説明

コンポスト装置及びコンポスト評価管理方法

【課題】コンポストの表面における温度分布を測定することにより、コンポスト内部の状況を確認することができ、内部状況に応じて、通気手段、加温冷却手段、及び攪拌手段を制御手段が作動させ脱臭効果を向上させることができるコンポスト装置及びコンポスト評価管理方法。
【解決手段】コンポストを収納する収納部と、前記収納部の下側に位置し前記コンポストに通気を行う通気手段と、前記収納部の下側に位置し前記コンポストに加温又は冷却を行う加温冷却手段と、前記コンポストを攪拌する攪拌手段と、前記コンポストの表面における温度分布を測定する温度分布測定手段と、前記温度分布に基づいて前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするコンポスト装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポスト装置及びコンポスト評価管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、畜産経営において、家畜糞尿から発生する悪臭が環境問題として取り上げられている。悪臭は畜産現場のみならず、近隣住民にも影響を及ぼし苦情の発生しやすい問題であり、早急な対策が必要である。
【0003】
ここで微生物を用いる生物学的脱臭法が提案されている。生物学的脱臭法は、脱臭材料中の水分又は水溶液に臭気成分を溶解させる、又は脱臭材料への吸着等によりいったん臭気成分を捕集し、脱臭材料中又は水溶液中の微生物等の働きで無臭な成分へと変える方式である。アンモニアガスでは、好気性細菌である硝化菌の働きでNO、NOに変えられ、また嫌気条件下で脱窒菌の働きによりN化されて脱臭される。
【0004】
生物的脱臭法の例として、特許文献1においては、多様な成分を含む有機質物の分解処理を微生物による発酵処理だけにまかせるのではなく、酵素による分解処理と併用することで、短期間に効率よく、悪臭を防止・抑制しながら、有機質物をコンポストに製造する方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−221288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンポストは、管理方法によっては亀裂が起こり、悪臭成分が吸着されないまま排気される現象がおこりうる。このような現象を防ぐための、コンポストの攪拌・堆積等の管理状態を実際の施設規模で簡便に観測する方法は特許文献1においては示されていない。
【0007】
コンポスト化反応に影響を与える様々な要因は考えられるが、微生物に酸素を供給する目的で行われる通気が重要な要因の一つであると考えられる。発酵中のコンポストにおいて、酸素の供給が停止した状態が長時間続くと、嫌気性微生物が活動するが有機物の分解速度は低く、その結果、温度も上昇せず、硫化水素等の硫黄化合物や揮発性脂肪酸等の悪臭物質が多量に生成するようになる。また、通気を行っている場合でも堆積高さが高くなると発酵ムラが生じやすくなるため、適度な攪拌や切り返しによって通気性の改善を行い、資材へ均一に酸素を供給することが必要である。そのため、品質のよいコンポストを造る上では、通気性を確保することが求められる。しかし、発酵過程におけるコンポスト内部の通気状態を定量的に評価する手法は確立されていないという現状がある。
【0008】
コンポストを含む多孔質体の場合、表面温度に影響を与える伝熱形式の一つとして、多孔質体内部に存在する隙間を通過する気体が、直接内部の熱を運搬することによる熱の移動が挙げられる。つまり、コンポスト表面で観測される温度は、通気により運搬されたコンポスト内部の熱の影響を受けると考えることができる。
【0009】
本発明者らは、コンポスト表面の温度分布を測定することで、コンポスト内部の状態を評価する指標として、コンポスト内部を制御することを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、コンポストを収納する収納部と、前記収納部の下側に位置し前記コンポストに通気を行う通気手段と、前記収納部の下側に位置し前記コンポストに加温又は冷却を行う加温冷却手段と、前記コンポストを攪拌する攪拌手段と、前記コンポストの表面における温度分布を測定する温度分布測定手段と、前記温度分布に基づいて前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするコンポスト装置である。
【0011】
(1)のコンポスト装置によると、コンポストの表面における温度分布を測定することにより、コンポスト内部の通気性の状態を把握することができる。そのため、コンポスト内部の状況に応じて、制御手段が、通気手段、加温冷却手段、及び攪拌手段を作動させることで、脱臭効果を向上させることができる。また、コンポストの発酵状態を評価することも可能である。
【0012】
(2)本発明は、(1)に記載のコンポスト装置において、前記温度分布測定手段は赤外線サーモグラフィであることを特徴とするものである。
【0013】
(2)のコンポスト装置は、温度分布測定手段として赤外線サーモグラフィを用いることにより、広範囲のコンポスト表面の温度分布を短時間に正確に測定することができる。それにより、コンポストの内部状況がより短時間かつ正確にわかるために、制御手段が、通気手段、加温冷却手段、及び攪拌手段を作動させることで、脱臭効果をより向上させることができる。また、コンポストの発酵状態を評価することも可能である。
【0014】
(3)本発明は、(1)又は(2)に記載のコンポスト装置において、さらに、前記コンポストから発生する臭いを取り除く脱臭手段を有することを特徴とするものである。
【0015】
(3)のコンポスト装置は、脱臭装置を有するため、外部へ流出する臭気の量をさらに軽減することができる。それにより、近隣住民からの悪臭に対する苦情の発生を抑えることができる。
【0016】
(4)本発明は、(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のコンポスト装置において、さらに、前記コンポストから発生する臭いを検出する臭気検出手段と、前記臭気検出手段から得た臭気情報を報知するための臭気情報報知手段を有することを特徴とするものである。
【0017】
(4)のコンポスト装置は、臭気検出手段及び臭気情報報知手段を有することで、臭気検出手段が検出した臭気の状況を、臭気情報報知手段によって畜産現場の監督者だけでなく、近隣住民にも報知することができる。
【0018】
(5)本発明は、(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のコンポスト装置において、さらに、前記コンポストの表面の複数の地点でのアンモニアガスの濃度分布を測定するアンモニアガス濃度分布測定手段を備え、前記制御手段は、さらに前記濃度分布に基づいて、前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御することを特徴とするものである。
【0019】
(5)のコンポスト装置は、アンモニアガス濃度分布測定手段を備えることにより、脱臭効果の観測をすることができる。その観測結果を元に、コンポストの表面の温度分布とアンモニアガス濃度との関係を得ることができ、コンポスト内部状況をより正確に確認することができる。
【0020】
(6)本発明は、(5)に記載のコンポスト装置において、前記アンモニアガス濃度分布測定手段は、さらに、前記コンポストの表面に設置されアンモニアガスを捕集するために下側が開口になっている凹部を有する複数の容器と、前記凹部の中に溜まった前記アンモニアガスを採取する複数のガス検知管と、採取したアンモニアガスの濃度を測定する複数の濃度測定装置とを備えることを特徴とするものである。
【0021】
(6)のコンポスト装置は、アンモニアガス濃度分布測定手段において上記構成を取ることにより、アンモニアガスの濃度をより正確に測定することができ、信頼度の高いコンポストの表面の温度分布とアンモニアガス濃度との関係を得ることができる。
【0022】
(7)本発明は、(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のコンポスト装置において、さらに、前記コンポストの表面の複数の地点での風速を測定する風速測定手段を備え、前記制御手段は、さらに、前記風速測定手段に基づいて、前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御することを特徴とするものである。
【0023】
(7)のコンポスト装置は、風速測定手段を備えることにより、堆積したコンポスト内部の通気状態を確認することができる。この結果を元に、コンポストの表面の温度分布と風速との関係を得ることができ、コンポスト内部状況をより正確に確認することができる。
【0024】
(8)本発明は、(7)に記載のコンポスト装置において、前記風速測定手段は、さらに、前記コンポストの表面に設置され風速を測定するための上口及び該上口とつながっている下口を有する複数の筒容器と、前記筒容器を通る風の速度を測定する複数の風速計とを備えていることを特徴とするものである。
【0025】
(8)のコンポスト装置は、風速測定手段において上記構成を取ることにより、風速をより正確に測定することができ、信頼度の高いコンポストの表面の温度分布と風速との関係を得ることができる。
【0026】
(9)本発明は、(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法において、前記コンポストの表面の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、前記温度分布を画像データとして処理する画像データ化ステップと、前記画像データを複数の区画に分割する分割ステップと、前記複数の区画に分割された画像データを複数の数値データに変換する数値データ化ステップと、前記複数の数値データから得られる統計量を算出する統計量算出ステップとを有することを特徴とするものである。
【0027】
(9)のコンポスト評価管理方法は、上記ステップを経ることにより、コンポスト表面における温度分布の画像データを数値データにし、その数値データから得られる変動係数や画像テクスチャーの情報エントロピー等の統計量を算出することで、定量的な評価軸を得ることができる。そのため、コンポスト内部の状況を定量的に認識することができ、この数値データ及び各種統計量に基づいて、通気手段、加温冷却手段、及び攪拌手段を制御手段が作動させることで、脱臭効果をより向上させることができる。また、コンポストの発酵状態を評価することも可能である。
【0028】
(10)本発明は、(9)に記載のコンポスト評価管理方法において、前記温度分布測定ステップは、さらに、前記コンポストの表面からの複数の所定の深さにおける温度分布を測定することを含むことを特徴とするものである。
【0029】
(10)のコンポスト評価管理方法は、上記ステップを経ることにより、コンポストの3次元温度分布を把握することができる。特に、発酵槽においてコンポストを別の層に移動する際に、コンポスト表面における温度分布を測定することで、コンポスト内部の発酵状態を3次元的に把握することができ、的確に評価管理することができる。
【0030】
(11)本発明は、(6)に記載のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法において、前記コンポストの表面の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、前記温度分布を画像データとして処理する画像データ化ステップと、前記画像データを複数の区画に分割する分割ステップと、前記複数の区画に分割された画像データを複数の数値データに変換する数値データ化ステップと、前記複数の数値データから得られる統計量を算出する統計量算出ステップと、前記コンポストの表面に前記複数の容器を設置する容器設置ステップと、前記容器設置ステップ後に、前記容器の内部に溜まったアンモニアガスをガス検知管に採取するアンモニアガス採取ステップと、採取したアンモニアガスの濃度を測定する濃度測定ステップとを有することを特徴とするものである。
【0031】
(11)のコンポスト評価管理方法は、上記ステップを経ることにより、コンポスト表面における脱臭効果の観測をすることができる。その観測結果を元に、コンポストの表面の温度分布とアンモニアガス濃度との関係を得ることができ、コンポスト表面の温度分布から、コンポスト内部状況をより正確に確認することができる。
【0032】
(12)本発明は、(8)に記載のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法において、前記コンポストの表面の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、前記温度分布を画像データとして処理する画像データ化ステップと、前記画像データを複数の区画に分割する分割ステップと、前記複数の区画に分割された画像データを複数の数値データに変換する数値データ化ステップと、前記複数の数値データから得られる統計量を算出する統計量算出ステップと、前記コンポストの表面に前記複数の筒容器を設置する容器設置ステップと、前記筒容器を通る風の速度を風速計により測定する風速測定ステップとを有することを特徴とするものである。
【0033】
(12)のコンポスト評価管理方法は、上記ステップを経ることにより、堆積したコンポスト内部の通気状態を確認することができる。この結果を元に、コンポストの表面の温度分布と風速との関係を得ることができ、コンポスト表面の温度分布から、コンポスト内部状況をより正確に確認することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、コンポストの表面における温度分布を測定することにより、コンポスト内部の通気性を確認することができる。そのため、コンポストの内部の状況に応じて、通気手段、加温冷却手段、及び攪拌手段を制御手段が作動することができる。そのため、臭気を効果的に抑えることができ、脱臭効果を向上させることができる。また、コンポストの発酵状態を評価することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について図を用いながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0036】
[コンポスト装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るコンポスト装置の全体構成を示す概略図である。コンポスト装置1は、処理槽10、通気手段12、加温冷却手段13、攪拌手段14、温度分布測定手段15、及び制御手段20を含む。処理槽10は、発酵槽もしくは脱臭槽のいずれでもよく、コンポスト3を収納する収納部11を有する。
【0037】
通気手段12は、収納部11の下側に位置しコンポスト3に通気を行う。通気手段12は、収納部の下側に張り巡らされた通気パイプ12a、74上に設けられた通気穴12b、76により通気がなされる。加温冷却手段13は、収納部11の下側に位置しコンポスト3に加温又は冷却を行う。攪拌手段14は、コンポスト3を攪拌する。通気手段12、加温冷却手段13及び攪拌手段14により、コンポストの中の微生物の働きを調節し、臭気成分を無臭成分に変えている。
【0038】
温度分布測定手段15は、コンポスト表面における温度分布を測定する。さらに、温度分布測定手段15は、赤外線サーモグラフィであることが好ましい。コンポスト表面における温度分布と、コンポスト内部の状態との関係、及び赤外線サーモグラフィについては、後述する。制御手段20は、温度分布測定手段15より得られた温度分布に基づいて通気手段12、加温冷却手段13、及び攪拌手段14の動きを制御する。
【0039】
図2は、本発明の実施形態に係るコンポスト装置の制御方式を示したフロー図である。温度分布測定手段15により得られた温度分布データは、制御手段20へ届けられる。制御手段は、制御出力部21、記憶部22及び表示部23等からなっている。温度分布データは、記憶部22に保存される。さらに、温度分布データは、記憶部22から制御出力部21へ届く。制御出力部21は、通気制御を行い、通気手段12を動かす。また、制御出力部21は、加温冷却制御を行い、加温冷却手段13を動かす。さらに、制御出力部21は、攪拌制御を行い、攪拌手段14を動かす。
【0040】
[温度分布測定手段の観測原理]
次に、温度分布測定手段の観測原理について説明する。図27は、(a)連続体及び(b)多孔質体における伝熱の概念図である。図27(a)は、金属のような連続体の場合における伝熱の概念図である。金属のような連続体の場合、表面温度に影響を与える伝熱形式として、主に物体内部からの熱伝導、温度境界層における対流熱伝達、物体表面からの熱放射を挙げることができる。表面温度をT、熱伝導をA、対流熱伝達をB、熱放射をCとすると、表面温度Tは、T=F(A,B,C)で表すことができる。
【0041】
一方、図27(b)は、コンポストを含む多孔質体の場合における伝熱の概念図である。コンポストを含む多孔質体の場合、連続体における伝熱形式に加え、多孔質体内部に存在する隙間を通過する気体が、直接内部の熱を運搬することによる伝熱形式を挙げることができる。表面温度をT、熱伝導をA、対流熱伝達をB、熱放射をC、気体による熱運搬効果をDとすると、表面温度Tは、T=F(A,B,C,D)で表すことができる。
【0042】
つまり、コンポスト表面で観測される温度は、連続体の場合と異なり、通気により運搬されたコンポスト内部の熱の影響を受けると考えることができる。このため、コンポスト内部の通気状態を評価する指標として、コンポスト表面で測定された温度分布の利用が可能であると考えられる。
【0043】
本発明において、温度分布測定手段は、赤外線サーモグラフィを用いることができる。赤外線サーモグラフィとは、物体表面から放射される赤外線エネルギー分布を赤外線センサにより計測し、これを温度分布に換算・画像化して表示する装置のことをいう。材料・構造物の表面に現れた欠陥・損傷の存在に起因する温度変化を、赤外線サーモグラフィで検出することにより欠陥を評価する非破壊試験法を赤外線サーモグラフィ法と呼び、非破壊・非接触で遠隔からの検査が可能な手法であり、短時間に広範囲を高効率に検査できる点で注目されている。近年、赤外線サーモグラフィの性能が急速に向上し、高分解能・高性能かつ高速での温度計測が可能となったことや、低価格化・小型化も進んだことから、科学技術の様々な分野での温度計測に応用されている。
【0044】
検出した赤外線エネルギーを温度分布に変換する原理は、プランクの法則とステファン・ボルツマンの法則に基づいている。
プランクの法則とは、黒体の単色放射能の強さを波長の関数として表した法則のことで、下記の数式で表される。
【0045】
【数1】

【0046】
プランクの法則を全波長領域で積分することで、黒体表面から単位面積、単位時間当たりに放射される放射エネルギー量はその黒体の絶対温度の4乗に比例するというステファン・ボルツマンの法則を得ることができる。ステファン・ボルツマンの法則を以下に示す。
【0047】
【数2】

【0048】
この赤外線放射エネルギーと物体の表面温度は相関関係にあるという原理を用いて、赤外線サーモグラフィは、検出した赤外線エネルギーを温度に変換している。
【0049】
[温度分布測定手段の観測方法]
温度分布測定手段15は、温度分布の測定をするに当たって、測定対象となるコンポストの収納部が広範にわたる場合、一つの対象区を1度に測定することが難しい場合がある。その際、温度分布測定手段15は、一つの対象区の温度を複数の狭範のブロックに分けて撮影し、ブロックごとに測定することも可能である。制御出力部15は、分けて撮影したブロックごとの画像を繋ぎ合わせ、1枚の温度分布画像として解析をする。
【0050】
ただし、赤外線サーモグラフィにより撮影された画像は、表示されている温度レンジが画像ごとに異なるため、同じ色で表示されている部分が同じ温度であるとは言えない。したがって、以下のように赤外線サーモグラフィ画像を変換して1枚の画像とした。
【0051】
まず、制御出力部21は、赤外線サーモグラフィにより撮影した画像を付属のソフトウェアによりパソコンに画像の温度データとして記憶部22に取り込む。次に、制御出力部21は、この画像の温度データをテキストデータに変換する。次に、制御出力部21は、このテキストデータをモノクロ256色のビットマップ画像に変換する。次に、制御出力部21は、このビットマップ画像を1枚に繋ぎ合わせ、1枚のビットマップ画像として保存する。次に、制御出力部21は、そのビットマップ画像をテキストデータに変換する。次に、制御出力部21は、このテキストデータをカラーのビットマップ画像に変換する。また、制御出力部21は、このテキストデータは一つの対象区における温度データとして各種統計量を計算することもできる。
【0052】
[脱臭手段、臭気検出手段、臭気情報報知手段]
本発明のコンポスト装置において、コンポストから発生する臭いを取り除く脱臭手段を有していても構わない。脱臭手段は従来のものを設置することができ、特に限定はされない。
【0053】
また、本発明のコンポスト装置は、コンポストから発生する臭いを検出する臭気検出手段と、臭気検出手段から得た臭気情報を報知するための臭気情報報知手段とを有していても構わない。臭気検出手段は、前記脱臭手段と一体となったものでもよい。臭気情報報知手段は、臭気検出手段が検出したコンポストから発生する臭気の状況を、畜産現場の監督者や、近隣の住民に報知することができる手段であれば特に限定されない。臭気情報報知手段は、例えば、コンピュータネットワークを使って逐次臭気検出手段からの情報を閲覧できる報知手段が挙げられる。
【0054】
[アンモニアガス濃度測定方法]
図3は、本発明の別の実施形態に係るコンポスト装置の制御方式を示したフロー図である。コンポスト装置1は、温度分布測定手段15と共に、アンモニアガス濃度分布測定手段30を有する。コンポスト装置1は、アンモニアガス濃度分布により、通気手段12、加温冷却手段13、及び攪拌手段14を制御手段20により制御してもよい。
【0055】
アンモニアガス濃度測定ポイントは、複数設置することができる。図4は、本発明のコンポストの表面に設置されアンモニアガスを捕集するための容器の斜視図である。容器32は、下側が開口になっている凹部32aを有する。容器32の材質は、特に限定されないが、例えばポリプロピレンを挙げることができる。容器32の大きさは、特に限定されない。好ましくは、X=25cm〜40cm、Y=10cm〜20cm、Z=8cm〜15cmのものを例示できる。また、容器32は、上面部分にガス検知管を差し込むことができるようなゴム栓32bが装着されている。ゴム栓32bの大きさは、特に限定されないが、好ましくは、直径2cm〜5cmのものを例示できる。
【0056】
図5は、本発明のアンモニアガス濃度分布測定手段の概念図である。図5において、容器32は、一つしか設置されていないが、実際には複数同じものが存在する。容器32は、コンポスト3の表面に設置される。ガス検知管33は、ゴム栓32bに差し込まれ、容器32の内部とつながっている。また、ガス検知管33は、濃度測定装置34と連結されている。さらに、濃度測定装置34は、制御手段20とさらに連結されている。なお、濃度測定装置34は、制御手段20と一体となったものでも構わない。コンポスト表面3aから発生したアンモニアガスは、容器内部に溜まる。容器内部に溜まったアンモニアガスは、ガス検知管33を介して、濃度測定装置34へ流れる。濃度測定装置34では、濃度が測定され、その濃度情報が制御手段20へ提供される。
【0057】
[風速測定方法]
図6は、本発明の別の実施形態に係るコンポスト装置の制御方式を示したフロー図である。図6に示すように、コンポスト装置1は、さらに風速測定手段40を有し、風速の状況により、通気手段12、加温冷却手段13、及び攪拌手段14を制御手段20により制御してもよい。
【0058】
風速測定ポイントは複数設置することができる。図7は、本発明のコンポストの表面に設置され風速を測定するための筒容器の斜視図である。筒容器42は、上口42b及び上口42bとつながっている下口42aを有する筒形状をしている。筒容器42の大きさは、特に限定されないが、例えば底面の直径が8cm〜15cmで、高さが8cm〜15cmのものが好ましい。また、筒容器42は、側面部分に風速計を差し込むことができるように差込口42cを有している。差込口の位置は特に限定されないが、例えば筒容器42の高さの1/2〜2/3の位置にあることが好ましい。
【0059】
また、図8は、本発明のコンポストの表面に設置され風速を測定するための別の筒容器の斜視図である。筒容器43は、上口43b及び上口43bとつながっている下口43aを有する筒形状をしており、上口43bは下口43aよりも断面積が狭くなっている。筒容器43は、コンポストの表面からの排気を収束させるような形状になっている。筒容器43の大きさは、特に限定されないが、例えば下口43aの断面積が70cm〜100cmで、上口43bの断面積が10cm〜20cmで、筒容器43の全体の高さが8cm〜15cmのものが好ましい。風速計は、上口43bの上部に設置される。
【0060】
図9は、本発明の図7の筒容器を用いた場合の風速測定手段の概念図である。図9において、筒容器42は一つしか設置されていないが、実際には複数同じものが存在する。筒容器42の下口42aは、コンポスト3の表面に設置される。風速計45は、差込口42cに差し込まれ、筒容器42の内部の風速を測定することができる。また、風速計45は、制御手段20と連結されている。コンポスト表面3aから排気された風は筒容器42の内部を通る。その風の風速を風速計45で測定し、その情報が制御手段20へ提供される。
【0061】
図10は、本発明の図8の筒容器を用いた場合の風速測定手段の概念図である。図10において、筒容器43は、一つしか設置されていないが、複数同じものが設置されている。筒容器43の下口43aは、コンポスト表面3に設置される。風速計45は、上口43bに設置される。さらに、風速計45は、制御手段20と連結されている。コンポスト表面3aから発生する通気風は、上へ行くに従って収束されつつ、筒容器43の上口43bへ届けられる。風速計45は、上口43bまで届けられた通気風の風速を測定する。その風速の情報は、制御手段20へ提供される。
【0062】
[制御手段のハードウェア構成図]
図11は、本実施形態に係る制御手段20のハードウェア構成を示す図である。本発明が実施される装置は標準的なものでよく、以下に構成の一例を示す。なお、制御手段20を、コンピュータを典型とする情報処理装置200として全般的な構成を説明する。
【0063】
情報処理装置200は、制御部210を構成するCPU(Central Processing Unit)211(マルチプロセッサ構成ではCPU212等複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン280、通信I/F(I/F:インターフェイス)250、メインメモリ260、BIOS(Basic Input Output System)270、表示装置230、I/Oコントローラ240、温度分布測定手段15、アンモニアガス濃度分布測定手段30、及び風速測定手段40の入力手段、ハード・ディスク221、光ディスク・ドライブ222、並びに半導体メモリ224を備える。なお、ハード・ディスク221、光ディスク・ドライブ222、並びに半導体メモリ224はまとめて記憶装置220と呼ぶ。
【0064】
制御部210は、情報処理装置200を統括的に制御する部分であり、ハード・ディスク221(後述)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0065】
通信I/F250は、情報処理装置200が、ネットワークを介してメールサーバと情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F250は、モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0066】
BIOS270は、情報処理装置200の起動時にCPU211が実行するブートプログラムや、情報処理装置200のハードウェアに依存するプログラム等を記録する。
【0067】
表示装置230は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0068】
I/Oコントローラ240には、ハード・ディスク221、光ディスク・ドライブ222、及び半導体メモリ224等の記憶装置220を接続することができる。
【0069】
温度分布測定手段15、アンモニアガス濃度分布測定手段30、及び風速測定手段40は、情報処理装置200のユーザによる入力の受け付けを行うものである。
【0070】
ハード・ディスク221は、本ハードウェアを情報処理装置200として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラム及び後述するテーブル及びレコードを記憶する。なお、情報処理装置200は、外部に別途設けたハード・ディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0071】
光ディスク・ドライブ222としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク223を使用する。光ディスク223から光ディスク・ドライブ222によりプログラム又はデータを読み取り、I/Oコントローラ240を介してメインメモリ260又はハード・ディスク221に提供することもできる。
【0072】
[コンポスト評価管理方法]
次に、コンポスト評価管理方法について説明する。図12は本発明の一実施形態に係るコンポスト評価管理方法を示すフロー図である。本発明のコンポスト評価管理方法は、本発明のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法であり、温度分布測定ステップ101、画像データ化ステップ102、分割ステップ103、数値データ化ステップ104、及び統計量算出ステップ105からなる。
【0073】
温度分布測定ステップ101では、温度分布測定手段15は、コンポストの表面の温度分布を測定する。ステップ101の測定方法は、前述の通り本発明のコンポスト装置における温度分布測定手段により測定する。
【0074】
次のステップである画像データ化ステップ102では、温度分布測定手段15は、ステップ101で得た温度分布を画像データとして処理をする。制御出力部21は、ステップ101で得た画像データをグレースケール画像に変換する。
【0075】
なお、制御出力部21は、画像データとして処理の対象となる区が広範にわたる場合、一つの対象区を1度に測定することが難しい場合がある。その際、制御出力部21は、一つの対象区の温度を複数の狭範のブロックに分割して、ブロックごとに測定することも可能である。制御出力部21は、解析においては、分割したブロックごとの画像を繋ぎ合わせることによって、1枚の温度分布画像として使用することができる。
【0076】
ただし、赤外線サーモグラフィにより撮影された画像は、表示されている温度レンジが画像ごとに異なるため、同じ色で表示されている部分が同じ温度であるとは言えない。したがって、制御出力部21は、以下の手順を踏み赤外線サーモグラフィ画像を変換して1枚の画像とすることができる。
【0077】
まず、温度分布測定手段15は、赤外線サーモグラフィにより撮影した画像を付属のソフトウェアによりパソコンに画像の温度データとして記憶部22に取り込む。次に、制御出力部21は、記憶部22に取り込まれた画像の温度データをテキストデータに変換する。次に、制御出力部21は、このテキストデータをモノクロ256色のビットマップ画像に変換する。次に、制御出力部21は、このビットマップ画像を1枚に繋ぎ合わせ、1枚のビットマップ画像を保存する。次に、制御出力部21は、そのビットマップ画像をテキストデータに変換する。次に、制御出力部21は、このテキストデータをカラーのビットマップ画像に変換し、1枚の画像とする。
【0078】
次のステップである分割ステップ103では、制御出力部21は、ステップ102で得た画像データを複数の区画に分割する。制御出力部21は、画像データを1画素単位の正方形の区画に分割する。制御出力部21は、その一辺のサイズを1区画のサイズとしてピクセル単位で指定する。
【0079】
次のステップである数値データ化ステップ104では、制御出力部21は、ステップ103で得た複数の区画に分割された画像データを、各々の区画ごとに複数の数値データに変換する。制御出力部21は、画像データから数値データに変換する際に、画像中の画素の色に対応される数値が必要となる。制御出力部21は、黒色から白色に変化する色に対応した数値をグレースケール画像に与える。つまり、制御出力部21は、黒色に最小値、白色に最大値を対応させ、それ以外の中間色は最小値と最大値の間にある数値をグレースケール画像に対応させる。制御出力部21は、最小値から最大値は256階調に数値を設定する。
【0080】
また、制御出力部21は、各々の区画ごとに算出された複数の数値データの平均値を算出してもよい。図13は、画像データから数値データに変換する際の平均化処理についての説明図である。図13では、制御出力部21は、サイズが4×4ピクセルの画像の数値化において、1区画のサイズを2ピクセルとした場合、2×2ピクセルにより構成される区画の平均値が算出するため、出力されるデータを2×2の行列データとすることができる。このようにして、制御出力部21は、平均化処理を行い、平均値を算出する。
【0081】
次のステップである統計量算出ステップ105では、制御出力部21は、ステップ104で得た複数の数値データから得られる統計量を算出する。ステップ105で算出する統計量は、変動係数や不偏分散、空間的ばらつきを表すセミバリアンス、画像デクスチャーの情報エントロピー等の統計量である。
【0082】
例えば、温度分布のばらつき具合を数値化する場合、以下の式より変動係数を算出することができる。
【0083】
【数3】

【0084】
制御出力部21は、これらの統計量を算出する。これにより、温度分布のばらつきを数値化することができる。そのため、温度分布のばらつきを定量的に評価することが可能であり、コンポスト内部状況をより正確に把握することができる。
【0085】
以上のステップを経て、制御出力部21は、画像データを数値化し、統計量を算出する。このステップを経ることで、使用者は、コンポストの評価を定量的に行うことができる。
【0086】
[発酵槽のコンポスト評価管理方法]
次に発酵槽のコンポストの評価管理方法について説明する。図14は、本発明のコンポスト化処理設備の平面概略図である。発酵槽70は、原料一次貯留槽71、1週目発酵槽72、2週目発酵槽73、通気パイプ74、ブロア75、通気穴76、ドレイン貯留槽77、アンモニア回収用スクラバ78、リニア・クレーン式堆肥切り返し装置79よりなる。図面において、本発明のコンポスト化処理設備は、発酵槽を2つのみ備えているが、3つ以上の発酵槽を構成していてもよい。なお、図14のXの向きは、原料一次貯留槽71、1週目発酵槽72、2週目発酵槽73が並んでいる向きを示す。
【0087】
リニア・クレーン式堆肥切り返し装置79は、X方向に平行に動くことができる。つまり、リニア・クレーン式堆肥切り返し装置79は、原料一次貯留槽71、1週目発酵槽72、2週目発酵槽73の上を移動することが可能である。
【0088】
また、図15は、本発明の図14におけるリニア・クレーン式堆肥切り返し装置の斜視図である。リニア・クレーン式堆肥切り返し装置79は、貯留槽71及び発酵槽72、73に堆積しているコンポストの上部の一部を、クレーン部分79aによりすくい上げ、別の発酵槽へ移すことができる。例えば、原料一次貯留槽71にあるコンポストは、クレーン部分79aにより一部がすくい上げられ、X方向に移動され、1週目発酵槽72へ投入される。この一連の動きの繰り返しにより、原料一次貯留槽71にあるコンポストは、1週目発酵槽72に移動される。また、1週目発酵槽72にあるコンポストも、クレーン部分79aの同様の動作が繰り返されることで、2週目発酵槽73へ移される。
【0089】
発酵槽72、73の大きさは、例えば幅7m、奥行3m、堆積高さ1.6m、容積34mと例示できる。まず、発酵前のコンポスト3は、原料一次貯留槽71に入れられる。そして、原料一次貯留槽71のコンポストは、リニア・クレーン式堆肥切り返し装置79により、1週目発酵槽72に移される。その後、1週目発酵槽72のコンポストは、1週間〜10日かけて発酵がなされる。1週間〜10日後に、1週目発酵槽72のコンポストは、リニア・クレーン式堆肥切り返し装置79により、2週目発酵槽73に移される。2週目発酵槽73のコンポスト3は、1週間〜10日かけて発酵がなされる。図14においては、コンポスト化処理設備は、発酵槽を2つのみ備えているが、さらに他の発酵槽を有する場合でも、同様な流れにより発酵作業がなされる。コンポストは、4週間〜5週間で一次発酵を終了する。また、コンポスト化処理設備は、通常は吸引通気方式でコンポスト化を行うが、必要に応じて圧送通気方式に切り換えて通気を行うことも可能である。
【0090】
本発明においては、使用者は、コンポストを、例えば1週目発酵槽72から2週目発酵槽73へと移す際に、温度分布を測定して、コンポストの発酵状態を評価管理することができる。つまり、貯留槽71又は発酵槽72、73のコンポストは、数回すくい上げられ、一定量堆積していた量が減るごとに、貯留槽71又は発酵槽72、73のコンポストの表面の温度分布を測定される。そして、最終的に、当該コンポストは、別の貯留槽71又は発酵槽72、73へ移動される。そのため、使用者は、コンポストの移動の間に、コンポスト表面の温度分布の測定を数回することで、コンポストの発酵状態を3次元的に把握することができる。
【0091】
[アンモニアガス濃度測定ステップを伴ったコンポスト評価管理方法]
図16は本発明の別の一実施形態に係るコンポスト評価管理方法を示すフロー図である。本実施形態のコンポスト評価管理方法は、本発明のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法であり、温度分布測定ステップ101、画像データ化ステップ102、分割ステップ103、数値データ化ステップ104、及び統計量算出ステップ105からの一連のステップと、容器設置ステップ301、アンモニアガス採取ステップ302、及び濃度測定ステップ303よりなる。
【0092】
ステップ101〜ステップ105については前述の同じであるので説明を省略し、ステップ301〜ステップ303の一連の流れについて説明する。
【0093】
容器設置ステップ301では、使用者は、コンポストの表面に複数の容器32を設置する。容器32は、凹部32aが下向きになるように設置をする。また、容器32は、コンポスト表面3aと密着するように、ある程度、コンポスト表面3aに埋め込まれるように設置することが望ましい。そのように設置することで、容器32で覆われたコンポスト表面3aから発生するアンモニアガスは、漏れることなく凹部32aの内部に溜まる。
【0094】
アンモニアガス採取ステップ302では、使用者は、容器32の内部に溜まったアンモニアガスをガス検知管33に検知する。容器32が前述の構成をとっているため、ガス検知管33は、凹部32aに囲まれたコンポスト表面3aから発生するアンモニアガスを、正しく検知することができる。アンモニアガスを採取する時間は、30秒〜1分程度かけるのが望ましい。そして、濃度測定ステップ303では、使用者は、ガス検知管33に採取されたアンモニアガスの濃度を、ガス検知管33に連結されている濃度測定装置34で測定をする。濃度測定装置34は、容器32が上記の構成をとっているため、凹部32aに囲まれたコンポスト表面3aから発生するアンモニアガスの濃度を正しく測定することができる。
【0095】
使用者は、ステップ101〜ステップ105によって得られた温度分布データ、及びステップ301〜ステップ303によって得られたアンモニアガス濃度分布データを元に、コンポストの状態を評価管理する。
【0096】
[風速測定ステップを伴ったコンポスト評価管理方法]
図17は、本発明の別の一実施形態に係るコンポスト評価管理方法を示すフロー図である。本実施形態のコンポスト評価管理方法は、本発明のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法であり、温度分布測定ステップ101、画像データ化ステップ102、分割ステップ103、数値データ化ステップ104、及び統計量算出ステップ105からの一連のステップと、別に、筒容器設置ステップ401、風速測定ステップ402、よりなる。
【0097】
ステップ101〜ステップ105については前述の同じであるので説明を省略し、ステップ401〜ステップ402の一連の流れについて説明する。
【0098】
ステップ301では、使用者は、コンポストの表面に複数の筒容器42、43を設置する。筒容器42、43は、コンポスト表面3aと密着するように、ある程度、コンポスト表面3aに埋め込まれるように設置することが望ましい。そのように設置することで、筒容器42、43で囲まれたコンポスト表面3aから発生する通気風は、漏れることなく下口42a、43aから筒容器42、43の内部を通過する。
【0099】
ステップ402では、使用者は、筒容器42、43の内部の通気風の風速を測定する。風速計は、筒容器42、43が上記の構成をとっているため、筒容器42、43の内部を通過する通気風の風速を正しく測定することができる。
【0100】
使用者は、ステップ101〜ステップ105によって得られた温度分布データ、及びステップ401〜ステップ402によって得られた風速分布データを元に、コンポストの状態を評価管理する。
【実施例】
【0101】
[実施例1]
図18は、実施例1の調査対象である脱臭槽の平面図である。隣接した発酵槽からの発酵ガスは、通気手段12により通気パイプ12aを伝い、通気穴12bから、脱臭槽80の内部に通気される。その結果、脱臭槽80の悪臭成分は除去される。
【0102】
本実施例においては、管理状態の違いにより調査区を二つ設けた。一つは、完熟コンポストを脱臭槽内に新しく積み、堆積状態がより均一である区(以下、「均一区」と記載する)を設けた。もう一つは、脱臭資材を堆積してから1年間手を加えていない区(以下、「不均一区」と記載する)を設けた。本実施例において、均一区及び不均一区を調査対象区とした。均一区及び不均一区の双方の調査対象区規模は、共に88cm×150cmとした。
【0103】
脱臭槽80に対し、以下の温度分布測定、アンモニアガス濃度測定、及び風速測定をこの順序で行った。
【0104】
(温度分布測定)
コンポスト表面の温度分布測定において、アイ・アール・システム社製の携帯型赤外線サーモグラフィ(MobIR M3)を用いた。当該赤外線サーモグラフィは、感度波長8μm〜14μm、画素数160×120画素、温度測定範囲−20℃〜250℃、温度精度±2℃である。脱臭槽80への通気開始前、通気開始後10分後、1時間後、2時間後、18時間後、21時間後について赤外線熱画像を撮影し、時間による温度分布の変化を捉えた。
【0105】
得られた画像データについて、画像データを複数の区画に分割し、プログラミング言語C#で作成したプログラムを使用して温度レンジを揃え、複数の区画に分割された画像データを数値データに変換した。
【0106】
なお、一つの対象区全体では、約15万画素となっており対象区の規模(長さ150cm×幅88cm)から計算すると、1画素の大きさは約3×3mmとなる。このままではデータ数が多すぎるため、100画素の数値データに対して平均化処理を行い、一つの数値データ(以下、1セルとする)とした。
【0107】
得られた複数の数値データから変動係数を算出し、温度分布のばらつき具合を数値化した。
【0108】
(アンモニアガス濃度測定)
図19は、実施例1のアンモニアガス濃度測定点を示す図である。図19に示すように、測定点は、不均一区8点(No.1〜No.8)、均一区7点(No.9〜No.15)の計15点とした。測定点を設定するにあたり、不均一区では堆積表面において亀裂のある部分とない部分に配置し、均一区では堆積表面に特に変化がないように見えるため、十字の線状に測点ポイントを設定した。また、アンモニアガス濃度測定は均一区・不均一区ともに通気2時間後に行った。
【0109】
測定機器は、ガステック社製ガス検知管で、測定範囲は5ppm〜100ppm(3La)、測定時間は約30秒とした。各測定ポイントのコンポスト表面には、アンモニアガスを捕集するためのポリプロピレン製容器(長さ30cm×幅17cm×高さ19cm、約5L)を覆い被せ、容器底部の中央にある直径約2.5cmの孔からガス検知管を挿入し、アンモニアガス濃度を測定した。この孔にはガスの漏れを防止するためにゴム栓が装着しており、このゴム栓の中央に検知管を差し込めるようになっている。
【0110】
また、各測点においてアンモニアガス濃度測定容器内の脱臭資材表面温度分布のばらつき具合を数値化するにあたり、45セル(本測定における一つの対象区の規模は長さ17cm(5セル)×幅30cm(9セル))の温度データから変動係数を算出した。ここで、1セルは100画素の温度データを平均した値である。
【0111】
(風速測定)
図20は、実施例1の風速測定点を示す図である。図20に示すように、測定点は不均一区15点、均一区15点の計30点とした。測定点は、事前に赤外線サーモグラフィによる観測を行い、温度の高いポイントと低いポイント、及び中間ほどのポイントを選んで設定した。また、風速測定は均一区・不均一区ともに通気18時間後に行った。
【0112】
コンポスト表面から排気される風速測定では、熱線風速計を使用した。この風速計は、(株)日本カノマックス社製クリモマスター KANOMAX6541で、測定範囲0.1m/s〜30.0m/s、表示分解能0.01m/s、応答性約1秒、測定精度±(指示値の3%+0.1)m/sである。
【0113】
測定方法は次の2通りの方法で行った。一つは、図7に示す筒容器42(内径約11cm、高さ10cm、高さ5cmの位置に差込口42cを有する)に風速計を取り付け、コンポスト表面に置いた。もう一つは、図8に示す筒容器43(下口43aは8.4cm×10.4cm、上口43bは直径2cm、高さが11cm)に風速計を取り付け、コンポスト表面に置いた。
【0114】
[実施例1の結果]
(温度分布測定の結果)
結果を図21〜図24、及び表1に示す。
【0115】
【表1】

【0116】
図21は、実施例1の温度分布測定における赤外線熱画像の時間変化を表す画像である。
図22は、実施例1の温度分布測定におけるデジタルカメラで捉えた可視画像の時間変化を表す画像である。(なお、図22の白い紙片は風速測定点の位置を示すものである。)
図23は、実施例1の温度分布測定における均一区・不均一区における表面平均温度と時間変化との関係を表すグラフである。
表1は、実施例1の温度分布測定における均一区・不均一区における各時間における表面温度分布変動係数を示す表である。
【0117】
図21から、均一区においては長時間経過しても全体的な温度分布のばらつきに差は無い。一方、不均一区においては時間の経過と共に、温度が高い部分が現れた。図22を参照すると、当該温度が高い部分は、亀裂が生じている部分と一致する。また、図23から、均一区と不均一区では、不均一区の温度の上がり具合は大きいことがわかる。さらに、表1より、温度分布のばらつきが不均一区の方が均一区に比べ、大きいことがわかる。これらの結果により、コンポスト表面の温度分布を観察することで、コンポスト内部の状態を知ることができるとわかる。
【0118】
(アンモニアガス濃度測定の結果)
結果を表2及び表3に示す。
【0119】
【表2】

【0120】
【表3】

【0121】
表2は、実施例1のアンモニアガス濃度測定におけるアンモニアガス濃度と平均温度との関係を示す表である。
表3は、実施例1のアンモニアガス濃度測定におけるアンモニアガス濃度と温度分布の変動係数との関係を示す表である。
【0122】
表2及び表3から、均一区の方が、不均一区に比べ、アンモニアガス濃度が低いことがわかる。また、温度が高く、温度のばらつきが大きい測定点においては、アンモニアガス濃度が高い。その一方、温度が低く、温度のばらつきが小さい測定点においては、アンモニアガス濃度が高い。以上より、アンモニアガス濃度と温度分布とには相関関係があるのがわかる。
【0123】
(風速測定の結果)
結果を表4及び表5に示す。
【0124】
【表4】

【0125】
【表5】

【0126】
表4は、図7に示す筒容器42により測定した場合の温度と風速との関係を示す表である。
表5は、図8に示す筒容器43により測定した場合の温度と風速との関係を示す表である。
【0127】
表4及び表5から、均一区の方が、不均一区に比べ、風速が遅い(風量が少ない)ことがわかる。また、温度が高い測定点においては、風速が速い(風量が多い)。その一方、温度が低い測定点においては、風速が遅い(風量が少ない)。以上より、風速と温度分布とには相関関係があるのがわかる。
【0128】
[実施例2]
図14と同じ発酵槽70において、1週目及び2週目の発酵槽を測定対象とし、実施例1で用いた赤外線サーモグラフィによるコンポスト表面の温度分布測定を行った。1週目発酵槽72では吸引通気方式を用いる。2週目発酵槽73では、吸引通気方式でコンポスト表面を撮影後、圧送通気方式に切りかえて撮影を行った。また、赤外線サーモグラフィによる撮影は、高さ160cmまで堆積したコンポストの上部から、0cm、50cm、100cm、及び150cmの4つの深さを対象区として行い、3次元温度分布の測定を行い、画像データから得られた数値データについて、温度分布の統計量を算出した。図24は、実施例2における3次元温度分布の測定の概念図である。
【0129】
[実施例2の結果]
結果を図25、図26、及び表6、表7に示す。
【0130】
【表6】

【0131】
【表7】

【0132】
図25は、実施例2における発酵1週目のコンポストにおける吸引通気方式時のコンポスト上部から(a)0cm、(b)50cm、(c)100cm、(d)150cmの槽の温度分布を表す画像である。
図26は、実施例2における発酵2週目のコンポストにおけるコンポスト上部から(a)0cm(吸引通気方式)、(b)0cm(圧送通気方式1回目)、(c)0cm(圧送通気方式1回目)、(d)50cm、(e)100cm、(f)150cmの槽の温度分布を表す画像である。
表6は、発酵1週目のコンポストにおける吸引通気方式時の各層の温度分布の統計量である。
表7は、発酵2週目のコンポストにおける吸引通気方式時の各層の温度分布の統計量である。
【0133】
吸引通気方式、圧送通気方式共に上部に比べて下部に行くほど内部温度が高くなっている様子が確認できた。また、吸引通気方式の場合では、上部から100cmの層が、50cm、150cmの層に比べて温度が一様に低い結果となった。一方、圧送通気方式の場合では、底部に近い150cmの層で配管付近と思われる箇所の温度が周囲に比べて高い様子が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンポスト装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコンポスト装置の制御方式を示したフロー図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係るコンポスト装置の制御方式を示したフロー図である。
【図4】本発明のコンポストの表面に設置されアンモニアガスを捕集するための容器の斜視図である。
【図5】本発明のアンモニアガス濃度分布測定手段の概念図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係るコンポスト装置の制御方式を示したフロー図である。
【図7】本発明のコンポストの表面に設置され風速を測定するための筒容器の斜視図である。
【図8】本発明のコンポストの表面に設置され風速を測定するための別の筒容器の斜視図である。
【図9】本発明の図7の筒容器を用いた場合の風速測定手段の概念図である。
【図10】本発明の図8の筒容器を用いた場合の風速測定手段の概念図である。
【図11】本実施形態に係る制御手段20のハードウェア構成を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るコンポスト評価管理方法を示すフロー図である。
【図13】画像データから数値データに変換する際の平均化処理についての説明図である。
【図14】本発明のコンポスト化処理設備の平面概略図である。
【図15】本発明の図14におけるリニア・クレーン式堆肥切り返し装置の斜視図である。
【図16】本発明の別の一実施形態に係るコンポスト評価管理方法を示すフロー図である。
【図17】本発明の別の一実施形態に係るコンポスト評価管理方法を示すフロー図である。
【図18】実施例1の調査対象である脱臭槽の平面図である。
【図19】実施例1のアンモニアガス濃度測定点を示す図である。
【図20】実施例1の風速測定点を示す図である。
【図21】実施例1の温度分布測定における赤外線熱画像の時間変化を表す画像である。
【図22】実施例1の温度分布測定におけるデジタルカメラで捉えた可視画像の時間変化を表す画像である。
【図23】実施例1の温度分布測定における均一区・不均一区における表面平均温度と時間変化との関係を表すグラフである。
【図24】実施例2における3次元温度分布の測定の概念図である。
【図25】実施例2における発酵1週目のコンポストにおける吸引通気方式時のコンポスト上部から(a)0cm、(b)50cm、(c)100cm、(d)150cmの槽の温度分布を表す画像である。
【図26】実施例2における発酵2週目のコンポストにおけるコンポスト上部から(a)0cm(吸引通気方式)、(b)0cm(圧送通気方式1回目)、(c)0cm(圧送通気方式1回目)、(d)50cm、(e)100cm、(f)150cmの槽の温度分布を表す画像である。
【図27】(a)連続体及び(b)多孔質体における伝熱の概念図である。
【符号の説明】
【0135】
1 コンポスト装置
3 コンポスト
3a コンポスト表面
10 処理槽
11 収納部
12 通気手段
12a 通気パイプ
12b 通気穴
13 加温冷却手段
14 攪拌手段
15 温度分布測定手段
20 制御手段
21 制御出力部
22 記憶部
23 表示部
30 アンモニアガス濃度分布測定手段
32 容器
32a 凹部
32b ゴム栓
33 ガス検知管
34 濃度測定装置
40 風速測定手段
42、43 筒容器
42a、43a 下口
42b、43b 上口
42c 差込口
45 風速計
70 発酵槽
71 原料一次貯留槽
72 1週目発酵槽
73 2週目発酵槽
74 通気パイプ
75 ブロア
76 通気穴
77 ドレイン貯留槽
78 アンモニア回収用スクラバ
79 リニア・クレーン式堆肥切り返し装置
79a クレーン部分
80 脱臭槽
101 温度分布測定ステップ
102 画像データ化ステップ
103 分割ステップ
104 数値データ化ステップ
105 統計量算出ステップ
200 情報処理装置
210 制御部
211、212 CPU
220 記憶装置
221 ハード・ディスク
222 光ディスク・ドライブ
223 光ディスク
224 半導体メモリ
230 表示装置
240 I/Oコントローラ
250 通信I/F
260 メインメモリ
270 BIOS
280 バスライン
301 容器設置ステップ
302 アンモニアガス採取ステップ
303 濃度測定ステップ
401 筒容器設置ステップ
402 風速測定ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポストを収納する収納部と、
前記収納部の下側に位置し前記コンポストに通気を行う通気手段と、
前記収納部の下側に位置し前記コンポストに加温又は冷却を行う加温冷却手段と、
前記コンポストを攪拌する攪拌手段と、
前記コンポストの表面における温度分布を測定する温度分布測定手段と、
前記温度分布に基づいて前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするコンポスト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンポスト装置において、
前記温度分布測定手段は赤外線サーモグラフィであることを特徴とするコンポスト装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコンポスト装置において、
さらに、前記コンポストから発生する臭いを取り除く脱臭手段を有することを特徴とするコンポスト装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコンポスト装置において、
さらに、前記コンポストから発生する臭いを検出する臭気検出手段と、
前記臭気検出手段から得た臭気情報を報知するための臭気情報報知手段を有することを特徴とするコンポスト装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコンポスト装置において、
さらに、前記コンポストの表面の複数の地点でのアンモニアガスの濃度分布を測定するアンモニアガス濃度分布測定手段を備え、
前記制御手段は、さらに前記濃度分布に基づいて、前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御することを特徴とするコンポスト装置。
【請求項6】
請求項5に記載のコンポスト装置において、
前記アンモニアガス濃度分布測定手段は、
さらに、前記コンポストの表面に設置されアンモニアガスを捕集するために下側が開口になっている凹部を有する複数の容器と、
前記凹部の中に溜まった前記アンモニアガスを採取する複数のガス検知管と、
採取したアンモニアガスの濃度を測定する複数の濃度測定装置とを備えることを特徴とするコンポスト装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のコンポスト装置において、
さらに、前記コンポストの表面の複数の地点での風速を測定する風速測定手段を備え、
前記制御手段は、さらに、前記風速測定手段に基づいて、前記通気手段、前記加温冷却手段、及び前記攪拌手段を制御することを特徴とするコンポスト装置。
【請求項8】
請求項7に記載のコンポスト装置において、
前記風速測定手段は、
さらに、前記コンポストの表面に設置され風速を測定するための上口及び該上口とつながっている下口を有する複数の筒容器と、
前記筒容器を通る風の速度を測定する複数の風速計とを備えていることを特徴とするコンポスト装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法において、
前記コンポストの表面の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、
前記温度分布を画像データとして処理する画像データ化ステップと、
前記画像データを複数の区画に分割する分割ステップと、
前記複数の区画に分割された画像データを複数の数値データに変換する数値データ化ステップと、
前記複数の数値データから得られる統計量を算出する統計量算出ステップとを有することを特徴とするコンポスト評価管理方法。
【請求項10】
請求項9に記載のコンポスト評価管理方法において、
前記温度分布測定ステップは、さらに、前記コンポストの表面からの複数の所定の深さにおける温度分布を測定することを含むことを特徴とするコンポスト評価管理方法。
【請求項11】
請求項6に記載のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法において、
前記コンポストの表面の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、
前記温度分布を画像データとして処理する画像データ化ステップと、
前記画像データを複数の区画に分割する分割ステップと、
前記複数の区画に分割された画像データを複数の数値データに変換する数値データ化ステップと、
前記複数の数値データから得られる統計量を算出する統計量算出ステップと、
前記コンポストの表面に前記複数の容器を設置する容器設置ステップと、
前記容器設置ステップ後に、前記容器の内部に溜まったアンモニアガスをガス検知管に採取するアンモニアガス採取ステップと、
採取したアンモニアガスの濃度を測定する濃度測定ステップとを有することを特徴とするコンポスト評価管理方法。
【請求項12】
請求項8に記載のコンポスト装置におけるコンポストの攪拌及び堆積状態を評価及び管理するコンポスト評価管理方法において、
前記コンポストの表面の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、
前記温度分布を画像データとして処理する画像データ化ステップと、
前記画像データを複数の区画に分割する分割ステップと、
前記複数の区画に分割された画像データを複数の数値データに変換する数値データ化ステップと、
前記複数の数値データから得られる統計量を算出する統計量算出ステップと、
前記コンポストの表面に前記複数の筒容器を設置する容器設置ステップと、
前記筒容器を通る風の速度を風速計により測定する風速測定ステップとを有することを特徴とするコンポスト評価管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【図27】
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【図13】
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【図21】
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【図22】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−70442(P2010−70442A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243350(P2008−243350)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 第67回農業機械学会年次大会講演要旨(平成20年3月20日発行)に掲載。
【出願人】(501271620)
【出願人】(503457275)株式会社エコアドバンス (2)
【Fターム(参考)】