説明

コンピュータゲームの評価

コンピュータゲームを改善する方法であって、
(a)プレーヤに、種々のゲーム状況がゲームの進行中にプレーヤに提示されるコンピュータゲームを行わせるステップと、
(b)ステップ(a)の種々のゲーム状況に対応するゲーム状況パラメータを記録するステップと、
(c)プレーヤに提示されたゲーム状況のそれぞれの間に、プレーヤの脳活動を判定するステップと、
(d)ステップ(c)で判定された脳活動を参照して、ステップ(b)で記録されたゲーム状況パラメータそれぞれに対して、ゲーム状況パラメータの有効性を評価するステップと、
(e)ステップ(d)において判定された脳活動の低レベルを有するゲーム状況を削除または修正することによりゲームを改善するステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンピュータゲームとコンピュータに基づくエンターテイメントは、大きくかつ迅速に成長している経済分野を形成している。より複雑なインターネットに基づく複数のプレーヤによるゲームに対する開発コストは、最も大きなゲーム開発会社にとっても非常に重要な投資である。現在、コンピュータゲームの商業的成功の可能性は、人々に、ゲームの印象を報告してもらうように依頼することにより判定し、そしてゲームの遊戯性および娯楽性を高めるために修正を行っている。
【0002】
いずれのゲームでも成功の可能性は、プレーヤがゲームにどの程度まで共感するか、または、特別な状況が、どの程度まで興奮、恐怖、歓喜などの所望の感情状態を引き起こすかに依存している。
【0003】
最も重要な心理的尺度は「共感度(engagement)」である。ゲームがどの程度プレーヤを引き入れるかは、下記の式で示される前頭葉前部部位における、初期期間の間の脳活動の重み付き平均により与えられる。
【0004】
共感度(Engagement)=(b1*電極F3における脳活動+b2*電極Fp1における脳活動+b3*電極F4における脳活動+b4*電極Fp2における脳活動)、
ここにおいて、b1=0.1、b2=0.4、b3=0.1、b4=0.4 式1
逆写像技術が使用されると、適切な式は、
共感度(engagement)=(d1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+d2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動+d3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+d4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍における脳活動))、
ここにおいて、d1=0.1、d2=0.4、d3=0.1、d4=0.4 式2
である。
【0005】
適切な、他の心理的尺度およびそれらの脳活動の指標には、下記のものが含まれる。
【0006】
状況パラメータの所与のセットに関連する視覚注目度は、左および右後頭部記録部位の脳活動の増大により示される。脳における記録部位を分類するInternational 10−20システムにおいては、上記の位置は、O1とO2の近傍に対応する。脳のより深い部分の活動が、電気的または磁気的記録、またはSSVEPまたはSSVERと連係して、BESA、EMSEまたはLORETAのような逆写像技術を使用して評価される場合は、左大脳皮質における適切な場所は、左および右後頭葉の近傍である。
【0007】
状況パラメータのセットに関連する感情強度は、初期期間の間に、右頭頂側頭部位において、好ましくは、右大脳半球電極O2、P4、およびT6からほぼ等距離における脳活動の増大として示される。逆写像技術が使用されると、右大脳皮質における適切な位置は、右頭頂側頭接合部の近傍である。
【0008】
状況パラメータの所与のセットに関連する、個人がどの程度までゲーム状況により引き付けられるか、または反発するかは、左前頭/前頭葉前部および右前頭/前頭葉前部部位における脳活動の差により与えられる。引き付け度(Attraction)は、右に比較して左大脳半球におけるより大きな活動により示され、一方、反発度(Repulsion)は、左に比較して右大脳半球におけるより大きな活動により示される。
【0009】
引き付け度(Attraction)=(a1*電極F3において記録された脳活動+a2*電極Fp1において記録された脳活動−a3*電極F4において記録された脳活動−a4*電極Fp2において記録された脳活動)、
ここにおいて、a1=a2=a3=a4=1.0 式3
引き付け度(Attraction)の測定値が正の場合は、参加者が、素材が魅力的で好感が持てると感じていることに関連し、一方、負の測定値は、反発(repulsion)または嫌悪に関連している。
【0010】
逆写像技術が使用されると、適切な式は、
引き付け度(Attraction)=(c1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+c2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動+c3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+c4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))における脳活動)、
ここにおいて、c1=1、c2=1、c3=1、c4=1 式4
である。
コンピュータゲーム状況パラメータの判定
ゲーム状況パラメータは、ゲームプレーヤの状況を唯一的に特定するデジタル値のセットである。これらのパラメータは、ゲームの性質により変化し、プレーヤがゲームを進めるときに、時間と共にも変化する。例えば、ドライビングシミュレーションゲームにおいては、ゲーム状況パラメータは、シミュレートされた走路または景色におけるプレーヤの車の位置、プレーヤの車の速度と方向を、ハンドル、ブレーキ、およびギヤの位置と共に含む。冒険ゲームにおいては、ゲーム状況パラメータは、ビルディング、戦場、または街の風景のような、シミュレートされた環境内のプレーヤを表現するもの(アバタ)の位置と向きを含む。また、ゲーム状況パラメータは、アバタの状態、例えば、その能力(例えば、強度、「魔法の力」など)を、他のアバタ(マルチプレーヤゲームにおいて)または、コンピュータにより作成された、モンスター、エイリアン、ウィザードなどの住人の位置とアクションと共に含む。ゲーム状況パラメータは、時間と共に変化し、時間の関数としての各ゲーム状況パラメータの記録は、ゲームコンピュータメモリに数値アレイとして格納できる。ゲームをしている間、適切なゲーム状況パラメータは、コンピュータメモリに保持され、プレイが終了すると、ハードディスクメモリ、またはフラッシュメモリのような別のデジタル格納媒体に転送される。
【0011】
ゲームソフトウェアの開発者は、C++のような標準ソフトウェア、またはDaskBASIC(The Game Creator Ltd,’Rockville’,Warrington Rd, Lower Ince,Wigan,Lancashire,WN3 4QG,UK)のような特殊化コンピュータゲーム開発ソフトウェアを使用して、ゲームが進行中にゲーム状況パラメータを特定して格納するように、ソフトウェアを組み込む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、コンピュータゲームを改善できるように、コンピュータゲームの種々の要素に対するプレーヤの心理的反応を定量的に評価する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、コンピュータゲームを改善する方法が提供され、本方法は、
(a)プレーヤに、種々のゲーム状況がゲームの進行中にプレーヤに提示されるコンピュータゲームを行わせるステップと、
(b)ステップ(a)の種々のゲーム状況に対応するゲーム状況パラメータを記録するステップと、
(c)プレーヤに提示されたゲーム状況のそれぞれの間に、プレーヤの脳活動を判定するステップと、
(d)ステップ(c)で判定された脳活動を参照して、ステップ(b)で記録されたゲーム状況パラメータそれぞれに対して、ゲーム状況パラメータの有効性を評価するステップと、
(e)ステップ(d)において判定された脳活動の低レベルを有するゲーム状況を削除または修正することによりゲームを改善するステップを含む。
【0014】
本発明によれば、コンピュータゲームのエンターテイメント値を評価するシステムが提供され、本システムは、
(a)評価対象のコンピュータゲームを実行できるコンピュータであって、コンピュータゲームの実行中に起こる種々のゲーム状況に対応するゲーム状況パラメータを記録するように配置されているコンピュータと、
(b)コンピュータゲームの実行中に起こる各ゲーム状況の間に、プレーヤの脳活動を判定する手段と、
(c)記録されたゲーム状況パラメータのそれぞれに対して、脳活動を判定する手段により判定された脳活動を参照することにより、ゲーム状況パラメータの有効性を評価する手段を備える。
【0015】
本発明は、コンピュータゲームの種々の要素に対する個々のプレーヤの反応を判定するために、アンケート調査に対する言葉による反応や、他の自由意志によるフィードバックではなく、脳活動の測定に基づく方法を提供するということは理解されよう。従って、本発明の方法により、ゲーム開発者は、あまり魅力的でないと分かったゲームの要素を修正することにより、ゲームの商業的成功の可能性を改善することができる。
【0016】
1つの実施の形態においては、被験者またはプレーヤがコンピュータゲームに参加している間に、脳活動が測定される。同時に、プレーヤが遭遇した特別な状況もまた、プレーヤの状況または状況パラメータを指定するデジタルパラメータのストリームとして記録される。
【0017】
典型的には、脳活動および状況パラメータが記録されている間に、20人から100人のプレーヤがゲームを行う。状況パラメータの特別なセット、または状況パラメータの範囲に関連する脳活動を判定するために、個々のプレーヤの脳活動は、記録された状況パラメータが、ある所定の基準を満たす場合は、時間におけるすべての点に対して平均される。各個々のプレーヤに対して、これは、状況パラメータ基準のそれぞれに関連する平均の脳活動測定値のセットを生成する。所与の状況パラメータ基準に対する脳活動は、すべてのプレーヤ、またはプレーヤのサブセットに関して平均される。
脳活動の測定
脳活動の測定に対しては多くの方法が利用できる。それらの方法が所有しなければならない主要な機能は、十分な時間分解能または脳活動における急速な変化を追尾する能力である。自発的な脳の電気的活動、または脳電図(EEG)、または定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))である連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の電気的活動は、十分な時間分解能で、脳活動における変化を測定するために使用できる脳の電気的活動の2例である。等価なものとして、自発的な磁気的な脳活動、または脳磁図(MEG)と、連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の磁気的活動である、定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))がある。
脳電気図と脳磁図(EEGとMEG)
EEGとMEGは、頭皮表面またはその近傍において記録された、自発的な脳の電気的および磁気的活動の記録である。脳活動は、下記のEEGまたはMEG成分から評価できる。
【0018】
脳活動の測定に対しては多くの方法が利用できる。それらの方法が所有しなければならない主要な機能は、十分な時間分解能または脳活動における急速な変化を追尾する能力である。自発的な脳の電気的活動、または脳電図(EEG)、または定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))である連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の電気的活動は、十分な時間分解能で、脳活動における変化を測定するために使用できる脳の電気的活動の2例である。等価なものとして、自発的な磁気的な脳活動、または脳磁図(MEG)と、連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の磁気的活動である、定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))がある。
1.ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動
これは一般的には、35Hzと80Hzの間の周波数を含むEEGまたはMEG活動として定義される。ガンマ活動の高められたレベルは、脳活動の高められたレベルに関連しており、特に認識に関連している(Fitzgibbon SP,Pope KJ,Mackenzie L,Clark CR,Willoughby JO. 認知作業拡大ガンマEEGパワー(Cognitive tasks augment gamma EEG power),Clin Neurophysiol.2004:115:1802−1809)。
【0019】
頭皮EEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、適切な頭皮記録部位は、上記の一覧表示のようになる。上記の一覧表示された特別な脳部位におけるEEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、LORETAのような逆写像技術を使用しなければならない(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する新しい方法」(Low resolution electromagnetic tomography:a new method for localizing electrical activity in the brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)。
【0020】
上記に一覧表示した特別な脳部位でのMEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムを、MEG逆写像技術と連係して使用しなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of magnetoencephalographic data using minimum current estimates),Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and nonlinear current density reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
2.EEGまたはMEGアルファ活動の周波数
脳活動はまた、アルファ周波数範囲(8.0Hz−13.0Hz)における進行中のEEGまたはMEGの周波数における変化によっても示される。増大する周波数は、増大する活動を示している。周波数は、高い時間分解能で評価する必要がある。「瞬間的周波数」を測定するために使用できる2つの技術は、複合変調(Walter D,「複合変調の方法」(The Method of Complex Demodulation),Electroencephalog.Clin.Neurophysiol,1968 Suppl 27:53−7)と、「ヒルベルト変換の使用」(the use of the Hilbert Transform)の使用(Leon Cohen,「時間周波数解析」(”Time−frequency analysis”),Prentice−Hall,1995)である。増大する脳活動は、アルファ周波数範囲におけるEEGの瞬間周波数の増加により示される。
【0021】
頭皮EEGアルファ活動の周波数が、脳活動の指標として使用される場合は、適切な頭皮記録部位は、上記に一覧表示してある。上記に一覧表示した特別な脳部位でのEEGアルファ活動の周波数が、脳活動の指標として使用される場合は、LORETAのような逆写像技術を使用しなければならない(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する方法」(Low resolution electromagnetic tomography:a new method for localizing electrical activity in the brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)。
【0022】
上記に一覧表示した特別な脳部位におけるMEGアルファ活動の周波数が脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムが、MEG逆写像技術と提携して使用されなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of magnetoencephalographic data using minimum current estimates),Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and nonlinear current density reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
3.脳活動の指標としてのSSVEPまたはSSVER位相
脳活動はまた、定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))または定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))の位相により示すこともできる。
【0023】
米国特許第4,955,938号、第5,331,969号、および第6,792,304号(その内容は、本明細書に参考文献として組み込んである)は、被験者から、定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を得るための技術を開示している。この技術は、定常状態視覚誘発反応(SSVER)を得るためにも使用できる。これらの特許は、SSVEPとSSVER位相と、それに対する変化を迅速に得るための、フーリエ解析の使用を開示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を、添付された図面を参照することにより、ここで更に説明をする。
【0025】
図1は、被験者または被験者のグループの、ビデオスクリーン3とラウドスピーカ2で提示された視聴覚用素材に対する反応を判定するためのシステム50を図示している。本システムは、ハードウェアの種々の部分を制御し、下記に説明するように、被験者7の脳活動から導出された信号に対して計算を行うコンピュータ1を含む。コンピュータ1はまた、スクリーン3上で、および/またはラウドスピーカ2を介して、1人または複数の被験者に提示できる画像と音を保持する。
【0026】
テスト対象の被験者または複数の被験者7には、被験者7の頭皮上の種々の部位から、脳の電気的活動を得るための複数の電極を含むヘッドセット5が取り付けられる。SSVERが使用される場合は、ヘッドセット5における記録電極は使用されず、9 Burbidge Street,Coquitlam,BC,CanadaのVSM Medtech Ltd.により製造されたCTF MEG Systemのような、商用のMEG記録システムを代わりに使用することができる。ヘッドセットは、図2に示されるように、半銀鏡8と、白の発光ダイオード(LED)アレイ9を含むバイザ4を含む。半銀鏡は、LEDアレイ9からの光を被験者7の眼に向けて導くように配置される。LEDアレイ9は、そこからの光強度が、制御回路6の制御により、シヌソイド的に変化するように制御される。制御回路6は、シヌソイド信号を生成するための波形生成器を含む。SSVERが使用される場合は、LEDアレイからの光は、ファイバ光学システムを介して、バイザに搬送される。回路6はまた、増幅器、フィルタ、アナログーデジタル変換器、および種々の電極信号をコンピュータ1に結合するためのUSBインタフェース、またはTCPインタフェース、または、他のデジタルインタフェースも含む。
【0027】
半透明スクリーン10は、各LEDアレイ9の前に位置している。スクリーン上には不透明パターンが印刷されている。不透明度は、スクリーンの中心の中心にある円形領域において最大である。円形領域から離れるに従って、不透明度は、円形領域円周からの半径方向の距離に沿って、滑らかに減衰し、好ましくは、不透明度は、下記の式5により説明されたガウス関数として減衰する。スクリーンは、中心視野におけるフリッカを減少して、視覚的に提示された素材の明確な像を被験者に与える。中心の不透明円のサイズは、垂直および水平に、1度から4度の間の中心視野における視覚的フリッカを遮蔽するようなサイズである。
【0028】
r<Rならば、P=1
r>=Rならば、Pは、下記の式5により与えられる。
【0029】
【数1】

【0030】
ここでPは半透明スクリーン上のパターンの不透明度である。P=1.0の不透明度は、スクリーンを透過する光がまったくないことに対応し、P=0の不透明度は、完全な透明に対応する。
【0031】
Rは、中心不透明ディスクの半径であり、rは、不透明ディスクの中心からの半径方向の距離である。Gは、半径方向の距離に沿う、不透明度の減衰率を決定するパラメータである。典型的に、Gは、R/4と2Rの間の値を有する。図3は、ディスクの中心からの半径方向の距離に沿う不透明度の減衰を示している。図3において、R=1、G=2Rである。
【0032】
コンピュータ1は、ヘッドセット5の各電極またはMEGセンサからのSSVEPまたはSSVER振幅および位相を計算するソフトウェアを含む。
【0033】
SSVEPおよびSSVERを生成するために必要なハードウェアとソフトウェアの詳細はよく知られているので、詳細に説明する必要はない。この点に関しては、上述のSSVEP計算のためのハードウェアと技術の詳細を開示している米国特許の明細書を参照されたい。簡単に説明すれば、被験者7は、連続的な背景フリッカを周辺視野に与えるバイザ4を介してビデオスクリーン3を見る。背景フリッカの周波数は、典型的には、13Hzであるが、3Hzと50Hzの間で選択できる。複数のフリッカを同時に提示することもできる。周波数の数は、1から5の間で変えることができる。脳の電気的活動は、信号をフィルタ処理して増幅し、回路6でデジタル化し、その後、信号は格納と解析のためにコンピュータ1に転送されるような特殊化電子ハードウェアを使用して記録される。
【0034】
SSVEPを使用するときは、脳の電気的活動は、ヘッドセット5における複数の電極、またはElectro−cap(ECI Inc., Eaton,Ohio USA)のような市場で入手可能な別の複数電極システムを使用して記録される。SSVERを使用するときは、VSM MedTech Ltdにより製造されたCTF MEG Systemのような、商用MEG記録システムを使用できる。電極または磁気記録部位の数は、通常は8以上で、128以下であり、典型的には16から32の間である。
【0035】
各電極における脳の電気的活動は、信号調整システムと制御回路6に伝えられる。回路6は、複数ステージ固定ゲイン増幅、バンドパスフィルタ処理、および各チャネルに対するサンプリング保持回路を含む。増幅/フィルタ処理された脳活動は、300Hz以上の率で、16−24ビットの精度でデジタル化され、ハードディスク上に格納するためにコンピュータ1に転送される。各脳の電気的サンプリングのタイミングは、視聴覚素材の異なる成分のプレゼンテーション時とともに、10マイクロ秒の精度で登録されて格納される。市場で入手可能な、等価のMEG記録システムは同じ機能を果たす。
SSVEPとSSVER振幅および位相
デジタル化された脳の電気的活動(脳電図またはEEG)と、脳の磁気的活動(MEG)は共に、刺激ゼロクロッシングのタイミングで、特別な刺激周波数におけるフリッカにより誘発されたSSVEPまたはSSVERを、記録されたEEGまたはMEGから、または、人工産物を除去し、信号対雑音比を高めるために独立成分解析(ICA)を使用して前処理されたEEGまたはMEGデータから計算することを可能にする。[Bell A.J.and Sejnowski T.J.1995,「ブラインド分離およびブラインドデコンボルーションへの情報最大化アプローチ」(An information maximisation approach to blind separation and blind deconvolution),Neural Computation,7,6,1129−1159;T−P.Jung,S.Makeig,M.Westerfield,J.Townsend,E.Courchesne and T.J.Sejnowskik,「単一試行事象関連電位の独立成分解析」(Independent component analysis of single−trial event−related potential) Human Brain Mapping,14(3):168−85,2001]
所与の刺激周波数の各刺激サイクルに対するSSVEPまたはSSVER振幅と位相の計算。式6と7を使用し、フーリエ技術を使用して達成される計算を下記に示す。
【0036】
【数2】

【0037】
SSVEPフーリエ成分の計算で、ここでanとbnはそれぞれ、余弦および正弦フーリエ係数である。nはn番目の刺激サイクルを示し、Sは、1刺激サイクル当りの試料数(典型的には、サイクル当り16)であり、Δτは、試料間の時間間隔であり、Tは、1サイクルの周期であり、f(nT+iΔτ)は、EEGまたはMEG信号(未処理、またはICAを使用して前処理済)である。
【0038】
【数3】

【0039】
ここで、AnとBnは、下記の式4を使用して計算された、重複平滑化フーリエ係数である。
【0040】
【数4】

【0041】
振幅と位相成分は、単一サイクルフーリエ係数(anとbn)または、複数サイクルに渡って平滑化することにより計算された係数(AnとBn)のいずれかを使用して計算できる。
【0042】
式7と8は、一人の被験者に対して、平滑化SSVEPまたはSSVER係数を計算するための手順を示している。まとめられたデータに対して、所与の電極に対するSSVEPまたはSSVER係数(AnとBn)は、被験者全員に対して、または選択された被験者のグループに対して平均化される。
【0043】
平滑化において使用されるサイクル数が増大するにつれ、信号対雑音比は増大するが、時間分解能は減少する。平滑化に使用されるサイクル数は、典型的には5より大きく、130より小さい。
【0044】
上記の式は、頭蓋骨とより深い部位に接する皮質表面において推測される脳の電気的活動と同様に、頭皮SSVEPデータに適用される。眼窩前頭皮質または腹内側皮質のような脳のより深い部位における活動は、EMSE(Source Signal Imaging,Inc,2323 Broadway,Suite 102,San Diego,CA 92102,USA)およびLORETA(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する方法」(Low resolution electromagnetic tomography:a new method for localizing electrical activity in the brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)のような多数の利用できる逆写像技術を使用して決定できる。上記に一覧表示された特別な脳部位におけるSSVER振幅または位相の変化が、脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムを、MEG逆写像技術と連係して使用しなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of magnetoencephalographic data using minimum current estimates),Neuroimage 10:173−180.and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and nonlinear current density reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
【0045】
参加者がコンピュータゲームを行っている間に、視覚フリッカは、バイザ8内でスイッチが入れられ、脳の電気的活動は、コンピュータ1上で連続的に記録される。記録段階の終了時に、SSVEPまたはSSVER振幅および位相が、各個人に対して別々に計算される。

下記の例においては、コンピュータゲーム開発会社は、開発中のコンピュータゲームの心理的影響を評価する必要がある。ゲームの目標市場から選ばれた20から100人の参加者を研究のために参加してもらう。参加者が開発中のコンピュータでゲームをしている間に脳活動が記録される。各参加者は、気が散らないように、ブースに置いてある個々のコンピュータでゲームを行う。脳活動を記録するために、ヘッドセット5を参加者の頭に取り付け、バイザ4は、決められた位置に設置され、各参加者に対して、スクリーン10による中心窩のブロックが、スクリーン3の中心部分上にフリッカが現われることを防止するように調整される。
【0046】
脳活動と状況パラメータが、すべてのゲームをしている参加者に対していったん記録されると、各参加者の脳活動は、状況パラメータがある基準を満たしたときは平均される。例として、そのような基準の1つは、特別な地形上の位置やレーシングカーゲームにおける衝突前の速度である。または、戦争ゲームでは、プレーヤが4人以上の敵の兵隊から攻撃を受けている特別な戦場の位置である。そのため、各ゲームは、ゲームの開発者がプレーヤの心理的情報を必要とするゲームの構成要素を反映している状況パラメータ基準の固有のセットを有する。種々の状況パラメータ基準に対して測定された脳活動は、すべてのプレーヤに対して平均され、各基準または指定された状況パラメータのセットに対する代表的な反応が取得される。
【0047】
最も重要な心理的パラメータは共感度(engagement)と注目度(attention)であるが、他のパラメータもまた、ゲームの種々の個所においては重要である。例えば、感情強度は、ゲームのある構成要素においては重要であり、長期記憶は、情報が記憶される必要がある場合、または広告がゲームにおいて行われる場合は重要となることがある。心理的パラメータは上述した技術を使用して測定でき、これらは、関心対象の種々のゲーム状況パラメータに対してプロットされて図示できる。そして、ゲームの開発者は、ゲームパラメータのいずれが相対的に低いエンターテイメント値を有しているかを判定する。ゲームのこれらの部分は、削除または修正し、ゲームをより魅力的なものにして、共感度(engagement)と注目度(attention)のより高い測定値や、関心対象の他の心理的反応を達成することが可能である。
【0048】
評価の正確性は、基準レベルに対して、プレーヤの脳活動を測定することにより改善できる。これを行う便利な方法の1つは、全ゲームの間に各プレーヤの脳活動を平均して、関心対象のゲーム状況の間の脳活動を、その平均ゲームレベルと比較することである。これにより、関心対象のゲーム状況に対するプレーヤの心理反応のより正確な測定が可能になる。または、ゲームの開始に先立ち、各プレーヤに一連の静止画像などを音楽と共に提示し、この基準期間に通常の方法で脳活動を測定する。そして脳活動を、基準レベルに対して評価することで、より正確性を増すことができる。この方法で提示された基準期間は、単一のゲームにおけるゲーム状況ではなく、異なるゲームのゲーム状況間の比較の機会も与えてくれる。
【0049】
この技術に精通した者には、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、多数の変形が可能であることは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明のシステムの模式図である。
【図2】図2は、視覚フリッカ刺激を被験者に提示する方法をより詳細に示した模式図である。
【図3】図3は、半径の関数としての、スクリーンの不透明度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータゲームを改善する方法であって、
(a)プレーヤに、種々のゲーム状況がゲームの進行中にプレーヤに提示されるコンピュータゲームを行わせるステップと、
(b)ステップ(a)の種々のゲーム状況に対応するゲーム状況パラメータを記録するステップと、
(c)プレーヤに提示されたゲーム状況のそれぞれの間に、プレーヤの脳活動を判定するステップと、
(d)ステップ(c)で判定された脳活動を参照して、ステップ(b)で記録されたゲーム状況パラメータそれぞれに対して、ゲーム状況パラメータの有効性を評価するステップと、
(e)ステップ(d)において判定された脳活動の低レベルを有するゲーム状況を削除または修正することによりゲームを改善するステップを含む方法。
【請求項2】
ステップ(c)において判定された脳活動は、各ゲーム状況パラメータに対して平均される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)は、複数のプレーヤにより実行され、ステップ(c)は、複数のプレーヤの脳活動を平均するステップを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(c)は、ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動を判定することにより行われる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)は、周波数範囲8から13HzにおけるEEGまたはMEG活動を検出することにより行われる請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)は、プレーヤから得られたEEG信号における定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の位相の評価、またはプレーヤから得られたMEG信号における定常状態視覚誘発反応(SSVER)の評価により行われる請求項3に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(c)は、
ゲーム状況との共感度(engagement)、
ゲーム状況に関連する引き付け度(attraction)、
ゲーム状況に関連する感情強度、および/または
ゲーム状況に関連する長期記憶符号化の評価
を可能にする出力EEG信号を得るために、電極を頭皮部位に設置するステップを含む請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
シヌソイド的に変化する視覚フリッカ刺激を、ステップ(c)中に各被験者に加えて、フーリエ係数を前記出力信号から計算することを可能にし、それにより、前記SSVEP振幅および/または位相差の計算を可能にするステップを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記SSVEP振幅および位相は、式
【数1】

で計算され、ここで、anとbnは、式
【数2】

で計算される余弦および正弦フーリエ係数であり、ここにおいて、
nとbnは、それぞれ余弦および正弦フーリエ係数、
nは、n番目のフリッカ刺激サイクルを示し、
Sはフリッカ刺激サイクル当たりの試料数、
Δτは、試料間の時間間隔、
Tは、1サイクルの周期、
f(nT+iΔτ)は、前記所定頭皮部位から得られたEEG信号(未処理またはICAを使用して前処理済)であり、AnとBnは、式
【数3】

を使用して計算された重複平滑化フーリエ係数である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各プレーヤの複数の頭皮部位からのEEG信号を得るステップと、
BESA、EMSA、またはLORETAのような逆写像技術を利用して、眼窩前頭皮質または腹内側皮質のような、各被験者の脳のより深い部位における活動を表現する修正EEG信号を生成するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
プレーヤの選択されたグループに対してフーリエ係数AnとBnを平均し、前記プレーヤのグループに対するSSVEP振幅とSSVEP位相差を計算するステップを含む請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
フリッカ信号を、各プレーヤの周辺視野にのみ与えられる請求項8から11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
フリッカ信号を、それぞれが不透明領域を含む第1および第2スクリーンを介して、各プレーヤの眼に向けて導くステップと、スクリーンを、前記不透明領域が前記フリッカ信号が各プレーヤの各眼の中心に当ることを防止するように、各プレーヤの相対位置に置くステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各スクリーンの不透明度は、各プレーヤの各網膜に当るフリッカ信号の強度が、中心視野から周辺視野へ向けて値が減少するように、その不透明領域からの距離の関数として減少する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各スクリーンに、その不透明度を画定するためにマスキングパターンを適用するステップと、パターンを、各プレーヤの周辺視野に当るフリッカ信号の部分を画定する不透明領域とその周辺領域に隣接して、不透明度における変化に対してゼロまたは低勾配を提供するマスキングパターン関数に従って加えるステップを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各スクリーンの不透明領域は円形であり、マスキングパターン関数は、スクリーンの不透明度Pが、式
【数4】

により定義されるように、ガウス関数であるように選択され、ここにおいて、
rは不透明領域の中心からの半径方向距離、
Gは、半径方向距離に関する不透明度の降下率を決定するパラメータであり、
r<RのときP=1である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Gは、R/4と2/Rの範囲の値を有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
部位O2、P4、およびT6からほぼ等距離にある部位において、各プレーヤの頭皮に電極を取り付け、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算し、それにより出力信号は、ゲーム状況またはゲーム状況パラメータに関連するプレーヤの感情強度を示すステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項19】
逆写像を利用するステップは、右頭頂側頭接合部近傍の右大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、ゲーム状況またはゲーム状況パラメータに関連する各プレーヤの感情強度を示す請求項10に記載の方法。
【請求項20】
3、F4、Fp1、およびFp2部位において、各プレーヤの頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップと、式
引き付け度(attraction)=(a1*電極F3におけるSSVEP位相の進み+a2*電極Fp1におけるSSVEP位相の進み−a3*電極F4におけるSSVEP位相の進み−a4*電極Fp2におけるSSVEP位相の進み)、
ここにおいて、a1=a2=a3=a4=1.0
を使用して、引き付け度−反発度(attraction−repulsion)に対する値を計算するステップを含み、それにより、前記値は、ゲーム状況またはゲーム状況パラメータに対する各プレーヤの引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)を示す請求項9に記載の方法。
【請求項21】
逆写像を利用するステップは、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質、
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の右側背前頭葉前部皮質、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の左眼窩前頭皮質、および
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の左側背前頭葉前部皮質における脳活動を判定し、式
引き付け度(attraction)=(c1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+c2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)+c3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+c4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))、
ここにおいて、c1=1、c2=1、c3=1、c4=1
を使用して引き付け度−反発度(attraction−repulsion)に対する値を計算し、それにより、前記値は、ゲーム状況またはゲーム状況パラメータに対する各プレーヤの引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)を示す請求項10に記載の方法。
【請求項22】
3、F4、Fp1、およびFp2部位において、各プレーヤの頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップと、式
共感度(engagement)=(b1*電極F3におけるSSVEP位相の進み+b2*電極Fp1におけるSSVEP位相の進み+b3*電極F4におけるSSVEP位相の進み+b4*電極Fp2におけるSSVEP位相の進み)、
ここにおいて、b1=0.1、b2=0.4、b3=0.1、b4=0.4
を使用して、前記部位における重み付き平均SSVEP位相の進みによる、広告の特徴における共感度(engagement)に対する値を計算するステップを含み、それにより、前記値は、ゲーム状況またはゲーム状況パラメータにおける各プレーヤの共感度(engagement)を示す請求項9に記載の方法。
【請求項23】
逆写像を利用するステップは、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質、
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の右側背前頭葉前部皮質、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の左眼窩前頭皮質、および
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の左側背前頭葉前部皮質における脳活動を判定し、
前記電極からの前記修正されたEEG信号からSSVEP振幅と位相差を計算し、式
共感度(engagement)=(d1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+d2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)+d3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+d4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))、
ここにおいて、d1=0.1、d2=0.4、d3=0.1、d4=0.4
を使用して共感度(engagement)に対する値を計算し、それにより、前記値は、ゲーム状況またはゲーム状況パラメータにおける各プレーヤの共感度(engagement)を示す請求項10に記載の方法。
【請求項24】
コンピュータゲームのエンターテイメント値を評価するシステムであって、
(a)評価対象のコンピュータゲームを実行できるコンピュータであって、コンピュータゲームの実行中に起こる種々のゲーム状況に対応するゲーム状況パラメータを記録するように配置されているコンピュータと、
(b)コンピュータゲームの実行中に起こる各ゲーム状況の間に、プレーヤの脳活動を判定する手段と、
(c)記録されたゲーム状況パラメータのそれぞれに対して、脳活動を判定する前記手段により判定された脳活動を参照することにより、ゲーム状況パラメータの有効性を評価する手段を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−512861(P2010−512861A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541683(P2009−541683)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/AU2006/002004
【国際公開番号】WO2008/077176
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(507290386)ニューロ−インサイト プロプライアタリー リミティド (4)
【Fターム(参考)】