説明

コントローラ

【課題】 従来、携帯用ゲーム機を除くゲーム機を利用してゲームをプレイするのに利用するコントローラは、メーカが設計した標準的なコントローラが一般的に使用されているが、このような標準的なコントローラでは、利用者は必ずしも自分の好みに応じた操作感を得られるわけではなく、また、ゲームの特性に応じた操作感の調整をすることもできないという課題があった。
【解決手段】そこで、本発明は、押下げ動作可能な操作キーを有するコントローラにおいて、押下げ動作によりスイッチ動作位置に移動するまでの距離であるキーストロークを調整する調整部を有することを特徴とするコントローラを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム機でプレイするために利用されるコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム機を利用してゲームをプレイしようとする場合、その多くの場合はゲーム機に接続されたコントローラを把持してコントローラに備えられたキーを操作することでゲームを楽しむ場合が多い。
【0003】
ところで、ゲーム機を利用してゲームをプレイするのに利用するコントローラは、例えば、特許文献1に記載のような標準的な人の手指や、操作方法などを想定し、これにあわせた形状や操作機能を有するコントローラなど、メーカが設計した標準的なコントローラが一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3380233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画一的に設計されたコントローラを把持する利用者は、その体格や癖はその利用者それぞれで全く異なる。例えば、前者であれば、手の大きさや、指の長さ、太さなどであり、後者であれば、コントローラの把持の仕方や、操作キーを押下する指やその部分が異なるなどである。この影響もあり、利用者は、操作感について、独自の好みを有することが多い。
【0006】
また、プレイするゲームの特性に応じて、素早い操作が必要とされたり、細かな操作が必要とされたりする。このため、利用者は、ゲームの特性に応じて、操作感の異なるコントローラを使用するニーズがある。
【0007】
しかしながら、上記のような標準的なコントローラでは、利用者は必ずしも自分の好みに応じた操作感を得られるわけではなく、また、ゲームの特性に応じた操作感の調整をすることもできないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、押下げ動作可能な操作キーを有するコントローラにおいて、押下げ動作によりスイッチ動作位置に移動するまでの距離であるキーストロークを調整する調整部を有することを特徴とするコントローラを提供する。具体的には、以下のようなコントローラである。
【0009】
第一発明は、利用者により押下げ動作可能に構成された操作キーと、押下げ動作により操作キーと直接又は間接に接触して動作するスイッチと、押下げ動作によりスイッチ動作位置に移動するまでの距離であるキーストロークを調整する調整部と、を有するコントローラを提供する。
【0010】
第二発明は、第一発明を基本として、調整部は、凸部を一以上備えたスライド面を有するベースと、スライド面上でスライド移動可能で、スライド面と対向する対向面にいずれか一以上の前記凸部の全部又は/及び、いずれか一以上の前記凸部の上部分だけを収容可能な凹部を備えたスペーサと、を有し、スペーサをスライド面側に向かって付勢しながらスライドさせ、凸部の凹部への収容の有無又は/及び程度によりスペーサのスライド面に対する高さを変化させることでキーストロークを調整するようにしたコントローラを提供する。
【0011】
第三発明は、第二発明を基本として、ベースのスライド面に備えられた前記凸部に代えて前記ベースに前記凹部を備え、スペーサの対向面に備えられた前記凹部に代えて前記スペーサに前記凸部を備えたコントローラを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコントローラによって、コントローラを把持する利用者は、自分の好みやゲームの特性に応じた最適な操作感を得られるよう調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1のコントローラを上から見た場合の概略図の一例
【図2】実施形態1のコントローラにおける十字キー手段のキーストロークの調整を説明するための図
【図3】実施形態1のコントローラを下から見た場合の概略図の一例
【図4】実施形態2のコントローラにおける十字キー手段のキーストロークの調整を説明するための図
【図5】実施形態2のコントローラにおける調整部の動作を説明するための図
【図6】実施形態1のコントローラにおけるトリガーボタン手段のキーストロークの調整を説明するための図
【図7】実施形態1のコントローラにおけるトリガーボタン手段周辺部の斜視図及び断面図の一例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0015】
実施形態1は主に請求項1について主に説明する。また、実施形態2は、主に請求項2について主に説明する。また実施形態3は、おもに請求項3について説明する。
≪実施形態1≫
<実施形態1:概要>
【0016】
本実施形態のコントローラは、図1に示すように把持されるように構成された本体(0101)に、押下げ動作可能な操作キーを備え、押下げ動作によりスイッチ動作位置に移動するまでの距離であるキーストロークを調整する調整部を有することを特徴とするコントローラである。
<実施形態1:コントローラ全体の構成>
【0017】
本実施形態のコントローラ本体(0101)は、ゲームを行う者によって把持されるように構成された本体である。具体的には、利用者(ゲームを行う者)がゲーム機を利用してゲームをプレイする際に把持して操作を行うコントローラである。例えば、PlayStation3(登録商標)、Wii(登録商標)、XBOX 360(登録商標)などの各種ゲーム機を利用するに当たり使用されるコントローラである。
【0018】
本実施形態のコントローラは、操作キーと、スイッチと、調整部とを有する。
<実施形態1:コントローラ各部の構成>
≪操作キー≫
【0019】
「操作キー」は、本体を把持したゲームを行う者の手の指で操作されるように本体に対して配置される操作情報発生のためのキーである。具体的には、各種ゲーム機を使用してゲームをプレイする際に把持して操作するコントローラに配置された入力インターフェースなどである。操作キーは、利用者により押下げ動作可能に構成されている。
【0020】
ここで、本実施形態の操作キーの一例を以下に説明する。
(十字キー手段(十字キー))
【0021】
「十字キー手段」(0102)は、上下左右の十字方向の操作情報発生のためのキーである。具体的には、例えば上下左右に配置されたボタンである。十字キー手段は、一般的に方向指示操作(例えばゲーム上におけるキャラクターを移動させる操作や、画面上に出力された選択肢を選択する操作)をするために利用される。
(プッシュボタン手段(ボタン))
【0022】
「プッシュボタン手段」(0103)は、操作情報発生のための複数のボタンをまとめて備えるものである。具体的には、複数のボタンの集合体である。本体の上面、すなわち、十字キー手段が配置されたのと同じ面に配置されている場合が多いが、側面、背面などに配置されていても良い。識別のために、それぞれのボタンについて、符号が付与される場合がある(「A、B、X、Y」や「○、△、□、×」など)。プッシュボタン手段は、一般的に動作指示(例えば、ゲーム上における選択肢の決定、キャンセル、キック、パンチなど)をするために利用される。
(トリガーボタン手段(LRトリガー))
【0023】
「トリガーボタン手段」(0104)は、操作情報発生のためのボタンであって、トリガー(引き金)を引くような方向で操作を行うためのボタンである。本体の背面に配置されている場合が多く、本体を把持したゲームを行う者の手の指で操作される場合、背面に回された人差し指又は中指で操作される場合が多い。押下げ動作を行う場合に、引き金を引くような方向で操作が行われるので、トリガーボタンと呼ばれる場合があり、右手側をRトリガー、左手側をLトリガーなどと呼ぶ。
【0024】
トリガーボタン手段は、図7では0702の部分であり、図3では、0304の部分である。なお、トリガーボタン手段は、必ずしも本体背面に配置されている必要はない。
【0025】
なお、本実施形態における操作入力部の一例として、「十字キー手段」、「プッシュボタン手段」、「トリガーボタン手段」を挙げたが実際にはこれらの手段に限定されない。各種ゲーム機を利用してプレイするために利用されるコントローラに配置され、操作入力に利用されるインターフェースであって、押下げ動作可能に構成されていれば、これらの手段に限定されない。
【0026】
なお、この図面には、操作入力に利用されるインターフェースとして、「アナログスティック手段」(0105)も示されている。アナログスティック手段は、無操作状態である中立状態を中心として360度好みの方向入力をスティックの傾斜向きで操作させるスティックである。具体的には、スティックからの入力(レバーを倒した角度など)を多値で処理可能なスティックである。アナログスティック手段は、主に前記十字キー手段と同様に一般的には方向指示操作をするために利用される。アナログスティック手段は、押下げ動作可能に構成された場合には、本実施形態の操作キーに、含まれるが、傾斜向きで操作させるようにのみ構成されている場合には、本実施形態の操作キーに含まれない。
【0027】
上記の操作キー及びアナログスティック手段の材質は特に限定されず、合成樹脂等を用いることができるが、例えば、利用者の指が接触する上部部材を取り外し可能とし、材質や硬度の異なる素材に交換できるような構成とすることもできる。例えば、コルク材や、EVA材といった素材で構成された交換部材とするといった具合である。これにより、より利用者の好みに合わせた操作感を実現することができる。
≪スイッチ≫
【0028】
スイッチは、基板上の電気回路における電流のON、OFFを切り替える動作を行う。スイッチは、押下げ動作により操作キーと直接又は間接に接触して動作する。例えば、ラバーコンタクトと呼ばれる、カップの形状をした、絶縁ゴムと導電ゴムからなるスイッチである。操作キーが押下され、スイッチに一定以上の圧力が加えられると、絶縁ゴムが屈曲し、導電ゴムが、基板上の電気回路に形成されている固定接点間を導通させ、スイッチが動作するといった具合である。導電ゴムは、シリコンにカーボンブラックを添加したものが一般に使用される。
(十字キー手段におけるスイッチ)
【0029】
図2を用いて説明する。この図は操作キーのうち、十字キー手段について説明するための図である。
【0030】
図2(a)及び(c)は、十字キー手段が押下されていない状態を、(b)及び(d)は、押下された状態を示している。この図で、十字キー手段(0201)が矢印方向に押下げられると、十字キー手段は、支柱(0202)の先端を支点として傾き、スイッチ(0203)と接触することとなる。これによりスイッチに一定以上の圧力が加えられて動作し、基板(0204)上の電気回路における電流のON、OFFが切り替わる。
(トリガーボタン手段におけるスイッチ)
【0031】
次に、図6を用いて説明する。この図は、操作キーのうち、トリガーボタン手段について説明するための図である。(a)及び(c)は、トリガーボタン手段が押下されていない状態を、(b)及び(d)は、トリガーボタン手段が押下されている状態を示している。
【0032】
この図で、トリガーボタン手段(0601)は、両端が回転動作可能に取り付けられた支柱(0602)によって、支点(0603)に固定されている。そして、操作キーが矢印方向に押下げられると、支柱が回転し、操作キーが、スイッチ(0604)に接触する。このように、操作キーがスイッチと接触することによりスイッチに一定以上の圧力が加えられて動作し、基板(0605)上の電気回路における電流のON、OFFが切り替わる。
≪調整部≫
【0033】
「調整部」は、キーストロークを調整する機能を有する。
【0034】
「キーストローク」とは、操作キーの押下げ動作によりスイッチ動作位置に移動するまでの距離である。以下、十字キー手段及びトリガーボタン手段について、キーストロークの調整機能を具体的に説明する。
【0035】
(十字キー手段におけるキーストロークの調整)
【0036】
図2で、キーストロークは、0205の部分であり、調整部は、上下昇降台(0206)と、台座(0207)とからなる。
【0037】
「上下昇降台」(0206)は、操作キーと直接または間接に接して、操作キーを支える台であり、台座に対して相対的に上下に昇降する台である。上下昇降台が上下に昇降すると、上下昇降台に支えられている操作キーも上下に昇降する。具体的には、例えば、上下昇降台は、ねじ込み式で台座と結合されており、ねじを締める方向に回転させることにより、台座に対して相対的に上下に昇降させることができるといった具合である。
【0038】
「台座」(0207)は、本体に固定されているか、または、本体と一体的に成形された、上下昇降台を支える台座である。
【0039】
図2の(a)及び(b)は、上下昇降台が下がった状態を示しており、(c)及び(d)は、上下昇降台が上がった状態を示している。上下昇降台(0206)が、本体に固定された台座(0207)に比べて、相対的に上昇すると、上下昇降台に支えられている十字キー手段(0201)も相対的に上昇するために、キーストローク(0205)を調整することができる。
【0040】
図3のように、上下昇降台(0302)は、本体(0301)底面に一部が露出しており、利用者が台座を回転させるなどの操作することができる。なお、この図には、プッシュボタン手段について、同様に、キーストロークの調整のための調整部を設けた場合の上下昇降台(0303)も図示されている。
(トリガーボタン手段におけるキーストロークの調整)
【0041】
図6で、キーストロークは、0606の部分であり、調整部であるスペース調整手段は、スイッチ(0604)を兼ねている。スペース調整手段が、基板(0605)上を(a)図で示された位置から(c)図で示された位置に移動すると、キーストローク(0606)が短くなる。なお、スペース調整手段とは別にスイッチを設けていても良い。
【0042】
また、本実施形態のコントローラは、スペース調整手段の基板(0605)上の位置の変化に対応可能なように、電気回路における電流のON、OFFのデフォルト値をあわせて調整する機能を有していると良い。すなわち、スペース調整手段の基板上の移動の前後で、導電されるべき固定接点の組が、基板上に複数用意されているといった具合である。これにより、利用者は、スペース調整手段を移動させるためにつまみの位置を移動させるだけで、電気回路における電流のON、OFFのデフォルト値を別個に調整しなくともコントローラを使用できるので、便宜である。ただし、この機能は必須のものではなく、例えば、前述した十字キー手段における調整部の構成例では、設ける必要がない。
【0043】
図7は、本実施形態のコントローラにおけるトリガーボタン手段周辺部の斜視図(a)及び断面図(b)の一例である。この図のように、本体(0701)には、スペース調整手段(0703)を移動させるためのつまみ(0704)が設けられていてもよい。スペース調整手段は、つまみと直接または間接に結合しており、利用者が、つまみを移動させる操作を行うことで、キーストロークを調整することができる。
<実施形態1:効果>
【0044】
利用者の操作感に影響を与える要素の一つとして、キーストロークが挙げられる。キーストロークが浅い場合、利用者のわずかな操作でスイッチが動作するので、素早い操作が可能となる。このため、素早い操作が必要な格闘ゲームなどには、キーストロークが浅い方が向いている。一方で、キーストロークが浅いと、利用者の指のわずかな動きに反応してしまうので、誤操作のおそれがある。また、個人差があるが、キーストロークが浅い場合には、ボタンを押下した感覚が得られにくく、利用者の好みに合わない場合もある。
【0045】
本実施形態のコントローラによって、コントローラを把持する利用者は、自分の好みやゲームの特性に応じた最適な操作感を得られるよう調節することが可能となる。
<実施形態2:概要>
【0046】
本実施形態のコントローラは、実施形態1を基本としつつ、調整部が、凸部を備えるベースと、凹部を備えるスペーサとを有し、凸部の凹部への収容の有無又は/及び程度により、キーストロークを調整するようにした点に特徴を有する。
<実施形態2:構成>
【0047】
本実施形態のコントローラは、操作キーと、スイッチと、調整部とを有する。操作キー、スイッチについては、実施形態1で述べたところと同様であるので、説明を省略する。
【0048】
本実施形態のコントローラの調整部は、ベースと、スペーサと、を有する。
【0049】
図4は、本実施形態のコントローラの調整部の概念図である。(a)(b)(c)の順にキーストローク(0405)が長い。なお、この図では、スイッチ(0203)が動作する位置が、点線で示されている。また、図5は、本実施形態のコントローラにおける調整部の動作を説明するための図である。(a)、(c)、(e)は、ベース(0501)とスペーサ(0502)の斜視図であり、(b)、(d)、(f)は、各斜視図に示されたベースとスペーサとが重ねあわされた状態を示す断面図である。
【0050】
「ベース」(0501)は、本体に固定されるか、または本体の一部として一体的に成形された板状の部材として構成すればよい。
【0051】
ベースは、スライド面を有する。スライド面は、後述するスペーサ(0502)の対向面であって、スペーサがスライドする面である。
【0052】
スライド面は、凸部(0503)を一以上備える。凸部の形状は特に限定されず、たとえば、この図のようにおわん形とすればよい。あるいは、後述するスペーサ凹部(大)(0504)と、スペーサ凹部(小)(0505)の大きさにあわせて、大小2つのおわん形を重ねあわせた形状であってもよい。また、凸部は、すべて同じ大きさである場合もあれば、異なる大きさである場合もあり得る。すなわち、スペーサ凹部(大)と、スペーサ凹部(小)の位置および大きさにあわせて、ベース凸部(大)とベース凸部(小)を配置するといった具合である。
【0053】
「スペーサ」(0502)は、例えば、操作キーと直接または間接に接して、操作キーを支える台として構成すれば良い。具体的には、図4のように、スペーサ(0406)は、十字キー手段(0401)の支柱(0402)の先端と接して、十字キー手段を直接支えているといった具合である。
【0054】
再び図5を参照する。スペーサ(0502)は、スライド面上でスライド移動可能である。スライド面と対向する対向面は、凹部(0504、0505)を備える。凹部の形状は、特に限定されず、おわん形でも良いし、この図のように、円柱状の貫通穴となっている場合も、凹形状に含む。
【0055】
この凹部は、いずれか一以上の前記凸部の全部又は/及び、いずれか一以上の前記凸部の上部分だけを収容可能である。以下に、凹部と、凸部の組み合わせを変化させ、凸部の凹部への収容の有無又は/及び程度によりスペーサのスライド面に対する高さを変化させることで、キーストロークを調整するようにする仕組みの例について、説明する。
【0056】
例えば、図5(a)及び(b)のように、スペーサの凹部(大)(0504)が、ベースの凸部の全部を収容する場合、ベースとスペーサは対向面で密接する。なお、図4のように、スプリング(0408)が備えられている構成としてもよく、この場合、スペーサがスライド面方向に付勢されているので、ベースとスペーサとが、対向面で密接することとなる。
【0057】
再び図5を参照する。図5(a)及び(b)を矢印方向に回転させ、すなわち、スペーサをスライド面側に向かって付勢しながらスライドさせると、(c)及び(d)で示されるように、スペーサの凹部(小)(0505)が、ベースの一部と組み合わされる位置に移動する。
【0058】
スペーサの凹部(小)は、ベース凸部の上部分だけを収容する。この図のように、ベース凸部が、スペーサの凹部(小)を支えることとなるので、前述のようにスペーサの凹部(大)が、ベース凸部の全部を収容する場合に比べ、ベースのスライド面に対して相対的にスペーサの位置が高くなる。なお、前述のように、ベース凸部は、同じ大きさでなくともよく、スペーサの凹部(大)と、スペーサ凹部(小)の位置および大きさにあわせて、ベース凸部(大)とベース凸部(小)が配置されていても良い。この場合は、ベース凸部(小)によってもスペーサを支えることができ、凹部(小)に過大な力が加わって破損する危険が減少する。
【0059】
図5(c)及び(d)を矢印方向にさらに回転させ、すなわち、スペーサをスライド面側に向かって付勢しながらスライドさせると、(e)及び(f)で示されるように、スペーサの凹部のない部分とベースの凸部とが組み合わされる位置に移動する。この場合、スペーサの凹部にベースの凸部が収容されないので、凸部の高さの分だけ、ベースのスライド面に対して相対的にスペーサの位置が高くなる。なお、図5では、スペーサの凹部(大)とスペーサの凹部(小)と、ベースの凸部とが図示されているが、スペーサの凹部又は/及びベースの凸部は、より多段階に大きさが異なっていても良い。大・小の2段階ではなく、大・中・小の3段階とするといった具合である。この場合は、組み合わせ方により、さらに多段階にベースのスライド面に対するスペーサの高さを変化させることができ、ユーザーの好みに応じた、よりきめ細かいキーストローク調整が可能である。
【0060】
再び図4を参照する。(a)と比較した(b)、(b)と比較した(c)のように、スペーサ(0406)が、本体に固定されたベース(0407)のスライド面に対して相対的に上昇すると、スペーサに支えられている十字キー手段(0401)も相対的に上昇するために、キーストローク(0405)を調整することができる。
【0061】
なお、本実施形態において、図3における0302の部分は、本体(0301)底面に一部が露出したスペーサを示すものと見ることができる。この図のように、スペーサの一部が外部に露出していれば、利用者は、この部分を回転させることで、スペーサとベースの相対的な位置関係を調整できる。なお、この図には、プッシュボタン手段について、同様に、キーストロークの調整のための調整部を設けた場合のスペーサに当たる部分(0303)も図示されている。
<実施形態2:効果>
【0062】
本実施形態のコントローラによって、コントローラを把持する利用者は、自分の好みやゲームの特性に応じた最適な操作感を得られるよう調節することが可能となる。
【0063】
さらに、本実施形態のコントローラのように、凸部と凹部との組み合わせにより、キーストロークを調整することとすれば、利用者は、容易に、自分の好みの組み合わせを把握することができ、調整を容易に行うことができる。また、スペーサは、コントローラ本体に固定されておらず、交換可能であるから、スペーサが破損した場合の修理が容易であるだけでなく、凹部の形状の異なるスペーサと交換することで、より多段階のキーストローク調整が可能である。
<実施形態3:構成>
【0064】
本実施形態のコントローラは、実施形態2を基本としつつ、調整部が、凹部を備えるベースと、凸部を備えるスペーサとを有し、凸部の凹部への収容の有無により、キーストロークを調整するようにした点に特徴を有する。
【0065】
本実施形態のコントローラは、操作キーと、スイッチと、調整部とを有する。操作キー、スイッチについては、実施形態1または2で述べたところと同様であるので、説明を省略する。
【0066】
ベースは、ベースのスライド面に備えられた前記凸部に代えて前記ベースに前記凹部を備えている。この他の点は、実施形態2で述べたところと同様である。
【0067】
スペーサは、スペーサの対向面に備えられた前記凹部に代えて前記スペーサに前記凸部を備えている。この他の点は、実施形態2で述べたところと同様である。
<実施形態3:効果>
【0068】
本実施形態のコントローラによって、コントローラを把持する利用者は、自分の好みやゲームの特性に応じた最適な操作感を得られるよう調節することが可能となる。
【0069】
さらに、凹部を円柱状の開口とすれば、ベースの凹部とスペーサの凸部の組み合わせの状況を目視で確認することができる。
【符号の説明】
【0070】
コントローラ本体 0101、0301、0701
十字キー手段 0102、0201、0401
プッシュボタン手段 0103
トリガーボタン手段 0104、0304、0601、0702
アナログスティック手段 0105
十字キー手段における支柱 0202、0402
十字キー手段におけるスイッチ 0203、0403
基板 0204、0404、0605
キーストローク 0205、0405、0606
上下昇降台 0206、0302、0303
台座 0207
スペーサ 0406、0502
ベース 0407、0501
スプリング 0408
ベース凸部 0503
スペーサ凹部(大) 0504
スペーサ凹部(小) 0505
トリガーボタン手段における支柱 0602
トリガーボタン手段における支点 0603
トリガーボタン手段におけるスイッチ 0604
スペース調整手段 0703
つまみ 0704

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者により押下げ動作可能に構成された操作キーと、
押下げ動作により操作キーと直接又は間接に接触して動作するスイッチと、
押下げ動作によりスイッチ動作位置に移動するまでの距離であるキーストロークを調整する調整部と、
を有するコントローラ。
【請求項2】
調整部は、
凸部を一以上備えたスライド面を有するベースと、
スライド面上でスライド移動可能で、スライド面と対向する対向面にいずれか一以上の前記凸部の全部又は/及び、いずれか一以上の前記凸部の上部分だけを収容可能な凹部を備えたスペーサと、
を有し、スペーサをスライド面側に向かって付勢しながらスライドさせ、凸部の凹部への収容の有無又は/及び程度によりスペーサのスライド面に対する高さを変化させることでキーストロークを調整するようにした請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
ベースのスライド面に備えられた前記凸部に代えて前記ベースに前記凹部を備え、
スペーサの対向面に備えられた前記凹部に代えて前記スペーサに前記凸部を備えた請求項2に記載のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−55339(P2012−55339A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198221(P2010−198221)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000113414)株式会社ホリ (9)
【Fターム(参考)】