コンバインにおける防塵装置
【目的】 防塵カバーの操作性の向上化。
【構成】 走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置。
【構成】 走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインにおける防塵装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、実公昭62−27084号公報には、走行装置の上部に設けた脱穀装置と、前記走行装置の前方に設けた分草体と穀稈引起装置と掻込装置と刈刃等を有する刈取部と、該刈取部と前記脱穀装置との間に設けた穂先側引継搬送装置および株元側引継搬送装置とからなるコンバインにおいて、該搬送装置の上方位置には、後部を上下動自在にした防塵カバーを設けた装置について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例の防塵カバーは、後部を上下動自在にしているが、一枚構成であるから大きく上下動するので、あまり取扱い容易ではない点と、後側を上下動させてメンテナンスと手刈り穀稈の投入を行なうには、起立部が邪魔をする課題があった。起立部を大きくさせないためには、防塵カバーは前後2枚にすればよく、手刈り穀稈の投入を行うには、上下ではなく前後に移動するようにするとよい。また、メンテナンスは後側よりも前側を上下動させた方が作業がしやすい。
【0004】
【発明の目的】本発明は、取扱の容易な防塵カバーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、1は機体フレーム、2は機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側一側に設けた操縦部、5は前記脱穀装置3および前記操縦部4の前方位置に設けた刈取部である。刈取部5は、最前方位置に設けられた分草体6と、該分草体6の後方に設けた穀稈引起装置7と、該穀稈引起装置7の後方に設けた掻込装置8と、該掻込装置8の下方に設けた刈刃9と、切断された穀稈を搬送する穂先側搬送装置10および株元側搬送装置11等を有して構成され、前記分草体6等の刈取部5の各構成品は刈取部フレーム12に取付けられている(図1R>1、図13)。
【0007】13は前記刈取部フレーム12の一部を構成する左右方向の後側フレームであり、その略中央部には支持パイプ14の下部を取付ける。支持パイプ14の内部には刈取部5へ動力を伝達する伝動軸を軸装し(図示省略)、支持パイプ14の上部には左右方向の刈取部入力ギヤケース15を設け、該刈取部入力ギヤケース15を前記機体フレーム1側に固定の支持台16に着脱および回動自在に取付けることにより前記刈取部5が前記刈取部入力ギヤケース15中心に上下回動するように構成している。
【0008】前記刈取部入力ギヤケース15の一端には、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を設ける。穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19は前記刈取部5の穂先側搬送装置10および株元側搬送装置11により搬送された穀稈を脱穀装置3の脱穀室に穀稈を供給する穀稈供給装置17に引継ぐものであり、詳しい図示は省略するが、それぞれの先端側が上下するように基部側を前記刈取部入力ギヤケース15に回動自在に取付け、扱深さ調節を行なえるように構成している。20は前記刈取部入力ギヤケース15を支持台16に回動のみ自在に固定するロック装置、22はシリンダ23により作動する安全ロック装置であり、前記ロック装置20のみ設けることもあり、構成は任意である。24は前記支持パイプ14と前記機体フレーム1との間に設けた前記刈取部5を上下させる刈取部上下シリンダであり、復動型に形成され、刈取部上下シリンダ24のロッド25の先端は前記支持パイプ14に軸着し、刈取部上下シリンダ24のシリンダ部26の基部は断面コの字形状の回動部材27の前後中間部に軸着する。回動部材27は前端部を前記機体フレーム1に固定のステー28に軸29により軸着する。30は前記回動部材27の回動を阻止するロック片である。
【0009】しかして、前記後側フレーム13と前記機体フレーム1の前側部との間には、懸架フレーム40を設ける。懸架フレーム40は、前記機体フレーム1に左右一対の後側回動アーム41、41の基部を軸着し、左右の後側回動アーム41、41の間には後側連結杆42の両端を固定する。後側回動アーム41、41の先端には横軸43、43により前側回動アーム44、44の基部を回動自在に軸着し、前側回動アーム44、44の先端は前記後側フレーム13に設けたステー45に軸46により軸着する。47は前記前側回動アーム44と前側回動アーム44とを連結する前側連結杆である。
【0010】しかして、前記後側フレーム13と前記機体フレーム1との間には、支持装置48を設ける。支持装置48は前記刈取部5を一定高さ位置に上動させたときに前記懸架フレーム40を固定させ、この状態で支持台16から刈取部入力ギヤケース15を外し、刈取部5を懸架フレーム40の前側の軸46を中心に前倒れさせ、刈取部5の後側に開放空間を形成し、容易にメンテナンスができるようにする。前記支持装置48は、一対の後側支持アーム49、49の基部を前記機体フレーム1側に軸50により回動自在に軸着する。後側支持アーム49、49の回動端側には前記後側連結杆42に上方より係合する後側係合部51、51をそれぞれ形成する。後側係合部51、51は、後側支持アーム49が起立状態のときU型形状に形成され、後板を高く形成して案内面に形成する。後側係合部51、51の下側の後側支持アーム49、49には前記軸50と平行の軸筒52、52の外周面をそれぞれ固定し、左右の軸筒52には横軸53の両端を固定する。軸筒52と軸筒52との間の横軸53の外周には軸筒54を回転のみ自在に挿着する。前記軸筒54の外周には一対の平行状態の前側支持アーム55、55の基部を左右に所定の間隔を置いてそれぞれ固定する。前側支持アーム55、55の先端には前記前側連結杆47に下側から係合する前側係合部56、56を形成する。前側係合部56、56は、前側支持アーム55、55が格納状態のとき、前側を開放するように、横向きU型形状に形成され、前側係合部56、56の先端側には前記前側連結杆47に摺接する案内面を形成している。
【0011】前記一方の前側支持アーム55には、常時前側支持アーム55を前方回動させるように付勢するガススプリング57を取付け、前記他方の前側支持アーム55には、前記支持装置48の操作装置のワイヤー58を取付ける。59は後側支持アーム49が後方回動したとき該後側支持アーム49に当接して後方回動を規制する突起である。
【0012】しかして、懸架フレーム40の後側連結杆42および前側連結杆47と、支持装置48の後側支持アーム49および前側支持アーム55との関係は、刈取部上下シリンダ24により刈取部5を予め設定した非作業位置にまで上昇させたとき、後側連結杆42に後側支持アーム49の後側係合部51を上側から当がって、前側連結杆47に前側支持アーム55の前側係合部56を下側から当がって、刈取部5を稍下動させると、懸架フレーム40は、支持装置48により後側連結杆42と横軸43と前側連結杆47が▽形状になって、固定されるように、それぞれを構成する。
【0013】しかして、前記穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19の上方位置には、防塵カバー60を設ける。防塵カバー60は、透明部材により前側上部カバー61と後側上部カバー62と前後二つに分割形成する。63は前記前側上部カバー61の前側フレームであり、平面視逆さコの字形状に形成し、前端部を前記刈取部5の各引起装置7の上部を連結する上部フレーム64の後面に着脱自在に固定する。65は前側フレーム63の後端部に設けたローラである。66は後側上部カバー62の後側フレームであり、断面が逆L型形状の左右一対の前後案内杆67の後部のそれぞれに軸筒68を固定し、各軸筒68間に横軸69の両端を固定し、各軸筒68間の横軸69の外周に中軸筒70を嵌合させて、全体としては平面視コの字形状に形成する。後側フレーム66は、各前後案内杆67の先端を各ローラ65上に載置し、中軸筒70を前記脱穀装置3側に固定の前方に突出する支持部材71、71に載置して支持されるように構成する。前記中軸筒70の外周には支持アーム72の上部を固定し、支持アーム72の下部は機体側に軸76により軸着し、中軸筒70が支持部材71上より離脱したときこれを支持する。73は前記ロック片30との間に係止したワイヤ、74は前記ロック装置20を操作するワイヤ、75はワイヤ74を操作する操作レバー、83はハンドルである。
【0014】図14および図15は、前記防塵カバー60のフレーム構造の第2実施例であり、前記前側フレーム63のローラ65の近傍にクリップ形状の係合部77を設け、後側フレーム66の前後案内杆67の中間部に前記係合部77が係合する係合軸78を設ける。
【0015】図16および図17は脱穀装置3を図示したものであり、79は扱胴、80は上部カバー、81は開閉自在の切刃、82は切刃81のロック装置である。
【0016】
【作用】次に作用を述べる。
(通常の作業時)通常は、支持パイプ14の上部の刈取部入力ギヤケース15を支持台16上に載置し、刈取部入力ギヤケース15と支持台16とをロック装置20によりロックし、刈取部上下シリンダ24を取付けた回動部材27もロック片30により機体フレーム1に固定し、支持装置48も後側支持アーム49、49が起立状態となるように格納し、そして、防塵カバー60は、前側フレーム63のローラ65に前後案内杆67の先端を載置し、前側上部カバー61と後側上部カバー62が前後に広がった状態で穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19の上方に位置してこれらを包囲する状態とし、機体を前進させて刈取部5により圃場の穀稈を刈取り、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19により穀稈供給装置17に引継ぎ、穀稈供給装置17が脱穀室に供給して脱穀作業を行なう。この場合、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19の上方は防塵カバー60により包囲されているので、操縦部4の作業者に塵埃が降掛るのを防止する。
【0017】しかして、前記刈取部5は、圃場の状態により刈取部上下シリンダ24のロッド25を伸縮させて上下させるが、刈取部5を上動させると、支持パイプ14が刈取部入力ギヤケース15を中心に上方回動するので、防塵カバー60の前側上部カバー61は後方に移動し、前側上部カバー61の前側フレーム63の後端部のローラ65は、後側上部カバー62の後側フレーム66の前後案内杆67を上方に押しながら後動し、前後案内杆67は横軸69を中心に上方回動する。したがって、前側上部カバー61の後部と後側上部カバー62の前部とは重合する部分が大となるだけで、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を包囲する。反対に、刈取部上下シリンダ24のロッド25を縮小させて刈取部5を下動させると、支持パイプ14が刈取部入力ギヤケース15を中心に下方回動し、防塵カバー60の前側上部カバー61は前方に移動し、前側上部カバー61の前側フレーム63の後端部のローラ65は前動し、後側上部カバー62の後側フレーム66の前後案内杆67は前動するローラ65上に位置し、前後案内杆67は横軸69を中心に下方回動する。したがって、前側上部カバー61の後部と後側上部カバー62の前部とは重合する部分が小となるだけで、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を包囲する。
【0018】しかして、所謂枕地の穀稈を手作業により穀稈供給装置17に供給するときは、後側上部カバー62の前端部を前方に引くと、後側上部カバー62の後側フレーム66の前部は前側上部カバー61の前側フレーム63のローラ65上を前側に摺動し、後側フレーム66の後部の中軸筒70は支持部材71、71より離脱し、支持アーム72が軸76を中心に前方回動することにより支持されながら前側移動するので、穀稈供給装置17の始端部付近が開放され、ここから穀稈供給装置17に穀稈を供給して脱穀装置3により脱穀する。
【0019】(メンテナンス作業時)刈取部上下シリンダ24を伸長させて刈取部5を所定高さまで上動させると、刈取部5の上動とともに懸架フレーム40の後側回動アーム41の先端は上方回動し、前側回動アーム44は横軸43を中心に前方回動し、懸架フレーム40は後側連結杆42と横軸43と前側連結杆47とが側方からみて▽形状になる。この状態でワイヤー58を弛ませると、前側支持アーム55は横軸53を中心にガススプリング57により前方回動を開始する。同時に、支持装置48の後側支持アーム49は軸50を中心に自重で前方回動を開始し、後側支持アーム49の後側係合部51が後側連結杆42に上側から当接し、前側支持アーム55の前側係合部56が前側連結杆47の下方から当接する。この状態で、刈取部上下シリンダ24を僅かに縮小させると、刈取部5は前記刈取部入力ギヤケース15を中心に円弧状に僅かに下動して、後側連結杆42および前側連結杆47は後側係合部51および前側係合部56にそれぞれ係合し、刈取部5の下動が停止して、支持装置48により伸縮が固定されている懸架フレーム40は、刈取部5を支持する。
【0020】次に、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を包囲する通常の位置にある防塵カバー60の後側上部カバー62を横軸69中心に上方回動させて開放すると、後側フレーム66の前後案内杆67に係止されているワイヤ73が牽引されて刈取部上下シリンダ24の基部のロック片30を解除する。この状態では、支持パイプ14の上部は支持台16に取付けられて位置不動であり、また、支持パイプ14の下部は前記懸架フレーム40が支持装置48により固定状態となっているので、この部分も固定状態となり、刈取部上下シリンダ24を縮小させると、刈取部上下シリンダ24は支持パイプ14に対して相対的にシリンダ部26が近付いて、シリンダ部26は回動部材27を前方に牽引し、回動部材27は軸29を中心に前方回動する。
【0021】次に、開放された防塵カバー60の後側上部カバー62の下方にある操作レバー75を操作するとワイヤ74が牽引されてロック装置20のロックを解除し、支持パイプ14の上部の刈取部入力ギヤケース15を支持台16より外ずれる状態にし、刈取部上下シリンダ24を伸長させると、刈取部5は懸架フレーム40および支持装置48により支持されているから、刈取部5は各前側回動アーム44の先端の軸46を中心に前方回動して、図13の仮線のように、分草体6側が低くなる前倒れ状態となって、刈取部5と脱穀装置3との間および刈取部5の下方に大きな空間を形成し、容易にメンテナンスが行なえる(穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19は刈取部入力ギヤケース15と共に前方回動する)。このとき、刈取部上下シリンダ24のシリンダ部26の基部は、回動部材27の回動により前側に移動しているので、この分、刈取部上下シリンダ24のロッド25の先端は前方に伸びて、刈取部5を前方に回動させることができて、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19ならびに刈取部5の背面と前記脱穀装置3の前側との間の間隔を大きく開放することができ、一層メンテナンスが容易に行なえる。
【0022】なお、図13の実線位置にて、刈取部5の下方に載置台を位置させ、刈取部5を僅かに下動させると、刈取部5は載置台上に載置され、刈取部上下シリンダ24および懸架フレーム40の取付部分を外して刈取部5を移動させると、簡単に刈取部5の取外しが行なえる。
【0023】(刈取部5の戻し作業)前記とは反対に、刈取部上下シリンダ24を縮小して支持パイプ14の上部の刈取部入力ギヤケース15を支持台16上に載置し、刈取部入力ギヤケース15と支持台16とをロック装置20によりロックし、次に、刈取部上下シリンダ24を伸張させると、刈取部上下シリンダ24のシリンダ部26が回動部材27の中間部を後側に押し、回動部材27は軸29中心に後側回動して元の位置に復帰し、防塵カバー60の後側上部カバー62を元の位置に戻すと、ワイヤ73が弛んでロック片30が回動部材27にロックする。
【0024】次に、ワイヤー58を牽引すると、前側支持アーム55はガススプリング57に抗して横軸53を中心に機体側に回動し、後側支持アーム49も基部を中心に機体側に回動して、支持アーム49、55の係合部51、56は懸架フレーム40の後側連結杆42および前側連結杆47の回動軌跡から外れる。この状態で刈取部上下シリンダ24を伸長させると、刈取部5は刈取部入力ギヤケース15を中心に円弧状に上動し、懸架フレーム40も刈取部5とともに基部を中心に上昇するから、懸架フレーム40の後側連結杆42および前側連結杆47は後側係合部51および前側係合部56からそれぞれ上方に離脱する。次に、更にワイヤー58を牽引すると、前側支持アーム55は軸筒54を介して後側支持アーム49を後方に押し、後側支持アーム49は突起59に当接するまで後方回動し、起立状態で格納される。次に、刈取部上下シリンダ24を縮小させると、刈取部5が下動して、元の作業位置に復帰する。
【0025】
【効果】本発明は、走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置としたものであるから、二枚構成であるから取扱いが容易であり、後側上部カバー62は、前側が上下動自在であり、全体的に前後動自在であるので、メンテナンスと手刈り穀稈の投入を容易に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 刈取部の側面図。
【図2】 要部正面図。
【図3】 支持台の側面図。
【図4】 刈取上下シリンダの側面図。
【図5】 刈取上下シリンダの側面図。
【図6】 懸架フレームおよび支持装置の斜視図。
【図7】 防塵カバーのフレームの斜視図。
【図8】 懸架フレームおよび支持装置の作用状態側面図。
【図9】 同側面図。
【図10】 刈取部上昇時の側面図。
【図11】 防塵カバーを前移動させた状態の側面図。
【図12】 防塵カバーを開放させた状態の側面図。
【図13】 刈取部を前倒れさせる作用状態図。
【図14】 防塵カバーのフレームの第2実施例斜視図。
【図15】 同要部斜視図。
【図16】 脱穀装置の斜視図。
【図17】 同断面図。
【符号の説明】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…操縦部、5…刈取部、6…分草体、7…穀稈引起装置、8…掻込装置、9…刈刃、10…穂先側搬送装置、11…株元側搬送装置、12…刈取部フレーム、13…後側フレーム、14…支持パイプ、15…刈取部入力ギヤケース、16…支持台、17…穀稈供給装置、18…穂先側引継搬送装置、19…株元側引継搬送装置、20…ロック装置、22…安全ロック装置、23…シリンダ、24…刈取部上下シリンダ、25…ロッド、26…シリンダ部、27…回動部材、28…ステー、29…軸、30…ロック片、40…懸架フレーム、41…後側回動アーム、42…後側連結杆、43…横軸、44…前側回動アーム、45…ステー、46…軸、47…前側連結杆、支持装置48…支持装置、49…後側支持アーム、50…軸、51…後側係合部、52…軸筒、53…横軸、54…軸筒、55…前側支持アーム、56…前側係合部、57…ガススプリング、58…ワイヤー、59…突起、60…防塵カバー、61…前側上部カバー、62…後側上部カバー、63…前側フレーム、64…上部フレーム、65…ローラ、66…後側フレーム、67…前後案内杆、68…軸筒、69…横軸、70…中軸筒、71…支持部材、72…支持アーム、73…ワイヤ、74…ワイヤ、75…操作レバー、76…軸、77…係合部、78…係合軸、79…扱胴、80…上部カバー、81…開閉自在の切刃、82…ロック装置、83…ハンドル。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインにおける防塵装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、実公昭62−27084号公報には、走行装置の上部に設けた脱穀装置と、前記走行装置の前方に設けた分草体と穀稈引起装置と掻込装置と刈刃等を有する刈取部と、該刈取部と前記脱穀装置との間に設けた穂先側引継搬送装置および株元側引継搬送装置とからなるコンバインにおいて、該搬送装置の上方位置には、後部を上下動自在にした防塵カバーを設けた装置について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例の防塵カバーは、後部を上下動自在にしているが、一枚構成であるから大きく上下動するので、あまり取扱い容易ではない点と、後側を上下動させてメンテナンスと手刈り穀稈の投入を行なうには、起立部が邪魔をする課題があった。起立部を大きくさせないためには、防塵カバーは前後2枚にすればよく、手刈り穀稈の投入を行うには、上下ではなく前後に移動するようにするとよい。また、メンテナンスは後側よりも前側を上下動させた方が作業がしやすい。
【0004】
【発明の目的】本発明は、取扱の容易な防塵カバーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、1は機体フレーム、2は機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側一側に設けた操縦部、5は前記脱穀装置3および前記操縦部4の前方位置に設けた刈取部である。刈取部5は、最前方位置に設けられた分草体6と、該分草体6の後方に設けた穀稈引起装置7と、該穀稈引起装置7の後方に設けた掻込装置8と、該掻込装置8の下方に設けた刈刃9と、切断された穀稈を搬送する穂先側搬送装置10および株元側搬送装置11等を有して構成され、前記分草体6等の刈取部5の各構成品は刈取部フレーム12に取付けられている(図1R>1、図13)。
【0007】13は前記刈取部フレーム12の一部を構成する左右方向の後側フレームであり、その略中央部には支持パイプ14の下部を取付ける。支持パイプ14の内部には刈取部5へ動力を伝達する伝動軸を軸装し(図示省略)、支持パイプ14の上部には左右方向の刈取部入力ギヤケース15を設け、該刈取部入力ギヤケース15を前記機体フレーム1側に固定の支持台16に着脱および回動自在に取付けることにより前記刈取部5が前記刈取部入力ギヤケース15中心に上下回動するように構成している。
【0008】前記刈取部入力ギヤケース15の一端には、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を設ける。穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19は前記刈取部5の穂先側搬送装置10および株元側搬送装置11により搬送された穀稈を脱穀装置3の脱穀室に穀稈を供給する穀稈供給装置17に引継ぐものであり、詳しい図示は省略するが、それぞれの先端側が上下するように基部側を前記刈取部入力ギヤケース15に回動自在に取付け、扱深さ調節を行なえるように構成している。20は前記刈取部入力ギヤケース15を支持台16に回動のみ自在に固定するロック装置、22はシリンダ23により作動する安全ロック装置であり、前記ロック装置20のみ設けることもあり、構成は任意である。24は前記支持パイプ14と前記機体フレーム1との間に設けた前記刈取部5を上下させる刈取部上下シリンダであり、復動型に形成され、刈取部上下シリンダ24のロッド25の先端は前記支持パイプ14に軸着し、刈取部上下シリンダ24のシリンダ部26の基部は断面コの字形状の回動部材27の前後中間部に軸着する。回動部材27は前端部を前記機体フレーム1に固定のステー28に軸29により軸着する。30は前記回動部材27の回動を阻止するロック片である。
【0009】しかして、前記後側フレーム13と前記機体フレーム1の前側部との間には、懸架フレーム40を設ける。懸架フレーム40は、前記機体フレーム1に左右一対の後側回動アーム41、41の基部を軸着し、左右の後側回動アーム41、41の間には後側連結杆42の両端を固定する。後側回動アーム41、41の先端には横軸43、43により前側回動アーム44、44の基部を回動自在に軸着し、前側回動アーム44、44の先端は前記後側フレーム13に設けたステー45に軸46により軸着する。47は前記前側回動アーム44と前側回動アーム44とを連結する前側連結杆である。
【0010】しかして、前記後側フレーム13と前記機体フレーム1との間には、支持装置48を設ける。支持装置48は前記刈取部5を一定高さ位置に上動させたときに前記懸架フレーム40を固定させ、この状態で支持台16から刈取部入力ギヤケース15を外し、刈取部5を懸架フレーム40の前側の軸46を中心に前倒れさせ、刈取部5の後側に開放空間を形成し、容易にメンテナンスができるようにする。前記支持装置48は、一対の後側支持アーム49、49の基部を前記機体フレーム1側に軸50により回動自在に軸着する。後側支持アーム49、49の回動端側には前記後側連結杆42に上方より係合する後側係合部51、51をそれぞれ形成する。後側係合部51、51は、後側支持アーム49が起立状態のときU型形状に形成され、後板を高く形成して案内面に形成する。後側係合部51、51の下側の後側支持アーム49、49には前記軸50と平行の軸筒52、52の外周面をそれぞれ固定し、左右の軸筒52には横軸53の両端を固定する。軸筒52と軸筒52との間の横軸53の外周には軸筒54を回転のみ自在に挿着する。前記軸筒54の外周には一対の平行状態の前側支持アーム55、55の基部を左右に所定の間隔を置いてそれぞれ固定する。前側支持アーム55、55の先端には前記前側連結杆47に下側から係合する前側係合部56、56を形成する。前側係合部56、56は、前側支持アーム55、55が格納状態のとき、前側を開放するように、横向きU型形状に形成され、前側係合部56、56の先端側には前記前側連結杆47に摺接する案内面を形成している。
【0011】前記一方の前側支持アーム55には、常時前側支持アーム55を前方回動させるように付勢するガススプリング57を取付け、前記他方の前側支持アーム55には、前記支持装置48の操作装置のワイヤー58を取付ける。59は後側支持アーム49が後方回動したとき該後側支持アーム49に当接して後方回動を規制する突起である。
【0012】しかして、懸架フレーム40の後側連結杆42および前側連結杆47と、支持装置48の後側支持アーム49および前側支持アーム55との関係は、刈取部上下シリンダ24により刈取部5を予め設定した非作業位置にまで上昇させたとき、後側連結杆42に後側支持アーム49の後側係合部51を上側から当がって、前側連結杆47に前側支持アーム55の前側係合部56を下側から当がって、刈取部5を稍下動させると、懸架フレーム40は、支持装置48により後側連結杆42と横軸43と前側連結杆47が▽形状になって、固定されるように、それぞれを構成する。
【0013】しかして、前記穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19の上方位置には、防塵カバー60を設ける。防塵カバー60は、透明部材により前側上部カバー61と後側上部カバー62と前後二つに分割形成する。63は前記前側上部カバー61の前側フレームであり、平面視逆さコの字形状に形成し、前端部を前記刈取部5の各引起装置7の上部を連結する上部フレーム64の後面に着脱自在に固定する。65は前側フレーム63の後端部に設けたローラである。66は後側上部カバー62の後側フレームであり、断面が逆L型形状の左右一対の前後案内杆67の後部のそれぞれに軸筒68を固定し、各軸筒68間に横軸69の両端を固定し、各軸筒68間の横軸69の外周に中軸筒70を嵌合させて、全体としては平面視コの字形状に形成する。後側フレーム66は、各前後案内杆67の先端を各ローラ65上に載置し、中軸筒70を前記脱穀装置3側に固定の前方に突出する支持部材71、71に載置して支持されるように構成する。前記中軸筒70の外周には支持アーム72の上部を固定し、支持アーム72の下部は機体側に軸76により軸着し、中軸筒70が支持部材71上より離脱したときこれを支持する。73は前記ロック片30との間に係止したワイヤ、74は前記ロック装置20を操作するワイヤ、75はワイヤ74を操作する操作レバー、83はハンドルである。
【0014】図14および図15は、前記防塵カバー60のフレーム構造の第2実施例であり、前記前側フレーム63のローラ65の近傍にクリップ形状の係合部77を設け、後側フレーム66の前後案内杆67の中間部に前記係合部77が係合する係合軸78を設ける。
【0015】図16および図17は脱穀装置3を図示したものであり、79は扱胴、80は上部カバー、81は開閉自在の切刃、82は切刃81のロック装置である。
【0016】
【作用】次に作用を述べる。
(通常の作業時)通常は、支持パイプ14の上部の刈取部入力ギヤケース15を支持台16上に載置し、刈取部入力ギヤケース15と支持台16とをロック装置20によりロックし、刈取部上下シリンダ24を取付けた回動部材27もロック片30により機体フレーム1に固定し、支持装置48も後側支持アーム49、49が起立状態となるように格納し、そして、防塵カバー60は、前側フレーム63のローラ65に前後案内杆67の先端を載置し、前側上部カバー61と後側上部カバー62が前後に広がった状態で穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19の上方に位置してこれらを包囲する状態とし、機体を前進させて刈取部5により圃場の穀稈を刈取り、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19により穀稈供給装置17に引継ぎ、穀稈供給装置17が脱穀室に供給して脱穀作業を行なう。この場合、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19の上方は防塵カバー60により包囲されているので、操縦部4の作業者に塵埃が降掛るのを防止する。
【0017】しかして、前記刈取部5は、圃場の状態により刈取部上下シリンダ24のロッド25を伸縮させて上下させるが、刈取部5を上動させると、支持パイプ14が刈取部入力ギヤケース15を中心に上方回動するので、防塵カバー60の前側上部カバー61は後方に移動し、前側上部カバー61の前側フレーム63の後端部のローラ65は、後側上部カバー62の後側フレーム66の前後案内杆67を上方に押しながら後動し、前後案内杆67は横軸69を中心に上方回動する。したがって、前側上部カバー61の後部と後側上部カバー62の前部とは重合する部分が大となるだけで、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を包囲する。反対に、刈取部上下シリンダ24のロッド25を縮小させて刈取部5を下動させると、支持パイプ14が刈取部入力ギヤケース15を中心に下方回動し、防塵カバー60の前側上部カバー61は前方に移動し、前側上部カバー61の前側フレーム63の後端部のローラ65は前動し、後側上部カバー62の後側フレーム66の前後案内杆67は前動するローラ65上に位置し、前後案内杆67は横軸69を中心に下方回動する。したがって、前側上部カバー61の後部と後側上部カバー62の前部とは重合する部分が小となるだけで、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を包囲する。
【0018】しかして、所謂枕地の穀稈を手作業により穀稈供給装置17に供給するときは、後側上部カバー62の前端部を前方に引くと、後側上部カバー62の後側フレーム66の前部は前側上部カバー61の前側フレーム63のローラ65上を前側に摺動し、後側フレーム66の後部の中軸筒70は支持部材71、71より離脱し、支持アーム72が軸76を中心に前方回動することにより支持されながら前側移動するので、穀稈供給装置17の始端部付近が開放され、ここから穀稈供給装置17に穀稈を供給して脱穀装置3により脱穀する。
【0019】(メンテナンス作業時)刈取部上下シリンダ24を伸長させて刈取部5を所定高さまで上動させると、刈取部5の上動とともに懸架フレーム40の後側回動アーム41の先端は上方回動し、前側回動アーム44は横軸43を中心に前方回動し、懸架フレーム40は後側連結杆42と横軸43と前側連結杆47とが側方からみて▽形状になる。この状態でワイヤー58を弛ませると、前側支持アーム55は横軸53を中心にガススプリング57により前方回動を開始する。同時に、支持装置48の後側支持アーム49は軸50を中心に自重で前方回動を開始し、後側支持アーム49の後側係合部51が後側連結杆42に上側から当接し、前側支持アーム55の前側係合部56が前側連結杆47の下方から当接する。この状態で、刈取部上下シリンダ24を僅かに縮小させると、刈取部5は前記刈取部入力ギヤケース15を中心に円弧状に僅かに下動して、後側連結杆42および前側連結杆47は後側係合部51および前側係合部56にそれぞれ係合し、刈取部5の下動が停止して、支持装置48により伸縮が固定されている懸架フレーム40は、刈取部5を支持する。
【0020】次に、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19を包囲する通常の位置にある防塵カバー60の後側上部カバー62を横軸69中心に上方回動させて開放すると、後側フレーム66の前後案内杆67に係止されているワイヤ73が牽引されて刈取部上下シリンダ24の基部のロック片30を解除する。この状態では、支持パイプ14の上部は支持台16に取付けられて位置不動であり、また、支持パイプ14の下部は前記懸架フレーム40が支持装置48により固定状態となっているので、この部分も固定状態となり、刈取部上下シリンダ24を縮小させると、刈取部上下シリンダ24は支持パイプ14に対して相対的にシリンダ部26が近付いて、シリンダ部26は回動部材27を前方に牽引し、回動部材27は軸29を中心に前方回動する。
【0021】次に、開放された防塵カバー60の後側上部カバー62の下方にある操作レバー75を操作するとワイヤ74が牽引されてロック装置20のロックを解除し、支持パイプ14の上部の刈取部入力ギヤケース15を支持台16より外ずれる状態にし、刈取部上下シリンダ24を伸長させると、刈取部5は懸架フレーム40および支持装置48により支持されているから、刈取部5は各前側回動アーム44の先端の軸46を中心に前方回動して、図13の仮線のように、分草体6側が低くなる前倒れ状態となって、刈取部5と脱穀装置3との間および刈取部5の下方に大きな空間を形成し、容易にメンテナンスが行なえる(穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19は刈取部入力ギヤケース15と共に前方回動する)。このとき、刈取部上下シリンダ24のシリンダ部26の基部は、回動部材27の回動により前側に移動しているので、この分、刈取部上下シリンダ24のロッド25の先端は前方に伸びて、刈取部5を前方に回動させることができて、穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19ならびに刈取部5の背面と前記脱穀装置3の前側との間の間隔を大きく開放することができ、一層メンテナンスが容易に行なえる。
【0022】なお、図13の実線位置にて、刈取部5の下方に載置台を位置させ、刈取部5を僅かに下動させると、刈取部5は載置台上に載置され、刈取部上下シリンダ24および懸架フレーム40の取付部分を外して刈取部5を移動させると、簡単に刈取部5の取外しが行なえる。
【0023】(刈取部5の戻し作業)前記とは反対に、刈取部上下シリンダ24を縮小して支持パイプ14の上部の刈取部入力ギヤケース15を支持台16上に載置し、刈取部入力ギヤケース15と支持台16とをロック装置20によりロックし、次に、刈取部上下シリンダ24を伸張させると、刈取部上下シリンダ24のシリンダ部26が回動部材27の中間部を後側に押し、回動部材27は軸29中心に後側回動して元の位置に復帰し、防塵カバー60の後側上部カバー62を元の位置に戻すと、ワイヤ73が弛んでロック片30が回動部材27にロックする。
【0024】次に、ワイヤー58を牽引すると、前側支持アーム55はガススプリング57に抗して横軸53を中心に機体側に回動し、後側支持アーム49も基部を中心に機体側に回動して、支持アーム49、55の係合部51、56は懸架フレーム40の後側連結杆42および前側連結杆47の回動軌跡から外れる。この状態で刈取部上下シリンダ24を伸長させると、刈取部5は刈取部入力ギヤケース15を中心に円弧状に上動し、懸架フレーム40も刈取部5とともに基部を中心に上昇するから、懸架フレーム40の後側連結杆42および前側連結杆47は後側係合部51および前側係合部56からそれぞれ上方に離脱する。次に、更にワイヤー58を牽引すると、前側支持アーム55は軸筒54を介して後側支持アーム49を後方に押し、後側支持アーム49は突起59に当接するまで後方回動し、起立状態で格納される。次に、刈取部上下シリンダ24を縮小させると、刈取部5が下動して、元の作業位置に復帰する。
【0025】
【効果】本発明は、走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置としたものであるから、二枚構成であるから取扱いが容易であり、後側上部カバー62は、前側が上下動自在であり、全体的に前後動自在であるので、メンテナンスと手刈り穀稈の投入を容易に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 刈取部の側面図。
【図2】 要部正面図。
【図3】 支持台の側面図。
【図4】 刈取上下シリンダの側面図。
【図5】 刈取上下シリンダの側面図。
【図6】 懸架フレームおよび支持装置の斜視図。
【図7】 防塵カバーのフレームの斜視図。
【図8】 懸架フレームおよび支持装置の作用状態側面図。
【図9】 同側面図。
【図10】 刈取部上昇時の側面図。
【図11】 防塵カバーを前移動させた状態の側面図。
【図12】 防塵カバーを開放させた状態の側面図。
【図13】 刈取部を前倒れさせる作用状態図。
【図14】 防塵カバーのフレームの第2実施例斜視図。
【図15】 同要部斜視図。
【図16】 脱穀装置の斜視図。
【図17】 同断面図。
【符号の説明】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…操縦部、5…刈取部、6…分草体、7…穀稈引起装置、8…掻込装置、9…刈刃、10…穂先側搬送装置、11…株元側搬送装置、12…刈取部フレーム、13…後側フレーム、14…支持パイプ、15…刈取部入力ギヤケース、16…支持台、17…穀稈供給装置、18…穂先側引継搬送装置、19…株元側引継搬送装置、20…ロック装置、22…安全ロック装置、23…シリンダ、24…刈取部上下シリンダ、25…ロッド、26…シリンダ部、27…回動部材、28…ステー、29…軸、30…ロック片、40…懸架フレーム、41…後側回動アーム、42…後側連結杆、43…横軸、44…前側回動アーム、45…ステー、46…軸、47…前側連結杆、支持装置48…支持装置、49…後側支持アーム、50…軸、51…後側係合部、52…軸筒、53…横軸、54…軸筒、55…前側支持アーム、56…前側係合部、57…ガススプリング、58…ワイヤー、59…突起、60…防塵カバー、61…前側上部カバー、62…後側上部カバー、63…前側フレーム、64…上部フレーム、65…ローラ、66…後側フレーム、67…前後案内杆、68…軸筒、69…横軸、70…中軸筒、71…支持部材、72…支持アーム、73…ワイヤ、74…ワイヤ、75…操作レバー、76…軸、77…係合部、78…係合軸、79…扱胴、80…上部カバー、81…開閉自在の切刃、82…ロック装置、83…ハンドル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置。
【請求項1】 走行装置2の上部に設けた脱穀装置3と、前記走行装置2の前方に設けた分草体6と穀稈引起装置7と掻込装置8と刈刃9等を有する刈取部5と、該刈取部5と前記脱穀装置3の間に設けた穂先側引継搬送装置18および株元側引継搬送装置19とからなるコンバインにおいて、該搬送装置18、19の上方位置には、前記刈取部5側に固定の前側上部カバー61と、該前側上部カバー61と前記脱穀装置3の間に位置して前側は上下動自在でありまた全体的に前後動自在である後側上部カバー62よりなる防塵カバー60を設けたコンバインにおける防塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図14】
【図10】
【図11】
【図15】
【図17】
【図12】
【図13】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図14】
【図10】
【図11】
【図15】
【図17】
【図12】
【図13】
【図16】
【公開番号】特開平5−284842
【公開日】平成5年(1993)11月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−116892
【出願日】平成4年(1992)4月9日
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【公開日】平成5年(1993)11月2日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)4月9日
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
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