コンバインの走行制御装置
【課題】走行クローラの洗浄作業の安全性を高める。
【解決手段】走行車台(2)の上側にエンジン(3)を搭載し、走行車台(2)の下側に油圧式無段変速装置(9)によって駆動される走行クローラ(5)を備えた走行装置(4)を設け、走行車台(2)の前部上側に洗車モードを設定する洗車設定手段(6)を備えた操作装置(7)を設け、油圧式無段変速装置(9)内の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン(3)を自動停止させる制御装置(8)を設ける。
【解決手段】走行車台(2)の上側にエンジン(3)を搭載し、走行車台(2)の下側に油圧式無段変速装置(9)によって駆動される走行クローラ(5)を備えた走行装置(4)を設け、走行車台(2)の前部上側に洗車モードを設定する洗車設定手段(6)を備えた操作装置(7)を設け、油圧式無段変速装置(9)内の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン(3)を自動停止させる制御装置(8)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの走行制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、クローラ走行装置を左右両側に設け、この各クローラ走行装置を機体に対して昇降操作する駆動機構を設け、該各走行装置支持フレーム部の下側を、該各クローラ走行装置を駆動機構により、最下降位置あるいは、それに近い位置に操作した状態で、機体支持用のスタンドを設けて作用させるための、スタンド当接面を設けたコンバインである。
【特許文献1】実公平7−18266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現コンバインはクローラ走行装置に張設した、左右両側の走行クローラに泥等が多量に付着した時は、除去する必要があり、この時には、該クローラ走行装置の該各走行クローラを機体に対して昇降操作すべく設けた駆動機構により、該走行装置支持フレーム部の下側に、該各クローラ走行装置の該各走行クローラを該駆動機構により、最下部位置あるいは、それに近い位置に操作した状態にして、機体用のスタンドを設けて作用させるために、該各スタンドの取付面を設けている。これにより、該各スタンドの取付けが困難であったり、又、特別部品の該スタンドであることにより、コストアップになること等が発生していたが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
即ち、走行車台(2)の上側にエンジン(3)を搭載し、走行車台(2)の下側に油圧式無段変速装置(9)によって駆動される走行クローラ(5)を備えた走行装置(4)を設け、走行車台(2)の前部上側に洗車モードを設定する洗車設定手段(6)を備えた操作装置(7)を設け、油圧式無段変速装置(9)内の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン(3)を自動停止させる制御装置(8)を設けたことを特徴とするコンバインの走行制御装置としたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によると、例えばスタンドによって走行装置4を非接地状態に浮上させ、洗車設定手段6によって走行クローラ5を駆動しながら洗浄している際に、スタンドが外れ、走行クローラ5が接地すると、機体が急発進して危険であるが、この接地による油圧式無段変速装置9の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン3が自動停止され、コンバインの急発進を防止して安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2上側面にエンジン3を載置し、該走行車台2下側の左右両側に走行クローラ5等を張設した走行装置4と、該走行車台2の前方側上部には、洗車モード等を設定する洗車設定装置6と、走行装置7と、油圧式無段変速装置9等を載置した構成である。
【0007】
又、前記油圧無段変速装置9が通常の走行負荷によって上昇すると、該エンジン3を自動停止制御する、該操作装置7内には、制御装置8を設けた構成として、該制御装置8により、該コンバイン1の走行速度制御と、自動停止制御等とを行う構成としている。
【0008】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図1、及び図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ5を張設した走行装置4を配設し、該走行車台2の上側面に脱穀装置10、及び該エンジン3等を載置している。該走行車台2の前方部の刈取装置13で立毛穀稈を刈取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置10のフィードチェン11aと、挟持杆11bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、該脱穀装置10の右横側へ配設した穀粒貯留タンク12内へ供給され、一時貯留される。
【0009】
前記コンバイン1の走行車台2の上側面には、図1〜図3で示すように、該エンジン3を載置して設け、又、該走行車台2下側の左右両側には、走行装置4の走行クローラ5を張設している。該走行車台2に前方上部には、洗車モード等を設定する洗車設定手段6を設けた操作装置7及び、該走行車台2の上側面には、油圧式無段変速装置9等とを設けている。該エンジン3の回転駆動により、コンバインの各部である、該走行装置4等が回転駆動される構成である。
【0010】
前記油圧式無段変速装置9が通常の走行負荷により圧力変動によって上昇すると、該エンジン3を操作装置7に内装して設けた制御装置8により、自動停止制御等を行う構成としている。
【0011】
上記により、前記コンバイン1の走行車台2上側面に載置した該エンジン3により、該走行車台2下側の左右両側に設けた、各走行クローラを張設した走行装置4と、該走行車台2の前方上部に洗車モード等を設定する洗車選定装置6と、油圧式無段変速装置9と、該走行車台2の前方部に設けた、穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置13と、該刈取装置13で後方上部へ移送される、刈取り穀稈の供給を受けて、脱穀する脱穀装置10等を該走行車台2の上側面に載置しているが、従来であれば、万一、該走行車台2に設けたスタンド2aが外れることが発生すると、該走行クローラ5が接地することになり、これにより、機体1aが動くことになって危険であるが、この接地により、該油圧式無段変速装置9の圧力上昇を判定して、該エンジン3が制御装置8によって、自動停止制御されることにより、危険を防止することができて、安全な構成である。
【0012】
又、前記コンバイン1を洗車モードの時に、該油圧無段変速装置9の圧力が設定圧である通常走行負荷による圧力変動よりも、上昇することにより、該エンジン3を該制御装置8で自動停止制御する構成である。
【0013】
上記により、万一、スタンド2aが外れ、該走行クローラ5が接地すれば、該機体1aが動き危険である。この接地による該油圧無段変速装置9の圧力上昇を検出し、該エンジン3を自動停止制御する構成である。
【0014】
前記走行車台2に図2、及び図3で示すように、複数個を設けた、スタンド2aの収納状態を検出する「ON」―「OFF」方式のスタンド収納センサ2bを設け、このスタンド収納センサ2bがカム2cの作動によって「OFF」になり、該スタンド2aが起立状態にならない時には、洗車モードにならない構成である。
【0015】
上記により、通常作業時に誤操作することがなくなる。(通常作業時に、車高の上限値を超える設定とすることがない。)
前記油圧無段変速装置9の圧力が、該油圧無段変速装置9に設けた圧力センサ9aが設定圧力より、上昇した圧力を検出すれば、操作装置7に設けた主変速レバー7aが、自動で中立位置へ移動制御する構成である。
【0016】
上記により万一、前記操向車台2に設けた該スタンド2aが外れ、走行装置4の走行クローラ5が接地することにより、機体1aが動き危険であるが、この接地による該油圧無段変速装置9の圧力上昇を、該圧力センサ9aで検出して判定すると、該主変速レバー8aを中立位置にすることにより、危険を防止できる。
【0017】
前記走行車台2に設けた、複数本の該スタンド2aの内の1本でも外れたことを、該各スタンド2aに設けた、各スタンド収納センサ2bの検出により、該エンジン3を操作装置7内に設けた制御装置7bにより、自動停止制御する構成である。
【0018】
上記により、前記各スタンド2aに設けた、該各スタンド収納センサー2bにより、該各スタンド2aの倒れを検出することで、該エンジン3が停止制御されて安全である。
前記走行車台2の上側には、図4〜図9で示すように、クローラ上下シリンダ20を上取付具20aに設け、該クローラ上下シリンダ20の前端部には、前後方向に所定長さのロット20bを設けている。該走行車台2の前部下側には、支持板2dを設け、この支持板2dの下部には、前上クローラローラ5aを軸支して設けると共に、該走行車台2の下方部には、クローラ支持具21を設け、該クローラ支持具21の前後部には、前下クローラローラ5bと、後下クローラローラ5cとを設けると共に、該クローラローラ5bと、該後下クローラローラ5cとの間には、複数個の補助クローラローラ5dを設けている。
【0019】
前記走行車台2の左右両側に設けた該前上クローラローラ5aと、該前下クローラローラ5bと、該後下クローラ5cと、該各補助クローラローラ5dとには、走行クローラ5を張設した構成である。
【0020】
前記走行車台2の上側の該クローラ上下シリンダ20の前部に設けた該ロット20bの前端部、及び後方部とには、該クローラ支持具21の上側面の前後両側部に設けた各受具21aとの間には、く字形状の各アーム22の略中央部を、該走行車台2の下側面の前後部に設けた各受板2eへ各取付用ピン22aで回動自在に装着して設けている。
【0021】
前記各クローラ上下シリンダ20の伸縮作動により、該各クローラ上下シリンダ20に設けた各ロット20b、及び該各アーム22により、該各受具21aと、該各クローラ支持具21とが上下移動されて、該走行車台2の下面部から、該各走行クローラ5の下面部までの距離が変更制御され、機体1aの全高が変わる構成である。
【0022】
上記により、前記前上クローラローラ5aと、前下クローラローラ5bとにより、形成される乗り上げ角度がきつくなることにより、設定以上車高を上げられない。しかし機体1aをアップし泥落としする場合は、問題ないので本発明の要旨構成とし、スタンド利用による機体1aのアップ量を高くして、泥落とし作業の容易化を図ることができる。
【0023】
前記コンバイン1の走行車台2左右両側の前後両側には、図6で示すように設けた、各スタンド2a位置は、前後の機体中心(A)位置は、前後の該各スタンド2a間の略中央位置(L)、(L)に位置させて設けた構成である。又、機体1aの両サイドに設けた、左右の該各スタンド2aは、図7で示すように、左右機体重心(B)を該各スタンド2a間の略中央位置(M)、(M)に位置させて設けた構成である。
【0024】
上記により、機体1aをリフトアップ時に、該各スタンド2aに掛かる荷重が同等になり、安全である。
車体水平機構を有する前記コンバイン1の走行車台2の車高上昇の上限を作業時と、洗車時とで切り換えする車高上限切り換えダイヤル7bを、図10で示すように、操作装置7の前右側部に設けた構成であり、該車高上限切り換えダイヤル7bの操作が、該操作装置7に内装した制御装置8内に入力され、この入力により、該走行車台2の車高上昇位置が作業状態位置、又は洗車状態位置へ自動移動制御される構成である。
【0025】
上記により、作業状態モード、及び洗車状態モードを容易に選択することができて、便利である。
前記操作装置7の主変速レバー7aのレバーガイド溝7cには、図11で示すように、規制ガイド部7dを設けると共に、該レバーガイド溝7cの右横側には、洗車範囲を示す矢印マーク7eと、該矢印マーク7eの右横側には、洗車範囲マーク7fとを貼付した構成である。
【0026】
洗車時に前記各走行クローラ5の回転速度が設定速度より、早い回転速度になると、洗車作業が危険であるが、前記の構成により、これを防止することができる。
前記走行車台2の前方部には、図1、及び図2で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド14、及び分草体15と、立毛穀稈を引起す各引起装置16と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置17の各掻込装置18と、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置19と、刈取りされた穀稈を挟持移送して、該脱穀装置10のフィードチェン11aと、挟持杆11bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置17の根元・穂先移送装置17a・17b等からなる刈取装置13を設けている。該刈取装置13は、油圧駆動による伸縮シリンダ13aにより、土壌面に対して昇降する。
【0027】
前記刈取装置13の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆13bの上端部に設ける支持パイプ杆13cを、走行車台2の上側面に設けた支持装置13dで回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ13aを作動させると支持杆13bと共に、刈取装置13が上下回動する。
【0028】
前記刈取装置13の穀稈掻込移送装置17によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置10への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ13eを設けている。
【0029】
前記穀粒貯留タンク12側の前部には、図1、及び図2で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置7と、操縦席8aとを設け、この操縦席8aの下側にエンジン3を載置している。
【0030】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース8b内の伝動機構8cの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ8dを設けている。
【0031】
前記穀粒貯留タンク12内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク12の後側には、図1、及び図2で示すように、縦移送螺旋12bを内装した排出支持筒12aを略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒12aの上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋12dを伸縮自在に内装した排出オーガ12cを伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】コンバインの右側全体側面図
【図2】コンバインの左側全体側面図
【図3】スタンド取付部の後部拡大側面図
【図4】走行装置の穀稈刈取作業時の側面図
【図5】走行装置の穀稈刈取作業時の正面図
【図6】走行装置にスタンド起立装着時の穀稈刈取作業時の側面図
【図7】走行装置にスタンド起立装着時の穀稈刈取作業時の正面図
【図8】走行装置のスタンド起立時の側面図
【図9】走行装置のスタンド起立時の正面図
【図10】操作装置の車高上限切換えダイヤル取付部の平面図
【図11】操作装置のレバーガイド溝部の平面図
【符号の説明】
【0033】
2 走行車台
3 エンジン
4 走行装置
5 走行クローラ
6 洗車設定手段
7 操作装置
8 制御装置
9 油圧式無段変速装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの走行制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、クローラ走行装置を左右両側に設け、この各クローラ走行装置を機体に対して昇降操作する駆動機構を設け、該各走行装置支持フレーム部の下側を、該各クローラ走行装置を駆動機構により、最下降位置あるいは、それに近い位置に操作した状態で、機体支持用のスタンドを設けて作用させるための、スタンド当接面を設けたコンバインである。
【特許文献1】実公平7−18266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現コンバインはクローラ走行装置に張設した、左右両側の走行クローラに泥等が多量に付着した時は、除去する必要があり、この時には、該クローラ走行装置の該各走行クローラを機体に対して昇降操作すべく設けた駆動機構により、該走行装置支持フレーム部の下側に、該各クローラ走行装置の該各走行クローラを該駆動機構により、最下部位置あるいは、それに近い位置に操作した状態にして、機体用のスタンドを設けて作用させるために、該各スタンドの取付面を設けている。これにより、該各スタンドの取付けが困難であったり、又、特別部品の該スタンドであることにより、コストアップになること等が発生していたが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
即ち、走行車台(2)の上側にエンジン(3)を搭載し、走行車台(2)の下側に油圧式無段変速装置(9)によって駆動される走行クローラ(5)を備えた走行装置(4)を設け、走行車台(2)の前部上側に洗車モードを設定する洗車設定手段(6)を備えた操作装置(7)を設け、油圧式無段変速装置(9)内の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン(3)を自動停止させる制御装置(8)を設けたことを特徴とするコンバインの走行制御装置としたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によると、例えばスタンドによって走行装置4を非接地状態に浮上させ、洗車設定手段6によって走行クローラ5を駆動しながら洗浄している際に、スタンドが外れ、走行クローラ5が接地すると、機体が急発進して危険であるが、この接地による油圧式無段変速装置9の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン3が自動停止され、コンバインの急発進を防止して安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2上側面にエンジン3を載置し、該走行車台2下側の左右両側に走行クローラ5等を張設した走行装置4と、該走行車台2の前方側上部には、洗車モード等を設定する洗車設定装置6と、走行装置7と、油圧式無段変速装置9等を載置した構成である。
【0007】
又、前記油圧無段変速装置9が通常の走行負荷によって上昇すると、該エンジン3を自動停止制御する、該操作装置7内には、制御装置8を設けた構成として、該制御装置8により、該コンバイン1の走行速度制御と、自動停止制御等とを行う構成としている。
【0008】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図1、及び図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ5を張設した走行装置4を配設し、該走行車台2の上側面に脱穀装置10、及び該エンジン3等を載置している。該走行車台2の前方部の刈取装置13で立毛穀稈を刈取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置10のフィードチェン11aと、挟持杆11bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、該脱穀装置10の右横側へ配設した穀粒貯留タンク12内へ供給され、一時貯留される。
【0009】
前記コンバイン1の走行車台2の上側面には、図1〜図3で示すように、該エンジン3を載置して設け、又、該走行車台2下側の左右両側には、走行装置4の走行クローラ5を張設している。該走行車台2に前方上部には、洗車モード等を設定する洗車設定手段6を設けた操作装置7及び、該走行車台2の上側面には、油圧式無段変速装置9等とを設けている。該エンジン3の回転駆動により、コンバインの各部である、該走行装置4等が回転駆動される構成である。
【0010】
前記油圧式無段変速装置9が通常の走行負荷により圧力変動によって上昇すると、該エンジン3を操作装置7に内装して設けた制御装置8により、自動停止制御等を行う構成としている。
【0011】
上記により、前記コンバイン1の走行車台2上側面に載置した該エンジン3により、該走行車台2下側の左右両側に設けた、各走行クローラを張設した走行装置4と、該走行車台2の前方上部に洗車モード等を設定する洗車選定装置6と、油圧式無段変速装置9と、該走行車台2の前方部に設けた、穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置13と、該刈取装置13で後方上部へ移送される、刈取り穀稈の供給を受けて、脱穀する脱穀装置10等を該走行車台2の上側面に載置しているが、従来であれば、万一、該走行車台2に設けたスタンド2aが外れることが発生すると、該走行クローラ5が接地することになり、これにより、機体1aが動くことになって危険であるが、この接地により、該油圧式無段変速装置9の圧力上昇を判定して、該エンジン3が制御装置8によって、自動停止制御されることにより、危険を防止することができて、安全な構成である。
【0012】
又、前記コンバイン1を洗車モードの時に、該油圧無段変速装置9の圧力が設定圧である通常走行負荷による圧力変動よりも、上昇することにより、該エンジン3を該制御装置8で自動停止制御する構成である。
【0013】
上記により、万一、スタンド2aが外れ、該走行クローラ5が接地すれば、該機体1aが動き危険である。この接地による該油圧無段変速装置9の圧力上昇を検出し、該エンジン3を自動停止制御する構成である。
【0014】
前記走行車台2に図2、及び図3で示すように、複数個を設けた、スタンド2aの収納状態を検出する「ON」―「OFF」方式のスタンド収納センサ2bを設け、このスタンド収納センサ2bがカム2cの作動によって「OFF」になり、該スタンド2aが起立状態にならない時には、洗車モードにならない構成である。
【0015】
上記により、通常作業時に誤操作することがなくなる。(通常作業時に、車高の上限値を超える設定とすることがない。)
前記油圧無段変速装置9の圧力が、該油圧無段変速装置9に設けた圧力センサ9aが設定圧力より、上昇した圧力を検出すれば、操作装置7に設けた主変速レバー7aが、自動で中立位置へ移動制御する構成である。
【0016】
上記により万一、前記操向車台2に設けた該スタンド2aが外れ、走行装置4の走行クローラ5が接地することにより、機体1aが動き危険であるが、この接地による該油圧無段変速装置9の圧力上昇を、該圧力センサ9aで検出して判定すると、該主変速レバー8aを中立位置にすることにより、危険を防止できる。
【0017】
前記走行車台2に設けた、複数本の該スタンド2aの内の1本でも外れたことを、該各スタンド2aに設けた、各スタンド収納センサ2bの検出により、該エンジン3を操作装置7内に設けた制御装置7bにより、自動停止制御する構成である。
【0018】
上記により、前記各スタンド2aに設けた、該各スタンド収納センサー2bにより、該各スタンド2aの倒れを検出することで、該エンジン3が停止制御されて安全である。
前記走行車台2の上側には、図4〜図9で示すように、クローラ上下シリンダ20を上取付具20aに設け、該クローラ上下シリンダ20の前端部には、前後方向に所定長さのロット20bを設けている。該走行車台2の前部下側には、支持板2dを設け、この支持板2dの下部には、前上クローラローラ5aを軸支して設けると共に、該走行車台2の下方部には、クローラ支持具21を設け、該クローラ支持具21の前後部には、前下クローラローラ5bと、後下クローラローラ5cとを設けると共に、該クローラローラ5bと、該後下クローラローラ5cとの間には、複数個の補助クローラローラ5dを設けている。
【0019】
前記走行車台2の左右両側に設けた該前上クローラローラ5aと、該前下クローラローラ5bと、該後下クローラ5cと、該各補助クローラローラ5dとには、走行クローラ5を張設した構成である。
【0020】
前記走行車台2の上側の該クローラ上下シリンダ20の前部に設けた該ロット20bの前端部、及び後方部とには、該クローラ支持具21の上側面の前後両側部に設けた各受具21aとの間には、く字形状の各アーム22の略中央部を、該走行車台2の下側面の前後部に設けた各受板2eへ各取付用ピン22aで回動自在に装着して設けている。
【0021】
前記各クローラ上下シリンダ20の伸縮作動により、該各クローラ上下シリンダ20に設けた各ロット20b、及び該各アーム22により、該各受具21aと、該各クローラ支持具21とが上下移動されて、該走行車台2の下面部から、該各走行クローラ5の下面部までの距離が変更制御され、機体1aの全高が変わる構成である。
【0022】
上記により、前記前上クローラローラ5aと、前下クローラローラ5bとにより、形成される乗り上げ角度がきつくなることにより、設定以上車高を上げられない。しかし機体1aをアップし泥落としする場合は、問題ないので本発明の要旨構成とし、スタンド利用による機体1aのアップ量を高くして、泥落とし作業の容易化を図ることができる。
【0023】
前記コンバイン1の走行車台2左右両側の前後両側には、図6で示すように設けた、各スタンド2a位置は、前後の機体中心(A)位置は、前後の該各スタンド2a間の略中央位置(L)、(L)に位置させて設けた構成である。又、機体1aの両サイドに設けた、左右の該各スタンド2aは、図7で示すように、左右機体重心(B)を該各スタンド2a間の略中央位置(M)、(M)に位置させて設けた構成である。
【0024】
上記により、機体1aをリフトアップ時に、該各スタンド2aに掛かる荷重が同等になり、安全である。
車体水平機構を有する前記コンバイン1の走行車台2の車高上昇の上限を作業時と、洗車時とで切り換えする車高上限切り換えダイヤル7bを、図10で示すように、操作装置7の前右側部に設けた構成であり、該車高上限切り換えダイヤル7bの操作が、該操作装置7に内装した制御装置8内に入力され、この入力により、該走行車台2の車高上昇位置が作業状態位置、又は洗車状態位置へ自動移動制御される構成である。
【0025】
上記により、作業状態モード、及び洗車状態モードを容易に選択することができて、便利である。
前記操作装置7の主変速レバー7aのレバーガイド溝7cには、図11で示すように、規制ガイド部7dを設けると共に、該レバーガイド溝7cの右横側には、洗車範囲を示す矢印マーク7eと、該矢印マーク7eの右横側には、洗車範囲マーク7fとを貼付した構成である。
【0026】
洗車時に前記各走行クローラ5の回転速度が設定速度より、早い回転速度になると、洗車作業が危険であるが、前記の構成により、これを防止することができる。
前記走行車台2の前方部には、図1、及び図2で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド14、及び分草体15と、立毛穀稈を引起す各引起装置16と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置17の各掻込装置18と、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置19と、刈取りされた穀稈を挟持移送して、該脱穀装置10のフィードチェン11aと、挟持杆11bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置17の根元・穂先移送装置17a・17b等からなる刈取装置13を設けている。該刈取装置13は、油圧駆動による伸縮シリンダ13aにより、土壌面に対して昇降する。
【0027】
前記刈取装置13の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆13bの上端部に設ける支持パイプ杆13cを、走行車台2の上側面に設けた支持装置13dで回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ13aを作動させると支持杆13bと共に、刈取装置13が上下回動する。
【0028】
前記刈取装置13の穀稈掻込移送装置17によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置10への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ13eを設けている。
【0029】
前記穀粒貯留タンク12側の前部には、図1、及び図2で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置7と、操縦席8aとを設け、この操縦席8aの下側にエンジン3を載置している。
【0030】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース8b内の伝動機構8cの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ8dを設けている。
【0031】
前記穀粒貯留タンク12内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク12の後側には、図1、及び図2で示すように、縦移送螺旋12bを内装した排出支持筒12aを略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒12aの上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋12dを伸縮自在に内装した排出オーガ12cを伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】コンバインの右側全体側面図
【図2】コンバインの左側全体側面図
【図3】スタンド取付部の後部拡大側面図
【図4】走行装置の穀稈刈取作業時の側面図
【図5】走行装置の穀稈刈取作業時の正面図
【図6】走行装置にスタンド起立装着時の穀稈刈取作業時の側面図
【図7】走行装置にスタンド起立装着時の穀稈刈取作業時の正面図
【図8】走行装置のスタンド起立時の側面図
【図9】走行装置のスタンド起立時の正面図
【図10】操作装置の車高上限切換えダイヤル取付部の平面図
【図11】操作装置のレバーガイド溝部の平面図
【符号の説明】
【0033】
2 走行車台
3 エンジン
4 走行装置
5 走行クローラ
6 洗車設定手段
7 操作装置
8 制御装置
9 油圧式無段変速装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車台(2)の上側にエンジン(3)を搭載し、走行車台(2)の下側に油圧式無段変速装置(9)によって駆動される走行クローラ(5)を備えた走行装置(4)を設け、走行車台(2)の前部上側に洗車モードを設定する洗車設定手段(6)を備えた操作装置(7)を設け、油圧式無段変速装置(9)内の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン(3)を自動停止させる制御装置(8)を設けたことを特徴とするコンバインの走行制御装置。
【請求項1】
走行車台(2)の上側にエンジン(3)を搭載し、走行車台(2)の下側に油圧式無段変速装置(9)によって駆動される走行クローラ(5)を備えた走行装置(4)を設け、走行車台(2)の前部上側に洗車モードを設定する洗車設定手段(6)を備えた操作装置(7)を設け、油圧式無段変速装置(9)内の作動油圧が通常の走行負荷によって生じる圧力よりも高い圧力まで上昇すると、エンジン(3)を自動停止させる制御装置(8)を設けたことを特徴とするコンバインの走行制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−284806(P2009−284806A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140258(P2008−140258)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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