説明

コンポーネントを監視するための方法、装置及びシステム

【課題】コンポーネントを監視するための方法、装置及びシステムを提供する。
【解決手段】本システム(100)は、コンポーネントの動作状態に関する信号を供給するような構成されているセンサ(130)と、該動作状態を表す値を保存するためのメモリ(136)と、前記センサに及び前記メモリに結合されたプロセッサ(128)とを含む。前記プロセッサは、前記保存された値に基づいて第1の期間中の前記動作状態の第1の値を計算し、前記第1の値を用いて第2の期間中の前記動作状態の第2の値を計算し、次いで前記第2の値を用いて前記コンポーネントのステータスを決定するようにプログラムされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に云えば、監視システムに関し、より詳しくは、コンポーネント(構成要素、構成部品、構成装置、構成素子など)を監視する際に用いるための方法、装置及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既知の配電回路及び開閉装置(switchgear)は、一般に、空気、ガス又は固体誘電体によって分離されている導体を持つ。しかしながら、導体が接近し過ぎて配置されている場合、又は導体間の電圧が導体間の絶縁体の絶縁特性を超える場合、アークが生じることがある。例えば、導体間の絶縁体はイオン化されることがあり、この結果、絶縁体が導電性になり及びアーク・フラッシュが形成されることがある。
【0003】
アーク・フラッシュは、2つの相導体の間、相導体と中性導体との間、又は相導体と接地点との間の障害に起因した急速なエネルギの放出を含む。アーク・フラッシュ温度は20000℃に達し又はそれを超えることがあり、その結果、導体及び隣接の機器を蒸発させることがある。加えて、アーク・フラッシュは、導体及び隣接の機器を損傷するのに充分なエネルギを、熱、強力な光、圧力波及び/又は音波の形態で放出させることがある。しかしながら、アーク・フラッシュを発生する障害の電流レベルは、一般に短絡電流レベルよりも小さく、遮断器がトリップ(引外し)を生じないようなレベルであり、或いは遮断器がアーク障害状態を処理するように特別に設計されていない場合は遅延したトリップを引き起こすようなレベルである。
【0004】
少なくとも幾種類かの既知の遮断器又は他のトリップ装置は、負荷に供給される電流をプログラム可能に遮断する電子式トリップ・ユニット内に含まれる。トリップ装置及び回路保護装置は、重要な収益創出機械へ及び/又は動作を維持するのが非常に望ましい機械又は装置へ電気を供給することのできる開閉装置又は他の配電システムに組み入れることができる。このようなトリップ装置は時間につれて劣化することがあり、またこのような劣化に起因して突然に故障することがある。更に、既知のトリップ装置の信頼性は、トリップ装置を高温及び/又は高湿の環境内で動作させると低下することがある。もしトリップ装置が故障した場合には、トリップ装置に結合された機械及び/又は装置が、損傷を受けることがあり、及び/又は望ましくないほどの電力損失を生じることがある。従って、トリップ装置を交換又は修理する予防的処置を取ることができるように、トリップ装置が故障しそうなときを予測又は決定することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7705601号
【発明の概要】
【0006】
本発明の一面においては、コンポーネントの動作状態(condition) に関する信号を供給するような構成されているセンサと、該動作状態を表す値を保存するためのメモリと、前記センサに及び前記メモリに結合されたプロセッサと、を含むシステムが提供される。前記プロセッサは、前記保存された値に基づいて第1の期間中の前記動作状態の第1の値を計算し、前記第1の値を用いて第2の期間中の前記動作状態の第2の値を計算し、次いで前記第2の値を用いて前記コンポーネントのステータスを決定するようにプログラムされる。
【0007】
別の面においては、負荷を電気的に保護する際に用いるための回路保護装置を提供する。この回路保護装置は、負荷に供給される電流を遮断するように構成されたトリップ機構と、前記トリップ機構の動作状態に関する信号を供給するように構成されたセンサとを含む。回路保護装置はまた、動作状態を表す値を保存するためのメモリと、前記センサに及び前記メモリに結合されたプロセッサとを含む。前記プロセッサは、前記保存された値に基づいて第1の期間中の前記動作状態の第1の値を計算し、前記第1の値を用いて第2の期間中の前記動作状態の第2の値を計算し、次いで前記第2の値を用いて前記コンポーネントのステータスを決定するようにプログラムされる。
【0008】
更に別の面においては、コンポーネントを監視するための方法を提供する。本方法は、コンポーネントの動作状態を測定して、該動作状態を表す値をメモリに保存する段階を含み、該段階において、前記動作状態は前記コンポーネントの温度を含んでいる。本方法はまた、プロセッサによって、前記保存された値に基づいて第1の期間中の前記動作状態の第1の値を計算し、次いで、プロセッサによって、前記第1の値を用いて第2の期間中の前記動作状態の第2の値を計算し、次いで、プロセッサによって、前記第2の値を用いて前記コンポーネントの残存実用寿命を決定する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、模範的な電力システムの概略ブロック図である。
【図2】図2は、図1に示されている電力システムに使用することのできる模範的な配電システムの概略ブロック図である。
【図3】図3は、コンポーネントを監視するための模範的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
コンポーネントの監視に使用するための方法、装置及びシステムの模範的な実施形態を本書で説明する。これらの実施形態は、コンポーネントの(残存実用寿命のような)ステータスを監視及び/又は決定するのを容易にする。コンポーネントの動作状態が測定され、該測定された動作状態を表す値がメモリに保存される。プロセッサが、ある間隔期間中の前記動作状態の第1の平均値を計算する。プロセッサは、以前の期間での前記動作状態の平均値を受け取る。プロセッサは、前記第1の平均値と前記以前の期間中の前記平均値を用いて前記コンポーネントの動作寿命(operational lifetime)にわたる前記動作状態の第2の平均値を計算する。コンポーネントの残存実用寿命が、前記コンポーネントの動作寿命中の前記動作状態の平均値と、前記コンポーネントの動作寿命の持続時間と、信頼性モデルから求められる予想コンポーネント寿命とに基づいて決定される。前記コンポーネントの残存実用寿命が閾値以下である場合、警告が発せられ、及び/又は前記コンポーネントの残存実用寿命を増大させる行為が実施される。従って、前記コンポーネントの故障は、コンポーネントが突然に故障する可能性を小さくするように一層高い精度で予想し又は決定することができる。
【0011】
図1は、機器保護システム102及び配電システム104を含む模範的な電力システム100の概略ブロック図である。模範的な実施形態では、配電システム104は複数の開閉装置ユニット106を含む。保護システム102は中央制御装置108を含み、該中央制御装置108は、プロセッサ110と、該プロセッサ110に結合されたメモリ112とを含む。プロセッサ110は、開閉装置ユニット106の動作を制御し及び/又は監視する。より具体的に述べると、プロセッサ110は、開閉装置ユニット106内の複数の遮断器及びトリップ・ユニット(いずれも図1に示していない)の動作を制御し及び/又は監視する。プロセッサ110はネットワーク114を介して開閉装置ユニット106と通信する。例えば、中央制御装置108は、ネットワーク114を介してプロセッサ110と開閉装置ユニット106との間でデータ及び/又は指令を送信及び受信することを可能にする中央通信ユニット116を含む。
【0012】
ここで、用語「プロセッサ」とは、一般的に、本書で述べる様々な機能を実行することが可能であるシステム及びマイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な論理回路、並びに任意の他の回路又はプロセッサを含む、任意のプログラム可能なシステムを表すことを理解されたい。上記の様々な例は、模範的なものに過ぎず、従って、用語「プロセッサ」の定義及び/又は意味を何ら制限しようとするものではない。
【0013】
メモリ112は、開閉装置ユニット106を制御し及び/又は監視するためにプロセッサ110によって実行可能であるプログラム・コード及び命令を保存する。メモリ112は、限定するものではないが、非揮発性RAM(NVRAM)、磁気RAM(MRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ及び/又は電気的に消去なプログラム可能な読出し専用メモリ(EEPROM)を含むことができる。メモリ112には、任意の他の適当な磁気、光学及び/又は半導体メモリを、単独で又は他の形態のメモリと組み合わせて含めることができる。メモリ112はまた、限定するものではないが、適当なカートリッジ、ディスク、CDROM、DVD又はUSBメモリを含む取外し可能なメモリとするか又は該メモリを含むことができる。
【0014】
図1の模範的な実施形態では、保護システム102は表示装置118及びユーザー入力装置120を含み、これらは、保護システム102を用いる配電システム104を監視し制御するためのユーザー・インターフェースを構成する。表示装置118は、限定するものではないが、モニタ、テレビジョン表示装置、プラズマ表示装置、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)に基づいた表示装置、複数の有機発光ダイオード(OLED)に基づいた表示装置、ポリマー発光ダイオード(PLED)に基づいた表示装置、複数の表面伝導型電子エミッタ(SED)に基づいた表示装置、投射及び/又は反射像を含む表示装置、或いは任意の他の適当な電子装置又は表示機構を含むことができる。一実施形態では、表示装置118は、関連したタッチスクリーン制御装置を持つタッチスクリーンを含む。表示装置118は、正方形、長方形又は細長の長方形のような任意の適当な形状であってよい。ユーザー入力装置120は、限定するものではないが、キーボード、キーパッド、接触感応スクリーン、マウス、スクロール・ホイール、ポインティング・デバイス、音声認識ソフトウエアを用いるオーディオ入力装置、及び/又はユーザーが配電システム104にデータを入力するのを可能にする任意の適当な装置を含む。
【0015】
図2は、複数の回路保護装置122を含む配電システム104の概略ブロック図である。各々の回路保護装置122は、開閉装置ユニット106内に取外し可能に結合されていて、1つ以上の負荷124への電力をプログラム可能に制御するように構成されている。模範的な実施形態では、回路保護装置122は電子式トリップ・ユニット(ETU)122である。
【0016】
負荷124は、限定するものではないが、製造施設又は発電施設又は配電施設内の機械、モータ、照明器具及び/又は他の電気的及び機械的機器を含むことができる。電力が主給電線126から開閉装置ユニット106へ供給され、主給電線126はまた回路保護装置122に結合される。この場合、電力は、負荷124へ電力を供給するために回路保護装置122を使用する複数の分岐回路127に分割される。
【0017】
各々の回路保護装置122は、プロセッサ128と、少なくとも1つのセンサ130と、プロセッサ128に結合された1つ以上の遮断器又はアーク封じ込め装置のような少なくとも1つのトリップ機構132とを含む。模範的な遮断器は、例えば、遮断器に結合された負荷へ該遮断器を通って流れる電流を遮断する回路スイッチ及び/又は回路断続器を含む。模範的なアーク封じ込め装置は、例えば、封じ込め集成体と、複数の電極と、プラズマ銃と、回路で検出された他の電気的故障によるアークから封じ込め集成体の中へエネルギを方向転換させるために電極相互の間のギャップの中へ融蝕性プラズマをプラズマ銃から放出させるトリガ回路とを含む。
【0018】
センサ130は、トリップ機構132及び/又は回路保護装置122の少なくとも1つの動作状態を測定する。模範的な実施形態では、センサ130は、トリップ機構132及び/又は回路保護装置122の温度、或いはトリップ機構132及び/又は回路保護装置122に近接する周囲空気の温度を測定する温度センサ130である。別の態様では、センサ130は、トリップ機構132及び/又は回路保護装置122を囲む又はそれらに近接する周囲空気の湿度を測定する湿度センサ130であり、並びに/又は、変流器、ロゴスキー(Rogowski)コイル、ホール効果センサ及び/又は分路のような、トリップ機構132及び/又は回路保護装置122を通って流れる電流を測定する電流センサである。更に別の態様では、センサ130は、温度センサ、湿度センサ及び/又は電流センサ、並びに/又は配電システム104が本書で述べるように機能できるようにする任意の他の種類のセンサの組合せを含むことができる。模範的な実施形態では、各々のセンサ130は、関連したトリップ機構132における又はそれに近接した場所における測定された温度を表すデータ(以後、「温度データ」と呼ぶ)及び/又は測定された湿度を表すデータ(以後、「湿度データ」と呼ぶ)を生成する。更に、各々のセンサ130は、温度データ及び/又は湿度データを含む又は該データを表す信号を、トリップ機構132に関連した又は結合されたプロセッサ128へ送る。各々のプロセッサ128は、温度データ、湿度データ及び/又は任意の他の動作状態データがプログラム可能なトリップ閾値を超えた場合、負荷124へ供給される電流を遮断するためにトリップ機構132を作動するようにプログラムされる。
【0019】
模範的な実施形態では、プロセッサ128はまた、中央制御装置108に通信可能に結合される。例えば、プロセッサ128は、中央制御装置108と通信のために直接結合することができ、或いは、通信ユニット134を介して中央制御装置108と通信のために結合することができる。プロセッサ128と中央制御装置108との間の通信はまた、有線通信リンクを介して又は無線通信リンクを介して行うことができる。プロセッサ128は、対応するトリップ機構132に関する測定された動作状態データを収集する。例えば、各々のプロセッサ128は、プロセッサ128に結合されたトリップ機構132に関連したセンサ130から(測定された温度及び/又は湿度データのような)測定された動作状態データを収集する。実施形態によっては、プロセッサ128は、予め選択された頻度で、測定された動作状態データを周期的に受け取る。例えば、プロセッサ128は、約1分毎、又は1時間毎、又は1日毎、又は任意の他の頻度で、温度及び/又は湿度データを受け取る。プロセッサ128は、温度及び/又は湿度データを表す値を、プロセッサ128に結合されたメモリ136に保存させ、及び/又は温度及び/又は湿度データを中央制御装置108へ送る。代替の実施形態では、回路保護装置122にプロセッサ128が含まれず、プロセッサ128の機能は中央制御装置108に組み込まれる。
【0020】
メモリ136は、回路保護装置122及び/又はトリップ機構132を制御し及び/又は監視するために、プロセッサ128によって実行可能であるプログラム・コード及び命令を保存する。模範的な実施形態では、メモリ136は、メモリ136内に保存されたデータを停電後も保持することが可能である非揮発性RAMを含む。この代わりに又はこれに加えて、メモリ136は、磁気RAM(MRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ及び/又は電気的に消去なプログラム可能な読出し専用メモリ(EEPROM)を含むことができる。メモリ136には、任意の他の適当な磁気、光学及び/又は半導体メモリを、単独で又は他の形態のメモリと組み合わせて含めることができる。メモリ136はまた、限定するものではないが、適当なカートリッジ、ディスク、CDROM、DVD又はUSBメモリを含む取外し可能なメモリとするか又はそれらを含むことができる。
【0021】
回路保護装置122はまた、プロセッサ128に結合された表示装置138を含む。模範的な実施形態では、表示装置138は、回路保護装置122のステータスを表示する1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。例えば、プロセッサ128は、回路保護装置122及び/又はトリップ機構132がアクティブであり及び/又は正常に動作していることを表示するため、故障又は障害が生じたことを表示するため、回路保護装置122のトリップ機構132又は別のコンポーネントの実用寿命が閾値以下であることを表示するため、並びに/又はトリップ機構132及び/又は回路保護装置122の任意の他のステータスを表示するため、表示装置138の1つ以上のコンポーネント(例えば、LED)を作動することができる。
【0022】
図2において回路保護装置122を配電システム104の開閉装置ユニット106に関して記述したが、回路保護装置122(又はその任意のコンポーネント)は、任意の装置又はシステムに用いることができることを認められたい。それに加えて又はその代わりに、センサ130及びプロセッサ128が、トリップ機構132以外の任意の他の装置又はシステムにおける又はそれに近接した場所における(温度及び/又は湿度のような)動作状態を監視又は測定することができる。
【0023】
図3は、コンポーネントを監視するための模範的な方法200の流れ図である。より具体的に述べると、方法200は、回路保護装置122(図2に示す)のトリップ機構132(図2に示す)のようなコンポーネントの予想される残存実用寿命のようなステータスを計算する。方法200は、少なくとも一部が、(プロセッサ128のような)プロセッサによって実行される。例えば、複数のコンピュータ実行可能な命令が、メモリ136(図2に示す)のようなコンピュータ読取り可能な媒体内に具現される。これらの命令は、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、方法200の各段階及び/又は本書で述べるような機能を実行させる。その代わりに又はそれに加えて、命令は、メモリ112(図1に示す)内に保存することができ、及び/又は本書で述べる様々な機能を遂行するようにプロセッサ110(図1に示す)によって実行することができる。
【0024】
模範的な実施形態では、方法200は、トリップ機構132(図2に示す)のようなコンポーネントの動作状態を測定する段階202を含む。例えば、段階202で、センサ130によりトリップ機構132の温度を測定して、温度データをプロセッサ128へ伝送する。ここで、方法200は、段階202で測定したトリップ機構132の温度に関連して説明するが、方法200はこの代わりに又はこれに加えてトリップ機構132及び/又は(配電システム104のような)装置又はシステムの任意の他のコンポーネントの湿度又は任意の他の動作状態を測定するために用い得ることが認められよう。模範的な実施形態では、段階202で、センサ130により動作状態を周期的に、例えば、約1分毎に、又は約1時間毎に、又は任意の他の頻度で測定する。この代わりに、段階202で、センサ130により、事象の生起時に、例えば、コンポーネントの温度変化(又はコンポーネントに近接した周囲空気の温度変化)、負荷124(図2に示す)に供給される電流量の変化、回路保護装置122によって検出される停電、ユーザー又は装置からの入力、及び/又は方法200を本書で述べるように機能させ得る任意の他の事象が生起したときに、動作状態を測定する。
【0025】
次いで、プロセッサ128により、センサ130からの測定データ(例えば、温度データ)を受け取って、該測定データをメモリ136に保存する(段階204)。またプロセッサ128により、測定データにタイムスタンプを行い、さもなければ、各々の測定を行った時刻及び/又はメモリ136に測定データを受け取った時刻を保存する。次いで、プロセッサ128により、所定の事象が生じたかどうか判定する(段階206)。模範的な実施形態では、所定の事象には、所定の間隔期間が経過したこと、ユーザー入力装置120(図1に示す)から信号を受け取ったこと、配電システム104内の機械又はコンポーネントの始動、及び/又は方法200を本書で述べるように機能させ得る任意の他の事象が含まれる。
【0026】
所定の事象が生じていない場合、センサ130によりコンポーネントの動作状態を測定することを続ける(段階202)。しかしながら、所定の事象が生じた場合、プロセッサ128により、第1の期間又は間隔期間中の動作状態の第1の値を計算する(段階208)。模範的な実施形態では、第1の値は、間隔時間中に計算された平均値(又は中間値)である。この代わりに、第1の値は、移動平均、最頻値、中央値、値域、標準偏差、又は間隔期間中に計算された動作状態の任意の他の値とすることができる。模範的な実施形態では、プロセッサ128により、動作状態の平均値が計算された最後の時刻を識別し、この識別された時刻を間隔開始時刻として設定する。プロセッサ128により、最も最近に測定された動作状態値を受け取った及び/又は測定した時刻を、間隔終了時刻として設定する。間隔期間は間隔開始時刻と間隔終了時刻との間の時間として設定され、また間隔期間の持続時間(以後、「間隔持続時間」と呼ぶ)は間隔終了時刻から間隔開始時刻を減算することによって求められる。この代わりに、間隔開始時刻、間隔終了時刻、間隔期間、及び/又は間隔持続時間は、方法200を本書で述べるように機能させ得る任意の他の時刻又は時間として定義又は設定することができる。一実施形態では、プロセッサ128により、間隔期間中の動作状態の各々の測定値を加算し、その和を間隔期間中の値の数によって除算することによって、間隔期間中の動作状態の平均値(以後、「間隔平均値」と呼ぶ)を計算する(段階208)。次いで、プロセッサ128により、間隔平均値及び間隔持続時間をメモリ136に保存する。
【0027】
次いで、プロセッサ128により、コンポーネントの動作寿命中の又は動作寿命にわたる期間のような第2の期間中のコンポーネントの温度の第2の値を計算する(段階210)。模範的な実施形態では、第2の値は、コンポーネントの動作寿命にわたって又は動作寿命中に計算された温度の平均値(又は中間値)である。この代わりに、第2の値は、コンポーネントの動作寿命にわたって又は動作寿命中に計算された温度(又は動作状態)の移動平均値、最頻値、中央値、値域、標準偏差、又は任意の他の値とすることができる。本書で用いられる用語「動作寿命(operational lifetime)」とは、コンポーネントが機械又はシステム内で動作していた時間の累算量又は合計量を表す。例えば、トリップ機構132の動作寿命は、トリップ機構132が回路保護装置122(又は任意の他の装置)に組み込まれていて且つ電気がトリップ機構132に流れていた時間(期間)である。コンポーネントの動作寿命は、アワー(hour)単位で、又は任意の他の時間単位で測定することができる。この代わりに、コンポーネントの動作寿命は、別の測定単位で、例えば、機械又は装置の始動又は運転停止の数、コンポーネントがオン又はオフに切り換えられたサイクルの数又は回数、及び/又は方法200を本書で述べるように機能させ得る任意の他の測定単位で、測定することができる。模範的な実施形態では、コンポーネントの動作寿命は、本書でより詳しく述べるように、間隔期間及び該間隔期間より前の期間を含む。
【0028】
代替の実施形態では、プロセッサ128で、コンポーネントの平均値を計算する(段階210)前に所定の事象が生じたかどうかの判定(段階206)を行わない。このような実施形態では、むしろ、プロセッサ128により、例えば、各々の新しい温度測定値を受け取ったときに、コンポーネントの動作寿命中のコンポーネント温度の平均値を自動的に及び/又は連続的に計算する(段階210)。
【0029】
模範的な実施形態では、コンポーネントの動作寿命にわたる動作状態の平均値(以後、「動作寿命平均値」と呼ぶ)を計算するため(段階210)、プロセッサ128により、間隔期間のより前の動作寿命(以後、「以前の動作期間」と呼ぶ)にわたる動作状態の平均値についてのデータがメモリ136に存在しているかどうか判定する。模範的な実施形態では、データは、以前の動作期間中の動作状態の平均値(以後、「以前の動作状態平均値」と呼ぶ)、並びに以前の動作期間の持続時間(以後、「以前の動作持続時間」と呼ぶ)を含む。以前の動作期間についてデータが存在していない場合、プロセッサ128により、動作寿命平均値を、間隔期間中の動作状態の平均値に等しいと設定する。しかしながら、以前の動作期間についてデータが存在している場合、プロセッサ128で、メモリ136から以前の動作状態平均値及び以前の動作持続時間を受け取って、以前の動作状態平均値と以前の動作持続時間とを乗算することによって動作状態についての以前の累算状態値を計算する。
【0030】
次に、プロセッサ128により、間隔平均値と間隔持続時間とを乗算することによって間隔累算状態値を計算する。またプロセッサ128により、以前の動作持続時間と間隔持続時間とを加算することによって動作寿命持続時間を計算する。間隔累算状態値と以前の累算状態値とを加算し、その和を動作寿命持続時間によって除算して、動作状態の動作寿命平均値を求める。模範的な実施形態では、動作寿命平均値及び動作寿命持続時間はメモリ136に保存される。更に、プロセッサ128により、以前の動作状態平均値を動作寿命平均値に等しくなるように設定し又は更新し、また以前の動作持続時間を、将来の計算に用いるために動作寿命持続時間等しくなるように設定し又は更新する。
【0031】
代替の実施形態では、プロセッサ128により、コンポーネントが複数の所定の温度(又は動作状態)範囲の各々の範囲内で動作していた時間の長さに基づいて、動作寿命平均値を計算する(段階210)。例えば、プロセッサ128により、コンポーネントの温度が各々の温度範囲(例えば、11〜20℃、21〜30℃、31〜40℃、など)内にある時間の長さを決定し、且つ各々の温度範囲内の温度について平均値(例えば、31〜40℃の温度範囲では35.5の値、また21〜30℃の温度範囲では25.5の値)を計算する。プロセッサ128により、各々の温度範囲の平均値と、コンポーネントの温度が各々の温度範囲内にある時間の長さとを用いて、動作状態の動作寿命平均値を計算する。
【0032】
一実施形態では、プロセッサ128により、温度範囲に対して重みの値を選択し適用して、温度が各々の温度範囲内にある時間の長さに、各々の温度範囲に関連した重み値を乗算するようにする。重み値は、正常な、すなわち、ベースラインの動作温度閾値に対して相対的に高い又は低い温度でコンポーネントを動作する効果を表す。例えば、正常な動作温度閾値が約30℃である場合、30℃よりも高い温度で動作すると、コンポーネントに余分な応力を生じさせて、コンポーネントの動作寿命を短くすることがある。従って、一実施形態では、プロセッサ128により、温度が41〜50℃の温度範囲内にある時間に対して1.2の重み値を適用し、また温度が51〜60℃の温度範囲内にある時間に対して1.4重み値を適用することができる。この代わりに、重み値及び/又は温度範囲は、配電システム104を本書で述べるように機能させることのできる任意の値及び/又は範囲にすることができる。
【0033】
プロセッサ128により動作状態の動作寿命平均値を計算した(段階210)後、プロセッサ128で、(メモリ136のような)メモリからコンポーネントについての予想寿命データを受け取る(段階212)。模範的な実施形態では、コンポーネントについての予想寿命データ(これはまた、「予想コンポーネント寿命」とも呼ぶ)は、コンポーネントが故障するまで所定の値の動作状態で動作し続けると予想されるアワー(hour)(又は別の時間単位)の数を含む。例えば、予想寿命データは、トリップ機構132が故障するまでに約摂氏30度(℃)の温度で約262000時間にわたって動作すると予想されることを指示することがある。模範的な実施形態では、予想寿命データはユーザーから(すなわち、ユーザー入力装置120から)及び/又はメモリ136に結合された別のシステム又は装置から得られ、また予想寿命データはメモリ136内のテーブル又は別のデータ構造に保存される。更に、予想寿命データは複数のコンポーネント動作温度と関連付けられる。より具体的に述べると、各々のコンポーネント動作温度は、その温度についての予想コンポーネント寿命と相関している(すなわち、コンポーネントは、当該温度に関連した予想コンポーネント寿命に等しいアワー数にわたって当該温度で動作すると予想される)。一実施形態では、予想寿命データは、ベルコア(Bellcore)予測モデルのようなコンポーネント信頼性モデルから求められ又は補間される。
【0034】
次いで、プロセッサ128により、コンポーネントの動作寿命平均値及び予想寿命データに基づいて、コンポーネントの予想残存実用寿命のようなステータスを計算する(段階214)。この代わりに、ステータスは、電気コンタクトの残存厚さ、コンポーネントの温度又は他の動作状態の正常な動作範囲又は推奨動作範囲、コンポーネントの動作状態が正常な動作範囲及び/又は推奨動作範囲の外にあることの通知又は警告、保守問題の同定、コンポーネントの動作モード又は状態の変化の同定、並びに/又はコンポーネントの任意の他のステータス表示又は値とすることができる。模範的な実施形態では、プロセッサ128が、メモリ136から動作寿命平均値に関連した予想コンポーネント寿命を受け取る。一実施形態では、予想コンポーネント寿命は、動作寿命平均値に最も近い、メモリ136内に保存されていた温度値から補間される。プロセッサ128により、コンポーネントについての動作寿命持続時間を予想コンポーネント寿命から減算して、コンポーネントの残存実用寿命を計算又は決定する。次いで、プロセッサ128により、コンポーネントの残存実用寿命が所定の閾値以下であるかどうか判定する(段階216)。一実施形態では、所定の閾値は、コンポーネントの予想コンポーネント寿命の約10パーセントに等しい。この代わりに、所定の閾値は、配電システム104を本書で述べるように機能させ得る任意の他のアワー数である。
【0035】
残存実用寿命が所定の閾値以下でない場合、方法200は、前に述べたようにコンポーネントの動作状態を測定する段階202へ戻る。しかしながら、残存実用寿命が所定の閾値以下である場合、プロセッサ128により、ユーザーへ警告又は通知を出す(段階218)。模範的な実施形態では、警告は、表示装置138の1つ以上のLED又は他のコンポーネントを作動して、コンポーネントの残存実用寿命が閾値以下に減少したことを視覚的に表示することを含む。この代わりに又はこれに加えて、警告は、(例えば、中央通信ユニット116を介して)ユーザーへデータ信号又はメッセージを送信すること、保守要求を出すこと、可聴警報又はノイズを発生すること、表示装置138上のテキスト及び/又は図形の表示を変更すること、並びに/又は任意の他の警告又は通知を含む。一実施形態では、プロセッサ128により、トリップ機構132をトリップ又は作動して、警告を出す前に、又は出した後に、又は実質的に出している間に、電流が負荷124へ供給されないようにする。
【0036】
更に、プロセッサ128により、随意選択によって、コンポーネントの残存実用寿命を延長又は増大させる1つ以上の行為を実施する(段階220)。例えば、測定温度が約90℃のような第1の閾値を超えたとき、回路保護装置122がトリップ機構132をトリップ又は作動するように構成設定されている場合、プロセッサ128は、測定温度が約70℃のような第2の相対的に低い閾値を超えたとき、トリップ機構132をトリップ又は作動するように回路保護装置122を構成設定することができる。従って、プロセッサ128により、トリップ機構132の残存実用寿命が残存実用寿命閾値よりも小さい場合はトリップ機構132のトリップ閾値を調節することができる。これに加えて又はこの代わりに、回路保護装置122が第1の所定のトリップ時間曲線に従ってトリップ又は作動するように構成設定されている場合、プロセッサ128は、回路保護装置122に第1のトリップ時間曲線よりも一層急速にトリップ又は作動を生じさせる第2の所定のトリップ時間曲線を選択するように構成することができる。その結果、回路保護装置122及びトリップ機構132を通る電流量を低減することができ、従って、回路保護装置122内で発生される熱量を低減することができる。コンポーネントの動作寿命は少なくとも部分的にコンポーネントの動作温度に左右されることがあるので、回路保護装置122内の温度を下げることは、トリップ機構132の運転寿命を増大させることができる。段階220で1つ以上の行為を実施した後、方法200はコンポーネントの動作状態を測定する段階202へ戻ることができる。
【0037】
本書で述べた方法、装置及びシステムの技術的効果は、(a)コンポーネントの動作状態を測定すること、(b)コンポーネントの動作状態を表す値をメモリに保存すること、(c)保存された値に基づいて第1の期間中のコンポーネントの動作状態の第1の値を計算すること、(d)第1の値を用いて第2の期間中のコンポーネントの動作状態の第2の値を計算すること、及び(e)第2の値を用いてコンポーネントの残存実用寿命の長さを決定すること、の内の1つ以上を含むことができる。
【0038】
これまで、コンポーネントを監視するための方法、装置及びシステムの模範的な実施形態を詳しく説明した。これらの方法、装置及びシステムは本書に述べた特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ方法の動作及び/又はシステム及び/又は装置のコンポーネントは、本書で述べた他の動作及び/又はコンポーネントとは独立に且つ別々に利用することができる。更に、記述した動作及び/又はコンポーネントはまた、他のシステム、方法及び/又は装置において定義し、或いはそれらと組み合わせて使用することができ、且つ本書で述べたようなシステム、方法及び装置のみで実施することに制限されない。
【0039】
本発明を模範的な回路保護システムに関連して説明したが、本発明の様々な実施形態は、様々な他の回路保護システム、或いは他のシステム又は装置にも使用できる。本書で述べた回路保護システムは、本発明の任意の面の使用及び機能の範囲に関して何らの制限を示唆しているものではない。更に、本書で述べた回路保護システムは、模範的な動作環境において例示した様々なコンポーネントの任意の1つ又は組み合わせに関して何らかの従属性又は要件を持つものと解釈すべきではない。
【0040】
本発明の実施形態における様々な動作の実行又は遂行順序は、特に明記していない限り、不可欠なものではない。すなわち、それらの動作は、特に明記していない限り、任意の順序で遂行することができ、また本発明の実施形態は、本書に述べたものよりも多数の動作又は少数の動作を含むことができる。例えば、特定の動作を、別の動作の前に又はそれと同時に又その後に実行又は遂行することは本発明の様々な面の範囲内にあるものと考えられる。
【0041】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴を幾つかの図面に示し且つ他の図面に示していないが、これは便宜のために過ぎない。本発明の原理によれば、一図面の任意の特徴を任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて引用し及び/又は特許請求することができる。
【0042】
本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施することができるようにするために、様々な例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0043】
100 電力システム
102 保護システム
104 配電システム
106 開閉装置ユニット
108 中央制御装置
110 プロセッサ
112 メモリ
114 ネットワーク
116 中央通信ユニット
118 表示装置
120 ユーザー入力装置
122 回路保護装置
124 負荷
126 主給電線
127 分岐回路
128 プロセッサ
130 センサ
132 トリップ機構
134 通信ユニット
136 メモリ
138 表示装置
200 方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネントの動作状態に関する信号を供給するような構成されているセンサ(130)と、
前記動作状態を表す値を保存するためのメモリ(136)と、
前記センサに及び前記メモリに結合されたプロセッサ(128)であって、前記保存された値に基づいて第1の期間中の前記動作状態の第1の値を計算し、前記第1の値を用いて第2の期間中の前記動作状態の第2の値を計算し、次いで前記第2の値を用いて前記コンポーネントのステータスを決定するようにプログラムされているプロセッサ(128)と、
を有するシステム(100)。
【請求項2】
前記第1の値は、前記第1の期間中の前記動作状態の平均値、移動平均、最頻値、中央値、値域、及び標準偏差の内の1つである、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記第2の値は、前記第2の期間中の前記動作状態の平均値、移動平均、最頻値、中央値、値域、及び標準偏差の内の1つである、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記プロセッサ(128)は、前記コンポーネントの動作寿命にわたって前記コンポーネントの前記動作状態の前記第2の値を計算するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記プロセッサ(128)は、前記第2の値に基づいた前記コンポーネントの予想寿命を受け取り、次いで前記コンポーネントの前記予想寿命から前記動作寿命の持続時間を減算することによって、前記コンポーネントの前記ステータスを決定するようにプログラムされている、請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記プロセッサ(128)は、前記コンポーネントの前記ステータスを前記コンポーネントの残存実用寿命であるとして決定するようにプログラムされている、請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記プロセッサ(128)は更に、前記残存実用寿命が閾値よりも小さい場合は通知を出すようにプログラムされている、請求項6に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記閾値は前記コンポーネントの前記予想寿命に基づいて定められる、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記プロセッサ(128)は更に、前記残存実用寿命が閾値よりも小さい場合に前記コンポーネントの前記残存実用寿命を延長する行為を実施するようにプログラムされている、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記行為は、前記コンポーネントを通って流れる電流量を低減すること、前記コンポーネントの温度を低減すること、及び前記コンポーネントに近接する空気の湿度を低減することの内の1つを含んでいる、請求項9に記載のシステム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−65556(P2013−65556A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198141(P2012−198141)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】