説明

コンベア装置

【課題】無端チェーンの離間幅を小さくして省スペース化を図ることができるコンベア装置を提供すること。
【解決手段】主搬送経路に沿って配設された本体フレーム7と、本体フレーム7に沿って移動する左右一対の無端チェーン10と、長手方向が主搬送経路に対して直交するように無端チェーン10の間に設けられて搬送する物品を支持する物品支持体5と、を備えるコンベア装置であって、無端チェーン10は、複数の並設されたリンク部材12を連結ピンで連鎖して形成されるとともに、複数のリンク部材12の内、少なくとも一部のリンク部材12が無端チェーン10の回動の外周側に延出された延出部12aを有する長尺リンク部材12で構成され、物品支持体5の左右端部が、延出部12aに連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主搬送経路に沿って配設した無端チェーンに連結された物品支持体によって物品を搬送するコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スライドシュー式のコンベア設備(コンベア装置)があり、このようなコンベア設備では、主搬送経路に沿って配設した無端チェーンに、主搬送経路に対して直交する方向を長手方向とした複数の物品支持体がサイドブラケットを介して連結されており、この物品支持体上を物品が搬送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−273438号公報(第7頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のコンベア設備にあっては、物品支持体がサイドブラケットを介して無端チェーンに連結されているため、物品支持体の左右幅に対して左右の無端チェーンの離間幅が大きくなってしまい、コンベア装置の設置スペースを広く確保しなければならないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、無端チェーンの離間幅を小さくして省スペース化を図ることができるコンベア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のコンベア装置は、
主搬送経路に沿って配設された本体フレームと、該本体フレームに沿って移動する左右一対の無端チェーンと、長手方向が前記主搬送経路に対して直交するように前記無端チェーンの間に設けられて搬送する物品を支持する物品支持体と、を備えるコンベア装置であって、
前記無端チェーンは、複数の並設されたリンク部材を連結ピンで連鎖して形成されるとともに、前記複数のリンク部材の内、少なくとも一部のリンク部材が該無端チェーンの回動の外周側に延出された延出部を有する長尺リンク部材で構成され、前記物品支持体の左右端部が、前記延出部に連結されることを特徴としている。
この特徴によれば、左右の無端チェーンの離間幅と物品支持体の左右幅とをほぼ同じにすることができるため、従来のコンベア装置と比較して、物品支持体の左右幅に対して無端チェーンの離間幅を小さく構成することができ、コンベア装置の省スペース化を図ることができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載のコンベア装置は、請求項1に記載のコンベア装置であって、
前記左右一対の延出部の互いに対向する対向面には、突出部が形成され、該突出部が、前記物品支持体の左右端部に形成された筒状連結部に挿脱可能に嵌入されることを特徴としている。
この特徴によれば、無端チェーンを本体フレームから完全に外したり持ち上げたりする必要がなく、長尺リンク部材を傾けた状態にすれば、突出部を物品支持体に挿脱させることができるようになり、かつ物品支持体と長尺リンク部材の延出部との連結に螺合部材等を用いないため、無端チェーンと物品支持体との組み付け作業及び取り外し作業を素早く行うことができ、その作業効率を向上させることができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載のコンベア装置は、請求項2に記載のコンベア装置であって、
前記突出部は、前記長尺リンク部材の延出部に形成された挿設孔に挿設されたカシメピンで構成されることを特徴としている。
この特徴によれば、物品支持体の筒状連結部に対して突出部の挿脱を繰り返して突出部が摩耗しても、突出部であるカシメピンを交換するだけで、再び突出部を物品支持体の筒状連結部に対して挿脱させることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載のコンベア装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載のコンベア装置であって、
前記無端チェーンには、縦軸を介して遊転自在に設けられた第1被案内部材と、横軸を介して遊転自在に設けられた第2被案内部材と、が一体的に設けられ、該第1及び第2案内部材が前記本体フレームに沿って転動されることを特徴としている。
この特徴によれば、第1被案内部材により無端チェーンの横方向の撓みを防止できるとともに、第2被案内部材により無端チェーンの縦方向の撓みを防止でき、かつ第1及び第2案内部材が無端チェーンに一体的に設けられているため、無端チェーンの配置位置の精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係るコンベア装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0011】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、実施例におけるコンベア装置を示す斜視図であり、図2は、コンベア装置の基台脚部を示す平面図であり、図3は、コンベア装置を示す要部拡大平面図であり、図4は、コンベア装置を示す要部拡大側面図であり、図5は、コンベア装置を示す要部拡大正面図であり、図6(a)は、無端チェーンを示す平面図であり、図6(b)は、無端チェーンを示す側面図である。以下、図2〜4、図6の紙面右側をコンベア装置の正面側(前方側)とし、図5の紙面手前側をコンベア装置の正面側(前方側)として説明する。
【0012】
図1の符号1は、本発明の適用されたスライドシュー式のコンベア装置である。本実施例では、コンベア装置1が主搬送経路を構成しており、このコンベア装置1の側方には、分岐搬送経路を構成するローラコンベア装置2が設置されている。
【0013】
図1に示すように、コンベア装置1は、床面に設置される本実施例における本体フレームとしての基台脚部3を有しており、この基台脚部3には、搬送対象となる物品4を載置する本実施例における物品支持体としてのスラット5が設けられている。また、このスラット5に沿って横方向(左右方向)にスライド移動できる本実施例における物品横押体としてのスライドシュー6が設けられ、このスライドシュー6によって、スラット5上の物品4を横方向(左右方向)に横押してローラコンベア装置2上に移動させることができる。
【0014】
図1に示すコンベア装置1において、紙面左下側がコンベア装置1の正面側(前方側)及び搬送方向の下流側となっているとともに、紙面右上側がコンベア装置1の背面側(後方側)及び搬送方向の上流側となっており、物品4は、コンベア装置1の背面側から正面側に向かって搬送される。以下、図2〜4、図6の紙面右側を物品4の搬送方向の下流側とし、図5の紙面手前側を物品4の搬送方向の下流側として説明する。
【0015】
図2に示すように、基台脚部3には、左右一対のフレーム部材7(本体フレーム)が設けられており、このフレーム部材7の内側には、本実施例における案内路としてのガイドレール8が配設されている。このガイドレール8の上方側に複数のスラット5が搬送方向に並設される。スラット5は、長手方向が主搬送経路に対して直交する略板状部材で構成されている。
【0016】
複数枚のスラット5は、基台脚部3の前後端部にて下方に屈曲されて、互いに連結された無端状の回動体となっている。このスラット5は、フレーム部材7に沿って移動する左右一対の無端チェーン10に連結されて牽引されるようになっている。無端チェーン10もスラット5と同様に、基台脚部3の前後端部にて下方に屈曲されて、互いに連結された無端状の回動体となっている。無端チェーン10は、基台脚部3の前後端部に設けられて駆動モータ(図示略)に接続されたギア(図示略)によって回動駆動されるようになっている。
【0017】
図6(a)及び図6(b)に示すように、無端チェーン10は、前後方向に並設された複数のリンク部材11,12を連結ピン13で連鎖して形成されている。これら無端チェーン10を構成する複数のリンク部材11,12の内、少なくとも一部のリンク部材12が長尺リンク部材12として構成されているとともに、長尺リンク部材12以外は標準リンク部材11として構成されており、標準リンク部材11と長尺リンク部材12とが交互に連鎖されている。
【0018】
図6(b)に示すように、長尺リンク部材12には、無端チェーン10の回動の外周側に延出された延出部12aが形成されている。この延出部12aは矩形板状をなし、長尺リンク部材12の左右方向の中央部よりも外方側から延出されている(図5参照)。尚、1つの延出部12aには、前後方向に並設された2つの挿設孔14が形成されている。各挿設孔14には、本実施例における突出部としてのカシメピン15が挿設されている。
【0019】
無端チェーン10は左右一対をなすため(図2参照)、長尺リンク部材12の延出部12aも左右一対をなすように配置される。この延出部12aにおいて内側を向く面、すなわち左右一対の延出部12aの互いに対向する対向面から前述したカシメピン15が水平方向に突出されている(図5参照)。
【0020】
図5に示すように、スラット5の左右端部には、蓋体16が固着されており、この蓋体16は、側面視で略台形状をなしている(図6(b)参照)。蓋体16には、前後方向に並設された2つの筒状連結部17が形成されている。この筒状連結部17に、前述したカシメピン15が挿脱可能に嵌入されるようになっている。
【0021】
図5及び図6(a)に示すように、無端チェーン10のリンク部材11,12には、縦軸を介して遊転自在に設けられた本実施例における第1被案内部材としての第1ガイドローラ18と、横軸を介して遊転自在に設けられた本実施例における第2被案内部材としての第2ガイドローラ19と、が一体的に設けられ、これら第1及び第2ガイドローラ18,19がフレーム部材7に沿って転動されるようになっている。
【0022】
第1ガイドローラ18はフレーム部材7の内側面に当接されて、無端チェーン10の横方向の撓みを防止できるとともに、第2ガイドローラ19はフレーム部材7の上面側に設けられたガイド溝部20に当接されて、無端チェーン10の縦方向の撓みを防止できるようになっている。また、かつ第1及び第2ガイドローラ18,19が無端チェーン10に一体的に設けられているため、無端チェーン10のフレーム部材7に対する配置位置の精度を向上させることができる。
【0023】
スラット5を基台脚部3に設置する際には、先ず無端チェーン10を左右のフレーム部材7に取り付ける。そして、長尺リンク部材12の延出部12aの上端側が外方に向くように、無端チェーン10を傾けて、左右一対の延出部12a同士の離間幅を拡開させて、スラット5を両無端チェーン10の間に設置する。その後、延出部12aの挿設孔14に挿設されたカシメピン15を外方側からハンマー等で叩いてスラット5の蓋体16の筒状連結部17に嵌入させるようにする。
【0024】
このように、スラット5の蓋体16の筒状連結部17に対してカシメピン15の挿脱を繰り返してカシメピン15が摩耗しても、カシメピン15を交換するだけで、再びカシメピン15をスラット5の蓋体16の筒状連結部17に対して挿脱させることができる。
【0025】
次に、スラット5に取り付けられたスライドシュー6について詳述する。図3に示すように、スライドシュー6の左右側部には、物品4を横押しするために物品4に当接する当接面6aが設けられており、スライドシュー6は平面視で略台形状をなしている。
【0026】
図4及び図5に示すように、スライドシュー6の下部(裏面)側には、取付金具21が設けられており、この取付金具21を介してスライドシュー6がスラット5に取り付けられている。取付金具21は、スラット5を前後方向から覆うような形状となっている。取付金具21の下部側には、凸部21aが形成されており、この凸部21aはスラット5の下面(裏面)側に形成された係合溝5aに係合されるようになっている。そのためスライドシュー6は、スラット5の長手方向に沿って自在にスライド移動できるようになっている。
【0027】
スライドシュー6の取付金具21の下部には、本実施例における被案内部としてのガイドピン22と、このガイドピン22に軸支されたガイドローラ23(被案内部)が設けられている。ガイドローラ23は、基台脚部3に固定されたガイドレール8に遊嵌されて案内されるようになっている(図2参照)。スライドシュー6のガイドローラ23がガイドレール8に案内されることで、スライドシュー6のスラット5における相対位置(左右位置)が定められるようになっている。
【0028】
図1に示すように、コンベア装置1の側方にローラコンベア装置2が設置されたようなコンベア装置1の分岐部には、ガイドレール8の他に分岐ガイドレール9が設けられている(図2参照)。ガイドレール8はフレーム部材7に沿って基台脚部3の左右端縁に配設されており、分岐ガイドレール9は一方のガイドレール8から分岐されて他方のガイドレール8に接続されるように配設されている。
【0029】
物品4をコンベア装置1に沿って搬送する際には、スライドシュー6のガイドローラ23が左右端縁のガイドレール8に案内されるため、スライドシュー6はスラット5における左右いずれかの端部側に配置された状態となっている。物品4をコンベア装置1からその側方に分岐されたローラコンベア装置2に搬送する際には、ローラコンベア装置2が近接した位置で、スライドシュー6のガイドローラ23が分岐ガイドレール9に案内されるため、スライドシュー6が左右方向にスライド移動されて、このスライドシュー6により物品4が横押しされ、物品4がローラコンベア装置2上に移動される。
【0030】
図2に示すように、スライドシュー6のガイドローラ23の進行方向は、ガイドレール8と分岐ガイドレール9との分岐部に設けられた切換装置24によって切り換わるようになっている。
【0031】
図3に示すように、切換装置24は、スライドシュー6の進行方向をガイドレール8側または分岐ガイドレール9側のいずれか一方に振り分ける振分案内体25を有している。この振分案内体25には、左右方向の略中央部に振分溝部26が形成された合成樹脂製の振分部材27が設けられている。この振分部材27における振分溝部26の内面側が、スライドシュー6のガイドピン22を案内する左右一対の振分案内面26aとして形成されている。
【0032】
図3及び図4に示すように、振分案内体25は、この振分案内体25における搬送方向の上流側に縦軸としての揺動軸28が配置されている。この揺動軸28は、ベアリングを介して基台脚部3に固定されており、振分案内体25は、揺動軸28回りに左右方向に揺動自在になっている。
【0033】
振分案内体25の近傍には、本実施例における揺動手段としてのエアシリンダ29が設けられている。このエアシリンダ29は、搬送方向に直交する方向(左右方向)に移動する本実施例における移動部材としてのピストンロッド30を有している。このピストンロッド30を駆動するために、エアシリンダ29に対して圧縮空気の供給を行う電磁弁31が接続されている。尚、この電磁弁31は制御装置(図示略)により制御されている。
【0034】
また、振分案内体25は、この振分案内体25における搬送方向の下流側に縦軸としての連結軸32が配置されている。エアシリンダ29のピストンロッド30の先端部は、振分案内体25に配置された連結軸32を介して振分案内体25に連結されている。振分案内体25は、ピストンロッド30が左右方向に直線運動されることで、揺動軸28回りに左右方向に揺動されるようになっている。
【0035】
更に、振分案内面26aが形成された振分部材27と揺動軸28と連結軸32とは、振分案内体25が有する金属製の基板33上に一体的に配置されている。そのため振分案内面26aと揺動軸28と連結軸32とを有する振分案内体25の強度を向上させることができ、振分案内体25の破損や変形の虞がなくなる。
【0036】
切換装置24には、振分案内体25に近接して、ガイドレール8に沿う方向と分岐ガイドレール9に沿う方向とにスライドシュー6のガイドローラ23を案内するガイド補助板34が設けられている。スライドシュー6のガイドローラ23は、振分案内体25の上方位置をガイド補助板34に沿って移動するようになっている。振分案内体25の振分溝部26には、ガイドピン22のみが通過するようになっている。
【0037】
尚、振分案内体25は、振分溝部26をガイドレール8に沿うように配置する第1揺動位置と、振分溝部26を分岐ガイドレール9に沿うように配置する第2揺動位置と、の少なくとも2つの揺動位置に切り換わることができる。制御装置(図示略)は、スライドシュー6をガイドレール8に沿って進行させる際には、振分案内体25を第1揺動位置に切り換える制御を行うとともに、スライドシュー6を分岐ガイドレール9に沿って進行させる際には、振分案内体25を第2揺動位置に切り換える制御を行うようになっている。
【0038】
また、振分案内体25における振分案内面26a同士の搬送方向の上流側の開口部の左右幅は、振分案内体25が揺動されて、第1揺動位置または第2揺動位置のいずれの揺動位置にあっても、常にスライドシュー6のガイドピン22の左右幅よりも広くなるように形成されている。そのため振分案内体25が第1揺動位置(直進方向)や第2揺動位置(分岐方向)などのいずれの揺動位置(方向)に揺動された位置にあっても、スライドシュー6のガイドピン22が開口部から振分案内体25の振分溝部26内に進行できるようになる。
【0039】
更に、振分案内体25の搬送方向の上流側には、スライドシュー6のガイドピン22を検出する本実施例における検出手段としての検出センサ35が設けられている。この検出センサ35は、2つの光ファイバを有しており、これら2つの光ファイバの間を通過する被検出体(ガイドピン22)を検出する構成となっている。制御装置(図示略)は、検出センサ35がガイドピン22を検出し、このガイドピン22が振分案内体25内を通過中にエアシリンダ29を作動させるようになっている。
【0040】
具体的に説明すると、例えば、コンベア装置1に沿って搬送させる物品4を載置したスラット5群の後に、ローラコンベア装置2に分岐させて搬送させる物品4を載置したスラット5群があった場合には、先ず制御装置(図示略)は、振分案内体25を第1揺動位置に切り換えておき、コンベア装置1に沿って搬送させる物品4を載置したスラット5群のスライドシュー6のガイドピン22をガイドレール8に沿って進行させるようにしておく。
【0041】
そして、ローラコンベア装置2に分岐させる物品4を載置したスラット5群の内、先頭のスラット5のスライドシュー6のガイドピン22の通過が検出センサ35により検知されたときに、制御装置(図示略)は、振分案内体25を第2揺動位置に切り換えて、ローラコンベア装置2に分岐させる物品4を載置したスラット5群のスライドシュー6を分岐ガイドレール9に沿って進行させるようにする。
【0042】
このように、コンベア装置1に沿って搬送させる物品4を載置したスラット5群と、ローラコンベア装置2に分岐させる物品4を載置したスラット5群と、の間に振分案内体25の揺動位置が切り換わるための余裕を与えるためのスラット5群を配置する必要がなくなる。
【0043】
また、スライドシュー6のガイドピン22が振分案内体25内を通過中に振分案内体25を揺動させることで、物品4を振分案内体25に近づけた状態で振分案内体25を揺動させて、物品4を所定の進行方向に移動させることができるようになり、コンベア装置(主搬送経路)上で搬送されている物品4と物品4との間隔を狭めて、コンベア装置1の搬送能力を向上させることができる。更に、ガイドピン22が振分案内体25の振分案内面26aに衝突した際の衝突音を低減させることもできる。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施例としてのコンベア装置1によれば、無端チェーン10は、複数の並設されたリンク部材11,12を連結ピン13で連鎖して形成されるとともに、複数のリンク部材11,12の内、少なくとも一部のリンク部材12が無端チェーン10の回動の外周側に延出された延出部12aを有する長尺リンク部材12で構成され、スラット5の左右端部が、延出部12aに連結されることで、左右の無端チェーン10の離間幅とスラット5の左右幅とをほぼ同じにすることができるため、従来のコンベア装置と比較して、スラット5の左右幅に対して無端チェーン10の離間幅を小さく構成することができ、コンベア装置1の省スペース化を図ることができる。
【0045】
また、左右一対の延出部12aの互いに対向する対向面には、カシメピン15が設けられ、カシメピン15が、スラット5の左右端部に設けられた筒状連結部17に挿脱可能に嵌入されることで、無端チェーン10をフレーム部材7から完全に外したり持ち上げたりする必要がなく、長尺リンク部材12を傾けた状態にすれば、カシメピン15をスラット5に挿脱させることができるようになり、かつスラット5と長尺リンク部材12の延出部12aとの連結に螺合部材等を用いないため、無端チェーン10とスラット5との組み付け作業及び取り外し作業を素早く行うことができ、その作業効率を向上させることができる。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例におけるコンベア装置を示す斜視図である。
【図2】コンベア装置の基台脚部を示す平面図である。
【図3】コンベア装置を示す要部拡大平面図である。
【図4】コンベア装置を示す要部拡大側面図である。
【図5】コンベア装置を示す要部拡大正面図である。
【図6】(a)は、無端チェーンを示す平面図であり、(b)は、無端チェーンを示す側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 コンベア装置(主搬送経路)
2 ローラコンベア装置(分岐搬送経路)
3 基台脚部(本体フレーム)
4 物品
5 スラット(物品支持体)
6 スライドシュー(物品横押体)
7 フレーム部材(本体フレーム)
8 ガイドレール(案内路)
9 分岐ガイドレール(案内路)
10 無端チェーン
11 標準リンク部材
12 長尺リンク部材
12a 延出部
13 連結ピン
14 挿設孔
15 カシメピン(突出部)
17 筒状連結部
18 第1ガイドローラ(第1被案内部材)
19 第2ガイドローラ(第2被案内部材)
22 ガイドピン(被案内部)
23 ガイドローラ(被案内部)
24 切換装置
25 振分案内体
26 振分溝部
26a 振分案内面
28 揺動軸
29 エアシリンダ(揺動手段)
30 ピストンロッド(移動部材)
32 連結軸
33 基板
35 検出センサ(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主搬送経路に沿って配設された本体フレームと、該本体フレームに沿って移動する左右一対の無端チェーンと、長手方向が前記主搬送経路に対して直交するように前記無端チェーンの間に設けられて搬送する物品を支持する物品支持体と、を備えるコンベア装置であって、
前記無端チェーンは、複数の並設されたリンク部材を連結ピンで連鎖して形成されるとともに、前記複数のリンク部材の内、少なくとも一部のリンク部材が該無端チェーンの回動の外周側に延出された延出部を有する長尺リンク部材で構成され、前記物品支持体の左右端部が、前記延出部に連結されることを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記左右一対の延出部の互いに対向する対向面には、突出部が形成され、該突出部が、前記物品支持体の左右端部に形成された筒状連結部に挿脱可能に嵌入されることを特徴とする請求項1に記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記長尺リンク部材の延出部に形成された挿設孔に挿設されたカシメピンで構成されることを特徴とする請求項2に記載のコンベア装置。
【請求項4】
前記無端チェーンには、縦軸を介して遊転自在に設けられた第1被案内部材と、横軸を介して遊転自在に設けられた第2被案内部材と、が一体的に設けられ、該第1及び第2案内部材が前記本体フレームに沿って転動されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコンベア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−274782(P2009−274782A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125425(P2008−125425)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)