説明

コンピュータ支援診断聴覚検査

コンピュータ支援診断聴覚検査のための方法およびシステムが開示される。コンピュータ支援診断聴覚検査には、周辺環境における周囲雑音を監視するように構成された周囲雑音監視モジュールと、患者情報および聴覚関連検査選択を受信するように構成された患者情報モジュールと、純音閾値検査の手動検査を容易にするように構成された純音閾値モジュールとが含まれる。コンピュータ支援診断聴覚検査には、語音聴取閾値検査の手動検査を容易にするように構成された語音聴取閾値モジュールと、音声識別検査の手動検査を容易にするように構成された音声識別モジュールとがさらに含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、全体として聴覚学の分野に関し、特に、聴覚障害(hearing loss)を評価および分析するコンピュータに支援された方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
最近の研究によれば、米国だけで二千万人を超える人々に、ある程度の聴覚障害がある。ある程度の聴覚障害を有する人々の数は、全世界では、はるかに多いと推定される。驚くべきことではないが、これらの人々の多くは、自分たちが聴覚能力の低下を被っていることに気づいていない。聴覚能力の低下は、年齢、健康、職業、損傷および疾病を始めとするいくつかの要因による可能性がある。この聴覚障害は、生活の質の著しい低下、人間関係の悪化、雇用へのアクセスの縮小および生産性の低下につながり得る。聴覚障害の治療を怠ると、影響を悪化させる可能性がある。言語聴覚協会(Better Hearing Institute)によれば、未治療の聴覚障害による生産性の低下、特殊教育および医療に関する米国の年間コストは、約560億ドルである。この驚くべきコストの多くは、早期発見と治療によって低減または防止することができる。残念なことに、簡単かつ便利で比較的安価な聴覚検査を欠いているために、通常の健康管理の一部として、定期的かつ頻繁に聴覚検査を受けている人々はほとんどいない。
【0003】
従来、聴覚検査は、聴覚訓練士などの聴覚検査を手動で施す聴覚保健専門家によって診療所で行なわれる。聴覚保健専門家は、聴力計を制御して、それぞれが非常に独特な周波数および強度を有する一連の音(tone)を生成する。本明細書で用いられる用語「強度」は、音の振幅を指し、通常はデシベル(dB)で示される。次に、音は、イヤホンまたはイヤインサートなどのトランスデューサを介して、静かな部屋または音響隔離ブース内の患者に伝えられる。聴き取り可能な各音に対して、患者は、その音が聴けたことを身振りかまたは他の方法で示す。音が聴き取れない場合には、患者は応答しない。その後、聴覚保健専門家は、音が患者に聴き取れるようになるまで、所定の増分で音の強度レベルを調節する。いくつかの異なる音に対してこのプロセスを繰り返し、結果をまとめることによって、聴覚保健専門家は、もしあれば、聴覚障害の程度を決定することができる。
【0004】
聴覚保健専門家に聴覚検査を手動で行なわせることの利点は、聴覚保健専門家が、検査の間に自身のかなりの訓練および経験を用いることができるということである。たとえば、単に患者に話しかけ、声の大きさを変えることによって、聴覚保健専門家は、音および音声(sound)を開始するときの初期強度レベルを決定することができる。さらに、聴覚保健専門家は、疲れたかまたは非協力的な患者に対応するために、必要に応じて検査のペースを適応させることができる。より重要なことだが、聴覚保健専門家は、間違った応答または推測と適切な応答との間を判別できる。最後に、聴覚保健専門家は、必要に応じて聴覚検査結果を調節して、過度の周囲雑音、設備の限界および他の類似の要因などの斟酌すべき状況または問題を反映することができる。
【0005】
しかしながら、従来の聴力計および他の聴覚検査設備は、不便で使いにくい。たとえば、従来の聴力計では、典型的には、聴覚保健専門家は、手動でノブを回し、ダイヤルを調節する必要がある。周波数および強度レベルなどの検査情報は、典型的には、ニードルゲージ表示器から読み取らなければならない。さらに、聴覚保健専門家は、聴覚閾値のプロットおよびマスキングレベルの設定を始めとして、聴覚検査の多くの側面を手動で実施しなければならない。これらの全ては、単に非能率的で時間がかかるだけではなく、ローテクな様子や、検査の正確さに関して患者の心に疑念を植え付けるような感じがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要なものは、従来の聴覚検査の欠点がなく、聴覚保健専門家が行なうことのできる聴覚検査である。特に、必要なものは、コンピュータの支援で聴覚保健専門家が行なうことのできるユーザフレンドリな聴覚検査である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明はコンピュータ支援診断聴覚検査に関する。コンピュータ支援診断聴覚検査は、周辺環境における周囲雑音を監視するように構成された周囲雑音監視モジュールと、患者情報および聴覚関連検査選択を受信するように構成された患者情報モジュールと、純音閾値検査の手動検査を容易にするように構成された純音閾値モジュールとを備える。コンピュータ支援診断聴覚検査は、語音聴取閾値検査の手動検査を容易にするように構成された語音聴取閾値モジュールと、音声識別検査の手動検査を容易にするように構成された音声識別モジュールとをさらに備える。
【0008】
一般に、一態様において、本発明は、診断聴覚検査を提供するコンピュータに支援された方法に関する。本方法は、診断聴覚検査のためのグラフィカルな制御部セットを表示し、かつこれらの制御部が診断聴覚検査の様々な側面を制御するステップと、ユーザが、グラフィカルな制御部セットを用いて、診断聴覚検査の1つまたは複数の側面を指定できるようにするステップとを備える。本方法は、ユーザによって指定されたグラフィカルな制御部に従って、トランスデューサに聴覚検査信号を提供するステップと、グラフィカルな制御部を介してユーザによって示された聴覚検査信号に対する患者応答を記憶するステップとをさらに備える。その後、診断聴覚検査結果のレポートをユーザのために作成してもよい。
【0009】
一般に、別の態様において、本発明は、診断聴覚検査を行なうためのコンピュータベースシステムに関する。本システムは、表示スクリーンと、表示スクリーンを制御するように構成された中央処理装置と、中央処理装置から聴覚検査信号を受信するためのトランスデューサと、中央処理装置に接続された記憶ユニットとを備える。記憶ユニットは、中央処理装置が診断聴覚検査のグラフィカルな制御部セットを表示スクリーンに表示するようにするコンピュータ読み取り可能な命令を記憶するが、これらの制御部は、診断聴覚検査の様々な側面(aspect)を制御する。コンピュータ読み取り可能な命令は、さらに、中央処理装置に次のことをさせる。すなわち、ユーザが、グラフィカルな制御部セットを用いて、診断聴覚検査の1つまたは複数の側面を指定できるようにすることと、ユーザによって指定されたグラフィカルな制御部に従って、聴覚検査信号をトランスデューサに提供することとである。次に、ユーザによって示された聴覚検査信号に対する患者応答は記憶ユニットに記憶され、診断聴覚検査結果のレポートがユーザのために作成される。
【0010】
一般に、さらに別の態様において、本発明は、診断聴覚検査用のマルチメディア・グラフィカル・ユーザインターフェースに関する。ユーザインターフェースは、周囲雑音の1つまたは複数の周波数成分の強度レベルを含めて診断聴覚検査のために周囲雑音レベルをグラフィカルに表示するための周囲雑音モジュールを備える。ユーザインターフェースは、ユーザが患者情報を入力しかつ患者のためにどの聴覚検査およびどちらの耳を検査すべきかを選択できるようにする患者情報モジュールをさらに備える。また、患者に提示する純音信号のために強度レベルおよび周波数を選択することを含めてユーザが純音閾値検査を手動で行なうことができるようにする純音モジュールを備える。語音聴取モジュールによって、ユーザは、語音聴取閾値検査に対する患者応答を記録することを含めて語音聴取閾値検査を手動で行なうことが可能となり、また音声識別モジュールによって、ユーザは、音声識別検査に対する患者応答を記録することを含めて音声識別検査を手動で行なうことが可能となる。
【0011】
添付図面と合わせて、以下の詳細な記述を参照することにより、本発明がより良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
以下は、図面に関連した本発明の詳細な説明であり、同一または類似要素の参照符号は繰り越されている。別に示されていなければ、様々なフィールド、チェックボックス、テキストボックス、グラフィックス、機能モジュールおよび他の情報のサイズ、形状、色(またはその欠如)、位置および構成を始めとして、図面に示されている様々な特徴の設計およびレイアウトは、例証的な目的のためだけに提供されるのであり、本発明はいかなる特定の設計またはレイアウトにも限定されないことに留意されたい。
【0013】
上記のように、本発明は、コンピュータに支援された患者聴覚の診断検査に関する。コンピュータ支援診断聴覚検査は、様々な聴覚関連検査の実施を容易にするための直観的でユーザフレンドリなマルチメディア・インターフェースを含むコンピュータベース聴覚検査設備を用いる。聴覚関連検査を手動で制御および実施するか、または聴覚保健専門家が、検査の一定の側面を自動的に制御および実施させるように選択することができる。検査結果は、聴覚関連検査が完了したときに、コンピュータ支援診断聴覚検査によって自動的に生成される。
【0014】
ここで図1を参照すると、本発明の実施形態によるコンピュータ支援聴覚検査を提供するシステム100が示されている。システム100は3つの主要なモジュール、すなわちコンピュータ102、表示スクリーン104、および少なくとも1つのトランスデューサ106を有する。存在可能なシステム100の他のモジュールには、ティンパノメータ、キーボード、マウス、プリンタ、呼び出し(paging)システム等(全体として108で示す)が含まれる。呼び出しシステムは、オペレータに警告するための1つまたは複数のページャ108を用いる任意の適切な呼び出し技術であってもよい。1つまたは複数のページャ108は、警告の種類をオペレータに知らせるためにテキストメッセージを表示できるのが好ましい。また、本発明の範囲から逸脱することなく、他のタイプの呼び出しシステム(たとえばインターネットベースの呼び出しシステム)を用いることができる。
【0015】
コンピュータ102は、デスクトップPCからハイエンドのワークステーションまで、任意の適切なコンピュータであってもよい。なぜなら、コンピュータの特定のタイプ/モデル/ブランドは、本発明の実施にとってそれほど重要ではないからである。同様に、表示スクリーン104は、CRTからLCDまで、任意の適切な表示スクリーンであってもよい。なぜなら、表示スクリーンの特定のタイプ/モデル/ブランドは、本発明の目的にとってそれほど重要ではないからである。しかしながら、いくつかの実施形態において、患者と自動聴覚検査との間の物理的な対話の点で、タッチスクリーンモニタの方が、従来のCRTまたはLCD表示スクリーンよりも使用するのが容易であろう。
【0016】
トランスデューサ106に関して言うと、このモジュールは、空気伝導用のイヤインサート、イヤホン等であってもよい。骨伝導については、トランスデューサ106は、バイブレータまたは他の類似の装置であってもよい。場合によっては、トランスデューサ106は、患者が着用するヘッドセットに取り付けてもよい。通常、骨伝導に対して空気伝導には別個のトランスデューサが用いられ、またトランスデューサは、聴覚検査中に必要に応じて交換される。骨伝導トランスデューサは、そのトランスデューサを移動せず、かつ空気伝導トランスデューサと干渉せずにどちらの耳も検査できるように、構成するのが好ましい。いくつかの実施形態において、空気伝導トランスデューサおよび骨伝導トランスデューサの両方とも、単一のユニットに組み合わされる。このような組み合わせユニットの一例が、「骨伝導閾値聴覚検査用装置(Apparatus for Bone Conduction Threshold Hearing Test)」なる名称の米国特許出願第10/438,751号明細書に記載され、またこの出願は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0017】
図2は、システム100をブロック図の形態で示す。見て取れるように、コンピュータ102は、ビデオユニット200、中央処理装置202、聴覚検査装置204および記憶ユニット206を始めとする多くの機能モジュールを有する。これらのモジュールは、コンピュータ分野では周知であり、したがって、ここでは簡単に説明する。一般に、ビデオユニット200によって、画像として表示スクリーン104に表示されるビデオ信号が提供される。いくつかの実施形態において、ビデオユニット200は、いくつかの市販のビデオカードのうちの任意の1つであってもよい。中央処理装置202は、オペレーティングシステムおよびコンピュータ102に存在する任意のソフトウェアアプリケーションの実行を始めとして、コンピュータ102の全体的な動作に責任がある。いくつかの実施形態において、中央処理装置202は、いくつかの市販のマイクロプロセッサのうちの任意の1つであってもよい。聴覚検査装置204には、聴力計、耳音響放射検査装置、ティンパノメータ、マスキング雑音発生器または他の聴覚検査装置の何れかまたは全てを含んでもよい。いくつかの実施形態において、聴覚検査装置204は、このような検査装置の機能を実行するコンピュータ102内の1つまたは複数の電子回路基板であってもよい。代替として、聴覚検査装置204は、コンピュータ102の外部にある別個のユニットであってもよい。記憶ユニット206は、コンピュータ102が用いるソフトウェアおよびデータ用の長期または一時的(つまりキャッシング)な記憶を提供し、たとえばハードドライブ、メインメモリ、着脱可能な記憶装置(たとえばCD−ROM、フロッピーディスク)等のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0018】
また、いくつかの実施形態において、記憶ユニット206は、聴覚検査部208を記憶する。特に、記憶ユニット206は、コンピュータ102が実行できる聴覚検査部208のコンピュータ読み取り可能なバージョンを記憶する。実行中に、聴覚検査部208の一部は、たとえばハードディスクから記憶ユニット206のメインメモリモジュールへ一時的にロードしてもよい。スタンドアロン構成に加えて、聴覚検査部208をネットワークから実行することも可能である。たとえば、聴覚検査部208は、いくつかのクライアントコンピュータがアクセス可能なサーバコンピュータ(明示せず)に記憶してもよい。この構成には、聴覚検査部208の更新が、全てのクライアントコンピュータに対して迅速かつ容易に実施可能だという利点がある。聴覚検査部208を実行するための他の環境もまた、本発明の範囲から逸脱せずに用いることができる。
【0019】
図3は、聴覚検査部208の例示的な実現例を示す。見て取れるように、聴覚検査部208は、周囲雑音監視モジュール300、患者入力モジュール302、純音閾値モジュール304、語音聴取閾値モジュール306および音声識別モジュール308を始めとする多くの機能モジュールを有する。様々な機能モジュールは、典型的には、自動聴覚検査が進行するにつれて順に実行されるが、任意の機能モジュールを、必要に応じて他の任意の機能モジュールの実行の前か、間かまたは後に実行することができる。聴覚検査部208との対話は、たとえばマウス、キーボード、別個の専用応答ボタンなど任意の適切な入力装置を用いるか、またはタッチスクリーン表示ユニットを用いて達成してもよい。タッチスクリーン表示ユニットを用いる場合には、聴覚検査部208がグラフィカルなキーボード(従来のキーボードに加えてかまたはその代わりに)を表示し、そこからオペレータおよび/または患者が、必要に応じて英数字を選択してもよい。以下は、聴覚検査部208の様々なモジュールの説明である。
【0020】
ここで図4を参照すると、周囲雑音監視モジュール300の例示的な実現例が示されている。周囲雑音監視モジュールの機能は、周辺環境に存在する周囲雑音を監視することである。ある実施形態において、周囲雑音監視モジュール300には、周囲雑音画面400が含まれる。周囲雑音画面400は、環境に存在する周囲雑音の量を示すチャートを有する。周囲雑音の強度は垂直軸に沿って示され、周囲雑音の周波数は水平軸に沿って示されている。複数のバー(そのうちの1つを402で示す)は、存在する周囲雑音の周波数成分に対する強度レベルを表わす。また、周囲雑音画面400には、たとえばANSI標準による周囲雑音の許容レベルを示す許容レベル指標404が含まれる。許容レベルを超える何れの周囲雑音成分も指摘するか、さもなければその周波数の検査結果において強調表示する必要がある。音源表示器406が、周囲雑音が測定されている特定の音源を示す。たとえば、音源表示器406は、周囲雑音が、患者の耳の中のインサートからか、患者の耳を覆うヘッドホンからか、または単に覆いのないマイクロホンから測定されているのかを示してもよい。また、いくつかの実施形態において、周囲雑音画面400には、たとえば1kHzを超えるかまたはそれに等しい周波数のみを検査するためのオプション408が含まれる。
【0021】
図5は、患者情報モジュール302の例示的な実現例を示す。このモジュールの機能は、聴覚保健専門家が患者に関する情報を入力し、かつどの聴覚関連検査を実施すべきかを選択できるようにすることである。いくつかの実施形態において、患者情報モジュール302は、聴覚保健専門家に新しいセッション画面500を提供することにより、上記の機能を遂行する。新しいセッション画面500には、患者のチャート番号を入力するためのチャート番号フィールド502、および患者の名前を入力するための患者名前フィールド504を含んでもよい。この情報を、日付および恐らくは他の情報と共に用いて、任意の検査セッションの結果を記憶し、その後検索してもよい。さらに、自動聴覚検査は、多数の言語(たとえば英語、スペイン語、フランス語等)で検査することができるので、いくつかの実施形態において、新しいセッション画面500には、患者を検査するためにどの言語を用いるべきかを選択するためのフィールド506を含んでもよい。また、新しいセッション画面500には、患者に対してどの聴覚関連検査を実施するかを選択するための複数のチェックボックス508を含んでもよい。たとえば、新しいセッション画面500には、ティンパノグラム検査、音響反射検査および歪成分(DP)耳音響放射検査を選択するためのチェックボックスを含んでもよい。また、空気および骨伝導検査、語音聴取検査および音声識別検査が、選択のために利用可能である。患者調査を選択することによって、診断および治療法の推薦のために聴覚保健専門家が使用できる患者についての一定の聴覚関連情報を、自動聴覚検査が収集することが可能になる。
【0022】
新しいセッション画面500の左側に沿った複数のボタン510、512、514、516および518によって、聴覚保健専門家は、検査の開始、レポートの検討、高度オプションへのアクセス、検査の停止および検査の再構成など、多くのタスクを始めることができる。特に、高度オプションボタン514によって、聴覚保健専門家は、患者の手動検査を始めとする多くの高度オプションから選択することが可能になる。一例において、高度オプションボタン514を押すことによって、周波数を列挙するボックス520が呼び出されるが、そこから、聴覚保健専門家は、手動で検査することを選択してもよい。聴覚保健専門家は、これらの周波数の1つまたは複数を、常時または必要に応じて検査するか、または決して検査しないかを選択してもよい。高度オプションボタン514によってまた、刺激選択ボックス522が呼び出され、このボックスによって、聴覚保健専門家は、右耳、左耳および/または骨伝導を検査すべきかどうかを選択することができる。
【0023】
選択された場合には、検査は純音閾値検査から始まる。図6は、コンピュータ支援聴覚検査の純音閾値モジュール304の例示的な実現例を示す。このモジュールの機能は、聴覚保健専門家が、様々な周波数で聴き取る患者の能力を手動で検査できるようにすることである。この目的のために、いくつかの実施形態において、純音閾値モジュール304には、聴覚保健専門家が純音閾値検査の様々な側面を制御できるようにする純音検査画面600が含まれる。また純音検査画面600によって、聴覚保健専門家は、検査の結果を、それらが生じるときリアルタイムで検討することが可能になる。
【0024】
純音検査画面600には、検査されている耳の結果を表示するための検査チャート602、および非検耳に施されるマスキングを、もしあれば、表示するためのマスクチャート604が含まれる。検査制御部セット606によって、聴覚保健専門家は純音検査を制御することが可能になり、他方でマスク制御部セット608によって、聴覚保健専門家はマスキングを制御することが可能になる。いくつかの実施形態において、検査チャート602およびマスクチャート604は、検査されている耳に依存して、サイドを取り替える。たとえば、右耳が検査されているときには、検査チャート602は左側に現われて、マスクチャート604は右側に現われる。左耳が検査されているときには、2つのチャート602および604はサイドを取り替える。いくつかの実施形態において、検査制御部606およびマスク制御部608は、それぞれのチャート602および604に従い、それに応じてサイドを取り替える。他の実施形態において、ピン制御ボタン610を選択することによって、制御部606および608を固定することが可能である。
【0025】
検査制御部606には、聴覚保健専門家に純音閾値検査の様々な側面を制御させる複数の制御ボタンが含まれる。たとえば、検査制御部606には、聴覚保健専門家が、検査されている音の強度レベルを調節できるようにする音強度レベルコントローラ612が含まれる。それは、ここでは、「高」および「低」ボタンとして実現されるが、音強度レベルコントローラ612はまた、何か他の機能的な機構を用いて実現してもよい。音強度レベルバー614が現在の音強度レベルを示し、音周波数バー616が現在の音周波数を示す。聴覚保健専門家は、所望の周波数の数値をクリックするかもしくは触れることによって、または垂直バー616をドラッグすることによって、音周波数を調節してもよい。提示音ボタン618を押すと、設定された周波数および強度レベルで、音が患者のトランスデューサを介して患者に提示される。次に、聴覚保健専門家は、患者が音を聴けたかどうかを待って確かめる。患者が音を聴けなかった場合には、聴覚保健専門家は、強度レベルコントローラ612を用いて強度レベルを上げてもよい。患者が音を聴いたことを示した場合には、聴覚保健専門家は、プロット閾値ボタン620を押して、音の周波数および強度レベルにマークしてもよい。このようなマークの一例を622で示す。しかしながら、聴覚保健専門家が強度レベルを最高レベルまで上げても、患者がやはり音を聴けなかった場合には、聴覚保健専門家は、プロット無応答ボタン624を押して、その周波数および強度レベル以上で応答がなかったことをチャート602にマークしてもよい。他方では、聴覚保健専門家が強度レベルを最低レベルまで下げても、患者がやはり音を聴ける場合には、聴覚保健専門家は、プロット下限ボタン626を押して、患者がその周波数および強度レベル以下で聴けることをチャート602にマークしてもよい。聴覚保健専門家がマークを消そうと決めた場合には、聴覚保健専門家は、削除プロットボタン628を押して、そのマークを削除してもよい。
【0026】
左/右トグルボタン636が、左耳と右耳との間で検査を切り換える。空気/骨トグルボタン638が、空気伝導検査と骨伝導検査との間で検査を切り換える。空気伝導が用いられる場合には、インサート/ホンボタン640が、インサートタイプトランスデューサとヘッドホンタイプトランスデューサとの間を切り換える。いくつかの実施形態において、骨伝導を含めて、検査されている耳および用いられているトランスデューサタイプが、検査チャート602およびマスクチャート604に(たとえば文字で)示される。
【0027】
いくつかの実施形態において、マスク制御部608には、マスキング支援ボタン642が含まれる。このボタンを押すと、聴覚検査部208の自動マスキング機能部が連結される。この機能部は、非検耳に対してマスキングを作動させるかどうかを自動的に決定し、またマスキング強度レベルを設定する。自動マスキング機能に関するより多くの情報のためには、読者は、たとえば、2003年5月15日出願、「自動診断聴覚検査(Automated Diagnostic Hearing Test)」なる名称の米国特許出願第10/439,958号明細書を参照されたい。またこの出願は、参照によって本明細書に組み込まれている。また、マスキングは、マスキングボタン644を介して聴覚保健専門家が手動で制御してもよい。このボタンを押すと、非検耳に対してマスキングが作動され、その後、聴覚保健専門家は、マスキング強度レベルコントローラ646を用いて、強度レベルを調節してもよい。マスキング強度レベルバー648が現在のマスキング強度レベルを示し、マスキング周波数バー650が現在のマスキング周波数を示す。場合によっては、マスキング周波数は音周波数をなぞってもよく、したがって、マスキング周波数バー650は、ここでは破線で示されていることに留意されたい。
【0028】
図7A〜7Cは、語音聴取閾値モジュール306の例示的な実現例を示す。このモジュールの機能は、患者の語音聴取閾値の手動検査を容易にすることである。検査中に、語音聴取閾値モジュール306は、様々な単語を一度に一語、様々な強度レベルで患者のトランスデューサに提示する。次に、患者がその単語を口頭で繰り返すことになる。スコアリングは、語音聴取閾値モジュール306を介して、聴覚保健専門家によって行われる。提示される単語は、定義済みの単語グループから選択される。患者がこの事実に気づいていない場合には、本質的にどのような答えも可能であるので、検査は「開集合」検査と考えられる。患者がこの事実に気づいており、どんな単語が利用可能か知っている場合には、検査は「閉集合」検査と考えられる。
【0029】
いくつかの実施形態において、語音聴取閾値モジュール306は指示画面700から始まる。この指示画面700には指示セット702が含まれるが、これらの指示は、とりわけ、聴覚保健専門家に、表示ユニットを患者から離れた方向に向けるように指示する。表示ユニットを患者から離れた方向に向けることには、そうでなければ閉集合検査であるものを開集合検査に変換する効果がある。なぜなら、患者は、定義済みの単語グループを見ることができないからである。もちろん、聴覚保健専門家は、定義済みの単語グループを患者に知らせてもよく、この場合には、検査は閉集合検査になる。確認ボタン704を押して、指示702の承諾を示してもよく、またコマンドボタン706は、この時点(たとえば中断、退場等)に相応しい様々なコマンドを表示する。検査の進行は、進行表示器708によって示される。第2の指示画面710には指示セット712が含まれるが、このセットは、聴いた単語を繰り返すべきだと患者に告げるように、聴覚保健専門家に指示する。別の確認ボタン714を押して、第2の指示セット712の承諾を示し、その後検査を開始してもよい。
【0030】
各単語が患者に提示されるときには、語音聴取画面720が定義済みグループ722を表示し、そこから単語724のうちの1つが提示される。用いられる単語は、2つの別個の音節を備えた複合語であるのが好ましい。このような単語が利用可能ではない言語については、しかるべき代替語を作ってもよい。語音聴取閾値モジュール306は、単語を一度に一語、無作為に口頭で、かつ強度レベルを下げながら、どの音節にも強勢を置かずに患者に提示する。患者が正しい単語を繰り返した場合には、聴覚保健専門家は、その単語をクリックするかまたは押すことによって、正答にマークしてもよい。いくつかの実施形態において、各単語にはその単語の画像を伴ってもよく、聴覚保健専門家は、代わりに画像を押すかまたはクリックしてもよい。患者が間違った単語を繰り返すかまたは答えなかった場合には、聴覚保健専門家は、誤答ボタン728を押すかまたはクリックすることによって、間違った答えをマークしてもよい。語音聴取閾値モジュール306が、閾値に達したと判断したときに、検査は、語音聴取閾値モジュール306によって自動的に終了される。いくつかの実施形態において、この閾値は、患者が単語の50%を正しく識別できる強度レベルとして決定してもよい。
【0031】
図8A〜8Dは、聴覚検査部208の音声識別モジュール308の例示的な実現例を示す。音声識別モジュール308の機能は、単語間を識別する患者の能力の手動検査を容易にすることである。音声識別検査は、純音閾値検査および語音聴取閾値検査と異なり、患者が聴くことができる最も弱いレベルを検査するのではない。もっと正確に言えば、音声識別検査は、患者がどれくらいよく単語を判別できるかを見るために調査する。したがって、各単語は、患者がその単語を最もよく聴けそうな強度レベルで提示される。提示される特定の単語は、かなり大きな単語グループから無作為に選択された単一音節の単語であり、したがって、検査は本質的に開集合検査である。
【0032】
単語が提示される強度レベルは、主として純音閾値検査の結果から決定される。音声識別検査用の強度レベルの決定に関するより多くの情報のためには、読者は、たとえば2003年5月15日出願、「自動診断聴覚検査(Automated Diagnostic Hearing Test)」なる名称の米国特許出願第10/439,958号明細書を参照されたい。またこの出願は、参照によって本明細書に組み込まれている。純音閾値検査が患者に対して実施されなかった場合には、音声識別モジュール308は、提示レベル画面800を用いて、この事実を聴覚保健専門家に知らせる。提示レベル画面800は、純音空気および骨伝導検査なしで音声識別検査のための提示レベルを手動で設定しなければならないことを、聴覚保健専門家に説明する。ボックス802における複数のフィールドによって、聴覚保健専門家は、提示レベル用に用いる値を書き込むことが可能になる。いくつかの実施形態において、オンスクリーンキーボード804を用いて、必要な情報を書き込んでもよい。
【0033】
提示レベルが決定された後で、音声識別モジュール308は指示画面810を提供する。指示画面810には、表示ユニットを患者から離れた方向に向けるように聴覚保健専門家に指示する指示セット812が含まれる。確認ボタン814を押して、指示812の承諾を示してもよい。第2の指示画面820には指示セット822が含まれるが、このセットは、聴いた単語を繰り返すべきだと患者に告げるように、聴覚保健専門家に指示する。確認ボタン824を押して、第2の指示セット822の承諾を示して、その後検査を開始してもよい。
【0034】
各単語を患者に提示するとき、音声識別画面830は、正答ボックス832および誤答ボックス834を表示する。患者が正しい単語を繰り返した場合には、聴覚保健専門家は、正答ボックス832をクリックするかまたは押すことによって、正答にマークしてもよい。また、いくつかの実施形態において、正答ボックス832には、提示された単語および恐らくは、その単語に関連する画像を含んでもよい。患者が間違った単語を繰り返すかまたは答えなかった場合には、聴覚保健専門家は、誤答ボタン834を押すかまたはクリックすることによって、間違った答えにマークしてもよい。一定の条件が満たされたときに、検査は、音声識別モジュール308によって自動的に終了される。いくつかの実施形態において、十分な割合の正しい応答(たとえば85パーセント)が得られたときか、または正確な評価をするのに十分な大きさのサンプルが得られたときに、検査は終了される。
【0035】
図9は、聴覚関連検査の完了後に、聴覚検査部208によって作成されるオンスクリーンレポート900の例示的な実現例を示す。また、この画面は、単一ページレポートとして印刷可能である。レポート画面900には、一般に、聴覚保健専門家が見るべき全ての関連情報が含まれる。複数のボタン902、904、906、908および910によって、聴覚保健専門家は、検査のうちの多少のやり直し、新しいセッションの開始、レポートの検討、請求書の印刷、レポートの印刷等の様々なタスクの実行が可能になる。レポート画面900は、2パネルのフォーマットで聴覚検査の結果を提示してもよく、右耳の結果が1つのチャート912に提示され、左耳の結果が別のチャート914に提示される。チャート912および914は、特定の検査(たとえば空気および骨伝導検査)に対する患者の成績を反映するコンピュータで作成されたオージオグラムである。特定の患者のための多数の検査セッションからのチャートと同様に、特定の検査セッション内における他の検査に対して、他のチャートが利用可能である。各チャート用の関連データもまた、患者の名前、検査の日時、チャート番号、医師、検査員またはオペレータ、クリニックおよび検査の経過時間を始めとするいくらかの基本的な情報(一般には920で表示)と同様に、表示される(一般には916と918で)。
【0036】
多くの特定の実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当業者は、本明細書で説明する革新的な概念を広い適用範囲に渡って修正および変更可能なことを理解されるであろう。たとえば、本発明のマルチメディア聴覚検査を多くの別個のモジュールの観点から説明したが、2以上のモジュールを組み合わせて1つまたは複数のスーパーモジュールを形成するか、または1つのモジュールをいくつかのサブモジュールに分割してもよい。したがって、本発明の範囲は、論じられた特定の例示的な教示の何れかに限定されるべきではなく、代わりに特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態によるコンピュータ支援聴覚検査を提供するための例示的なシステムを示す。
【図2】本発明の実施形態によるコンピュータ支援診断聴覚検査を提供するためのシステムのブロック図を示す。
【図3】本発明の実施形態による例示的なコンピュータ支援診断聴覚検査を示す。
【図4】コンピュータ支援診断聴覚検査の周囲雑音監視モジュールの例示的な実現例を示す。
【図5】コンピュータ支援診断聴覚の患者情報モジュールの例示的な実現例を示す。
【図6】コンピュータ支援診断聴覚検査の純音閾値モジュールの例示的な実現例を示す。
【図7A−7C】コンピュータ支援診断聴覚検査の語音聴取閾値モジュールの例示的な実現例を示す。
【図8A−8D】コンピュータ支援診断聴覚検査の音声識別モジュールの例示的な実現例を示す。
【図9】コンピュータ支援診断聴覚検査によって作成された例示的なレポートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断聴覚検査を提供するコンピュータに支援された方法であって、
前記診断聴覚検査のためのグラフィカルな制御部セットを表示し、前記制御部が前記診断聴覚検査の様々な側面を制御することと、
ユーザが、前記グラフィカルな制御部セットを用いて、前記診断聴覚検査の1つまたは複数の側面を指定できるようにすることと、
ユーザによって指定された前記グラフィカルな制御部に従って、聴覚検査信号をトランスデューサに提供することと、
前記グラフィカルな制御部を介してユーザによって示された前記聴覚検査信号に対する患者応答を記憶することと、
前記ユーザのために、前記診断聴覚検査結果のレポートを作成することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記診断聴覚のために周囲雑音を監視することと、
前記周囲雑音の1つまたは複数の周波数成分の強度レベルをグラフィカルに表示することと、
をさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記診断聴覚検査のためにマスキングレベルを設定することと、
前記マスキングレベルの強度レベルおよび周波数をグラフィカルに表示することと、
をさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザが、前記グラフィカルな制御部を用いて、前記診断聴覚検査のためにマスキングレベルを指定できるようにすることと、
前記マスキングレベルの強度レベルおよび周波数をグラフィカルに表示することと、
をさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザが前記患者に関する情報を入力し、かつ前記患者のためにどの聴覚検査およびどちらの耳を検査すべきかを選択できるようにすること、
をさら備える請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記診断聴覚検査が純音閾値検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が純音信号である請求項1記載の方法であって、
前記ユーザが、前記グラフィカルな制御部を用いて、前記純音信号用の強度レベルおよび周波数を指定できるようにすることと、
前記純音信号の前記強度レベルおよび周波数をグラフィカルに表示することと、
をさらに備える方法。
【請求項7】
前記ユーザによって示された純音信号に対する患者応答のプロットを作成することと、
前記プロットをグラフィカルに表示することと、
をさらに備える請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記診断聴覚検査が語音聴取閾値検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が単語である請求項1記載の方法であって、
前記単語を単語セットから無作為に選択することと、
患者応答が受信されたと前記ユーザが示すまで、前記単語が提示されるたびに、所定の増分だけ前記単語の強度レベルを下げることと、
をさらに備える方法。
【請求項9】
前記診断聴覚検査が音声識別検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が単語である請求項1記載の方法であって、
前記単語を単語セットから無作為に選択することと、
コンピュータベース検査設備を用いて、各単語に対して用いる最適な強度レベルを決定することと、
をさらに備える方法。
【請求項10】
前記診断聴覚検査が音声識別検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が単語である請求項1記載の方法であって、
前記単語を単語セットから無作為に選択することと、
前記ユーザが、前記グラフィカルな制御部を用いて、各単語に対して用いる最適な強度レベルを設定できるようにすることと、
をさらに備える方法。
【請求項11】
診断聴覚検査を行なうためのコンピュータベースシステムであって、
表示スクリーンと、
前記表示スクリーンを制御するように構成された中央処理装置と、
前記中央処理装置から聴覚検査信号を受信するためのトランスデューサと、
前記中央処理装置に接続されており、前記中央処理装置に、前記診断聴覚検査の様々な側面を制御する前記診断聴覚検査のためのグラフィカルな制御部セットを表示スクリーンに表示させ、ユーザが前記グラフィカルな制御部セットを用いて前記診断聴覚検査の1つまたは複数の側面を指定できるようにさせ、前記ユーザによって指定された前記グラフィカルな制御部に従って聴覚検査信号を前記トランスデューサに提供させ、前記ユーザが示す前記聴覚検査信号に対する患者応答を前記記憶ユニットに記憶させ、かつ、前記ユーザのために前記診断聴覚検査結果のレポートを作成させるコンピュータ読み取り可能な命令を記憶する記憶ユニットと、
を備えるシステム。
【請求項12】
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記トランスデューサを用いて前記診断聴覚のために周囲雑音を監視させ、かつ前記周囲雑音の1つまたは複数の周波数成分の強度レベルを前記表示スクリーンにグラフィカルに表示させる、
請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記診断聴覚検査のためにマスキングレベルを設定させ、かつ前記マスキングレベルの強度レベルおよび周波数を前記表示スクリーンにグラフィカルに表示させる、
請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記ユーザが前記グラフィカルな制御部を用いて前記診断聴覚検査のためのマスキングレベルを指定できるようにさせ、かつ前記マスキングレベルの強度レベルおよび周波数をグラフィカルに表示させる、
請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記ユーザが前記患者に関する情報を入力しかつ前記患者のためにどの聴覚検査およびどちらの耳を検査すべきかを選択できるようにさせる、
請求項11記載のシステム。
【請求項16】
前記診断聴覚検査が純音閾値検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が純音信号である請求項11記載のシステムであって、
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記ユーザが前記グラフィカルな制御部を用いて前記純音信号の強度レベルおよび周波数を指定できるようにさせ、かつ前記純音信号の前記強度レベルおよび周波数を前記表示スクリーンにグラフィカルに表示させる、
システム。
【請求項17】
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記ユーザが前記純音信号に対する患者応答を前記表示スクリーンにプロットできるようにさせ、かつ前記プロットされた応答を前記表示スクリーンにグラフィカルに表示させる、
請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記診断聴覚検査が語音聴取閾値検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が単語である請求項11に記載のシステムであって、
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記単語を単語セットから無作為に選択させ、かつ患者応答が受信されたと前記ユーザが示すまで、前記単語が提示されるたびに、所定の増分だけ前記単語の強度レベルを下げさせる、
システム。
【請求項19】
前記診断聴覚検査が語音聴取閾値検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が単語である請求項11記載のシステムであって、前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記単語を単語セットから無作為に選択させ、かつ各単語に対して用いる最適な強度レベルを決定させる、
システム。
【請求項20】
前記診断聴覚検査が音声識別検査を含み、かつ前記聴覚検査信号が単語である請求項11記載のシステムであって、
前記コンピュータ読み取り可能な命令が、さらに、前記中央処理装置に、前記単語を単語セットから無作為に選択させ、かつ前記ユーザが前記グラフィカルな制御部を用いて各単語に対して用いる最適な強度レベルを決定できるようにさせる、
システム。
【請求項21】
診断聴覚検査のためのマルチメディア・グラフィカル・ユーザインターフェースであって、
前記診断聴覚検査に対する周囲雑音レベルを、前記周囲雑音の1つまたは複数の周波数成分の強度レベルを含めてグラフィカルに表示するための周囲雑音モジュールと、
ユーザが患者情報を入力し、かつ前記患者のためにどの聴覚検査およびどちらの耳を検査すべきかを選択できるようにするための患者情報モジュールと、
前記ユーザが、前記患者に提示される純音信号の強度レベルおよび周波数を選択することを含めて純音閾値検査を手動で行なうことができるようにするための純音モジュールと、
前記ユーザが、語音聴取閾値検査を、前記語音聴取閾値検査に対する患者応答を記録することを含めて手動で行なうことができるようにするための語音聴取モジュールと、
前記ユーザが、音声識別検査を、前記音声識別検査に対する患者応答を記録することを含めて手動で行なうことができるようにするための音声識別モジュールと、
を備えるユーザインターフェース。
【請求項22】
前記純音モジュール、前記語音聴取モジュールおよび前記音声識別モジュールが、それらのそれぞれの検査結果を示すレポートを作成するように構成されている、
請求項21記載のユーザインターフェース。
【請求項23】
前記純音モジュールが、さらに、前記ユーザが前記純音閾値検査のためにマスキングレベルを手動または自動で設定できるようにする、
請求項21記載のユーザインターフェース。
【請求項24】
音声識別モジュールが、さらに、前記ユーザが前記音声識別検査のためのマスキングレベルを手動または自動で設定できるようにする、
請求項21記載のユーザインターフェース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−504924(P2007−504924A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533123(P2006−533123)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/015329
【国際公開番号】WO2004/103158
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(504427732)ティンパニー, インコーポレーテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】TYMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】12807 Royal Drive, Suite 101, Stafford, TX 77477, United States ofAmerica
【Fターム(参考)】