コンピュータシステム、入力装置、入力方法およびプログラム
【課題】命令入力時に視認しなくても正確に命令を入力できるようにすることを目的とする。
【解決手段】コンピュータシステム1の入力装置4において、ユーザの下肢に装着される装着部5と、赤外センサー6とを設ける。装着部5は、ユーザの右足に装着される第1照明部50と、ユーザの左足に装着される第2照明部51とを備えている。第1照明部50には1つの光源50aが設けられており、第2照明部51には2つの光源51a,51bが設けられている。赤外センサー6によってユーザの下肢に装着された装着部5を撮像することにより、ユーザの下肢の動作パターンを認識し、各動作パターンに対応付けられた命令が入力されたものと認識する。
【解決手段】コンピュータシステム1の入力装置4において、ユーザの下肢に装着される装着部5と、赤外センサー6とを設ける。装着部5は、ユーザの右足に装着される第1照明部50と、ユーザの左足に装着される第2照明部51とを備えている。第1照明部50には1つの光源50aが設けられており、第2照明部51には2つの光源51a,51bが設けられている。赤外センサー6によってユーザの下肢に装着された装着部5を撮像することにより、ユーザの下肢の動作パターンを認識し、各動作パターンに対応付けられた命令が入力されたものと認識する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがコンピュータに命令を入力する技術に関する。より詳しくは、ユーザがコンピュータを操作する際のユーザインタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータシステムに指示(命令)を入力するときに使用される様々なユーザインタフェースが考案されている。そして、コンピュータの機能が向上した昨今では、要求される命令の増加に伴って、ユーザの両手による入力を補うユーザインタフェースが提案されている。例えば、特許文献1には、足踏みシートによって仮想空間における移動命令を入力する技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−067737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の技術では、分割された複数の領域を必要に応じて踏み分けなければならず、命令が割り当てられている各領域の位置を予めユーザが記憶しておく必要があるという問題があった。また、例え位置を記憶していたとしても、一般に、ユーザは、手と異なり、足を正確に操作することについては不慣れであるため、複数の領域にまたがってシートを踏むような危険性もある。したがって、正確に命令を入力しようとすれば、結局、ユーザは足下のシートを目視確認しながら入力しなければならず、この場合、例えば、コンピュータシステムの画面から視線を切ることになる。すなわち、特許文献1に記載の技術は、命令を入力する際の操作性と正確性との両立が困難であるという問題があった。
【0005】
また、歩幅や足裏サイズ等はユーザの年齢や性別に応じて比較的大きく異なるにも関わらず、特許文献1に記載されている足踏みシートでは領域のサイズが固定されるため、個々のユーザに対応しにくいという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、命令入力時に視認しなくても正確に命令を入力できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、コンピュータシステムであって、選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、ユーザの下肢に装着される装着部と、前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、前記命令選択手段により選択された命令を実行するコンピュータとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るコンピュータシステムであって、前記コンピュータはユーザに仮想空間を提供するものであり、前記命令は、前記仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係るコンピュータシステムであって、複数のユーザにそれぞれ装着される複数の前記装着部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るコンピュータシステムであって、前記装着部は照明光を照射する光源を有する照明部を備え、前記位置取得手段は前記照明部からの光を受光する受光部を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るコンピュータシステムであって、前記照明部は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部と第2照明部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係るコンピュータシステムであって、前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが異なることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項5の発明に係るコンピュータシステムであって、前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが同一であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、接続される外部のコンピュータに命令を入力する入力装置であって、選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、ユーザの下肢に装着される装着部と、前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、前記命令決定選択により選択された命令を前記コンピュータに送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、コンピュータシステムに対する命令の入力方法であって、(a)選択肢となる命令を記憶手段に記憶する工程と、(b)ユーザの下肢に装着部を装着する工程と、(c)前記装着部の位置を取得する工程と、(d)前記(c)工程において取得された前記装着部の位置に応じて、前記記憶手段に記憶された選択肢となる命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する工程とを有する入力方法。
【0016】
また、請求項10の発明は、コンピュータによる実行が可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、ユーザの下肢に装着される装着部と、前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段とを備えるコンピュータとして機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし10に記載の発明は、ユーザの下肢に装着部を装着し、当該装着部の位置を取得して、取得した装着部の位置に応じて記憶された命令の中からユーザの意図した命令を選択する命令ことにより、入力時にユーザが視認する必要がない。
【0018】
請求項2に記載の発明は、ユーザに仮想空間を提供し、選択される命令が仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることにより、ユーザの移動動作に関連づけて、移動を制御する命令を入力できる。すなわち、ユーザは所望する命令を入力するために要求される操作を容易に覚えることができ、ユーザインタフェースが向上する。
【0019】
請求項3に記載の発明は、複数のユーザにそれぞれ装着される複数の装着部を備えることにより、複数のユーザが同時に命令を入力できる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、装着部が照明光を照射する光源を有する照明部を備え、位置取得手段が当該照明部からの光を受光する受光部を備えることにより、簡易な構成で実現できる。また、カメラを装着する場合に比べて、装着部を軽量化できるため、ユーザの負担を軽減できる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部と第2照明部とを備えることにより、下肢の特徴部である両足にそれぞれ装着することができ、命令の選択精度が向上する。あるいは選択可能な命令数を増やすことができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、第1照明部における光源の数と第2照明部における光源の数とが異なることにより、画像認識や色判定によって両足を区別する場合に比べて、容易に位置を判別できる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが同一であることにより、両足に装着するハードウェアを同一のハードウェアで実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0025】
<1. 第1の実施の形態>
図1は、本発明に係るコンピュータシステム1を示す図である。図1に示すように、コンピュータシステム1は、テレビ受像器2、ゲーム機本体3、入力装置4およびコントローラ7を備えている。
【0026】
テレビ受像器2は一般的な家庭用のテレビであり、電波放送を受信しつつ、その映像や音声を再生する機能を有している。また、テレビ受像器2は、ゲーム機本体3に専用のケーブルで接続されており、ゲーム機本体3の表示装置として機能する。なお、本実施の形態では、コンピュータシステム1がテレビ受像器2を表示装置として採用する構成で説明するが、もちろん専用の表示装置(ディスプレイやCRT等)を備えていてもよい。
【0027】
図2は、ゲーム機本体3を示すブロック図である。なお、図1では図示を省略しているが、図2に示すように、ゲーム機本体3はゲームカード8を着脱自在に装着することが可能とされている。また、図2に示すプログラム9は、ゲームカード8からロードされるプログラム80の一部または全部を含むものとして説明する。
【0028】
ゲーム機本体3は、CPU30、メモリ31、表示部32、操作部33およびインタフェース部34を備えており、一般的なコンピュータとしての機能を備えている。
【0029】
CPU30は、プログラム9を実行しつつ、各種データの演算を行うとともに、コンピュータシステム1の各構成を制御する。特に、本実施の形態におけるCPU30は、プログラム9を実行しつつ、適宜、テレビ受像器2に映像と音声とを再生させることにより、ゲーム等における仮想空間をユーザに提供する。また、ユーザが入力装置4を操作することにより入力する命令(主に仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令)や、ユーザがコントローラ7を操作することにより入力する命令を適宜実行する。
【0030】
メモリ31は、プログラム9や各種データを格納する記憶装置として構成されている。図2では1つのメモリ31を図示しているが、一般的には、読み取り専用のROM(ブートROM等)や、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM等、複数のハードウェアから構成される。
【0031】
表示部32は、ユーザに対して各種データを表示する機能を有する。具体的には、LEDやランプ類であり、主にゲーム機本体3の状態を表示する。このような表示部32として、例えば、電源ランプ等が該当する。なお、表示部32はこれらに限定されるものではなく、液晶パネルや専用のディスプレイ等を備えていてもよい。
【0032】
操作部33は、ユーザがゲーム機本体3を操作するために使用される。具体的には、電源ボタンやイジェクトボタン、ディップスイッチ等が該当する。
【0033】
インタフェース部34は、ゲーム機本体3に様々なハードウェアやネットワークを接続する機能を提供する。具体的には、各種端子類(LAN端子やUSB端子、映像端子、音声端子等)、各種ケーブル類、カードスロット、無線通信部等が該当する。
【0034】
ゲームカード8は、ゲーム等のアプリケーションを提供するためのソフトウェア(プログラム80)を格納しており、ゲーム機本体3のインタフェース部34(カードスロット)に装着される。このように、ゲーム機本体3は、ゲームカード8を取り替えることにより、様々なアプリケーションを実行することが可能なように構成されている。なお、ゲームカード8はCPU30によって作成されるデータ(ユーザデータ)を格納することも可能である。
【0035】
図3は、第1の実施の形態における入力装置4を示す図である。入力装置4は、図1に示すようにユーザの下肢に装着される装着部5と装着部5の位置を取得する赤外センサー6とを備えている。詳細は後述するが、入力装置4は、接続される外部のコンピュータ(ゲーム機本体3)に命令を入力する装置として構成されている。なお、入力装置4は、装着部5を装着したユーザが大きく水平位置を移動することなく操作されるものとする。
【0036】
装着部5は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部50および第2照明部51を備えている。さらに、第1照明部50は1つの光源50aを備えており、第2照明部51は2つの光源51a,51bを備えている。すなわち、本実施の形態における装着部5は、第1照明部50における光源の数と第2照明部51における光源の数とが異なっている。
【0037】
光源50a,51a,51bは、いずれもいわゆる赤外線LEDであり、それぞれが照明光としての赤外線を照射する。なお、図示を省略しているが、第1照明部50(第2照明部51)は光源50a(光源51a,51b)に電力を供給するための電源部(電池)を搭載している。このように、装着部5には電力を供給するための電池を搭載する必要がある。したがって、第1照明部50および第2照明部51は、光源50a,51a,51bとして比較的電力消費の少ない赤外線LEDを採用して照明光を照射することが好ましい。これにより装着部5の小型化が促進されるので、大型で重量の大きい物体を装着する場合に比べてユーザの負担が軽減される。
【0038】
また、第1照明部50および第2照明部51は、それぞれが図示しない装着ベルトを備えており、人体に容易に装着できるように構成されている。図1に示す例では、第1照明部50はユーザの右足に装着され、第2照明部51はユーザの左足に装着される。このように第1照明部50および第2照明部51は、人物の下肢の特徴部である両足にそれぞれが装着される。
【0039】
赤外センサー6は、二次元的に配列した複数の受光素子(図示せず)を備え、装着部5の各光源50a,51a,51bから照射される照明光(本実施の形態では赤外線)を受光して、筐体部40に対する装着部5の位置を取得する。
【0040】
さらに、入力装置4は、図3に示すように、筐体部(ベース部)40、各種データを演算するCPU41、各種データを記憶するメモリ42および入力装置4をゲーム機本体3に接続する通信部43を備えている。
【0041】
筐体部40は、球形部に載置台を取り付けた形状の外観を有しており、当該載置台によって水平面上に安定的に載置することが可能な構造となっている。本実施の形態における入力装置4は、通信部43を介してゲーム機本体3と接続される比較的小型で可搬性に優れた装置として構成されているが、筐体部40内に収容された各構成(特に赤外センサー6)は少なくともユーザが命令を入力する間は実質的に静止した状態となる。このようにして筐体部40は、入力装置4の基準位置を固定する機能を有しており、これにより装着部5の位置を容易に検出することが可能となる。
【0042】
CPU41は、メモリ42に格納されたプログラム44を実行しつつ、各種データの演算や制御信号の生成を行う。すなわち、入力装置4は、一般的なコンピュータとしての構成および機能を有している。
【0043】
図4は、入力装置4が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図4に示す位置取得部46および命令選択部47は、CPU41がプログラム44に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0044】
位置取得部46は、所定のタイミングごとに赤外センサー6から伝達される出力信号に基づいて、時刻ごとの装着部5(光源50a,51a,51b)の位置を取得し、位置データ48を作成する。本実施の形態における位置データ48は1つのフレームデータ(一種の静止画像)であり、これを参照することによって光源50a,51a,51bの状態や動きを検出することが可能となる。
【0045】
命令選択部47は、位置データ48に応じて命令選択テーブル45の中からユーザの意図した命令を選択し、選択した命令を示す命令データ49を作成する。より詳しくは、位置データ48に基づいて、光源50a,51a,51bの状態や動きを検出し、これによってユーザの下肢の動作が命令選択テーブル45に予め定義された動作のいずれに該当するかを判定する。そして、さらに命令選択テーブル45において、該当する動作に関連づけられている命令を、ユーザの意図した命令として選択する。すなわち、命令選択部47は、位置データ48に基づいてユーザ動作のパターン認識を行い、認識されたパターンに対応する命令を命令選択テーブル45から選択する機能を有している。
【0046】
メモリ42は、CPU41により実行されるプログラム44、選択肢となる命令(命令選択テーブル45)、装着部5の位置を示す位置データ48、選択された命令(命令データ49)等を記憶する。
【0047】
通信部43は、CPU41により選択された命令(命令データ49)をゲーム機本体3に送信する。本実施の形態における通信部43は、USB規格のインタフェースを提供する機能を有している。これにより、入力装置4とゲーム機本体3とは、USBケーブルおよびUSB端子により接続される。ただし、通信部43が提供するインタフェースはUSB規格に限定されるものではなく、他の規格が適宜採用されてもよい。
【0048】
図1に戻って、コントローラ7は、一般的なゲーム機用のリモコンとして構成されており、ゲーム機本体3にユーザの指示(命令)を入力するために使用される。コントローラ7は手によって操作されるユーザインタフェースとして機能し、コンピュータシステム1において、主に入力装置4から入力することのできない命令を入力するために操作される。
【0049】
ユーザは、武器や運動具、楽器等を実空間内において扱うのと近似した操作でコントローラ7を操作することにより、ゲームの仮想空間における武器や運動具、楽器等(オブジェクト)を操作するために必要な命令を入力することができる。言い換えれば、実空間において手による操作が行われるオブジェクトに対する命令は、コンピュータシステム1においても、手によって操作されるコントローラ7から主に入力される。
【0050】
以上が本実施の形態におけるコンピュータシステム1の構成および機能の説明である。次に、入力装置4を用いてコンピュータシステム1に命令を入力する方法について説明する。
【0051】
図5は、本発明に係る入力方法を示す流れ図である。なお、図5に示す各工程が開始される以前に(例えば入力装置4の製造工程において)、命令選択テーブル45をメモリ42に記憶する工程が既に実行されているものとする。また、以下では、ユーザがサッカーゲームを遊技する例で説明する。すなわち、コンピュータシステム1によって提供される仮想空間は「サッカー場」であり、当該仮想空間でユーザが操作するオブジェクトは「サッカー選手」である。
【0052】
まず、ユーザは、装着部5を自らの下肢に装着する(ステップS11)。ここに示す例では、ユーザは、光源50aを有する第1照明部50を右足に装着し、光源51aおよび光源51bを有する第2照明部51を左足に装着する。
【0053】
次に、ユーザは入力装置4の筐体部40を適当な位置に設置した後、操作部33やコントローラ7を操作して遊戯するゲーム(サッカーゲーム)をコンピュータシステム1に開始させるとともに、テレビ受像器2に向かって起立し、命令が入力可能な状態になるまで待機する(ステップS12)。なお、ステップS12によって待機している間においても、ユーザはコントローラ7を操作してコンピュータシステム1に所定の命令を入力できる。
【0054】
サッカーゲームが開始され、ゲーム機本体3のCPU30が入力装置4からの命令を実行できる状態になると、CPU30はステップS12においてYesと判定する。そして、CPU30は、インタフェース部34および通信部43を介して、入力装置4に命令の受付を開始する旨を通知する。これによってゲーム機本体3(CPU30)および入力装置4はユーザによる入力装置4を用いた命令の入力を受け付ける状態(命令受付状態)に遷移する。
【0055】
命令受付状態では、ゲーム機本体3のCPU30がゲームを進行させつつ(ステップS13)、命令の受付を終了するか否かを監視する(ステップS19)。
【0056】
ステップS13におけるゲーム進行とは、CPU30がプログラム9を実行することにより、仮想空間を提供する処理であり、この仮想空間を提供するにあたってはユーザが入力した命令を実行する処理も行われる。なお、ステップS13で実行される命令は、入力装置4を用いて入力された命令に限定されるものではなく、操作部33やコントローラ7を用いて入力された命令も実行される。
【0057】
また、命令受付状態では、入力装置4のCPU41が位置取得タイミングを監視する(ステップS14)。位置取得タイミングは、例えば、所定の周期でリセット信号を発生させ、これに基づいて決定することができる。
【0058】
命令受付状態において、位置取得タイミングになると、CPU41がステップS14においてYesと判定し、赤外センサー6からの出力信号に基づいて位置取得部46が位置データ48を作成(更新)する(ステップS15)。
【0059】
位置データ48が作成されると、命令選択部47が当該位置データ48に応じて、装着部5(光源50a,51a,51b)の動きを解析し(ステップS16)、装着部5を装着したユーザの操作動作を認識する。
【0060】
図6ないし図9は、命令選択部47が検出する光源50a,51a,51bの動きの例を示す図である。
【0061】
図6は、第1照明部50の光源50aと、第2照明部51の光源51a,51bとが反対方向に上下移動している動きを示している。位置データ48を解析した結果、このような動きが検出できた場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「足踏み」であると認識する。なお、このような動きは、静止状態のフレーム(基本フレーム)のみを保存しておき、これと現在のフレームとを比較することにより検出できる。
【0062】
図7は、全ての光源50a,51a,51bが検出されている状態から、光源50aが検出されない状態に移行した動きを示している。光源51a,51bのみが検出された場合、命令選択部47は、第2照明部51が装着された左足によって、光源50aからの照明光が遮蔽されたと判断する。すなわち、ユーザは左足を前に出した状態で体をひねった体勢になっていると予測されるため、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「右回転」であると認識する。
【0063】
ここでは図示を省略しているが、逆に、光源50aのみが検出され、光源51a,51bが検出されない場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「左回転」であると認識する。
【0064】
このように、本実施の形態における入力装置4は、ユーザの右足と左足とにそれぞれ数の異なる光源を装着させることによって、前後の位置関係を用いることなく、容易に位置を解析することができ、回転動作を認識することができる。
【0065】
図8は、全ての光源50a,51a,51bが同じ方向に上下移動する動きを示している。この場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「ジャンプ」であると認識する。なお、このような動きは、基本フレームと現在のフレームとを比較することにより検出できる。
【0066】
図9は、第2照明部51の光源51aと光源51bとの間隔が狭くなった動きを示している。この場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「キック」であると認識する。なお、本実施の形態では、第2照明部51のみ複数の光源を有しているため、第2照明部51を装着した左足によるキックのみが認識可能である。ただし、左右いずれの足によるキックもそれぞれ認識できるようにするためには、例えば、第1照明部50に3つの光源を設けるようにすればよい。
【0067】
なお、図示は省略しているが、全ての光源50a,51a,51bが検出されている状態で、かつ、全ての光源50a,51a,51bが静止している場合には、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「静止」であると認識する。なお、静止しているか否かは、基本フレームと現在のフレームとを比較することにより検出できる。
【0068】
図5に戻って、動きの解析(ステップS16)が完了すると、命令選択部47は、メモリ42に記憶されている命令選択テーブル45を参照することにより、メモリ42に記憶された選択肢となる命令(命令選択テーブル45において定義されている命令)の中からユーザの意図した命令を選択する(ステップS17)。
【0069】
図10は、命令選択テーブル45の例を示す図である。第1の実施の形態におけるコンピュータシステム1では、図10に示すように、入力装置4を操作して入力できる命令として、6種類の命令(前進命令、左回転命令、右回転命令、跳躍命令、蹴り命令、静止命令)が定義され、記憶されている。このうちの「蹴り命令」を除く他の命令は、いずれも仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令である。
【0070】
命令選択部47は、ステップS16において認識された動作パターンに対応付けられている命令を、ステップS17において選択する。
【0071】
図10を見れば、ユーザの動作パターンが、ほぼオブジェクトの動作に対応付けられていることが分かる。すなわち、ユーザは、仮想空間内のオブジェクトの移動を制御するにあたって、自分自身が移動するのと同様の感覚で命令を入力することができる。したがって、手で操作するコントローラ7によってオブジェクトの移動を制御する命令を入力する場合に比べて、ユーザは操作を覚える必要がなく、かつ、仮想空間における現実味が増すという効果がある。また、従来の足踏みシートのように、入力時にユーザ自身が入力装置4を視認する必要がないため、ユーザはテレビ受像器2に表示される映像に集中することができる。
【0072】
このように、仮想空間におけるオブジェクトの移動は、図10に示した程度の種類の命令で充分に制御可能である。したがって、簡易な構成の入力装置4を操作することによって、これらの命令の入力が可能である。
【0073】
一方、先述のように、入力装置4を用いた入力操作では、操作するユーザ自身が大きく移動することはない。本実施の形態では、前進命令についても、実際にユーザに前進することを要求するのではなく足踏みによって入力すると定義する。しかしながら、オブジェクトの移動を制御するためには、後退命令(方向転換を伴わない後退、「後ずさり」)が必要な場合も考えられる。
【0074】
本実施の形態におけるコンピュータシステム1では、コントローラ7の所定のボタンが押されている状態で、入力装置4から「前進命令」が入力された場合には、CPU30は「後退命令」が入力されたと解釈するものとする。このように、入力装置4からの入力が困難な命令については、コントローラ7の操作と組み合わせることにより、入力することが可能である。
【0075】
また、左回転または右回転の動作パターンが検出されている間は、左回転命令または右回転命令が選択され続けることになる(連続して入力されていると判定される)。オブジェクトの回転の停止は、静止命令が入力されることにより行われる。すなわち、静止命令は、移動(前進後退)の静止のみならず、回転の静止も含む命令である。
【0076】
図5に戻って、命令の選択が終了すると、命令選択部47は選択した命令に応じて命令データ49を作成し、通信部43が当該命令データ49をゲーム機本体3に送信する(ステップS18)。これにより、ゲーム機本体3が命令データ49を取得し(ゲーム機本体3に命令が入力された状態となる)、ステップS13においてCPU30が命令データ49に示されている命令を実行する。
【0077】
命令受付状態において、ゲーム機本体3のCPU30が入力装置4からの命令を実行できない状態になると、CPU30はステップS19においてYesと判定し、その旨を入力装置4に伝達する。これにより、入力装置4による入力が終了する。
【0078】
以上のように、第1の実施の形態におけるコンピュータシステム1は、選択肢となる命令を記憶するメモリ42と、ユーザの下肢に装着される装着部5と、装着部5の位置を取得する位置取得部46と、位置取得部46により取得される装着部5の位置に応じてメモリ42に記憶された命令の中からユーザの意図した命令を選択する命令選択部47と、命令選択部47により選択された命令を実行するゲーム機本体3とを備えることにより、ユーザは入力時に入力用のハードウェアを視認する必要がなく、テレビ受像器2の映像に集中できる。
【0079】
また、ゲーム機本体3はユーザに仮想空間を提供するものであり、入力装置4によって入力される命令は、当該仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることにより、ユーザの移動動作に関連づけて、オブジェクトの移動を制御する命令を入力できる。すなわち、ユーザは所望する命令を入力するために要求される操作を容易に覚えることができ、ユーザインタフェースが向上する。
【0080】
また、装着部5は照明光を照射する光源を有する第1照明部50および第2照明部51を備えるとともに、第1照明部50および第2照明部51からの光を受光する赤外センサー6を備えることにより、簡易な構成で実現することができる。また、カメラを装着する場合に比べて、装着部5を軽量化できるため、ユーザの負担を軽減できる。
【0081】
また、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部50と第2照明部51とを備えることにより、ユーザの動作パターンの認識精度が向上するため、命令の選択精度が向上する。あるいは選択可能な命令数を増やすことができる。
【0082】
また、第1照明部50における光源の数と第2照明部51における光源の数とが異なることにより、画像認識や色判定によって区別する場合に比べて、容易に装着部5の位置を判別できる。
【0083】
また、歩幅や足裏サイズといったユーザ固有の条件に左右されることなく操作することが可能であるため、個々のユーザに対して柔軟に対応できる。
【0084】
なお、2人目のユーザに対する装着部5として、3つの光源を有する第1照明部と4つの光源を有する第2照明部とを別途新たに用意し、光源の数の違いに応じて、装着部5の位置を取得して動きを検出するように構成すれば、2人のユーザの動作を個別に判定でき、それぞれに応じた命令を選択することが可能となる。すなわち、複数のユーザによる同時入力を実現できる。
【0085】
また、本実施の形態では、装着部5において光源50a,51a,51bとして同一のLEDを採用している。そのため、ユーザの動作によって赤外センサー6のフレーム(受光領域)から光源50a,51a,51bのうちの全部または一部が外れてしまった場合、その後、受光されている照明光が光源50a,51a,51bのうちのいずれの照明光であるか判定できなくなるおそれがある。しかしながら、装着部5はユーザの下肢に装着されているため、光源50a,51a,51bの互いの相対位置は大きくは変化しない。したがって、入力装置4のCPU41は、一旦フレームアウトした光源50a,51a,51bが再度フレームに復帰した時点で、各光源50a,51a,51bの相対位置を求めることにより、検出されている光源がいずれの光源であるかを正確に割り当てることができる。
【0086】
<2. 第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、第1照明部50の光源の数と、第2照明部51の光源の数とが異なる例について説明した。しかし、本発明は、第1照明部の光源の数と、第2照明部の光源の数とが同一であっても実現可能である。
【0087】
図11は、第2の実施の形態における装着部5の動きを示す図である。第2の実施の形態における装着部5は、第1照明部50の代わりに、2つの光源52a,52bを有する第1照明部52を備える点が第1の実施の形態における装着部5と異なっている。
【0088】
一般に、ユーザが回転動作を行う場合、一方の足を軸足にして固定しつつ、他方の足を動かして身体をひねる動作を行う。したがって、第1照明部52または第2照明部51のうちの一方がほとんど静止した状態で、かつ、両方の間隔が近接するように移動する動きを検出したときに、命令選択部47は、回転動作パターンであると認識すればよい。
【0089】
このときの回転が、左右いずれであるかは、静止している方の光源が消滅するか、移動している方の光源が消滅するかによって判定できる。
【0090】
第2照明部51の光源51a,51bが移動しつつ、静止していた方の光源52a,52bが消滅した場合、現在のフレームにおいて検出されている光源は第2照明部51の光源51a,51bであると判定できる(図11の場合)。したがって、第2照明部51を装着した左足が前に出ている状態であるから、ユーザの動作パターンは右回転の動作パターンであると認識できる。
【0091】
一方、第2照明部51の光源51a,51bが移動しているときに、移動している光源51a,51bが消滅した場合、現在のフレームにおいて検出されている光源は第1照明部52の光源52a,52bであると判定できる。したがって、ユーザは移動させる足を後方に引きながら回転したと認識できるため、ユーザの動作パターンは左回転の動作パターンであると認識できる。
【0092】
なお、第1照明部52および第2照明部51のうちのいずれが移動しているかを判定するためには、基本フレームと現在のフレームとの比較により決定することも可能である。ただし、基本フレームとの比較では、認識率が低下するおそれがある場合は、位置データ48を一連のフレームデータ(一種の動画像)として作成し、前後のフレームを比較することにより検出すればよい。
【0093】
以上のように、第2の実施の形態におけるコンピュータシステム1のように、第1照明部52の光源の数と、第2照明部51の光源の数とを同一にした構成であっても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
また、両足に装着する第1照明部52と第2照明部51とを同一のハードウェアで実現できる。
【0095】
また、第2の実施の形態では、第1照明部52および第2照明部51が備える光源の数がいずれも複数となるため、ユーザが左右のいずれの足でキック動作を行った場合であっても認識できる。
【0096】
<3. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、赤外センサー6の代わりに撮像カメラを設けてもよい。これにより指標となる装着部5を撮像し、画像認識処理によって装着部5の位置を取得してもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、ユーザに照明部(光源)が装着され、これら光源の位置を筐体部40内の赤外センサー6で受光して検出すると説明した。しかし、筐体部40内に赤外線を照射する光源を設け、装着部5側に受光部を設ける構成としてもよい。
【0099】
また、コンピュータシステム1において、装着部5以外の構成がゲーム機本体3に内蔵されてもよい。あるいは、命令選択テーブル45をゲーム機本体3のメモリ31に記憶させておき、赤外センサー6の出力を筐体部40からゲーム機本体3に送信して、ゲーム機本体3のCPU30によって装着部5の位置を取得するように構成してもよい。
【0100】
また、仮想空間における操作対象となるオブジェクトは人物(キャラクタ)に限定されるものではなく、動物やロボット、車両等であってもよい。
【0101】
また、入力装置4を操作することにより入力される命令の種類は、上記実施の形態に示すものに限定されるものではなく、さらに多種の命令を動作パターンに対応付けて定義してもよい。例えば、光源50a,51a,51bの移動速度に応じて、前進命令を「徒歩命令(低速前進命令)」と「走行命令(高速前進命令)」とに分けて定義してもよい。また、「跳躍命令」についても高低の区別をつけてもよい。あるいは、オブジェクトに応じて命令を取捨選択してもよい。例えば、オブジェクトが「車両」であれば、「蹴り命令」は必要ない。
【0102】
また、上記実施の形態において示した各工程は、あくまでも例示であって、同様の効果が得られるならば、適宜、内容または順序が変更されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態において示した機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路で実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係るコンピュータシステムを示す図である。
【図2】ゲーム機本体を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における入力装置を示す図である。
【図4】入力装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図5】本発明に係る入力方法を示す流れ図である。
【図6】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図7】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図8】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図9】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図10】命令選択テーブルの例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における装着部の動きを示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1 コンピュータシステム
2 テレビ受像器
3 ゲーム機本体
30,41 CPU
31,42 メモリ
4 入力装置
40 筐体部
43 通信部
44,80,9 プログラム
45 命令選択テーブル
46 位置取得部
47 命令選択部
48 位置データ
49 命令データ
5 装着部
50,52 第1照明部
51 第2照明部
50a,51a,51b,52a,52b 光源
6 赤外センサー
7 コントローラ
8 ゲームカード
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがコンピュータに命令を入力する技術に関する。より詳しくは、ユーザがコンピュータを操作する際のユーザインタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータシステムに指示(命令)を入力するときに使用される様々なユーザインタフェースが考案されている。そして、コンピュータの機能が向上した昨今では、要求される命令の増加に伴って、ユーザの両手による入力を補うユーザインタフェースが提案されている。例えば、特許文献1には、足踏みシートによって仮想空間における移動命令を入力する技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−067737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の技術では、分割された複数の領域を必要に応じて踏み分けなければならず、命令が割り当てられている各領域の位置を予めユーザが記憶しておく必要があるという問題があった。また、例え位置を記憶していたとしても、一般に、ユーザは、手と異なり、足を正確に操作することについては不慣れであるため、複数の領域にまたがってシートを踏むような危険性もある。したがって、正確に命令を入力しようとすれば、結局、ユーザは足下のシートを目視確認しながら入力しなければならず、この場合、例えば、コンピュータシステムの画面から視線を切ることになる。すなわち、特許文献1に記載の技術は、命令を入力する際の操作性と正確性との両立が困難であるという問題があった。
【0005】
また、歩幅や足裏サイズ等はユーザの年齢や性別に応じて比較的大きく異なるにも関わらず、特許文献1に記載されている足踏みシートでは領域のサイズが固定されるため、個々のユーザに対応しにくいという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、命令入力時に視認しなくても正確に命令を入力できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、コンピュータシステムであって、選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、ユーザの下肢に装着される装着部と、前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、前記命令選択手段により選択された命令を実行するコンピュータとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るコンピュータシステムであって、前記コンピュータはユーザに仮想空間を提供するものであり、前記命令は、前記仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係るコンピュータシステムであって、複数のユーザにそれぞれ装着される複数の前記装着部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るコンピュータシステムであって、前記装着部は照明光を照射する光源を有する照明部を備え、前記位置取得手段は前記照明部からの光を受光する受光部を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るコンピュータシステムであって、前記照明部は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部と第2照明部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係るコンピュータシステムであって、前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが異なることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項5の発明に係るコンピュータシステムであって、前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが同一であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、接続される外部のコンピュータに命令を入力する入力装置であって、選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、ユーザの下肢に装着される装着部と、前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、前記命令決定選択により選択された命令を前記コンピュータに送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、コンピュータシステムに対する命令の入力方法であって、(a)選択肢となる命令を記憶手段に記憶する工程と、(b)ユーザの下肢に装着部を装着する工程と、(c)前記装着部の位置を取得する工程と、(d)前記(c)工程において取得された前記装着部の位置に応じて、前記記憶手段に記憶された選択肢となる命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する工程とを有する入力方法。
【0016】
また、請求項10の発明は、コンピュータによる実行が可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、ユーザの下肢に装着される装着部と、前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段とを備えるコンピュータとして機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし10に記載の発明は、ユーザの下肢に装着部を装着し、当該装着部の位置を取得して、取得した装着部の位置に応じて記憶された命令の中からユーザの意図した命令を選択する命令ことにより、入力時にユーザが視認する必要がない。
【0018】
請求項2に記載の発明は、ユーザに仮想空間を提供し、選択される命令が仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることにより、ユーザの移動動作に関連づけて、移動を制御する命令を入力できる。すなわち、ユーザは所望する命令を入力するために要求される操作を容易に覚えることができ、ユーザインタフェースが向上する。
【0019】
請求項3に記載の発明は、複数のユーザにそれぞれ装着される複数の装着部を備えることにより、複数のユーザが同時に命令を入力できる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、装着部が照明光を照射する光源を有する照明部を備え、位置取得手段が当該照明部からの光を受光する受光部を備えることにより、簡易な構成で実現できる。また、カメラを装着する場合に比べて、装着部を軽量化できるため、ユーザの負担を軽減できる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部と第2照明部とを備えることにより、下肢の特徴部である両足にそれぞれ装着することができ、命令の選択精度が向上する。あるいは選択可能な命令数を増やすことができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、第1照明部における光源の数と第2照明部における光源の数とが異なることにより、画像認識や色判定によって両足を区別する場合に比べて、容易に位置を判別できる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが同一であることにより、両足に装着するハードウェアを同一のハードウェアで実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0025】
<1. 第1の実施の形態>
図1は、本発明に係るコンピュータシステム1を示す図である。図1に示すように、コンピュータシステム1は、テレビ受像器2、ゲーム機本体3、入力装置4およびコントローラ7を備えている。
【0026】
テレビ受像器2は一般的な家庭用のテレビであり、電波放送を受信しつつ、その映像や音声を再生する機能を有している。また、テレビ受像器2は、ゲーム機本体3に専用のケーブルで接続されており、ゲーム機本体3の表示装置として機能する。なお、本実施の形態では、コンピュータシステム1がテレビ受像器2を表示装置として採用する構成で説明するが、もちろん専用の表示装置(ディスプレイやCRT等)を備えていてもよい。
【0027】
図2は、ゲーム機本体3を示すブロック図である。なお、図1では図示を省略しているが、図2に示すように、ゲーム機本体3はゲームカード8を着脱自在に装着することが可能とされている。また、図2に示すプログラム9は、ゲームカード8からロードされるプログラム80の一部または全部を含むものとして説明する。
【0028】
ゲーム機本体3は、CPU30、メモリ31、表示部32、操作部33およびインタフェース部34を備えており、一般的なコンピュータとしての機能を備えている。
【0029】
CPU30は、プログラム9を実行しつつ、各種データの演算を行うとともに、コンピュータシステム1の各構成を制御する。特に、本実施の形態におけるCPU30は、プログラム9を実行しつつ、適宜、テレビ受像器2に映像と音声とを再生させることにより、ゲーム等における仮想空間をユーザに提供する。また、ユーザが入力装置4を操作することにより入力する命令(主に仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令)や、ユーザがコントローラ7を操作することにより入力する命令を適宜実行する。
【0030】
メモリ31は、プログラム9や各種データを格納する記憶装置として構成されている。図2では1つのメモリ31を図示しているが、一般的には、読み取り専用のROM(ブートROM等)や、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM等、複数のハードウェアから構成される。
【0031】
表示部32は、ユーザに対して各種データを表示する機能を有する。具体的には、LEDやランプ類であり、主にゲーム機本体3の状態を表示する。このような表示部32として、例えば、電源ランプ等が該当する。なお、表示部32はこれらに限定されるものではなく、液晶パネルや専用のディスプレイ等を備えていてもよい。
【0032】
操作部33は、ユーザがゲーム機本体3を操作するために使用される。具体的には、電源ボタンやイジェクトボタン、ディップスイッチ等が該当する。
【0033】
インタフェース部34は、ゲーム機本体3に様々なハードウェアやネットワークを接続する機能を提供する。具体的には、各種端子類(LAN端子やUSB端子、映像端子、音声端子等)、各種ケーブル類、カードスロット、無線通信部等が該当する。
【0034】
ゲームカード8は、ゲーム等のアプリケーションを提供するためのソフトウェア(プログラム80)を格納しており、ゲーム機本体3のインタフェース部34(カードスロット)に装着される。このように、ゲーム機本体3は、ゲームカード8を取り替えることにより、様々なアプリケーションを実行することが可能なように構成されている。なお、ゲームカード8はCPU30によって作成されるデータ(ユーザデータ)を格納することも可能である。
【0035】
図3は、第1の実施の形態における入力装置4を示す図である。入力装置4は、図1に示すようにユーザの下肢に装着される装着部5と装着部5の位置を取得する赤外センサー6とを備えている。詳細は後述するが、入力装置4は、接続される外部のコンピュータ(ゲーム機本体3)に命令を入力する装置として構成されている。なお、入力装置4は、装着部5を装着したユーザが大きく水平位置を移動することなく操作されるものとする。
【0036】
装着部5は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部50および第2照明部51を備えている。さらに、第1照明部50は1つの光源50aを備えており、第2照明部51は2つの光源51a,51bを備えている。すなわち、本実施の形態における装着部5は、第1照明部50における光源の数と第2照明部51における光源の数とが異なっている。
【0037】
光源50a,51a,51bは、いずれもいわゆる赤外線LEDであり、それぞれが照明光としての赤外線を照射する。なお、図示を省略しているが、第1照明部50(第2照明部51)は光源50a(光源51a,51b)に電力を供給するための電源部(電池)を搭載している。このように、装着部5には電力を供給するための電池を搭載する必要がある。したがって、第1照明部50および第2照明部51は、光源50a,51a,51bとして比較的電力消費の少ない赤外線LEDを採用して照明光を照射することが好ましい。これにより装着部5の小型化が促進されるので、大型で重量の大きい物体を装着する場合に比べてユーザの負担が軽減される。
【0038】
また、第1照明部50および第2照明部51は、それぞれが図示しない装着ベルトを備えており、人体に容易に装着できるように構成されている。図1に示す例では、第1照明部50はユーザの右足に装着され、第2照明部51はユーザの左足に装着される。このように第1照明部50および第2照明部51は、人物の下肢の特徴部である両足にそれぞれが装着される。
【0039】
赤外センサー6は、二次元的に配列した複数の受光素子(図示せず)を備え、装着部5の各光源50a,51a,51bから照射される照明光(本実施の形態では赤外線)を受光して、筐体部40に対する装着部5の位置を取得する。
【0040】
さらに、入力装置4は、図3に示すように、筐体部(ベース部)40、各種データを演算するCPU41、各種データを記憶するメモリ42および入力装置4をゲーム機本体3に接続する通信部43を備えている。
【0041】
筐体部40は、球形部に載置台を取り付けた形状の外観を有しており、当該載置台によって水平面上に安定的に載置することが可能な構造となっている。本実施の形態における入力装置4は、通信部43を介してゲーム機本体3と接続される比較的小型で可搬性に優れた装置として構成されているが、筐体部40内に収容された各構成(特に赤外センサー6)は少なくともユーザが命令を入力する間は実質的に静止した状態となる。このようにして筐体部40は、入力装置4の基準位置を固定する機能を有しており、これにより装着部5の位置を容易に検出することが可能となる。
【0042】
CPU41は、メモリ42に格納されたプログラム44を実行しつつ、各種データの演算や制御信号の生成を行う。すなわち、入力装置4は、一般的なコンピュータとしての構成および機能を有している。
【0043】
図4は、入力装置4が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図4に示す位置取得部46および命令選択部47は、CPU41がプログラム44に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0044】
位置取得部46は、所定のタイミングごとに赤外センサー6から伝達される出力信号に基づいて、時刻ごとの装着部5(光源50a,51a,51b)の位置を取得し、位置データ48を作成する。本実施の形態における位置データ48は1つのフレームデータ(一種の静止画像)であり、これを参照することによって光源50a,51a,51bの状態や動きを検出することが可能となる。
【0045】
命令選択部47は、位置データ48に応じて命令選択テーブル45の中からユーザの意図した命令を選択し、選択した命令を示す命令データ49を作成する。より詳しくは、位置データ48に基づいて、光源50a,51a,51bの状態や動きを検出し、これによってユーザの下肢の動作が命令選択テーブル45に予め定義された動作のいずれに該当するかを判定する。そして、さらに命令選択テーブル45において、該当する動作に関連づけられている命令を、ユーザの意図した命令として選択する。すなわち、命令選択部47は、位置データ48に基づいてユーザ動作のパターン認識を行い、認識されたパターンに対応する命令を命令選択テーブル45から選択する機能を有している。
【0046】
メモリ42は、CPU41により実行されるプログラム44、選択肢となる命令(命令選択テーブル45)、装着部5の位置を示す位置データ48、選択された命令(命令データ49)等を記憶する。
【0047】
通信部43は、CPU41により選択された命令(命令データ49)をゲーム機本体3に送信する。本実施の形態における通信部43は、USB規格のインタフェースを提供する機能を有している。これにより、入力装置4とゲーム機本体3とは、USBケーブルおよびUSB端子により接続される。ただし、通信部43が提供するインタフェースはUSB規格に限定されるものではなく、他の規格が適宜採用されてもよい。
【0048】
図1に戻って、コントローラ7は、一般的なゲーム機用のリモコンとして構成されており、ゲーム機本体3にユーザの指示(命令)を入力するために使用される。コントローラ7は手によって操作されるユーザインタフェースとして機能し、コンピュータシステム1において、主に入力装置4から入力することのできない命令を入力するために操作される。
【0049】
ユーザは、武器や運動具、楽器等を実空間内において扱うのと近似した操作でコントローラ7を操作することにより、ゲームの仮想空間における武器や運動具、楽器等(オブジェクト)を操作するために必要な命令を入力することができる。言い換えれば、実空間において手による操作が行われるオブジェクトに対する命令は、コンピュータシステム1においても、手によって操作されるコントローラ7から主に入力される。
【0050】
以上が本実施の形態におけるコンピュータシステム1の構成および機能の説明である。次に、入力装置4を用いてコンピュータシステム1に命令を入力する方法について説明する。
【0051】
図5は、本発明に係る入力方法を示す流れ図である。なお、図5に示す各工程が開始される以前に(例えば入力装置4の製造工程において)、命令選択テーブル45をメモリ42に記憶する工程が既に実行されているものとする。また、以下では、ユーザがサッカーゲームを遊技する例で説明する。すなわち、コンピュータシステム1によって提供される仮想空間は「サッカー場」であり、当該仮想空間でユーザが操作するオブジェクトは「サッカー選手」である。
【0052】
まず、ユーザは、装着部5を自らの下肢に装着する(ステップS11)。ここに示す例では、ユーザは、光源50aを有する第1照明部50を右足に装着し、光源51aおよび光源51bを有する第2照明部51を左足に装着する。
【0053】
次に、ユーザは入力装置4の筐体部40を適当な位置に設置した後、操作部33やコントローラ7を操作して遊戯するゲーム(サッカーゲーム)をコンピュータシステム1に開始させるとともに、テレビ受像器2に向かって起立し、命令が入力可能な状態になるまで待機する(ステップS12)。なお、ステップS12によって待機している間においても、ユーザはコントローラ7を操作してコンピュータシステム1に所定の命令を入力できる。
【0054】
サッカーゲームが開始され、ゲーム機本体3のCPU30が入力装置4からの命令を実行できる状態になると、CPU30はステップS12においてYesと判定する。そして、CPU30は、インタフェース部34および通信部43を介して、入力装置4に命令の受付を開始する旨を通知する。これによってゲーム機本体3(CPU30)および入力装置4はユーザによる入力装置4を用いた命令の入力を受け付ける状態(命令受付状態)に遷移する。
【0055】
命令受付状態では、ゲーム機本体3のCPU30がゲームを進行させつつ(ステップS13)、命令の受付を終了するか否かを監視する(ステップS19)。
【0056】
ステップS13におけるゲーム進行とは、CPU30がプログラム9を実行することにより、仮想空間を提供する処理であり、この仮想空間を提供するにあたってはユーザが入力した命令を実行する処理も行われる。なお、ステップS13で実行される命令は、入力装置4を用いて入力された命令に限定されるものではなく、操作部33やコントローラ7を用いて入力された命令も実行される。
【0057】
また、命令受付状態では、入力装置4のCPU41が位置取得タイミングを監視する(ステップS14)。位置取得タイミングは、例えば、所定の周期でリセット信号を発生させ、これに基づいて決定することができる。
【0058】
命令受付状態において、位置取得タイミングになると、CPU41がステップS14においてYesと判定し、赤外センサー6からの出力信号に基づいて位置取得部46が位置データ48を作成(更新)する(ステップS15)。
【0059】
位置データ48が作成されると、命令選択部47が当該位置データ48に応じて、装着部5(光源50a,51a,51b)の動きを解析し(ステップS16)、装着部5を装着したユーザの操作動作を認識する。
【0060】
図6ないし図9は、命令選択部47が検出する光源50a,51a,51bの動きの例を示す図である。
【0061】
図6は、第1照明部50の光源50aと、第2照明部51の光源51a,51bとが反対方向に上下移動している動きを示している。位置データ48を解析した結果、このような動きが検出できた場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「足踏み」であると認識する。なお、このような動きは、静止状態のフレーム(基本フレーム)のみを保存しておき、これと現在のフレームとを比較することにより検出できる。
【0062】
図7は、全ての光源50a,51a,51bが検出されている状態から、光源50aが検出されない状態に移行した動きを示している。光源51a,51bのみが検出された場合、命令選択部47は、第2照明部51が装着された左足によって、光源50aからの照明光が遮蔽されたと判断する。すなわち、ユーザは左足を前に出した状態で体をひねった体勢になっていると予測されるため、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「右回転」であると認識する。
【0063】
ここでは図示を省略しているが、逆に、光源50aのみが検出され、光源51a,51bが検出されない場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「左回転」であると認識する。
【0064】
このように、本実施の形態における入力装置4は、ユーザの右足と左足とにそれぞれ数の異なる光源を装着させることによって、前後の位置関係を用いることなく、容易に位置を解析することができ、回転動作を認識することができる。
【0065】
図8は、全ての光源50a,51a,51bが同じ方向に上下移動する動きを示している。この場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「ジャンプ」であると認識する。なお、このような動きは、基本フレームと現在のフレームとを比較することにより検出できる。
【0066】
図9は、第2照明部51の光源51aと光源51bとの間隔が狭くなった動きを示している。この場合、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「キック」であると認識する。なお、本実施の形態では、第2照明部51のみ複数の光源を有しているため、第2照明部51を装着した左足によるキックのみが認識可能である。ただし、左右いずれの足によるキックもそれぞれ認識できるようにするためには、例えば、第1照明部50に3つの光源を設けるようにすればよい。
【0067】
なお、図示は省略しているが、全ての光源50a,51a,51bが検出されている状態で、かつ、全ての光源50a,51a,51bが静止している場合には、命令選択部47は、ユーザの動作パターンが「静止」であると認識する。なお、静止しているか否かは、基本フレームと現在のフレームとを比較することにより検出できる。
【0068】
図5に戻って、動きの解析(ステップS16)が完了すると、命令選択部47は、メモリ42に記憶されている命令選択テーブル45を参照することにより、メモリ42に記憶された選択肢となる命令(命令選択テーブル45において定義されている命令)の中からユーザの意図した命令を選択する(ステップS17)。
【0069】
図10は、命令選択テーブル45の例を示す図である。第1の実施の形態におけるコンピュータシステム1では、図10に示すように、入力装置4を操作して入力できる命令として、6種類の命令(前進命令、左回転命令、右回転命令、跳躍命令、蹴り命令、静止命令)が定義され、記憶されている。このうちの「蹴り命令」を除く他の命令は、いずれも仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令である。
【0070】
命令選択部47は、ステップS16において認識された動作パターンに対応付けられている命令を、ステップS17において選択する。
【0071】
図10を見れば、ユーザの動作パターンが、ほぼオブジェクトの動作に対応付けられていることが分かる。すなわち、ユーザは、仮想空間内のオブジェクトの移動を制御するにあたって、自分自身が移動するのと同様の感覚で命令を入力することができる。したがって、手で操作するコントローラ7によってオブジェクトの移動を制御する命令を入力する場合に比べて、ユーザは操作を覚える必要がなく、かつ、仮想空間における現実味が増すという効果がある。また、従来の足踏みシートのように、入力時にユーザ自身が入力装置4を視認する必要がないため、ユーザはテレビ受像器2に表示される映像に集中することができる。
【0072】
このように、仮想空間におけるオブジェクトの移動は、図10に示した程度の種類の命令で充分に制御可能である。したがって、簡易な構成の入力装置4を操作することによって、これらの命令の入力が可能である。
【0073】
一方、先述のように、入力装置4を用いた入力操作では、操作するユーザ自身が大きく移動することはない。本実施の形態では、前進命令についても、実際にユーザに前進することを要求するのではなく足踏みによって入力すると定義する。しかしながら、オブジェクトの移動を制御するためには、後退命令(方向転換を伴わない後退、「後ずさり」)が必要な場合も考えられる。
【0074】
本実施の形態におけるコンピュータシステム1では、コントローラ7の所定のボタンが押されている状態で、入力装置4から「前進命令」が入力された場合には、CPU30は「後退命令」が入力されたと解釈するものとする。このように、入力装置4からの入力が困難な命令については、コントローラ7の操作と組み合わせることにより、入力することが可能である。
【0075】
また、左回転または右回転の動作パターンが検出されている間は、左回転命令または右回転命令が選択され続けることになる(連続して入力されていると判定される)。オブジェクトの回転の停止は、静止命令が入力されることにより行われる。すなわち、静止命令は、移動(前進後退)の静止のみならず、回転の静止も含む命令である。
【0076】
図5に戻って、命令の選択が終了すると、命令選択部47は選択した命令に応じて命令データ49を作成し、通信部43が当該命令データ49をゲーム機本体3に送信する(ステップS18)。これにより、ゲーム機本体3が命令データ49を取得し(ゲーム機本体3に命令が入力された状態となる)、ステップS13においてCPU30が命令データ49に示されている命令を実行する。
【0077】
命令受付状態において、ゲーム機本体3のCPU30が入力装置4からの命令を実行できない状態になると、CPU30はステップS19においてYesと判定し、その旨を入力装置4に伝達する。これにより、入力装置4による入力が終了する。
【0078】
以上のように、第1の実施の形態におけるコンピュータシステム1は、選択肢となる命令を記憶するメモリ42と、ユーザの下肢に装着される装着部5と、装着部5の位置を取得する位置取得部46と、位置取得部46により取得される装着部5の位置に応じてメモリ42に記憶された命令の中からユーザの意図した命令を選択する命令選択部47と、命令選択部47により選択された命令を実行するゲーム機本体3とを備えることにより、ユーザは入力時に入力用のハードウェアを視認する必要がなく、テレビ受像器2の映像に集中できる。
【0079】
また、ゲーム機本体3はユーザに仮想空間を提供するものであり、入力装置4によって入力される命令は、当該仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることにより、ユーザの移動動作に関連づけて、オブジェクトの移動を制御する命令を入力できる。すなわち、ユーザは所望する命令を入力するために要求される操作を容易に覚えることができ、ユーザインタフェースが向上する。
【0080】
また、装着部5は照明光を照射する光源を有する第1照明部50および第2照明部51を備えるとともに、第1照明部50および第2照明部51からの光を受光する赤外センサー6を備えることにより、簡易な構成で実現することができる。また、カメラを装着する場合に比べて、装着部5を軽量化できるため、ユーザの負担を軽減できる。
【0081】
また、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部50と第2照明部51とを備えることにより、ユーザの動作パターンの認識精度が向上するため、命令の選択精度が向上する。あるいは選択可能な命令数を増やすことができる。
【0082】
また、第1照明部50における光源の数と第2照明部51における光源の数とが異なることにより、画像認識や色判定によって区別する場合に比べて、容易に装着部5の位置を判別できる。
【0083】
また、歩幅や足裏サイズといったユーザ固有の条件に左右されることなく操作することが可能であるため、個々のユーザに対して柔軟に対応できる。
【0084】
なお、2人目のユーザに対する装着部5として、3つの光源を有する第1照明部と4つの光源を有する第2照明部とを別途新たに用意し、光源の数の違いに応じて、装着部5の位置を取得して動きを検出するように構成すれば、2人のユーザの動作を個別に判定でき、それぞれに応じた命令を選択することが可能となる。すなわち、複数のユーザによる同時入力を実現できる。
【0085】
また、本実施の形態では、装着部5において光源50a,51a,51bとして同一のLEDを採用している。そのため、ユーザの動作によって赤外センサー6のフレーム(受光領域)から光源50a,51a,51bのうちの全部または一部が外れてしまった場合、その後、受光されている照明光が光源50a,51a,51bのうちのいずれの照明光であるか判定できなくなるおそれがある。しかしながら、装着部5はユーザの下肢に装着されているため、光源50a,51a,51bの互いの相対位置は大きくは変化しない。したがって、入力装置4のCPU41は、一旦フレームアウトした光源50a,51a,51bが再度フレームに復帰した時点で、各光源50a,51a,51bの相対位置を求めることにより、検出されている光源がいずれの光源であるかを正確に割り当てることができる。
【0086】
<2. 第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、第1照明部50の光源の数と、第2照明部51の光源の数とが異なる例について説明した。しかし、本発明は、第1照明部の光源の数と、第2照明部の光源の数とが同一であっても実現可能である。
【0087】
図11は、第2の実施の形態における装着部5の動きを示す図である。第2の実施の形態における装着部5は、第1照明部50の代わりに、2つの光源52a,52bを有する第1照明部52を備える点が第1の実施の形態における装着部5と異なっている。
【0088】
一般に、ユーザが回転動作を行う場合、一方の足を軸足にして固定しつつ、他方の足を動かして身体をひねる動作を行う。したがって、第1照明部52または第2照明部51のうちの一方がほとんど静止した状態で、かつ、両方の間隔が近接するように移動する動きを検出したときに、命令選択部47は、回転動作パターンであると認識すればよい。
【0089】
このときの回転が、左右いずれであるかは、静止している方の光源が消滅するか、移動している方の光源が消滅するかによって判定できる。
【0090】
第2照明部51の光源51a,51bが移動しつつ、静止していた方の光源52a,52bが消滅した場合、現在のフレームにおいて検出されている光源は第2照明部51の光源51a,51bであると判定できる(図11の場合)。したがって、第2照明部51を装着した左足が前に出ている状態であるから、ユーザの動作パターンは右回転の動作パターンであると認識できる。
【0091】
一方、第2照明部51の光源51a,51bが移動しているときに、移動している光源51a,51bが消滅した場合、現在のフレームにおいて検出されている光源は第1照明部52の光源52a,52bであると判定できる。したがって、ユーザは移動させる足を後方に引きながら回転したと認識できるため、ユーザの動作パターンは左回転の動作パターンであると認識できる。
【0092】
なお、第1照明部52および第2照明部51のうちのいずれが移動しているかを判定するためには、基本フレームと現在のフレームとの比較により決定することも可能である。ただし、基本フレームとの比較では、認識率が低下するおそれがある場合は、位置データ48を一連のフレームデータ(一種の動画像)として作成し、前後のフレームを比較することにより検出すればよい。
【0093】
以上のように、第2の実施の形態におけるコンピュータシステム1のように、第1照明部52の光源の数と、第2照明部51の光源の数とを同一にした構成であっても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
また、両足に装着する第1照明部52と第2照明部51とを同一のハードウェアで実現できる。
【0095】
また、第2の実施の形態では、第1照明部52および第2照明部51が備える光源の数がいずれも複数となるため、ユーザが左右のいずれの足でキック動作を行った場合であっても認識できる。
【0096】
<3. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、赤外センサー6の代わりに撮像カメラを設けてもよい。これにより指標となる装着部5を撮像し、画像認識処理によって装着部5の位置を取得してもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、ユーザに照明部(光源)が装着され、これら光源の位置を筐体部40内の赤外センサー6で受光して検出すると説明した。しかし、筐体部40内に赤外線を照射する光源を設け、装着部5側に受光部を設ける構成としてもよい。
【0099】
また、コンピュータシステム1において、装着部5以外の構成がゲーム機本体3に内蔵されてもよい。あるいは、命令選択テーブル45をゲーム機本体3のメモリ31に記憶させておき、赤外センサー6の出力を筐体部40からゲーム機本体3に送信して、ゲーム機本体3のCPU30によって装着部5の位置を取得するように構成してもよい。
【0100】
また、仮想空間における操作対象となるオブジェクトは人物(キャラクタ)に限定されるものではなく、動物やロボット、車両等であってもよい。
【0101】
また、入力装置4を操作することにより入力される命令の種類は、上記実施の形態に示すものに限定されるものではなく、さらに多種の命令を動作パターンに対応付けて定義してもよい。例えば、光源50a,51a,51bの移動速度に応じて、前進命令を「徒歩命令(低速前進命令)」と「走行命令(高速前進命令)」とに分けて定義してもよい。また、「跳躍命令」についても高低の区別をつけてもよい。あるいは、オブジェクトに応じて命令を取捨選択してもよい。例えば、オブジェクトが「車両」であれば、「蹴り命令」は必要ない。
【0102】
また、上記実施の形態において示した各工程は、あくまでも例示であって、同様の効果が得られるならば、適宜、内容または順序が変更されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態において示した機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路で実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係るコンピュータシステムを示す図である。
【図2】ゲーム機本体を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における入力装置を示す図である。
【図4】入力装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図5】本発明に係る入力方法を示す流れ図である。
【図6】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図7】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図8】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図9】命令選択部が検出する光源の動きの例を示す図である。
【図10】命令選択テーブルの例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における装着部の動きを示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1 コンピュータシステム
2 テレビ受像器
3 ゲーム機本体
30,41 CPU
31,42 メモリ
4 入力装置
40 筐体部
43 通信部
44,80,9 プログラム
45 命令選択テーブル
46 位置取得部
47 命令選択部
48 位置データ
49 命令データ
5 装着部
50,52 第1照明部
51 第2照明部
50a,51a,51b,52a,52b 光源
6 赤外センサー
7 コントローラ
8 ゲームカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムであって、
選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、
ユーザの下肢に装着される装着部と、
前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、
前記命令選択手段により選択された命令を実行するコンピュータと、
を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータシステムであって、
前記コンピュータはユーザに仮想空間を提供するものであり、
前記命令は、前記仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンピュータシステムであって、
複数のユーザにそれぞれ装着される複数の前記装着部を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のコンピュータシステムであって、
前記装着部は照明光を照射する光源を有する照明部を備え、
前記位置取得手段は前記照明部からの光を受光する受光部を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータシステムであって、
前記照明部は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部と第2照明部とを備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンピュータシステムであって、
前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが異なることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のコンピュータシステムであって、
前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが同一であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項8】
接続される外部のコンピュータに命令を入力する入力装置であって、
選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、
ユーザの下肢に装着される装着部と、
前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、
前記命令決定選択により選択された命令を前記コンピュータに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項9】
コンピュータシステムに対する命令の入力方法であって、
(a) 選択肢となる命令を記憶手段に記憶する工程と、
(b) ユーザの下肢に装着部を装着する工程と、
(c) 前記装着部の位置を取得する工程と、
(d) 前記(c)工程において取得された前記装着部の位置に応じて、前記記憶手段に記憶された選択肢となる命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する工程と、
を有する入力方法。
【請求項10】
コンピュータによる実行が可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、
選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、
ユーザの下肢に装着される装着部と、
前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、
を備えるコンピュータとして機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
コンピュータシステムであって、
選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、
ユーザの下肢に装着される装着部と、
前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、
前記命令選択手段により選択された命令を実行するコンピュータと、
を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータシステムであって、
前記コンピュータはユーザに仮想空間を提供するものであり、
前記命令は、前記仮想空間におけるオブジェクトの移動を制御する命令であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンピュータシステムであって、
複数のユーザにそれぞれ装着される複数の前記装着部を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のコンピュータシステムであって、
前記装着部は照明光を照射する光源を有する照明部を備え、
前記位置取得手段は前記照明部からの光を受光する受光部を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータシステムであって、
前記照明部は、ユーザの左右の足にそれぞれが別々に装着される第1照明部と第2照明部とを備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のコンピュータシステムであって、
前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが異なることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のコンピュータシステムであって、
前記第1照明部における光源の数と前記第2照明部における光源の数とが同一であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項8】
接続される外部のコンピュータに命令を入力する入力装置であって、
選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、
ユーザの下肢に装着される装着部と、
前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、
前記命令決定選択により選択された命令を前記コンピュータに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項9】
コンピュータシステムに対する命令の入力方法であって、
(a) 選択肢となる命令を記憶手段に記憶する工程と、
(b) ユーザの下肢に装着部を装着する工程と、
(c) 前記装着部の位置を取得する工程と、
(d) 前記(c)工程において取得された前記装着部の位置に応じて、前記記憶手段に記憶された選択肢となる命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する工程と、
を有する入力方法。
【請求項10】
コンピュータによる実行が可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、
選択肢となる命令を記憶する記憶手段と、
ユーザの下肢に装着される装着部と、
前記装着部の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得される前記装着部の位置に応じて前記記憶手段に記憶された命令の中から前記ユーザの意図した命令を選択する命令選択手段と、
を備えるコンピュータとして機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−140334(P2010−140334A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317104(P2008−317104)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
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