コンバインの排藁搬送装置
【課題】姿勢変更操作体を操作する際の煩雑さを解消可能なコンバインの排藁搬送装置を提供する。
【解決手段】機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能とした。
【解決手段】機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンバインの排藁搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、コンバインの後部には排藁処理部を配設しており、同排藁処理部には排藁搬送装置を設けて、同排藁搬送装置により脱穀処理した排藁を圃場の未刈側から既刈側に搬送するようにしている。排藁搬送装置には、排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けている。そして、両搬送部は排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更操作体を介して姿勢変更自在としている。また、姿勢変更操作体は未刈側である排藁処理部の左側部に配設して、同姿勢変更操作体を上方へ回動操作することで、両搬送部を排藁搬送姿勢から排藁詰まり解除姿勢に姿勢変更操作して、排藁搬送装置に生じた排藁詰まりを解除することができるようにしている。なお、排藁処理部の直前部には脱穀部と選別部を上下段に配置して、脱穀後の穀稈を排藁として排藁処理部に搬送して排藁処理するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００７−２３６３０５
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが、上記したコンバインでは、姿勢変更操作体は未刈側である排藁処理部の左側部に配設して、同姿勢変更操作体を上方へ回動操作するようにしているために、同姿勢変更操作体を操作する際には、排藁処理部の上方を被覆している排藁処理部上方カバー体や脱穀部の上方を被覆している脱穀部上方カバー体が上記姿勢変更操作体の操作に支障とならないように、あらかじめこれら排藁処理部上方カバー体と脱穀部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがある。また、姿勢変更操作体を操作する際には、作業者は圃場の未刈穀稈を踏み倒さないようにして排藁処理部の左側方に移動しなければならないという煩雑さがある。
【０００５】
本発明は、上述した課題を解決することのできるコンバインの排藁搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、請求項１に係る発明では、機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能とした。
【０００７】
また、請求項２に係る発明では、排藁処理部の天井部から垂設した被係合体に、挟扼搬送部の後面中途部に設けた第１係合体を上方から係合・離脱自在に係合させ、第１係合体には第２係合体を回動自在に枢支して、上記被係合体に第２係合体を下方から係合・離脱自在に係合させると共に、同第２係合体を被係合体に係合する側に弾性手段で弾性付勢して、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁搬送姿勢となす一方、前記姿勢変更操作体の下方への回動操作に、弾性手段による弾性付勢に抗した第２係合体の被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにした。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る発明では、機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能としている。
【０００９】
このように、姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで姿勢変更可能としているため、排藁処理部の上方を被覆している排藁処理部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作に支障とならない。従って、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。そして、姿勢変更操作体は機体の後方から操作をすることができるため、脱穀部の上方を被覆している脱穀部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作には支障とならない。従って、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。しかも、姿勢変更操作体は既刈側である機体の後方から操作をすることができるため、作業者は圃場の未刈穀稈を踏み倒さないようにして排藁処理部の左側方に移動しなければならないという煩雑さもない。
【００１０】
また、請求項２に係る発明では、排藁処理部の天井部から垂設した被係合体に、挟扼搬送部の後面中途部に設けた第１係合体を上方から係合させ、第１係合体には第２係合体を回動自在に枢支して、上記被係合体に第２係合体を下方から係合・離脱自在に係合させると共に、同第２係合体を被係合体に係合する側に弾性手段で弾性付勢して、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁搬送姿勢となす一方、前記姿勢変更操作体の下方への回動操作に、弾性手段による弾性付勢に抗した第２係合体の被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにしている。
【００１１】
このように、姿勢変更操作体の下方への回動操作に第２係合体の弾性付勢に抗した被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにしているため、姿勢変更操作体を楽に操作することができて、迅速かつ簡単に排藁詰まりを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本実施形態に係るコンバインの全体側面図である。
【図２】機体後部に配設された排藁処理部近傍を平面視で示した説明図である。
【図３】排藁処理部近傍を機体後方から前方へ向かう視点で示した説明図である。
【図４】排藁処理部を機体左側方から右側方へ向かう視点で示した説明図である。
【図５】排藁搬送装置へ動力を伝達する伝動ベルト機構の背面図である。
【図６】後側カバー片の動きを示した説明図である。
【図７】排藁搬送装置の回動動作を示した説明図である。
【図８】姿勢変更機構近傍を平面視にて示した説明図である。
【図９】姿勢変更機構近傍を側面視にて示した説明図である。
【図１０】姿勢変更機構近傍を機体後方から前方へ向かう視点で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明するが、理解を容易とするために、まずコンバインの全体構成について説明し、その後、排藁搬送装置について具体的に説明を行う。
【００１４】
図１はコンバイン１の全体左側面図である。図１に示すように、左右一対のクローラ走行装置２,２間に機体フレーム３を架設している。機体フレーム３の前端部には穀稈を刈取処理する刈取部５を取り付けている。機体フレーム３上の左側前部には刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部４と脱穀処理した穀粒を選別処理する選別部１４を上下に位置させて配設している。脱穀部４の後方である機体フレーム３上の後部には脱穀処理後の穀稈である排藁を処理する排藁処理部１６を配設している。機体フレーム３上の右側前部には運転部９０と選別された穀粒を貯留する貯留部（図示せず）を配設している。また、脱穀部４の左側方にはフィードチェン９を配設しており、同フィードチェン９は、刈取部５で刈り取られた穀稈を受け継いで、脱穀部４に穂先部を挿入した状態で後上方へ向けて移送させることで、脱穀部４で脱穀処理された穀稈（排藁）を排藁処理部１６に受け渡すようにしている。
【００１５】
脱穀部４は、図１に示すように、扱室１０内に脱穀手段としての扱胴１１を前後方向に伸延する軸線廻りに回転自在に架設している。１５は扱歯、１２は受網である。脱穀部４の下方に配設した選別部１４には選別手段としての揺動選別体１３や唐箕９１等を配設している。
【００１６】
排藁処理部１６は、図１に示すように、排藁処理室２０内の上部に配設して排藁を搬送する排藁搬送装置１７と、排藁処理室２０内の下部に配設して排藁搬送装置１７により搬送された排藁を細断処理するカッター装置１８とを備えている。排藁搬送装置１７は、排藁処理室２０の平面説明図である図２と排藁処理室２０の背面説明図である図３にも示すように、始端部を左側前部に配置すると共に終端部を右側後上部に配置している。そして、始端部は前記フィードチェン９の終端部に近接させて配置して、同フィードチェン９により搬送される穀稈を排藁として受け継いで、排藁を右側後上方へ搬送可能となしている。ここで、排藁は、振替ガイド体（図示せず）を介して、排藁搬送装置１７により排藁処理室２０の右側後上部まで搬送されると共に機体の後方（機外）へ排出されるか、又は、排藁搬送装置１７の中途部からその下方に配置したカッター装置１８に落下して、同カッター装置１８により細断処理された後に機外へ排出（散布）されるようにしている。また、圃場内を反時計廻りに回行して走行しながら穀稈を刈り取るコンバイン１では、進行方向に向かって機体の左側が未刈側となる一方、機体の右側が既刈側となる。従って、排藁は排藁搬送装置１７により未刈側から既刈側にやや上り傾斜状に搬送されることになる。
【００１７】
以下に、排藁処理部１６について図面を参照しながら詳説する。
【００１８】
排藁処理室２０は、図２〜図４に示すように、処理室支持枠体９３に左・右側面部９３,９４と天井面部９５と後面部９６を取り付けて、これら面部９３,９４,９５,９６で被覆・形成している。処理室支持枠体９３は、左右方向に伸延する上・下部左右伸延片１０１,１０２と、左側面視でコ字状に形成して両上・下部左右伸延片１０１,１０２の左側端部間に介設した介設片１０３と、上部左右伸延片１０１から前方へ張り出し状に湾曲させて形成した前方張り出し片１０４とを具備している。そして、前方張り出し片１０４の左側前部と上部左右伸延片１０１の中途部との間に排藁搬送装置１７を懸架している。
【００１９】
排藁搬送装置１７は、図２〜図４に示すように、排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部２４と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部２５を具備して、両搬送部２４,２５が協働して排藁を搬送するようにしている。そして、両搬送部２４,２５は排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに姿勢変更操作体４５を介して姿勢変更自在としている。ここで、姿勢変更操作体４５は機体の後方から操作可能としている。また、排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに姿勢変更操作体４５を介して一体的に姿勢変更自在とした挟扼搬送部２４と係止搬送部２５は、回動支点となる回動軸５２,５３を中心に一体的に回動して姿勢変更自在としている。ここで、回動軸５２,５３の回動軸線Ｐは搬送方向と略平行させると共に、挟扼搬送部２４の挟扼位置近傍に配置し、同挟扼搬送部２４の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体４５の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体４５の前後伸延軸線Ｑと上記回動軸線Ｐとを交差状に配置している。
【００２０】
より具体的に説明すると、排藁搬送装置１７は、図２に示すように、前記運転部９０の下方に配設した原動機部（図示せず）から動力を取り入れる入力部３６と、同入力部３６に連動連結して排藁の株元部を挟扼した状態にて搬送する挟扼搬送部２４と、同挟扼搬送部２４と対面状態に配設して排藁の穂先部を係止した状態にて搬送する係止搬送部２５と、同係止搬送部２５に挟扼搬送部２４の回動力を伝達する動力伝達部２６とで構成している。
【００２１】
図２及び図４に示す符号１０５は入力部３６の入力ケース、１０６は入力ケース１０５から前方へ突出させた入力軸、３７は入力軸１０６に取り付けた入力プーリである。図５に示す１３１は前記扱胴１１を回動自在に支持する回動支軸、１３２は同回動支軸１３１の後端部に取り付けた出力プーリである。図５に示すように、同出力プーリ１３２と上記入力プーリ３７との間には伝動ベルト１３３を巻回し、同伝動ベルト１３３の中途部をテンションローラ１３４を介してテンションアーム１３５により押圧して伝動ベルト１３３を緊張させることで、伝動ベルト機構１３６を形成している。１３７はボス部、１３８は同ボス部１３７を介して上記テンションアーム１３５の基端部を支持するアーム支軸、１３９は上記ボス部１３７を介して上記テンションアーム１３５に連動連設した作動アーム、１４０は同作動アーム１３９を介して上記テンションアーム１３５を押圧方向（伝動ベルト１３３を緊張させる方向）に引張弾性付勢する引張弾性体である。引張弾性体１４０は前記扱室１０の後壁１４１の上部に設けた連結ブラケット１４２と作動アーム１３９の先端部との間に介設している。なお、回動支軸１３１の前端部は伝動機構（図示せず）を介して原動機部に連動連結している。
【００２２】
このようにして、伝動ベルト機構１３６は簡易な構造にて前記原動機部からの動力を前記入力部３６に伝達するようにしている。そして、前記排藁搬送装置１７に排藁が詰まった際には、その排藁の詰まりを排藁詰まり検出センサ（図示せず）で検出して原動機部の作動を強制的に停止させるようにしている。そのため、原動機部が作動を停止した後は、後述する排藁詰まりを解除する作業を簡単にかつ速やかに行うことができる。
【００２３】
挟扼搬送部２４は、図２〜図４に示すように、排藁処理室２０内において、左側前部から右側後上部に向けて伸延する搬送部支持本体１０７の左側端部に駆動スプロケット３３を取り付ける一方、搬送部支持本体１０７の右側端部に従動スプロケット３４を取り付けて、両スプロケット３３,３４間に無端状の搬送チェン３５を巻回している。そして、搬送チェン３５の下側回動側部である直状伸延部１０８の直下方位置に、直状に伸延する挟扼桿３８を対向状態に配設すると共に、同挟扼桿３８を挟扼弾圧体３９により直状伸延部１０８側に押圧するように弾性付勢して、直状伸延部１０８と挟扼桿３８とで排藁の株元部を挟扼した状態にて排藁を右側後上方へ搬送するようにしている。
【００２４】
図２に示すように、搬送部支持本体１０７の前面左側部と前面右側部には左右一対の揺動支持アーム５０,５１を略直交状態に前方へ伸延させて形成している。また、前方張り出し片１０４の左側前部に左側支持片４８を垂設して、同左側支持片４８の下端部に左側枢軸１０９を突設する一方、上部左右伸延片１０１の中途部に右側支持片４９を垂設して、同右側支持片４９の下端部に右側枢軸１１０を突設している。そして、左側枢軸１０９に左側の揺動支持アーム５０の先端部を枢支すると共に、右側枢軸１１０に右側の揺動支持アーム５１の先端部を枢支している。ここで、左側枢軸１０９と右側枢軸１１０の軸芯は、排藁搬送方向と略平行な回動軸線Ｐ上に配置している。このようにして、挟扼搬送部２４は搬送部支持本体１０７を左・右側枢軸１０９,１１０の軸芯と一致する回動軸線Ｐを中心に上下揺動自在となしている。そして、上下揺動範囲は、搬送部支持本体１０７の直状伸延部１０８が挟扼桿３８と対向する挟扼位置（下降位置）と、直状伸延部１０８が挟扼桿３８から一定間隔を開けて上方へ離隔する離隔位置（上昇位置）との間となしている。
【００２５】
係止搬送部２５は、図２に示すように、排藁処理室２０内において、左側前部から右側後上部に向けて伸延する搬送部支持本体１１１の右側端部に駆動スプロケット４１を取り付ける一方、搬送部支持本体１１１の左側端部に従動スプロケット４０を取り付けて、両スプロケット４０,４１間に無端状のタインチェン４３を巻回している。そして、タインチェン４３には多数の突起状のタイン４２を間隔を開けて取り付けて、各タイン４２で排藁の穂先部（先端部）を係止した状態にて排藁を右側後上方へ搬送するようにしている。
【００２６】
動力伝達部２６は、図２に示すように、挟扼搬送部２４の従動スプロケット３４と係止搬送部２５の駆動スプロケット４１とを同軸的に連動連結して、両スプロケット３４,４１の回転を同期させている。具体的には、図３において従動スプロケット３４が反時計回り方向へ回動すると、動力伝達部２６を介して、駆動スプロケット４１もまた、反時計回り方向へ回動するようにしている。ここで、動力伝達部２６は挟扼搬送部２４と係止搬送部２５の右側部を一定の間隔を開けて平行状態に一体的に連結する右側連結部材としても機能しており、挟扼搬送部２４と係止搬送部２５の左側部には、これら搬送部２４,２５の左側部を一定の間隔を開けて平行状態に一体的に連結するための左側連結部材１１２を介設している。この際、係止搬送部２５は回動軸線Ｐに近接する前方に配置して、回動軸線Ｐを中心に排藁搬送装置１７自体を上下揺動させて、同排藁搬送装置１７の姿勢を排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに、後述する姿勢変更操作体４５を介して一体的に姿勢変更可能としている。
【００２７】
ここで、排藁搬送姿勢（ａ）は、図７の実線で示すように、挟扼搬送部２４の搬送チェン３５と挟扼桿３８とが近接して排藁を挟扼可能な状態となる姿勢である。一方、排藁詰まり解除姿勢（ｂ）は、図７の一点鎖線で示すように、例えば、過剰量の排藁が供給されて、搬送チェン３５と挟扼桿３８との間に排藁が詰まることで搬送障害が生じた場合に、搬送チェン３５を挟扼桿３８から離隔させて、詰まった排藁を楽に取り除くことができる状態となる姿勢である。
【００２８】
排藁搬送装置１７には、図８及び図９に示すように、姿勢変更機構６０を介して姿勢変更操作体４５を連動連結している。そして、姿勢変更操作体４５を機体の後方から下方へ揺動操作することで、排藁搬送装置１７を簡単に排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更可能としている。
【００２９】
姿勢変更機構６０は、図８〜図１０に示すように、排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更する方向に付勢する解除姿勢付勢部６１と、排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）に係止して保持する係止姿勢（ｃ）と係止解除姿勢（ｄ）とに姿勢変更可能とした係止部６２とを備えている。ここで、係止部６２が係止解除姿勢（ｄ）を採ると、解除姿勢付勢部６１により排藁搬送装置１７は排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に強制的に姿勢変更されるようにしている。
【００３０】
以下、図８〜図１０を参照しながら姿勢変更機構６０について具体的に説明する。図８は姿勢変更機構６０の平面説明図、図９は姿勢変更機構６０の側面説明図、図１０（ａ）は姿勢変更機構６０の背面説明図、図１０（ｂ）は仮止め体７８の背面説明図である。
【００３１】
図８〜図１０に示すように、姿勢変更機構６０は、挟扼搬送部２４の搬送部支持本体１０７の後面において、伸延方向（長尺方向）の略中央部に設けている。
【００３２】
そして、解除姿勢付勢部６１は、図８〜図１０に示すように、搬送部支持本体１０７の後面略中央部より左側方へ向けて伸延する側方伸延連結板６３を形成して、同側方伸延連結板６３の中途部と、その直上方に位置する上部左右伸延片１０１の中途部との間に、弾性付勢手段としての引張スプリング６４を介設して、同引張スプリング６４により排藁搬送装置１７が回動軸線Ｐを中心に上方へ揺動（回動）されるように弾性付勢して、同排藁搬送装置１７が排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更されるようにしている。図１０中、６５は側方伸延連結板６３に穿設した引張スプリング６４を係止するための係止孔である。
【００３３】
また、係止部６２は、図８〜図１０に示すように、前記した引張スプリング６４の引張弾性付勢力に抗して、排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）の状態に係止して保持するようにしている。
【００３４】
すなわち、係止部６２は、搬送部支持本体１０７の後面略中央部より後方へ向けて伸延させて後方伸延連結板６６を形成し、同後方伸延連結板６６の内側面後部に前記側方伸延連結板６３の先端端面を直交状態に当接させて連設している。後方伸延連結板６６の後下部には下端縁部から上方へ切欠して下端開口状の係合用凹部７１を形成している。そして、係合用凹部７１は上端から下端に向けて漸次拡幅状となしている。
【００３５】
一方、図３にも示すように、上部左右伸延片１０１の中途部より上下方向に伸延する支持片７２を垂設し、同支持片７２の下端部に左右側方に軸線を向けたロックピン６７の左側端部を取り付けて（図８及び図１０参照）、同ロックピン６７を右側方へ略水平に突出状となしている。
【００３６】
このようにして、ロックピン６７に後方伸延連結板６６の係合用凹部７１を上方から係脱自在に係合させるようにしている。ここで、ロックピン６７に係合用凹部７１の上端縁部が当接・係合された状態で、排藁搬送装置１７が排藁搬送姿勢（ａ）を採るようにしている。すなわち、支持片７２とロックピン６７とは、天井部から垂設した被係合体として機能するものであり、後方伸延連結板６６は、被係合体に上方から係合・離脱自在に係合する第１係合体として機能する。
【００３７】
また、後方伸延連結板６６の後上部には左右方向に軸線を向けた円柱状の揺動支軸６９の左側端部を取り付け、同揺動支軸６９に円筒状の第１ボス部１１３を回転自在に嵌合している（図９参照）。ボス部１１３には上下縦長板状の第２係合体としてのフック６８の側面上部を取り付けて、同フック６８を揺動支軸６９の軸線廻りにボス部１１３を介して揺動自在となしている。ここで、揺動支軸６９は前記ロックピン６７の直上方位置に配置している。フック６８は後下部に後方へ向けて端面が開口する係合用凹部７４を形成している。
【００３８】
このようにして、ロックピン６７にフック６８の係合用凹部７４を前方から係脱自在に係合させるようにしている。ここで、ロックピン６７に係合用凹部７４の前端縁部が当接・係合された状態で、排藁搬送装置１７が前記引張スプリング６４の引張弾性付勢力に抗して排藁搬送姿勢（ａ）に保持（ロック）されるようにしている。
【００３９】
また、ボス部１１３の外周面にはトルクバネ状のロック用バネ７０を巻回状に配置し、同ロック用バネ７０の一側端部１１４を後方伸延連結板６６の上部に係止する一方、同ロック用バネ７０の他側端部１１５をフック６８の前端縁下部に係止させている。このようにして、ロック用バネ７０により揺動支軸６９を中心にフック６８を後方へ揺動（回動）するように弾性付勢している。すなわち、フック６８は後下部に形成した係合用凹部７４がロックピン６７に係合する方向に弾性付勢している。ここで、図９に示すように、フック６８の後半部下端面１１６は前低後高の傾斜面となしている。そして、排藁詰まり解除姿勢（ｂ）から排藁搬送姿勢（ａ）に姿勢変更する際には、後方へ揺動付勢されているフック６８の後半部下端面１１６がロックピン６７の外周面上を滑動しながら、ロック用バネ７０の弾性付勢力に抗してフック６８が前方（図９の側面図で時計廻り）に揺動され、係合用凹部７４がロックピン６７と符合した時点で、ロック用バネ７０の弾性付勢力によりフック６８が後方（図９の側面図で反時計廻り）に揺動されて係合用凹部７４がロックピン６７に係合される。すなわち、フック６８が係止姿勢（ｃ）となる。
【００４０】
また、図８〜図１０に示すように、係止部６２の揺動支軸６９には姿勢変更操作体４５を上下揺動自在に取り付けて、同姿勢変更操作体４５の下降操作と、係止部６２の係止姿勢（ｃ）から係止解除姿勢（ｄ）への姿勢変更動作を連動させている。すなわち、姿勢変更操作体４５は、前後方向に直状に伸延させて形成した操作本片７６と、同操作本片７６の後端部に一体に形成したグリップ７５とから形成している。ここで、操作本片７６の伸延軸線Ｑと前述の回動軸線Ｐとが交差するように配置している（図２参照）。そして、操作本片７６の前部には、図８に示すように、左右方向に貫通する貫通孔１１７を形成する一方、揺動支軸６９にリング状の第２ボス部１１８を回転自在に嵌合している。また、操作本片７６の貫通孔１１７に揺動支軸６９を挿通すると共に第２ボス部１１８に操作本片７６の前部側面を連設している。このように、操作本片７６とフック６８は左右に隣接させて揺動支軸６９に同軸的に取り付けている。このようにして、姿勢変更操作体４５は揺動支軸６９を中心に第２ボス部１１８を介して上下昇降操作可能に枢支している。この際、姿勢変更操作体４５の操作は作業者がグリップ７５を把持することで楽に行うことができる。
【００４１】
そして、フック６８の前上部には左右方向に軸線を向けた係合ピン７７を右側方へ突設している。前記操作本片７６の前端部は係合ピン７７よりも前方位置まで伸延させて形成し、グリップ７５を下降操作した際には操作本片７６の前端部が係合ピン７７に下方から交差状に当接して係合し、図９の左側面説明図に一点鎖線で示すようにフック６８をロック用バネ７０の弾性付勢力に抗して時計廻りに揺動させるようにしている。
【００４２】
このようにして、姿勢変更操作体４５は、図９に実線で示すように、グリップ７５が後述する天井カバー体２７の近傍に位置する下降操作開始位置（ｅ）と、図９に一点鎖線で示すように、略水平姿勢をなす下降操作終了位置（ｆ）との間で昇降操作可能としている。そして、姿勢変更操作体４５を下降操作開始位置（ｅ）から下降操作終了位置（ｆ）まで下降操作すると、フック６８が係止姿勢（ｃ）から係止解除姿勢（ｄ）に姿勢変更されるようにしている。
【００４３】
また、後方伸延連結板６６の後上部には、図８〜図１０に示すように、姿勢変更操作体４５を下降操作終了位置（ｆ）にて仮止めする仮止め体７８を取付ボルト１１９を介して取り付けている。すなわち、仮止め体７８は、前後方向に横長の取付片１２０と、同取付片１２０の下端中央部から下方へ垂下した垂下片１２１とを板バネにより一体成形している。そして、垂下片１２１は、図１０（ｂ）に示すように、上端部１２２から右側下方へ傾斜状に伸延させて下り傾斜部８０を形成し、同下り傾斜部８０の下端から左側方へ略水平に伸延させて仮止め部８１を形成して、同仮止め部８１から下方へ伸延させて解除操作部８３を形成している。ここで、下り傾斜部８０は姿勢変更操作体４５の操作本片７６が上下昇降する面と交差する位置に下端部を配置すると共に、仮止め部８１は下降操作開始位置（ｅ）にある姿勢変更操作体４５の操作本片７６の上端面と当接するように配置し、解除操作部８３は後方伸延連結板６６の後端面下部の直後方位置に配置している。
【００４４】
このようにして、姿勢変更操作体４５を下降操作開始位置（ｅ）から下降操作終了位置（ｆ）まで下降させると、図１０（ｂ）に示すように、姿勢変更操作体４５の操作本片７６に仮止め体７８の下り傾斜部８０の下端部が上方から押圧されると共に、左側方へ微少幅ｄだけ変位される。つまり仮止め体７８が変形される。そして、姿勢変更操作体４５が下降操作終了位置（ｆ）まで下降された時点で仮止め体７８は復元されて、同仮止め体７８の仮止め部８１が姿勢変更操作体４５の操作本片７６の直上方に交差状に配置される。つまり、姿勢変更操作体４５の操作本片７６が、仮止め体７８の仮止め部８１に係止された仮止め状態となる。その結果、ロック用バネ７０により間接的に上方へ回動付勢されている姿勢変更操作体４５の下降操作開始位置（ｅ）への復帰が阻止される。また、かかる仮止め状態を解除する際には、仮止め体７８の解除操作部８３を左側方へ押圧操作して、下り傾斜部８０の下端部を矢印で示す左側方へ微少幅ｄだけ変位させることで、姿勢変更操作体４５の操作本片７６が仮止め解除状態となって、ロック用バネ７０により間接的に上方へ回動付勢されている姿勢変更操作体４５は下降操作開始位置（ｅ）に復帰される。
【００４５】
また、図８〜図１０に示すように、側方伸延連結板６３の上端面と後方伸延連結板６６の右側面とがなす隅部には、前後方向に伸延する丸棒状の復帰用操作レバー８４の前端部を連設して、同復帰用操作レバー８４を略水平に後方へ突出状となしている。そして、排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更された排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）に復帰させる際には、復帰用操作レバー８４の後端部を把持して下降操作することで、ロックピン６７に後方伸延連結板６６の係合用凹部７１を上方から係合させるようにしている。ここで、復帰用操作レバー８４は姿勢変更操作体４５に比べて前後幅を短幅に形成している。姿勢変更操作体４５は排藁搬送装置１７に排藁が詰まった状態で操作する必要性があるため、比較的長幅に形成して操作性を良好に確保している。一方、復帰用操作レバー８４は排藁搬送装置１７に詰まった排藁を取り除いた後に操作するものであるため、比較的短幅に形成して軽量化とコンパクト化を図っている。
【００４６】
上記のように、排藁搬送装置１７は姿勢変更機構６０を介して姿勢変更操作体４５を機体後方から操作することで、排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに姿勢変更することができる。かかる姿勢変更操作手順を以下に説明する。
【００４７】
〔排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）への操作手順〕
まず、姿勢変更操作体４５のグリップ７５を把持して操作本片７６を下降操作開始位置（ｅ）から下降操作終了位置（ｆ）まで下降操作すると、フック６８が係止姿勢（ｃ）から係止解除姿勢（ｄ）に姿勢変更される。すると排藁搬送装置１７は引張スプリング６４により上方へ引張弾性付勢されているため、回動軸線Ｐを中心に揺動（回動）されて排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更される。そこで、排藁搬送装置１７に詰まった排藁を容易に取り出すことができる。この際、姿勢変更操作体４５の操作本片７６は、仮止め体７８の仮止め部８１に係止された仮止め状態となって、フック６８を係止解除姿勢（ｄ）に保持する。
【００４８】
〔排藁詰まり解除姿勢（ｂ）から排藁搬送姿勢（ａ）への操作手順〕
まず、仮止め体７８の解除操作部８３を左側方へ押圧操作して、姿勢変更操作体４５の操作本片７６を仮止め解除状態となす。そして、復帰用操作レバー８４の後端部を把持して下降操作することで、ロックピン６７に後方伸延連結板６６の係合用凹部７１を上方から係合させる。すると後方へ揺動付勢されているフック６８の後半部下端面１１６がロックピン６７の外周面上を滑動しながら、ロック用バネ７０の弾性付勢力に抗してフック６８が前方（図９の側面図で時計廻り）に揺動され、係合用凹部７４がロックピン６７と符合した時点で、ロック用バネ７０の弾性付勢力によりフック６８が後方（図９の側面図で反時計廻り）に揺動されて係合用凹部７４がロックピン６７に係合される。すなわち、フック６８が係止姿勢（ｃ）となる。その結果、排藁搬送装置１７は排藁詰まり解除姿勢（ｂ）から排藁搬送姿勢（ａ）に姿勢変更されると共に、排藁搬送姿勢（ａ）に保持される。この際、姿勢変更操作体４５は下降操作開始位置（ｅ）に復帰されている。そのため、再度排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）へ姿勢変更させる際の操作を速やかに行うことができる。
【００４９】
上述してきたように、本実施形態に係るコンバインの排藁搬送装置によれば、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能としている。
【００５０】
従って、姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで姿勢変更可能としているため、排藁処理部の上方を被覆している排藁処理部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作に支障とならない。また、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。そして、姿勢変更操作体は機体の後方から操作をすることができるため、脱穀部の上方を被覆している脱穀部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作には支障とならない。従って、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。しかも、姿勢変更操作体は既刈側である機体の後方から操作をすることができるため、作業者は圃場の未刈穀稈を踏み倒さないようにして排藁処理部の左側方に移動しなければならないという煩雑さもない。
【００５１】
排藁カバー２３は、機体の天面を覆う天井カバー体２７と、機体の側方を覆う側面カバー体２８と、機体の後面の一部を覆う後面カバー体２９とで構成している。なお、図中において、符号３０は、コンバイン１の走行時にブレーキをかけることにより点灯するテールランプである。
【００５２】
ここで、天井カバー体２７は、図１及び図４にも示すように、前低後高の傾斜状態としており、機体後方へ向かうに従い、排藁処理室２０内の天井高さが高くなるように構成している。これにより、排藁処理室２０内上部空間を後方へ向けて漸次拡大させることができ、挟扼搬送部２４と係止搬送部２５を一体的に姿勢変更させる回動スペースを大きく確保することができて、これら両搬送部２４,２５を堅実に姿勢変更させることができる。
【００５３】
しかも、前述の姿勢変更操作体４５を機体の後方から操作するにあたり、上記構成とすることで操作スペースを拡大でき、同姿勢変更操作体４５の操作を楽に行うことができて、同姿勢変更操作体４５の操作性を向上させることができる。
【００５４】
また、図３及び図６に示すように、天井カバー体２７の後端縁部、すなわち、後面カバー体２９部分には、機体左右方向へ軸線を向けた丁番３２,３２を介して、後側カバー片３１が上下方向へ回動自在に垂設されている。
【００５５】
換言すれば、この後側カバー片３１は、同後側カバー片３１の上端縁部を支点として、下端縁部を上方へ跳ね上げ自在とし、図６にて一点鎖線で示すように、排藁搬送装置１７の後方を大きく開放できるよう構成している。
【００５６】
したがって、機体の後方から排藁搬送装置１７の挟扼搬送部２４と係止搬送部２５を一体的に姿勢変更させる際には、楽に姿勢変更操作体４５を操作することで、両搬送部２４,２５の姿勢を堅実に変更させることができる。
【００５７】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【００５８】
１ コンバイン
４ 脱穀部
１６ 排藁処理部
１７ 排藁搬送装置
２０ 排藁処理室
２４ 挟扼搬送部
２５ 係止搬送部
４５ 姿勢変更操作体
４８ 左側支持片
４９ 右側支持片
５０ 揺動支持アーム
５１ 揺動支持アーム
５２ 回動軸
５３ 回動軸
６０ 姿勢変更機構
６１ 解除姿勢付勢部
６２ 係止部
６３ 側方伸延連結板
６４ 引張スプリング
６６ 後方伸延連結板
６７ ロックピン
６８ フック
６９ 揺動支軸
７０ ロック用バネ
７７ 係合ピン
７８ 仮止め体
１２１ 垂下片
Ｐ 回動軸線
Ｑ 伸延軸線
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンバインの排藁搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、コンバインの後部には排藁処理部を配設しており、同排藁処理部には排藁搬送装置を設けて、同排藁搬送装置により脱穀処理した排藁を圃場の未刈側から既刈側に搬送するようにしている。排藁搬送装置には、排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けている。そして、両搬送部は排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更操作体を介して姿勢変更自在としている。また、姿勢変更操作体は未刈側である排藁処理部の左側部に配設して、同姿勢変更操作体を上方へ回動操作することで、両搬送部を排藁搬送姿勢から排藁詰まり解除姿勢に姿勢変更操作して、排藁搬送装置に生じた排藁詰まりを解除することができるようにしている。なお、排藁処理部の直前部には脱穀部と選別部を上下段に配置して、脱穀後の穀稈を排藁として排藁処理部に搬送して排藁処理するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００７−２３６３０５
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが、上記したコンバインでは、姿勢変更操作体は未刈側である排藁処理部の左側部に配設して、同姿勢変更操作体を上方へ回動操作するようにしているために、同姿勢変更操作体を操作する際には、排藁処理部の上方を被覆している排藁処理部上方カバー体や脱穀部の上方を被覆している脱穀部上方カバー体が上記姿勢変更操作体の操作に支障とならないように、あらかじめこれら排藁処理部上方カバー体と脱穀部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがある。また、姿勢変更操作体を操作する際には、作業者は圃場の未刈穀稈を踏み倒さないようにして排藁処理部の左側方に移動しなければならないという煩雑さがある。
【０００５】
本発明は、上述した課題を解決することのできるコンバインの排藁搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、請求項１に係る発明では、機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能とした。
【０００７】
また、請求項２に係る発明では、排藁処理部の天井部から垂設した被係合体に、挟扼搬送部の後面中途部に設けた第１係合体を上方から係合・離脱自在に係合させ、第１係合体には第２係合体を回動自在に枢支して、上記被係合体に第２係合体を下方から係合・離脱自在に係合させると共に、同第２係合体を被係合体に係合する側に弾性手段で弾性付勢して、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁搬送姿勢となす一方、前記姿勢変更操作体の下方への回動操作に、弾性手段による弾性付勢に抗した第２係合体の被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにした。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る発明では、機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能としている。
【０００９】
このように、姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで姿勢変更可能としているため、排藁処理部の上方を被覆している排藁処理部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作に支障とならない。従って、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。そして、姿勢変更操作体は機体の後方から操作をすることができるため、脱穀部の上方を被覆している脱穀部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作には支障とならない。従って、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。しかも、姿勢変更操作体は既刈側である機体の後方から操作をすることができるため、作業者は圃場の未刈穀稈を踏み倒さないようにして排藁処理部の左側方に移動しなければならないという煩雑さもない。
【００１０】
また、請求項２に係る発明では、排藁処理部の天井部から垂設した被係合体に、挟扼搬送部の後面中途部に設けた第１係合体を上方から係合させ、第１係合体には第２係合体を回動自在に枢支して、上記被係合体に第２係合体を下方から係合・離脱自在に係合させると共に、同第２係合体を被係合体に係合する側に弾性手段で弾性付勢して、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁搬送姿勢となす一方、前記姿勢変更操作体の下方への回動操作に、弾性手段による弾性付勢に抗した第２係合体の被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにしている。
【００１１】
このように、姿勢変更操作体の下方への回動操作に第２係合体の弾性付勢に抗した被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにしているため、姿勢変更操作体を楽に操作することができて、迅速かつ簡単に排藁詰まりを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本実施形態に係るコンバインの全体側面図である。
【図２】機体後部に配設された排藁処理部近傍を平面視で示した説明図である。
【図３】排藁処理部近傍を機体後方から前方へ向かう視点で示した説明図である。
【図４】排藁処理部を機体左側方から右側方へ向かう視点で示した説明図である。
【図５】排藁搬送装置へ動力を伝達する伝動ベルト機構の背面図である。
【図６】後側カバー片の動きを示した説明図である。
【図７】排藁搬送装置の回動動作を示した説明図である。
【図８】姿勢変更機構近傍を平面視にて示した説明図である。
【図９】姿勢変更機構近傍を側面視にて示した説明図である。
【図１０】姿勢変更機構近傍を機体後方から前方へ向かう視点で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明するが、理解を容易とするために、まずコンバインの全体構成について説明し、その後、排藁搬送装置について具体的に説明を行う。
【００１４】
図１はコンバイン１の全体左側面図である。図１に示すように、左右一対のクローラ走行装置２,２間に機体フレーム３を架設している。機体フレーム３の前端部には穀稈を刈取処理する刈取部５を取り付けている。機体フレーム３上の左側前部には刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部４と脱穀処理した穀粒を選別処理する選別部１４を上下に位置させて配設している。脱穀部４の後方である機体フレーム３上の後部には脱穀処理後の穀稈である排藁を処理する排藁処理部１６を配設している。機体フレーム３上の右側前部には運転部９０と選別された穀粒を貯留する貯留部（図示せず）を配設している。また、脱穀部４の左側方にはフィードチェン９を配設しており、同フィードチェン９は、刈取部５で刈り取られた穀稈を受け継いで、脱穀部４に穂先部を挿入した状態で後上方へ向けて移送させることで、脱穀部４で脱穀処理された穀稈（排藁）を排藁処理部１６に受け渡すようにしている。
【００１５】
脱穀部４は、図１に示すように、扱室１０内に脱穀手段としての扱胴１１を前後方向に伸延する軸線廻りに回転自在に架設している。１５は扱歯、１２は受網である。脱穀部４の下方に配設した選別部１４には選別手段としての揺動選別体１３や唐箕９１等を配設している。
【００１６】
排藁処理部１６は、図１に示すように、排藁処理室２０内の上部に配設して排藁を搬送する排藁搬送装置１７と、排藁処理室２０内の下部に配設して排藁搬送装置１７により搬送された排藁を細断処理するカッター装置１８とを備えている。排藁搬送装置１７は、排藁処理室２０の平面説明図である図２と排藁処理室２０の背面説明図である図３にも示すように、始端部を左側前部に配置すると共に終端部を右側後上部に配置している。そして、始端部は前記フィードチェン９の終端部に近接させて配置して、同フィードチェン９により搬送される穀稈を排藁として受け継いで、排藁を右側後上方へ搬送可能となしている。ここで、排藁は、振替ガイド体（図示せず）を介して、排藁搬送装置１７により排藁処理室２０の右側後上部まで搬送されると共に機体の後方（機外）へ排出されるか、又は、排藁搬送装置１７の中途部からその下方に配置したカッター装置１８に落下して、同カッター装置１８により細断処理された後に機外へ排出（散布）されるようにしている。また、圃場内を反時計廻りに回行して走行しながら穀稈を刈り取るコンバイン１では、進行方向に向かって機体の左側が未刈側となる一方、機体の右側が既刈側となる。従って、排藁は排藁搬送装置１７により未刈側から既刈側にやや上り傾斜状に搬送されることになる。
【００１７】
以下に、排藁処理部１６について図面を参照しながら詳説する。
【００１８】
排藁処理室２０は、図２〜図４に示すように、処理室支持枠体９３に左・右側面部９３,９４と天井面部９５と後面部９６を取り付けて、これら面部９３,９４,９５,９６で被覆・形成している。処理室支持枠体９３は、左右方向に伸延する上・下部左右伸延片１０１,１０２と、左側面視でコ字状に形成して両上・下部左右伸延片１０１,１０２の左側端部間に介設した介設片１０３と、上部左右伸延片１０１から前方へ張り出し状に湾曲させて形成した前方張り出し片１０４とを具備している。そして、前方張り出し片１０４の左側前部と上部左右伸延片１０１の中途部との間に排藁搬送装置１７を懸架している。
【００１９】
排藁搬送装置１７は、図２〜図４に示すように、排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部２４と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部２５を具備して、両搬送部２４,２５が協働して排藁を搬送するようにしている。そして、両搬送部２４,２５は排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに姿勢変更操作体４５を介して姿勢変更自在としている。ここで、姿勢変更操作体４５は機体の後方から操作可能としている。また、排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに姿勢変更操作体４５を介して一体的に姿勢変更自在とした挟扼搬送部２４と係止搬送部２５は、回動支点となる回動軸５２,５３を中心に一体的に回動して姿勢変更自在としている。ここで、回動軸５２,５３の回動軸線Ｐは搬送方向と略平行させると共に、挟扼搬送部２４の挟扼位置近傍に配置し、同挟扼搬送部２４の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体４５の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体４５の前後伸延軸線Ｑと上記回動軸線Ｐとを交差状に配置している。
【００２０】
より具体的に説明すると、排藁搬送装置１７は、図２に示すように、前記運転部９０の下方に配設した原動機部（図示せず）から動力を取り入れる入力部３６と、同入力部３６に連動連結して排藁の株元部を挟扼した状態にて搬送する挟扼搬送部２４と、同挟扼搬送部２４と対面状態に配設して排藁の穂先部を係止した状態にて搬送する係止搬送部２５と、同係止搬送部２５に挟扼搬送部２４の回動力を伝達する動力伝達部２６とで構成している。
【００２１】
図２及び図４に示す符号１０５は入力部３６の入力ケース、１０６は入力ケース１０５から前方へ突出させた入力軸、３７は入力軸１０６に取り付けた入力プーリである。図５に示す１３１は前記扱胴１１を回動自在に支持する回動支軸、１３２は同回動支軸１３１の後端部に取り付けた出力プーリである。図５に示すように、同出力プーリ１３２と上記入力プーリ３７との間には伝動ベルト１３３を巻回し、同伝動ベルト１３３の中途部をテンションローラ１３４を介してテンションアーム１３５により押圧して伝動ベルト１３３を緊張させることで、伝動ベルト機構１３６を形成している。１３７はボス部、１３８は同ボス部１３７を介して上記テンションアーム１３５の基端部を支持するアーム支軸、１３９は上記ボス部１３７を介して上記テンションアーム１３５に連動連設した作動アーム、１４０は同作動アーム１３９を介して上記テンションアーム１３５を押圧方向（伝動ベルト１３３を緊張させる方向）に引張弾性付勢する引張弾性体である。引張弾性体１４０は前記扱室１０の後壁１４１の上部に設けた連結ブラケット１４２と作動アーム１３９の先端部との間に介設している。なお、回動支軸１３１の前端部は伝動機構（図示せず）を介して原動機部に連動連結している。
【００２２】
このようにして、伝動ベルト機構１３６は簡易な構造にて前記原動機部からの動力を前記入力部３６に伝達するようにしている。そして、前記排藁搬送装置１７に排藁が詰まった際には、その排藁の詰まりを排藁詰まり検出センサ（図示せず）で検出して原動機部の作動を強制的に停止させるようにしている。そのため、原動機部が作動を停止した後は、後述する排藁詰まりを解除する作業を簡単にかつ速やかに行うことができる。
【００２３】
挟扼搬送部２４は、図２〜図４に示すように、排藁処理室２０内において、左側前部から右側後上部に向けて伸延する搬送部支持本体１０７の左側端部に駆動スプロケット３３を取り付ける一方、搬送部支持本体１０７の右側端部に従動スプロケット３４を取り付けて、両スプロケット３３,３４間に無端状の搬送チェン３５を巻回している。そして、搬送チェン３５の下側回動側部である直状伸延部１０８の直下方位置に、直状に伸延する挟扼桿３８を対向状態に配設すると共に、同挟扼桿３８を挟扼弾圧体３９により直状伸延部１０８側に押圧するように弾性付勢して、直状伸延部１０８と挟扼桿３８とで排藁の株元部を挟扼した状態にて排藁を右側後上方へ搬送するようにしている。
【００２４】
図２に示すように、搬送部支持本体１０７の前面左側部と前面右側部には左右一対の揺動支持アーム５０,５１を略直交状態に前方へ伸延させて形成している。また、前方張り出し片１０４の左側前部に左側支持片４８を垂設して、同左側支持片４８の下端部に左側枢軸１０９を突設する一方、上部左右伸延片１０１の中途部に右側支持片４９を垂設して、同右側支持片４９の下端部に右側枢軸１１０を突設している。そして、左側枢軸１０９に左側の揺動支持アーム５０の先端部を枢支すると共に、右側枢軸１１０に右側の揺動支持アーム５１の先端部を枢支している。ここで、左側枢軸１０９と右側枢軸１１０の軸芯は、排藁搬送方向と略平行な回動軸線Ｐ上に配置している。このようにして、挟扼搬送部２４は搬送部支持本体１０７を左・右側枢軸１０９,１１０の軸芯と一致する回動軸線Ｐを中心に上下揺動自在となしている。そして、上下揺動範囲は、搬送部支持本体１０７の直状伸延部１０８が挟扼桿３８と対向する挟扼位置（下降位置）と、直状伸延部１０８が挟扼桿３８から一定間隔を開けて上方へ離隔する離隔位置（上昇位置）との間となしている。
【００２５】
係止搬送部２５は、図２に示すように、排藁処理室２０内において、左側前部から右側後上部に向けて伸延する搬送部支持本体１１１の右側端部に駆動スプロケット４１を取り付ける一方、搬送部支持本体１１１の左側端部に従動スプロケット４０を取り付けて、両スプロケット４０,４１間に無端状のタインチェン４３を巻回している。そして、タインチェン４３には多数の突起状のタイン４２を間隔を開けて取り付けて、各タイン４２で排藁の穂先部（先端部）を係止した状態にて排藁を右側後上方へ搬送するようにしている。
【００２６】
動力伝達部２６は、図２に示すように、挟扼搬送部２４の従動スプロケット３４と係止搬送部２５の駆動スプロケット４１とを同軸的に連動連結して、両スプロケット３４,４１の回転を同期させている。具体的には、図３において従動スプロケット３４が反時計回り方向へ回動すると、動力伝達部２６を介して、駆動スプロケット４１もまた、反時計回り方向へ回動するようにしている。ここで、動力伝達部２６は挟扼搬送部２４と係止搬送部２５の右側部を一定の間隔を開けて平行状態に一体的に連結する右側連結部材としても機能しており、挟扼搬送部２４と係止搬送部２５の左側部には、これら搬送部２４,２５の左側部を一定の間隔を開けて平行状態に一体的に連結するための左側連結部材１１２を介設している。この際、係止搬送部２５は回動軸線Ｐに近接する前方に配置して、回動軸線Ｐを中心に排藁搬送装置１７自体を上下揺動させて、同排藁搬送装置１７の姿勢を排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに、後述する姿勢変更操作体４５を介して一体的に姿勢変更可能としている。
【００２７】
ここで、排藁搬送姿勢（ａ）は、図７の実線で示すように、挟扼搬送部２４の搬送チェン３５と挟扼桿３８とが近接して排藁を挟扼可能な状態となる姿勢である。一方、排藁詰まり解除姿勢（ｂ）は、図７の一点鎖線で示すように、例えば、過剰量の排藁が供給されて、搬送チェン３５と挟扼桿３８との間に排藁が詰まることで搬送障害が生じた場合に、搬送チェン３５を挟扼桿３８から離隔させて、詰まった排藁を楽に取り除くことができる状態となる姿勢である。
【００２８】
排藁搬送装置１７には、図８及び図９に示すように、姿勢変更機構６０を介して姿勢変更操作体４５を連動連結している。そして、姿勢変更操作体４５を機体の後方から下方へ揺動操作することで、排藁搬送装置１７を簡単に排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更可能としている。
【００２９】
姿勢変更機構６０は、図８〜図１０に示すように、排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更する方向に付勢する解除姿勢付勢部６１と、排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）に係止して保持する係止姿勢（ｃ）と係止解除姿勢（ｄ）とに姿勢変更可能とした係止部６２とを備えている。ここで、係止部６２が係止解除姿勢（ｄ）を採ると、解除姿勢付勢部６１により排藁搬送装置１７は排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に強制的に姿勢変更されるようにしている。
【００３０】
以下、図８〜図１０を参照しながら姿勢変更機構６０について具体的に説明する。図８は姿勢変更機構６０の平面説明図、図９は姿勢変更機構６０の側面説明図、図１０（ａ）は姿勢変更機構６０の背面説明図、図１０（ｂ）は仮止め体７８の背面説明図である。
【００３１】
図８〜図１０に示すように、姿勢変更機構６０は、挟扼搬送部２４の搬送部支持本体１０７の後面において、伸延方向（長尺方向）の略中央部に設けている。
【００３２】
そして、解除姿勢付勢部６１は、図８〜図１０に示すように、搬送部支持本体１０７の後面略中央部より左側方へ向けて伸延する側方伸延連結板６３を形成して、同側方伸延連結板６３の中途部と、その直上方に位置する上部左右伸延片１０１の中途部との間に、弾性付勢手段としての引張スプリング６４を介設して、同引張スプリング６４により排藁搬送装置１７が回動軸線Ｐを中心に上方へ揺動（回動）されるように弾性付勢して、同排藁搬送装置１７が排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更されるようにしている。図１０中、６５は側方伸延連結板６３に穿設した引張スプリング６４を係止するための係止孔である。
【００３３】
また、係止部６２は、図８〜図１０に示すように、前記した引張スプリング６４の引張弾性付勢力に抗して、排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）の状態に係止して保持するようにしている。
【００３４】
すなわち、係止部６２は、搬送部支持本体１０７の後面略中央部より後方へ向けて伸延させて後方伸延連結板６６を形成し、同後方伸延連結板６６の内側面後部に前記側方伸延連結板６３の先端端面を直交状態に当接させて連設している。後方伸延連結板６６の後下部には下端縁部から上方へ切欠して下端開口状の係合用凹部７１を形成している。そして、係合用凹部７１は上端から下端に向けて漸次拡幅状となしている。
【００３５】
一方、図３にも示すように、上部左右伸延片１０１の中途部より上下方向に伸延する支持片７２を垂設し、同支持片７２の下端部に左右側方に軸線を向けたロックピン６７の左側端部を取り付けて（図８及び図１０参照）、同ロックピン６７を右側方へ略水平に突出状となしている。
【００３６】
このようにして、ロックピン６７に後方伸延連結板６６の係合用凹部７１を上方から係脱自在に係合させるようにしている。ここで、ロックピン６７に係合用凹部７１の上端縁部が当接・係合された状態で、排藁搬送装置１７が排藁搬送姿勢（ａ）を採るようにしている。すなわち、支持片７２とロックピン６７とは、天井部から垂設した被係合体として機能するものであり、後方伸延連結板６６は、被係合体に上方から係合・離脱自在に係合する第１係合体として機能する。
【００３７】
また、後方伸延連結板６６の後上部には左右方向に軸線を向けた円柱状の揺動支軸６９の左側端部を取り付け、同揺動支軸６９に円筒状の第１ボス部１１３を回転自在に嵌合している（図９参照）。ボス部１１３には上下縦長板状の第２係合体としてのフック６８の側面上部を取り付けて、同フック６８を揺動支軸６９の軸線廻りにボス部１１３を介して揺動自在となしている。ここで、揺動支軸６９は前記ロックピン６７の直上方位置に配置している。フック６８は後下部に後方へ向けて端面が開口する係合用凹部７４を形成している。
【００３８】
このようにして、ロックピン６７にフック６８の係合用凹部７４を前方から係脱自在に係合させるようにしている。ここで、ロックピン６７に係合用凹部７４の前端縁部が当接・係合された状態で、排藁搬送装置１７が前記引張スプリング６４の引張弾性付勢力に抗して排藁搬送姿勢（ａ）に保持（ロック）されるようにしている。
【００３９】
また、ボス部１１３の外周面にはトルクバネ状のロック用バネ７０を巻回状に配置し、同ロック用バネ７０の一側端部１１４を後方伸延連結板６６の上部に係止する一方、同ロック用バネ７０の他側端部１１５をフック６８の前端縁下部に係止させている。このようにして、ロック用バネ７０により揺動支軸６９を中心にフック６８を後方へ揺動（回動）するように弾性付勢している。すなわち、フック６８は後下部に形成した係合用凹部７４がロックピン６７に係合する方向に弾性付勢している。ここで、図９に示すように、フック６８の後半部下端面１１６は前低後高の傾斜面となしている。そして、排藁詰まり解除姿勢（ｂ）から排藁搬送姿勢（ａ）に姿勢変更する際には、後方へ揺動付勢されているフック６８の後半部下端面１１６がロックピン６７の外周面上を滑動しながら、ロック用バネ７０の弾性付勢力に抗してフック６８が前方（図９の側面図で時計廻り）に揺動され、係合用凹部７４がロックピン６７と符合した時点で、ロック用バネ７０の弾性付勢力によりフック６８が後方（図９の側面図で反時計廻り）に揺動されて係合用凹部７４がロックピン６７に係合される。すなわち、フック６８が係止姿勢（ｃ）となる。
【００４０】
また、図８〜図１０に示すように、係止部６２の揺動支軸６９には姿勢変更操作体４５を上下揺動自在に取り付けて、同姿勢変更操作体４５の下降操作と、係止部６２の係止姿勢（ｃ）から係止解除姿勢（ｄ）への姿勢変更動作を連動させている。すなわち、姿勢変更操作体４５は、前後方向に直状に伸延させて形成した操作本片７６と、同操作本片７６の後端部に一体に形成したグリップ７５とから形成している。ここで、操作本片７６の伸延軸線Ｑと前述の回動軸線Ｐとが交差するように配置している（図２参照）。そして、操作本片７６の前部には、図８に示すように、左右方向に貫通する貫通孔１１７を形成する一方、揺動支軸６９にリング状の第２ボス部１１８を回転自在に嵌合している。また、操作本片７６の貫通孔１１７に揺動支軸６９を挿通すると共に第２ボス部１１８に操作本片７６の前部側面を連設している。このように、操作本片７６とフック６８は左右に隣接させて揺動支軸６９に同軸的に取り付けている。このようにして、姿勢変更操作体４５は揺動支軸６９を中心に第２ボス部１１８を介して上下昇降操作可能に枢支している。この際、姿勢変更操作体４５の操作は作業者がグリップ７５を把持することで楽に行うことができる。
【００４１】
そして、フック６８の前上部には左右方向に軸線を向けた係合ピン７７を右側方へ突設している。前記操作本片７６の前端部は係合ピン７７よりも前方位置まで伸延させて形成し、グリップ７５を下降操作した際には操作本片７６の前端部が係合ピン７７に下方から交差状に当接して係合し、図９の左側面説明図に一点鎖線で示すようにフック６８をロック用バネ７０の弾性付勢力に抗して時計廻りに揺動させるようにしている。
【００４２】
このようにして、姿勢変更操作体４５は、図９に実線で示すように、グリップ７５が後述する天井カバー体２７の近傍に位置する下降操作開始位置（ｅ）と、図９に一点鎖線で示すように、略水平姿勢をなす下降操作終了位置（ｆ）との間で昇降操作可能としている。そして、姿勢変更操作体４５を下降操作開始位置（ｅ）から下降操作終了位置（ｆ）まで下降操作すると、フック６８が係止姿勢（ｃ）から係止解除姿勢（ｄ）に姿勢変更されるようにしている。
【００４３】
また、後方伸延連結板６６の後上部には、図８〜図１０に示すように、姿勢変更操作体４５を下降操作終了位置（ｆ）にて仮止めする仮止め体７８を取付ボルト１１９を介して取り付けている。すなわち、仮止め体７８は、前後方向に横長の取付片１２０と、同取付片１２０の下端中央部から下方へ垂下した垂下片１２１とを板バネにより一体成形している。そして、垂下片１２１は、図１０（ｂ）に示すように、上端部１２２から右側下方へ傾斜状に伸延させて下り傾斜部８０を形成し、同下り傾斜部８０の下端から左側方へ略水平に伸延させて仮止め部８１を形成して、同仮止め部８１から下方へ伸延させて解除操作部８３を形成している。ここで、下り傾斜部８０は姿勢変更操作体４５の操作本片７６が上下昇降する面と交差する位置に下端部を配置すると共に、仮止め部８１は下降操作開始位置（ｅ）にある姿勢変更操作体４５の操作本片７６の上端面と当接するように配置し、解除操作部８３は後方伸延連結板６６の後端面下部の直後方位置に配置している。
【００４４】
このようにして、姿勢変更操作体４５を下降操作開始位置（ｅ）から下降操作終了位置（ｆ）まで下降させると、図１０（ｂ）に示すように、姿勢変更操作体４５の操作本片７６に仮止め体７８の下り傾斜部８０の下端部が上方から押圧されると共に、左側方へ微少幅ｄだけ変位される。つまり仮止め体７８が変形される。そして、姿勢変更操作体４５が下降操作終了位置（ｆ）まで下降された時点で仮止め体７８は復元されて、同仮止め体７８の仮止め部８１が姿勢変更操作体４５の操作本片７６の直上方に交差状に配置される。つまり、姿勢変更操作体４５の操作本片７６が、仮止め体７８の仮止め部８１に係止された仮止め状態となる。その結果、ロック用バネ７０により間接的に上方へ回動付勢されている姿勢変更操作体４５の下降操作開始位置（ｅ）への復帰が阻止される。また、かかる仮止め状態を解除する際には、仮止め体７８の解除操作部８３を左側方へ押圧操作して、下り傾斜部８０の下端部を矢印で示す左側方へ微少幅ｄだけ変位させることで、姿勢変更操作体４５の操作本片７６が仮止め解除状態となって、ロック用バネ７０により間接的に上方へ回動付勢されている姿勢変更操作体４５は下降操作開始位置（ｅ）に復帰される。
【００４５】
また、図８〜図１０に示すように、側方伸延連結板６３の上端面と後方伸延連結板６６の右側面とがなす隅部には、前後方向に伸延する丸棒状の復帰用操作レバー８４の前端部を連設して、同復帰用操作レバー８４を略水平に後方へ突出状となしている。そして、排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更された排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）に復帰させる際には、復帰用操作レバー８４の後端部を把持して下降操作することで、ロックピン６７に後方伸延連結板６６の係合用凹部７１を上方から係合させるようにしている。ここで、復帰用操作レバー８４は姿勢変更操作体４５に比べて前後幅を短幅に形成している。姿勢変更操作体４５は排藁搬送装置１７に排藁が詰まった状態で操作する必要性があるため、比較的長幅に形成して操作性を良好に確保している。一方、復帰用操作レバー８４は排藁搬送装置１７に詰まった排藁を取り除いた後に操作するものであるため、比較的短幅に形成して軽量化とコンパクト化を図っている。
【００４６】
上記のように、排藁搬送装置１７は姿勢変更機構６０を介して姿勢変更操作体４５を機体後方から操作することで、排藁搬送姿勢（ａ）と排藁詰まり解除姿勢（ｂ）とに姿勢変更することができる。かかる姿勢変更操作手順を以下に説明する。
【００４７】
〔排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）への操作手順〕
まず、姿勢変更操作体４５のグリップ７５を把持して操作本片７６を下降操作開始位置（ｅ）から下降操作終了位置（ｆ）まで下降操作すると、フック６８が係止姿勢（ｃ）から係止解除姿勢（ｄ）に姿勢変更される。すると排藁搬送装置１７は引張スプリング６４により上方へ引張弾性付勢されているため、回動軸線Ｐを中心に揺動（回動）されて排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）に姿勢変更される。そこで、排藁搬送装置１７に詰まった排藁を容易に取り出すことができる。この際、姿勢変更操作体４５の操作本片７６は、仮止め体７８の仮止め部８１に係止された仮止め状態となって、フック６８を係止解除姿勢（ｄ）に保持する。
【００４８】
〔排藁詰まり解除姿勢（ｂ）から排藁搬送姿勢（ａ）への操作手順〕
まず、仮止め体７８の解除操作部８３を左側方へ押圧操作して、姿勢変更操作体４５の操作本片７６を仮止め解除状態となす。そして、復帰用操作レバー８４の後端部を把持して下降操作することで、ロックピン６７に後方伸延連結板６６の係合用凹部７１を上方から係合させる。すると後方へ揺動付勢されているフック６８の後半部下端面１１６がロックピン６７の外周面上を滑動しながら、ロック用バネ７０の弾性付勢力に抗してフック６８が前方（図９の側面図で時計廻り）に揺動され、係合用凹部７４がロックピン６７と符合した時点で、ロック用バネ７０の弾性付勢力によりフック６８が後方（図９の側面図で反時計廻り）に揺動されて係合用凹部７４がロックピン６７に係合される。すなわち、フック６８が係止姿勢（ｃ）となる。その結果、排藁搬送装置１７は排藁詰まり解除姿勢（ｂ）から排藁搬送姿勢（ａ）に姿勢変更されると共に、排藁搬送姿勢（ａ）に保持される。この際、姿勢変更操作体４５は下降操作開始位置（ｅ）に復帰されている。そのため、再度排藁搬送装置１７を排藁搬送姿勢（ａ）から排藁詰まり解除姿勢（ｂ）へ姿勢変更させる際の操作を速やかに行うことができる。
【００４９】
上述してきたように、本実施形態に係るコンバインの排藁搬送装置によれば、挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能としている。
【００５０】
従って、姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで姿勢変更可能としているため、排藁処理部の上方を被覆している排藁処理部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作に支障とならない。また、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。そして、姿勢変更操作体は機体の後方から操作をすることができるため、脱穀部の上方を被覆している脱穀部上方カバー体は姿勢変更操作体の操作には支障とならない。従って、あらかじめ排藁処理部上方カバー体を上方へ開放しておかなければならないという煩雑さがない。しかも、姿勢変更操作体は既刈側である機体の後方から操作をすることができるため、作業者は圃場の未刈穀稈を踏み倒さないようにして排藁処理部の左側方に移動しなければならないという煩雑さもない。
【００５１】
排藁カバー２３は、機体の天面を覆う天井カバー体２７と、機体の側方を覆う側面カバー体２８と、機体の後面の一部を覆う後面カバー体２９とで構成している。なお、図中において、符号３０は、コンバイン１の走行時にブレーキをかけることにより点灯するテールランプである。
【００５２】
ここで、天井カバー体２７は、図１及び図４にも示すように、前低後高の傾斜状態としており、機体後方へ向かうに従い、排藁処理室２０内の天井高さが高くなるように構成している。これにより、排藁処理室２０内上部空間を後方へ向けて漸次拡大させることができ、挟扼搬送部２４と係止搬送部２５を一体的に姿勢変更させる回動スペースを大きく確保することができて、これら両搬送部２４,２５を堅実に姿勢変更させることができる。
【００５３】
しかも、前述の姿勢変更操作体４５を機体の後方から操作するにあたり、上記構成とすることで操作スペースを拡大でき、同姿勢変更操作体４５の操作を楽に行うことができて、同姿勢変更操作体４５の操作性を向上させることができる。
【００５４】
また、図３及び図６に示すように、天井カバー体２７の後端縁部、すなわち、後面カバー体２９部分には、機体左右方向へ軸線を向けた丁番３２,３２を介して、後側カバー片３１が上下方向へ回動自在に垂設されている。
【００５５】
換言すれば、この後側カバー片３１は、同後側カバー片３１の上端縁部を支点として、下端縁部を上方へ跳ね上げ自在とし、図６にて一点鎖線で示すように、排藁搬送装置１７の後方を大きく開放できるよう構成している。
【００５６】
したがって、機体の後方から排藁搬送装置１７の挟扼搬送部２４と係止搬送部２５を一体的に姿勢変更させる際には、楽に姿勢変更操作体４５を操作することで、両搬送部２４,２５の姿勢を堅実に変更させることができる。
【００５７】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【００５８】
１ コンバイン
４ 脱穀部
１６ 排藁処理部
１７ 排藁搬送装置
２０ 排藁処理室
２４ 挟扼搬送部
２５ 係止搬送部
４５ 姿勢変更操作体
４８ 左側支持片
４９ 右側支持片
５０ 揺動支持アーム
５１ 揺動支持アーム
５２ 回動軸
５３ 回動軸
６０ 姿勢変更機構
６１ 解除姿勢付勢部
６２ 係止部
６３ 側方伸延連結板
６４ 引張スプリング
６６ 後方伸延連結板
６７ ロックピン
６８ フック
６９ 揺動支軸
７０ ロック用バネ
７７ 係合ピン
７８ 仮止め体
１２１ 垂下片
Ｐ 回動軸線
Ｑ 伸延軸線
【特許請求の範囲】
【請求項１】
機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、
挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能としたことを特徴とするコンバインの排藁搬送装置。
【請求項２】
排藁処理部の天井部から垂設した被係合体に、挟扼搬送部の後面中途部に設けた第１係合体を上方から係合・離脱自在に係合させ、第１係合体には第２係合体を回動自在に枢支して、上記被係合体に第２係合体を下方から係合・離脱自在に係合させると共に、同第２係合体を被係合体に係合する側に弾性手段で弾性付勢して、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁搬送姿勢となす一方、
前記姿勢変更操作体の下方への回動操作に、弾性手段による弾性付勢に抗した第２係合体の被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにしたことを特徴とする請求項１記載のコンバインの排藁搬送装置。
【請求項１】
機体の後部に配設した排藁処理部に、脱穀処理した排藁を未刈側から既刈側に搬送する排藁搬送装置を設け、同排藁搬送装置には排藁の株元部を挟扼して搬送する挟扼搬送部と、排藁の穂先部を係止して搬送する係止搬送部を設けると共に、両搬送部は姿勢変更操作体を介して排藁搬送姿勢と排藁詰まり解除姿勢とに姿勢変更自在としたコンバインの排藁搬送装置において、
挟扼搬送部の後面中途部に前後方向に伸延する姿勢変更操作体の前端部を取り付けて、同姿勢変更操作体の後端部を機体の後方から操作可能とすると共に、同姿勢変更操作体は下方へ回動操作することで両搬送部を一体的に姿勢変更可能としたことを特徴とするコンバインの排藁搬送装置。
【請求項２】
排藁処理部の天井部から垂設した被係合体に、挟扼搬送部の後面中途部に設けた第１係合体を上方から係合・離脱自在に係合させ、第１係合体には第２係合体を回動自在に枢支して、上記被係合体に第２係合体を下方から係合・離脱自在に係合させると共に、同第２係合体を被係合体に係合する側に弾性手段で弾性付勢して、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁搬送姿勢となす一方、
前記姿勢変更操作体の下方への回動操作に、弾性手段による弾性付勢に抗した第２係合体の被係合体からの離脱動作を連動させて、挟扼搬送部と係止搬送部を一体的に排藁詰まり解除姿勢となすようにしたことを特徴とする請求項１記載のコンバインの排藁搬送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１１−２４４４１（Ｐ２０１１−２４４４１Ａ）
【公開日】平成２３年２月１０日（２０１１．２．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１７１３２５（Ｐ２００９−１７１３２５）
【出願日】平成２１年７月２２日（２００９．７．２２）
【出願人】（０００００６７８１）ヤンマー株式会社 (3,810)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年２月１０日（２０１１．２．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年７月２２日（２００９．７．２２）
【出願人】（０００００６７８１）ヤンマー株式会社 (3,810)
【Ｆターム（参考）】
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