説明

コンロ付厨房装置

【課題】カウンターの上面と下方空間にそれぞれ別体のコンロと家事調理機器とが設けられても、コンロと家事調理機器両方の操作がし易いコンロ付厨房装置を提供する。
【解決手段】カウンターが載置されてなる調理台と、前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、前記コンロ本体に対して遠隔制御可能であり、前記コンロの操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前コンロ操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に、設置と非設置が選択自在となるように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロおよびコンロ以外の調理や家事を用途とする機器が組み込まれた厨房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンロが組み込まれたコンロ付厨房装置が利用されている。
【0003】
コンロ付厨房装置は、図12に示すように、キャビネット1上面のカウンター2に形成された開口にコンロ4の本体が嵌め込まれ、コンロ天板41がカウンター2上面に露出するよう組み込み設置される。
【0004】
また、コンロ4の操作や運転動作表示は、コンロ天板41に形成された発熱体43の手前に設けられた静電容量検知式タッチスイッチや液晶表示盤等で構成されたコンロ天板操作部42により行われるように構成されている。
【0005】
キャビネット1の内部もしくはカウンター2の下方の空間には、コンロ4以外に、例えば、オーブン電子レンジ等のコンロ4以外の加熱調理機器や、食器洗浄機等の家事を行う機器が設けられている。以下、上記のカウンター2の下方空間に設けられるコンロ4以外の加熱調理機器や食器洗浄機等を総称して、家事調理機器5とする。
【0006】
一般的に家庭用の厨房装置は、カウンター2上面に、図示しないシンク(水槽)とコンロ天板41および調理作業領域が配置され、カウンター2の下方空間には物品収納部、コンロ天板41と一体的に構成されるコンロ本体、コンロ4以外の加熱調理機器としてオーブンなどの家事調理機器5が、通常コンロ4の下側に配置される。
【0007】
この場合、カウンター2上面のコンロ4と、カウンター2の下方空間の家事調理機器5とが、上下関係を有して離れて設けられ、家事調理機器5に設けられた操作部56は、カウンター2の上面より離れた下方に位置することになる。このため、家事調理機器5の操作毎に低姿勢をとる動作が必要となる。
【0008】
一方、コンロ天板操作部42は、カウンター2上面に設けられており、使用者のカウンター2上面からの操作性は優れた構造となっているが、コンロ4と家事調理機器5のそれぞれの操作取り扱いの調和性にあっては、カウンター2の前方に立つ調理作業者にとって不十分なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−327523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、カウンターの上面と下方空間にそれぞれ別体のコンロと家事調理機器とが設けられても、コンロと家事調理機器両方の操作がし易いコンロ付厨房装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のコンロ付厨房装置は、以下のような構成とする。
【0012】
カウンターが載置されてなる調理台と、前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、前記コンロ本体に対して遠隔制御可能であり、前記コンロの操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前コンロ操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に、設置と非設置が選択自在となるように設けられることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【0013】
また本発明のコンロ付厨房装置は、カウンターが載置されてなる調理台と、前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、前記コンロが設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器と、を備え、前記家事調理機器に対して遠隔制御可能であり、前記家事調理機器の操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前家事調理機器操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に設けられることを特徴とする。
【0014】
また本発明のコンロ付厨房装置は、カウンターが載置されてなる調理台と、前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、前記コンロが設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器と、を備え、前記コンロ本体に対して遠隔制御可能であり、前記コンロの操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前コンロ操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に、設置と非設置が選択自在となるように設けられ、前記家事調理機器に対して遠隔制御可能であり、前記家事調理機器の操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前家事調理機器操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に設けられることを特徴とする。
【0015】
また、前記カウンター前コンロ操作部が、前記コンロと電気的に信号接続された状態で、前記コンロ天板操作部が有する前記機能の一部または全てを前記カウンター前コンロ操作部へ移行し、前記カウンター前コンロ操作部と前記コンロ天板操作部によって、前記コンロを運転駆動可能とすることが好ましい。
【0016】
また、前記カウンター前コンロ操作部と前記カウンター前家事調理機器操作部は、操作入力部と表示報知部とを備え、前記コンロおよび前記家事調理機器はそれぞれ、前記操作入力部と前記表示報知部に電気的に信号接続される操作制御部と駆動部と駆動制御部と、前記操作制御部同士を電気的に信号連携する連動接続部と、を備え、前記連動接続部を介して、前記コンロおよび前記家事調理機器のうちの一方となる第一の機器の操作入力信号情報を、他方となる第二の機器の前記操作制御部に送り、さらに第二の機器の前記駆動制御部に動作出力信号情報を送ることで、第二の機器を駆動させることが好ましい。
【0017】
また、前記家事調理機器は、前面に前記カウンター前家事調理機器操作部が前方に露出するように着脱自在に取り付け可能な操作部取付部が設けられていることが好ましい。
【0018】
また、前記カウンターの前記前端と前記コンロ天板の前端との間に、手前調理作業スペースが形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、カウンターの上面と下方空間にそれぞれ別体のコンロと家事調理機器とが設けられても、コンロと家事調理機器両方の操作がし易い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のコンロ付厨房装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】同上におけるコンロ天板の平面図である。
【図3】同上におけるコンロ付厨房装置の断面図である。
【図4】同上における操作ユニットが異なる実施形態の断面図である。
【図5】同上における操作ユニットを示し、(a)は斜視図であり、(b)は分解斜視図である。
【図6】同上におけるカウンター前コンロ操作部とカウンター前家事調理機器操作部の平面図である。
【図7】(a)は同上におけるユニットケースへの操作部の収納を説明する断面図であり、(b)は電気接点の接続を説明する拡大断面図である。
【図8】同上におけるコンロ及び家事調理機器の制御系統ブロック図である。
【図9】第2の実施形態を示し、(a)は第一の操作部と第二の操作部の平面図であり、(b)はユニットケースへの操作部の収納を説明する断面図である。
【図10】同上におけるコンロ及び家事調理機器の制御系統ブロック図である。
【図11】第4の実施形態のコンロ付厨房装置の斜視図である。
【図12】従来のコンロ付厨房装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図8に基づいて説明する。
【0022】
本実施形態のコンロ付厨房装置は、図1に示すように、厨房室の床に設置されるキャビネット1と、キャビネット1の上面に設置されるカウンター2と、からなる調理台3と、この調理台3に組込設置されるコンロ4および家事調理機器5によって構成されている。
【0023】
調理台3には、コンロ4および家事調理機器5、これらとは別体に構成され、カウンター2の手前端(前端21)に配置され、コンロ4および家事調理機器5の操作に用いられるカウンター前コンロ操作部6およびカウンター前家事調理機器操作部7が設けられる。カウンター前コンロ操作部6およびカウンター前家事調理機器操作部7は、架台となる後述する操作ユニット8に設けられる。
【0024】
キャビネット1は、前面および上面が開放されて矩形箱体状に形成され、前面側には、前板11a等のキャビネット1の前面化粧部11が設けられる。
【0025】
前面化粧部11は、前板11aと、キャビネット1に前後方向に出し入れ自在に収納した引出の前板部11bと、キャビネット1の前面を開閉自在に閉塞する扉(不図示)が組み合わされて構成される。
【0026】
また、キャビネット1内の上部空間は、カウンター2の上面から下方にかけて組み込まれるコンロ4の収容空間として用いられる。
【0027】
カウンター2は、平面視で矩形板状に形成され、コンロ4を嵌め込み収容する矩形状の開口(不図示)を有して、上記キャビネット1の上部空間を覆うように、キャビネット1の上面に載置されて設置される。
【0028】
コンロ4は、図1、図3に示すように、カウンター2の開口に嵌め込まれるコンロ本体40と、カウンター2の開口を覆ってカウンター2の上面に露出するコンロ天板41と、前記のコンロ天板41に一体的に形成されたコンロ4の操作および運転動作状態の表示報知を行うコンロ天板操作部42、コンロ天板41面に露出する発熱体43、およびカウンター2の前縁直下に正面手前に向けて配設されてカウンター2の前操作部22を形成するコンロ4のカウンター前コンロ操作部6とで構成される。
【0029】
コンロ天板41は、例えば、ガラス板などを用いて形成されたプレート状に構成される。
【0030】
コンロ本体40は、コンロ4の上方に開口する外殻となるケーシング40aが、コンロ天板41の下方に一体的に懸架され、前記ケーシング40a内には、コンロ天板41表面に臨んで、図8に示すように、複数の電磁誘導加熱(IH)手段を用いた発熱体43を含むコンロ4の駆動部45と、およびマイクロコンピュータ等の電気回路で構成された該駆動部の駆動制御部44とが設けられる。
【0031】
本実施形態では、駆動部45としての発熱体43に電磁誘導加熱(IH)手段が用いられるが、ガス燃焼バーナーや電気発熱ヒーター、あるいはこれらの複合組み合せであってもよい。
【0032】
また、本実施形態では2つの発熱体43が横方向に並列配置されたコンロ4であるが、発熱体43の個数や配置等は、これに限定されない。
【0033】
コンロ天板41は、カウンター2の開口を覆って、カウンター2の上面に載置され、コンロ天板41の厚み分のみ露出して、カウンター2の上面より突設されており、これが一般的である。なお、コンロ天板41は、この厚み分を含めて、カウンター2の開口に完全に埋設され、コンロ天板41の上面と、カウンター2の上面が、ほぼ同じ高さ位置関係を備えるものであってもよい。
【0034】
コンロ4は、図3に示すように、カウンター2の前端21から所定の間隔Sを有して、カウンター2の奥方に後退した位置に配置されている。
【0035】
ここで、前記所定の間隔Sは、カウンター2の上面におけるコンロ天板41の前端からカウンター2の前端にかけての領域部分とされる。そして、この前端21から所定の間隔Sの領域は、鍋や皿、調理食材の仮置き場所、あるいは鍋の取っ手がカウンター前端から突出しないこと等を目的効果として、調理を行うときの手前調理作業スペース20として利用できる寸法に設定される。この手前調理作業スペース20は、例えば10〜25cmの範囲で設定されるのが好ましい。
【0036】
本実施形態では、コンロ4の発熱体43を横一列配置とすることで、キッチン全体の奥行き寸法が建築等からの制限を受けることに対して、有効に手前調理作業スペース20を形成することができる。
【0037】
コンロ4の操作部および動作状態の表示報知部の1つ目として、コンロ天板41の発熱体43の手前側であって、コンロ天板41の前端寄りにコンロ天板操作部42が配置され、このコンロ天板操作部42によってコンロ4は単独個体で操作運転可能なものとしている。
【0038】
コンロ天板操作部42は、図2に示すように左右の各発熱体43の手前に、主操作入力部4bとして、左右の各発熱体43に対応する運転設定の操作入力を行なうための静電容量検知方式のタッチスイッチ機構がコンロ天板41のガラス面に装着され、コンロ4の運転状態の主表示報知部4cとなるランプや液晶表示盤が、各々ガラス裏面(下面)に備えた表示装置からガラス面を透過して視認可能なように構成されており、後述のカウンター前コンロ操作部6を設けず、コンロ4のみ単独設置使用する状態では、コンロ天板操作部42のみによって、コンロ4の操作運転および運転状態の表示報知が行なえる。
【0039】
コンロ4の主操作入力部4bとしては、図2に示すように、コンロ4の発熱体43の手前に、コンロ4の電源入/切ボタン4b1、各発熱体の加熱入/切ボタン4b2、各発熱体の火力調節ボタン4b3、自動調理等のメニューを選択して設定するメニュー設定ボタン4b4、温度/時間設定ボタン4b5が備えられる。
【0040】
コンロ4の主表示報知部4cとしては、前記の各ボタンと同体で構成された電源入/切ランプ4c1、各発熱体の手前に備えた加熱入/切および火力量を示す火力表示ランプ4c2、火力表示ランプ4c2の手前で、各種の設定状態を示す液晶表示盤4c3、およびこれらの表示を補完してコンロ4に内蔵された警報ブザーや音声スピーカー(不図示)が備えられる。
【0041】
また、運転状態の注意や機器自体の異常を表示報知する場合は、前記各種の視覚表示や聴覚音声報知を組み合せて行なわれる。
【0042】
なお、コンロ天板操作部42を構成する静電容量検知方式のタッチスイッチは、コンロ天板41の上面を完全にフラットに形成することが可能となり、コンロ4の加熱調理面用としては好適なものであるが、押しボタン式スイッチやダイヤル等であってもよい。
【0043】
図8に示すように、コンロ天板操作部42の主操作入力部4bからの入力信号は、マイクロコンピュター等により電気回路構成されコンロ4に備えた主操作制御部4aに送られる。
【0044】
さらに、主操作制御部4aから駆動制御部44に対して、加熱動作に関する制御信号が送られて駆動部45(発熱体43)を駆動させるとともに、駆動制御部44からは、駆動動作状態の応答信号が主操作制御部4aへ送られて、主表示報知部4cへ信号出力されることで、ランプや液晶盤あるはブザー等で表示報知を行う。
【0045】
また、コンロ4に対して、コンロ本体40もしくはコンロ天板操作部42とは別体となるカウンター前コンロ操作部6すなわちコンロ4の副操作制御部60(詳細後述)を設けている。
【0046】
さらに、前記の主操作制御部4aとコンロ4のカウンター前コンロ操作部6の間を、電気的に信号接続開放自在とするコンロ4の主副接続部64およびその電気接点(不図示)を備える。
【0047】
コンロ4の操作部および表示報知部の2つ目として、本実施形態では、カウンター前コンロ操作部6を備えて、前記のコンロ天板操作部42と電気制御的に連動して、コンロ4を操作し運転状態の表示報知ができるように構成されている。
【0048】
前記カウンター前コンロ操作部6は、コンロ本体40あるいはコンロ天板41とは別体の遠隔操作部として、コンロ本体40の前方に配置して、調理台3のキャビネット1の最上部手前側に設けられ架台となる操作ユニット8に組込収容されて、カウンター2の前端21直下の位置に配設される。
【0049】
また、このカウンター前コンロ操作部6は、コンロ4の主副接続部64を介して、コンロ4の主操作制御部4aと電気的に信号接続可能なように構成され、コンロ4の副操作部(カウンター前コンロ操作部6のことであり、以下、同一符号を付して「副操作部6」とする)として制御連携動作する。
【0050】
なお、コンロ4の副操作部6に備わる副操作制御部60、副操作入力部61、副表示報知部62の詳細については後述する。
【0051】
前述のようにコンロ4の手前調理作業スペース20を設けた場合、コンロ天板41に主操作入力部4bの操作スイッチや主表示報知部4c(ランプ、液晶表示盤)があると、必然的に、これら操作スイッチの取り扱いや表示報知の認知がし辛いなどの課題が生じる。
【0052】
ここで、コンロ天板操作部42とカウンター前コンロ操作部6を電気的に接続し、主となる操作や表示をカウンター前コンロ操作部6で行い、残りの一部の操作や表示をコンロ天板操作部42で副次的に行うことで、前記の手前調理作業スペース20を最大限活用しながら、コンロ4での調理作業性を高めることができる。
【0053】
次に、家事調理機器5は、コンロ4とは別の単独機器で、コンロ4よりも下方の空間位置に設けられ、例えばオーブン電子レンジや食器洗浄機といったコンロ4以外の加熱調理目的、あるいは調理清掃片付け目的の機器であり、本実施形態ではオーブン電子レンジとする。
【0054】
家事調理機器5は、図3に示すように、本体50と、カウンター2の前端直下に組み込まれるカウンター前家事調理機器操作部7とで構成される。
【0055】
さらに、本実施形態では、前記カウンター前家事調理機器操作部7は、本体50の上部、およびカウンター2の前操作部22のいずれもの位置へも任意に着脱自在に組込み設置可能となることを特徴とする。
【0056】
本体50は、食品の加熱庫51と、加熱庫51の前面側に形成された開口52と、該開口52を開閉自在に閉塞するドア53で構成される。
【0057】
さらに、図8に示すように、マイクロコンピュータ等の電気回路で構成された駆動制御部54、高周波発振装置やヒーター等の加熱出力手段となる駆動部55を本体50内に備える。図1、図3に示すように、本体50の上部前面には、カウンター前家事調理機器操作部7を着脱自在に組み込み格納する操作部取付部57を備えた独立の単一筐体として構成される。操作部取付部57は、本体50の前面の開口52の上に位置し、前方に開口する凹所として形成される
カウンター前家事調理機器操作部7は、図8に示すように、操作制御部70、操作入力部71、表示報知部72を内部に備え、加熱/停止、調理機能の設定/解除スイッチ等や、運転選択状態を表示報知するランプやブザー等を組み込んで、単一の箱体筐体状の操作器ケース7cに組立構成される。なお、操作制御部70、操作入力部71、表示報知部72の詳細は後述する。
【0058】
単一箱体の操作器ケース7cからなるカウンター前家事調理機器操作部7は、凹所(操作部取付部57)に前面側から着脱自在に嵌め込み装着することができ、装着時の保持ロックおよび開放離脱時のリリース機構(不図示)を操作部取付部57および操作器ケース7cに有している。
【0059】
さらに、図3、図8に示すように、操作部取付部57内には、家事調理機器5の操作制御部70と、家事調理機器5の駆動制御部54とを着脱自在に電気的に信号接続可能であって、接続機構的に凸設係合部となる操作部連結部59を備える。
【0060】
一方、カウンター前家事調理機器操作部7(操作器ケース7c)には、図7に示すように、前記の操作部取付部57に凸設した操作部連結部59に相対係合するように凹設した連動接続部73(詳細後述)とこれに内蔵された電気接点(接続端子)73aによって、前記の操作部連結部59に備わる電気接点59aとの間で、接続分離が自在となる電気的信号接続構造が構成されている。
【0061】
これによって、前述の単一筐体に形成されたカウンター前家事調理機器操作部7(操作器ケース7c)が、操作部取付部57に装着された状態では、構造的に操作部取付部57の操作部連結部59とカウンター前家事調理機器操作部7の連動接続部73が接合状態を成す。
【0062】
これで、家事調理機器5の操作制御部70と駆動制御部54は、電気的に信号接続され、家事調理機器5の運転が可能となり、つまり、家事調理機器5は、単独で運転使用可能となる。
【0063】
一方、カウンター前家事調理機器操作部7(操作器ケース7c)を、操作部取付部57から取り外して、本体50とは別体の遠隔式として、前記の操作ユニット8に組み込んで、カウンターの前操作部22として、カウンター2の前端直下の位置に配設することができる。
【0064】
これにより、カウンター前家事調理機器操作部7を本体50に取り付けて使用すること、カウンター前家事調理機器操作部7を本体50から取り外して使用することの両方について、構造的な着脱と、電気的接続開放の双方が単一の取り扱いで行なえる。
【0065】
なお、前記の操作部連結部59と前記の連動接続部73については、前述のような凹凸接続部形状であることに限定されず、一般的なワイヤーハーネスと接続自在なコネクターが操作部と本体50に備えられたものであってもよい。
【0066】
さらに、カウンター前家事調理機器操作部7を本体50から取り外し、カウンター2の前操作部22に移設して使用する場合、操作部取付部57に、取り外された部分の開口を前面側から覆う化粧板58を取り付けて、不要となる開口を閉塞して、本体50の前面の一部として構成し、外観正面視の見栄えを良くするようにしている。
【0067】
なお、カウンター前家事調理機器操作部7を操作部取付部57に装着した形態では、家事調理機器5は、単独機器として、コンロ4下方の位置に制限されず、カウンター2の下方空間の任意位置に組み込み設置使用可能である。
【0068】
また、本実施形態では、家事調理機器5を電気熱源によるオーブン電子レンジとしたが、ガス等の燃焼熱源によるオーブングリルなどであっても構わない。
【0069】
カウンター前コンロ操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7の架台となる操作ユニット8は、図5(a)(b)に示すように、コンロ本体40の前方で、カウンター2の前端側の下方に位置し、カウンター前コンロ操作部6とカウンター前家事調理機器操作部7、あるいはその他レンジフード等のコンロや家事調理機器以外の厨房用機器(不図示)の操作部(不図示)を、それぞれ収納するユニットケース80と、キャビネット1本体に設けられる基台12と、ユニットケース80に設けられるローラーユニット85、および基台12に設けられるレール15とで構成される。
【0070】
ユニットケース80は、上方および左右方向に開口する金属材料からなる押出型材(本実施形態では、アルミ押出材)よりなるケース本体82と、前記ケースの左右開口をそれぞれ閉塞する一対の合成樹脂製のエンドキャップ83と、で構成され、ケース本体82は、左右方向を長手方向とする長尺の底面板82aを有しており、底面板82aの左右両端部それぞれには、エンドキャップ83が固定ねじ83aにより取り付けられる。
【0071】
キャビネット1本体に設けられるユニットケース80を前後動作させるにあたって固定側となる基台12は、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成され、前面板13がキャビネット1の前板11aの背面に沿うように、カウンター2の前端21の下方に立設されている。
【0072】
基台12の左右両端部それぞれには、金属製のレール支持脚14が立設されると共に、各レール支持脚14の上部にレール15が設けられる。
【0073】
レール15は、正断面で内側方に開口するU字状に形成されており、その内部に、ユニットケース80に設けられるローラーユニット85が収納される。
【0074】
ローラーユニット85は、正断面L字状(前後方向に直交する面内における断面がL字状)に形成される金属製のブラケット86に、ローラー取付部87と、ローラー取付部87の前端21より前方に延出されるエンドキャップ固定部88とが形成され、縦板部をエンドキャップ83に取付ねじ86aでねじ止めすることでケース本体82に取り付けられる。
【0075】
ローラー取付部87の縦片の外側面には、前後2箇所に、左右軸回りに回転自在なローラー89が取り付けられている。なお、左右軸回りとは、回転中心軸方向が左右方向と平行であることをいう。
【0076】
ローラーユニット85の2個のローラー89は、レール15との摺動嵌合をなし、ローラーユニット85がレール15に対して前後方向に移動自在となる。
【0077】
また、操作ユニット8は、前後スライド自在であるユニットケース80を後方の格納位置において係脱自在に係止する係止手段を備えている。この係止手段は、ユニットケース80を格納位置から若干後方に押し込むことでユニットケース80の係止を解除できる。
【0078】
具体的には図5(b)に示すように、係止手段は、ラッチ16と、ラッチ16に係脱自在に係止される先端が膨大部となるストライカ84とで構成されている。
【0079】
ラッチ16は、基台12の左右方向における中央部に設けられ、ストライカ84は、ラッチ16と前後方向で対向するようにユニットケース80に設けられている。
【0080】
上記のようなユニットケース80に、カウンター前コンロ操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7が収納されることで、前後に出没自在なカウンター前端直下の操作部すなわちカウンター2の前操作部22が形成される。
【0081】
なお、ユニットケース80は、上述したような水平方向の直線移動動作式の形態に限定されるものではなく、例えば図4に示すように、カウンター2の前端21直下の前板11aの一部が、その下端側が回転軸となり上端側が前方に回動されて開かれる、所謂カンガルーポケット800のようなものでもよい。
【0082】
また、ユニットケース80は、カウンター2の前端21の直下において前方に突出する固定式、すなわちカウンター2下方内への格納が不可能な構成であってもよい。
【0083】
コンロ4のカウンター2の前操作部22を構成するカウンター前コンロ操作部すなわちコンロ4の副操作部6は、図8に示すように、ボタンやボリューム等からなる副操作入力部61と、液晶表示盤やランプ、ブザー等からなる副表示報知部62と、マイクロコンピュータ等からなり、コンロ4の主操作制御部4aと電気的に信号接続されるコンロ4の副操作制御部60と、家事調理機器5の操作制御部70と機構的および電気回路的に連結開放自在に接続可能な連動接続部63を備える。さらに前記の副操作制御部60とコンロ4の主操作制御部4aとの間で電気的に信号接続可能とする主副接続部64を備え、上面が操作使用面となる単一の独立した操作器ケース6cに収納される。
【0084】
コンロ4の副操作入力部61としては、図6に示すように、各発熱体43の加熱入/切と火力調節を行うボリュームダイアル61a、一方の発熱体43について自動調理制御が可能な「湯沸かし」ボタン61b、「揚げ物加熱」ボタン61c、「タイマー加熱」ボタン61dの各選択ボタン、換気扇の運転入/切ボタン61z、および前記の「揚げ物」「タイマー」メニューに対して行なわれる設定値加減式の温度/時間設定ボタン61eから構成されている。
【0085】
また、コンロ4の副表示報知部62としては、前記のボリュームダイアル61a、「湯沸かし」61b、「揚げ物加熱」61c、「タイマー加熱」61dの各選択および換気扇の運転入/切ボタン61zと同体となる各々のランプ表示62a、62b、62c、62d、62zと、副操作部6に内蔵されたブザースピーカー(不図示)を備え、それぞれの入力操作の受付あるいは運転動作状態を、視聴覚によって表示報知している。
【0086】
本実施形態においては、図2、図6、図8に示すように、コンロ天板操作部42と、コンロ4の副操作部6が設けられ、それぞれの操作部間と駆動制御部44との間で制御信号が応答可能な回路を形成する。
【0087】
前述の主副接続部64を介して、電気的に信号接続された状態であることを、主操作制御部4aと副操作制御部60の両方が認識すると、自動的にコンロ天板操作部42の主操作入力部4bおよび主表示報知部4cの一部が受付および表示報知できなくなり、替わりにカウンター2の前操作部22の副操作入力部61および副表示報知部62へ機能移管される。
【0088】
具体的には、図2に示すように、操作入力機能については、コンロ天板操作部42にある各発熱体の加熱入/切ボタン4b2、各発熱体の火力調節ボタン4b3、同じく自動調理等のメニュー設定ボタン4b4、温度やタイマーの温度/時間設定ボタン4b5に対して、操作入力を受付できなくする。
【0089】
ここで、各発熱体43の手前に備えた加熱入/切および火力量を示す火力表示ランプ4c2、液晶表示盤4c3、およびこれらの視認表示手段を補完するものしての内蔵警報ブザーや音声スピーカー(不図示)については、コンロ4の副操作部6における副操作入力内容を表示報知する手段として、機能が残るように電気的に制御される。
【0090】
特に、コンロ調理を行う上で、安全注意を表示報知する場合にあっては、コンロ天板操作部42にて表示報知される方が、使用者にとって知覚認知性が高く、好適である。
【0091】
これにより、手前調理作業スペース20を用いて調理作業を行なうに当り、前記手前調理作業スペース20よりもさらに奥にあるコンロ天板操作部42をわざわざ操作する不便さを解消している。
【0092】
本実施形態では、コンロ4の副操作部6には、前記の各発熱体の手前に備えた加熱入/切および火力量を示す火力表示ランプ4c2、液晶表示盤4c3に相当する表示報知手段を設けていないが、これらをコンロ4の副操作部6に備えた場合などには、コンロ天板操作部42の全ての表示報知機能を、コンロ4の副表示報知部62に移管してもよい。
【0093】
さらに、本実施形態では、主操作制御部4aは、コンロ本体40、あるいはコンロ天板操作部42に備わり、副操作制御部60は、コンロ4の副操作部6内に備わるものとしたが、コンロ本体40に備わるものであってもよい。
【0094】
また、主副接続部64についても、主操作制御部4a、副操作制御部60が電気的に信号接続されるものであれば、構造や伝送方式は問わない。
【0095】
なお、本実施形態では、コンロ4の主副接続部64を介して、副操作部6(副操作制御部60)が接続されたことを、主操作制御部4aが検知して、主操作制御部4aと駆動制御部44との間で、電気的な信号応答を形成する構成としてするのに対し、図示しないが、コンロ4の副操作制御部60から直接駆動制御部44等との間で電気的な信号応答を形成し、さらに二次的に駆動制御部44とコンロ4の主操作制御部4aとの間で、電気的な信号応答を形成する構成としても構わない。
【0096】
一方、家事調理機器5のカウンター2の前操作部22を構成するカウンター前家事調理機器操作部7は、前述の本体50の上部に備わる操作部取付部57から離脱されて、そのまま位置を変えて、操作使用面が上面となるようにしてカウンター2の前操作部22として装着設置される。
【0097】
図8に示すように、カウンター前家事調理機器操作部7は、単一の独立した操作器ケース7cに収納構成され、各種ボタンからなる操作入力部71と、ランプ・ブザーや液晶表示盤等からなる表示報知部72と、マイクロコンピュータ等からなり、家事調理機器5の駆動制御部54と電気的に信号接続される操作制御部70と、コンロ4の副操作制御部60と機構的かつ電気回路的に連結開放自在に接続可能な連動接続部73を備える。
【0098】
図6に示すように、操作入力部71は、家事調理機器5の電源入/切ボタン71a、加熱開始ボタン71b、加熱停止や設定の取消ボタン71c、調理メニュー設定を順送りで切替える調理設定ボタン71d、加熱温度やタイマー時間を設定するための設定値加減式の温度/時間設定ボタン71eにより構成されている。
【0099】
また、表示報知部72としては、前記の電源入/切ボタン71a、加熱開始ボタン71bと同体となる各々のランプ表示72a、72bを備え、さらに、調理メニュー設定や温度/時間設定として、「電子レンジ」/「オーブン・グリル」等の機能、「ごはん温め」/「燗」/「解凍」等の調理メニュー、および温度や時間、その他の異常エラーの表示を行う液晶表示盤72cや、カウンター前家事調理機器操作部7に内蔵されたブザー・スピーカー(不図示)を備え、それぞれの入力操作の受付あるいは運転動作状態を、視聴覚によって表示報知している。
【0100】
各カウンター前コンロ操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7(操作器ケース6c、7c)は、前記のユニットケース80の上方から、順に挿嵌載置することで、並列配置にて一体的となる操作ユニット8として形成される。
【0101】
前記の連動接続部63、連動接続部73は、カウンター前コンロ操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7をそれぞれ収納する操作器ケース6c、7cの底部にある。図7、図8に示すように、コンロ4の連動接続部63は、操作器ケース6cの側端底面に対して凸設部を備え、家事調理機器5の連動接続部73は、操作器ケース7cの同じく側端底面に対して凹設部を備える。そして、コンロ4の操作器ケース6cの側端底部にあって上方向きの電気接点(接続端子)63aを露出凹設させた部位と、操作器ケース7cの側端底部にあって下方向きの電気接点(接続端子)73aを露出凸設させた部位が、凹凸組み合わせされる。これにより、操作器ケース6c、7c(カウンター前家事調理機器操作部7、6)相互がまたがる状態となり、双方の接続部が上下に重ね合わされることで電気的に接続される。
【0102】
従って、操作器ケース6c、7cの組み付けにより、前述の連動接続部63、73の凹凸結合が自ずと形成され、コンロ4の副操作制御部60と家事調理機器5の操作制御部70との間で電気的に信号接続された回路が形成される。
【0103】
また逆に、操作器ケース6c、7cの組み付けを開放するだけで、前記の信号接続状態は、分断開放される。
【0104】
図8に示すように、主操作制御部4aと副操作制御部60との間は、前記の主副接続部64を介して、電気的に信号接続された状態を形成している。そして、主操作制御部4aと副操作制御部60、駆動制御部44、家事調理機器5の操作制御部70、家事調理機器5の駆動制御部54がすべて電気的に信号接続された回路構成となる。
【0105】
副操作入力部61からの入力信号は副操作制御部60へ送られ、家事調理機器5の操作入力部71からの入力信号は同じく家事調理機器5の操作制御部70に、それぞれ送られる。また、副操作制御部60もしくは操作制御部70からの表示出力信号が、それぞれ主表示報知部4c、副表示報知部62、表示報知部72へ送られ各表示報知部を動作させる。
【0106】
主操作入力部4bもしくは副操作入力部61、操作入力部71からの入力情報は、主操作制御部4aもしくは副操作制御部60と、操作制御部70を介して、コンロ4、家事調理機器5のそれぞれの駆動制御部44、54へ伝達され、駆動制御情報をそれぞれの駆動部45、55に伝達することで、コンロ4、家事調理機器5はそれぞれ運転出力される。
【0107】
また、駆動部45、55の出力状態等は、駆動制御部44、50に応答としてフィードバックされる。
【0108】
この応答情報は、逆向きに、各駆動制御部44、50からコンロ4の主操作制御部4aあるいは家事調理機器5の操作制御部70へ応答され、コンロ4の主表示報知部4cまたは副表示報知部62、家事調理機器5の表示報知部72へ信号伝達され、前述のランプやブザー等で視覚聴覚的に表示報知される。
【0109】
以上の構成により、コンロ4の主操作部4Aまたはコンロ4の副操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7における使用者の意図が、操作部から操作制御部を経て駆動制御部に伝達されて加熱等の駆動を行い、逆に加熱等の駆動状態を操作制御部へフィードバックし表示報知部を経て使用者へ応答されるように、有線もしくは無線手段によって信号接続された電気回路を形成している。
【0110】
なお、連動接続部63は、主操作制御部4a、副操作制御部60あるいは、コンロ4のその他の制御ブロック要素位置にあってもよい。
【0111】
なお、連動接続部63、73は、上述の如く操作器ケース6c、7cの収容組込と同時に電気接続される構造に限定されることなく、例えばワイヤーハーネス等を用いたコネクター接続機構によって、操作ユニット8以外の部位で接続がなされる構成であってもよい。
【0112】
また、前述の家事調理機器5の操作部連結部59(凸設)と、カウンター前コンロ操作部6の連動接続部63(凸設)を同形状とすることで、カウンター前家事調理機器操作部7は、本体50にある操作部取付部57に収納して用いる場合と、操作ユニット8に収納して用いる場合の両方が、任意に選択可能となり、取扱性は良好である。
【0113】
図8に示すように、副操作部6とカウンター前家事調理機器操作部7との間で、連動接続部63、73を介して副操作制御部60と操作制御部70とが電気的に信号接続された状態では、主操作制御部4aもしくは副操作制御部60と、操作制御部70との間で、相互に制御信号応答が行なわれ、お互いの機器を連動制御する。前記の接続状態で、コンロ4(本実施形態では第一の機器)の主操作制御部4aもしくは副操作制御部60、家事調理機器5(本実施形態では第二の機器)の操作制御部70が、それぞれ相互相手の存在を電気回路的に認識し、それぞれの主操作制御部4a、副操作制御部60、操作制御部70は、コンロ4の主操作入力部4b、家事調理機器5の副操作入力部61、操作入力部71や主表示報知部4c、副表示報知部62、表示報知部72において、それぞれの一部もしくは全部の機能や動作を、制限もしくは不動作とする連動制御を行う。
【0114】
この制御によって、第一の機器の操作部から、第二の機器の操作制御部を経て、第二の機器の駆動制御部への動作出力を行なうことで、第二の機器を駆動制御することができる。
【0115】
また逆に、第二の機器の駆動部の状態について、第二の駆動制御部から出力される応答情報を、第一の機器の操作制御部に反映させることができ、第二の機器の状態を第一の機器の表示報知部に出力することができる。
【0116】
具体的な連動制御の主な機能目的としては、表示報知の集約と、双方の加熱調理運転の出力抑制駆動があげられる。
【0117】
本実施形態では、家事調理機器5のカウンター前家事調理機器操作部7の表示報知部72において、コンロ4の運転動作状態を表示することができる。
【0118】
具体的には、コンロ4の「揚げ物」や「タイマー」モードの設定時に、一時的に、家事調理機器5の表示報知部72に、その設定内容を表示させることができる。
【0119】
使用者は、カウンター2の奥方にあるコンロ天板操作部42の表示を見なくても、操作行為手元の表示を見ながら、各種の設定入力操作が可能である。本実施形態のように、コンロ機能の表示報知が、コンロ天板41にしか設けられない場合、コンロ4の副操作部6に隣接する家事調理機器5のカウンター前家事調理機器操作部7が代行機能を果たす。
【0120】
家事調理機器5の表示報知部72で、コンロ設定状態の表示を行うことについて説明する。
【0121】
コンロの種々の加熱調理設定を61b、61c、61dおよび61eによって行い、一時的に、家事調理機器5の表示報知部72の液晶表示盤72cで設定状態を表示する。
【0122】
この状態を使用者が確認し確定された後は、調理が開始され、その後は、コンロ天板操作部42のコンロ4の主表示報知部4cで前記設定運転状態を表示させるようにすると、家事調理機器5の表示報知部72での表示を消去してもよく、本来必要となる家事調理機器5の機能状態表示のみとすることもできる。あるいは、その他、コンロ4の運転や設定状態と家事調理機器5の運転や設定状態を、交互に点灯表示させることも可能であり、使用者は、家事調理機器5の表示報知部72を確認するだけでよく、機器の運転使用性は優れたものとなる。
【0123】
また、コンロ4、家事調理機器5が共に電気機器である場合、両方の機器を同時に使用すると、電力消費量が、厨房室の電力容量を超過する障害が発生する。
【0124】
この障害を未然に解消するために、前述の連動制御は、第一、第二の機器を合わせて総合的に優先順位の高い調理機能を使用可能とし、それ以外の機能に対しては、入力規制し、出力動作制限が行わせることができる。
【0125】
家事調理機器5のオーブン調理などのタイマー機能や、解凍など不連続的に出力を加減制御し加熱量を可変させるような調理においては、その途中で加熱調理の全停止が、調理そのものの失敗を招くため、オーブン電子レンジを途中停止させてはならない。
【0126】
従って、一旦このようなモードが開始されたことを、家事調理機器5の操作制御部70から、コンロ4の副操作制御部60を経て、主操作制御部4aへこの旨の情報信号を送り、コンロ4の主操作制御部4aは、所定容量以上のコンロ加熱出力を行なわないようにコンロ4を制御することができる。
【0127】
このような場合は、コンロ4の加熱操作(入力)自体が受け付けられなくなったり、複数の発熱体43のいずれかもしくはすべての出力を抑制するなどの制御が行なわれる。
【0128】
これに併せて、コンロ天板操作部42の主表示報知部4cあるいは、コンロ4の副表示報知部62、もしくは、家事調理機器5の表示報知部72にて、このような状態のランプや液晶表示によって、使用者に運転制限中であることを伝えることができる。
【0129】
また逆に、コンロ4での「揚げ物」調理中やタイマー加熱調理中などは、この機能の中断が調理失敗を招くため、オーブンや電子レンジ機能の一部が制限され、総合的に電流容量を抑制する制御が行なえる。
【0130】
以上の連動制御による一部機能の制限は、加熱調理作業全体を通して優先順位が自ずと決定されるもので、調理作業性を大きく低下することには至らず、コンロ4と家事調理機器5を併せた厨房設備としての性能は、より高いものとなる。
【0131】
その他、コンロ4の主表示報知部4cで、コンロ4の運転状態を表示するに留まらず、家事調理機器5の運転設定状態を表示することも可能である。
【0132】
具体的には、コンロ4と家事調理機器5が制御連動していることで、例えば、電子レンジ機能を用いた後、コンロ加熱調理を行ない、さらにその後にオーブン加熱を行なう調理法などでは、コンロ4の主表示報知部4c、家事調理機器5の表示報知部72で、液晶表示文字や音声報知によって、それぞれの機器使用あるいは機器間の調理段階の移行をナビゲーションすることも可能となる。
【0133】
これは、一方の機器の運転状態を判断して、残りの機器の余熱などの事前自動出力や、いずれかの機器による調理工程の終了を判断して、他の機器への調理段階移行が完了した時点で、一方の機器の事後自動停止を行なわせることなどができる。
【0134】
また、双方の機器の加熱停止状態が長時間継続していることをいずれか一方の機器で検知認識した時点で、両方の機器を全停止させ、電源切の状態にさせるなど、安全性を高めるような自動システム的な制御を行なうことも容易である。
【0135】
なお、本実施形態では、主な加熱調理手段がコンロ4となるので、第一の機器をコンロ4とし、第二の機器を家事調理機器5(オーブン電子レンジ)としたが、第一と第二の関係は前記の逆であってもよい。
【0136】
上述したように本実施形態においては、カウンター前家事調理機器操作部7がカウンター2の前端21の直下に設けられることで、カウンター2の上面より離れた下方の位置に家事調理機器5が設けられても、使用者がカウンター2の下方に身体をかがめて操作したりする必要がなく操作がし易いものである。
【0137】
加えて、コンロ4の操作についても、コンロ天板操作部42、コンロ4の副操作部6が、ともに、カウンター2の高さに相当する位置にあるために、家事調理機器5の操作と同じく、操作利便性は良好である。
【0138】
また、単一のユニットケース80にカウンター前コンロ操作部6とカウンター前家事調理機器操作部7とが収納されることで、統一感のある集合操作部とすることができる。
【0139】
なお、コンロ4の副操作部6とカウンター前家事調理機器操作部7は、単一のユニットケース80に収納される必要はなく、別個のユニットケースに収納されてもよい。
【0140】
また、前述のような操作器ケース6c、7cの接合における電気接点の結合方法以外に、コンロ4の副操作部6とカウンター前家事調理機器操作部7の間で、ワイヤーハーネス(不図示)を用いた有線式や無線を用いて、電気信号伝達を行ってもよい。
【0141】
前述のように、本実施形態においては、第一の機器の副操作制御部60と、第二の機器の操作制御部70を電気的に信号接続させて、双方の駆動を直並列的に連動制御させることで、複数機器を単に羅列配置して使用する場合と比較して、操作の混乱を低減することや、双方の取り扱い安全性を高めるなど、加熱機器を組み込んだ厨房装置として、統一的な利便性を提供することができる。
【0142】
次に、第2の実施形態について図9、図10に基づいて説明する。なお、上述した図1乃至図8に示す第1の実施形態と同じ構成については同符号を付して説明を省略し、主に異なる構成について説明する。
【0143】
本実施形態では、カウンター前家事調理機器操作部7は、それぞれ別体となる2つの構成体として、主操作部7Aと副操作部7Bとで構成される。副操作部7Bは、本体50に一体的に組み付けされる。主操作部7Aは、図7に示す第1の実施形態の操作器ケース7cと同様に、本体50の上部に備わる操作部取付部57に着脱自在に格納される場合と、本体50から開放離脱して、操作ユニット8に格納収容して、カウンター前コンロ操作部6と接続されて機能される場合のいずれもが可能となるものである。
【0144】
主操作部7Aは、操作入力部71Aとして、電源入/切ボタン71aと、加熱開始ボタン71b、取消ボタン71cを備える。また主操作部7Aは、表示報知部72Aとして、電源入/切ボタン71aと同体でランプ点灯消灯動作を行う電源ランプ72a、加熱開始ボタン71bと同体で加熱中表示を行う加熱ランプ72b、調理メニューなどの機能設定を示す「電子レンジ」/「オーブン」等の表示や調理メニュー選択、温度/時間設定の表示を統合的に行う液晶表示盤72cを備える。
【0145】
一方、副操作部7Bは、操作入力部71Bとして、調理メニューを選択する調理設定ボタン71d、温度/時間設定ボタン71eのみを備える。
【0146】
主操作部7Aと副操作部7Bは、図8に示す第1の実施形態の連動接続部73、操作部連結部59の構成と同様に電気信号接続部を備えている。主操作部7Aは、前述の連動接続部73形状と同じく、凹設形成した連動接続部73と電気接点73aを備える。副操作部7Bは、前述の操作部連結部59形状と同じく、凸設形成した操作部連結部59と電気接点59aを備える。
【0147】
また、主操作部7Aが備える操作制御部70は、主操作部7Aと副操作部7Bとが連動接続部73と操作部連結部59との接合によって、電気的に接続された状態を相互認識し、副操作部7Bの操作入力部71Bからの入力情報を認識し、家事調理機器5は、操作部7が家事調理機器5と一体になった状態で、運転することができる。
【0148】
一方、主操作部7Aは、操作ユニット8に収納装着され、カウンター前コンロ操作部6と電気的に信号接続することができる。
【0149】
図9、10に示すように、主操作部7Aと副操作部7Bの結合が解かれると、連動接続部73、操作部連結部59の電気的な信号接続部が開放されたことを、操作制御部70が認識する。そして、副操作部7Bの操作入力部71Bの温度/時間設定ボタン71eの入力情報信号は、操作制御部70ひいては、家事調理機器5の駆動制御部54に受け付けられなくなる。
【0150】
一方、操作ユニット8内で、家事調理機器5の主操作部7Aとコンロ4の副操作部6とが、連動接続部63、73にて電気的に信号接続されると、操作制御部70は、副操作部7Bの操作入力部71Bの温度/時間設定ボタン71eの入力信号の代わりに、共通の機能設定であるコンロ4の副操作部6の温度/時間設定ボタン61eから副操作制御部60を経た入力信号情報を受け付けるようになる。
【0151】
これによって、図1乃至図8に示す第1の実施形態と同じく、家事調理機器5の操作制御部70は、コンロ4の副操作入力部61の温度/時間設定ボタン61eからの入力情報に基づいて駆動制御部54に動作出力の情報を送信したり、表示報知部72Aに信号出力することで、表示や報知が行われる。
【0152】
また本実施形態においては、図1乃至図8に示す第1の実施形態におけるものと同様の効果が得られるのに加えて、コンロ4よりも下方の離れた位置にある副操作部7Bでの操作入力を行う必要がなくなると共に、使用者に対して、副操作部7Bの操作入力部71Bのボタン操作機能が受け付けられない旨の報知をわざわざ行う必要がなく、さらに操作性が向上する。この場合、カウンター前家事調理機器5となるのが主操作部7Aのみでよく、操作ユニット8の小型化を図ることもできる。
【0153】
なお、図示しないが、主操作部7Aが副操作部7Bと分離された場合、本体50に残された副操作部7Bに隣接する主操作部7Aが離脱した部分の前面側には、図1に示すものと同様に、化粧板58を用いて、家事調理機器5の正面外観としてもよい。
【0154】
次に、図示しないが、さらに第3の実施形態について説明する。なお、上述した図1乃至図8に示す第1の実施形態、図9および図10に示す第2の実施形態と同じ構成については同符号を付して説明を省略し、主に異なる構成について説明する。
【0155】
本実施形態においては、オーブン電子レンジからなる家事調理機器5のカウンター前家事調理機器操作部7は、元々、本体50とは別体の遠隔式操作部として独立してカウンター2の前端直下にある操作ユニット8に備えられる。
【0156】
つまり、第1、第2の実施形態に示すものとは異なり、家事調理機器5の本体50に操作部取付部57を設けない構成となっている。従って、本体50の前面は略全面に亘って加熱庫51、およびその開口52とドア53が形成される。
【0157】
本実施形態においては、第1、第2の実施形態と同様に、コンロ4と家事調理機器5の制御の連動が可能なものとすることができる。また、第1、第2の実施形態における操作部取付部57が不要となり、従って化粧板58が不要となる。
【0158】
さらには、家事調理機器5の高さ寸法において、加熱庫51の容積を拡大したり、逆に、家事調理機器5の高さ寸法をコンパクトにできる。
【0159】
また、第1〜第3の実施形態については、カウンター2の手前側であってコンロ天板41の前端との間に所定の間隔Sの手前調理作業スペース20を設けることで、コンロ4の加熱作業領域、調理道具や食品等の準備配膳領域、コンロ4および家事調理機器5の取り扱い操作や各機器の表示報知の視認行動領域が、ほぼ同一高さ平面上で途切れることなく形成されている。
【0160】
この高さ位置は、使用者の調理作業姿勢の観点からは、立位腰位置で腕や手指が動かし易いものであり、コンロ4と家事調理機器5双方を用いた調理作業にあっては、利便性および快適性において優れたものとなる。
【0161】
さらに、コンロ4の操作取扱時には、手前調理作業スペース20を跨いで、奥方に手指を伸ばすことがなくなり、コンロ4の操作性と手前調理作業スペース20の使い勝手は格段に向上する。
【0162】
次に、第4の実施形態について図11に基づいて説明する。
【0163】
本実施形態は、上記第1〜第3の実施形態と異なり、カウンター2の手前に手前調理作業スペース20を設けず、コンロ4は、コンロ天板41に対して手前に2口、奥方に1口の合計3つの発熱体を三角形配置して備えている。
【0164】
コンロ4のこの構成形態によって、コンロ天板41は、奥行方向に深い寸法を有し、カウンター2の前端近傍まで延出した形状となり、この手前への延出部分に、コンロ天板操作部42を備えている。
【0165】
本実施形態においては、家事調理機器5(本実施形態では、オーブン電子レンジ)のカウンター前家事調理機器操作部7を、上記第1〜第3の実施形態と同じくして、カウンター2の上面前端寄りに配置されるコンロ天板操作部42と、カウンター2の前操作部22としてのカウンター前家事調理機器操作部7が、カウンター2の前端であって上面高さ近傍位置に近接して配置構成されるものとなる。
【0166】
カウンター前家事調理機器操作部7を、カウンター2の前部に組み込む際に、図示しないが、前述の主操作制御部4aと操作制御部70とを電気的に信号接続することで、コンロ4と家事調理機器5の制御連動が可能となる。例えば、コンロ4あるいは家事調理機器5のいずれかの一部の操作入力・表示報知機能を他方の機器へ移管することで、家事調理機器5の運転使用状態をコンロ天板操作部42で表示報知したり、前述と同様の電流容量制限制御によって、家事調理機器5の運転中は、コンロ4の使用制限を行い、この制限をコンロ天板操作部42に表示報知することができる。
【0167】
本実施形態にあっては、コンロ天板操作部42が、カウンター2上面の前端寄りに位置するために、前述の実施形態の様に、コンロ4の副操作部6を設ける必要がないが、近傍に設けられる家事調理機器5のカウンター前家事調理機器操作部7の存在と併せて、コンロ加熱時の操作性は、作業動線移動が少なく利便性は好適である。
【0168】
なお、本実施形態の家事調理機器5(オーブン電子レンジ)のカウンター前家事調理機器操作部7は、前述の実施形態に示した、遠隔制御式のいずれであってもよく、カウンター前家事調理機器操作部7が本体50から分離されるもの、カウンター前家事調理機器操作部7は元々本体50と別体のものなど、いずれであっても構わない。
【0169】
また、家事調理機器5が、食器洗浄機等のキッチン作業における調理後の後片付け機能の機器であってもよい。
【0170】
通例、食器洗浄機は、引出式に出没格納自在になる食器の洗浄槽と、前記の洗浄槽の前面側に備わる前記引出の前板としてのドア、およびこれらを収容するボデーから構成され、食器洗浄機の操作部は、前記ドアの上部正面側に配置されている。
【0171】
前記食器洗浄機を、前述のオーブン電子レンジとされる家事調理機器5の替わりに、コンロ4の下方空間に組み込み、コンロ4と食器洗浄機を電気的に信号連動させることで、前述の実施形態の如く、例えば、電流容量が超過した場合に、コンロの加熱を一時的に停止制限するなどの制御が行え、キッチン空間におけるエネルギー使用機器全体としての使い勝手、安全性を向上させることができる。
【0172】
上記のいずれの実施形態にあっても、コンロ天板操作部42、カウンター2の前のコンロ4の副操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7の入力・表示報知にあって、それぞれの機器の運転操作入力およびその状態表示報知が、カウンター2の上面高さ位置に概ね集約して集中配置されることにより、使用者と機器との情報伝達が、使用者の立位腰位置の手元で簡単明解に行なえることは、コンロ付の調理台3としての全体的な調理作業性は、優れたものとなり好適である。
【0173】
一方、コンロの加熱操作に対する表示報知機能、あるいは、コンロの電源入/切ボタンがコンロ天板操作部42に残置されることは、通常のコンロ加熱調理操作や、加熱の異常等による使用者への報知が、カウンター上面にあって、視認明瞭な領域で行なわれるので、利便性や安全性等についても、コンロ天板操作部42とカウンター2の前操作部22が共に配置構成されていても何らの支障はない。
【0174】
なお、全ての実施形態にあって、カウンター前コンロ操作部6とカウンター前家事調理機器操作部7とが単一のユニットケース80に収納されず、独立して出没自在となるようにしてもよいし、一方もしくは、両方の操作部が常時突設して固定された状態の構造であっても構わない。
【0175】
また、コンロ加熱調理とオーブン加熱調理を順次行なう調理法などにあっては、各々の機器表示報知によって、調理工程のナビゲーションに類する機能を供することも可能であり、2種の調理機器の表示報知と操作入力が位置的に近接して、さらに機能制御連動することで、連続的な調理を快適に行なえる利便性を付加することも可能である。
【0176】
さらに、全ての実施形態にあるカウンター前コンロ操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7について、コンロ4もしくは家事調理機器5の製品毎固有の仕様に依存することなく、例えば、電気熱源やガス等燃焼熱源を問わず、コンロ用のカウンター前操作部、オーブン電子レンジグリル用のカウンター前操作部として、電気信号の送受信方式を統一することで、それぞれ共通の汎用操作部を用いることが実現できる。
【0177】
これにより、カウンター2の前操作部22は残したまま機器本体は入れ替えるなど、キッチン全体としての利便性はさらに向上させることができる。
【0178】
なお、各実施形態で説明した、操作入力部と表示報知部と操作制御部、駆動制御部と駆動部、操作制御部と駆動制御部それぞれの回路構成については、使用者の入力・入力認識・駆動指令・運転駆動・駆動状態検知・表示報知の各関係を形成し電気制御ループを構成することに関して、いずれの技術を用いることは限定されない。
【0179】
前述のように、コンロ本体40はその発熱体43を備えたコンロ天板41が、カウンター2上に露出するように設けられ、また、カウンター2のコンロ本体40の側方の部分にはシンク(不図示)が設けられ、カウンター2の左右間口寸法が大きなものでない限り、一般的に、加熱調理機器はコンロ機器位置に集約することになり、また、カウンター2の間口が狭い場合などには家事調理機器5はコンロ本体40の下方に設けられることになる。
【0180】
すなわち、コンロ4の下方に、オーブン電子レンジや、食器洗浄機等を配置することは、厨房装置全体の容積効率を向上させることについて好適であり、本願実施例に示す家事調理機器の操作部が、調理台面近傍の高さ位置にあって操作性に優れることと併せて、厨房装置の利便性は各段に向上することになる。
【0181】
また、ユニットケース80にカウンター前コンロ操作部6、カウンター前家事調理機器操作部7が収納されることで、統一感のある集合操作部とすることができ、厨房装置全体の外観意匠性も高められる。
【符号の説明】
【0182】
1 キャビネット
11 前面化粧部
2 カウンター
20 手前調理作業スペース
21 前端
22 前操作部
3 調理台
4 コンロ
40 コンロ本体
41 コンロ天板
42 コンロ天板操作部
43 発熱体
45 駆動部
44 駆動制御部
4A 主操作部
4a 主操作制御部
4b 主操作入力部
4c 主表示報知部
5 家事調理機器
50 本体
54 駆動制御部
55 駆動部
57 操作部取付部
59 操作部連結部
6 カウンター前コンロ操作部
6c 操作器ケース
60 副操作制御部
61 副操作入力部
62 副表示報知部
63 連動接続部
64 主副接続部
7 カウンター前家事調理機器操作部
7A 主操作部
7B 副操作部
7c 操作器ケース
70 操作制御部
71 操作入力部
72 表示報知部
73 連動接続部
8 操作ユニット
80 ユニットケース
S 所定の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンターが載置されてなる調理台と、
前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、
前記コンロ本体に対して遠隔制御可能であり、前記コンロの操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前コンロ操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に、設置と非設置が選択自在となるように設けられることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【請求項2】
カウンターが載置されてなる調理台と、
前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、
前記コンロが設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器と、を備え、
前記家事調理機器に対して遠隔制御可能であり、前記家事調理機器の操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前家事調理機器操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に設けられることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【請求項3】
カウンターが載置されてなる調理台と、
前記カウンターに形成された開口にコンロ本体が嵌め込まれて組み付け設置され、コンロ天板に設けられ操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を有するコンロ天板操作部を備えるコンロと、
前記コンロが設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器と、を備え、
前記コンロ本体に対して遠隔制御可能であり、前記コンロの操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前コンロ操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に、設置と非設置が選択自在となるように設けられ、
前記家事調理機器に対して遠隔制御可能であり、前記家事調理機器の操作入力機能と表示報知機能の少なくとも一方を備えるカウンター前家事調理機器操作部が、前記コンロの前方で前記カウンターの前端の直下に設けられることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【請求項4】
前記カウンター前コンロ操作部が、前記コンロと電気的に信号接続された状態で、
前記コンロ天板操作部が有する前記機能の一部または全てを前記カウンター前コンロ操作部へ移行し、
前記カウンター前コンロ操作部と前記コンロ天板操作部によって、前記コンロを運転駆動可能とすることを特徴とする請求項1または3記載のコンロ付厨房装置。
【請求項5】
前記カウンター前コンロ操作部と前記カウンター前家事調理機器操作部は、操作入力部と表示報知部とを備え、
前記コンロおよび前記家事調理機器はそれぞれ、前記操作入力部と前記表示報知部に電気的に信号接続される操作制御部と駆動部と駆動制御部と、前記操作制御部同士を電気的に信号連携する連動接続部と、を備え、
前記連動接続部を介して、前記コンロおよび前記家事調理機器のうちの一方となる第一の機器の操作入力信号情報を、他方となる第二の機器の前記操作制御部に送り、さらに第二の機器の前記駆動制御部に動作出力信号情報を送ることで、第二の機器を駆動させることを特徴とする請求項3または4に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項6】
前記家事調理機器は、前面に前記カウンター前家事調理機器操作部が前方に露出するように着脱自在に取り付け可能な操作部取付部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項7】
前記カウンターの前記前端と前記コンロ天板の前端との間に、手前調理作業スペースが形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のコンロ付厨房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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