説明

コーティングを施されたスクリーン片を備えたスクリーン印刷版およびそのスクリーン印刷版を製造する方法

【課題】接着法によりクランピングフレームに取り付けられるように限定されたコーティング領域を作る際の困難さを解消する方法を提供することにある。
【解決手段】エマルジョン、特に感光性エマルジョンをコーティングされた格子状のスクリーン片から成るスクリーン印刷版の製造方法において、スクリーン片(12a)が多数の個別に施されたコーティング小領域から成る少なくとも一つのコーティング領域(20a)を部分的に備えている。エマルジョンは、少なくとも一つのノズルにより、限定された幅(t)の互いに平行な複数のコーティングストリップ(46)の形で施されるのが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプラスチックフィラメントで作られたスクリーン片から成るスクリーン印刷版を、特に感光性のエマルジョンでコートして製造する方法に関するものである。本発明は、またコーティングされたスクリーン片を有するスクリーン印刷版に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷法は、ヨーロッパでは、中国において初めて用いられてから数世紀のちにのほぼ19世紀以降に普及した技術であった。メッシュの細かいクロス(布)、またはワイヤーメッシュ素材がスクリーン印刷フレームに張り渡され、画像のない部分(即ちプリントされぬ領域)がインクを透過させぬように、ステンシル(謄写版原紙)で覆われる。手で切り抜いた、例えばラベル表示または文書用のステンシルのほかに、今日では写真技術で作られた直接、または間接的なステンシルが普通使用される。採用されるステンシルの種類の選択−直接的なステンシルの場合には、エマルジョンを用いるもの、直接的フィルムとエマルジョンを用いるもの、または、直接的フィルムと水を用いるものの選択−は、スクリーン印刷作業者の独自の判断に委ねられる。
【0003】
スクリーン印刷版を作る為に必要な工程は通常多数に及ぶ。先ず、スクリーン印刷クロスが軽金属または合金、木材または同等の素材を用いたクランピングフレームの上に張り渡され、この状態でフレームに接着される。次に、クロスは、例えばコーティングチャネルを用い手動で、或いはコーティング装置を用いて自動で、感光性エマルジョンを塗布される。クロス上のコーティングをフレームの内側一杯に正確に行うことは不可能であることから、コーティングの出来ぬ部分は後からスクリーンフィラーを用いてシールされる。コーティングを施された表面は、プリント画像に一致するコピーオリジナル(フィルム)を用いて露光される。露光されていない画像の中の部分は洗い落とされる。ステンシルの乾燥が終わると、修正作業、およびエッジ部分のスクリーンフィラーによる被覆作業が行われる。
【0004】
通常、いわゆるタフタ(taffeta)織りを用いて作られるスクリーンクロス上に正確に平坦な層表面を作り出すことは、特に困難とされて来た。エマルジョン中の固形物の含有量が低い−通常50%以下−為に、層は、乾燥作業中にクロスのメッシュ開口中に陥入し、この為に、表面は或る程度の粗さを避けることは出来ない。この表面品位でも用途によっては充分であるが、更に高度の品位が要求される時には、更に追加のコーティング作業が必要となる。
【0005】
多数の小さいフレームにクロスを張らねばならぬ時、例えば小さい面積のプリント画像を作る時には、いわゆる親フレームが用いられ、この上にクロスが張られる。クロスは親フレームに、例えば本出願人によるEP0650832A1に記載のクランピングクリップにより固定される。親フレームよりも小さいスクリーン印刷フレームが、サポート上に載せられ、張力を付加したスクリーン片がその上に取り付けられる。
【0006】
スクリーン印刷シリンダー用の光化学的にコートされる材料の製造の為のプロセスが、ドイツ公開公報3441593Aにおいて開示されている。そこに開示された手順では、適切なメッシュサイズのクローム鋼ワイヤーメッシュが、電解法、化学法、または蒸着法によってニッケルを、クロスの糸の重合点が最早移動することが出来なくなるようにコーティングされる。これにより安定した材料は、次に上記の感光エマルジョンを平坦面となるように塗布することにより少なくとも1層でコートされ、クロスをエマルジョンの層の裏側に埋め込み、更に別のエマルジョン層を施すことにより両者を結合すると、スクリーン印刷ステンシルにおける印刷側の表面上に、フラットなコピー層が出来上がる。
【0007】
米国特許第3,834,348号公報には、可変する幅を持つクランピングフレームが記載されており、クロス部がクランピング部材を用いてこのクランピングフレームに固定されている。粘性流体物質またはエマルジョン用のチャネルがクロス部上を移動する。エマルジョンがチャネルの壁に設けられた複数の隣り合うスロットからクロス部上に流出して、クロス部がコーティングされる。その後、コーティングはクロス部上で乾燥されるか、または硬化される。
【0008】
特開平5−216239号公報は、クランピングフレームを有する容器を開示しており、この容器内でクロスが感光膜でコーティングされる。流動物質の容器内への注入が、所望の層厚がクロス上に形成されるまで行われる。この流動物質は部分的に照射され、照射処理の後、未照射部分は除去されて、クロス上に画像が形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に鑑み発明者は、明細書の冒頭に記載の方法を改善すること、特に接着法によりクランピングフレームに取り付けられるように限定されたコーティング領域を作る際の困難を解消することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は独立請求項の教示により達成され、従属請求項は有利な形態を定める。
本発明によれば、スクリーン片は、予め定められた外側輪郭の中でエマルジョンを含むコーティング領域を部分的に備え、この領域でエマルジョンは、スクリーン片に、好ましくはウェブ状(小さな平面状)、または点状となるように施される。エマルジョンを施すには少なくとも一つのノズルを用いるのが有利であり、上記のノズルは、スクリーンクロス上のスクリーン片の長手方向に平行に案内され、これにより互いに並列するコーティングストリップが作られ、これらが共にコーティング領域を形成する。
【0011】
コーティング領域は、各種の方法で作り出すことが出来る。或る場合−要求度条件が低い、つまり粗面の場合−には、コーティング領域は、スクリーン片に直接施され、次に乾燥される。スクリーン片に直接施されるコーティング領域は、保護薄膜によりライニングされた後に乾燥ステーションに移されることも可能である。これは特に高度の品位と、Z軸上の粗度が良好であることが要求される場合に実施される。しかし、コーティング領域は、安定した堅牢な担体材料上に作り出され、この担体材料に、スクリーン片に施すべき濡れたエマルジョン領域を付けることが特に望ましい。これらのエマルジョン領域は、続いてスクリーン帯に移されたのち乾燥される。次に担体材料は引き抜かれるか、またはスクリーン片上の保護薄膜として一時的に残される。
【0012】
本発明の実施形態によれば、作り出されたコーティング領域、好ましくはその4つの輪郭ラインにより限定されたコーティング領域のセンターラインがスクリーン片の長手方向に沿った側縁に対して傾斜角を為している。輪郭ラインは、コーティング領域の中心の周りに好ましくは45゜以下の角度だけ回転している。
【0013】
本発明の実施形態によれば、スクリーン片に相対的に或る傾斜角を以てコーティング領域を施すことにより、コーティングされたクロス部分は、クランピングフレーム上である角度を為す位置に引き延ばすことが出来る。傾斜角を以て引き延ばされるクロスは、スクリーン印刷フレームに対して平行にプリントされねばならぬラインを、綺麗にくっきりと浮かび上がらせる。この場合に留意すべき重要なことは、上記の条件下ではスクリーンクロスの糸の走路とプリントされるべきラインとが平行ではないことである。
【0014】
コーティング領域を形成する複数のコーティング帯のそれぞれが、ノズル、または同等のツールにより作られ、また互いに平行に並び、その長手方向に沿った側縁が互いに接触もしくは重合して混じり合うようにして、コーティング領域を通る輪郭部が残らぬようにすれば、製造は簡素化される。
【0015】
本発明の別の構成によれば、ストリップ(細片または細い帯)状のコーティング帯の各狭い端縁(短辺)は、親フレームの軸心に対して角度を為すコーティング領域の輪郭ラインの一つに対応する。
【0016】
本発明の実施形態によれば、コーティング領域に付随するクランピングフレームの中心線は、コーティング領域の輪郭の中心線上に位置しており、上記クランピングフレームは、輪郭ラインに対して間隔を距てて設けられ、次に、張られた状態でコーティング領域の外側でスクリーン片に接着される。フレームとコーティング領域との間に残るスクリーン片上の領域が非透過性の層により被覆されることで、特に小面積の為のコーティングを施された印刷ステンシルが、簡単な方法で製造される。ここで、多角形のコーティング領域の輪郭ラインの数は種々変更することが出来る。
【0017】
特別な場合にはコーティング領域を、別の方法で作ることが可能である。例えば、スクリーン片の表面に連続したエマルジョン層が設けられ、次いでこの層から、コーティング領域の予め定められたパターンに含まれていない部分が除去される。
コーティングの余分なゾーンが、コーティングを施された直後に、吸引により、即ち濡れたエマルジョンの状態で取り除かれることが特に有利である。
【0018】
発明のその他の特徴、利点および詳細は、図面を参照した下記の好ましい実施例の記述から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
スクリーン印刷法に使用する為の好ましくはガーゼ状のスクリーン材料(すなわちスクリーン片)を引っ張る為の装置10は、サポートフレーム14の4辺に沿って、多数のクランピング要素、すなわちクランピング具16を備える。クランピング具16は、夫々のクランピングジョー18を用いて、スクリーン片12の端部領域の一部を把持して引っ張ることにより、スクリーン片12が、その周辺部を対応する引っ張りシリンダ19の引っ張り方向Xの偏移により固定される。表面にコーティング領域20を持つスクリーン片は、親フレーム14上に在り、その外側エッジから約6゜の角度(図示されず)で、閉じた位置にあるクランピングジョー18に向かって下方に引っ張られる。
【0020】
符号22は、最高10barsの圧縮空気をライン24から供給されるコントロールユニットであり、ここからクランピング装置16に対する3本のコントロールライン25、25a、25bが延びている。
【0021】
図2に示されたように、スクリーン片12に膜状ないし織布状の担体材料28が供給される。この担体材料28は、判り易くする為に図示していない感光エマルジョンの複数の領域を持ち、後述される方法でコーティングステーション30においてコートされる。これらの領域は、その寸法および互いの間隔が、例えば図3のスクリーン片12上のコーティング領域20に対応する。これらの領域がコートされる担体材料28は、ライニングステーション32において加圧されてスクリーン片12上に移され、担体材料28の感光エマルジョンの層がスクリーン片12に移行し、連続乾燥ステーション34において乾燥される。
【0022】
連続乾燥ステーション34の下流において、コーティング領域20は、担体材料28上に以前存在していた形態で、スクリーン片12に存在する。こうして、コーティング領域は、担体材料28から分離され、または一時的な保護層として担体材料28と共に排出される。
【0023】
図面はスクリーン片12に直接、つまり薄膜状の担体材料なしで施されるコーティング領域の為の作業手順を示していない。この場合には、コーティングステーション30の下流においてスクリーン片は、直接連続乾燥ステーション34に運ばれるか、またはコーティングステーション30の上流において、乾燥後に取り外すことの出来る保護薄膜が付加される。
【0024】
図3は、その長手方向の軸心(縦軸)Aに平行に設けられているコーティング領域20を持つ幅bのスクリーン片12を模式的に示す。6つのコーティング領域が長さZの、いわゆる反復部分、または周期部分の中に設けられる。これらのコーティング領域20の一つが、判り易い様に格子ハッチングにより強調されている。ハッチングを入れられた領域の右に在るコーティング領域20の周りに、例として図示されているのは、クランピングフレーム38であり、これには、次に、緊張したスクリーン片12の部分が接着により固定される。
【0025】
図4から6は、別の種類のコーティング領域20、20aを示す。コーティング領域20aは、図7および8に詳しく記載された多数の帯またはストリップ(細長い帯)46から成っている。図8には、コーティング作業時に無地のクロス12aに施され、コーティング領域20aが完成した後には最早見ることが出来ず、コーティング領域20aの中に一体化するコーティングストリップ46が示されている。感光性のコーティングは、コーティングストリップ46において“ユニバーサル”ノズルにより施される。従って、コーティング領域20は、図6にも当てはまるように、個々の用途に合わせて、サイズが調整される。
【0026】
図4から6はまた、スクリーン片の長手方向軸心A、または互いに平行な長手方向側縁13(図4)に対して傾いた位置にあって、図3のものに対応する小さいコーティング領域20a、並びに反復部分ないし周期部分36当たり1つ、または2つしか存在しない大きなコーティング領域20、20aをも示す。
【0027】
図7は、約1400mmの自由長さおよび夫々幅a1およびb1のエッジ領域11を持つ900mmの自由幅bのスクリーン片12における、クランピングエレメント16に連結された反復部分ないし周期部分36を示す。反復部分36はサポートフレーム14上で引き延ばされる。左上に位置するのは、木材、またはプラスチック材料からなる補助プレート41のエッジを形成する境界部材としての親フレーム40である。クランピングフレーム38−反復部分36をその上に位置させている−は、製造作業の間、補助プレート41上に位置決めされる。
【0028】
スクリーンクロス、またはスクリーン片12の自由面上−親フレーム40の長手軸心A1の左−には、4つの輪郭ライン42を持つ輪郭により限定された3つの正方形のコーティング領域20が示されている。これら領域20は、180mmの幅eの感光性のコーティングとして、好ましくはこの明細書の冒頭に記載のような種類の感光性のエマルジョンからなるものであり、これら領域20は、スクリーンの片12の緩んだ状態では380mmの中心間隔iで、又緊張した状態では394mmの中心間隔i1で配列されている。前記3つのコーティング領域20からなる第1列の中心線Mはこのシステムの縦軸Aと平行であり、長手軸心A1の右に見えるコーティング領域20の第2列の中心線Mも、システムの縦軸と平行である。両列の中心線M,Mの間隔は、緊張および弛緩のそれぞれの状態で、前記中心間隔iおよびi1に合致する。両列における中央コーティング領域20は、親フレーム40の横軸Q上に配置されており、この横軸Qに対して、正方形の各中央コーティング領域20の2つの輪郭ライン42が、平行に配置されている。
【0029】
コーティング領域20の各々は、補助プレート41上に在り、かつスクリーン片12の下に配置されている小さいクランピングフレーム38の輪郭の内側に配置されており、クランピングフレーム38がコーティング領域20の外側のスクリーン印刷クロスのコーティングされていないゾーンに容易に接着できるようになっている。コーティング領域20に影響を及ぼすことなくスクリーンクロス12に接着剤を施す為に、最小幅hのコーティングのないクロスエッジ部分44がコーティング領域20の周りに残り、また接着された状態ではその周りに幅h1のフリーなエッジ部分が残るようになっている。
【0030】
上記した接合手順を明確に示す為に、図7はコンパクトディスク上に直接印刷を行う為の印刷ステンシルのコーティング領域20を例として示している。右側に模式的に示されているのは、クランピングフレーム38内にあるコーティング領域20である。下側のフレーム38a全体、またはフレームの中心線Bは、コーティング領域20の中心点Zのまわりに22.5゜の傾斜角Wだけ中心線Mから回転して、コーティング領域20のコーナー43がフレームの内側に、僅かながらも間隔を隔てて位置している。クランピングフレーム38、38aの内側長さmは、ここでは260mmであり、外側長さnは310mmである。
【0031】
上記のクロスエッジ部分44の最小幅hは、外側長さnと領域幅eとの差の半分である。内側長さmと領域幅eとの差の半分がフリーエッジ幅h1を示す。
【0032】
コーティング領域20は、その輪郭をそれらのクランピングフレーム38、38aの中に収めて、領域20の周りにクランピングフレームが間隔h1を保って位置するように配置されるが、例えばフレーム38aのように傾いて配置される場合には問題の生じることがある。この為に、図8に示すように、フレーム中心線Bが例えば22.5゜の傾斜角wを持つコーティング領域20aは、小さい幅tの複合コーティングストリップ46におけるスクリーン片の縦軸Aに平行、つまり図2に記載された担体材料28に平行に案内される塗布部材(図示されず)によって施されるエマルジョンにより作られる。互いに平行に並ぶコーティングストリップ46の異なった長さqは、傾いた輪郭線42aに合致するように設定され、各コーティングストリップ46の狭い両端縁(短辺)48が、別々の輪郭ライン42aに接触する。輪郭ライン42aの中に配置されているのは、コンパクトディスクに対する実際のプリント画像(図示されず)の境界50としての円である。
【0033】
これに関して示されていないのは、輪郭ライン42aの中でほぼ点状にエマルジョンが施される構造である。図面は、またコーティング領域20、20aを取り巻き、コーティングのないクロスエッジ部分44を被覆する媒質不透過層を示していない。
【0034】
図9および図10は、上記のプロセスに使用することの出来る他の方法を示す。この場合、担体薄膜28には、コーティングステーション30の中で全面に、または幅広ストリップの形で、エマルジョンから成る幅Cの層が設けられ、この担体薄膜28が、次に直ちに吸引除去ステーション54を通過する。このステーション54において、個々のコーティング領域20bは、予め選ぶことの出来るコーティング領域20bのパターンに従って、不必要な層領域を吸引除去することにより作り出される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】コーティングを施されたスクリーン片の反復部分を多数のクランプで引っ張る為の装置を示す平面図である。
【図2】スクリーン片をコーティングする為の装置の原理的な側面図である。
【図3】コーティング領域を持つスクリーン片の平面図を示す。
【図4】コーティング領域を持つスクリーン片の平面図を示す。
【図5】図3および図4よりも、スケールを縮小して示されたスクリーン片の平面図である。
【図6】図3および図4よりも、スケールを縮小して示されたスクリーン片の平面図である。
【図7】クランピングフレームの為のコーティングを施された多数の領域を持つ、図3から6よりも、スケールを拡大されたスクリーン片の平面図を示す。
【図8】コーティングを施された領域の図7より大きいスケールでの平面図を示す。
【図9】別の装置の、図2に対応する原理図を示す。
【図10】図9の装置の平面図を示す。
【符号の説明】
【0036】
12 スクリーン片
20 コーティング領域
20a コーティング領域
36 反復部分
46 コーティングストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばプラスチックフィラメントからなるスクリーン片に、乾燥されるエマルジョン、特に感光性エマルジョンをコーティングすることによりスクリーン印刷版を製造する方法において、
スクリーン片(12、12a)が、複数の個別に施されたコーティング小領域から成る少なくとも一つのコーティング領域(20、20a)を部分的に備え、前記エマルジョンが相互に平行に配列される個々のコーティングストリップ(46)の形で施されていることを特徴とする製造方法。
【請求項2】
例えばプラスチックフィラメントからなるスクリーン片に、乾燥されるエマルジョン、特に感光性エマルジョンをコーティングすることによりスクリーン印刷版を製造する方法において、
スクリーン片(12、12a)にエマルジョンの層(52)が設けられ、この層(52)の一部をその後に取り除くことにより複数のコーティング領域(20b)が作成されることを特徴とする製造方法。
【請求項3】
請求項2において、未乾燥のエマルジョンの層(52)が、部分的な吸引除去の工程によりコーティング領域(20b)に細分されることを特徴とする製造方法。
【請求項4】
請求項1または2において、前記エマルジョンがほぼ点状にスプレーされることを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項4において、前記エマルジョンが少なくとも一つのノズルにより施されることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項5において、前記ノズル、特にスリットタイプノズルが、スクリーン片(12、12a)の長軸に沿った側縁(13)に平行に案内されることを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項1において、前記コーティング領域(20、20a、20b)が膜状の担体材料に施され、次にスクリーン片(12、12a)上に移され、その後スクリーン片上のコーティング領域が乾燥されることを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項7において、前記織布状の担体材料(28)がコーティング領域(20、20a、20b)を備えるスクリーン片(12、12a)から引き外されることを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項7において、前記担体材料(28)が保護薄膜としてス
クリーン片(12、12a)に付加されることを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかにおいて、前記コーティング領域(20、20a)の中心線(B)がスクリーン片の長手軸(A)に対して傾斜角(w)を為すことを特徴とする製造方法。
【請求項11】
請求項1において、前記エマルジョンは互いに平行になるように配置されているコーティングストリップ(46)の形で施され、前記コーティングストリップはコーティング領域(20a)の中心線(B)またはコーティング領域の輪郭線(42a)に対して傾斜角(w1)を為すことを特徴とする製造方法。
【請求項12】
請求項10または11において、前記傾斜角(w,w1)が50゜未満、好ましくは30゜未満であることを特徴とする製造方法。
【請求項13】
請求項11において、前記ストリップ状のコーティング帯(46)の狭い端縁(48)がコーティング領域(20a)の輪郭ライン(42a)に対応していることを特徴とする製造方法。
【請求項14】
請求項1または11において、前記各コーティングストリップ(46)の長さ(q)は傾斜角(w)により決まる輪郭ライン(42a)の位置に合致することを特徴とする製造方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかにおいて、前記コーティング領域に付随し、輪郭ライン(42a)に対し間隔(h1)を隔てて設けられているクランピングフレーム(38、38a)の中心線が、コーティング領域(20a、20b)の輪郭の中心線(B)上に設けられることを特徴とする製造方法。
【請求項16】
請求項15において、前記クランピングフレーム(38、38a)が、前記コーティング領域(20a、20b)の外側で緊張した状態にあるスクリーン片(12、12a)に接着されることを特徴とする製造方法。
【請求項17】
請求項15または16において、前記コーティング領域(20、20a、20b)を取り巻く不透過層が、クランピングフレーム(38、38a)の内側でスクリーン片(12、12a)に施されることを特徴とする製造方法。
【請求項18】
エマルジョン、好ましくは感光性エマルジョンをコートされている、例えばプラスチックフィラメントからなるスクリーン片を有し、上記の請求項1または7から17の少なくとも一つにより製造されるスクリーン印刷版において、
前記スクリーン片(12)が、複数のコーティング小領域から成るコーティング領域(20a)を備えることを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項19】
請求項18において、前記コーティング領域(20a)が薄膜状の担体材料上に形成されて、スクリーン片(12)上に移されており、前記担体材料が保護薄膜を形成していることを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項20】
請求項18または19において、前記コーティング領域(20a)がコーティングストリップ(46)により形成されていることを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項21】
請求項18から20のいずれか一項において、前記コーティングストリップ(46)が、コーティング領域(20a)の中心線(B)またはコーティング領域(20a)の輪郭ライン(図8)に対して傾斜角を為すことを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項22】
請求項18から20のいずれか一項において、クランピングフレームを備え、前記コーティングストリップ(46)が、該コーティングストリップを固定するクランピングフレーム(38)の中心線(B)に対し傾斜角(w1)を為して延びる(図8)ことを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項23】
請求項18から22のいずれかにおいて、前記コーティングストリップ(46)がスクリーン片(12)の長手軸(A)にほぼ平行に延びることを特徴とするスクリーン印刷版。
【請求項24】
請求項18から21のいずれかにおいて、前記スクリーン片(12)がクロスのエッジ部分(44)の液体不透過層を備え、上記の層がコーティング領域(20、20a)を取り囲んでいることを特徴とするスクリーン印刷版。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラスチックフィラメントからなるスクリーン片に、乾燥される感光性エマルジョンをコーティングすることによりスクリーン印刷版を製造する方法において、
スクリーン片(12、12a)にエマルジョンの層(52)け、この層(52)の一部をその後に取り除くことにより、各々が1つの画像を形成する複数のコーティング領域(20b)作成することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
請求項において、未乾燥のエマルジョンの層(52)が、部分的な吸引除去の工程によりコーティング領域(20b)に細分されることを特徴とする製造方法。
【請求項3】
請求項1において、前記エマルジョンがほぼ点状にスプレーされることを特徴とする製造方法。
【請求項4】
請求項において、前記エマルジョンが少なくとも一つのノズルにより施されることを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項において、前記ノズルが、スクリーン片(12、12a)の長軸に沿った側縁(13)に平行に案内されることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれかにおいて、前記コーティング領域(20、20a)の中心線(B)がスクリーン片の長手軸(A)に対して傾斜角(w)を為すことを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項において、前記傾斜角(w,w1)が50゜未満、好ましくは30゜未満であることを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれかにおいて、前記コーティング領域に付随し、輪郭ライン(42a)に対し間隔(h1)を隔てて設けられているクランピングフレーム(38、38a)の中心線が、コーティング領域(20a、20b)の輪郭の中心線(B)上に設けられることを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項において、前記クランピングフレーム(38、38a)が、前記コーティング領域(20a、20b)の外側で緊張した状態にあるスクリーン片(12、12a)に接着されることを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項またはにおいて、前記コーティング領域(20、20a、20b)を取り巻く不透過層が、クランピングフレーム(38、38a)の内側でスクリーン片(12、12a)に施されることを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−321243(P2006−321243A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213100(P2006−213100)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【分割の表示】特願平10−505617の分割
【原出願日】平成9年7月15日(1997.7.15)
【出願人】(502369414)ゼファー・アクチエンゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】SEFAR AG
【Fターム(参考)】