説明

コンバイン

【課題】冷却ファンが起風したエンジン冷却風を脱穀部側に向けて排風するコンバインにおいて、手扱ぎ作業中の作業者に熱風状態のエンジン冷却風が当たることを防止する。
【解決手段】冷却ファン8が起風したエンジン冷却風を脱穀部3側に向けて排風するコンバイン1であって、該コンバイン1の手扱ぎ作業状態を判断すると共に、手扱ぎ作業状態であると判断したとき、脱穀部3側に向けたエンジン冷却風の排風を規制する。
具体的には、脱穀部3に設けられる手扱ぎスイッチ42が操作されたときや、脱穀動力を入り切りする作業機クラッチの入り状態において、茎稈を刈り取る前処理部2の高さが設定高さ以下で、かつ、走行機体の走行速度が設定速度以下のとき、手扱ぎ作業状態であると判断し、冷却ファン8の停止や、電動ファン12の逆転駆動により排風規制を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手扱ぎ作業が可能なコンバインに関し、特に、冷却ファンが起風したエンジン冷却風を脱穀部側に向けて排風するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のコンバインは、茎稈を刈り取る前処理部、刈り取った茎稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部、脱穀済みの排稈を後処理する後処理部、クローラ式の走行部、上記各部に動力を供給するエンジンなど備えて構成されている。このように構成されるコンバインでは、茎稈の刈り取りから排稈の後処理まで自動的に行われるが、手刈りした茎稈を脱穀する手扱ぎ作業も可能であり、通常、作業者が脱穀部の前部側方に立ち、脱穀フィードチェンの始端部に手刈り茎稈を手動供給することにより手扱ぎ作業が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−87130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一般的なコンバインでは、脱穀部の一側方にエンジンを配置し、冷却ファンが起風したエンジン冷却風を、ラジエータ及びエンジンを経由して脱穀部側に排風するように構成されているので、手扱ぎ作業中の作業者に熱風状態のエンジン冷却風が当たり、暑く感じられるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、冷却ファンが起風したエンジン冷却風を脱穀部側に向けて排風するコンバインであって、該コンバインの手扱ぎ作業状態を判断する手扱ぎ判断手段と、手扱ぎ作業状態であると判断したとき、前記脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制する排風規制手段とを備えることを特徴とする。このようにすると、冷却ファンが起風したエンジン冷却風を脱穀部側に向けて排風するコンバインであっても、手扱ぎ作業中は、脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風が規制されるので、手扱ぎ作業中の作業者に熱風状態のエンジン冷却風が当たることを防止できる。
また、前記手扱ぎ判断手段は、前記脱穀部に設けられる手扱ぎ作業用操作スイッチの操作にもとづいて手扱ぎ作業状態を判断することを特徴とする。このようにすると、手扱ぎ作業を容易かつ正確に判断し、手扱ぎ作業時におけるエンジン冷却風の排風を確実に規制できる。
また、前記手扱ぎ判断手段は、脱穀動力を入り切りする作業機クラッチの入り状態において、茎稈を刈り取る前処理部の高さが設定高さ以下で、かつ、走行機体の走行速度が設定速度以下のとき、手扱ぎ作業状態であると判断することを特徴とする。このようにすると、手扱ぎ作業用操作スイッチを備えないコンバインであっても、手扱ぎ作業を判断し、手扱ぎ作業時におけるエンジン冷却風の排風を規制できる。
また、前記排風規制手段は、前記冷却ファンを逆転駆動することにより、前記脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制することを特徴とする。このようにすると、比較的簡単な構成によって、脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制できる。
また、前記脱穀側排風規制手段は、前記冷却ファンを停止することにより、前記脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制することを特徴とする。このようにすると、比較的簡単な構成によって、脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図3において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈り取る前処理部2、刈り取った茎稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部3、オペレータが乗車する操作部4、クローラ式の走行部5などを備えており、操作部4の下方には、エンジンルーム6が構成されている。
【0006】
図4に示すように、エンジンルーム6内には、エンジン7と、該エンジン7の右側方に配置される冷却ファン8と、該冷却ファン8の右側方に配置されるラジエータ9と、該ラジエータ9の右側方に配置されるオイルクーラ11と、該オイルクーラ11の右側方に配置される電動ファン12とが設けられる。電動ファン12の右側方は、エンジンルーム6の吸気口13となっており、ここからエンジン冷却風が導入される。
【0007】
エンジンルーム6の吸気口13は、エンジンカバー14によって覆われている。エンジンカバー14は、フィルタとして機能する防塵網を有し、ここで濾過されたエンジン冷却風がエンジンルーム6内に導入される。このとき、エンジンルーム6内へのエンジン冷却風の導入は、主に冷却ファン8の回転駆動に応じて強制的に行われる。すなわち、冷却ファン8の回転駆動に応じて、機体右側方からエンジンルーム6内にエンジン冷却風を吸入し、このエンジン冷却風によってラジエータ9及びオイルクーラ11の冷却を行う。そして、ラジエータ9及びオイルクーラ11を通り抜けた熱風状態のエンジン冷却風は、エンジン7の側方を通り、エンジンルーム6の左側方へ排風される。そして、エンジンルーム6から排風されたエンジン冷却風は、コンバイン1の配置構成上、脱穀部3の前側や下側を通り、機体左側方に到達する。
【0008】
電動ファン12は、エンジン冷却風を吸入する冷却ファンとしても使用可能であるが、本実施形態では、主に、エンジンルーム6内の空気をエンジンカバー14を介して外部に送風する排気ファンとして用い、後述するタイミングで駆動される。また、図5に示すように、エンジン7側には、オルタネータ16と、ウォータポンプ(図示せず)が取り付けられており、オルタネータ16は、オルタネータプーリ17によって駆動され、ウォータポンプは、ウォータポンププーリ18によって駆動される。また、冷却ファン8は、ウォータポンププーリ18と同心のファンプーリ19によって駆動される。
【0009】
次に、ウォータポンプ、オルタネータ16、冷却ファン8の駆動構成について、図5〜図8を参照して説明する。これらの図に示されるように、エンジン7の出力軸21には、出力プーリ22が取り付けられており、該出力プーリ22、オルタネータプーリ17及びウォータポンププーリ18には、第一駆動ベルト23が懸回されている。この第一駆動ベルト23には、外側からテンションプーリ24が当接され、内側からテンションプーリ26が当接されている。
【0010】
テンションプーリ24は、出力軸21を支点として揺動自在なテンションアーム27に支持され、テンションプーリ26は、ウォータポンプの駆動軸を支点として揺動自在なテンションアーム28に支持されている。また、両テンションプーリ24、26の間には、両テンションプーリ24、26を連動して揺動させる連動機構が設けられており、テンションプーリ26の揺動に伴ってテンションプーリ24が連動的に揺動されるようにしている。この連動機構は、例えば、テンションアーム28と固定部材との間に設けられるテンションスプリング29と、テンションアーム28とテンションアーム27との間に設けられるテンションスプリング31と、テンションアーム28を揺動駆動させるテンションアーム駆動機構32とから構成される。
【0011】
テンションアーム駆動機構32は、減速機構付きの電動モータ33と、該電動モータ33によって揺動駆動される扇形ギヤ34と、該扇形ギヤ34に一体的に取り付けられたアーム36と、該アーム36とテンションアーム28とを連結するワイヤ37とから構成されている。テンションスプリング29は、テンションプーリ26が第一駆動ベルト23に当接する方向にテンションアーム28を付勢しており、テンションアーム駆動機構32は、テンションスプリング29の付勢力に抗してテンションアーム28を揺動駆動させることができる。
【0012】
テンションスプリング31は、一端がテンションアーム28に取り付けられているため、テンションアーム28を基準として、テンションプーリ24を第一駆動ベルト23に当接させる方向に付勢している。そして、図7に示す状態では、両テンションプーリ24、26の当接により第一駆動ベルト23のテンションが維持され、出力プーリ22からオルタネータプーリ17及びウォータポンププーリ18に動力が伝動され、オルタネータ16及びウォータポンプが駆動される。
【0013】
テンションプーリ26には、一体的に回転するファン出力プーリ38が並列状に連設されており、該ファン出力プーリ38とファンプーリ19との間に第二駆動ベルト39が懸回されている。これにより、図7に示すように、テンションプーリ26を第一駆動ベルト23に当接させると、テンションプーリ26が回転するだけでなく、ファン出力プーリ38及び第二駆動ベルト39を介してファンプーリ19が回転し、冷却ファン8が回転駆動される。
【0014】
一方、図8に示すように、電動モータ33を駆動し、テンションプーリ26を第一駆動ベルト23から離間させると、テンションプーリ26の回転停止に伴い、冷却ファン8の回転駆動が停止される。このとき、テンションアーム28の揺動に伴って、テンションスプリング31を介してテンションアーム27が揺動され、テンションプーリ24が第一駆動ベルト23にテンションを加える。これにより、第一駆動ベルト23の張力が保たれ、オルタネータ16及びウォータポンプの駆動が維持される。
【0015】
図1〜図3に示すように、脱穀部3の左側面部には、前後方向を向いて脱穀フィードチェン40が設けられており、該脱穀フィードチェン40によって搬送される茎稈が脱穀部3内の扱室で脱穀処理される。刈取走行中は、前処理部2で刈り取られた茎稈が自動的に脱穀フィードチェン40の始端部に供給されるが、手刈りした茎稈を手作業で脱穀フィードチェン40の始端部に供給する手扱ぎ作業も可能である。なお、脱穀部3は、脱穀した穀粒を選別し、穀粒タンク41に搬送する。本実施形態の穀粒タンク41には、排出オーガ41aが連結されており、該排出オーガ41aを介して穀粒の搬出が行われる。
【0016】
通常、手扱ぎ作業時は、図3に示すように、作業者が脱穀部3の前部側方に立ち、脱穀フィードチェン40の始端部に手刈り茎稈を手動供給する。このとき、機体は走行停止状態とし、脱穀動力を入り切りする作業機クラッチは入り状態とする。また、前処理部2の高さは、所定高さ以下(刈取作業高さ)とすることが好ましい。これは、前処理部2が上昇した状態では、前処理部2側の搬送機構が脱穀フィードチェン40の始端部に張り出し、茎稈を供給し難くなるからである。したがって、コンバイン1では、作業機クラッチの入り状態において、前処理部2の高さが設定高さ以下で、かつ、走行機体の走行速度が設定速度以下のときは、手扱ぎ作業状態である可能性が高い。
【0017】
本実施形態のコンバイン1は、脱穀部3の左側面部に手扱ぎスイッチ42を備える。手扱ぎスイッチ42は、手扱ぎモードを入り切りするための手扱ぎ作業用操作スイッチであり、手扱ぎモードでは、コンバイン1の各部が手扱ぎ作業に適した状態に自動調整される。例えば、エンジンが回転状態で、かつ、作業機クラッチ及び刈取クラッチが入りの状態で手扱ぎスイッチ42を操作すると、刈取クラッチが自動的に切られ、脱穀フィードチェン40が搬送駆動される。
【0018】
次に、コンバイン1の制御構成について、図9〜図12を参照して説明する。図9に示すように、コンバイン1には、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM、I/Oなどを含む)を用いて構成される制御部43が設けられている。制御部43の入力側には、前述した手扱ぎスイッチ42、作業機クラッチの入り切りを検出する作業機クラッチスイッチ44、前処理部2の高さを検出するリフトポテンショメータ45、機体の走行速度を検出するミッション回転センサ46、穀粒タンク41に貯溜された穀粒の排出操作を行う穀粒排出スイッチ47などが接続され、出力側には、前述した電動ファン12、電動モータ33などが接続されている。そして、制御部43は、予めROMに書き込まれた制御プログラムに従い、第一及び第二の排風規制制御(排風規制手段)、逆転ファン制御などの制御を実行する。
【0019】
図10に示すように、第一排風規制制御では、まず、手扱ぎスイッチ42の操作(OFF→ON)を判断する(S101)。手扱ぎスイッチ42が操作されたと判断した場合は、手扱ぎモードフラグを参照し(S102)、これがOFFのときは、手扱ぎモードフラグにONをセットし(S103)、ONのときはOFFをセットする(S104)。すなわち、手扱ぎモードフラグは、手扱ぎスイッチ42が操作される毎にON/OFFが反転される。手扱ぎモードフラグの反転処理後や、手扱ぎスイッチ42の非操作時においては、手扱ぎモードフラグのON/OFFを判断し(S105:手扱ぎ判断手段)、これがONのときは、電動ファン12が逆転中であるか否かを判断する(S106)。そして、これがNOの場合は、電動モータ33の駆動により冷却ファン8を回転停止状態にすると共に(S107)、電動ファン12を逆転駆動させる(S108)。また、手扱ぎモードフラグがOFFのときは、電動ファン12が正転中であるか否かを判断し(S109)、これがNOの場合は、電動モータ33の駆動により冷却ファン8を回転状態にすると共に(S110)、電動ファン12を正転駆動させる(S111)。
【0020】
このようにすると、冷却ファン8が起風したエンジン冷却風を脱穀部3側に向けて排風するコンバイン1であっても、手扱ぎ作業中は、脱穀部3側に向けたエンジン冷却風の排風が規制されるので、手扱ぎ作業中の作業者に熱風状態のエンジン冷却風が当たることを防止できる。また、脱穀部3に設けられる手扱ぎスイッチ42の操作にもとづいて手扱ぎ作業状態を判断するので、手扱ぎ作業を容易かつ正確に判断し、手扱ぎ作業時における脱穀部3に向けたエンジン冷却風の排風を確実に規制できる。しかも、電動ファン12を逆転駆動させるので、エンジンカバー14に付着した塵埃を積極的に除去し、エンジンカバー14の目詰まりを防止できる。
【0021】
図11に示すように、第二排風規制制御では、作業機クラッチの入り/切り(S201:手扱ぎ判断手段)、前処理部2の位置(S202:手扱ぎ判断手段)及び機体の走行速度(S203:手扱ぎ判断手段)を判断する。ここで、作業機クラッチが入りで、前処理部2が下降位置(設定高さ以下)で、かつ、機体が停止(設定速度以下)の場合は、手扱ぎ作業状態であると判断し、電動ファン12が逆転中であるか否かを判断する(S204)。そして、これがNOの場合は、電動モータ33の駆動により冷却ファン8を回転停止状態にすると共に(S205)、電動ファン12を逆転駆動させる(S206)。また、S201〜S203において手扱ぎ作業状態ではないと判断した場合は、電動ファン12が正転中であるか否かを判断し(S207)、これがNOの場合は、電動モータ33の駆動により冷却ファン8を回転状態にすると共に(S208)、電動ファン12を正転駆動させる(S209)。このようにすると、手扱ぎモード以外における手扱ぎ作業時も、脱穀部3に向けたエンジン冷却風の排風を規制できる。
【0022】
図12に示すように、逆転ファン制御では、まず、穀粒排出スイッチ47の操作信号などに基づいて、穀粒タンク41が穀粒排出中であるか否かを判断し(S301)、この判断結果がYESの場合は、逆転タイマをセットする(S302)。タイマセット後は、逆転タイマの残時間を判定し(S303)、残時間が0以外の場合は、電動ファン12が逆転中であるか否かを判断する(S304)。そして、これがNOの場合は、電動モータ33の駆動により冷却ファン8を回転停止状態にすると共に(S305)、電動ファン12を逆転駆動させる(S306)。また、逆転タイマの残時間が0の場合は、電動ファン12が正転中であるか否かを判断し(S307)、これがNOの場合は、電動モータ33の駆動により冷却ファン8を回転状態にすると共に(S308)、電動ファン12を正転駆動させる(S309)。このようにすると、穀粒排出中から穀粒排出後の所定時間に亘り、電動ファン12が逆転駆動されるので、エンジンカバー14に付着した塵埃を積極的に除去し、エンジンカバー14の目詰まりを防止できる。
【0023】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、冷却ファン8が起風したエンジン冷却風を脱穀部3側に向けて排風するコンバイン1であって、該コンバイン1の手扱ぎ作業状態を判断すると共に、手扱ぎ作業状態であると判断したとき、脱穀部3側に向けたエンジン冷却風の排風を規制するので、手扱ぎ作業中の作業者に熱風状態のエンジン冷却風が当たることを防止できる。
【0024】
また、本実施形態では、脱穀部3に設けられる手扱ぎスイッチ42の操作にもとづいて手扱ぎ作業状態を判断するので、手扱ぎ作業を容易かつ正確に判断し、手扱ぎ作業時における脱穀部3に向けたエンジン冷却風の排風を確実に規制できる。
【0025】
また、本実施形態では、脱穀動力を入り切りする作業機クラッチの入り状態において、茎稈を刈り取る前処理部2の高さが設定高さ以下で、かつ、走行機体の走行速度が設定速度以下のとき、手扱ぎ作業状態であると判断するので、手扱ぎスイッチが操作されない手扱ぎ作業時でも、脱穀部3側に向けたエンジン冷却風の排風を規制できる。
【0026】
また、本実施形態では、手扱ぎ作業状態と判断したとき、冷却ファン8を停止させるだけでなく、電動ファン12を逆転駆動させるので、エンジンカバー14に付着した塵埃を積極的に除去し、エンジンカバー14の目詰まりを防止できる。
【0027】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されないことは勿論であって、例えば、前記実施形態では、冷却ファン(エンジン動力で駆動されるファン)の停止及び電動ファン(モータ動力で駆動されるファン)の逆転により、脱穀部に向けたエンジン冷却風の排風を規制しているが、電動ファンを備えないコンバインでは、冷却ファンの停止又は逆転のみで、排風規制を行うようにしてもよい。また、冷却ファンを備えないコンバインでは、電動ファンの停止又は逆転のみで、排風規制を行うようにしてもよい。また、本発明に使用するファンの種類は、上記のものに限定されず、例えば、翼角度の変更により風向きを切換える可変翼ファンや、油圧で正逆転駆動する油圧モータファンを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】コンバインの右側面図である。
【図3】コンバインの平面図である。
【図4】エンジンルームの内部を示す要部背面図である。
【図5】エンジンルームの内部を示す要部右側面図である。
【図6】ウォータポンプ、オルタネータ及び冷却ファンの駆動構成を示す展開背面図である。
【図7】上記駆動構成の冷却ファン駆動状態を示す右側面図である。
【図8】上記駆動構成の冷却ファン停止状態を示す右側面図である。
【図9】コンバインの制御構成を示すブロック図である。
【図10】第一排風規制制御を示すフローチャートである。
【図11】第二排風規制制御を示すフローチャートである。
【図12】逆転ファン制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1 コンバイン
2 前処理部
3 脱穀部
7 エンジン
8 冷却ファン
9 ラジエータ
11 オイルクーラ
12 電動ファン
14 エンジンカバー
32 テンションアーム駆動機構
40 脱穀フィードチェン
42 手扱ぎスイッチ
43 制御部
44 作業機クラッチスイッチ
45 リフトポテンショメータ
46 ミッション回転センサ
47 穀粒排出スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ファンが起風したエンジン冷却風を脱穀部側に向けて排風するコンバインであって、該コンバインの手扱ぎ作業状態を判断する手扱ぎ判断手段と、手扱ぎ作業状態であると判断したとき、前記脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制する排風規制手段とを備えることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記手扱ぎ判断手段は、前記脱穀部に設けられる手扱ぎ作業用操作スイッチの操作にもとづいて手扱ぎ作業状態を判断することを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記手扱ぎ判断手段は、脱穀動力を入り切りする作業機クラッチの入り状態において、茎稈を刈り取る前処理部の高さが設定高さ以下で、かつ、走行機体の走行速度が設定速度以下のとき、手扱ぎ作業状態であると判断することを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項4】
前記排風規制手段は、前記冷却ファンを逆転駆動することにより、前記脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンバイン。
【請求項5】
前記脱穀側排風規制手段は、前記冷却ファンを停止することにより、前記脱穀部側に向けたエンジン冷却風の排風を規制することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−151455(P2007−151455A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350377(P2005−350377)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】