントローラのコネクタに嵌るコネクタとを有する、
ことを特徴とするコントローラの充電システム。
【請求項10】
請求項9に記載のコントローラの充電システムにおいて、
前記コントローラ支持装置は、前記一方の壁部に向けて前記コントローラ中央部が傾倒した時に、前記アダプタと係合するロック機構をさらに備える、
ことを特徴とするコントローラの充電システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−161176(P2012−161176A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19558(P2011−19558)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】