説明

コンバイン

【課題】引起し装置のメンテナンス作業が行い易いものでありながら、注油ノズルにより無端回動チェーンに対する潤滑油の供給を良好に行えるようにすることが可能なコンバインを提供する。
【解決手段】引起し装置23,24の無端回動チェーン37を張設支持する引起しフレーム41が、戻り経路側に、無端回動チェーン37の回動面の表裏を露出状態にする切欠凹部41Dを備えて構成され、引起しフレーム41における切欠凹部41D内に、無端回動チェーン37に向けて潤滑油を供給する状態にて位置固定自在、並びに、着脱自在に、注油ノズル78を支持するノズル支持部50が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の前部に備えられた刈取部に、植立茎稈を引起す引起し装置と、注油ホースの先端に前記引起し装置に向けて潤滑油を供給する注油ノズルを備えた注油装置とが備えられ、前記引起し装置が、複数の引起し爪を備えた無端回動チェーンを上下方向に回動自在に張設する状態で備えて構成されているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成のコンバインにおいて、従来では、注油装置における注油ホースが刈取部のフレーム部材に固定され、注油ノズルが引起し装置の無端回動チェーンに向けて潤滑油を供給することが可能なように引起し装置に固定状態で設けられる構成のものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、注油ノズルを、引起し装置と分離させた状態で、無端回動チェーンに向けて潤滑油を供給することが可能なように、刈取部のフレーム部材に位置固定状態で備える構成のものもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−101740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成では、引起し装置をメンテナンスしたり、着脱したりする場合、注油ノズルや注油ホースが引起し装置から分離された状態となるから、注油ノズルのフレーム部材に対する組付けの誤差、並びに、引起し装置のフレーム部材に対する組み付け誤差等が原因で、注油ノズルと引起し装置における無端回動チェーンとの相対位置関係にズレが生じて、注油ノズルにより無端回動チェーンに対する潤滑油の供給が良好に行えないものとなるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、引起し装置のメンテナンス作業が行い易いものでありながら、注油ノズルにより無端回動チェーンに対する潤滑油の供給を良好に行えるようにすることが可能なコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンバインは、走行機体の前部に備えられた刈取部に、植立茎稈を引起す引起し装置と、注油ホースの先端に前記引起し装置に向けて潤滑油を供給する注油ノズルを備えた注油装置とが備えられ、前記引起し装置が、複数の引起し爪を備えた無端回動チェーンを上下方向に回動自在に張設する状態で備えて構成されているものであって、
その第1特徴構成は、
前記引起し装置が、前記無端回動チェーンを張設支持する引起しフレームと、この引起しフレームの前面側にて前記無端回動チェーンの巻回経路全面を覆う化粧カバーとを備えて構成され、
前記引起しフレームが、前記無端回動チェーンの引起こし経路側に、前記引起し爪の起立姿勢を維持して案内支持すべく前記無端回動チェーンを摺動案内する引起し案内部を備え、且つ、前記無端回動チェーンにおける戻り経路側に、前記無端回動チェーンの回動面の表裏を露出状態にするように切り欠かれた切欠凹部を備えて構成され、
前記引起しフレームにおける前記切欠凹部内に、前記無端回動チェーンに向けて潤滑油を供給する状態にて位置固定自在、並びに、着脱自在に、前記注油ノズルを支持するノズル支持部が備えられている点にある。
【0008】
第1特徴構成によれば、引起しフレームが、無端回動チェーンの引起こし経路側に引起し案内部を備え、且つ、無端回動チェーンにおける戻り経路側に切欠凹部を備えているから、無端回動チェーンの引起こし経路側においては、引起し案内部によって案内されて引起し爪の起立姿勢を維持することができる。又、引起し爪の起立姿勢に維持する必要がない戻り経路側に切欠凹部を備えているから、前面側の化粧カバーを取り外すと、操作者は無端回動チェーンの点検作業等を引起し装置の前方側から切欠凹部を通して容易に行うことができる。
【0009】
引起しフレームにおける切欠凹部内にノズル支持部が備えられ、このノズル支持部は無端回動チェーンに向けて潤滑油を供給する状態にて位置固定自在に注油ノズルを支持するものであるから、このノズル支持部により注油ノズルが位置固定状態で引起しフレームに支持され、無端回動チェーンに向けて潤滑油を良好に供給することができる。
【0010】
又、ノズル支持部は着脱自在に注油ノズルを支持するものであるから、メンテナンス作業を行う場合には、前面側の化粧カバーを取り外すと、切欠凹部を通してノズル支持部が前方外方側に露出するので、引起し装置の前方側から操作者がノズル支持部から注油ノズルを容易に取り外すことができる。
このように注油ノズルをノズル支持部から取り外して注油ノズルを引起し装置から分離させて注油装置が邪魔にならない状態で、引起し装置をメンテナンスしたり、着脱したりすることができる。
【0011】
従って、第1特徴構成によれば、引起し装置のメンテナンス作業が行い易いものでありながら、注油ノズルにより無端回動チェーンに対する潤滑油の供給を良好に行えるようにすることが可能なコンバインを提供できるに至った。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記引起しフレームの下部に前記注油ノズルが位置する状態で前記ノズル支持部が備えられている点にある。
【0013】
第2特徴構成によれば、注油ノズルが引起しフレームの下部に位置する状態でノズル支持部が備えられているので、引起し装置の前方外方側からノズル支持部に対する注油ノズルの着脱作業を行う場合、操作者は引起し装置における低い位置で容易に作業を行うことができる。
【0014】
つまり、引起し装置は、上部側より下部側の方が機体前方側に寄る傾斜姿勢に設けられるものであるから、引起し装置における低い位置であれば機体前方外方側に位置する操作者に近い位置で注油ノズルの着脱作業を行うことができ、引起しフレームの高い位置にあるものに比べて着脱作業が容易に行えるものとなる。
【0015】
又、注油ホースは刈取部の下部に位置する支持用の枠体に沿って配設される場合が多いので、注油ノズルが引起しフレームの下部に位置する構成では、注油ホースを短くして注油装置の構成を簡素化することが可能となる利点もある。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記刈取部を前記走行機体に昇降自在に支持する刈取部フレームに対して、前記引起しフレームの上部が上部側連結手段にて取り外し可能に連結され、且つ、前記引起しフレームの下部が下部側連結手段にて取り外し可能に連結されることにより、前記引起し装置が、植立茎稈を引起す通常作業状態と、機体前方に退避移動するメンテナンス用退避状態とにわたり切り換え可能に構成され、
前記下部側連結手段を前記刈取部フレームに連結するための中継フレーム部に、前記注油ホースが支持されている点にある。
【0017】
第3特徴構成によれば、引起しフレームの上部を上部側連結手段にて刈取部フレームに連結し、且つ、引起しフレームの下部を下部側連結手段にて刈取部フレームに連結することで、引起し装置が通常作業状態になり、刈取作業に伴う引起し作業を良好に行うことができる。
【0018】
又、刈取部のメンテナンス作業を行うときは、下部側連結手段の連結を解除して引起し装置の下部を刈取部フレームから取り外し、且つ、上部側連結手段の連結を解除して引起し装置の上部を刈取部フレームから取り外すことにより、引起し装置を退避状態に切り換えることができる。つまり、引起し装置は、刈取部フレームから取り外され、刈取部の前部が大きく開放された状態となり、メンテナンス作業が行い易いものになる。
【0019】
そして、刈取部フレームにおける下部側連結手段を構成するフレーム部に、注油ホースを支持するようにしているので、このように引起し装置を着脱自在に支持するためのフレーム部を利用して注油ホースを支持することで、特別な注油装置専用のフレームを設けることなく簡易な構成で注油ホースを支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの正面図である。
【図3】刈取部の横断平面図である。
【図4】引起し装置への分岐伝動状態を示す断面図である。
【図5】中央引起し装置と右側引起し装置の縦断正面図である。
【図6】中央引起し装置の側面図である。
【図7】中央引起し装置の上部及び上部側連結手段の縦断側面図である。
【図8】上部側連結手段を分離した状態を示す縦断側面図である。
【図9】中央引起し装置の下部及び下部側連結手段の縦断側面図である。
【図10】下部側連結手段を分離した状態を示す縦断側面図である。
【図11】右側引起し装置の上部及びギア式伝動装置の縦断側面図である。
【図12】(a)はノズル支持部配設部の縦断側面図である。(b)はノズル支持部配設部の正面図である。
【図13】(a)はノズル支持部の縦断側面図である。(b)はノズル支持部の縦断正面図である。
【図14】ノズル支持部の分解斜視図である。
【図15】油タンク及び油圧ポンプの配置状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1にコンバインの全体側面が示され、図2にコンバインの正面が示されている。このコンバインは、稲、麦などの収穫作業を行なうものであり、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体の前部に、横軸芯P周りで昇降自在に支持される状態で刈取部2が備えられ、走行機体における機体フレーム5の上部に走行機体横方向に並べる状態で脱穀装置3と穀粒タンク4とが備えられている。走行機体は、前端側の右端部に運転座席6が装備された搭乗運転部7が備えられ、この搭乗運転部7の下方に図示しないエンジンが装備された原動部を備え、エンジンが出力する駆動力によって左右一対のクローラ走行装置1を駆動して自走するように構成されている。
【0022】
刈取部2は、機体フレーム5から走行機体前方並びに斜め下方に向けて延出し且つ機体フレーム5に軸芯Pまわりに上下揺動自在に支持した刈取部フレームとしての筒状フレーム8により昇降自在に支持され、この筒状フレーム8が昇降用油圧シリンダ9によって機体フレーム5に対して上下に揺動操作されることにより、刈取部2が、圃場面近くに下降した下降作業状態と圃場面から高く上昇した非作業状態とにわたり昇降自在に構成されている。
【0023】
刈取部2を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取部2は、植立茎稈を引起すとともに刈り取り、刈り取り穀稈を脱穀装置3の脱穀フィードチェーン10の始端部に供給する。脱穀装置3は、脱穀フィードチェーン10によって刈取穀稈の株元側を挟持して走行機体後方向きに搬送し、これによって刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク4は、脱穀装置3から搬送された脱穀粒を回収して貯留する。
【0024】
図3に示すように、筒状フレーム8の延出端側に連結され且つ機体横幅方向に延びる横フレーム11、この横フレーム11の左右両側部及び機体横幅方向中央部に夫々連結されて縦向きに延びる三本の縦フレーム12〜14、及び、横フレーム11に走行機体横方向に所定間隔を隔てて並ぶ配置で連結された四本の走行機体前後向きの分草具支持フレーム15〜18が設けられ、刈取部2が、これらの各フレーム11〜18を介して筒状フレーム8にて昇降自在に走行機体に支持される構成となっている。横フレーム11及び三本の縦フレーム12、13、14は夫々筒状に形成され、その内部に後述するように伝動軸を内装する伝動ケースとして機能するように構成されている。
【0025】
図2に示すように、刈取部2は、四つの分草具19〜22、その分草具19〜22の走行機体後方側に走行機体横方向に並べて設けた三つの引起し装置23〜25、分草具支持フレーム15〜18の基端側に設けた一つのバリカン形の刈取装置26、刈り取った穀稈を刈幅中央側に寄せ集めるとともに、縦姿勢の穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿勢変更しながら、脱穀フィードチェーン10の始端部に向けて搬送する茎稈搬送装置27を備えて構成されている。
【0026】
四つの分草具19〜22は、四本の分草具支持フレーム15〜18のうちの対応するものの前端部に固定され、図2に示すように、四つの分草具19〜22の配置は、四つの分草具19〜22のうち搭乗運転部7が位置する側の横端に位置する分草具19とそれに隣り合って位置する分草具20の先端どうしの間隔を他の分草具同士の間隔より大に設定した配置になっている。
【0027】
つまり、このコンバインでは、回り刈り作業を行う場合には、4個の分草具19〜22の前方に3条分の植立茎稈が位置するように刈取部2を植立茎稈に位置合わせしながら走行機体を走行させる三条刈り作業形態にて刈取作業を行い、又、中割り刈り作業を行う場合には、搭乗運転部7側の分草具19とそれと隣接する分草具20の間に二条の植立茎稈を導入することにより4条分の植立茎稈が位置するように刈取部2を植立茎稈に位置合わせしながら走行機体を走行させる四条刈り作業形態にて刈取作業を行えるようになっている。
【0028】
引起し装置23〜25に対する伝動構造について説明する。
図4に示すように、筒状フレーム8の内部に沿って走行機体前方並びに斜め下方に向けて延出する主伝動軸28が設けられ、主伝動軸28の前端部には左右向きの横向き伝動軸29がベベルギヤ機構30を介して連動連結され、横向き伝動軸29の左右両端部と左右中央部の夫々において、横向き伝動軸29と三つの引起し装置23〜25夫々に対応して設けられた三本の縦向き伝動軸31〜33とが夫々ベベルギヤ機構34a及び中継軸34bを介して連動連結されている。そして、主伝動軸28に対しては、走行機体に備えられた図示しないエンジンの動力が伝達されるように構成されている。又、中継軸34bと茎稈搬送装置27のうちの掻き込み搬送装置27Aとが連動連結されて、掻き込み搬送装置27Aにエンジンからの動力が伝えられるようになっている。
図4に示すように、横向き伝動軸29は横フレーム11の内部に設けられ、三本の縦向き伝動軸31〜33は三つの縦フレーム12〜14夫々の内部に設けられる。
【0029】
従って、主伝動軸28、横向き伝動軸29、及び、三本の縦向き伝動軸31〜33を介して三つの引起し装置23〜25の夫々に対して動力が伝達されるように構成されている。
【0030】
次に、引起し装置23〜25について説明する。
図2及び図5に示すように、三つの引起し装置23〜25は、夫々、上部に配備された駆動スプロケット35、下部に配備された従動スプロケット36、それらに亘って巻き掛けられた無端回動チェーン37、無端回動チェーン37に引き起こし姿勢と格納姿勢とに姿勢変更可能な状態で一定間隔ごとに取り付けられた複数の引起し爪38、戻り経路側の上部に配備されたテンションスプロケット39、そのテンションスプロケット39を緊張作用すべく移動付勢する付勢機構40等を備えて構成されている。
【0031】
三つの引起し装置23〜25のうち、機体横幅方向中央に位置する中央引起し装置24、及び、機体進行方向に向かって左側に位置する左側引起し装置25は、下部に配備された従動スプロケット36は1個であるが、機体進行方向に向かって右側に位置する右側引起し装置23には、従動スプロケット36の横側に補助従動スプロケット36aが備えられ、無端回動チェーン37は補助従動スプロケット36aにも巻回される構成となっている。
【0032】
次に、中央引起し装置24について説明する。
図5及び図6に示すように、中央引起し装置24は、板金材からなる前部側フレーム部41Aと後部側フレーム部41Bとを重ねた2つ割り構造である引起しフレーム41の内部に、駆動スプロケット35、従動スプロケット36、無端回動チェーン37、引起し爪38、付勢機構40等を備えて、無端回動チェーン37を張設支持するように構成されている。そして、引起しフレーム41の前面側には、無端回動チェーン37の巻回経路全面を覆う化粧カバー42が備えられている。
【0033】
引起しフレーム41は、前部側フレーム部41Aと後部側フレーム部41Bとを無端回動チェーン37の回動軌跡の内側に位置する箇所を当て付けてボルト連結して構成されており、前部側フレーム部41Aと後部側フレーム部41Bとの間に形成された通過用隙間を通して引起し爪38が通過することができるよう構成されている。
【0034】
説明を加えると、図5に示すように、引起しフレーム41は、無端回動チェーン37の引起こし経路側に、引起し爪38の起立姿勢を維持して案内支持すべく無端回動チェーン37を摺動案内する引起し案内部41Cを備え、且つ、無端回動チェーン37における戻り経路側に、無端回動チェーン37の回動面の表裏を露出状態にするように切り欠かれた切欠凹部41Dを備えて構成されている。
【0035】
従動スプロケット36と駆動スプロケット35との間の引起し案内部における縦向き移動経路には、引起し爪38は起立状態を維持する縦向き起立ガイドレール51が備えられ、この縦向き起立ガイドレール51は、下部に位置する下部側ガイドレール51Aと上部に位置する上部側ガイドレール51Bとに分割されており、特に磨耗が激しい下部側ガイドレール51Aは部品交換が可能なように着脱自在にボルトにて取り付ける構成となっている。
【0036】
次に、中央引起し装置24の伝動構造並びに取り付け構造について説明する。
中央引起し装置24は、筒フレーム8に対して、引起しフレーム41の上部が上部側連結手段R1にて取り外し可能に連結され、且つ、引起しフレーム41の下部が下部側連結手段R2にて取り外し可能に連結されることにより、植立茎稈を引起す通常作業状態と、機体前方に退避移動するメンテナンス用退避状態とにわたり切り換え可能に構成されている。
【0037】
以下、具体的な連結構造について説明する。
図3、図6〜図10に示すように、中央引起し装置24は、上部が、筒フレーム8に連結された中央縦フレーム13に上部側連結手段R1にて取り外し可能に連結され、下部が、筒フレーム8に横フレーム11を介して連結された右から3番目の分草具支持フレーム17に下部側連結手段R2にて取り外し可能に連結される構成となっている。
【0038】
つまり、図7に示すように、中央引起し装置24における引起しフレーム41の上部に備えられた中央引起し伝動ケース60に、中央縦フレーム13から突出する縦向き伝動軸32に一体回転自在に且つ抜き差し自在に嵌合される伝動部材としてのベベルギア67が備えられ、中央引起し伝動ケース60と中央縦フレーム13とが、縦向き伝動軸32の軸芯方向に沿った中央縦フレーム13に対するベベルギア67の斜め前方上方及び斜め後方下方への抜き差しに伴って着脱自在で、且つ、ベベルギア67が縦向き伝動軸32に一体回転自在に嵌合された装着状態で上部側連結手段R1にて取り外し可能に連結され、中央引起し装置24の下部が分草具支持フレーム17に対して下部側連結手段R2にて取り外し可能に連結されている。
【0039】
又、中央縦フレーム13に縦向き伝動軸32の両側に縦壁62を有する断面コの字形の連結用ブラケット63が設けられ、且つ、引起し伝動ケース60に連結用ブラケット63の両側の縦壁62の間に嵌り込む被連結部64が設けられ、上部側連結手段R1が、縦向き伝動軸32の前後両側夫々において連結用ブラケット63の縦壁62及び被連結部64にわたって挿通する2本のボルト65により、中央縦フレーム13と引起し伝動ケース60とが取り外し可能に連結されるように構成されている。
【0040】
被連結部64には、2本のボルト65を横から挿通する左右向きの穴部が形成されている。また、被連結部64の下端部には、被連結部64の上面に接当支持させる筒状の接当支持部64aが形成されている。
【0041】
以下、中央引起し装置24の取付構造についてさらに説明を加える。
中央引起し装置24の上部側の機体後部側箇所に、駆動スプロケット35が一体的に備えられた出力軸66を回動自在に支持するとともに、出力軸66と縦向き伝動軸32とを連動連結する一対のベベルギア67,68を内装した引起し伝動ケース60が設けられている。この引起し伝動ケース60は、出力軸66側の被連結部69が、引起しフレーム41に固定された断面コの字形のブラケット70に嵌め込まれて、その引起しフレーム側のブラケット70の両側の縦壁71にわたり挿通する上下一対のボルト72にて締め付け固定される状態で、引起し伝動ケース60と引起しフレーム41とが連結されている。
【0042】
又、中央縦フレーム13の上端部に縦向き伝動軸32の両側に縦壁62を有する断面コの字形の連結用ブラケット63が一体的に溶接固定する状態で設けられ、引起し伝動ケース60の伝動入力側の端部に形成された入力側の被連結部64が、連結用ブラケット63の両側の縦壁62の間に嵌め込まれて、連結用ブラケット63の両側の縦壁62にわたり挿通する前後一対のボルト65により締め付け固定される状態で、引起し伝動ケース60と中央縦フレーム13とが連結されている。
【0043】
入力側の被連結部64が連結用ブラケット63の両側の縦壁62の間に嵌め込まれた状態で、一対のボルト65が縦向き伝動軸32の前後両側の夫々において連結用ブラケット63の両側の縦壁62にわたり挿通する状態で設けられて締め付け固定する構成となっているから、中央引起し伝動ケース60と中央縦フレーム13との嵌り合い構造と、合理的に配置した2本のボルト65による締付け構造とにより、位置ずれを起したり隙間が発生することがないように適切な連結状態で、中央引起し伝動ケース60と中央縦フレーム13とを連結することができる。
【0044】
中央引起し伝動ケース60の内部に備えられる一対のベベルギア67,68のうち入力側のベベルギア67は、断面が六角形となるように形成された縦向き伝動軸32に外嵌されるように六角形状の嵌合孔67aが形成されており、この入力側のベベルギア67と縦向き伝動軸32とは一体回転自在に且つ抜き差し自在に嵌合される構成となっている。
又、縦向き伝動軸32の軸端部32aは、先端側ほど先細のテーパ状に形成されており、入力側のベベルギア67を嵌合させるときに、縦向き伝動軸32の先端部に引っかかることがなく円滑に嵌合させることができるように構成されている。
【0045】
そして一対のボルト65による締結を解除して、入力側の被連結部64を連結用ブラケット63から抜き外すことで、中央引起し伝動ケース60と中央縦フレーム13との連結を解除することができる。
【0046】
このようにして、縦向き伝動軸32の前後両側夫々において連結用ブラケット63の縦壁62及び被連結部64にわたって挿通する2本のボルト65により、中央縦フレーム13と中央引起し伝動ケース60とを取り外し可能に連結する上部側連結手段R1が構成されている。
【0047】
図9に示すように、中央引起し装置24の下部には、従動スプロケット36の回転用支軸45を支持するための支持ブラケット47が固定状態で取り付けられているが、この支持ブラケット47に、機体後方側に向けて突出する左右一対のネジ軸73が固定状態で設けられている。
【0048】
分草具支持フレーム17から固定延設された引起し装置支持フレーム74(中継フレーム部の一例)に、ネジ軸73が挿通するための挿通孔75が形成されており、この挿通孔75にネジ軸73を挿通させるように、中央引起し装置24の下部を引起し装置支持フレーム74に装着して機体後方側からナット76で締め付けることにより、中央引起し装置24の下部を固定するよう構成されている。
【0049】
図10に示すように、ナット76を緩めてネジ軸73を引起し装置支持フレーム74の挿通孔75から抜き外すことで中央引起し装置24の下部を取り外すことができ、中央引起し装置24は分草具支持フレーム17に対して取り外し可能に連結される構成となっている。尚、引起し装置支持フレーム74は分草具支持フレーム17と同様に丸パイプ材にて形成されているが、図3に示すように、挿通孔75が形成される連結部77は丸パイプ材を扁平状に押し潰した略板状に形成されている。
従って、支持ブラケット47に設けられたネジ軸73、引起し装置支持フレーム74及び締め付け用のナット76により、下部側連結手段R2が構成されている。
【0050】
次に、右側引起し装置23について説明するが、この右側引起し装置23は、図5に示すように、従動スプロケット36の横側に補助従動スプロケット36aが備えられ、従動スプロケット36と補助従動スプロケット36aとの間に横向き起立ガイドレール44が備えられる点が中央引起し装置24と異なるが、その他の構成は中央引起し装置24と同じであるから、同じ構成については説明は省略する。
【0051】
右側引起し装置23は、横向き起立ガイドレール44にて支持される間は引起し爪38が起立状態を維持するように構成されているので、搭乗運転部7側の分草具19とそれと隣接する分草具20の間に二条の植立茎稈を導入する場合であっても、それら二条分の植立茎稈に対して確実に引起し作用を発揮して引起し残しが少なくなるように構成されている。
【0052】
又、詳述はしないが、右側引起し装置23は、中央引起し装置24と同様に、上部が上部側連結手段R1により縦フレーム12に取り外し可能に支持される構成となっており、下部が、下部側連結手段R2により右端の分草具支持フレーム15に取り外し可能に支持される構成となっている。尚、左側引起し装置25は、固定状態で左端の分草具支持フレーム18に支持される構成となっている。
【0053】
次に、右側引起し装置23の伝動構造について説明する。
図11に示すように、右側引起し装置23の機体後部側にギア式伝動装置Gを備えており、ギア式伝動装置Gが走行機体側から伝達される動力を右側縦向き伝動軸31から右側引起し装置23における駆動輪体としての駆動スプロケット35と一体回動する出力軸81に伝達するよう構成されている。
【0054】
前記ギア式伝動装置Gは、第1軸芯X1周りで回転自在な入力軸としての右側縦向き伝動軸31と第1軸芯X1に対して斜めに交差する第2軸芯X2周りで回転自在な出力軸81とを連動連結するように構成されている。
【0055】
すなわち、右側縦向き伝動軸31と一体回転する入力側のベベルギア82、前記第2軸芯X2と平行な軸芯周りで回転自在な中継伝動軸83、入力側のベベルギア82と噛み合い且つ中継伝動軸83と一体回転する出力側のベベルギア84、中継伝動軸83と一体回転する第1平ギア85、及び、第1平ギア85と噛み合い且つ出力軸81と一体回転する第2平ギア86の夫々が、右側引起し伝動ケース87内に備えられている。
【0056】
右側引起し伝動ケース87は、入力側のベベルギア82及び出力側のベベルギア84が収納されるベベルギアケース部87Aと、第1平ギア85及び第2平ギア86が収納される平ギアケース部87Bとを別体で備えて構成され、且つ、中継伝動軸83をベベルギアケース部87Aと平ギアケース部87Bとにわたって内装する状態でベベルギアケース部87Aと平ギアケース部87Bとを接続して構成されている。
又、ベベルギアケース部87A及び平ギアケース部87Bの夫々が、一対の分割ケース単位体同士を接続する2つ割り構造のケース体にて構成されている。
【0057】
説明を加えると、ベベルギアケース部87Aが、左右に2分割された一対の分割ケース単位体87A1,87A2同士をフランジ接続してボルトで締付けて一体的に連結して構成され、平ギアケース部87Bが、左右に2分割された一対の分割ケース単位体87B1,87B2同士をフランジ接続してボルトで締付けて一体的に連結して構成されている。又、それらのベベルギアケース部87Aと平ギアケース部87Bとをフランジ接続してボルトで締付けて一体的に連結して右側引起し伝動ケース87が構成されている。
【0058】
右側引起し伝動ケース87の出力側の被連結部88が、中央引起し装置伝動ケース60と同様に、引起しフレーム41に固定された断面コの字形のブラケット89に嵌め込まれてボルト72で締め付け固定されて、右側引起し伝動ケース87と引起しフレーム41とが連結されている。
【0059】
又、中央縦フレーム13と同様に、右側縦フレーム12の上端部に縦向き伝動軸32の両側に断面コの字形のブラケット90が一体的に溶接固定された状態で設けられ、右側引起し伝動ケース87の伝動入力側の端部に形成された入力側の被連結部91が、連結用のブラケット90に嵌め込まれてボルト65で締め付け固定されて、右側引起し伝動ケース87と右側縦フレーム12とが連結されている。
【0060】
図3、図5、図6、図9に示すように、無端回動チェーン37に潤滑油を供給するために、注油ホース79の先端に無端回動チェーン37に向けて潤滑油を供給する注油ノズル78を備えた注油装置80が備えられ、引起しフレーム41における切欠凹部41D内に、通常作業状態において無端回動チェーン37に向けて潤滑油を供給する状態にて位置固定自在、並びに、着脱自在に、注油ノズル78を支持するノズル支持部50が備えられている。
【0061】
説明を加えると、注油ノズル78は、通常作業状態においてノズル支持部50に位置固定状態で支持されているときは、無端回動チェーン37の回動軌跡の内周側の位置であって且つその回動軌跡にて形成される仮想平面上に位置して、潤滑油を噴出する噴出口78aが無端回動チェーン37に向かう状態で設けられる構成となっている。
【0062】
又、注油装置80における油タンク52及び電動式の油圧ポンプ53は、右側引起し装置23の後方側に掻き込み搬送装置27Aの上方に位置させる状態で設けられている。
つまり、図15に示すように、油タンク52は、右側縦フレーム12と引起し装置支持フレーム74とを連結する連結体43に固定した支持ブラケット46にて位置固定状態で支持されている。又、油圧ポンプ53は、右側縦フレーム12の上下中間部に固定されたブラケット48に位置固定で支持されている。
【0063】
以下、ノズル支持部50について具体的に説明する。
このノズル支持部50は、着脱自在な右側引起し装置23と中央引起し装置24との夫々に備えられるが、それらは同様な構成であるから、右側引起し装置23に備えられるノズル支持部81を例に以下に説明する。
【0064】
図12〜図14に示すように、ノズル支持部50は、引起しフレーム41に固定され且つ板材を略L字型に屈曲形成されたブラケット54に注油ノズル78を抜き差し自在に装着する構成となっている。すなわち、図12に示すように、ブラケット54は、正面視で引起しフレーム41における切欠凹部41Dの内部(切欠凹部41Dの下部)に位置する状態で、板面が機体横幅方向に沿う固定部54Aが、切欠凹部41Dの下側に位置する引起しフレーム41の後面に溶接固定され、固定部54Aに対して直交するように板面が機体前後に沿う状態で設けられた取付部54Bが形成されており、この取付部54Bに注油ノズル78が嵌まり込むノズル挿通孔55が形成されている。
【0065】
図13及び図14に示すように、注油ノズル78は、筒材を略L字形に屈曲する状態で設けられ、基端側の筒部78Aに注油ホース79が接続され、注油ノズル78の先端側の筒部78Bをブラケット54のノズル挿通孔55に嵌め込み装着するように構成されている。このようにして上下方向に延びる注油ホース79が無理に屈曲することなく横向きに無端回動チェーン37に潤滑油を供給することができるようになっている。
注油ノズル78の先端側の筒部78Bには、全周にわたり径方向に凹む状態で周溝56が形成され、且つ、周溝56の少し基端側によった位置に大径の接当部57が形成されている。
【0066】
先端側の筒部78Bがノズル挿通孔55に差込み挿入された状態で周溝56に嵌まり込み係合して、注油ノズル78の抜け外れを阻止する保持部材58が設けられている。
この保持部材58は、弾性を有する金属製の板材をL字型に折り曲げて、ブラケット54の取付部54Bの上端縁部分に接当する握り操作部58Aを備えるとともに、長尺状の板部58Bに注油ノズル78の先端側の筒部78Bに形成された周溝56に嵌まり込み係合する係合凹部58Cを備えて構成されている。
板部58Bは、自由状態では、図14に示すように、先端側が握り操作部58Aと同じ側に折り曲げた形状となっており、周溝56に嵌まり込み係合した状態で、注油ノズル78を先端側に向けて押圧付勢するように構成されており、簡単な構造により抜け外れし難いようになっている。
【0067】
前記握り操作部58Aは、ブラケット54の取付部54Bの厚みよりも大きい幅を有する状態で形成され、取付部54Bよりも外方に突出するように構成され、操作者が注油ノズル78を着脱するときに握り操作し易い形状となっている。
【0068】
又、図9に示すように、注油ホース79の途中部が引起し装置支持フレーム74に、保持具59により固定状態で支持されるように構成されている。
【0069】
従って、上記したようなノズル支持部50に注油ノズル78が支持されると、右側引起し装置23が通常作業状態にあるときに、無端回動チェーン37に向けて潤滑油を適正に供給することができるように構成されている。
【0070】
そして、右側引起し装置23をメンテナンス用退避状態に切り換えるときは、次のような操作を実行することになる。
先ず化粧カバー42を取り外す。この化粧カバー42は、図2及び図6に示すように、従動スプロケット36の回転用支軸45に形成されたネジ孔92に螺合装着されるノブボルト93により装着状態で締め付け固定する構成となっており、ノブボルト93を緩めて右側引起し装置23を取り外すことになる。
【0071】
化粧カバー42を取り外すと、図12に示すように、引起しフレーム41が露出することになるが、注油ノズル78は切欠凹部41Dの内部に位置する状態で設けられるので、この注油ノズル78が、切欠凹部41Dを通して前方外方に臨む状態で位置することになる。
【0072】
そこで、操作者は機体前面側から保持部材58を抜き外すことにより、注油ノズル78の先端側の筒部78Bをブラケット54のノズル挿通孔55から抜き外すことができ、上部側連結手段R1及び下部側連結手段R2の夫々の連結を解除することにより、注油ノズル78や注油ホース79が邪魔にならない状態で右側引起し装置23を取り外すことができる。
【0073】
又、中央引起し装置24についても同様に、注油ノズル78をブラケット54から抜き外すことにより、上部側連結手段R1及び下部側連結手段R2の夫々の連結を解除することにより、注油ノズル78や注油ホース79が邪魔にならない状態で中央引起し装置24を取り外すことができる。
【0074】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ノズル支持部50が引起しフレーム41の下部に位置する状態で設けられる構成としたが、ノズル支持部50が引起しフレーム41の上部に位置する状態で設けられる構成としてもよい。
【0075】
(2)上記実施形態では、引起し装置23,24が通常作業状態とメンテナンス用退避状態とに切り換え可能な構成として、引起し装置23,24が筒状フレーム8に対して着脱自在に構成されるものを示したが、このような構成に代えて、引起し装置23,24を通常作業状態とメンテナンス用退避状態とにわたり、上部の横軸芯周りで上下揺動自在に支持させる構成としてもよく、切り換えの具体構造は種々変更して実施することができる。又、このような切り換え構成に代えて、引起し装置23,24が、通常作業状態とメンテナンス用退避状態とに切り換え不能なものであってもよい。
【0076】
(3)上記実施形態では、上部側連結手段R1が、縦向き伝動軸32の前後両側夫々において連結用ブラケット63の両側の縦壁62及び被連結部64にわたって挿通する一対のボルト65により、中央縦フレーム13と中央引起し伝動ケース60とを連結するようにしたが、このような構成に代えて、縦向き伝動軸32の左右両側夫々において上下方向に挿通する一対のボルト(図示せず)により、中央縦フレーム13と中央引起し伝動ケース60とを連結する構成としてもよい。
【0077】
(4)上記実施形態では、三つの引起し装置23,24,25のうちの右側引起し装置23と中央引起し装置24について、上部側連結手段R1並びに下部側連結手段R2にて取り外し可能に筒フレーム8に支持するようにしたが、左側引起し装置25についても同様に、上部側連結手段R1並びに下部側連結手段R2にて取り外し可能に筒フレーム8に支持するようにしてもよく、又、中央引起し装置24あるいは右側引起し装置23のいずれか一方を取り外し可能に支持する構成としてもよい。
【0078】
(5)上記実施形態では、三つの引起し装置23,24,25を備えるものを示したが、本発明は、2つ又は4つ以上の引起し装置(図示せず)を備えたコンバインにも適用できる。そして、この場合にも同様に、いずれの引起し装置を上部側連結手段R1並びに下部側連結手段R2にて取り外し可能に構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、機体前部の刈取部に引起し装置を備えて、植立茎稈を引起しながら刈り取るようにしたコンバインに利用できる。
【符号の説明】
【0080】
2 刈取部
8 刈取部フレーム
23,24 引起し装置
37 無端回動チェーン
38 引起し爪
41 引起しフレーム
41C 引起し案内部
41D 切欠凹部
42 化粧カバー
50 ノズル支持部
74 中継フレーム部
78 注油ノズル
79 注油ホース
80 注油装置
R1 上部側連結手段
R2 下部側連結手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に備えられた刈取部に、植立茎稈を引起す引起し装置と、注油ホースの先端に前記引起し装置に向けて潤滑油を供給する注油ノズルを備えた注油装置とが備えられ、前記引起し装置が、複数の引起し爪を備えた無端回動チェーンを上下方向に回動自在に張設する状態で備えて構成されているコンバインであって、
前記引起し装置が、前記無端回動チェーンを張設支持する引起しフレームと、この引起しフレームの前面側にて前記無端回動チェーンの巻回経路全面を覆う化粧カバーとを備えて構成され、
前記引起しフレームが、前記無端回動チェーンの引起こし経路側に、前記引起し爪の起立姿勢を維持して案内支持すべく前記無端回動チェーンを摺動案内する引起し案内部を備え、且つ、前記無端回動チェーンにおける戻り経路側に、前記無端回動チェーンの回動面の表裏を露出状態にするように切り欠かれた切欠凹部を備えて構成され、
前記引起しフレームにおける前記切欠凹部内に、前記無端回動チェーンに向けて潤滑油を供給する状態にて位置固定自在、並びに、着脱自在に、前記注油ノズルを支持するノズル支持部が備えられているコンバイン。
【請求項2】
前記引起しフレームの下部に前記注油ノズルが位置する状態で前記ノズル支持部が備えられている請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取部を前記走行機体に昇降自在に支持する刈取部フレームに対して、前記引起しフレームの上部が上部側連結手段にて取り外し可能に連結され、且つ、前記引起しフレームの下部が下部側連結手段にて取り外し可能に連結されることにより、前記引起し装置が、植立茎稈を引起す通常作業状態と、機体前方に退避移動するメンテナンス用退避状態とにわたり切り換え可能に構成され、
前記下部側連結手段を前記刈取部フレームに連結するための中継フレーム部に、前記注油ホースが支持されている請求項1又は2記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−90579(P2012−90579A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241122(P2010−241122)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】