説明

コンベヤー

閉じたループを形成する巡回駆動可能な少なくとも一つの移送部品を備えた、ボトル又はそれと同等の容器(2)のためのコンベヤーにおいて、少なくとも一つの容器を吊り下げた形で保持するための少なくとも一つの容器収容部(6)が移送部品上に配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念にもとづくボトル又はそれと同等の容器のためのコンベヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような形式のコンベヤーは、周知である(特許文献1)。その周知のコンベヤーにおいて、チェーンから成る巡回駆動されているエンドレスな移送部品上には、各ボトルを真空によって吊り下げた形で保持するための複数の収容部が設けられている。
【特許文献1】欧州特許公開第0573352号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、容器を移送するだけでなく、移送中又はコンベヤーから成る移送区間において、有利には、制御した形で容器と容器収容部を動かすか、位置を固定するか、或いはその両方を行うことも可能なコンベヤーを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために、請求項1にもとづくコンベヤーを構成するものである。
【0005】
本発明によるコンベヤーは、空の容器並びに充填した容器にも適している。本発明の意味において、容器とは、特に、ボトル又はボトル状の容器であるが、特に、缶、ガラス容器、チューブ等のための、それ以外の容器又は金属、プラスチック及びボール紙の中の一つ以上から成るパッケージでもある。
【0006】
本発明の改善構成は、従属請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下において、実施例の図面にもとづき、本発明を詳しく説明する。
【0008】
図面において、符号1は、ボトル2を移送するとともに、移送中及び/又はコンベヤー1から成る移送区間において、制御した形でコンベヤー1上でボトル2を動かすか、位置を固定するか、或いはその両方をも行うためのコンベヤーである。
【0009】
図示されている実施構成では、コンベヤー1は、例えば、少なくとも一つの柔軟なコード、少なくとも一つの柔軟なベルト及び少なくとも一つのチェーンの中の一つ以上から成る、図示されている実施構成では、それぞれ垂直軸の周りを回転可能な形で軸支された二つの方向転換用ローラー又は歯車4により案内された、閉じたループを形成する移送部品3から構成されており、そのため、図示されている実施構成では、移送部品3は、水平又はほぼ水平な面内に配置された長円形のループを形成している。当然のことながら、移送部品3により形成されるループは、方向転換用歯車4の数及び/又は配置に対応して、それ以外の形状を持つことも可能である。
【0010】
方向転換用歯車4の中の少なくとも一つは、図示されていない駆動部と駆動される形で接続されており、そのためコンベヤー1を作動させた場合、移送部品3は、移送又は運搬方向Aに巡回する。移送部品3のための確実で、有利には少なくとも或る程度位置を固定する精度が正確な駆動部を実現するために、駆動される方向転換用歯車4による移送部品3の出来る限り滑らない形での駆動を保証する手段が、駆動される方向転換用歯車4と移送部品3に配備されている。最も簡単な場合、そのような手段は、駆動される方向転換用歯車4と移送部品3の間の摩擦式連結部によって構成することができる。更に、例えば、そのような移送部品により形成されるループの内側を歯付ベルトの形状に構成するか、或いは移送部品3に歯5を設けて、駆動される方向転換用歯車4上の対応する歯と協力して作用する形で、駆動される方向転換用歯車4上の受け具との係合手段を移送部品3上に配備する可能性も有る。
【0011】
移送部品3には、詳しくは、移送部品3のループの外側を形成する側面において、容器収容部6が、移送方向Aに対して互いにずらして配備されている。各容器収容部6は、ホルダー7を用いて、詳しく言うと、有利には、容易に取り替えることが可能な形で移送部品3と固定されている。更に、容器収容部6は、例えば、把持用ヘッドの形状に形成されており、そのため各ボトル2は、ボトル合流点2.1において、当該の容器収容部6に吊り下げられた形で保持される。
【0012】
ボトル2は、容器投入口を構成する移送ベルト8を介して直立した形で供給され、その容器投入口で、それぞれ順番に各容器収容部6によって把持されて、その容器収容部と共に、移送方向Aに向かって容器排出口を構成する移送ベルト9の方に動かされて行く。
【0013】
各容器収容部6は、それに付属するホルダー7上において、複数の軸の周り及び複数の軸に沿って動けるように、詳しくは、特に、図3と4に図示されている通り、有利には、互いに直角の方向を向いた水平な二つの揺動軸S1とS2の周りを制御された形で揺動運動するように配備されている。図3では、そのような意味において、各容器収容部6は、移送方向Aに対して直角の水平な軸S1の周りを揺動することが可能であり、詳しくは、容器収容部6の軸又はそれと同軸に配置されたボトル又は容器の軸BAに対して直角の方向を向いた開始位置から、揺動したボトル2の底2.2が移送方向Aに対して角度+αだけ先行するとともに、揺動したボトル2の底2.2が移送方向Aに対して角度−αだけ後退するように制御された形で揺動することが可能である。この揺動する角度は、90°以上とすることができる。
【0014】
更に、図4では、各容器収容部6は、移送方向Aに対して平行な揺動軸S2の周りを揺動することも可能であり、詳しくは、例えば、垂直な開始位置から、最大180°以上とすることが可能な角度βだけ制御された形で揺動することも可能である。
【0015】
更に、各容器収容部6は、矢印Bで表されている通り、その軸又は容器の軸BAの周りを回転することも可能であり、詳しくは、特に、容器収容部6は、例えば、開始姿勢又は開始位置から、軸BAの周りを各方向に対して所定の角度の大きさだけ制御された形で回転することが可能である。更に、各容器収容部6は、軸BAの周りを自転するように駆動することも可能であり、そのような自転運動は、容器収容部6が揺動している場合でも可能である。有利には、軸BAの周りの自転速度は、そのような自転運動のための(電気)モーター式駆動手段を用いて自由に選定することができる。
【0016】
更に、各容器収容部6は、有利には、前記の軸の中の少なくとも一つ、例えば、軸BAに沿って所定の行程だけ移動することも可能であり、詳しくは、例えば、図2の両方向矢印Cで表されている通り、ボトル2を移送ベルト8から受け取るか、或いは移送ベルト9に引き渡すために移動することも可能である。
【0017】
容器収容部6の様々な運動、特に、制御した形での揺動、回転及び往復運動のために、様々な駆動方式、例えば、モーター式駆動部、個々の容器収容部6上のアクチュエータ、及び容器収容部6の移送路上に配備された、容器収容部6上の制御・駆動部品又は伝導機構と協力して動作する、移送部品3と一緒に動かない駆動・制御部品の中の一つ以上が考えられる。
【0018】
容器収容部6は、様々な形で、例えば、既に前述した通りの把持用ヘッドの形状、さもなければ真空式ホルダー又は収容部等として形成することもできる。
【0019】
前述した通り、実施例にもとづき本発明を説明した。本発明がベースとする技術思想を逸脱すること無く、多くの変化形態及び修正形態が可能であることは明らかである。即ち、例えば、各ループを形成する少なくとも二つ以上の平行な個別部品、例えば、チェーン、ベルト、コード等から成る移送部品3を実現して、例えば、それらの個別部品の間で各容器収容部6を保持することが可能である。
【0020】
前述した通り、ボトル2のためのコンベヤー1にもとづき本発明を説明した。当然のことながら、コンベヤー1は、場合によっては、容器収容部6を相応に適合させることによって、それ以外の容器又は金属及び/又はボール紙から成るパッケージ、特に、缶、ガラス容器、チューブ等のためにも適したものとなる。
【0021】
更に、巡回駆動されるエンドレスな移送部品3のループの面を必ずしも水平な面とする必要はない、むしろ、その面を水平方向に対して傾斜させるか、移送部品を相応に構成することによって一回以上曲げるか、移送部品により形成されるループが区間毎に互いに傾斜した異なる面内を延びるようにするか、或いはこれらの中の一つ以上の構成とすることも可能である。
【0022】
更に、容器収容部6を移送部品3に対して相対的に軸BAの方向だけでなく、軸S1とS2の中の少なくとも一つの軸の方向に移動させる可能性も有る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ボトル形状の容器を移送するためのコンベヤーを非常に模式的に図示した平面図
【図2】図1のコンベヤーの一つの容器収容部を簡単に図示した図
【図3】移送部品に対して相対的な異なる位置にボトルを動かした場合のコンベヤーのベルト状移送部品の模式図
【図4】移送部品に対して相対的な異なる位置にボトルを動かした場合のコンベヤーのベルト状移送部品の模式図
【符号の説明】
【0024】
1 コンベヤー
2 ボトル
2.1 ボトル合流点
2.2 ボトルの底
3 移送部品
4 方向転換用歯車
5 歯
6 容器収容部
7 ホルダー又は収容部
8,9 移送ベルト
A 移送方向
B 回転運動
C 往復運動
BA 容器の軸
S1,S2 揺動軸
α,β 揺動角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル又はそれと同等の容器(2)のためのコンベヤーであって、閉じたループを形成する巡回駆動可能な少なくとも一つの移送部品(3)と、少なくとも一つのボトル(2)のための、移送部品(3)上の少なくとも一つの容器収容部(6)とを備えたコンベヤーにおいて、
少なくとも一つの容器収容部(6)が、少なくとも一つの軸(BA,S1,S2)の周り及び/又は軸に沿って動くように移送部品(3)上に配備されていることを特徴とするコンベヤー。
【請求項2】
少なくとも一つの容器収容部(6)が、少なくとも一つの容器(2)を吊り下げた形で保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤー。
【請求項3】
容器収容部(6)が、少なくとも一つの揺動軸(S1,S2)の周りを揺動することが可能である、有利には、移送部品(3)上において制御された形で揺動することが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベヤー。
【請求項4】
少なくとも一つの揺動軸(S1,S2)が、移送部品(3)の移送方向(A)又は移送方向(A)と直角の方向を向いていることを特徴とする請求項3に記載のコンベヤー。
【請求項5】
揺動した状態で容器収容部(6)に保持された容器(2)が、容器収容部(6)に保持された容器の部分(2.1)に対して容器収容部(6)から離れた所に有る容器の部分、例えば、容器の底(2.2)を移送部品(3)の移送方向(A)に向かって先行又は後退させるように、少なくとも一つの容器収容部(6)が揺動することが可能であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項6】
揺動した状態の容器(2)がひっくり返るように、即ち、容器収容部(6)に保持された容器の部分(2.1)を下にした状態で保持されるように、少なくとも一つの容器収容部(6)が揺動することが可能であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項7】
少なくとも一つの容器収容部(6)は、一つの軸、有利には、容器収容部(6)に保持された容器(2)の軸(BA)の周りを回転することが可能であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項8】
少なくとも一つの容器収容部(6)は、回転する角度を制御される形で軸(BA)の周りを回転することが可能であることを特徴とする請求項7に記載のコンベヤー。
【請求項9】
少なくとも一つの容器収容部(6)は、軸(BA)の周りを自転するように駆動することが可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載のコンベヤー。
【請求項10】
少なくとも一つの容器収容部(6)は、容器収容部(6)に保持された容器(2)の軸(BA)に沿って移送部品(3)に対して相対的に動かすことが可能であることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項11】
少なくとも一つの容器収容部(6)は、互いに直角に延びる少なくとも二つの軸(BA,S1,S2)に沿って移送部品(3)に対して相対的に動かすことが可能であることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項12】
当該の通り少なくとも一つの容器収容部を少なくとも一つの軸に沿って及び/又は少なくとも一つの軸の周りを動かすための駆動部品及び/又は制御部品を特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項13】
移送部品(3)により形成されるループの少なくとも一つの部分区間が、水平又はほぼ水平な面内に有ることを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項14】
移送部品(3)により形成されるループの少なくとも一つの部分区間が、水平方向に対して傾斜した面内に有ることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項15】
移送部品(3)上における移送方向(A)に対して互いにずれた多くの容器収容部(6)を特徴とする請求項1から14までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項16】
移送部品(3)が、少なくとも一つのコード、少なくとも一つのチェーン及び少なくとも一つのベルトの中の一つ以上から構成されていることを特徴とする請求項1から15までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項17】
当該の駆動手段及び/又は制御手段の少なくとも一部が、移送部品(3)及び/又は少なくとも一つの容器収容部(6)上に配備されていることを特徴とする請求項1から16までのいずれか一つに記載のコンベヤー。
【請求項18】
当該の駆動手段及び/又は制御手段の少なくとも一部が、少なくとも一つの容器収容部(6)の、容器収容部と一緒に動かない移送路、例えば、機械のフレーム上に配備されていることを特徴とする請求項1から17までのいずれか一つに記載のコンベヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−536908(P2009−536908A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510327(P2009−510327)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004178
【国際公開番号】WO2007/131713
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(598125028)カーハーエス・アクチエンゲゼルシヤフト (125)
【Fターム(参考)】