説明

コードレスプローブ、及び超音波診断装置

【課題】操作者のプローブの持ち方に制約がなく、また送受信部を複数設ける必要がないコードレスプローブ及び超音波診断装置を提供する。
【解決手段】筐体と、筐体の一面に配置され、超音波を送受信するトランスデューサ16とを備える。トランスデューサ16の超音波送受信面15が被検体に当接された状態において被検体に接するように配置された電極17と、電極17に対する交流電圧の印加、および電極が受信した交流電圧の検出を行う送受信回路とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置本体との間をコードレスで信号を送受信するコードレスプローブ、及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、被検査者(被検体ともいう)体内の検査対象部に超音波を送信し、体内で反射された超音波エコー信号を受信することにより検査対象部の断層像を取得する。実用化されている多くの超音波診断装置は、超音波診断装置本体とプローブとで構成されている。超音波診断装置本体とプローブは可撓性のあるコードを介して繋がれているが、操作者がプローブを動かす際にコードの重量と弾力性によりプローブが引っ張られてスムーズに動かし難いという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、プローブと超音波診断装置本体との間を光や電波を用いて、制御信号や超音波エコー信号を伝送させる方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。図17は、プローブ102と超音波診断装置本体103との間を光や電波を用いて超音波エコー信号を伝送させる超音波診断装置の構成を示す図である。操作者106は、プローブ102を被検査者107の体表に当てて検査を行う。プローブ102は、超音波エコー信号を光や電波を用いて送受信部104に送信し、送受信部104で受信された超音波エコー信号は本体103で信号処理され、超音波画像としてモニタに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−141328号公報
【特許文献2】特開2007−244580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の光や電波を用いてデータを伝送させる方法では、操作者106は手でプローブ側の送受信部を隠さないよう注意しなければならず、プローブ102の持ち方と診断作業中のプローブ102の向きに制約が生じるという問題がある。
【0006】
また、たとえ操作者106が手でプローブ側の送受信部を隠さないように注意しても、操作者106がプローブ102を持って操作する限り操作者の腕が光や電波を遮る場合がある。さらに、プローブを操作する際の腕の動きによって、光や電波が遮られる方向が変化することは避けられない。このため、図17に示すように複数の送受信部104を配置することにより、プローブ102に対して複数方向から送受信可能な状態とする必要がある。このため、複数の送受信部104が被検査者107の周囲に設置できる場所でなければ、コードレス超音波診断装置を使用できないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来のコードレス超音波診断装置の問題点を解決するものであり、操作者のプローブの持ち方に制約がなく、また送受信部を離れた位置に複数設ける必要がないコードレスプローブ及び超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコードレスプローブは上記課題を解決するために、筐体と、前記筐体の一面に配置され、超音波を送受信するトランスデューサとを備えた超音波診断装置用のコードレスプローブにおいて、前記トランスデューサの超音波送受信面が被検体に当接された状態において被検体に接するように配置された電極と、前記電極に対する交流電圧の印加、および前記電極が受信した交流電圧の検出を行う送受信回路とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のコードレスプローブの前記筐体は、曲率が異なる複数の曲面を有することができる。
【0010】
また、前記電極は複数配置され、前記送受信回路は、時間とともに前記交流電流の伝搬方向が変化するように、前記複数の電極に前記交流電圧を印加する構成にすることもできる。
【0011】
また、前記複数の電極は、互いに直交する方向の交流電流を送受信できるよう配置された構成にすることもできる。さらに、前記複数の電極は、2つの電極を1組として少なくとも2組で構成され、それぞれの前記組の電極間の方向が直交するように配置された構成にすることもできる。
【0012】
また、前記送受信回路は、前記互いに直交する方向に送信される交流電流が互いに90°の位相差となるように前記電極に交流電圧を印加する構成にすることができる。この構成によれば、交流電流は被検査者の体表を8の字形状で流れ、時間とともに8の字形状が回転する。したがって、ピックアップ部の向きや位置に関係なく超音波診断装置本体との間で制御信号や超音波エコー信号をさらに安定して伝送できるようになる。
【0013】
また、前記電極は表面が樹脂層で覆われ、前記電極と前記樹脂層は、前記筐体の前記トランスデューサの超音波送受信面が前記被検査者の体表面に接した際に、キャパシタとして動作し、前記交流電流を送受信する構成にすることができる。
【0014】
また、本発明の超音波診断装置は、上記記載のコードレスプローブと、超音波診断装置本体と、前記超音波診断装置本体に接続されたピックアップ部とを備え、前記ピックアップ部は、前記被検査者の体表に配置された際に、前記被検査者の体表を介して前記コードレスプローブとの間で、交流電流を送受信可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、トランスデューサ(圧電素子)の超音波送受信面と同一面に電極を配置したことにより、交流電流はコードレスプローブの動きに関係なく被検査者の体表面を介して効率良く送受信され、別途設けた、超音波診断装置本体から引き出された有線に接続され、被検査者の体表面に流れる交流電流を送受信するピックアップ部と組合せて使用することにより、プローブと超音波診断装置本体との間で制御信号や超音波エコー信号をコードレスで安定して送受信することができる。
【0016】
また、被検査者の体表に流れる交流電流を利用してコードレスプローブと超音波診断装置本体との間で制御信号や超音波エコー信号をコードレスで安定して伝送できるようになるので、従来のコードレス超音波診断装置の制約を解消できる。すなわち、コードレスプローブを持つ位置と向きに制約がなく、さらに複数の送受信部を配置できる場所を確保する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1における超音波診断装置の使用状態を示す図
【図2A】同超音波診断装置を構成するコードレスプローブ形状を示す概略斜視図
【図2B】同コードレスプローブのプローブ外形の特徴を示す概略図
【図3】同コードレスプローブの内部構成を示すブロック図
【図4A】同超音波診断装置を構成するピックアップ部の背面の構造を示す斜視図
【図4B】ピックアップ部の電極面側の構造を示す斜視図
【図5】同超音波診断装置を構成する超音波診断装置本体の内部構成を示すブロック図
【図6A】本実施の形態におけるコードレスプローブの使用状態における断面図
【図6B】体表に対して斜めに押し当てられたコードレスプローブの使用状態における断面図
【図7A】コードレスプローブの使用状態における別の向きの断面図
【図7B】体表に対して斜めに押し当てられたコードレスプローブの使用状態における別の向きの断面図
【図8A】コードレスプローブと被検査者の体表との接触領域の状態を示す断面図
【図8B】図8Aに示された状態の等価回路を示す回路図
【図9】コードレスプローブからピックアップ部へ信号を伝送している状態における高周波電流分布を模式的に示した図
【図10】ピックアップ部からコードレスプローブへ信号を伝送している状態における高周波電流分布を模式的に示す図
【図11A】本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置を構成するコードレスプローブの接触面を示す図
【図11B】同コードレスプローブの電極に印加される電圧の時間変化を示す波形図
【図12】図11Bにおける時刻0において各電極に印加された電圧による高周波電流を示す図
【図13】図11Bにおける時刻T/8において各電極に印加された電圧による高周波電流を示す図
【図14】図11Bにおける時刻2T/8において各電極に印加された電圧による高周波電流を示す図
【図15】図11Bにおける時刻3T/8において各電極に印加された電圧による高周波電流を示す図
【図16A】コードレスプローブが作るベクトル合成された高周波電流分布とピックアップ部の関係の時間変化を模式的に示す図
【図16B】コードレスプローブが作るベクトル合成された高周波電流分布とピックアップ部の関係の時間変化を模式的に示す図
【図16C】コードレスプローブが作るベクトル合成された高周波電流分布とピックアップ部の関係の時間変化を模式的に示す図
【図16D】コードレスプローブが作るベクトル合成された高周波電流分布とピックアップ部の関係の時間変化を模式的に示す図
【図17】従来のプローブと超音波診断装置本体との間を光や電波を用いて超音波エコー信号を伝送する超音波診断装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のコードレスプローブ、及び超音波診断装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における超音波診断装置1の使用状態を図1に示す。超音波診断装置1は、コードレスプローブ2と、超音波診断装置本体3と、被検査者7の体表を介してコードレスプローブ2と信号を送受信するピックアップ部4と、ピックアップ部4が送受信する信号を超音波診断装置本体3との間で伝送するためのケーブル5とを有する。コードレスプローブ2は、操作者6により保持され、被検査者7の体表に接触させられる。コードレスプローブ2は、超音波を送受信し、被検者の体表上に電流を流すことにより超音波エコー信号を送信する。ピックアップ部4は、被検査者7の体表上であって、コードレスプローブ2が配置される近傍に配置される。超音波診断装置本体3は、ピックアップ部4が受信した超音波エコー信号を処理して超音波画像データを得る。
【0020】
図2Aは、コードレスプローブ2の形状を示す概略斜視図である。コードレスプローブ2は、後述するように、トランスデューサなどが筐体の内部に配置されて構成されている。図2Aにおいて破線で示す部分は、コードレス化で不要となったコード部であり、実際には存在しない。このコードレス化により、コードの弾力性や重量に引っ張られないで、コードレスプローブ2を使用することが可能である。
【0021】
図2Bは、コードレスプローブ2のプローブ外形11の特徴を示す概略図である。プローブ外形11は、形状の曲率が大きく変化している部分を模式的に示す変化線12と、変化線12が交わる節点13とで囲まれ、複数の曲面14を有する構成としている。曲面14の1つであり、コードレスプローブ2の使用時に被検査者7の体表に接触させられる接触面(つまり、コードレスプローブ2(の筐体)の超音波送受信面)15側には、被検査者7に超音波を送信し、またエコー信号を受信するトランスデューサ16と、複数の電極17が配置されている。
【0022】
トランスデューサ16は、被検査者7の検査対象部(図示せず)に超音波を送信し、検査対象部からの超音波エコーを受信する。電極17は、詳細は後述するが、被検査者の体表に対して交流電流を送受信可能であり、トランスデューサ16が超音波エコーを受信して得られた超音波エコー信号などの信号をピックアップ部4との間でコードレスで送受信するために用いられる。このように、接触面15にトランスデューサ16と電極17とが配置されることによって電極17からの信号が操作者により遮られることがなく、操作者はプローブの持ち方に制約なく使用することができる。
【0023】
図3は、コードレスプローブ2の内部構成を示すブロック図である。超音波発生回路21は、トランスデューサ16を駆動する超音波電気信号を発生し、トランスデューサ16に超音波電気信号を供給する。トランスデューサ16は、超音波電気信号を超音波に変換し、被検査者の体内に送信する。また、トランスデューサ16は、送信された超音波が体内の検査対象部により反射された超音波エコーを超音波エコー信号として受信する。アナログデジタル変換回路22は、超音波エコー信号をデジタル信号に変換する。
【0024】
制御回路23は、超音波の送受信のタイミングを制御する。
【0025】
交流電圧を発生する送受信回路24は、制御回路23と電極17に接続されている。送受信回路24は、搬送波となる交流信号を制御回路23から出力されたデジタル信号で変調し、変調信号(交流電圧)を電極17に供給する。電極17は、変調信号が印加されることにより被検査者の体表に交流電流を伝搬させる。
【0026】
ここで、交流電圧として、トランスデューサが送信する超音波の周波数よりも高い周波数(以下、高周波電圧と称す)の電圧を印加することで、被検査者の体表に交流電流(以下、高周波電流と称す)を伝搬させることができる。
【0027】
電極17は、また、被検査者7の体表に流れる交流電流である高周波電流を受信し、受信信号は送受信回路24から制御回路23に伝達される。制御回路23は、受信信号に含まれる指令を実行するなど受信信号を処理する。バッテリ25は、コードレスプローブ2の各部に電力を供給する。
【0028】
図4Aは、本発明の実施の形態におけるピックアップ部4の背面の構造を示す斜視図である。図4Bは、ピックアップ部4の電極面側の構造を示す斜視図である。図4A、4Bに示すようにピックアップ部4は被検査者の体表に対して交流電流として高周波電流を送受信可能なピックアップ電極31を有し、ピックアップ電極31はケーブル5の皮膜樹脂で覆われ、超音波診断装置本体3に接続された信号線(図示せず)に接続されている。
【0029】
図5は、本実施の形態における超音波診断装置本体3の内部構成を示すブロック図である。本体側送受信回路32は、ケーブル5の信号線に接続され、ピックアップ部4を介してコードレスプローブ2へ制御信号を送信する。また、本体側送受信回路32は、ピックアップ部4が受信した変調信号を復調して超音波エコー信号に変換する。操作部33は、例えばキーボードで構成され、操作者6からの指令を受信する。画像信号処理部36は、超音波エコー信号を超音波画像データに変換処理する。表示部34は、超音波画像データを超音波画像として表示する。本体側制御部35は、各部の制御を行う。電源部37は、各部に電力を供給する。
【0030】
次に、コードレスプローブ2とピックアップ部4との間で行われる高周波電流の送受信について詳細に説明する。まず、検査時におけるコードレスプローブの状態について説明する。
【0031】
図6Aは、トランスデューサ16の長手方向に直交する断面を体表19とともに示す図であり、コードレスプローブ2を被検査者7の体表19に垂直に押し当てて使用している状態を示す。図6Bは、図6Aと同様の断面を示す図であって、コードレスプローブ2を被検査者7の体表19に斜めに押し当てて使用している状態を示す。
【0032】
図7Aは、トランスデューサ16の長手方向の断面を体表19とともに示す図であり、コードレスプローブ2を被検査者7の体表19に垂直に押し当てて使用している状態を示す。図7Bは、図7Aと同様の断面を示す図であって、コードレスプローブ2を被検査者7の体表19に斜めに押し当てて使用している状態を示す。図6A、6B、図7A、7Bの状態においては、トランスデューサ16から被検査者7の体内に超音波ビーム18が送信されている。
【0033】
図6A、6B、図7A、7Bに示すように、操作者は、当然ながら被検査者の検査対象部が鮮明に検出できるようにコードレスプローブ2を操作する。超音波は、音響インピーダンスが大きく変化する箇所、例えば、コードレスプローブ2の筐体と空気との間で反射しやすいという特性がある。そのため、図6A、6B、図7A、7Bに示すように、トランスデューサ16が配置された接触面(コードレスプローブ2(筐体)の超音波送受信面)15側が空気に露出せず、被検査者7の体表19に密着するように、コードレスプローブ2を被検査者7に押し当てた状態で検査が行われる。
【0034】
このとき、トランスデューサ16が配置された接触面15側が被検査者に接すると電極17も被検査者に接するように接触面15側に配置されていることから被検査者7の体表19に密着されることになる。つまり、検査対象部に対して効率良く超音波を送受信でき、良好な超音波画像が得られる状態では、被検査者の体表19に高周波電流を送受信する電極17も被検査者の体表19に密着している状態となる。これにより、電極17から体表19を介して高周波電流を送信することができ、ピックアップ部4のピックアップ電極31が高周波電流を受信することにより、臓器の動きを示す画像をリアルタイムに超音波診断装置本体3に表示することが可能となる。
【0035】
一方、ピックアップ部4のピックアップ電極31が高周波電流を送信し、電極17がこの高周波電流を受信することにより、超音波診断装置本体3からの指令などの信号をコードレスプローブ2が受信することができる。これは、トランスデューサ16の超音波送受信面と同じ側の筐体面に電極17を配置するという本発明の構成によってのみ得られる効果である。
【0036】
次に、コードレスプローブ2から被検査者の体表19に対して高周波電流を送受信する方法について説明する。図8Aは、本発明の実施の形態におけるコードレスプローブ2と被検査者7の体表19との接触領域の状態を示す断面図である。コードレスプローブ2と体表19との間の空間にはジェル27が充填されて、コードレスプローブ2を体表19に密着させる。ジェル27は、水分を多量に含む材料であるため、空気に比べて被検査者の体表19との音響インピーダンスに近く、且つ、電極17と体表19間の電気抵抗値を下げる効果を有する。このため、ジェル27を介して、コードレスプローブ2を体表19に密着させることにより、超音波に対する音響インピーダンスの整合特性と、電気抵抗低減の2つを同時に改善することができる。
【0037】
コードレスプローブ2には、電極17の外側に、筐体の一部を構成し、電極17を覆った薄い樹脂層26が配置されている。樹脂層26は、高周波電流の電気的な交流回路を構成するうえでは、実用上1mm厚以下が好ましく、電極17の表面酸化を防ぎ、さらに電極17が汚れることを防ぐ効果がある。
【0038】
なお、トランスデューサ16の超音波送受信面側には、音響整合層や必要に応じて音響レンズ等が設置され、薄い樹脂層26に相当する膜が構成されるが、この膜と薄い樹脂層26とが一体的に構成される場合は、これらの膜厚は同一にした方が、設計面、製造面で効率的である。
【0039】
図8Bは、図8Aに示された構成の等価回路を示す回路図である。キャパシタ28は、電極17と被検査者の体表19との間に、樹脂層26とジェル27とが誘電体として介在することにより構成される。抵抗29は、体表19の電気抵抗に相当する。
【0040】
電極17に送受信回路24から高周波電圧が印加されると、キャパシタ28を介して被検査者の体表19に電圧が印加される。これにより、複数の電極17に対応する位置の体表の電位差により体表19(抵抗29)に高周波電流が流れる。また、ピックアップ部4からの高周波電流が体表に流れることにより、複数の電極17に対応する位置の体表に電位差が生じ、電極17間に電位差が生じる。これにより、送受信回路24が超音波診断装置本体3からの制御信号を受信できる。これも、ジェル27が塗られるトランスデューサ16と同一曲面(接触面(超音波送受信面)15側)に電極17を配置するという本発明の構成によってのみ得られる効果である。
【0041】
図示しないが、ピックアップ部4においても同様の等価回路が構成される。すなわち、ピックアップ電極31は、薄い樹脂層に覆われている。ピックアップ電極31は、この樹脂層を介して被検査者の体表19に接触する。このため、ピックアップ電極31と被検査者の体表19との間に、樹脂層が誘電体として介在することにより、キャパシタが構成される。なお、このピックアップ電極31を覆う薄い樹脂層の厚さも、上記と同様に、実用上1mm厚以下が好ましい。
【0042】
図5に示したように、ピックアップ電極31に本体側送受信回路32から制御信号が印加されると、キャパシタを介して被検査者の体表19に電圧が印加される。これにより、ピックアップ電極31に対応する位置の体表の電位差により体表19に高周波電流が流れる。また、コードレスプローブ2からの高周波電流が体表に流れることにより、ピックアップ電極31に対応する位置の体表に電位差が生じ、ピックアップ電極31間に電位差が生じる。これにより、本体側送受信回路32にコードレスプローブ2からの変調信号が受信できる。
【0043】
以上のように、本発明の超音波診断装置は、コードレスプローブ2を被検査者7の体表19に押し当てている近傍にピックアップ部4を配置した状態で使用することにより、被検査者7の体表19に対して高周波電流を送受信することができる。
【0044】
次に、本発明により、被検査者の体表19を流れる高周波電流を利用してコードレスプローブ2とピックアップ部4との間で良好な通信が実現される原理を説明する。図9は、本実施の形態におけるコードレスプローブ2からピックアップ部4へ信号を送信している状態における被検査者の体表に流れる高周波電流分布を模式的に示した図である。高周波電流41は、電極17間を図9中の破線に沿って8の字形状に被検査者の体表を流れる。尚、高周波電流41は、図9中の破線の密度が高い部分で多く流れる。
【0045】
以下、高周波電流41が流れるコードレスプローブ2の電極が4つ配置されている例について説明する。4つの電極17a〜17dは、正方形の各頂点となる位置に配置され、トランスデューサ16に対して電極17aと電極17bが同じ側に配置され、電極17cと電極17dが同じ側に配置されている。図9の状態は、電極17aと電極17bを等電位とし、電極17cと電極17dを等電位とした状態である。
【0046】
つまり、高周波電流41が流れる領域に実線で示すように配置されたピックアップ部4のピックアップ電極31には、高周波電流41と被検査者の体表の抵抗値に応じた電圧が誘起されることとなり、ピックアップ部4はこれにより信号を受信することができる。
【0047】
図10は、本発明の実施の形態におけるピックアップ部4からコードレスプローブ2へ信号を送信している状態における被検査者の体表に流れる高周波電流42の分布を模式的に示す図である。高周波電流42は、ピックアップ電極31で発生し、図10中の破線に沿って8の字形状に被検査者の体表に流れる。高周波電流42が流れる領域に配置されたコードレスプローブ2の電極17には、高周波電流42と被検査者の体表の抵抗値に応じた電圧が誘起されることとなり、ピックアップ部4はこれにより制御信号を受信することができる。
【0048】
このように、本発明の構成によれば、トランスデューサ(圧電素子)と同一面に電極を配置したことにより、トランスデューサ(圧電素子)が体表面に接する場合は同様に接するため、高周波電流はコードレスプローブの体表面に沿った位置の移動に関係なく被検査者の体表面を介して効率良く送受信することができる。したがって、従来のコードレス超音波診断装置のような、複数の送受信部をプローブの周囲に配置できる場所を必要とするといった制約がない。
【0049】
尚、本実施の形態では、4つの電極を用いたが、等電位とした2つの電極を1つの電極にすることができる。
【0050】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置は、実施の形態1に係る超音波診断装置と基本的構成は同一であるが、電極17に印加する信号電圧の波形に特徴を有する。なお、本実施の形態に係る超音波診断装置において、実施の形態1に係る超音波診断装置と同一の参照符号を用いる。
【0051】
図9に示すように、実線で示したピックアップ部4のピックアップ電極31の間を結ぶ線が高周波電流41の方向(図9中の上下方向)と平行に近くなるほど効率良く誘起電圧をピックアップすることが可能となる。しかしながら、電極17aと電極17bを等電位とし、電極17cと電極17dを等電位となるように高周波電圧を印加しただけでは、必ずしも誘起電圧を効率良くピックアップすることができるとは限らない。
【0052】
例えば、破線で示すピックアップ部4のように、ピックアップ電極31の間を結ぶ線の延長線上にコードレスプローブ2が位置する場合には、ピックアップ電極31の間を結ぶ線が高周波電流41と直交するため、誘起電圧を効率良くピックアップさせることができない。
【0053】
また、一点鎖線で示すピックアップ部4のように、高周波電流が流れていない領域に、ピックアップ部4が配置されても誘起電圧をピックアップすることができない。
【0054】
つまり、コードレスプローブ2と超音波診断装置本体3とで常に良好な通信を確保しようとすると、コードレスプローブ2が被検査者の体表に押し当てる方向が制約されるという問題が生じることになる。
【0055】
この問題を解決するために、本実施の形態では、さらに以下のようなコードレスプローブ2の電極17への電圧印加方法を用いる。
【0056】
図11Aは、コードレスプローブ2の接触面15を示す図である。また、図11Bは、電極17a〜17dに印加される電圧の時間変化を示す図である。正弦波形51は、送受信回路24で発生され、電極17aと電極17cとの間に印加される電圧を示す。正弦波形52は、送受信回路24で発生され、電極17bと電極17dとの間に印加される電圧を示す。すなわち、図11Aの一点鎖線で示すように、互いに直交するように配置された電極17aと電極17cとの間、電極17bと電極17dとの間に電圧が印加される。
【0057】
ここで、図中のTは、正弦波形51、52の周期である。また、正弦波形51と正弦波形52は、位相差が90°である。
【0058】
次に、以上のように電極17a〜17dに電圧が印加された場合の被検査者の体表に流れる高周波電流の分布について、図12〜図16を参照して説明する。図12〜図15は、それぞれ図11Bにおける時刻0、T/8、2T/8、3T/8において各電極17に印加された電圧による高周波電流を示す図である。また、図12〜図15において(a)は電極17aと電極17cとの間に流れる高周波電流の分布を示す図、(b)は電極17bと電極17dとの間に流れる高周波電流の分布を示す図、(c)は(a)、(b)の高周波電流を合成した高周波電流の分布を示す図である。また、高周波電流43a〜43d、44a〜44d、45a〜45dの矢印が高周波電流の向きを示し、線の太さが高周波電流の大きさを示す。
【0059】
図12は、時刻0において、電極17による高周波電流の分布の様子を模式的に示す図である。図12(a)は、電極17aと電極17cとの間に流れる高周波電流43aの分布を示す図である。時刻0では、電極17aに電圧+Vaが印加され、電極17cに電圧−Vaが印加される。すなわち、図11Bに示したように、電極17aから電極17cの向きに合算された電圧+2Vaに対応する量の高周波電流43aが流れる。図12(b)は、電極17bと電極17dとの間に流れる高周波電流の分布を示す図である。時刻0では、電極17bと電極17dにはともに0電圧が印加されるため、高周波電流は流れない。したがって、図12(c)に示すように、電極17aと電極17cによる高周波電流43aと電極17bと電極17dによる高周波電流をベクトル合成した高周波電流45aは、高周波電流43aと同様である。
【0060】
図13は、時刻T/8において、電極17による高周波電流の分布の様子を模式的に示す図である。図13(a)は、電極17aと電極17cとの間に流れる高周波電流43bの分布を示す。時刻T/8では、電極17aに電圧+Vbが印加され、電極17cに電圧−Vbが印加される。すなわち、電極17aから電極17cの向きに合算された電圧+2Vbに対応する量の高周波電流43bが流れる。図13(b)は、電極17bと電極17dとの間に流れる高周波電流44bの分布を示す図である。時刻T/8では、電極17bに電圧+Vbが印加され、電極17dに電圧−Vbが印加される。すなわち、電極17bから電極17dの向きに合算された電圧+2Vbに対応する量の高周波電流44bが流れる。したがって、図13(c)に示すように、電極17aと電極17cによる高周波電流43bと、電極17bと電極17dによる高周波電流44bとをベクトル合成した高周波電流45bは、電極17a、17bから電極17c、17dの向き(下向き)に流れる。
【0061】
つまり、図13の点線で囲んだ領域Aでは、高周波電流43bと高周波電流44bとが同じ大きさで逆向きに流れるため、合成すると高周波電流45bが流れない。一方、領域Bでは、高周波電流43bと高周波電流44bが同じ大きさで同じ向きに流れるため、高周波電流45bは高周波電流43bより増大する。そして、結局全体としてベクトル合成される高周波電流45bは、図13(c)に示すように、高周波電流45aを45°回転させた向きに流れる。
【0062】
図14は、コードレスプローブ2の時刻2T/8において、電極17による高周波電流分布の様子を模式的に示す図である。図14(a)は電極17aと電極17cとの間に流れる高周波電流の分布を示す図である。時刻2T/8では、電極17aと電極17cにはともに0電圧が印加されるため、高周波電流は流れない。図14(b)は電極17bと電極17dとの間に流れる高周波電流44cの分布を示す図である。時刻2T/8では、電極17bに電圧+Vaが印加され、電極17dに電圧−Vaが印加される。すなわち、電極17bから電極17dの向きに合算された電圧+2Vaに対応する量の高周波電流44cが流れる。したがって、図14(c)に示すように、電極17aと電極17cによる高周波電流と電極17bと電極17dによる高周波電流44cをベクトル合成した高周波電流45cは、高周波電流44cと同様である。
【0063】
図15は、時刻3T/8において、電極17による高周波電流の分布を模式的に示す図である。図15(a)は電極17aと電極17cとの間に流れる高周波電流43dの分布を示す図である。時刻3T/8では、電極17aに電圧−Vbが印加され、電極17cに電圧+Vbが印加される。すなわち、電極17cから電極17aの向きに合算された電圧+2Vbに対応する量の高周波電流43dが流れる。図15(b)は電極17bと電極17dとの間に流れる高周波電流の分布を示す図である。時刻3T/8では、電極17bが電圧+Vbに印加され、電極17dが電圧−Vbに印加される。すなわち、電極17bから電極17dの向きに合算された電圧+2Vbに対応する量の高周波電流44dが流れる。したがって、図15(c)に示すように、電極17aと電極17cによる高周波電流43dと、電極17bと電極17dによる高周波電流44dをベクトル合成した高周波電流45dは、電極17b、17cから電極17a、17dの向き(左向き)に流れる。
【0064】
つまり、図15の点線で囲んだ領域Aでは、高周波電流43dと高周波電流44dとが同じ大きさで同じ向きに流れるため、高周波電流45dは高周波電流43dより増大する。一方、領域Bでは、高周波電流43dと高周波電流44dが同じ大きさで逆向きに流れるため、合成すると高周波電流45dが流れない。そして、結局全体としてベクトル合成される高周波電流45dは、図15(c)に示すように、高周波電流45cを45°回転させた向きに流れる。
【0065】
以上の図12から図15を参照した説明のとおり、直交する方向に高周波電流を流す2組の電極17間に90°の位相差を付けた高周波電圧を印加することにより、ベクトル合成される高周波電流45は、時間とともに回転する。ここで、ベクトル合成された高周波電流45により、ピックアップ部4のピックアップ電極31にどのように高周波電圧が誘起されるかについて、図16を参照しながら説明する。
【0066】
図16A〜図16Dは、本発明の実施の形態においてコードレスプローブ2が作るベクトル合成された高周波電流45の分布とピックアップ部4との関係の時間変化を模式的に示す図である。図16Aは、時刻0のときの図12(c)に相当する高周波電流45aが流れる状態を示す。図16Bは、時刻T/8のときの図13(c)に相当する高周波電流45bが流れる状態を示す。図16Cは、時刻2T/8のときの図14(c)に相当する高周波電流45cが流れる状態を示す。図16Dは、時刻3T/8のときの図15(c)に相当する高周波電流45dが流れる状態を示す。ピックアップ部4は、電極17aから電極17cの延長線上に配置されている。2つのピックアップ電極31は、電極17bと電極17dとが向き合う方向に対して平行に向き合うように配置されている。
【0067】
図16A〜16Dに示すように、ベクトル合成された高周波電流分布は8の字形状を保ったまま、時間とともに順に回転する。尚、図16A〜16Dは図11Bに示したように0〜3T/8の期間で高周波電流分布が回転する様子を示しているので、周期Tの期間ではさらに高周波電流分布が半回転することになる。ピックアップ部4の位置を流れる高周波電流に注目すると、周期Tで高周波電流の向きが一回転することとなる。
【0068】
さらに、図16に示したように高周波電流の分布はプローブを中心に回転することから、コードレスプローブ2の向きに関わらずコードレスプローブ2からから送出される高周波電流は必ずピックアップ部4を通過するので、安定してコードレスプローブ2からピックアップ部4への通信が可能となる。すなわち、図16Cに示すようにピックアップ電極31が良好に誘起電圧をピックアップできるように、高周波電流45cの向きがピックアップ電極31が向き合う向きに平行となる場合が生じる。同様に、図9において一点鎖線で示したピックアップ部4においても、図16Dの状態で高周波電流45dの向きがピックアップ電極31が向き合う向きに平行となり、良好に誘起電圧をピックアップすることができる。
【0069】
尚、図16に示したように、ピックアップ部4は、2つのピックアップ電極31を結ぶ線に垂直な方向で、且つ2つのピックアップ電極31間の中央を通る線上にコードレスプローブ2が配置されるように配置されることが好ましい。このように配置されることにより、高周波電流45の向きがピックアップ電極31が向き合う向きに平行となり、2つのピックアップ電極31間に誘起される電圧が最大となる。
【0070】
ただし、図16Aの破線で示すように、ピックアップ部4が2つのピックアップ電極31を結ぶ線の延長線上にコードレスプローブ2が位置するように配置されたとしても、高周波電流45aを受信することはできる。これは、図16Aに示す状態において、高周波電流45aの向きが、ピックアップ電極31が向き合う向きの成分を有するからである。したがって、ピックアップ部4の位置を気にせずコードレスプローブ2を移動させることができる。
【0071】
また、ピックアップ部4からコードレスプローブ2への通信については、「相反定理」として広く知られているように、伝送路に増幅素子等の方向性を有する要素がない限り、伝送路の全端子間の伝送特性は振幅と位相が端子間の双方向で一致する。このことから、電極17aと電極17cとの間で受信した高周波電圧と電極17bと電極17dとの間で受信した高周波電圧をコードレスプローブ2内の回路で90°の位相差を付加して合成することにより、コードレスプローブ2がどの方向に向いていても、ピックアップ部4からの高周波電流が誘起する電圧を安定して受信できる。
【0072】
つまり、本発明の実施の形態のコードレスプローブは、被検査者の体表において互いに直交する向きに配置された電極から互いに90°の位相差が付加された2つの高周波電流を送信する。また、電極間が互いに直交するように配置された電極の組により信号を受信するため、体表の平面を流れるあらゆる方向の電流も受信することができる。このことにより、コードレスプローブの向きに関係なく、安定してコードレスプローブとピックアップ部との間で通信を行うことが可能となり、コードレスプローブの動きに制約がない。
【0073】
尚、本実施の形態では電極を4つ(2組)としたが、互いに異なる方向に高周波電流を送受信できればこれ以外の数でも良く、互いに異なる方向を90°としたがこれ以外の角度でも良い。例えば、1つの電極を共通電極とし、2つの電極に異なる電圧を印加することにより、異なる方向に高周波電流を流すことができるため、少なくとも3つ以上の電極は必要である。また、異なる方向に電流を流すことができればどのような角度であってもよいが、構成の簡単さ、下記の位相差との整合の関係から90°に近いほど好ましい。また、90°の組を4組、6組とすることも可能で、この場合、一部の電極が体表面から離れてしまった場合であっても、最低2組が体表面に接触していれば安定して信号を伝達することが可能となる。
【0074】
さらに、高周波電流は互いに90°の位相差を有するとしたが異なる位相差でも良い。理論上は、位相差が0°以外であればよいが、高周波電流の向きにもよるが誘起電圧を安定して受信できるようにするためには、電極間の角度に対応して90°に近いほど好ましい。
【0075】
つまり、電極数と配置方向と位相差の組合せによりコードレスプローブ周辺の高周波電流の方向を時間とともに変えられるよう構成したものであれば、本発明の及ぶ範囲であることは言うまでもない。
【0076】
また、本実施の形態ではピックアップ部の電極数が2つの場合を示したが、コードレスプローブと同様に4つとしてもよい。さらに、ワイヤレスプローブと同じく直交する方向の電極対間に90°位相の異なる電圧を印加して回転する高周波電流の分布を作り出し、且つ高周波電流の分布の回転方向をワイヤレスプローブが作る回転する高周波電流の分布と同じ向きにすることで、さらに効率良く信号を伝送でき、その構成が本発明の及ぶ範囲であることは言うまでもない。
【0077】
また、送受信回路から出力する交流電圧の周波数は、トランスデューサ16が送信する超音波の周波数の10倍以上の周波数であることが好ましい。このようにすることで、周波数の干渉、減衰、ノイズ等の影響を低減できコードレスプローブとピックアップ部との間で安定して通信を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明にかかるコードレスプローブおよび超音波診断装置は、操作者のプローブの持ち方に制約がなく、また超音波診断装置本体側に複数の送受信部を設置できる場所を必要としないという特徴を有し、医療分野で用いる超音波診断装置として有用である。
【符号の説明】
【0079】
1超音波診断装置
2コードレスプローブ
3超音波診断装置本体
4ピックアップ部
5ケーブル
6操作者
7被検査者
11プローブ外形
12曲率変化線
13節点
14曲面
15接触面
16トランスデューサ
17電極
18超音波ビーム
19体表
21超音波発生回路
22アナログデジタル変換回路
23制御回路
24送受信回路
25バッテリ
26樹脂層
27ジェル
28キャパシタ
29抵抗
31ピックアップ電極
32本体側送受信回路
33操作部
34表示部
35本体側制御部
36画像信号処理部
37電源部
41、42、43a〜43d、44a〜44d、45a〜45d高周波電流
51、52正弦波形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の一面に配置され、超音波を送受信するトランスデューサとを備えた超音波診断装置用のコードレスプローブにおいて、
前記トランスデューサの超音波送受信面が被検体に当接された状態において被検体に接するように配置された電極と、
前記電極に対する交流電圧の印加、および前記電極が受信した交流電圧の検出を行う送受信回路とを備えたことを特徴とするコードレスプローブ。
【請求項2】
前記筐体は、曲率が異なる複数の曲面を有することを特徴とする請求項1記載のコードレスプローブ。
【請求項3】
前記電極は複数配置され、
前記送受信回路は、時間とともに前記交流電流の伝搬方向が変化するように、前記複数の電極に前記交流電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載のコードレスプローブ。
【請求項4】
前記複数の電極は、互いに直交する方向の交流電流を送受信できるよう配置されたことを特徴とする請求項3記載のコードレスプローブ。
【請求項5】
前記複数の電極は、2つの電極を1組として少なくとも2組で構成され、それぞれの前記組の電極を結ぶ方向が直交するように配置されたことを特徴とする請求項4記載のコードレスプローブ。
【請求項6】
前記送受信回路は、前記互いに直交する方向に送信される交流電流が互いに90°の位相差となるように前記電極に交流電圧を印加することを特徴とする請求項4または5に記載のコードレスプローブ。
【請求項7】
前記電極は表面が樹脂層で覆われ、
前記電極と前記樹脂層は、前記筐体の前記トランスデューサの超音波送受信面が前記被検査者の体表面に接した際に、キャパシタとして動作し、前記高周波電流を送受信することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコードレスプローブ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコードレスプローブと、
超音波診断装置本体と、
前記超音波診断装置本体に接続されたピックアップ部とを備え、
前記ピックアップ部は、前記被検査者の体表に配置された際に、前記被検査者の体表を介して前記コードレスプローブとの間で、高周波電流を送受信可能な超音波診断装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−9829(P2013−9829A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144525(P2011−144525)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】