コンピュータ装置及びプログラム
【課題】電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを複数のカテゴリごとに記憶し、適切に手書きストロークを表示させる。
【解決手段】コンピュータ装置は、電子ペンが読み取ったコード化パターンに関する記入情報を受信し、当該記入情報に応じた処理を行う。受信手段は、ユーザが電子ペンによってノート用紙に記入した手書きストロークを受信する。複数のノート用紙は、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容が記入される。表示制御手段は、複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させ、カテゴリ取得手段は、複数のカテゴリの中でユーザが指定したカテゴリを取得する。そして、保存指示手段は、受信手段が受信した手書きストロークを、カテゴリ取得手段が取得したカテゴリに対応付けたファイルに記憶させる。
【解決手段】コンピュータ装置は、電子ペンが読み取ったコード化パターンに関する記入情報を受信し、当該記入情報に応じた処理を行う。受信手段は、ユーザが電子ペンによってノート用紙に記入した手書きストロークを受信する。複数のノート用紙は、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容が記入される。表示制御手段は、複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させ、カテゴリ取得手段は、複数のカテゴリの中でユーザが指定したカテゴリを取得する。そして、保存指示手段は、受信手段が受信した手書きストロークを、カテゴリ取得手段が取得したカテゴリに対応付けたファイルに記憶させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンから記入情報を受信して処理を行うコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、時間が定義されたカレンダーエリア、ToDoリストエリア、仕事リストエリア等を含み、アノト方式のドットパターンが印刷されたカレンダー帳に、電子ペンで記入された場合に、その記入内容を電子化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3842283号公報
【特許文献2】特許第3764100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが電子ペンによってノート用紙に記入した手書きストロークを、複数のカテゴリ(例えば講義の科目など)ごとに分類して記憶し、そのような手書きストロークを各カテゴリごとに表示させることができると便宜である。
そこで、本発明は、電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを複数のカテゴリごとに記憶し、適切に手書きストロークを表示させることが可能なコンピュータ装置及びプログラムを提案することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、コンピュータ装置は、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段と、前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段と、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段とを備える。
【0007】
上記のコンピュータ装置は、電子ペンが読み取ったコード化パターンに関する記入情報を受信し、当該記入情報に応じた処理を行う。受信手段は、ユーザが電子ペンによってノート用紙に記入した手書きストロークを、電子ペンから受信する。複数のノート用紙は、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するために用いられる。表示制御手段は、複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を、表示手段に表示させる。カテゴリ取得手段は、表示制御手段によって表示された複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得する。そして、保存指示手段は、受信手段が受信した手書きストロークを、カテゴリ取得手段が取得したカテゴリに対応付けたファイルに記憶させる。これにより、電子ペンによって記入された手書きストロークを、ユーザによって指定されたカテゴリに対応付けて適切に記憶させることができる。よって、電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを、複数のカテゴリごとに分類して適切に記憶させることができる。つまり、複数のカテゴリごとに分類して、手書きストロークを電子化することができる。
【0008】
上記のコンピュータ装置の一態様では、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させる。この態様によれば、ユーザによって指定されたカテゴリについて、手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0009】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させる。この態様によれば、ノート用紙のページに対応付けて手書きストロークを適切に記憶させることができると共に、ノート用紙に応じたページを適切に表示させることができる。
【0010】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させる。この態様によれば、記入された手書きストロークをリアルタイムで適切に描画させることができる。
【0011】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させる。この態様によれば、既に記入された手書きストロークの続きに、新たに記入された手書きストロークを適切に描画させることができる。
【0012】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。上記のような場合には、表示制御手段は、現在開いているファイルのカテゴリではなく、ノート用紙に対応するカテゴリのページに、手書きストロークを記憶させることができる。
【0013】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0014】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させる。上記のような場合には、保存指示手段は、現在開いているファイルではなく、ノート用紙に対応するカテゴリのファイルに、手書きストロークを記憶させる。
【0015】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させる。
【0016】
新規のノート用紙に手書きストロークが記入された場合、その手書きストロークをどのカテゴリに対応付けて記憶させるか問題となるが、上記の態様によれば、新規のノート用紙に記入された手書きストロークを、ユーザによって指定されたカテゴリに対応付けて適切に記憶させることができる。
【0017】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段を更に備える。
【0018】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成する。これにより、ユーザが特に操作を行うことなく、コンピュータ装置側で自動で新規のファイルを作成することができる。
【0019】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させることができる。
【0020】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させることができる。
【0021】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させる。これにより、ユーザは、現在開催されている講義の科目を容易に把握することができる。
【0022】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させる。この態様によれば、電子ペンによって記入された手書きストロークを、科目だけでなく曜日や時限に対応付けて適切に記憶させることができる。また、曜日や時限に応じた手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0023】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させることができる。
【0024】
また、上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させることができる。
【0025】
本発明の他の観点では、コンピュータ装置によって実行されるプログラムは、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段、前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段、前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0026】
上記のプログラの一態様では、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させる。
【0027】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させる。
【0028】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させる。
【0029】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0030】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0031】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0032】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させる。
【0033】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させる。
【0034】
上記のプログラの他の一態様では、前記コンピュータ装置を、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段として更に機能させる。
【0035】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成する。
【0036】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させる。
【0037】
上記のプログラの他の一態様では、前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させる。
【0038】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させる。
【0039】
上記のプログラの他の一態様では、前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させる。
【0040】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させる。
【0041】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させる。
【0042】
これらのプログラムを実行することにより、上記のコンピュータ装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、電子ペンによって記入された手書きストロークを、ユーザによって指定されたカテゴリに対応付けて適切に記憶させることができる。よって、電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを、複数のカテゴリごとに分類して適切に記憶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態におけるストローク表示システムのシステム構成図である。
【図2】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図3】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図4】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図5】コンピュータ装置の機能ブロック図である。
【図6】時間割表の表示画面例を示す。
【図7】第1実施形態において、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示す。
【図8】第1実施形態において、ノート用紙に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示す。
【図9】第1実施形態において、ノート用紙に手書きストロークが記入された際に表示される他の画面例を示す。
【図10】フォルダ及びファイルのアイコンの表示例を示す。
【図11】第1実施形態において、時間割表において科目が指定された場合に行われる処理フローを示す。
【図12】第1実施形態において、電子ペンによってノート用紙に手書きストロークが記入された場合に行われる処理フローを示す。
【図13】第2実施形態において、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示す。
【図14】第2実施形態において、ユーザが時間割表の曜日を指定した際に表示される画面例を示す。
【図15】第2実施形態において、時間割表において科目又は曜日が指定された場合に行われる処理フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0046】
<第1実施形態>
まず、本発明に係る第1実施形態について説明する。
【0047】
[情報処理システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す。図1に示すように、情報処理システムは、ユーザが使用する電子ペン1と、電子ペン1から記入情報等を受信して処理するコンピュータ装置2と、各々で異なる座標範囲のドットパターンが形成された複数のノート用紙4と、科目別にノート用紙4を区切るための見出し用紙5と、ノート用紙4及び見出し用紙5を綴じるための多穴ファイル6とを有する。
【0048】
複数のノート用紙4は、所謂ルーズリーフに相当し、科目に応じた内容(例えば講義での板書を書き写した内容)が電子ペン1によって記入される。複数のノート用紙4は、それぞれで異なる座標範囲のドットパターン(言い換えるとユニークなドットパターン)が形成されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインクにより印刷される。また、複数のノート用紙4は、多穴ファイル6により綴じるための穴が形成されている。なお、本実施形態では、ドットパターンは、アノト方式のものによるが、他のコード化パターンを用いても良い。
【0049】
コンピュータ装置2は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイなどを有し、電子ペン1から記入情報等を受信して種々の処理を行う。例えば、コンピュータ装置2は、「iPad(登録商標)」である。
【0050】
ここで、図1に示すような情報処理システムの利用形態を簡単に説明する。コンピュータ装置2は、曜日及び時限に対して講義の科目(カテゴリ)が対応付けられた時間割表を、ディスプレイ上に表示させる。ユーザは、このように表示された時間割表を参照し、時間割表に表示された複数の科目の中から1つの科目を指定する。この際に、コンピュータ装置2は、ユーザが指定した科目用のファイルを開く。当該ファイルは、ユーザが電子ペン1によってノート用紙4に記入した手書きストロークを、科目ごとに分類して記憶させるためのものであり、講義の科目の数だけ存在する。コンピュータ装置2は、上記のようにファイルを開いた際に、そのファイルの科目について記入された手書きストロークにおいて、ノート用紙4の所定のページ(例えば手書きストロークが記入された最終ページ)に記入された手書きストロークをディスプレイ上に表示させる。また、ユーザは、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークを記入する。この際に、コンピュータ装置2は、ユーザによって記入された手書きストロークをディスプレイ上に描画すると共に、上記のようにして開いたファイルに当該手書きストロークを記憶させる。
【0051】
[ドットパターン]
図2及び図3を参照して、ノート用紙4に形成されたアノト方式のドットパターンについて説明する。図2は、ノート用紙4に形成されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、ノート用紙4上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0052】
図3(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図3(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、ノート用紙4上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがノート用紙4上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(b)は、図3(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0053】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図4を用いて説明する。図4は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図4に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端はペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1のペン先部103をノート用紙4に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ここで、電子ペン1のペン先部103がノート用紙4に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料を含まないので、プロセッサ103によるドットパターンの読取りを阻害しない。
【0054】
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1によりノート用紙4に文字やマークを書いたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0055】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1によりノート用紙4に文字など書いたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をノート用紙4から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。
【0056】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、ノート用紙4上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がノート用紙4に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、ノート用紙4に文字や枠線などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図3(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0057】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)のノート用紙4上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図3(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図3(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算の際、その機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、ノート用紙4における6×6のドットパターンは、ノート用紙4内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がノート用紙4のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0058】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1によって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。
【0059】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置2について説明する。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。図5は、コンピュータ装置2の機能ブロック図である。コンピュータ装置2は、機能的には、入力手段21、通信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26を備える。
【0060】
入力手段21は、各種コマンドやデータを入力するためのマウスやキーボードなどから構成されている。なお、表示手段26がタッチパネル方式である場合には、表示手段26の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力手段21として機能する。通信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段24に伝送する。通信手段22は、本発明における「受信手段」の一例に相当する。表示手段26は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示する。
【0061】
記憶手段25は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶し、さらに、処理手段24の指示により、記憶領域を確保して、ペンダウンからペンアップまでの記入情報に含まれる座標属性情報をストローク情報としてペンID毎に記憶する。具体的には、記憶手段25は、複数の科目のそれぞれに対応するファイルごとに、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストロークを記憶する。また、記憶手段25は、処理手段24の指示により、プログラムの実行により生成される各種情報を記憶する。各種情報の一例として、記憶手段25は、複数のノート用紙4のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報を記憶している。また、記憶手段25は、各曜日及び各時限ごとに、実施される講義の科目が対応付けられた時間割表のデータを記憶している。
【0062】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置2の全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、判定手段241と、保存指示手段242と、表示制御手段243と、報知手段244と、取得手段245とを備える。
【0063】
処理手段24の取得手段245は、後述する表示制御手段243によって時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが指定した科目を取得する。具体的には、取得手段245は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザが入力手段21を用いて指定した科目を特定する。例えば、取得手段245は、ユーザがマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力したりすることで指定した科目を取得する。このように、取得手段245は、本発明における「カテゴリ取得手段」の一例に相当する。
【0064】
処理手段24の判定手段241は、ユーザが科目を指定した際に、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが記憶手段25に記憶されているか否かを判定する。また、判定手段241は、ユーザが電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークを記入した際に、ファイルを開いているか否かを判定する。ファイルを開いている場合には、判定手段241は、そのファイルが新規のファイルであるか否かを判定する。更に、判定手段241は、電子ペン1によって手書きストロークが記入されたノート用紙4が、新規のノート用紙4であるか否かを判定する。つまり、判定手段241は、電子ペン1によって記入されたノート用紙4が、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4であるか、それとも未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4であるかを判定する。この場合、判定手段241は、記憶手段25に記憶された座標定義情報(具体的には、複数のノート用紙4に割り当てられたドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報)を参照することで、手書きストロークが記入されたノート用紙4を特定し、後述する保存指示手段242によって記憶されたファイルに、そのノート用紙4のデータが含まれているか否かに基づいて、このような判定を行う。加えて、判定手段241は、現在開いているファイルに対応する科目と、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目とが一致するか否かを判定する。
【0065】
処理手段24の保存指示手段242は、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストローク(具体的には通信手段22が受信した記入情報に対応する手書きストローク)を、取得手段245が取得した科目に対応付けたファイルにて記憶手段25に記憶させる。具体的には、保存指示手段242は、ノート用紙4に記入された手書きストロークを、当該ノート用紙4のページに対応付けて記憶手段25に記憶させる。この場合、保存指示手段242は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、当該ノート用紙4のページに、新たに記入された手書きストロークを上書きして記憶させる。詳しくは、保存指示手段242は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入された場合において、現在開いているファイルに対応する科目とノート用紙4に対応する科目とが異なると判定手段241によって判定された場合、若しくは現在開いているファイルが新規であると判定手段241によって判定された場合には、そのノート用紙4に対応する科目のファイルに手書きストロークを記憶させる。つまり、保存指示手段242は、現在開いているファイルの科目ではなく、ノート用紙4に対応する科目のファイルに、手書きストロークを記憶させる。
【0066】
他方で、保存指示手段242は、未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、現在開いているファイルに記憶されたページに連続する、当該ノート用紙4に対応する新たなページを作成して、手書きストロークを新たなページに対応付けて記憶手段25に記憶させる。なお、保存指示手段242は、ユーザによって指定された科目に対応するファイルが存在しないと判定手段241によって判定された場合には、当該科目に対応付けた新たなファイルを作成する。
【0067】
処理手段24の表示制御手段243は、各曜日及び各時限ごとに、実施される講義の科目が対応付けられた時間割表を、表示手段26に表示させる。そして、表示制御手段243は、時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが1つの科目を指定した際に、取得手段245が取得した科目に対応付けられたファイルを開き、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。この場合、表示制御手段243は、当該ファイルに記憶されたページの中の所定のページ(例えば最終ページ)を表示手段26に表示させる。また、表示制御手段243は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際に、当該手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、現在開いているファイルに記憶された、当該ノート用紙4に対応するページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる。詳しくは、表示制御手段243は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入された場合において、現在開いているファイルに対応する科目とノート用紙4に対応する科目とが異なると判定手段241によって判定された場合、若しくは現在開いているファイルが新規であると判定手段241によって判定された場合には、そのノート用紙4に対応する科目のファイルを開いて、当該ノート用紙4に対応するページを表示させると共に当該ページに手書きストロークを描画させる。つまり、表示制御手段243は、現在開いているファイルの科目ではなく、ノート用紙4に対応する科目のページに、手書きストロークを描画させる。
【0068】
他方で、表示制御手段243は、未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、現在開いているファイルに記憶されたページに連続する新たなページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる。
【0069】
処理手段24の報知手段244は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際において、ファイルを開いていないと判定手段241によって判定された場合(つまりユーザが科目を指定していない場合、言い換えると取得手段245が科目を取得していない場合)、科目が指定されていない旨をユーザに報知する。また、報知手段244は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目と、現在開いているファイルに対応する科目とが異なると判定手段241によって判定された場合、その旨をユーザに報知する。つまり、報知手段244は、時間割表で指定された科目と、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目とが異なる旨をユーザに報知する。
【0070】
[表示画面例]
以下では、図6乃至図10を参照して、上記した処理手段24の表示制御手段243によって表示される画面例を提示する。
【0071】
図6は、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される、時間割表の画面例を示している。図6に示すように、処理手段24の表示制御手段243は、各曜日及び各時限ごとに、実施される講義の科目が対応付けられた時間割表を、表示手段26に表示させる。時間割表には、講義の科目の名称を示す科目名(略称も含むものとする)が表示されている。
【0072】
例えば、上記のような時間割表は、ユーザが、各曜日及び各時限に応じた科目名を入力手段21(マウスやキーボード)によって入力する作業を行うことで設定される。この例では、コンピュータ装置2は時間割表設定用のアプリケーションを実行し、ユーザは当該アプリケーションを用いて時間割表を設定する。こうして設定された時間割表のデータは、記憶手段25に記憶される。
【0073】
図7は、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示している。図7(a)及び図7(b)は、両方とも、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。図7(a)は、図6と同様の、表示制御手段243によって表示される時間割表の画面例である。
【0074】
ここでは、図7(a)に示すように、時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが入力手段21によって「現社(現代社会)」の科目を指定した場合を例示する。例えば、ユーザは、マウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力したりすることで、このような科目の指定を行う。この場合、処理手段24の取得手段245は、ユーザによって指定された科目が「現社」であることを示す情報を取得する。そして、表示制御手段243は、取得手段245が取得した「現社」のファイルを開き、図7(b)に示すように、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、「現社」について手書きストロークが記入されたページにおいて、最終ページを表示手段26に表示させる。例えば、表示制御手段243は、このようなページをウィンドウによって表示させると共に、当該ウィンドウの上部に「現代社会ノート」といった科目に対応する文字を表示させる。なお、上記のように最終ページを表示させることに限定はされず、最初のページなどを表示させても良い。
【0075】
なお、処理手段24の表示制御手段243は、時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させることができる。例えば、コンピュータ装置2に内蔵された時計から取得される日時の情報や、各時限の講義が行われる時間帯に関する情報などに基づいて、表示制御手段243は、現在開催されている講義の科目を特定し、当該科目を強調表示させる。図7(a)に示す例では、木曜の4限に行われる「現社」が強調表示されている。具体的には、「現社」の文字が太字で示されると共に、「現社」が記載された枠内に色が付されることで強調表示されている。なお、このように太字や色によって強調表示を行うことに限定はされない。
【0076】
図8は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示している。図8(a)はノート用紙4の一例を示し、図8(b)はコンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。
【0077】
ここでは、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入された場合、つまり既に記入された手書きストロークの続きに新たな手書きストロークが記入された場合を例示する。具体的には、図8(a)に示すように、破線領域B1に示す部分に新たな手書きストロークが記入された場合を例示する。この場合、表示制御手段243は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応するページが記憶されたファイルを開く。そして、表示制御手段243は、図8(b)に示すように、そのノート用紙4に対応するページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる(破線領域B2参照)。なお、前述したようにユーザが時間割表にて科目を指定することで、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応するページが既に表示されている場合には、表示制御手段243は、上記のようにファイルを開く処理をしなくとも、既にファイルが開いているため、既に表示されている当該ページに手書きストロークを描画させる。
【0078】
図9は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際に表示される他の画面例を示している。図9(a)はノート用紙4の一例を示し、図9(b)はコンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。
【0079】
ここでは、未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4に手書きストロークが記入された場合、つまり新規のノート用紙4に手書きストロークが記入された場合を例示する。具体的には、図9(a)に示すように、破線領域C1に示す部分に手書きストロークが記入された場合を例示する。この場合、表示制御手段243は、図9(b)に示すように、現在開いているファイルに記憶されたページに連続する新たなページ(具体的には白紙のページ)を表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる(破線領域C2参照)。
【0080】
図10は、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される、フォルダ及びファイルのアイコンの一例を示している。図10(a)は、上記したような科目ごとのファイルが格納されたフォルダのアイコン10を示している。例えば、フォルダは「講義ノート」といった名称が付けられ、フォルダのアイコン10はデスクトップに表示される。ユーザが入力手段21によってフォルダのアイコン10を選択した場合、例えばフォルダのアイコン10をマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力した場合、図10(b)に示すように、フォルダに格納された複数のファイルのアイコン11が表示される。つまり、フォルダが展開する。
【0081】
ここで、ユーザが入力手段21によってファイルのアイコン11を選択した場合、例えばファイルのアイコン11をマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力した場合、表示制御手段243は、選択されたファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、選択されたファイルに記憶されたページの中の所定のページ(例えば最終ページ)を表示手段26に表示させる。
【0082】
[処理フロー]
次に、図11及び図12を参照して、第1実施形態に係る処理フローについて説明する。
【0083】
最初に、図11を参照して、表示された時間割表において科目が指定された場合に行われる処理フローを説明する。
【0084】
まず、処理手段24の表示制御手段243は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータを読み出して、時間割表を表示手段26に表示させる(ステップS101)。そして、処理手段24の取得手段245は、表示制御手段243によって時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが指定した科目を取得する(ステップS102)。具体的には、取得手段245は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザが入力手段21を用いて指定した科目を特定する。例えば、取得手段245は、ユーザがマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力を検知したりすることで指定した科目を取得する。
【0085】
次に、処理手段24の判定手段241は、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在するか否かを判定する(ステップS103)。つまり、判定手段241は、当該科目に対応するファイルが記憶手段25に記憶されているか否かを判定する。取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在する場合(ステップS103;Yes)、表示制御手段243は、その科目に対応付けられたファイルを開き、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる(ステップS104)。具体的には、表示制御手段243は、当該ファイルに記憶されたページの中の最終ページを表示手段26に表示させる。
【0086】
一方、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在しない場合(ステップS103;No)、処理手段24の保存指示手段242は、その科目用のファイルを作成する(ステップS105)。そして、保存指示手段242は、作成したファイルのアイコンを生成すると共に、そのファイルをフォルダ(講義ノートフォルダ)内に記憶させる(ステップS106)。この後、表示制御手段243は、保存指示手段242によって作成されたファイルを開く(ステップS107)。具体的には、表示制御手段243は、白紙のページを表示手段26に表示させる。
【0087】
次に、図12を参照して、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された場合に行われる処理フローを説明する。図12に示す処理フローは、電子ペン1により記入情報が生成されるごとに繰り返し実行される。
【0088】
まず、ユーザが、電子ペン1でノート用紙4に記入すると、電子ペン1は、生成した記入情報をコンピュータ装置2へ送信する。コンピュータ装置2では、通信手段22が、電子ペン1から送信された記入情報を受信すると、処理手段24の保存指示手段242は、その記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS201)。
【0089】
次に、処理手段24の判定手段241は、手書きストロークが記憶されるファイルを現在開いているか否かを判定する(ステップS202)。言い換えると、判定手段241は、ユーザが科目を指定したか否か、つまり取得手段245が科目を取得したか否かを判定する。ファイルを開いていない場合(ステップS202;No)、処理手段24の報知手段244は、科目が指定されていない旨をユーザに報知する(ステップS209)。例えば、報知手段244は、科目が指定されていないことを示すメッセージや、科目を指定すべき旨を示すメッセージなどを、画像として表示手段26に表示させたり、音声としてスピーカから出力させたりする。若しくは、報知手段244は、アラーム音を出力させたりする。
【0090】
一方、ファイルを開いている場合(ステップS202;Yes)、判定手段241は、そのファイルが新規のファイルであるか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、判定手段241は、現在開いているファイルに、手書きストロークが未だ記憶されていないか否かを判定する。ファイルが新規でない場合(ステップS203;No)、判定手段241は、電子ペン1によって手書きストロークが記入されたノート用紙4が、新規のノート用紙4であるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、判定手段241は、記憶手段25に記憶されたファイルに、電子ペン1によって記入されたノート用紙4のデータが含まれるか否かに基づいて、このような判定を行う。
【0091】
電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4でない場合(ステップS204;No)、判定手段241は、そのノート用紙4に対応する科目と、現在開いているファイルに対応する科目とが一致するか否かを判定する(ステップS205)。ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致する場合(ステップS205;Yes)、表示制御手段243は、現在開いているファイルに記憶された、当該ノート用紙4に対応するページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる(ステップS206)。また、保存指示手段242は、そのノート用紙4に対応するページに対応付けて手書きストロークを記憶させる。
【0092】
これに対して、ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致しない場合(ステップS205;No)、報知手段244は、ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致しない旨をユーザに報知する(ステップS207)。つまり、報知手段244は、時間割表で指定された科目と、手書きストロークが記入されたノート用紙4の科目とが異なる旨をユーザに報知する。例えば、報知手段244は、ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致しないことを示すメッセージを、画像として表示手段26に表示させたり、音声としてスピーカから出力させたりする。若しくは、報知手段244は、アラーム音を出力させたりする。
【0093】
上記のような報知を行った後、表示制御手段243は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目のファイルを開いて、当該ノート用紙4に対応するページを表示させる(ステップS208)。そして、表示制御手段243は、表示させたページに手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。
【0094】
他方で、電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4である場合(ステップS204;Yes)、表示制御手段243は、新たなページ(白紙のページ)に手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。詳しくは、保存指示手段242は、現在開いているファイルに記憶されたページ(具体的には最終ページ)に連続する、新規のノート用紙4のためのページを作成し、作成したページをファイルに記憶させる。
【0095】
他方で、ファイルが新規である場合(ステップS203;Yes)、判定手段241は、電子ペン1によって手書きストロークが記入されたノート用紙4が、新規のノート用紙4であるか否かを判定する(ステップS210)。電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4である場合(ステップS210;Yes)、表示制御手段243は、新たなページ(白紙のページ)に手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。この場合には、現在開いているファイルにページが記憶されていないため、つまり新規のノート用紙4が最初のページに対応するため、保存指示手段242は、ファイルに記憶されたページに連続するページを作成せずに、最初のページを作成する。
【0096】
これに対して、電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4でない場合(ステップS210;No)、表示制御手段243は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目のファイルを開いて、当該ノート用紙4に対応するページを表示させる(ステップS208)。そして、表示制御手段243は、表示させたページに手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。
【0097】
[第1実施形態による作用効果]
以上説明した第1実施形態によれば、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストロークを、複数の科目ごとに分類して適切に記憶させることができる(つまり手書きストロークを電子化できる)と共に、そのような手書きストロークを各科目ごとに適切に表示させることができる。具体的には、電子ペン1によって記入された手書きストロークを、表示させた時間割表によって指定された科目に対応付けて記憶させることができると共に、表示させた時間割表によって指定された科目に応じて、手書きストロークを適切に表示させることができる。例えば、新規のノート用紙4に手書きストロークが記入された場合、その手書きストロークをどの科目に対応付けて記憶させるか問題となるが、本実施形態によれば、時間割表を表示させることで、新規のノート用紙4に記入された手書きストロークを、時間割表によって指定された科目に対応付けて適切に記憶させることができる。
【0098】
[第1実施形態の変形例]
上記では、曜日及び時限に複数の科目が対応付けられた時間割表を表示させる例を示したが、このような時間割表の代わりに、単に複数の科目を表示させることとしても良い。例えば、複数の科目名のみが配列されたような画面を表示させることができる。ユーザは、このような画面を参照することで、表示された複数の科目の中から1つの科目を指定し、コンピュータ装置2は、ユーザが指定した科目に基づいて、前述した処理と同様の処理を行うことができる。
また、上記実施形態において、処理手段24は、各科目のページごとにページ番号を付し、各ページにそのページ番号を表示させるようにしてもよい。また、処理手段24は、表示手段26に設けられたタッチパネルによる指の操作を検知して、ページめくり処理をするようにしてもよい。
【0099】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態は、時間割表を用いてユーザが指定を行った際に表示される画面が、第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態では、コンピュータ装置2は、時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、その科目を特定すると共に曜日及び時限を特定し、特定された科目、曜日及び時限に対応する講義で記入された手書きストロークを表示させる。また、第2実施形態では、コンピュータ装置2は、時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について、記入された手書きストロークを並べて表示させる。
【0100】
なお、以下では、第1実施形態と異なる構成について主に説明を行い、第1実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。つまり、特に説明しない構成要素や処理などについては、第1実施形態と同様であるものとする。
【0101】
[表示画面例]
図13及び図14を参照して、第2実施形態において表示される画面例を提示する。
【0102】
図13は、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示している。図13(a)及び図13(b)は、両方とも、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。図13(a)は、図7(a)と同様の、表示制御手段243によって表示される時間割表の画面例である。図13(a)に示す時間割表も、木曜の4限に行われる「現社」が強調表示されている。
【0103】
ここでは、図13(a)に示すように、時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが入力手段21によって「現社(現代社会)」の科目を指定した場合を例示する。具体的には、ユーザが火曜の5限に行われる「現社」を指定したものとする。この場合、処理手段24の取得手段245は、ユーザによって指定された科目が「現社」であることを示す情報を取得すると共に、その「現社」が行われる曜日及び時限が水曜及び5限であることを示す情報を取得する。具体的には、取得手段245は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザによって指定された科目を特定すると共に、当該科目に対応する曜日及び時限を特定する。
【0104】
そして、表示制御手段243は、「現社」のファイルを開き、図13(b)に示すように、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、ユーザによって指定された水曜の5限の「現社」に関し、今まで水曜の5限に行われた「現社」の講義の中で、最新の講義で記入された手書きストロークを表示させる。より詳しくは、表示制御手段243は、「現社」の最新の講義で手書きストロークが記入されたページにおいて、最初のページを表示手段26に表示させる。例えば、記入情報に含まれる時刻情報(タイムスタンプ)やコンピュータ装置2内のクロックに関する情報などに対応付けて手書きストロークを記憶しておけば、表示制御手段243は、そのような情報に基づいて、最新の講義で記入された手書きストロークを特定することができる。この場合、各時限の講義が行われる時間帯を考慮することが好ましい。なお、上記のように最初のページを表示させることに限定はされず、最終ページなどを表示させても良い。
【0105】
なお、時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目を、ユーザが連続して指定した場合、手書きストロークを過去に遡って表示させても良い。つまり、表示制御手段243は、曜日及び時限が同じ科目が指定されるごとに、その曜日及び時限に行われた講義を過去に遡っていき(先週の講義、先々週の講義、…)、その講義で記入された手書きストロークを表示させることができる。
【0106】
図14は、ユーザが時間割表の曜日を指定した際に表示される画面例を示している。図14(a)及び図14(b)は、両方とも、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。図14(a)は、図7(a)と同様の、表示制御手段243によって表示される時間割表の画面例である。図14(a)に示す時間割表も、木曜の4限に行われる「現社」が強調表示されている。
【0107】
ここでは、図14(a)に示すように、時間割表に表示された複数の曜日の中で、ユーザが入力手段21によって「金曜」を指定した場合を例示する。この場合、処理手段24の取得手段245は、ユーザによって指定された曜日が「金曜」であることを示す情報を取得する。そして、表示制御手段243は、「金曜」に行われる全ての科目についてのファイルを開き、図14(b)に示すように、それらのファイルに記憶された手書きストロークを並べて表示手段26に表示させる。つまり、表示制御手段243は、各科目の手書きストロークをポップアップ表示させる。具体的には、表示制御手段243は、「金曜」に行われる全ての科目について、手書きストロークが記入されたページの中の最終ページを表示手段26に表示させる。なお、上記のように最終ページを表示させることに限定はされず、最初のページなどを表示させても良い。
【0108】
ここで、図14(b)に示すように表示された複数の科目の中から、ユーザが入力手段21によって1つの科目を選択した場合、例えば表示された科目をマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力した場合、表示制御手段243は、その科目のページを全画面表示させる。
【0109】
[処理フロー]
次に、図15を参照して、第2実施形態に係る処理フローについて説明する。図15は、表示された時間割表において科目又は曜日が指定された場合に行われる処理フローを示している。なお、第1実施形態で示した処理フロー(図11参照)と同様の処理については、その説明を適宜省略する。
【0110】
まず、処理手段24の表示制御手段243は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータを読み出して、時間割表を表示手段26に表示させる(ステップS301)。そして、処理手段24の取得手段245は、表示された時間割表において、ユーザが指定した科目又は曜日を取得する(ステップS302)。例えば、取得手段245は、ユーザがマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力したりすることで指定した科目又は曜日を取得する。なお、取得手段245は、ユーザが科目を指定した場合には、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、その科目を特定すると共に、当該科目に対応する曜日及び時限を特定する。
【0111】
ユーザが科目を指定した場合(ステップS302;時間割表の科目)、処理手段24の判定手段241は、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在するか否かを判定する(ステップS303)。取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在する場合(ステップS303;Yes)、表示制御手段243は、ユーザによって指定された科目、曜日及び時限に対応する講義の中で、最新の講義で記入された手書きストロークを表示させる(ステップS304)。具体的には、表示制御手段243は、その最新の講義で手書きストロークが記入されたページにおいて、最初のページを表示手段26に表示させる。
【0112】
一方、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在しない場合(ステップS303;No)、ステップS305〜S307の処理が行われる。ステップS305〜S307の処理は、それぞれ、上記したステップS105〜S107と同様であるため、その説明を省略する。
【0113】
他方で、ユーザが曜日を指定した場合(ステップS302;時間割表の曜日)、表示制御手段243は、ユーザによって指定された曜日に行われる全ての科目についてのファイルを開き、それらのファイルに記憶された手書きストロークを並べて表示手段26に表示させる(ステップS308)。具体的には、表示制御手段243は、全ての科目について、手書きストロークが記入されたページの中の最終ページを表示手段26に表示させる。この場合、表示制御手段243は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザによって指定された曜日に行われる科目を特定する。
【0114】
なお、第2実施形態においても、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された場合には、第1実施形態と同様の処理(図12参照)が行われる。
【0115】
[第2実施形態による作用効果]
以上説明した第2実施形態によれば、電子ペン1によって記入された手書きストロークを、科目だけでなく曜日や時限に対応付けて記憶し、曜日や時限に応じた手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0116】
<変形例>
上記では、科目名が表示された時間割表を示したが、このような科目名の代わりに、複数の科目のそれぞれを示す絵柄(例えばアイコンなど)が表示された時間割表を用いても良い。
【0117】
上記したような時間割表は、学年や学期が変わると新しいものとなる。つまり、ユーザは、学年や学期が変わると、新たな時間割表を作成することとなる。そのため、コンピュータ装置2は、学年や学期ごとに、時間割表に関するデータを記憶することが望ましい。また、コンピュータ装置2は、学年や学期ごとに、ノート用紙4に記入された手書きストロークのデータを記憶することが望ましい。例えば、コンピュータ装置2は、学年や学期ごとの講義ノートのフォルダを作成し、学年や学期に応じた講義ノートのフォルダに各科目のファイルを記憶させることができる。
【0118】
上記では、本発明における「複数のカテゴリ」の一例として講義の科目を示した。他の例では、このような科目の代わりに、「複数のカテゴリ」として仕事上でのプロジェクトなどを用いることができる。この例では、上記した時間割表の代わりに、複数のプロジェクトの名称が示された画面が表示される。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストロークを、複数のプロジェクトごとに分類して記憶させると共に、そのような手書きストロークを各プロジェクトごとに表示させる。
【符号の説明】
【0119】
1…電子ペン
2…コンピュータ装置
4…ノート用紙
6…多穴ファイル
21…入力手段
22…通信手段
24…処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンから記入情報を受信して処理を行うコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、時間が定義されたカレンダーエリア、ToDoリストエリア、仕事リストエリア等を含み、アノト方式のドットパターンが印刷されたカレンダー帳に、電子ペンで記入された場合に、その記入内容を電子化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3842283号公報
【特許文献2】特許第3764100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが電子ペンによってノート用紙に記入した手書きストロークを、複数のカテゴリ(例えば講義の科目など)ごとに分類して記憶し、そのような手書きストロークを各カテゴリごとに表示させることができると便宜である。
そこで、本発明は、電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを複数のカテゴリごとに記憶し、適切に手書きストロークを表示させることが可能なコンピュータ装置及びプログラムを提案することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、コンピュータ装置は、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段と、前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段と、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段とを備える。
【0007】
上記のコンピュータ装置は、電子ペンが読み取ったコード化パターンに関する記入情報を受信し、当該記入情報に応じた処理を行う。受信手段は、ユーザが電子ペンによってノート用紙に記入した手書きストロークを、電子ペンから受信する。複数のノート用紙は、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するために用いられる。表示制御手段は、複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を、表示手段に表示させる。カテゴリ取得手段は、表示制御手段によって表示された複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得する。そして、保存指示手段は、受信手段が受信した手書きストロークを、カテゴリ取得手段が取得したカテゴリに対応付けたファイルに記憶させる。これにより、電子ペンによって記入された手書きストロークを、ユーザによって指定されたカテゴリに対応付けて適切に記憶させることができる。よって、電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを、複数のカテゴリごとに分類して適切に記憶させることができる。つまり、複数のカテゴリごとに分類して、手書きストロークを電子化することができる。
【0008】
上記のコンピュータ装置の一態様では、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させる。この態様によれば、ユーザによって指定されたカテゴリについて、手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0009】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させる。この態様によれば、ノート用紙のページに対応付けて手書きストロークを適切に記憶させることができると共に、ノート用紙に応じたページを適切に表示させることができる。
【0010】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させる。この態様によれば、記入された手書きストロークをリアルタイムで適切に描画させることができる。
【0011】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させる。この態様によれば、既に記入された手書きストロークの続きに、新たに記入された手書きストロークを適切に描画させることができる。
【0012】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。上記のような場合には、表示制御手段は、現在開いているファイルのカテゴリではなく、ノート用紙に対応するカテゴリのページに、手書きストロークを記憶させることができる。
【0013】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0014】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させる。上記のような場合には、保存指示手段は、現在開いているファイルではなく、ノート用紙に対応するカテゴリのファイルに、手書きストロークを記憶させる。
【0015】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させる。
【0016】
新規のノート用紙に手書きストロークが記入された場合、その手書きストロークをどのカテゴリに対応付けて記憶させるか問題となるが、上記の態様によれば、新規のノート用紙に記入された手書きストロークを、ユーザによって指定されたカテゴリに対応付けて適切に記憶させることができる。
【0017】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段を更に備える。
【0018】
上記のコンピュータ装置の他の一態様では、前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成する。これにより、ユーザが特に操作を行うことなく、コンピュータ装置側で自動で新規のファイルを作成することができる。
【0019】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させることができる。
【0020】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させることができる。
【0021】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させる。これにより、ユーザは、現在開催されている講義の科目を容易に把握することができる。
【0022】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させる。この態様によれば、電子ペンによって記入された手書きストロークを、科目だけでなく曜日や時限に対応付けて適切に記憶させることができる。また、曜日や時限に応じた手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0023】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させることができる。
【0024】
また、上記のコンピュータ装置において好適には、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させることができる。
【0025】
本発明の他の観点では、コンピュータ装置によって実行されるプログラムは、それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段、前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段、前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0026】
上記のプログラの一態様では、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させる。
【0027】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させる。
【0028】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させる。
【0029】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0030】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0031】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させる。
【0032】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させる。
【0033】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させる。
【0034】
上記のプログラの他の一態様では、前記コンピュータ装置を、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段として更に機能させる。
【0035】
上記のプログラの他の一態様では、前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成する。
【0036】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させる。
【0037】
上記のプログラの他の一態様では、前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させる。
【0038】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させる。
【0039】
上記のプログラの他の一態様では、前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させる。
【0040】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させる。
【0041】
上記のプログラの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させる。
【0042】
これらのプログラムを実行することにより、上記のコンピュータ装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、電子ペンによって記入された手書きストロークを、ユーザによって指定されたカテゴリに対応付けて適切に記憶させることができる。よって、電子ペンによってノート用紙に記入された手書きストロークを、複数のカテゴリごとに分類して適切に記憶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態におけるストローク表示システムのシステム構成図である。
【図2】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図3】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図4】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図5】コンピュータ装置の機能ブロック図である。
【図6】時間割表の表示画面例を示す。
【図7】第1実施形態において、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示す。
【図8】第1実施形態において、ノート用紙に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示す。
【図9】第1実施形態において、ノート用紙に手書きストロークが記入された際に表示される他の画面例を示す。
【図10】フォルダ及びファイルのアイコンの表示例を示す。
【図11】第1実施形態において、時間割表において科目が指定された場合に行われる処理フローを示す。
【図12】第1実施形態において、電子ペンによってノート用紙に手書きストロークが記入された場合に行われる処理フローを示す。
【図13】第2実施形態において、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示す。
【図14】第2実施形態において、ユーザが時間割表の曜日を指定した際に表示される画面例を示す。
【図15】第2実施形態において、時間割表において科目又は曜日が指定された場合に行われる処理フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0046】
<第1実施形態>
まず、本発明に係る第1実施形態について説明する。
【0047】
[情報処理システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す。図1に示すように、情報処理システムは、ユーザが使用する電子ペン1と、電子ペン1から記入情報等を受信して処理するコンピュータ装置2と、各々で異なる座標範囲のドットパターンが形成された複数のノート用紙4と、科目別にノート用紙4を区切るための見出し用紙5と、ノート用紙4及び見出し用紙5を綴じるための多穴ファイル6とを有する。
【0048】
複数のノート用紙4は、所謂ルーズリーフに相当し、科目に応じた内容(例えば講義での板書を書き写した内容)が電子ペン1によって記入される。複数のノート用紙4は、それぞれで異なる座標範囲のドットパターン(言い換えるとユニークなドットパターン)が形成されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインクにより印刷される。また、複数のノート用紙4は、多穴ファイル6により綴じるための穴が形成されている。なお、本実施形態では、ドットパターンは、アノト方式のものによるが、他のコード化パターンを用いても良い。
【0049】
コンピュータ装置2は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイなどを有し、電子ペン1から記入情報等を受信して種々の処理を行う。例えば、コンピュータ装置2は、「iPad(登録商標)」である。
【0050】
ここで、図1に示すような情報処理システムの利用形態を簡単に説明する。コンピュータ装置2は、曜日及び時限に対して講義の科目(カテゴリ)が対応付けられた時間割表を、ディスプレイ上に表示させる。ユーザは、このように表示された時間割表を参照し、時間割表に表示された複数の科目の中から1つの科目を指定する。この際に、コンピュータ装置2は、ユーザが指定した科目用のファイルを開く。当該ファイルは、ユーザが電子ペン1によってノート用紙4に記入した手書きストロークを、科目ごとに分類して記憶させるためのものであり、講義の科目の数だけ存在する。コンピュータ装置2は、上記のようにファイルを開いた際に、そのファイルの科目について記入された手書きストロークにおいて、ノート用紙4の所定のページ(例えば手書きストロークが記入された最終ページ)に記入された手書きストロークをディスプレイ上に表示させる。また、ユーザは、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークを記入する。この際に、コンピュータ装置2は、ユーザによって記入された手書きストロークをディスプレイ上に描画すると共に、上記のようにして開いたファイルに当該手書きストロークを記憶させる。
【0051】
[ドットパターン]
図2及び図3を参照して、ノート用紙4に形成されたアノト方式のドットパターンについて説明する。図2は、ノート用紙4に形成されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、ノート用紙4上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0052】
図3(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図3(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、ノート用紙4上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがノート用紙4上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(b)は、図3(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0053】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図4を用いて説明する。図4は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図4に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端はペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1のペン先部103をノート用紙4に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ここで、電子ペン1のペン先部103がノート用紙4に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料を含まないので、プロセッサ103によるドットパターンの読取りを阻害しない。
【0054】
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1によりノート用紙4に文字やマークを書いたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0055】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1によりノート用紙4に文字など書いたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をノート用紙4から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。
【0056】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、ノート用紙4上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がノート用紙4に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、ノート用紙4に文字や枠線などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図3(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0057】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)のノート用紙4上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図3(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図3(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算の際、その機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、ノート用紙4における6×6のドットパターンは、ノート用紙4内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がノート用紙4のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0058】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1によって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。
【0059】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置2について説明する。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。図5は、コンピュータ装置2の機能ブロック図である。コンピュータ装置2は、機能的には、入力手段21、通信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26を備える。
【0060】
入力手段21は、各種コマンドやデータを入力するためのマウスやキーボードなどから構成されている。なお、表示手段26がタッチパネル方式である場合には、表示手段26の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力手段21として機能する。通信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段24に伝送する。通信手段22は、本発明における「受信手段」の一例に相当する。表示手段26は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示する。
【0061】
記憶手段25は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶し、さらに、処理手段24の指示により、記憶領域を確保して、ペンダウンからペンアップまでの記入情報に含まれる座標属性情報をストローク情報としてペンID毎に記憶する。具体的には、記憶手段25は、複数の科目のそれぞれに対応するファイルごとに、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストロークを記憶する。また、記憶手段25は、処理手段24の指示により、プログラムの実行により生成される各種情報を記憶する。各種情報の一例として、記憶手段25は、複数のノート用紙4のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報を記憶している。また、記憶手段25は、各曜日及び各時限ごとに、実施される講義の科目が対応付けられた時間割表のデータを記憶している。
【0062】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置2の全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、判定手段241と、保存指示手段242と、表示制御手段243と、報知手段244と、取得手段245とを備える。
【0063】
処理手段24の取得手段245は、後述する表示制御手段243によって時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが指定した科目を取得する。具体的には、取得手段245は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザが入力手段21を用いて指定した科目を特定する。例えば、取得手段245は、ユーザがマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力したりすることで指定した科目を取得する。このように、取得手段245は、本発明における「カテゴリ取得手段」の一例に相当する。
【0064】
処理手段24の判定手段241は、ユーザが科目を指定した際に、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが記憶手段25に記憶されているか否かを判定する。また、判定手段241は、ユーザが電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークを記入した際に、ファイルを開いているか否かを判定する。ファイルを開いている場合には、判定手段241は、そのファイルが新規のファイルであるか否かを判定する。更に、判定手段241は、電子ペン1によって手書きストロークが記入されたノート用紙4が、新規のノート用紙4であるか否かを判定する。つまり、判定手段241は、電子ペン1によって記入されたノート用紙4が、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4であるか、それとも未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4であるかを判定する。この場合、判定手段241は、記憶手段25に記憶された座標定義情報(具体的には、複数のノート用紙4に割り当てられたドットパターンの座標範囲を示す座標定義情報)を参照することで、手書きストロークが記入されたノート用紙4を特定し、後述する保存指示手段242によって記憶されたファイルに、そのノート用紙4のデータが含まれているか否かに基づいて、このような判定を行う。加えて、判定手段241は、現在開いているファイルに対応する科目と、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目とが一致するか否かを判定する。
【0065】
処理手段24の保存指示手段242は、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストローク(具体的には通信手段22が受信した記入情報に対応する手書きストローク)を、取得手段245が取得した科目に対応付けたファイルにて記憶手段25に記憶させる。具体的には、保存指示手段242は、ノート用紙4に記入された手書きストロークを、当該ノート用紙4のページに対応付けて記憶手段25に記憶させる。この場合、保存指示手段242は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、当該ノート用紙4のページに、新たに記入された手書きストロークを上書きして記憶させる。詳しくは、保存指示手段242は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入された場合において、現在開いているファイルに対応する科目とノート用紙4に対応する科目とが異なると判定手段241によって判定された場合、若しくは現在開いているファイルが新規であると判定手段241によって判定された場合には、そのノート用紙4に対応する科目のファイルに手書きストロークを記憶させる。つまり、保存指示手段242は、現在開いているファイルの科目ではなく、ノート用紙4に対応する科目のファイルに、手書きストロークを記憶させる。
【0066】
他方で、保存指示手段242は、未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、現在開いているファイルに記憶されたページに連続する、当該ノート用紙4に対応する新たなページを作成して、手書きストロークを新たなページに対応付けて記憶手段25に記憶させる。なお、保存指示手段242は、ユーザによって指定された科目に対応するファイルが存在しないと判定手段241によって判定された場合には、当該科目に対応付けた新たなファイルを作成する。
【0067】
処理手段24の表示制御手段243は、各曜日及び各時限ごとに、実施される講義の科目が対応付けられた時間割表を、表示手段26に表示させる。そして、表示制御手段243は、時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが1つの科目を指定した際に、取得手段245が取得した科目に対応付けられたファイルを開き、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。この場合、表示制御手段243は、当該ファイルに記憶されたページの中の所定のページ(例えば最終ページ)を表示手段26に表示させる。また、表示制御手段243は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際に、当該手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、現在開いているファイルに記憶された、当該ノート用紙4に対応するページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる。詳しくは、表示制御手段243は、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入された場合において、現在開いているファイルに対応する科目とノート用紙4に対応する科目とが異なると判定手段241によって判定された場合、若しくは現在開いているファイルが新規であると判定手段241によって判定された場合には、そのノート用紙4に対応する科目のファイルを開いて、当該ノート用紙4に対応するページを表示させると共に当該ページに手書きストロークを描画させる。つまり、表示制御手段243は、現在開いているファイルの科目ではなく、ノート用紙4に対応する科目のページに、手書きストロークを描画させる。
【0068】
他方で、表示制御手段243は、未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4に手書きストロークが記入されたと判定手段241によって判定された場合には、現在開いているファイルに記憶されたページに連続する新たなページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる。
【0069】
処理手段24の報知手段244は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際において、ファイルを開いていないと判定手段241によって判定された場合(つまりユーザが科目を指定していない場合、言い換えると取得手段245が科目を取得していない場合)、科目が指定されていない旨をユーザに報知する。また、報知手段244は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目と、現在開いているファイルに対応する科目とが異なると判定手段241によって判定された場合、その旨をユーザに報知する。つまり、報知手段244は、時間割表で指定された科目と、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目とが異なる旨をユーザに報知する。
【0070】
[表示画面例]
以下では、図6乃至図10を参照して、上記した処理手段24の表示制御手段243によって表示される画面例を提示する。
【0071】
図6は、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される、時間割表の画面例を示している。図6に示すように、処理手段24の表示制御手段243は、各曜日及び各時限ごとに、実施される講義の科目が対応付けられた時間割表を、表示手段26に表示させる。時間割表には、講義の科目の名称を示す科目名(略称も含むものとする)が表示されている。
【0072】
例えば、上記のような時間割表は、ユーザが、各曜日及び各時限に応じた科目名を入力手段21(マウスやキーボード)によって入力する作業を行うことで設定される。この例では、コンピュータ装置2は時間割表設定用のアプリケーションを実行し、ユーザは当該アプリケーションを用いて時間割表を設定する。こうして設定された時間割表のデータは、記憶手段25に記憶される。
【0073】
図7は、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示している。図7(a)及び図7(b)は、両方とも、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。図7(a)は、図6と同様の、表示制御手段243によって表示される時間割表の画面例である。
【0074】
ここでは、図7(a)に示すように、時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが入力手段21によって「現社(現代社会)」の科目を指定した場合を例示する。例えば、ユーザは、マウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力したりすることで、このような科目の指定を行う。この場合、処理手段24の取得手段245は、ユーザによって指定された科目が「現社」であることを示す情報を取得する。そして、表示制御手段243は、取得手段245が取得した「現社」のファイルを開き、図7(b)に示すように、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、「現社」について手書きストロークが記入されたページにおいて、最終ページを表示手段26に表示させる。例えば、表示制御手段243は、このようなページをウィンドウによって表示させると共に、当該ウィンドウの上部に「現代社会ノート」といった科目に対応する文字を表示させる。なお、上記のように最終ページを表示させることに限定はされず、最初のページなどを表示させても良い。
【0075】
なお、処理手段24の表示制御手段243は、時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させることができる。例えば、コンピュータ装置2に内蔵された時計から取得される日時の情報や、各時限の講義が行われる時間帯に関する情報などに基づいて、表示制御手段243は、現在開催されている講義の科目を特定し、当該科目を強調表示させる。図7(a)に示す例では、木曜の4限に行われる「現社」が強調表示されている。具体的には、「現社」の文字が太字で示されると共に、「現社」が記載された枠内に色が付されることで強調表示されている。なお、このように太字や色によって強調表示を行うことに限定はされない。
【0076】
図8は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示している。図8(a)はノート用紙4の一例を示し、図8(b)はコンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。
【0077】
ここでは、既に手書きストロークが記入されたノート用紙4に手書きストロークが記入された場合、つまり既に記入された手書きストロークの続きに新たな手書きストロークが記入された場合を例示する。具体的には、図8(a)に示すように、破線領域B1に示す部分に新たな手書きストロークが記入された場合を例示する。この場合、表示制御手段243は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応するページが記憶されたファイルを開く。そして、表示制御手段243は、図8(b)に示すように、そのノート用紙4に対応するページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる(破線領域B2参照)。なお、前述したようにユーザが時間割表にて科目を指定することで、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応するページが既に表示されている場合には、表示制御手段243は、上記のようにファイルを開く処理をしなくとも、既にファイルが開いているため、既に表示されている当該ページに手書きストロークを描画させる。
【0078】
図9は、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された際に表示される他の画面例を示している。図9(a)はノート用紙4の一例を示し、図9(b)はコンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。
【0079】
ここでは、未だ手書きストロークが記入されていないノート用紙4に手書きストロークが記入された場合、つまり新規のノート用紙4に手書きストロークが記入された場合を例示する。具体的には、図9(a)に示すように、破線領域C1に示す部分に手書きストロークが記入された場合を例示する。この場合、表示制御手段243は、図9(b)に示すように、現在開いているファイルに記憶されたページに連続する新たなページ(具体的には白紙のページ)を表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる(破線領域C2参照)。
【0080】
図10は、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される、フォルダ及びファイルのアイコンの一例を示している。図10(a)は、上記したような科目ごとのファイルが格納されたフォルダのアイコン10を示している。例えば、フォルダは「講義ノート」といった名称が付けられ、フォルダのアイコン10はデスクトップに表示される。ユーザが入力手段21によってフォルダのアイコン10を選択した場合、例えばフォルダのアイコン10をマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力した場合、図10(b)に示すように、フォルダに格納された複数のファイルのアイコン11が表示される。つまり、フォルダが展開する。
【0081】
ここで、ユーザが入力手段21によってファイルのアイコン11を選択した場合、例えばファイルのアイコン11をマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力した場合、表示制御手段243は、選択されたファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、選択されたファイルに記憶されたページの中の所定のページ(例えば最終ページ)を表示手段26に表示させる。
【0082】
[処理フロー]
次に、図11及び図12を参照して、第1実施形態に係る処理フローについて説明する。
【0083】
最初に、図11を参照して、表示された時間割表において科目が指定された場合に行われる処理フローを説明する。
【0084】
まず、処理手段24の表示制御手段243は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータを読み出して、時間割表を表示手段26に表示させる(ステップS101)。そして、処理手段24の取得手段245は、表示制御手段243によって時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが指定した科目を取得する(ステップS102)。具体的には、取得手段245は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザが入力手段21を用いて指定した科目を特定する。例えば、取得手段245は、ユーザがマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力を検知したりすることで指定した科目を取得する。
【0085】
次に、処理手段24の判定手段241は、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在するか否かを判定する(ステップS103)。つまり、判定手段241は、当該科目に対応するファイルが記憶手段25に記憶されているか否かを判定する。取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在する場合(ステップS103;Yes)、表示制御手段243は、その科目に対応付けられたファイルを開き、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる(ステップS104)。具体的には、表示制御手段243は、当該ファイルに記憶されたページの中の最終ページを表示手段26に表示させる。
【0086】
一方、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在しない場合(ステップS103;No)、処理手段24の保存指示手段242は、その科目用のファイルを作成する(ステップS105)。そして、保存指示手段242は、作成したファイルのアイコンを生成すると共に、そのファイルをフォルダ(講義ノートフォルダ)内に記憶させる(ステップS106)。この後、表示制御手段243は、保存指示手段242によって作成されたファイルを開く(ステップS107)。具体的には、表示制御手段243は、白紙のページを表示手段26に表示させる。
【0087】
次に、図12を参照して、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された場合に行われる処理フローを説明する。図12に示す処理フローは、電子ペン1により記入情報が生成されるごとに繰り返し実行される。
【0088】
まず、ユーザが、電子ペン1でノート用紙4に記入すると、電子ペン1は、生成した記入情報をコンピュータ装置2へ送信する。コンピュータ装置2では、通信手段22が、電子ペン1から送信された記入情報を受信すると、処理手段24の保存指示手段242は、その記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS201)。
【0089】
次に、処理手段24の判定手段241は、手書きストロークが記憶されるファイルを現在開いているか否かを判定する(ステップS202)。言い換えると、判定手段241は、ユーザが科目を指定したか否か、つまり取得手段245が科目を取得したか否かを判定する。ファイルを開いていない場合(ステップS202;No)、処理手段24の報知手段244は、科目が指定されていない旨をユーザに報知する(ステップS209)。例えば、報知手段244は、科目が指定されていないことを示すメッセージや、科目を指定すべき旨を示すメッセージなどを、画像として表示手段26に表示させたり、音声としてスピーカから出力させたりする。若しくは、報知手段244は、アラーム音を出力させたりする。
【0090】
一方、ファイルを開いている場合(ステップS202;Yes)、判定手段241は、そのファイルが新規のファイルであるか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、判定手段241は、現在開いているファイルに、手書きストロークが未だ記憶されていないか否かを判定する。ファイルが新規でない場合(ステップS203;No)、判定手段241は、電子ペン1によって手書きストロークが記入されたノート用紙4が、新規のノート用紙4であるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、判定手段241は、記憶手段25に記憶されたファイルに、電子ペン1によって記入されたノート用紙4のデータが含まれるか否かに基づいて、このような判定を行う。
【0091】
電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4でない場合(ステップS204;No)、判定手段241は、そのノート用紙4に対応する科目と、現在開いているファイルに対応する科目とが一致するか否かを判定する(ステップS205)。ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致する場合(ステップS205;Yes)、表示制御手段243は、現在開いているファイルに記憶された、当該ノート用紙4に対応するページを表示させると共に、当該ページに手書きストロークを描画させる(ステップS206)。また、保存指示手段242は、そのノート用紙4に対応するページに対応付けて手書きストロークを記憶させる。
【0092】
これに対して、ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致しない場合(ステップS205;No)、報知手段244は、ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致しない旨をユーザに報知する(ステップS207)。つまり、報知手段244は、時間割表で指定された科目と、手書きストロークが記入されたノート用紙4の科目とが異なる旨をユーザに報知する。例えば、報知手段244は、ノート用紙4の科目とファイルの科目とが一致しないことを示すメッセージを、画像として表示手段26に表示させたり、音声としてスピーカから出力させたりする。若しくは、報知手段244は、アラーム音を出力させたりする。
【0093】
上記のような報知を行った後、表示制御手段243は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目のファイルを開いて、当該ノート用紙4に対応するページを表示させる(ステップS208)。そして、表示制御手段243は、表示させたページに手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。
【0094】
他方で、電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4である場合(ステップS204;Yes)、表示制御手段243は、新たなページ(白紙のページ)に手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。詳しくは、保存指示手段242は、現在開いているファイルに記憶されたページ(具体的には最終ページ)に連続する、新規のノート用紙4のためのページを作成し、作成したページをファイルに記憶させる。
【0095】
他方で、ファイルが新規である場合(ステップS203;Yes)、判定手段241は、電子ペン1によって手書きストロークが記入されたノート用紙4が、新規のノート用紙4であるか否かを判定する(ステップS210)。電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4である場合(ステップS210;Yes)、表示制御手段243は、新たなページ(白紙のページ)に手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。この場合には、現在開いているファイルにページが記憶されていないため、つまり新規のノート用紙4が最初のページに対応するため、保存指示手段242は、ファイルに記憶されたページに連続するページを作成せずに、最初のページを作成する。
【0096】
これに対して、電子ペン1によって記入されたノート用紙4が新規のノート用紙4でない場合(ステップS210;No)、表示制御手段243は、手書きストロークが記入されたノート用紙4に対応する科目のファイルを開いて、当該ノート用紙4に対応するページを表示させる(ステップS208)。そして、表示制御手段243は、表示させたページに手書きストロークを描画させると共に、保存指示手段242は、そのページに対応付けて手書きストロークを記憶させる(ステップS206)。
【0097】
[第1実施形態による作用効果]
以上説明した第1実施形態によれば、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストロークを、複数の科目ごとに分類して適切に記憶させることができる(つまり手書きストロークを電子化できる)と共に、そのような手書きストロークを各科目ごとに適切に表示させることができる。具体的には、電子ペン1によって記入された手書きストロークを、表示させた時間割表によって指定された科目に対応付けて記憶させることができると共に、表示させた時間割表によって指定された科目に応じて、手書きストロークを適切に表示させることができる。例えば、新規のノート用紙4に手書きストロークが記入された場合、その手書きストロークをどの科目に対応付けて記憶させるか問題となるが、本実施形態によれば、時間割表を表示させることで、新規のノート用紙4に記入された手書きストロークを、時間割表によって指定された科目に対応付けて適切に記憶させることができる。
【0098】
[第1実施形態の変形例]
上記では、曜日及び時限に複数の科目が対応付けられた時間割表を表示させる例を示したが、このような時間割表の代わりに、単に複数の科目を表示させることとしても良い。例えば、複数の科目名のみが配列されたような画面を表示させることができる。ユーザは、このような画面を参照することで、表示された複数の科目の中から1つの科目を指定し、コンピュータ装置2は、ユーザが指定した科目に基づいて、前述した処理と同様の処理を行うことができる。
また、上記実施形態において、処理手段24は、各科目のページごとにページ番号を付し、各ページにそのページ番号を表示させるようにしてもよい。また、処理手段24は、表示手段26に設けられたタッチパネルによる指の操作を検知して、ページめくり処理をするようにしてもよい。
【0099】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態は、時間割表を用いてユーザが指定を行った際に表示される画面が、第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態では、コンピュータ装置2は、時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、その科目を特定すると共に曜日及び時限を特定し、特定された科目、曜日及び時限に対応する講義で記入された手書きストロークを表示させる。また、第2実施形態では、コンピュータ装置2は、時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について、記入された手書きストロークを並べて表示させる。
【0100】
なお、以下では、第1実施形態と異なる構成について主に説明を行い、第1実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。つまり、特に説明しない構成要素や処理などについては、第1実施形態と同様であるものとする。
【0101】
[表示画面例]
図13及び図14を参照して、第2実施形態において表示される画面例を提示する。
【0102】
図13は、ユーザが時間割表の科目を指定した際に表示される画面例を示している。図13(a)及び図13(b)は、両方とも、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。図13(a)は、図7(a)と同様の、表示制御手段243によって表示される時間割表の画面例である。図13(a)に示す時間割表も、木曜の4限に行われる「現社」が強調表示されている。
【0103】
ここでは、図13(a)に示すように、時間割表に表示された複数の科目の中で、ユーザが入力手段21によって「現社(現代社会)」の科目を指定した場合を例示する。具体的には、ユーザが火曜の5限に行われる「現社」を指定したものとする。この場合、処理手段24の取得手段245は、ユーザによって指定された科目が「現社」であることを示す情報を取得すると共に、その「現社」が行われる曜日及び時限が水曜及び5限であることを示す情報を取得する。具体的には、取得手段245は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザによって指定された科目を特定すると共に、当該科目に対応する曜日及び時限を特定する。
【0104】
そして、表示制御手段243は、「現社」のファイルを開き、図13(b)に示すように、当該ファイルに記憶された手書きストロークを表示手段26に表示させる。具体的には、表示制御手段243は、ユーザによって指定された水曜の5限の「現社」に関し、今まで水曜の5限に行われた「現社」の講義の中で、最新の講義で記入された手書きストロークを表示させる。より詳しくは、表示制御手段243は、「現社」の最新の講義で手書きストロークが記入されたページにおいて、最初のページを表示手段26に表示させる。例えば、記入情報に含まれる時刻情報(タイムスタンプ)やコンピュータ装置2内のクロックに関する情報などに対応付けて手書きストロークを記憶しておけば、表示制御手段243は、そのような情報に基づいて、最新の講義で記入された手書きストロークを特定することができる。この場合、各時限の講義が行われる時間帯を考慮することが好ましい。なお、上記のように最初のページを表示させることに限定はされず、最終ページなどを表示させても良い。
【0105】
なお、時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目を、ユーザが連続して指定した場合、手書きストロークを過去に遡って表示させても良い。つまり、表示制御手段243は、曜日及び時限が同じ科目が指定されるごとに、その曜日及び時限に行われた講義を過去に遡っていき(先週の講義、先々週の講義、…)、その講義で記入された手書きストロークを表示させることができる。
【0106】
図14は、ユーザが時間割表の曜日を指定した際に表示される画面例を示している。図14(a)及び図14(b)は、両方とも、コンピュータ装置2の表示手段26に表示される画面例を示している。図14(a)は、図7(a)と同様の、表示制御手段243によって表示される時間割表の画面例である。図14(a)に示す時間割表も、木曜の4限に行われる「現社」が強調表示されている。
【0107】
ここでは、図14(a)に示すように、時間割表に表示された複数の曜日の中で、ユーザが入力手段21によって「金曜」を指定した場合を例示する。この場合、処理手段24の取得手段245は、ユーザによって指定された曜日が「金曜」であることを示す情報を取得する。そして、表示制御手段243は、「金曜」に行われる全ての科目についてのファイルを開き、図14(b)に示すように、それらのファイルに記憶された手書きストロークを並べて表示手段26に表示させる。つまり、表示制御手段243は、各科目の手書きストロークをポップアップ表示させる。具体的には、表示制御手段243は、「金曜」に行われる全ての科目について、手書きストロークが記入されたページの中の最終ページを表示手段26に表示させる。なお、上記のように最終ページを表示させることに限定はされず、最初のページなどを表示させても良い。
【0108】
ここで、図14(b)に示すように表示された複数の科目の中から、ユーザが入力手段21によって1つの科目を選択した場合、例えば表示された科目をマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力した場合、表示制御手段243は、その科目のページを全画面表示させる。
【0109】
[処理フロー]
次に、図15を参照して、第2実施形態に係る処理フローについて説明する。図15は、表示された時間割表において科目又は曜日が指定された場合に行われる処理フローを示している。なお、第1実施形態で示した処理フロー(図11参照)と同様の処理については、その説明を適宜省略する。
【0110】
まず、処理手段24の表示制御手段243は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータを読み出して、時間割表を表示手段26に表示させる(ステップS301)。そして、処理手段24の取得手段245は、表示された時間割表において、ユーザが指定した科目又は曜日を取得する(ステップS302)。例えば、取得手段245は、ユーザがマウスでクリックしたりタッチパネルでタッチ入力したりすることで指定した科目又は曜日を取得する。なお、取得手段245は、ユーザが科目を指定した場合には、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、その科目を特定すると共に、当該科目に対応する曜日及び時限を特定する。
【0111】
ユーザが科目を指定した場合(ステップS302;時間割表の科目)、処理手段24の判定手段241は、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在するか否かを判定する(ステップS303)。取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在する場合(ステップS303;Yes)、表示制御手段243は、ユーザによって指定された科目、曜日及び時限に対応する講義の中で、最新の講義で記入された手書きストロークを表示させる(ステップS304)。具体的には、表示制御手段243は、その最新の講義で手書きストロークが記入されたページにおいて、最初のページを表示手段26に表示させる。
【0112】
一方、取得手段245が取得した科目に対応するファイルが存在しない場合(ステップS303;No)、ステップS305〜S307の処理が行われる。ステップS305〜S307の処理は、それぞれ、上記したステップS105〜S107と同様であるため、その説明を省略する。
【0113】
他方で、ユーザが曜日を指定した場合(ステップS302;時間割表の曜日)、表示制御手段243は、ユーザによって指定された曜日に行われる全ての科目についてのファイルを開き、それらのファイルに記憶された手書きストロークを並べて表示手段26に表示させる(ステップS308)。具体的には、表示制御手段243は、全ての科目について、手書きストロークが記入されたページの中の最終ページを表示手段26に表示させる。この場合、表示制御手段243は、記憶手段25に記憶された時間割表のデータに基づいて、ユーザによって指定された曜日に行われる科目を特定する。
【0114】
なお、第2実施形態においても、電子ペン1によってノート用紙4に手書きストロークが記入された場合には、第1実施形態と同様の処理(図12参照)が行われる。
【0115】
[第2実施形態による作用効果]
以上説明した第2実施形態によれば、電子ペン1によって記入された手書きストロークを、科目だけでなく曜日や時限に対応付けて記憶し、曜日や時限に応じた手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0116】
<変形例>
上記では、科目名が表示された時間割表を示したが、このような科目名の代わりに、複数の科目のそれぞれを示す絵柄(例えばアイコンなど)が表示された時間割表を用いても良い。
【0117】
上記したような時間割表は、学年や学期が変わると新しいものとなる。つまり、ユーザは、学年や学期が変わると、新たな時間割表を作成することとなる。そのため、コンピュータ装置2は、学年や学期ごとに、時間割表に関するデータを記憶することが望ましい。また、コンピュータ装置2は、学年や学期ごとに、ノート用紙4に記入された手書きストロークのデータを記憶することが望ましい。例えば、コンピュータ装置2は、学年や学期ごとの講義ノートのフォルダを作成し、学年や学期に応じた講義ノートのフォルダに各科目のファイルを記憶させることができる。
【0118】
上記では、本発明における「複数のカテゴリ」の一例として講義の科目を示した。他の例では、このような科目の代わりに、「複数のカテゴリ」として仕事上でのプロジェクトなどを用いることができる。この例では、上記した時間割表の代わりに、複数のプロジェクトの名称が示された画面が表示される。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン1によってノート用紙4に記入された手書きストロークを、複数のプロジェクトごとに分類して記憶させると共に、そのような手書きストロークを各プロジェクトごとに表示させる。
【符号の説明】
【0119】
1…電子ペン
2…コンピュータ装置
4…ノート用紙
6…多穴ファイル
21…入力手段
22…通信手段
24…処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段と、
前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段と、
前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段とを備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、
前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させることを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項13】
前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、
前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ装置。
【請求項15】
前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、
前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項13又は14に記載のコンピュータ装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ装置。
【請求項17】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項18】
コンピュータ装置によって実行されるプログラムであって、
それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段、
前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段、
前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段、
前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、
前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させることを特徴とする請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項22】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項21又は22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項25】
前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させることを特徴とする請求項18乃至24のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項26】
前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させることを特徴とする請求項18乃至25のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項27】
前記コンピュータ装置を、
前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段として更に機能させることを特徴とする請求項18乃至26のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項28】
前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成することを特徴とする請求項18乃至27のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項29】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させることを特徴とする請求項18乃至28のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項30】
前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、
前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させることを特徴とする請求項18乃至29のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項31】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させることを特徴とする請求項30に記載のプログラム。
【請求項32】
前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、
前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項30又は31に記載のプログラム。
【請求項33】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させることを特徴とする請求項32に記載のプログラム。
【請求項34】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させることを特徴とする請求項30乃至33のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項1】
それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段と、
前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段と、
前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段とを備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、
前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させることを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項13】
前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、
前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ装置。
【請求項15】
前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、
前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項13又は14に記載のコンピュータ装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ装置。
【請求項17】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項18】
コンピュータ装置によって実行されるプログラムであって、
それぞれで異なるコード化パターンが形成され、複数のカテゴリに応じた内容を記入するための複数のノート用紙に、ユーザが電子ペンで記入した手書きストロークを受信する受信手段、
前記複数のカテゴリのそれぞれを示す名称又は絵柄を表示させる表示制御手段、
前記表示制御手段によって表示された前記複数のカテゴリの中で、ユーザが入力手段によって指定したカテゴリを取得するカテゴリ取得手段、
前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けたファイルに記憶させる保存指示手段として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリの中からユーザがカテゴリを指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応付けられた前記ファイルを開き、当該ファイルに記憶された前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記ノート用紙のページに対応付けて前記ファイルに記憶させ、
前記表示制御手段は、前記ファイルに記憶された前記ページの中の所定のページを表示させることを特徴とする請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記表示制御手段は、前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際に、前記ノート用紙に対応するページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項22】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶された、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に、当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記表示制御手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルを開いて、前記ノート用紙に対応するページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項21又は22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記表示制御手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、前記ノート用紙に対応する新たなページを表示させると共に当該ページに前記手書きストロークを描画させることを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項25】
前記保存指示手段は、既に手書きストロークが記入された前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合において、開いている前記ファイルに対応する前記カテゴリと前記ノート用紙に対応する前記カテゴリとが異なる場合、若しくは開いている前記ファイルが新規である場合、前記ノート用紙に対応する前記カテゴリのファイルに前記手書きストロークを記憶させることを特徴とする請求項18乃至24のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項26】
前記保存指示手段は、未だ手書きストロークが記入されていない前記ノート用紙に前記電子ペンによって手書きストロークが記入された場合、開いている前記ファイルに記憶されたページに連続する、前記ノート用紙に対応する新たなページを作成して、前記手書きストロークを前記新たなページに対応付けて前記ファイルに記憶させることを特徴とする請求項18乃至25のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項27】
前記コンピュータ装置を、
前記電子ペンによって前記ノート用紙に前記手書きストロークが記入された際において、前記ファイルが開いていない場合に、前記カテゴリの指定がなされていない旨を報知する報知手段として更に機能させることを特徴とする請求項18乃至26のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項28】
前記保存指示手段は、前記カテゴリ取得手段が取得した前記カテゴリに対応するファイルが記憶されていない場合、当該カテゴリに対応付けた新たなファイルを作成することを特徴とする請求項18乃至27のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項29】
前記表示制御手段は、前記複数のカテゴリに対応する複数のファイルが格納されるフォルダのアイコンを表示させると共に、前記フォルダのアイコンが選択された際に、前記複数のファイルのアイコンを表示させることを特徴とする請求項18乃至28のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項30】
前記複数のカテゴリは、複数の科目であり、
前記表示制御手段は、曜日及び時限に対して前記科目が対応付けられた時間割表を表示させることを特徴とする請求項18乃至29のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項31】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中で、現在開催されている講義の科目を強調表示させることを特徴とする請求項30に記載のプログラム。
【請求項32】
前記カテゴリ取得手段は、前記時間割表に表示された複数の科目の中からユーザが科目を指定した際に、当該科目を取得すると共に、当該科目に対応する前記曜日及び前記時限を取得し、
前記保存指示手段は、前記受信手段が受信した前記手書きストロークを、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けて記憶させ、
前記表示制御手段は、ユーザが前記科目を指定した際に、前記カテゴリ取得手段が取得した前記科目、前記曜日及び前記時限に対応付けられた前記手書きストロークを表示させることを特徴とする請求項30又は31に記載のプログラム。
【請求項33】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された曜日及び時限が同じ科目をユーザが連続して指定した場合に、前記曜日及び前記時限に記入された前記手書きストロークを過去に遡って表示させることを特徴とする請求項32に記載のプログラム。
【請求項34】
前記表示制御手段は、前記時間割表に表示された複数の曜日の中からユーザが曜日を指定した際に、当該曜日に行われる全ての科目について記入された前記手書きストロークを並べて表示させることを特徴とする請求項30乃至33のいずれか一項に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−3940(P2013−3940A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135998(P2011−135998)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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