説明

コンバイン

【課題】簡単な構成で排藁を細断処理と結束処理とに切り替えるコンバインを提供する。
【解決手段】排藁搬送装置50が外側体(ガイド手段)52および内側体(ガイド手段)53を備え、内側体53が、結束機13bに排藁を供給する結束位置と、カッター13aに排藁を供給する細断位置との間で伸縮自在に構成される。そして、外側体52には、動滑車57と、コイルバネ(弾性部材)55と、ワイヤ54aと、ガイド紐(第1ガイド帯)58aと、ガイド紐(第2ガイド帯)58bとを備え、ガイド紐58aの、一端を内側体53の先端部に固設するとともに、中間部分を動滑車57に掛け回し、さらに他端を外側体52の先端部に固設して備える一方、ガイド紐58bの、一端を内側体53の後端部に固設するとともに、中間部分を動滑車57に掛け回し、さらに他端を外側体52の後端部に固設して備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排藁搬送手段と、排藁を排出前処理する第1排藁処理手段および第2排藁処理手段と、ガイド手段とを備え、ガイド手段が、第1排藁処理手段に排藁を供給する第1位置と、第2排藁処理手段に排藁を供給する第2位置との間で伸縮自在に構成されたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインは、脱穀後の排藁を搬送する排藁搬送手段と、その排藁搬送手段により搬送された排藁を細断するカッター(第1排藁処理手段)および排藁を結束する結束機(第2排藁処理手段)を備える排藁処理手段と、排藁搬送手段より搬送された排藁をカッターまたは結束機に向けて案内するガイド手段とを備える。
ガイド手段は、カッターに排藁を供給する第1位置と結束機に排藁を供給する第2位置との間で伸縮自在に構成されている。このガイド手段は、運転席付近に備える操作レバーにてワイヤおよび複数のリンク部材を介して操作するようになっている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−102564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来のコンバインでは、複数のリンク部材を備えるので部品点数が増加し構成が複雑になるという問題があった。
そこで本発明の目的は、簡単な構成のコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため請求項1に記載の発明は、脱穀後の排藁を搬送する排藁搬送手段と、
該排藁搬送手段により搬送された前記排藁を排出前処理する第1排藁処理手段および第2排藁処理手段とを備え、
前記排藁搬送手段が前記排藁を前記第1排藁処理手段および前記第2排藁処理手段に向けて案内するガイド手段を備え、
該ガイド手段が、前記第1排藁処理手段に前記排藁を供給する第1位置と、前記第2排藁処理手段に前記排藁を供給する第2位置との間で伸縮自在に構成されたコンバインにおいて、
前記ガイド手段が、外側体と、該外側体に内設され、該外側体に対して伸縮自在に備える内側体とを備え、
前記外側体が、
前記内側体の伸縮方向に移動自在の動滑車と、
該動滑車を前記内側体の伸張方向に付勢する弾性部材と、
前記動滑車を前記内側体の短縮方向に引っ張る張緩自在のワイヤと、
前記動滑車の前記短縮方向への移動を伝達し、前記内側体を短縮方向に移動させるための第1ガイド帯と、
前記動滑車の前記伸張方向への移動を伝達し、前記内側体を伸張方向に移動させるための第2ガイド帯とを有し、
前記第1ガイド帯の、一端を前記内側体の先端部に固設するとともに、中間部分を前記動滑車に掛け回し、さらに他端を前記外側体の先端部に固設して備える一方、
前記第2ガイド帯の、一端を前記内側体の後端部に固設するとともに、中間部分を前記動滑車に掛け回し、さらに他端を前記外側体の後端部に固設して備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記第1排藁処理手段が前記排藁を細断する排藁細断手段であるとともに、前記第2排藁処理手段が前記排藁を結束する排藁結束手段であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記動滑車の円周に2条の溝を備え、該各溝に前記第1ガイド帯と前記第2ガイド帯をそれぞれ掛け回すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、脱穀後の排藁を搬送する排藁搬送手段と、その排藁搬送手段により搬送された排藁を排出前処理する第1排藁処理手段および第2排藁処理手段とを備え、排藁搬送手段が排藁を第1排藁処理手段および第2排藁処理手段に向けて案内するガイド手段を備え、そのガイド手段が、第1排藁処理手段に排藁を供給する第1位置と、第2排藁処理手段に排藁を供給する第2位置との間で伸縮自在に構成されたコンバインにおいて、ガイド手段が、外側体と、その外側体に内設され、その外側体に対して伸縮自在に備える内側体とを備え、外側体が、内側体の伸縮方向に移動自在の動滑車と、その動滑車を内側体の伸張方向に付勢する弾性部材と、動滑車を内側体の短縮方向に引っ張る張緩自在のワイヤと、動滑車の短縮方向への移動を伝達し、内側体を短縮方向に移動させるための第1ガイド帯と、動滑車の伸張方向への移動を伝達し、内側体を伸張方向に移動させるための第2ガイド帯とを有し、第1ガイド帯の、一端を内側体の先端部に固設するとともに、中間部分を動滑車に掛け回し、さらに他端を外側体の先端部に固設して備える一方、第2ガイド帯の、一端を内側体の後端部に固設するとともに、中間部分を動滑車に掛け回し、さらに他端を外側体の後端部に固設して備えるので、ワイヤを引っ張ることによって動滑車を短縮方向に移動させ、その動滑車の移動を第1ガイド帯を介して内側体に伝達させるとともに、ワイヤを緩め弾性部材によって動滑車を伸張方向に移動させ、その動滑車の移動を第2ガイド帯を介して内側体に伝達させることができる。
したがって、従来のような複数のリンク部材を組み合わせる必要がなく、簡単な構成のコンバインを提供することができる。
加えて、動滑車を介しているので、内側体は動滑車の移動距離の2倍移動することができ、動滑車の移動スペースを低減することができるとともに、効率的な操作をすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第1排藁処理手段が排藁を細断する排藁細断手段であるとともに、第2排藁処理手段が排藁を結束する排藁結束手段であるので、簡単な構成のガイド手段を用いて排藁をガイド可能とし、ガイド手段のトラブルなく、正確に所望の排藁細断手段または排藁結束手段に排藁を供給することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、動滑車の円周に2条の溝を備え、その各溝に第1ガイド帯と第2ガイド帯をそれぞれ掛け回すので、動滑車が作動中に2つのガイド帯が絡み合うトラブルを防止することができる。したがって、作業を停止させることなく、効率的な作業をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1はこの発明の一例としてのコンバインの右側面図、図2は図1のコンバインの左側面構成図、図3は穀稈搬送装置の側面図、図4は脱穀部および選別部の左側面模式図、図5はエンジンから排出オーガまでの動力伝達経路を示す模式図である。
【0012】
符号1は左右一対の走行クローラ2を装設する左右一対のトラックフレーム、符号3は前記左右トラックフレーム1に架設する機台、符号4はフィードチェーン49を左側に張架し扱胴6及び処理胴を内蔵している脱穀機である脱穀部、符号7は引起機構8及び刈刃9及び収穫物搬送手段10などを備える刈取部、符号13は排藁チェーン終端を臨ませる排藁処理部、符号15は脱穀部4からの籾を揚穀筒を介して搬入するグレンタンク、符号17はグレンタンク15の籾を機外に搬出する排出オーガ、符号19は運転操作ハンドル、符号20は運転席、符号21は運転席20下方に設けるエンジンであり、これらによりコンバイン30が連続的に稲(農作物)を刈取って脱穀するように構成されている。なお、符号28はコンバイン30の車速や刈取状況などを総合表示する表示部である。また、運転席20の周辺には後述する排藁搬送装置(排藁搬送手段)の操作レバーが設けられている。
【0013】
機台3の後部にはグレンタンク15内の籾を外部へ排出するための排出オーガ17の縦オーガ23が立設されており、縦オーガ23を中心としてグレンタンク15が左右回動可能に設けられて、グレンタンク15の前側を外方に回転させて開放可能に構成されている。グレンタンク15に隣接して、籾の水分を計測する水分センサ(計測部)24が配設され、一定間隔で収穫した籾の水分量を計測して、平均水分量(収穫情報)を算出する。
また、グレンタンク15と機台3との間には籾の重量(収穫情報)を計測する重量センサ(計測部)25が配設される。なお、この例では重量センサ25にロードセルを使用している。さらに、機台3後部には、脱穀部4に連続して穀稈搬送装置(後述、符号40)が内設されている。
【0014】
刈り取られた穀稈は、収穫物搬送手段10にて後部へ搬送され、収穫物搬送手段10の上端から株元側が穀稈搬送装置のフィードチェーン49に受け継がれ、扱胴供給始端部を介して脱穀部4および選別部からなる脱穀装置内に穀稈が搬送される。そして、フィードチェーン49後端には排藁搬送チェーンを備える排藁搬送装置(後述、符号50)が配設され、排藁搬送チェーン後部下方にはカッター(第1排藁処理手段:穀稈細断手段),結束機(第2排藁処理手段:穀稈結束手段)等からなる排藁処理部が形成され、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出し、或いは切断せずに放出するようにしている。
【0015】
脱穀部4は、コンバイン30の進行方向左側に配置され、脱穀部4の右側には選別後の精粒を貯留するグレンタンク15が配設されている。そして、グレンタンク15の前方には運転席20が配設されている。つまり、運転席20は機体の進行方向右前方に配置されている。一方、グレンタンク15の後方には排出オーガ17の縦オーガ23が立設され、縦オーガ23を中心にして排出オーガ17及びグレンタンク15が側方へ回動可能とし、グレンタンク15を側方へ回動することにより機体内側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。
【0016】
そして、グレンタンク15の底部には排出コンベアが前後方向に配設され、排出コンベア16の後部が縦オーガ23の下部に連通されるとともに、排出コンベア16後部から排出オーガ17に動力が伝達されて、排出オーガ17先端よりトラック等へグレンタンク15内の穀粒を排出できるようにしている。更に、脱穀部4の下方には、選別部130が配設され、脱穀部4から流下する穀粒や藁屑等から穀粒を選別し、精粒をグレンタンク15に搬送したり、藁屑等を機外に排出したりグレンタンク15に搬送するようにしている。
【0017】
図3には、穀稈搬送装置40付近の左側面図を示す。
穀稈搬送装置40は、上述の脱穀部4において、刈り取った穀稈の一端(株元側)を挟扼しながら搬送するためのものであり、刈取部7で刈り取った穀稈を排藁搬送装置の排藁搬送チェーン51まで搬送するフィードチェーン49と、フィードチェーン49上方に配設され、搬送されている穀稈を挟扼する挟扼杆41と、挟扼杆41を本機側に対して弾性支持する複数の弾性支持体42等とから構成されている。
【0018】
この穀稈搬送装置40においては、対向配置される挟扼杆41とフィードチェーン49とによって、刈取部7で刈り取った穀稈の株元側を挟扼し、扱室内の扱胴6によって脱穀する構成となっており、この挟扼杆41とフィードチェーン49とが対向した部分を搬送経路としている。そして、脱穀部4にて脱粒された排藁は、フィードチェーン49の後端部(下流側端部)において、排藁搬送装置の排藁搬送チェーン51へと受け継がれ、この排藁搬送チェーン51によって排藁処理部13へと搬送される。
【0019】
挟扼杆41は、扱室カバー4aの機体進行方向左側端部においてステー43等によって固設される支持杆44と、支持杆44に複数の弾性支持体42を介して弾性支持されて設けられている。この挟扼杆41は、フィードチェーン49に沿うように左右平行状に一対の板状部材が配置された形状となっており、フィードチェーン49による搬送方向断面視逆U字状に形成されている。
【0020】
支持杆44は、中空の柱状部材であり、扱室カバー4a内左側において前後方向に長く、挟扼杆41と並列的に配置されるように形成されている。そして、この支持杆44の側面には一定間隔ごとに弾性支持体42がその上部が支持されるとともに配設され、これら弾性支持体42の下部に挟扼杆41が弾性支持されている。この弾性支持体42の下部は、挟扼杆41に連結ピンで枢支されており、弾性支持体42の上部は支持杆44よりも上方に延出されている。
【0021】
次に、脱穀部4について図4を用いて説明する。
脱穀部4に形成された扱室121には、機体の前後方向に軸架された略円柱形状の扱胴6が設けられ、扱胴6の外周面には複数の扱歯122aが植設されている。そして、扱胴6の下部周辺を覆うように半円形状の受網123が着脱可能に周設されている。一方、フィードチェーン49により、穀桿の株元側が拘束されつつ、穀桿の先端側が扱胴6の下方に挿入されて穀稈が機体後方に搬送される。このとき、扱胴6の回転により脱粒が行われ、受網123から穀粒や藁屑等が漏下するようにしている。
【0022】
扱室121を被覆する扱室カバー121aの内周面には送塵弁124が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されている。そして、送塵弁124を回動操作することにより、穀稈が扱室121内を移動する時間を穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて調整することを可能としている。
【0023】
そして、扱胴6の後部の側方(グレンタンク15側、本実施例では機体進行方向右側)から後方には、処理室125が形成され、処理室125内には略円柱形状に構成した送塵口処理胴126が扱胴6と平行となるように、扱胴6の後部の側方で前後方向に横架・軸支されている。また、扱胴6を覆って扱室121を形成する扱胴ケースの後部(右)側面、及び、送塵口処理胴126を覆って処理室125を形成する処理胴ケースの前部(左)側面には送塵口127が開口され、扱室121と処理室125が連通されている。そして、送塵口処理胴126の下部周辺を覆うように半円形状の処理胴網128が周設されている。こうして、扱胴6で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物は、送塵口127より処理室125内に搬送されて処理され、処理胴網128に設けられた孔(網目)を通過して処理物のみが漏下するようにしている。
【0024】
また、送塵口処理胴126の後端部の外周面には前後に長い板体より成る羽体126aが固設されている。羽体126aは、送塵口処理胴126と一体的に回転し、送塵口処理胴126により処理室125後方まで搬送されてきた藁屑は羽体126aの回転によって跳ね飛ばされ、送塵口処理胴126の下方に排出され、図示せぬガイド板によって機体外部に案内される。
【0025】
処理胴網128の下方には、送塵搬送コンベア129が前後方向に軸架されている。送塵搬送コンベア129はスクリュー式のコンベアであり、送塵搬送コンベア129によって、処理胴網128に設けられた孔(網目)を通過して下方に落下してきた処理物は、機体前方(すなわち、送塵口処理胴126の搬送方向とは逆の方向)に向かって搬送されて、送塵搬送コンベア129前端に設けられた排塵口129aより選別部130に再投入される。
【0026】
そして、扱胴6の後方には出口仕切板152が配設され、出口仕切板152の下部であって扱胴受網123の延長線上後方には篩分装置120が配設されて、稈切れの防止が図られている。
【0027】
続いて、選別部130について説明する。
選別部130においては、揺動選別装置131による揺動選別と唐箕132による風選別とが行われ、一番物と二番物と藁屑等に分別される。
【0028】
揺動選別装置131は機枠133内に収納される。揺動選別装置131の前端部は扱胴6の前端部の下方まで延出され、揺動選別装置131の後端部は送塵口処理胴126後端部の下方まで延出されるように揺動選別装置131の前後長さが定められている。そして、揺動選別装置131前下部には図示せぬ揺動軸が設けられるとともに、後部には揺動駆動機構134が設けられ、揺動駆動機構134によって揺動選別装置131が機枠133に対して揺動するように構成されている。なお、揺動駆動機構134の後下方には燃料タンク(不図示)が配置されている。
【0029】
揺動選別装置131の前部には前流穀板135が設けられるとともに、前流穀板135の後下方に後流穀板136が設けられる。前後の流穀板135・136は板状の部材を波形に成形したものであり、受網123を通過した処理物(穀粒および藁屑等との混合物)は前後の流穀板135・136上に落下し、揺動選別装置131の揺動により機体後方に搬送される。そして、後流穀板136後部には、第二選別部である網状のグレンシーブ137が連設されるとともに、グレンシーブ137と後流穀板136の上方、かつ前流穀板135の後方には、第一選別部であるチャフシーブ138が被装されている。チャフシーブ138の後方には、ストローラック139が配設される。
【0030】
チャフシーブ138は複数のチャフフィンから構成され、投入される処理物の量に応じてチャフフィンの開度を調節することが可能としている。すなわち、チャフフィンの上下一側端部が揺動選別装置131に枢支されて、チャフシーブ138左右両側に設けられた揺動板に枢結され、また、他側端部がチャフシーブ138左右両側に設けられた摺動板に枢結されている。揺動板は揺動選別装置131と一体的に揺動され、また、摺動板には調節レバーが枢結されており、調節レバーに連結されたワイヤの弛緩又は牽引により摺動板が前後に摺動される。調節レバーは、ワイヤと反対側に設けられたバネによって各チャフフィンの傾斜角を小(寝かせる)とする方向に付勢されている。
【0031】
そして、摺動板の摺動によりチャフフィンの角度が変更され、チャフフィンの傾斜角を大(立てる)とさせるとき、チャフシーブ138の開度を大として穀粒の漏下量を増大させ、各チャフフィンの傾斜角を小(寝かせる)とさせるときチャフシーブ138の開度を小として穀粒の漏下量を減少させるように構成している。
【0032】
こうして、穀粒および細かい藁屑はチャフシーブ138を通過して下方に落下し、チャフシーブ138の開口よりも大きい藁屑等は後方に搬送される。このとき、チャフシーブ138とグレンシーブ137との間には唐箕132により選別部130の前方から後方への気流が発生しており、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて穀粒と分離される。
【0033】
出口仕切板152には排稈口152aが形成されており、出口仕切板152は排稈口152aを囲む形状に形成されて、排稈口152aの下方にも出口仕切板152が存在している。そして、出口仕切板152の排稈口152aの下方に位置する部分に篩分装置120が取り付けられている。
【0034】
篩分装置120は側面視において扱胴6と吸引ファン140の間であって、送塵口処理胴126の側方、且つチャフシーブ138を備えた揺動選別装置131の上方に配設されている。そして、篩分装置120は扱胴6の下後端の直ぐ後方に配置されて、扱胴6下方の風路を抜けた選別風が、それよりも広い風路に出るところに位置している。
【0035】
以上のように構成される揺動選別装置131は、後部カバーを上方に回動させ、排藁処理部13の左右一側を中心に後側方へ回動させて脱穀部4および選別部130の後部を開放し、選別部後カバー240を取り外して揺動選別装置131を後方に引き抜いて脱着できるように構成されて、簡易にメンテナンスが行える仕組みとなっている。
【0036】
また、揺動選別装置131の前流穀板135後部下方かつ後流穀板136前部下方に唐箕132が配置され、チャフシーブ138やグレンシーブ137に選別風を送風するようにしている。さらに、一番コンベア141と二番コンベア142との間にも副圧送ファンであるセカンドファン143が設けられて選別風を送風し、唐箕132による選別風の風力が弱まる選別部130後部においても風選別による選別性能が低下しないようにしている。
【0037】
そして、揺動選別装置131の後端部近傍には吸引ファン140が全幅に横設され、唐箕132、セカンドファン143から供給される選別風の流れに乗ってきた塵埃や脱穀時に発生する塵埃等を、吸引ファン140により吸引して機外へと排出するようにしている。なお、吸引ファン140はファンケーシング261および下案内板266によって覆われている。
【0038】
また、揺動選別装置131上には、脱穀部4や選別部130等より送られてくる排藁が溜まったり、詰まったり、固着したりする場合があるので、排藁などの塵を除去したり、調整したりする等、メンテナンスを行う必要がある。
【0039】
メンテナンス時には、通常揺動選別装置を機枠外に取り出し、機体の外部でメンテナンスを行うが、この揺動選別装置を取り出すためには、機体後部の排藁処理部を後方へ回動して後面を開放し、揺動選別装置を後方へ引き出していた。そこで、下案内板266が邪魔にならないように、下案内板266を上方へ回動できるようにしている。
【0040】
また、揺動選別装置131下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア141と二番コンベア142とが横設される。一番コンベア141と二番コンベア142との位置関係は、一番コンベア141が唐箕132に近い側(機枠133の前部)、二番コンベア142が唐箕132から遠い側(機枠133の後部)となる。
【0041】
一番コンベア141の右端部にはその長手方向(搬送方向)が略上下方向となるように設けられた揚穀コンベア144が連結され、揚穀コンベア144の上端はグレンタンク15内と連通している。
【0042】
選別部130内に投入され、前流穀板135上に漏下された穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、チャフシーブ138上に漏下される過程で唐箕132により発生する選別部130の前方から後方への気流により、細かい藁屑の一部が後方へ吹き飛ばされる。チャフシーブ138上に漏下した穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、揺動選別装置131の揺動により、後方に搬送される、このとき、穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等はチャフシーブ138の開口部より下方に落下し、大きい藁屑はチャフシーブ138後方まで搬送され、ストローラック139を経て機外に排出される。
【0043】
チャフシーブ138の開口部より下方に落下した穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等は後流穀板136およびグレンシーブ137上に漏下される。このときにも唐箕132からの選別風により、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて分離される。
【0044】
グレンシーブ137上に漏下された穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等のうち、穀粒、未熟穀粒、細かい藁屑等はグレンシーブ137を通過して下方に落下する。このとき、重量が大きい穀粒(一番)は一番回収部146(流穀板145の後方に設けられた選別部130底面の窪みであり、一番コンベア141が収容されている)に回収され、一番コンベア141から揚穀コンベア144を経て、グレンタンク15に搬送される。
【0045】
一方、重量が小さい未熟穀粒や細かい藁屑の一部や穂切り粒や穀粒等が混じった未処理粒は、唐箕132からの選別風により後方に吹き飛ばされ、二番回収部147(一番回収部146の後方に設けられた選別部130底面の窪みであり、二番コンベア142が収容されている)に回収され、二番コンベア142から二番還元コンベア148を経て、枝梗処理胴149に搬送され、枝梗処理胴149により枝梗が除去された後、前流穀板135上(またはチャフシーブ138上)に再投入される。
【0046】
次に、脱穀部4の扱胴供給始端部280について説明する。
扱胴供給始端部280は扱室121の入口側で、揺動選別装置131の前上方に形成されている。扱胴供給始端部280には、側面視において扱胴6下部に周設される受網123の前端から前方へ延設される供給案内板281や下面及び前面で穀稈を案内する上部案内板282が備えられるとともに、扱胴6の回転軸に動力を伝達するプーリ等が収納されている。
【0047】
供給案内板281は、機枠133に固定保持されている。供給案内板281は鉄板や弾性体等で構成されており、扱胴6の外周形状に合わせて左右方向に緩やかに湾曲されて、正面視樋状に形成されている。そして、側面断面視において、供給案内板281は前部が後下がりの傾斜部として穀粒等が後方の扱室121(脱穀部4)に流れやすくし、後部は受網123前部と連結するために扱胴6の外周面と略平行(同心円)に構成して、下端においては水平となるようにしている。
【0048】
上部案内板282は、フィードチェーン49により搬送される穀稈を扱胴6の下部へ導くようにして、穀稈が扱胴6の回転軸等に絡まることを防止している。また、上部案内板282は扱室121のフレームに固定されて、不安定にならないようにしている。
【0049】
このように供給案内板281と上部案内板282とで形成される扱胴供給始端部280の穀稈案内構造は、正面視において略「コ」字形状にフィードチェーン49側の側方を開口して形成され、フィードチェーン49等からなる穀稈搬送装置40によって機体後部へ搬送される穀稈を供給案内板281と上部案内板282の間に案内して滞りなく脱穀部4へ搬送できるようにしている。
【0050】
扱胴供給始端部280であって、フィードチェーン49と左右逆側(進行方向右側)の扱室121内側面には、飛散防止用ガイドとして送りガイドとリード板284とが設けられている。より詳しくは、扱胴供給始端部280の正面視「コ」字状開口の奥側(閉側)の扱室121内の前部には、板状部材で構成した送り込み用リード板284と、リード板284の側方位置で凸上に構成した送りガイドが設けられ、該送りガイドとリード板284は供給案内板281の後部上方であって、上部案内板282の外枠と受網123の外枠との間に形成される樋状の連結部上に設けられている。
【0051】
送りガイドは略三角錐状で上部案内板282と連結部の隅部に跨がり扱胴6側に膨出して設けられ、穀稈の穂先を扱胴6側に案内し、扱胴供給始端部280側へ逆流しないように案内している。そして更に、該送りガイドの扱室121内面上方に連続してリード板284が設けられ、受網123の上前方に配設されている。リード板284は、扱室121上部の内周面に配置された送塵弁124の傾斜に略合わせるように設けられており、リード板284の板面の延長方向が送塵弁124の板面に向けられている。こうして、扱胴6によって脱穀されるように穂先を扱室121内でフィードチェーン49と略直角方向になるようにリード板284により揃えるとともに、脱穀時に発生する藁屑等や脱粒された籾等を送塵弁124と平行に流れるよう案内している。そして、従来、扱胴供給始端部280側へ飛散していた藁屑等を扱室121内へ戻すことで、ロスの減少を図るようにしている。
【0052】
リード板284は、鉄板等の板状部材で構成されており、扱室121内の圧力によって変形しないように強度及び、耐磨耗性等を考慮して構成されている。そして、リード板284は、L字状に屈曲されて、扱室121の内周面に対して垂直に立設されている。リード板284の底面の固定部はボルト等で扱室121の内側面に締結されて、着脱可能に構成されている。このため、万一、リード板284が破損した場合等、容易に取り替え作業を行うことができ、メンテナンス性を向上できる。
【0053】
このように、脱穀部4の扱胴供給始端部280であって、フィードチェーン49と反対側の扱室121内側面にリード板284を配置することで、扱室121内の藁屑等が扱胴供給始端部280へ飛散することを防止して、送塵弁124側へ案内して扱室121の終端部側へ案内することができるのである。そして、従来扱胴供給始端部280へ飛散していた穀粒等を回収することができ、ロスを減少することができるのである。
【0054】
ここで、エンジン21からグレンタンク15および排出オーガ17への駆動力伝達経路について、図5を用いて説明する。
エンジン21の前方出力軸21aは、走行クローラ2を駆動するための走行用ミッションケースの入力軸と連結され、走行クローラ2へ駆動力を伝達する。一方、後方出力軸21bには、脱穀部4や選別部130へ駆動力を伝達するためのプーリ62と、グレンタンク15および排出オーガ17へ駆動力を伝達するためのプーリ63とが嵌設されている。プーリ62は、カウンターケース108から突出する入力軸108aに固設された入力プーリ109にVベルト110を介して連結され、カウンターケース108の入力軸108aにエンジン21の駆動力の一部が伝達されるようにしている。こうして、エンジン21からの動力をカウンターケース108を介して各処理系に伝達し、扱胴6や唐箕132、一番コンベア141、フィードチェーン49、刈取部7の搬送装置や刈刃9等を駆動可能としている。カウンターケース108は各処理系へ適正速度を分配可能とするものであり、エンジン21の左側方、且つ脱穀部4の前方に配設されている。
【0055】
また、グレンタンク15の底部前面はエンジン21の略後方に位置し、グレンタンク15の底部前壁面には駆動部となる駆動ケース64が配設されている。そして、駆動ケース入力軸65が駆動ケース64から機体前方へ突出し、駆動ケース入力軸65の前端にはプーリ66が嵌設される。
【0056】
後方出力軸21b後端に嵌設されたプーリ63と、駆動ケース入力軸65前端に嵌設されたプーリ66とにVベルト67が巻回され、エンジン21の駆動力の一部が駆動ケース64の入力軸65に伝達される。
【0057】
また、プーリ63とプーリ66の間には、Vベルト67のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ68が設けられ、駆動力を駆動ケース64より下流側へ伝達・遮断可能に構成される。
【0058】
駆動ケース64内には互いに噛合する平歯車69a・69bが収納されており、平歯車69aは駆動ケース64に軸支された前記入力軸65の後端に外嵌固定され、平歯車69bは排出コンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸70に外嵌固定される。
【0059】
排出コンベア16の後端にはベベルギア71が嵌設され、縦オーガ23内のスクリュー式の縦送りコンベア72下端に嵌設されたベベルギア73と噛合している。一方、縦送りコンベア72上端にはベベルギア74が嵌設され、ベベルギア74と噛合するベベルギア75、チェーンやスプロケットを内設する中間ケース76、続いてベベルギア77・78を経て排出オーガ17内のスクリュー式の横送りコンベア79を回転駆動する。
【0060】
このように構成することにより、グレンタンク13に貯溜された穀物は排出コンベア16により後方に搬送され、グレンタンク13後方に位置する縦オーガ15aを経て、穀粒排出オーガ15先端から強制的に排出される。
【0061】
図6は排藁搬送装置の側面図、図7(a)は図6のA矢視断面図、図7(b)は図6のB矢視断面図、図8(a),(b)は動滑車57付近の概略側面図である。
排藁搬送装置(排藁搬送手段)50は、排藁搬送チェーン51と、ケース状の外側体52と、外側体52内をX位置からY位置までスライド自在に出入する内側体53とを備える。
外側体52はケース状に形成され、内部に動滑車57をスライド自在に備える。動滑車57は取付板57dに軸57cを介して支持され、取付板57dは摺動台60上を摺動する。この摺動台60は不図示のステーなどを介して外側体52の内側に固設されている。また、内側体53を載置するローラ59および動滑車57と、ガイドベルト58aの他端を固定するピン56b、ガイドベルト58bの他端を固定するピン56a、動滑車57を図6中右向き(内側体53の伸張方向)に付勢するコイルバネ(弾性部材)55と、コイルバネ55の中心に貫通させたワイヤ54a、ワイヤ54aの先端を動滑車57に固定する取付板57d、取付板57dを動滑車57に固定する軸57cなどを備える。
【0062】
内側体53は鋼製の角筒状に形成された内側体本体53cと、内側体本体53cの先端に形成されたピン53a、後端に形成されたピン53bなどから構成されている。ピン53aはガイドベルト58aの一端を固定するものであり、ピン53bはガイドベルト58bの一端を固定するものである。
動滑車57の外周には2条の溝57a,57bが形成されている。また、動滑車57は軸57cの回りに回転自在に形成されている。
そして、動滑車57に2本のガイドベルト(第1ガイド帯,第2ガイド帯)58a,58bをそれぞれ溝57a,57bに巻き回して備える。
外側体52は支持棒52a,52bを介してコンバイン30の機体に適宜固定されている。
【0063】
取付板57dの後端には貫通孔が形成されその貫通孔にはピン57eが貫入されている。ピン57eにはワイヤ54aの先端が固定されている。
外側体52の内側には、ローラ59を回転自在に設ける。このローラ59の外周には1条の溝が設けられており、その溝には、ガイドベルト58aが配置されるようになっている。また、ピン56a,56bが固設されている。
そして、ガイドベルト58aの先端を内側体53のピン53aに取り付けるとともに中間部分を動滑車57の溝57aに掛け回し、さらにガイドベルト58aの後端をピン56bに取り付ける。また、ガイドベルト58bの先端を内側体53のピン53bに取り付けるとともに中間部分を動滑車57の溝57bに掛け回し、さらにガイドベルト58bの後端をピン56aに取り付ける。
【0064】
なお、ローラ59および動滑車57上端には内側体53が載置するようになっている。また、内側体53および外側体52上方に近接して排藁搬送チェーン51が設けられている。
【0065】
さらに、ワイヤ54aは外側体52外では被覆部材54に覆われており、運転席近傍の操作レバーと連結するように構成される。
符号48はフィードチェーン49によって搬送される排藁をガイドする案内棒である。
また、動滑車57、ローラ59およびガイドベルト58a,58bはケース状の外側体52に覆われているので、排藁の砕片などが詰まって内側体53の動きを鈍くすることがない。
【0066】
次に、上述のように構成されたコンバイン30の排藁搬送装置の作用を図6〜8を参照しつつ、図9(a),(b)を用いて説明する。
図9(a)は、結束機(排藁結束手段)13bにて排藁を束ねた後、コンバイン30機外へ排出する場合または、排藁をそのままコンバイン30機外へ排出する場合の結束・排出モードを示す図である。一方、図9(b)は、カッター(排藁細断手段)13aにて排藁をカットした後、コンバイン30機外へ排出する場合の細断モードを示す図である。
【0067】
排藁を結束・排出モードにて処理するときは、運転席20にある操作レバーを操作して、ワイヤ54aを緩める。すると、動滑車57がコイルバネ55の力によって図8(b)の状態から図8(a)の状態へと移動する。このとき、動滑車57の右側に掛け回されたガイドベルト58bがピン53bを介して内側体53の後端を伸張方向に引っ張る。これにより、図9(a)のように内側体53がX位置まで伸張した状態となり、結束・排出位置(第2位置)となる。そして、排藁搬送チェーン51と内側体53との間に挟まれて搬送されてきた排藁が、内側体53の先端付近から落下して排藁処理部13にある結束機13bによって結束された後、機外へ排出されるか、そのまま排出される。
【0068】
排藁を細断モードにて処理するときは、運転席にある操作レバーを操作して、ワイヤ54aを引っ張る。すると、動滑車57がコイルバネ55の力に抗して、図8(a)の状態から図8(b)の状態へと移動する。このとき、動滑車57の左側に掛け回されたガイドベルト58aがピン53aを介して内側体53の先端を短縮方向に引っ張る。
これにより、図9(b)のように内側体53がY位置まで短縮した状態となり、細断位置(第1位置)となる。
そして、排藁搬送チェーン51と内側体53との間に挟まれて搬送されてきた排藁が、内側体53の先端付近から落下して排藁処理部13にあるカッター13aに落下して細断された後、機外へ排出される。
【0069】
なお、図9(a)の結束・排出モードから図9(b)の細断モードへと内側体53を移動するには、ワイヤ54aを引っ張って動滑車57を距離lだけ短縮方向に移動させる。すると、内側体53は2lだけ短縮方向にスライドして細断モードとなる。
同様に図9(b)の細断モードから図9(a)の結束・排出モードへと内側体53を移動するには、ワイヤ54aを緩めてコイルバネ55により付勢されて動滑車57を距離lだけ伸張方向に移動させる。すると、内側体53は2lだけ短縮方向にスライドして結束・排出モードとなる。
このように、内側体53は動滑車57の移動距離の2倍移動するので、ワイヤ54aを張緩させる距離を少なくすることができる。
【0070】
以上詳述したように、この発明のコンバイン30は、脱穀後の排藁を搬送する排藁搬送装置(排藁搬送手段)50と、排藁搬送装置50により搬送された排藁を排出前処理するカッター(第1排藁処理手段)13aおよび結束機(第2排藁処理手段)13bとを備え、排藁搬送装置50が排藁をカッター13aおよび結束機13bに向けて案内する外側体(ガイド手段)52,内側体(ガイド手段)53を備え、内側体53が、カッター13aに排藁を供給する細断位置(第1位置)と、結束機13bに排藁を供給する結束位置(第2位置)との間で伸縮自在に構成される。
【0071】
そして、外側体52には、内側体53の伸縮方向に移動自在の動滑車57と、動滑車57を内側体53の伸張方向に付勢するコイルバネ(弾性部材)55と、動滑車57を内側体53の短縮方向に引っ張る張緩自在のワイヤ54aと、動滑車57の短縮方向への移動を伝達し、内側体53を短縮方向に移動させるためのガイドベルト(第1ガイド帯)58aと、動滑車57の伸張方向への移動を伝達し、内側体53を伸張方向に移動させるためのガイドベルト(第2ガイド帯)58bとを備え、ガイドベルト58aの、一端を内側体53の先端部に固設するとともに、中間部分を動滑車57に掛け回し、さらに他端を外側体52の先端部に固設して備える一方、ガイドベルト58bの、一端を内側体53の後端部に固設するとともに、中間部分を動滑車57に掛け回し、さらに他端を外側体52の後端部に固設して備える。
【0072】
また、動滑車57の円周に2条の溝57a,57bを備え、その各溝57a,57bにガイドベルト(第1ガイド帯)58aとガイドベルト(第2ガイド帯)58bをそれぞれ掛け回す。
【0073】
なお、上記第1排藁処理手段および第2排藁処理手段はそれぞれカッター13a、結束機13bに限定されるものではなく、どのような排藁処理手段であってもよい。また、排藁処理部には、第1排藁処理手段および第2排藁処理手段に加えて別の排藁処理手段(例えば、排藁をそのまま機外へ排出するためのシュータなど)を備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】この発明のコンバインの一例を示す側面図である。
【図2】図1のコンバインの構成図である。
【図3】穀稈搬送装置の側面図である。
【図4】脱穀部および選別部の左側面模式図である。
【図5】エンジンから排出オーガまでの動力伝達経路を示す模式図である。
【図6】排藁搬送装置の側面図である。
【図7】(a)は図4のA矢視断面図、(b)は図4のB矢視断面図である。
【図8】動滑車の移動する様子を示す図であり、(a)は結束・排出モード、(b)は細断モードである。
【図9】内側体の移動する様子を示す図であり、(a)は結束・排出モード、(b)は細断モードである。
【符号の説明】
【0075】
1 トラックフレーム
2 走行クローラ
3 機台
4 脱穀部
5 フィードチェーン
6 扱胴
7 刈取部
8 引起機構
9 刈刃
10 収穫物搬送手段
13 排藁処理部
13a カッター(第1排藁処理手段)
13b 結束機(第2排藁処理手段)
15 グレンタンク
16 排出コンベア
17 排出オーガ
19 運転操作ハンドル
20 運転席
21 エンジン
23 縦オーガ
24 水分センサ
25 重量センサ
28 表示部
30 コンバイン
40 穀稈搬送装置
41 挟扼杆
42 弾性支持体
43 ステー
44 支持杆
48 案内棒
49 フィードチェーン
50 排藁搬送装置(排藁搬送手段)
51 排藁搬送チェーン
52 外側体
52a,52b 支持棒
53 内側体
53a,53b ピン
53c 内側体本体
54 被覆部材
54a ワイヤ
55 コイルバネ(弾性部材)
56a,56b ピン
57 動滑車
57a,57b 溝
57c 軸
57d 取付板
57e ピン
58a ガイド紐(第1ガイド帯)
58b ガイド紐(第2ガイド帯)
59 ローラ
60 摺動台
62,63,66 プーリ
64 駆動ケース
65 駆動ケース入力軸
67 Vベルト
68 オーガクラッチ
69a,69b 平歯車
70 コンベア駆動軸
71,73,74,75,77,78 ベベルギア
72 縦送りコンベア
76 中間ケース
79 横送りコンベア
108 カウンターケース
108a 入力軸
109 入力プーリ
120 篩分装置
121 扱室
121a 扱室カバー
122a 扱歯
123 受網
124 送塵弁
125 処理室
126 送塵口処理胴
126a 羽体
127 送塵口
128 処理胴網
129 送塵搬送コンベア
129a 排塵口
130 選別部
131 揺動選別装置
132 唐箕
133 機枠
134 揺動駆動機構
135 前流穀板
136 後流穀板
137 グレンシーブ
138 チャフシーブ
139 ストローラック
140 吸引ファン
141 一番コンベア
142 二番コンベア
143 セカンドファン
144 揚穀コンベア
146 一番回収部
147 二番回収部
148 二番還元コンベア
149 枝梗処理胴
152a 排稈口
240 選別部後カバー
261 ファンケーシング
266 下案内板
280 扱胴供給始端部
281 供給案内板
282 上部案内板
284 リード板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀後の排藁を搬送する排藁搬送手段と、
該排藁搬送手段により搬送された前記排藁を排出前処理する第1排藁処理手段および第2排藁処理手段とを備え、
前記排藁搬送手段が前記排藁を前記第1排藁処理手段および前記第2排藁処理手段に向けて案内するガイド手段を備え、
該ガイド手段が、前記第1排藁処理手段に前記排藁を供給する第1位置と、前記第2排藁処理手段に前記排藁を供給する第2位置との間で伸縮自在に構成されたコンバインにおいて、
前記ガイド手段が、外側体と、該外側体に内設され、該外側体に対して伸縮自在に備える内側体とを備え、
前記外側体が、
前記内側体の伸縮方向に移動自在の動滑車と、
該動滑車を前記内側体の伸張方向に付勢する弾性部材と、
前記動滑車を前記内側体の短縮方向に引っ張る張緩自在のワイヤと、
前記動滑車の前記短縮方向への移動を伝達し、前記内側体を短縮方向に移動させるための第1ガイド帯と、
前記動滑車の前記伸張方向への移動を伝達し、前記内側体を伸張方向に移動させるための第2ガイド帯とを有し、
前記第1ガイド帯の、一端を前記内側体の先端部に固設するとともに、中間部分を前記動滑車に掛け回し、さらに他端を前記外側体の先端部に固設して備える一方、
前記第2ガイド帯の、一端を前記内側体の後端部に固設するとともに、中間部分を前記動滑車に掛け回し、さらに他端を前記外側体の後端部に固設して備えることを特徴とする、コンバイン。
【請求項2】
前記第1排藁処理手段が前記排藁を細断する排藁細断手段であるとともに、前記第2排藁処理手段が前記排藁を結束する排藁結束手段であることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記動滑車の外周に2条の溝を備え、該各溝に前記第1ガイド帯と前記第2ガイド帯をそれぞれ掛け回すことを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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