説明

コンピュータ用机

【課題】 コンピュータのキーボードとディスプレイを、専用の机に、使い易く安定よく載置し、かつコンピュータの不使用時の机の専有床面積を小さくする。
【解決手段】 ディスプレイ2を載置する不動の天板3の下面両側にレール6を敷設し、天板3の下方に、キーボード8を載置する卓板9の後端両側を、キーボード8の高さ以上の間隔を設けて前後移動自在に吊支し、卓板9の前端両側を、下端にキャスタ14を設けた脚杆13で水平に支持する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ等のモニター機器と、キーボード等のオペレーション機器とを分離したディスクトップ形コンピュータにおける上記両者の載置に便利な机に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなコンピュータ用機器を載置するようにした従来の机は、専有する面積を大としてあるため、コンピュータの不使用時には、床面積に無駄が多く、また邪魔にもなる。この問題点を解消するために、1基の机に、不動の天板と前後移動自在の卓板を設け、それぞれに、モニター機器とオペレーション機器を載置し、コンピュータ不使用時には、オペレーション機器をモニター機器の下方に収容しうるようにした机が、例えば実公昭62−14912号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの机では、卓板が片持であって、卓板を安定よく水平に支持するためには、卓板を、その後端がレールの前端に達するまで引き出すことはできず、その分、卓板の活用面積が減少する。
【0004】また、コンピュータの使用時には、卓板とともにオペレーション機器が引き出されて、机全体の重心が前方に移動するため、卓板に多数の書類等の重量物を載置したり、机が衝撃を受けりすると、机が前倒する恐れがある。従って、安全のためには、机の前端を支持する脚の下端を前方に突出させる必要があり、この脚は、不使用時に邪魔になるとともに、専有床面積を大としている。
【0005】本発明は、不使用時の専有床面積を大とすることなく、卓板の有効面積を大きくし、かつ使用時には、広い卓板を安全に活用しうるようにした、コンピュータ用机を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) モニター機器用の不動の天板の下方に、オペレーション機器用卓板の後端を、間隔を隔てて前後に移動自在に吊支し、かつ卓板の前端両側より接地脚を垂設する。
【0007】(2) 上記(1)項において、卓板の前端縁中間部を、後方に向けて凹入させる。
【0008】
【発明の実施の形態】図面は、本発明の一実施例を示す。互いに平行をなす左右1対の方形の脚枠(1)の上端には、コンピュータのディスプレイ(2)を載置した天板(3)が架設され、その両側に立設した左右1対の下向U字形の支持杆(4)の上部間には、付属部材や書類等(図示省略)を載置する棚板(5)が架設されている。
【0009】天板(3)の下面左右両側部には、前後方向を向き、かつ互いに平行をなす左右1対のU字溝形のレール(6)が敷設され、その前端には、開口面を閉塞するストッパ(7)が設けられている。
【0010】コンピュータのキーボード(8)を載置した卓板(9)の左右幅は、両脚枠(1)の対向面の間隔より短寸であり、同じく前後幅は、天板(3)とほぼ等長である。卓板(9)の前端には、後方に湾入する凹入部(10)が形成されている。
【0011】卓板(9)の後端の両側部に設けた上方を向く支持板(11)の後上端に枢設したローラ(12)を、上記両レール(6)に載せることにより、卓板(9)は天板(3)に、キーボード(8)が余裕をもって通過しうる間隔を設けて吊支されている。
【0012】卓板(9)の前端の下面両側より垂設した脚杆(13)の下端のキャスタ(14)が接地することにより、卓板(9)は水平に支持され、卓板(9)は、レール(6)のストッパ(7)と、後方のストッパ(図示省略)の間を移動することができる。
【0013】上述の本発明の机において、コンピュータの使用時には、図1に示すように、卓板(9)を引き出してキーボード(8)を使用し、不使用時には、図2に示すように、卓板(9)をキーボード(8)とともに、天板(3)の下方へ押し入れる。
【0014】
【発明の効果】
(a) 請求項1に記載のコンピュータ用机によると、卓板の両側後端が、不動の天板のレールにローラによって支持され、かつ両側前端が、下端にキャスタを有する脚杆に支持されているので、卓板は、レールの前端即ち天板の前端まで、容易かつ安全に引き出すことができ、卓板上に重量物を載置しても、安全であり、コンピュータの使用が制約されることはなく便利である。
【0015】(b) コンピュータの不使用時には、キーボードを載置したまま、卓板を天板直下に収容することができるので、専有する床面積は小さくてよく、通行人や他物の設置の邪魔になることはない。
【0016】(c) 請求項2に記載のコンピュータ用机によると、卓板の前端に凹入部が形成されているので、キーボードの前側方に書類等を置いて、両者の近くで、キーボードを容易に操作することができ、コンピュータの操作に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の机のコンピュータ使用時の斜視図である。
【図2】同じく不使用時の斜視図である。
【図3】同じく卓板の斜視図である。
【図4】図1A部の縦断拡大正面図である。
【符号の説明】
(1)脚枠
(2)ディスプレイ
(3)天板
(4)支持杆
(5)棚板
(6)レール
(7)ストッパ
(8)キーボード
(9)卓板
(10)凹入部
(11)支持板
(12)ローラ
(13)脚杆
(14)キャスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 モニター機器用の不動の天板の下方に、オペレーション機器用卓板の後端を、間隔を隔てて前後に移動自在に吊支し、かつ卓板の前端両側より接地脚を垂設してなるコンピュータ用机。
【請求項2】 卓板の前端縁中間部を、後方に向けて凹入させた請求項1記載のコンピュータ用机。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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