コンバイン
【課題】コンバインの刈取搬送装置の製造コスト低減と穀稈の搬送の円滑化。
【解決手段】刈取フレーム(3)の前端部に、横向きの刈取支持伝動ケース(4)を連結して刈取搬送支持枠(5)を構成する。刈取搬送支持枠(5)には、前部低位置に配置した多条刈りの刈取装置(6)と、刈取条列ごとに穀稈を集めて後方の穀稈合流部(7)に搬送する側部搬送チェン(8L,8R)と中搬送チェン(9)とを設け、該中搬送チェン(9)は、前記刈取フレーム(3)の前部に設けた動力取出用の伝動筒(10)の上部の駆動スプロケット(11)に係合して伝動される構成とする。前記伝動筒(10)は、伝動軸(12)を内装すると共に、背後に接近する前記穀稈合流部(7)を避けて前方上方に延出した後、上方後部側に屈曲して、前記穀稈合流部(7)を迂回した側面視で略く字形状の伝動経路を形成するように構成する。
【解決手段】刈取フレーム(3)の前端部に、横向きの刈取支持伝動ケース(4)を連結して刈取搬送支持枠(5)を構成する。刈取搬送支持枠(5)には、前部低位置に配置した多条刈りの刈取装置(6)と、刈取条列ごとに穀稈を集めて後方の穀稈合流部(7)に搬送する側部搬送チェン(8L,8R)と中搬送チェン(9)とを設け、該中搬送チェン(9)は、前記刈取フレーム(3)の前部に設けた動力取出用の伝動筒(10)の上部の駆動スプロケット(11)に係合して伝動される構成とする。前記伝動筒(10)は、伝動軸(12)を内装すると共に、背後に接近する前記穀稈合流部(7)を避けて前方上方に延出した後、上方後部側に屈曲して、前記穀稈合流部(7)を迂回した側面視で略く字形状の伝動経路を形成するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインは、多条刈りの場合、刈取後の穀稈条列を1条、乃至2条ごとに集めて、別々の前部搬送チェンで中間位置の穀稈合流部まで搬送する構成のY字搬送(刈取後の穀稈を条列ごとに掻込みスターホイルで集めて、それぞれ対応する搬送チェンで後方へ搬送して各刈取条の穀稈を合流し、まとめて脱穀装置に搬送して供給する搬送形態の略称)の刈取搬送部では、左右両側の搬送チェンに挟まれた中搬送チェン(掻込みスターホイルを含む)の取付スペースに制約があるために、その伝動機構に特異性があった。
【0003】
例えば、特開2004−275014号公開特許公報(特許文献1参照)に示されているように、各掻込みベルト、掻込みスターホイル、左右搬送チェン、中搬送チェンは、伝動ケースから伝動軸を介して動力が伝動される伝動構成と、外側の掻込みスターホイルに隣接する内側の掻込みスターホイルを噛合わせて、掻込みスターホイルを伝動歯車代わりに利用して伝動する伝動構成との二系統の伝動構成が開示されている。
【特許文献1】特開2004−275014号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1(図5、乃至図8参照)に開示されているY字搬送の中搬送チェンは、車体の懸架台に支持した刈取フレームの前部に、左右方向に向けて連結されている横向伝動ケースから動力を取出して伝動する構成である。従来から、中搬送チェンは、両側にそれぞれ左右搬送チェンが配置され、挟まれた狭い場所にあって、スペース上制約されているから、上記公知技術から解るように、動力の取出部位が前側に寄って、そのために、横広く配置せざるを得ず、搬送チェンの全長が長くなる課題がある。そして、中搬送チェンは、無端状に巻き掛けた経路中にコーナー部が多くなり、多くの中間スプロケット(又は遊動ローラ)が必要で、必然的に構成が複雑となって、コスト高となる課題がある。
【0005】
更に、従来の構成(特許文献1の図8参照)は、中搬送チェンの駆動スプロケットが前寄りに軸架されており、しかも、中搬送チェンの搬送通路側から離れた裏側位置に軸架されるから、駆動効率が劣るばかりでなく、駆動スプロケットが隣接の搬送通路側に接近するために、隣の搬送通路の穀稈から落下する藁屑等が絡みつき障害を起こす課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、脱穀装置(1)前側の刈取懸架台(2)から前方下方に向けて設けた刈取フレーム(3)の前端部に、横向きの刈取支持伝動ケース(4)を連結して刈取搬送支持枠(5)を構成し、該刈取搬送支持枠(5)には、前部低位置に配置した多条刈りの刈取装置(6)と、刈取条列ごとに穀稈を集めて後方の穀稈合流部(7)に搬送する側部搬送チェン(8L,8R)と中搬送チェン(9)とを設け、該中搬送チェン(9)は、前記刈取フレーム(3)の前部に設けた動力取出用の伝動筒(10)の上部の駆動スプロケット(11)に係合して伝動される構成とし、前記伝動筒(10)は、伝動軸(12)を内装すると共に、背後に接近する前記穀稈合流部(7)を避けて前方上方に延出した後、上方後部側に屈曲して、前記穀稈合流部(7)を迂回した側面視で略く字形状の伝動経路を形成するように構成したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、前記伝動筒(10)に内装された伝動軸(12)の中間部にユニバーサルジョイント(14)を介在させて屈曲した伝動経路を形成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、前記伝動筒(10)を、車体(15)に装備した走行ミッションケース(16)よりも前方に偏倚させて配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、中搬送チェン9を駆動するための動力取出用の伝動筒10を、刈取フレーム3の前部に設けることによって、駆動スプロケット11を、できる限り後寄りに軸架できるから、中搬送チェン9の配置を、幅狭く、前後方向に直線に近い状態に巻き掛けて駆動する構成にすることができる。したがって、中搬送チェン9の全長が短くなって、コーナー部が少なくなり、中間スプロケットを減らして構成が簡潔になり、製造コストを低減させることができる。
【0010】
更に、請求項1記載の発明は、特許文献1の図8に示す従来型に比較すると、中搬送チェン9の駆動スプロケット11を後ろ寄りに配置して、従来の前寄りの構成を避けて、中搬送チェン9の搬送通路側に近い位置に軸架することで、隣接の搬送通路からも離れた位置となって、駆動効率が向上し、隣の搬送通路の穀稈から落下する藁屑等の巻き付き障害を受けにくい。なお、駆動スプロケット11を後寄りに軸架させるために、伝動筒10の基部をやむを得ず穀稈合流部7に接近させて構成したが、中間から上部にかけて迂回させた構成を採用することによって、穀稈合流作用への干渉を少なくすることができるものである。
【0011】
また、請求項2に記載した発明は、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、穀稈合流部7を避けるために、側面視で略く字形状に屈曲した伝動筒10内の伝動軸12にユニバーサルジョイント14を介在させたから、複雑な構成を避けて簡潔で低コストで構成できるものでありながら、刈取フレーム3側から伝動された回転動力を円滑に駆動スプロケット11に伝動できる。
【0012】
そして、請求項3記載の発明によると、刈取フレーム3から中搬送チェン9を伝動する伝動筒10を、車体15の走行ミッションケース16よりも前方に偏倚させて配置したから、該伝動筒10を走行ミッションケース16に制限を受けることなく側方にオフセットした位置に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、コンバイン20は、図2に示すように、クローラ21,21を装備した車体15上に、穀稈供給口22を前側に位置させて脱穀装置1を搭載し、その前方側には、刈取搬送装置23を設けて、一連の刈取脱穀作業ができる構成としている。
【0014】
そして、刈取搬送装置23は、図1、及び図2に示すように、前側から前部低位置の分草杆24と、その背後に上下方向に傾斜させた穀稈引起し装置25と、その後方で低位置の刈取装置6と、その上方位置で、前寄りに掻込みラグ付ベルト26、下側に軸架している掻込みスターホイル27、更に、左右側部搬送チェン8L,8R、中搬送チェン9、穂先搬送ラグ28、扱深さ調節チェン29等が、刈取搬送支持枠5に取付・支持され、伝動される構成となっている。
【0015】
そこで、上記刈取搬送支持枠5は、図3に示すように、刈取入力軸30を内装軸架している刈取入力ケース31に、基部を連結した刈取フレーム3と、該刈取フレーム3の前端部に横向きの刈取支持伝動ケース4を連結して枠組みした構成としている。32は入力プーリである。そして、刈取伝動軸13は、前記刈取フレーム3に内装して軸架し、始端部を前記刈取入力軸30に伝動可能に接続し、終端部を前記刈取支持伝動ケース4内の伝動軸33に伝動可能に接続して、前記した刈取搬送装置23を構成している各装置を伝動する構成としている。
【0016】
そして、刈取搬送装置23は、刈取フレーム3の上部に一体に連結した刈取入力ケース31を、図2に示すように、刈取懸架台2上に刈取入力軸30を中心にして上下に回動自由に支持し、作業位置と非作業位置の切換や刈高さの調節ができるように、車体15との間に昇降油圧シリンダ34によって支持した構成としている。
【0017】
そして、上記の構成において、刈取フレーム3は、車体15に装備した走行ミッションケース16の左側を通して前方斜め下方に延長して設けた構成としている。
そして、刈取搬送装置23は、実施例の場合、5条刈りの広幅の刈取装置6を設けた構成にしているから、前記した各装置は、5条の穀稈条列を刈取って搬送できるように対応した配置に構成している。すなわち、側部搬送チェン8L,8Rは、図1に示すように、左右両側にあって、前部を広くして刈幅いっぱいに外側に配置し、順次中央に寄せて後部が左右両方から合流するように配置し、その前側にはそれぞれ左右一対の掻込みラグ付ベルト26,26をハ字型に配置し、後続位置に左右一対の掻込みスターホイル27,27を軸架して2条の穀稈列を掻込んで搬送する構成としている。そして、中搬送チェン9は、上記側部搬送チェン8L,8Rの間に、三角州的な部位に配置して、搬送始端部側に連続させて、前側から掻込みラグ付ベルト26と掻込みスターホイル27とを軸架して設け、刈取装置6が刈取った中央位置の1条の穀稈条列を掻込んで後方の穀稈合流部7まで搬送する構成としている。そして、これらの側部搬送チェン8L,8Rと中搬送チェン9とは、穀稈の搬送側に対応させて挟持杆17,17,18をそれぞれ設けて穀稈を挟持状態にして搬送する構成としている。
【0018】
そして、前記中搬送チェン9は、前記刈取フレーム3の前部に、図2、及び図3に示すように、下部を連結した動力取出用の伝動筒10の上部に軸架した駆動スプロケット11に係合して伝動される構成としている。そして、伝動筒10は、図3に示すように、ユニバーサルジョイント14を連結して屈曲可能に構成した伝動軸12を内装し、刈取フレーム3内の刈取伝動軸13から2つの傘歯車37,38によって動力を取り出すことができる構成としている。
【0019】
そして、伝動筒10は、図1、及び図2に示すように、すぐ背後に接近する前記穀稈合流部7を避けて前方上方に延長し、更に、上部を、側面視でくの字型に近い伝動経路になるように、後方側に屈曲して設け、前記穀稈合流部7を迂回しながら上部に軸架している駆動スプロケット11をできる限り後寄りに位置させて、伝動可能に構成している。そして、該駆動スプロケット11は、前記中搬送チェン9に係合して伝動する構成としている。
【0020】
そして、実施例の場合、伝動筒10は、図1に示すように、上部に軸架している駆動スプロケット11が刈取フレーム3に対して右側(平面視で)にオフセットした構成としているが、この場合、伝動筒10を、図2に示すように、車体15の走行ミッションケース16より前方に寄せて配置した構成としているから、上記のオフセット位置が取り易く、自由に側方へ角度を変化してもミッションケース16が障害となることはない。
【0021】
尚、図3において、25aは複数の穀稈引起し装置25を連動して駆動するために設ける側部縦伝動筒であり、該側部縦伝動筒25の上下方向中間部に設けた動力取出軸25bに、前記側部搬送チェン8L駆動用のスプロケットを25cを取り付ける。また、前記刈取伝動軸13の中間部から2本の伝動軸13a,13bを分岐させて設け、該伝動軸13a,13bの上端部に、前記側部搬送チェン8R駆動用のスプロケット13c及び供給チェン13d駆動用のスプロケット(図示省略)を取り付ける。33R,33Lは、前記刈取装置6を摺動させる刈刃駆動軸であり、刈取装置6における左右に分割された上側の刈刃を相反駆動させるものである。
【0022】
つぎに、刈取搬送装置23の実施例について、図4、乃至図9に基づき説明する。
まず、刈取搬送装置23は、図4、乃至図6に示す実施例の場合、搬送径路の途中において、部分的に穂先搬送を二段に構成し、株元チェン(側部搬送チェン8L,8R、中搬送チェン9)と合わせて三段構成にして長稈に対応できる装置としている。そして、補助穂先搬送装置40は、ラグ付きチェン41から構成するが、図5に示すように、穂先搬送装置42の上側部に伝動可能に支持した構成としている。
【0023】
そして、補助穂先搬送装置40は、図4に示す実施例では、側部搬送チェン8Rの上に装置した穂先搬送装置42を、前部穂先搬送装置42Fと後部穂先搬送装置42Rとに2分割した構成において、両者の間の引継ぎ部43に、対向側から補助搬送ができるように配置した構成としている。そして、補助穂先搬送装置40は、図6に示す実施例においては、上記の前部穂先搬送装置42Fの上側に継ぎ足した状態に装置して後部穂先搬送装置42R側に延長した構成としている。
【0024】
以上のように、実施例の補助穂先搬送装置40は、搬送方向に向けて穀稈を適確に送るために、穂先搬送装置42を前部42Fと後部42Rとに2分割した引継部43において、搬送ラグの働かない部位の補助搬送をすることができる。実施例の補助穂先搬送装置40は、前後の両搬送装置42F,42Rの搬送ラグの作用圏外において、補助搬送をして稈こぼれをなくし、穀稈の流れを途切れなく円滑に行うことができるものとしている。したがって、穂先搬送装置42は、特に、分割した後部穂先搬送装置42Rが、穀稈上部の搬送姿勢を安定させた状態で搬送方向を脱穀装置の穀稈供給口22に向けて搬送することができるものとなっている。
【0025】
つぎに、供給チェン45の挟持杆46を支持する挟持杆ホルダ47について、その実施例を説明する。
まず、供給チェン45は、図4に示すように、刈取搬送装置23の搬送終端部にあって、搬送穀稈を後方の脱穀装置1のフィードチェンに引継ぐ構成としている。そして、挟持杆46は、図7、及び図8に示すように、上記供給チェン45の対向側にある挟持杆ホルダ47に内装した張圧ばねによって支持された前後2本の揺動杆48,48に枢着状態に支持され、供給チェン45側に張圧されて搬送穀稈を挟持する構成としている。
【0026】
そして、挟持杆ホルダ47は、図9に示すように、機体側の取付ステー49に上下方向に移動して着脱自在に挿し込んで、上側にあるロックレバー50を回してステー49にロック爪を係止してロックする構成としている。この場合、挟持杆ホルダ47は、図7に示すように、ロックレバー50が実線の位置でロック状態にあり、仮想線の位置に回すとロック解除になる構成としている。
【0027】
そして、検出スイッチ51は、図7に示すように、前記ロックレバー50がロック位置にあるときに検出できるように、そのレバー50に接触する構成とし、ロックレバー50の検出中にのみエンジンの始動ができる構成としている。したがって、実施例は、挟持杆ホルダ47のロックが確実にされていない場合は、エンジンの始動ができず、安全性の高い装置となっている。
【0028】
そして、詰まり検出アーム52は、図8に示すように、基部を枢着して、前記挟持杆46の上側背後に臨ませて張圧し、定位置に保持できるように配置し、搬送穀稈が詰まったときには順次溜まって来る詰まり穀稈に押されて後退し、挟持杆ホルダ47側に回動できる構成としている。そして、ロックレバー50は、詰まり検出アーム52が回動してくると、一体の押圧腕53によって実線から仮想線の位置に押されて後退し、検出スイッチ51の検出圏外に移動する構成となっている。したがって、検出スイッチ51は、前記説明のとおり、エンジンの駆動を停止する構成になっている。
【0029】
以上、説明したように、実施例に係る挟持杆ホルダ47は、機体側の取付ステー49に着脱するとき、上下方向に移動させて取り付け、取り外しをするから、穀稈の搬送方向に交差する方向となる。したがって、実施例は、着脱操作が容易にできるものであり、詰まったときでも、ロックレバー50に荷重が掛かることがなく、レバー操作が軽くできる利点があり、破損、変形が少ない特徴がある。
【0030】
そして、検出スイッチ51は、ロック位置にあるロックレバー50によって押圧状態が保持されるから、ロックレバー50が解除側に移動すると、エンジンが始動(駆動中であれば停止する)できず、安全性の高い装置となっている。
【0031】
更に、実施例は、詰まり検出アーム52と検出スイッチ51との組み合わせによって、搬送穀稈の詰まりを検出できる特徴があり、詰まりが発生すると、すぐエンジンを停止して安全を確保できる特徴がある。
【0032】
つぎに、図3に基づいて、既に述べた刈取入力ケース31に刈取入力ギヤケース55を接続して変速装置を構成し、供給チェン45、穂先ラグ付きチェン71、シンクロチェン69を変速する実施例を説明する
まず、刈取入力ケース31は、図10に示すように、一端に入力プーリ32を軸着した刈取入力軸30を内装・軸架して設け、刈取フレーム3側に接続した刈取伝動軸13を介して刈取搬送装置23の各装置を伝動する構成としている。そして、刈取入力ギヤケース55は、前記刈取入力ケース31側と、シンクロ出力ケース56側とに2分割した部材を接合し、接合部分をギヤケースに構成している。そして、刈取入力ギヤケース55は、その内部に、一方から前記刈取入力軸30の端部を臨ませ、他方からシンクロ出力ケース56に内装・軸架した出力軸57の端部を臨ませた構成としている。
【0033】
そして、上記刈取入力ギヤケース55は、図10、及び図11に示すように、刈取入力軸30と出力軸57との間に、両軸に平行に中間変速軸58を軸架し、この軸58を利用して歯車伝動装置59、第一変速装置60、ニュートラル位置61、第二変速装置62とをそれぞれ設け、シフター63の切り替えで、刈取入力軸30から出力軸57へ高低二系統に変速した回転動力が選択して伝動できる構成としている。なお、第二変速装置62は、図10の実施例は減速装置とし、図11の実施例は増速装置に構成している。
【0034】
図10、及び図11において、64は供給チェン駆動スプロケット、65は穂先ラグ付きチェン駆動スプロケット、66はシンクロ出力プーリ、67はシンクロ入力プーリ、68はシンクロスプロケット、69シンクロチエンである。
【0035】
図12において、29が扱深さ調節チェン、45供給チェン、71が穂先ラグ付きチェンをそれぞれ示している。
以上のように、刈取入力ギヤケース55は、刈取入力ケース31側と、シンクロ出力ケース56側とに2分割して接合する構成であるから、接合面にスペーサを介装して組み立てることによって大きさ、容量の違うケースが製作できて大型、小型の機種に対応できる優れた特徴があり、大きく製造コストを低減できる効果がある。
【0036】
そして、穂先ラグ付きチェン71と供給チェン45とシンクロチェン69とは、同時に変速することができるものであって、しかも、二系統の変速域を選択できる特徴がある。これにより、搬送穀稈は、搬送姿勢を安定させ確実な搬送ができる。そして、シンクロチェン69は、従来のように単独の変速装置が不要となるため、取付スペース面でも有利となる特徴がある。そして、穂先ラグ付きチェン71と供給チェン45とは、変速操作をすることによって、搬送上手側の扱深さ調節チェン29に対比して低速、高速に変速することによって、搬送する穀稈層の厚みの調節もできる利点がある。
【0037】
そして、シフター63は、図10、及び図11に示すように、第一変速装置60と第二変速装置62との間にニュートラル位置61を設けているから、これの選択によって後続する各装置の伝動を中断できる利点がある。そして、ニュートラル位置61は、シフター63を穀稈センサにコントローラを介して制御可能に接続しておくと、穀稈搬送が中断して穀稈センサがOFFとなると、自動的に伝動を中断できるから、フィードチェン70を停止せずに、作業の中断ができる特徴がある。
【0038】
つぎに、穀稈引起し装置25の実施例を説明する。
従来から、コンバインの穀稈引起し装置は、例えば、特開2002−335736号公開特許公報に開示されているように、引起しケース内に設けたラグガイドを、下側の固定ラグガイドと、上側に調節ラグガイドとに分割し、調節ラグガイドの位置を調節して、引起しラグの倒伏位置を稈長に応じて調節する技術が知られている。該公開特許公報に示されている公知技術は、制御モータによって調節する構成で、操縦席からスイッチ操作によって引起しラグの倒伏位置が調節できる構成となっている。
【0039】
それに対して、実施例は、図13、乃至図19に示すように、引起しケース80の裏側からナット81を緩めて調節する低コストで製作できる装置となっている。
まず、穀稈引起し装置25は、図13、乃至図16に示すように、ケース80の上下に軸架した駆動スプロケット(上)82と遊動ローラ(下)83とに巻き掛けたチェン84に引起しラグ85を、所定間隔ごとに回動自由に枢着して構成している。そして、引起しラグ85は、ケース80内に装備した下側の固定ラグガイド86aと上側の調節ラグガイド86bとに案内されて外側に突出しながら上昇して引起し作用ができる構成としている。
【0040】
そして、前記調節ラグガイド86bは、図15、及び図16に分解して示すように、前記ケース80と上側のカバー87とに上下2つの調節孔88,88をそれぞれ開口し、その調節孔88,88に沿って出し入れ調節(左右方向・図14参照)できる構成としている。すなわち、調節ラグガイド86bは、係止孔89,89を開口し、カバー87の外側に位置するステー90に設けた2本の支持ピン91,91を、前記調節孔88,88に通して、係止孔89,89を貫通し、ケース80の調節孔88,88を通して外側にステー92を通してナット81,81で締め付けて固定する構成としている。
【0041】
以上の構成によって、調節ラグガイド86bは、前記ケース80に対して、調節孔88,88に沿って横方向に調節し、引起しラグ85の倒伏位置を調節する構成としている。
そして、図17の実施例は、ステー90を引起しケース80側(下側)にして係止ピン91,91を下側から挿し通して、上側にステー92を設けてナット81で係止できる構成としている。図15、及び図16の逆に構成した実施例である。
【0042】
従来の調節ラグガイドは、図18に示すように、上下両面を平らに形成して外側をケース面に接触する構成としていたから、調節移動時に摺動抵抗が大きく調節困難な場合があったが、実施例は、図19に示すように、引起しケース80とカバー87との接触面を極一部、係止孔89,89の端面のみとしたから、調節時の摺動抵抗を大幅に小さくすることができ、調節移動が楽にできる特徴がある。
【0043】
93はカバー87上に設ける化粧板を示している。
以上のように構成しているから、実施例は、調節ラグガイド86bを調節する場合、引起しケース80の裏側にある2つのナット81,81を緩めることによって簡単に調節できるものとなっており、構造が比較的簡単で低コストで製作できる特徴がある。
【0044】
そして、図19に示す実施例の調節ラグガイド86bは、調節時に発生する摺動抵抗が小さくなり、調節が楽にできるものとなるとともに、カバー87、及び引起しケース80との間に空間部が形成され、藁屑等も下方に落下できるから溜りも軽減されるものとなった。
【0045】
つぎに、図20、乃至図22に示す実施例は、カバー87の下部端縁の円弧状部に沿わせて補強部材95を取り付けて補強した構成としている。そして、補強部材95は、図面に示すように、一方の端を引起し通路96の下部位置に設けて円弧形状に沿わせ取り付け、更に、他方の端を分草杆24の裏側位置まで延長して取り付け、取付端部を分草杆24で覆わせて圃場の穀稈が接触できない位置にある構成としている。
【0046】
したがって、実施例は、穀稈の引起し過程において、引起しラグ85が回動しながらカバー87から外に突出して分草杆24の裏側を経て円弧軌跡を描きながら移動するとき、穀稈を係止して引起し通路96側に回動する。そして、穀稈は、引起しカバー87の下部円弧状部分に接触しながら引起し作用を受けるが、上記の如き構成であるから、補強部材95の端縁部に接触してちぎれることはなく円滑に引起し作用を受ける。
【0047】
このように、カバー87は、補強部材85によって下部端縁の円弧状の部分が補強され、耐摩耗性が大幅に向上して耐久性が増し、長期間の作業に耐える穀稈引起し装置25を提供できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】発明の主要部であって、前方斜め上方から見た刈取搬送装置の平面図
【図2】コンバインの前部を断面して示す側面図
【図3】刈取搬送支持枠を断面して示す展開図
【図4】刈取搬送装置の別実施例の平面図
【図5】補助穂先搬送装置の伝動機構の断面図
【図6】刈取搬送装置の別実施例の平面図
【図7】挟持杆ホルダの平面図
【図8】挟持杆ホルダの作用平面図
【図9】挟持杆ホルダと取付ステーの側面図
【図10】刈取入力ギヤケースの切断正面図
【図11】刈取入力ギヤケースの切断正面図
【図12】別実施例の刈取搬送装置の側面図
【図13】穀稈引起し装置の内部を示す側面図
【図14】調節ラグガイドの作用正面図
【図15】穀稈引起し装置の分解側面図
【図16】穀稈引起し装置の分解斜面図
【図17】別実施例の穀稈引起し装置の切断平面図
【図18】説明用に示す従来の調節ラグガイドの切断平面図
【図19】別実施例の調節ラグガイドの作用平面図
【図20】別実施例の穀稈引起し装置の正面図
【図21】別実施例の穀稈引起し装置と分草杆との正面図
【図22】別実施例の穀稈引起し装置の切断側面図。
【符号の説明】
【0049】
1 脱穀装置 2 刈取懸架台
3 刈取フレーム 4 刈取支持伝動ケース
5 刈取搬送支持枠 6 刈取装置
7 穀稈合流部 8L,8R 側部搬送チェン
9 中搬送チェン 10 伝動筒
11 駆動スプロケット 12 伝動軸
13 刈取伝動軸 14 ユニバーサルジョイント
15 車体 16 走行ミッションケース
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインは、多条刈りの場合、刈取後の穀稈条列を1条、乃至2条ごとに集めて、別々の前部搬送チェンで中間位置の穀稈合流部まで搬送する構成のY字搬送(刈取後の穀稈を条列ごとに掻込みスターホイルで集めて、それぞれ対応する搬送チェンで後方へ搬送して各刈取条の穀稈を合流し、まとめて脱穀装置に搬送して供給する搬送形態の略称)の刈取搬送部では、左右両側の搬送チェンに挟まれた中搬送チェン(掻込みスターホイルを含む)の取付スペースに制約があるために、その伝動機構に特異性があった。
【0003】
例えば、特開2004−275014号公開特許公報(特許文献1参照)に示されているように、各掻込みベルト、掻込みスターホイル、左右搬送チェン、中搬送チェンは、伝動ケースから伝動軸を介して動力が伝動される伝動構成と、外側の掻込みスターホイルに隣接する内側の掻込みスターホイルを噛合わせて、掻込みスターホイルを伝動歯車代わりに利用して伝動する伝動構成との二系統の伝動構成が開示されている。
【特許文献1】特開2004−275014号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1(図5、乃至図8参照)に開示されているY字搬送の中搬送チェンは、車体の懸架台に支持した刈取フレームの前部に、左右方向に向けて連結されている横向伝動ケースから動力を取出して伝動する構成である。従来から、中搬送チェンは、両側にそれぞれ左右搬送チェンが配置され、挟まれた狭い場所にあって、スペース上制約されているから、上記公知技術から解るように、動力の取出部位が前側に寄って、そのために、横広く配置せざるを得ず、搬送チェンの全長が長くなる課題がある。そして、中搬送チェンは、無端状に巻き掛けた経路中にコーナー部が多くなり、多くの中間スプロケット(又は遊動ローラ)が必要で、必然的に構成が複雑となって、コスト高となる課題がある。
【0005】
更に、従来の構成(特許文献1の図8参照)は、中搬送チェンの駆動スプロケットが前寄りに軸架されており、しかも、中搬送チェンの搬送通路側から離れた裏側位置に軸架されるから、駆動効率が劣るばかりでなく、駆動スプロケットが隣接の搬送通路側に接近するために、隣の搬送通路の穀稈から落下する藁屑等が絡みつき障害を起こす課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、脱穀装置(1)前側の刈取懸架台(2)から前方下方に向けて設けた刈取フレーム(3)の前端部に、横向きの刈取支持伝動ケース(4)を連結して刈取搬送支持枠(5)を構成し、該刈取搬送支持枠(5)には、前部低位置に配置した多条刈りの刈取装置(6)と、刈取条列ごとに穀稈を集めて後方の穀稈合流部(7)に搬送する側部搬送チェン(8L,8R)と中搬送チェン(9)とを設け、該中搬送チェン(9)は、前記刈取フレーム(3)の前部に設けた動力取出用の伝動筒(10)の上部の駆動スプロケット(11)に係合して伝動される構成とし、前記伝動筒(10)は、伝動軸(12)を内装すると共に、背後に接近する前記穀稈合流部(7)を避けて前方上方に延出した後、上方後部側に屈曲して、前記穀稈合流部(7)を迂回した側面視で略く字形状の伝動経路を形成するように構成したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、前記伝動筒(10)に内装された伝動軸(12)の中間部にユニバーサルジョイント(14)を介在させて屈曲した伝動経路を形成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、前記伝動筒(10)を、車体(15)に装備した走行ミッションケース(16)よりも前方に偏倚させて配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、中搬送チェン9を駆動するための動力取出用の伝動筒10を、刈取フレーム3の前部に設けることによって、駆動スプロケット11を、できる限り後寄りに軸架できるから、中搬送チェン9の配置を、幅狭く、前後方向に直線に近い状態に巻き掛けて駆動する構成にすることができる。したがって、中搬送チェン9の全長が短くなって、コーナー部が少なくなり、中間スプロケットを減らして構成が簡潔になり、製造コストを低減させることができる。
【0010】
更に、請求項1記載の発明は、特許文献1の図8に示す従来型に比較すると、中搬送チェン9の駆動スプロケット11を後ろ寄りに配置して、従来の前寄りの構成を避けて、中搬送チェン9の搬送通路側に近い位置に軸架することで、隣接の搬送通路からも離れた位置となって、駆動効率が向上し、隣の搬送通路の穀稈から落下する藁屑等の巻き付き障害を受けにくい。なお、駆動スプロケット11を後寄りに軸架させるために、伝動筒10の基部をやむを得ず穀稈合流部7に接近させて構成したが、中間から上部にかけて迂回させた構成を採用することによって、穀稈合流作用への干渉を少なくすることができるものである。
【0011】
また、請求項2に記載した発明は、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、穀稈合流部7を避けるために、側面視で略く字形状に屈曲した伝動筒10内の伝動軸12にユニバーサルジョイント14を介在させたから、複雑な構成を避けて簡潔で低コストで構成できるものでありながら、刈取フレーム3側から伝動された回転動力を円滑に駆動スプロケット11に伝動できる。
【0012】
そして、請求項3記載の発明によると、刈取フレーム3から中搬送チェン9を伝動する伝動筒10を、車体15の走行ミッションケース16よりも前方に偏倚させて配置したから、該伝動筒10を走行ミッションケース16に制限を受けることなく側方にオフセットした位置に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、コンバイン20は、図2に示すように、クローラ21,21を装備した車体15上に、穀稈供給口22を前側に位置させて脱穀装置1を搭載し、その前方側には、刈取搬送装置23を設けて、一連の刈取脱穀作業ができる構成としている。
【0014】
そして、刈取搬送装置23は、図1、及び図2に示すように、前側から前部低位置の分草杆24と、その背後に上下方向に傾斜させた穀稈引起し装置25と、その後方で低位置の刈取装置6と、その上方位置で、前寄りに掻込みラグ付ベルト26、下側に軸架している掻込みスターホイル27、更に、左右側部搬送チェン8L,8R、中搬送チェン9、穂先搬送ラグ28、扱深さ調節チェン29等が、刈取搬送支持枠5に取付・支持され、伝動される構成となっている。
【0015】
そこで、上記刈取搬送支持枠5は、図3に示すように、刈取入力軸30を内装軸架している刈取入力ケース31に、基部を連結した刈取フレーム3と、該刈取フレーム3の前端部に横向きの刈取支持伝動ケース4を連結して枠組みした構成としている。32は入力プーリである。そして、刈取伝動軸13は、前記刈取フレーム3に内装して軸架し、始端部を前記刈取入力軸30に伝動可能に接続し、終端部を前記刈取支持伝動ケース4内の伝動軸33に伝動可能に接続して、前記した刈取搬送装置23を構成している各装置を伝動する構成としている。
【0016】
そして、刈取搬送装置23は、刈取フレーム3の上部に一体に連結した刈取入力ケース31を、図2に示すように、刈取懸架台2上に刈取入力軸30を中心にして上下に回動自由に支持し、作業位置と非作業位置の切換や刈高さの調節ができるように、車体15との間に昇降油圧シリンダ34によって支持した構成としている。
【0017】
そして、上記の構成において、刈取フレーム3は、車体15に装備した走行ミッションケース16の左側を通して前方斜め下方に延長して設けた構成としている。
そして、刈取搬送装置23は、実施例の場合、5条刈りの広幅の刈取装置6を設けた構成にしているから、前記した各装置は、5条の穀稈条列を刈取って搬送できるように対応した配置に構成している。すなわち、側部搬送チェン8L,8Rは、図1に示すように、左右両側にあって、前部を広くして刈幅いっぱいに外側に配置し、順次中央に寄せて後部が左右両方から合流するように配置し、その前側にはそれぞれ左右一対の掻込みラグ付ベルト26,26をハ字型に配置し、後続位置に左右一対の掻込みスターホイル27,27を軸架して2条の穀稈列を掻込んで搬送する構成としている。そして、中搬送チェン9は、上記側部搬送チェン8L,8Rの間に、三角州的な部位に配置して、搬送始端部側に連続させて、前側から掻込みラグ付ベルト26と掻込みスターホイル27とを軸架して設け、刈取装置6が刈取った中央位置の1条の穀稈条列を掻込んで後方の穀稈合流部7まで搬送する構成としている。そして、これらの側部搬送チェン8L,8Rと中搬送チェン9とは、穀稈の搬送側に対応させて挟持杆17,17,18をそれぞれ設けて穀稈を挟持状態にして搬送する構成としている。
【0018】
そして、前記中搬送チェン9は、前記刈取フレーム3の前部に、図2、及び図3に示すように、下部を連結した動力取出用の伝動筒10の上部に軸架した駆動スプロケット11に係合して伝動される構成としている。そして、伝動筒10は、図3に示すように、ユニバーサルジョイント14を連結して屈曲可能に構成した伝動軸12を内装し、刈取フレーム3内の刈取伝動軸13から2つの傘歯車37,38によって動力を取り出すことができる構成としている。
【0019】
そして、伝動筒10は、図1、及び図2に示すように、すぐ背後に接近する前記穀稈合流部7を避けて前方上方に延長し、更に、上部を、側面視でくの字型に近い伝動経路になるように、後方側に屈曲して設け、前記穀稈合流部7を迂回しながら上部に軸架している駆動スプロケット11をできる限り後寄りに位置させて、伝動可能に構成している。そして、該駆動スプロケット11は、前記中搬送チェン9に係合して伝動する構成としている。
【0020】
そして、実施例の場合、伝動筒10は、図1に示すように、上部に軸架している駆動スプロケット11が刈取フレーム3に対して右側(平面視で)にオフセットした構成としているが、この場合、伝動筒10を、図2に示すように、車体15の走行ミッションケース16より前方に寄せて配置した構成としているから、上記のオフセット位置が取り易く、自由に側方へ角度を変化してもミッションケース16が障害となることはない。
【0021】
尚、図3において、25aは複数の穀稈引起し装置25を連動して駆動するために設ける側部縦伝動筒であり、該側部縦伝動筒25の上下方向中間部に設けた動力取出軸25bに、前記側部搬送チェン8L駆動用のスプロケットを25cを取り付ける。また、前記刈取伝動軸13の中間部から2本の伝動軸13a,13bを分岐させて設け、該伝動軸13a,13bの上端部に、前記側部搬送チェン8R駆動用のスプロケット13c及び供給チェン13d駆動用のスプロケット(図示省略)を取り付ける。33R,33Lは、前記刈取装置6を摺動させる刈刃駆動軸であり、刈取装置6における左右に分割された上側の刈刃を相反駆動させるものである。
【0022】
つぎに、刈取搬送装置23の実施例について、図4、乃至図9に基づき説明する。
まず、刈取搬送装置23は、図4、乃至図6に示す実施例の場合、搬送径路の途中において、部分的に穂先搬送を二段に構成し、株元チェン(側部搬送チェン8L,8R、中搬送チェン9)と合わせて三段構成にして長稈に対応できる装置としている。そして、補助穂先搬送装置40は、ラグ付きチェン41から構成するが、図5に示すように、穂先搬送装置42の上側部に伝動可能に支持した構成としている。
【0023】
そして、補助穂先搬送装置40は、図4に示す実施例では、側部搬送チェン8Rの上に装置した穂先搬送装置42を、前部穂先搬送装置42Fと後部穂先搬送装置42Rとに2分割した構成において、両者の間の引継ぎ部43に、対向側から補助搬送ができるように配置した構成としている。そして、補助穂先搬送装置40は、図6に示す実施例においては、上記の前部穂先搬送装置42Fの上側に継ぎ足した状態に装置して後部穂先搬送装置42R側に延長した構成としている。
【0024】
以上のように、実施例の補助穂先搬送装置40は、搬送方向に向けて穀稈を適確に送るために、穂先搬送装置42を前部42Fと後部42Rとに2分割した引継部43において、搬送ラグの働かない部位の補助搬送をすることができる。実施例の補助穂先搬送装置40は、前後の両搬送装置42F,42Rの搬送ラグの作用圏外において、補助搬送をして稈こぼれをなくし、穀稈の流れを途切れなく円滑に行うことができるものとしている。したがって、穂先搬送装置42は、特に、分割した後部穂先搬送装置42Rが、穀稈上部の搬送姿勢を安定させた状態で搬送方向を脱穀装置の穀稈供給口22に向けて搬送することができるものとなっている。
【0025】
つぎに、供給チェン45の挟持杆46を支持する挟持杆ホルダ47について、その実施例を説明する。
まず、供給チェン45は、図4に示すように、刈取搬送装置23の搬送終端部にあって、搬送穀稈を後方の脱穀装置1のフィードチェンに引継ぐ構成としている。そして、挟持杆46は、図7、及び図8に示すように、上記供給チェン45の対向側にある挟持杆ホルダ47に内装した張圧ばねによって支持された前後2本の揺動杆48,48に枢着状態に支持され、供給チェン45側に張圧されて搬送穀稈を挟持する構成としている。
【0026】
そして、挟持杆ホルダ47は、図9に示すように、機体側の取付ステー49に上下方向に移動して着脱自在に挿し込んで、上側にあるロックレバー50を回してステー49にロック爪を係止してロックする構成としている。この場合、挟持杆ホルダ47は、図7に示すように、ロックレバー50が実線の位置でロック状態にあり、仮想線の位置に回すとロック解除になる構成としている。
【0027】
そして、検出スイッチ51は、図7に示すように、前記ロックレバー50がロック位置にあるときに検出できるように、そのレバー50に接触する構成とし、ロックレバー50の検出中にのみエンジンの始動ができる構成としている。したがって、実施例は、挟持杆ホルダ47のロックが確実にされていない場合は、エンジンの始動ができず、安全性の高い装置となっている。
【0028】
そして、詰まり検出アーム52は、図8に示すように、基部を枢着して、前記挟持杆46の上側背後に臨ませて張圧し、定位置に保持できるように配置し、搬送穀稈が詰まったときには順次溜まって来る詰まり穀稈に押されて後退し、挟持杆ホルダ47側に回動できる構成としている。そして、ロックレバー50は、詰まり検出アーム52が回動してくると、一体の押圧腕53によって実線から仮想線の位置に押されて後退し、検出スイッチ51の検出圏外に移動する構成となっている。したがって、検出スイッチ51は、前記説明のとおり、エンジンの駆動を停止する構成になっている。
【0029】
以上、説明したように、実施例に係る挟持杆ホルダ47は、機体側の取付ステー49に着脱するとき、上下方向に移動させて取り付け、取り外しをするから、穀稈の搬送方向に交差する方向となる。したがって、実施例は、着脱操作が容易にできるものであり、詰まったときでも、ロックレバー50に荷重が掛かることがなく、レバー操作が軽くできる利点があり、破損、変形が少ない特徴がある。
【0030】
そして、検出スイッチ51は、ロック位置にあるロックレバー50によって押圧状態が保持されるから、ロックレバー50が解除側に移動すると、エンジンが始動(駆動中であれば停止する)できず、安全性の高い装置となっている。
【0031】
更に、実施例は、詰まり検出アーム52と検出スイッチ51との組み合わせによって、搬送穀稈の詰まりを検出できる特徴があり、詰まりが発生すると、すぐエンジンを停止して安全を確保できる特徴がある。
【0032】
つぎに、図3に基づいて、既に述べた刈取入力ケース31に刈取入力ギヤケース55を接続して変速装置を構成し、供給チェン45、穂先ラグ付きチェン71、シンクロチェン69を変速する実施例を説明する
まず、刈取入力ケース31は、図10に示すように、一端に入力プーリ32を軸着した刈取入力軸30を内装・軸架して設け、刈取フレーム3側に接続した刈取伝動軸13を介して刈取搬送装置23の各装置を伝動する構成としている。そして、刈取入力ギヤケース55は、前記刈取入力ケース31側と、シンクロ出力ケース56側とに2分割した部材を接合し、接合部分をギヤケースに構成している。そして、刈取入力ギヤケース55は、その内部に、一方から前記刈取入力軸30の端部を臨ませ、他方からシンクロ出力ケース56に内装・軸架した出力軸57の端部を臨ませた構成としている。
【0033】
そして、上記刈取入力ギヤケース55は、図10、及び図11に示すように、刈取入力軸30と出力軸57との間に、両軸に平行に中間変速軸58を軸架し、この軸58を利用して歯車伝動装置59、第一変速装置60、ニュートラル位置61、第二変速装置62とをそれぞれ設け、シフター63の切り替えで、刈取入力軸30から出力軸57へ高低二系統に変速した回転動力が選択して伝動できる構成としている。なお、第二変速装置62は、図10の実施例は減速装置とし、図11の実施例は増速装置に構成している。
【0034】
図10、及び図11において、64は供給チェン駆動スプロケット、65は穂先ラグ付きチェン駆動スプロケット、66はシンクロ出力プーリ、67はシンクロ入力プーリ、68はシンクロスプロケット、69シンクロチエンである。
【0035】
図12において、29が扱深さ調節チェン、45供給チェン、71が穂先ラグ付きチェンをそれぞれ示している。
以上のように、刈取入力ギヤケース55は、刈取入力ケース31側と、シンクロ出力ケース56側とに2分割して接合する構成であるから、接合面にスペーサを介装して組み立てることによって大きさ、容量の違うケースが製作できて大型、小型の機種に対応できる優れた特徴があり、大きく製造コストを低減できる効果がある。
【0036】
そして、穂先ラグ付きチェン71と供給チェン45とシンクロチェン69とは、同時に変速することができるものであって、しかも、二系統の変速域を選択できる特徴がある。これにより、搬送穀稈は、搬送姿勢を安定させ確実な搬送ができる。そして、シンクロチェン69は、従来のように単独の変速装置が不要となるため、取付スペース面でも有利となる特徴がある。そして、穂先ラグ付きチェン71と供給チェン45とは、変速操作をすることによって、搬送上手側の扱深さ調節チェン29に対比して低速、高速に変速することによって、搬送する穀稈層の厚みの調節もできる利点がある。
【0037】
そして、シフター63は、図10、及び図11に示すように、第一変速装置60と第二変速装置62との間にニュートラル位置61を設けているから、これの選択によって後続する各装置の伝動を中断できる利点がある。そして、ニュートラル位置61は、シフター63を穀稈センサにコントローラを介して制御可能に接続しておくと、穀稈搬送が中断して穀稈センサがOFFとなると、自動的に伝動を中断できるから、フィードチェン70を停止せずに、作業の中断ができる特徴がある。
【0038】
つぎに、穀稈引起し装置25の実施例を説明する。
従来から、コンバインの穀稈引起し装置は、例えば、特開2002−335736号公開特許公報に開示されているように、引起しケース内に設けたラグガイドを、下側の固定ラグガイドと、上側に調節ラグガイドとに分割し、調節ラグガイドの位置を調節して、引起しラグの倒伏位置を稈長に応じて調節する技術が知られている。該公開特許公報に示されている公知技術は、制御モータによって調節する構成で、操縦席からスイッチ操作によって引起しラグの倒伏位置が調節できる構成となっている。
【0039】
それに対して、実施例は、図13、乃至図19に示すように、引起しケース80の裏側からナット81を緩めて調節する低コストで製作できる装置となっている。
まず、穀稈引起し装置25は、図13、乃至図16に示すように、ケース80の上下に軸架した駆動スプロケット(上)82と遊動ローラ(下)83とに巻き掛けたチェン84に引起しラグ85を、所定間隔ごとに回動自由に枢着して構成している。そして、引起しラグ85は、ケース80内に装備した下側の固定ラグガイド86aと上側の調節ラグガイド86bとに案内されて外側に突出しながら上昇して引起し作用ができる構成としている。
【0040】
そして、前記調節ラグガイド86bは、図15、及び図16に分解して示すように、前記ケース80と上側のカバー87とに上下2つの調節孔88,88をそれぞれ開口し、その調節孔88,88に沿って出し入れ調節(左右方向・図14参照)できる構成としている。すなわち、調節ラグガイド86bは、係止孔89,89を開口し、カバー87の外側に位置するステー90に設けた2本の支持ピン91,91を、前記調節孔88,88に通して、係止孔89,89を貫通し、ケース80の調節孔88,88を通して外側にステー92を通してナット81,81で締め付けて固定する構成としている。
【0041】
以上の構成によって、調節ラグガイド86bは、前記ケース80に対して、調節孔88,88に沿って横方向に調節し、引起しラグ85の倒伏位置を調節する構成としている。
そして、図17の実施例は、ステー90を引起しケース80側(下側)にして係止ピン91,91を下側から挿し通して、上側にステー92を設けてナット81で係止できる構成としている。図15、及び図16の逆に構成した実施例である。
【0042】
従来の調節ラグガイドは、図18に示すように、上下両面を平らに形成して外側をケース面に接触する構成としていたから、調節移動時に摺動抵抗が大きく調節困難な場合があったが、実施例は、図19に示すように、引起しケース80とカバー87との接触面を極一部、係止孔89,89の端面のみとしたから、調節時の摺動抵抗を大幅に小さくすることができ、調節移動が楽にできる特徴がある。
【0043】
93はカバー87上に設ける化粧板を示している。
以上のように構成しているから、実施例は、調節ラグガイド86bを調節する場合、引起しケース80の裏側にある2つのナット81,81を緩めることによって簡単に調節できるものとなっており、構造が比較的簡単で低コストで製作できる特徴がある。
【0044】
そして、図19に示す実施例の調節ラグガイド86bは、調節時に発生する摺動抵抗が小さくなり、調節が楽にできるものとなるとともに、カバー87、及び引起しケース80との間に空間部が形成され、藁屑等も下方に落下できるから溜りも軽減されるものとなった。
【0045】
つぎに、図20、乃至図22に示す実施例は、カバー87の下部端縁の円弧状部に沿わせて補強部材95を取り付けて補強した構成としている。そして、補強部材95は、図面に示すように、一方の端を引起し通路96の下部位置に設けて円弧形状に沿わせ取り付け、更に、他方の端を分草杆24の裏側位置まで延長して取り付け、取付端部を分草杆24で覆わせて圃場の穀稈が接触できない位置にある構成としている。
【0046】
したがって、実施例は、穀稈の引起し過程において、引起しラグ85が回動しながらカバー87から外に突出して分草杆24の裏側を経て円弧軌跡を描きながら移動するとき、穀稈を係止して引起し通路96側に回動する。そして、穀稈は、引起しカバー87の下部円弧状部分に接触しながら引起し作用を受けるが、上記の如き構成であるから、補強部材95の端縁部に接触してちぎれることはなく円滑に引起し作用を受ける。
【0047】
このように、カバー87は、補強部材85によって下部端縁の円弧状の部分が補強され、耐摩耗性が大幅に向上して耐久性が増し、長期間の作業に耐える穀稈引起し装置25を提供できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】発明の主要部であって、前方斜め上方から見た刈取搬送装置の平面図
【図2】コンバインの前部を断面して示す側面図
【図3】刈取搬送支持枠を断面して示す展開図
【図4】刈取搬送装置の別実施例の平面図
【図5】補助穂先搬送装置の伝動機構の断面図
【図6】刈取搬送装置の別実施例の平面図
【図7】挟持杆ホルダの平面図
【図8】挟持杆ホルダの作用平面図
【図9】挟持杆ホルダと取付ステーの側面図
【図10】刈取入力ギヤケースの切断正面図
【図11】刈取入力ギヤケースの切断正面図
【図12】別実施例の刈取搬送装置の側面図
【図13】穀稈引起し装置の内部を示す側面図
【図14】調節ラグガイドの作用正面図
【図15】穀稈引起し装置の分解側面図
【図16】穀稈引起し装置の分解斜面図
【図17】別実施例の穀稈引起し装置の切断平面図
【図18】説明用に示す従来の調節ラグガイドの切断平面図
【図19】別実施例の調節ラグガイドの作用平面図
【図20】別実施例の穀稈引起し装置の正面図
【図21】別実施例の穀稈引起し装置と分草杆との正面図
【図22】別実施例の穀稈引起し装置の切断側面図。
【符号の説明】
【0049】
1 脱穀装置 2 刈取懸架台
3 刈取フレーム 4 刈取支持伝動ケース
5 刈取搬送支持枠 6 刈取装置
7 穀稈合流部 8L,8R 側部搬送チェン
9 中搬送チェン 10 伝動筒
11 駆動スプロケット 12 伝動軸
13 刈取伝動軸 14 ユニバーサルジョイント
15 車体 16 走行ミッションケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀装置(1)前側の刈取懸架台(2)から前方下方に向けて設けた刈取フレーム(3)の前端部に、横向きの刈取支持伝動ケース(4)を連結して刈取搬送支持枠(5)を構成し、該刈取搬送支持枠(5)には、前部低位置に配置した多条刈りの刈取装置(6)と、刈取条列ごとに穀稈を集めて後方の穀稈合流部(7)に搬送する側部搬送チェン(8L,8R)と中搬送チェン(9)とを設け、該中搬送チェン(9)は、前記刈取フレーム(3)の前部に設けた動力取出用の伝動筒(10)の上部の駆動スプロケット(11)に係合して伝動される構成とし、前記伝動筒(10)は、伝動軸(12)を内装すると共に、背後に接近する前記穀稈合流部(7)を避けて前方上方に延出した後、上方後部側に屈曲して、前記穀稈合流部(7)を迂回した側面視で略く字形状の伝動経路を形成するように構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記伝動筒(10)に内装された伝動軸(12)の中間部にユニバーサルジョイント(14)を介在させて屈曲した伝動経路を形成したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記伝動筒(10)を、車体(15)に装備した走行ミッションケース(16)よりも前方に偏倚させて配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
脱穀装置(1)前側の刈取懸架台(2)から前方下方に向けて設けた刈取フレーム(3)の前端部に、横向きの刈取支持伝動ケース(4)を連結して刈取搬送支持枠(5)を構成し、該刈取搬送支持枠(5)には、前部低位置に配置した多条刈りの刈取装置(6)と、刈取条列ごとに穀稈を集めて後方の穀稈合流部(7)に搬送する側部搬送チェン(8L,8R)と中搬送チェン(9)とを設け、該中搬送チェン(9)は、前記刈取フレーム(3)の前部に設けた動力取出用の伝動筒(10)の上部の駆動スプロケット(11)に係合して伝動される構成とし、前記伝動筒(10)は、伝動軸(12)を内装すると共に、背後に接近する前記穀稈合流部(7)を避けて前方上方に延出した後、上方後部側に屈曲して、前記穀稈合流部(7)を迂回した側面視で略く字形状の伝動経路を形成するように構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記伝動筒(10)に内装された伝動軸(12)の中間部にユニバーサルジョイント(14)を介在させて屈曲した伝動経路を形成したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記伝動筒(10)を、車体(15)に装備した走行ミッションケース(16)よりも前方に偏倚させて配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図6】
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【図10】
【図11】
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【図13】
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【図17】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【公開番号】特開2008−206461(P2008−206461A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47128(P2007−47128)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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