説明

コーヒー沸かし器

【課題】スイッチの内部への水の侵入を防止することができるコーヒー沸かし器を提供する。
【解決手段】コーヒー沸かし器本体に設けられた水タンク2と、水タンク2内に入れられた水2aを給湯口3に導く給湯用配管4と、給湯用配管4を通る水2aを加熱する加熱装置6と、加熱装置6のON-OFFを切り換え可能な可動式のボタン部7aと、コーヒー沸かし器本体1の側壁に固定されボタン部7aを保持するスイッチ本体7bとを有するスイッチ7と、を備えるコーヒー沸かし器であって、ボタン部7aとスイッチ本体7bとの隙間を覆って水密シールするようにシールパッキンを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー粉に加熱した水(熱湯)を給湯することにより、コーヒーの抽出を行うコーヒー沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコーヒー沸かし器としては、図7に示すような構造のものが知られている。(例えば、特許文献1:特開2002−336129号公報参照)。
【0003】
図7に示すように、従来のコーヒー沸かし器は、コーヒー沸かし器本体101と、コーヒー沸かし器本体101に着脱自在に設けられた水タンク102とを備えている。コーヒー沸かし器本体101には、水タンク102内に入れられた水102aを給湯口103に誘導する給湯用配管104が内蔵されている。
【0004】
給湯用配管104は、接続パイプ104aと、加熱パイプ104bと、給湯パイプ104cとを直列に連結して構成されている。接続パイプ104aは、水タンク102と加熱パイプ104bとを接続する。接続パイプ104aの内部には、水の逆流を防止する逆流防止弁105が設けられている。加熱パイプ104bの周囲には、電気ヒーターなどの加熱装置106が設けられている。また、コーヒー沸かし器本体101には、加熱装置106のON−OFFを切り換え可能なスイッチ107が設けられている。スイッチ107が操作されて加熱装置106がONされることにより、加熱パイプ104bを通る水102aが加熱される。加熱パイプ104bを通る際に加熱された水(熱湯)102aは、給湯パイプ104cを通じて給湯口103から吐出される。
【0005】
給湯口103の下方には、コーヒー粉108aを入れるフィルター108を収納するバスケット109が設けられている。フィルター108内のコーヒー粉108aに給湯口103から吐出された水(熱湯)102aが供給されることにより、コーヒーが抽出される。当該抽出されたコーヒーは、バスケット109の下方に配置されたコーヒー容器110に溜められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−336129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来のコーヒー沸かし器では、スイッチ107として、シーソースイッチなどの可動式のスイッチが用いられている。この種のスイッチには、当該スイッチのボタン部(可動部)が可動できるように、当該ボタン部の周囲に微小な隙間が存在する。このため、例えば、水102aを入れた水タンク102をコーヒー沸かし器本体101に装着する際に誤って水102aをスイッチ107にこぼしてしまったときや、水102aに濡れた手でスイッチ107を操作した場合に、水102aが前記隙間を通じてスイッチ107の内部に浸入してしまうことがある。このスイッチ107の内部に浸入した水102aがスイッチ107の充電部に付着すると、動作不良が発生する恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決することにあって、スイッチの内部への水の侵入を防止することができるコーヒー沸かし器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明によれば、コーヒー沸かし器本体と、
前記コーヒー沸かし器本体に設けられた水タンクと、
前記水タンク内に入れられた水を給湯口に導く給湯用配管と、
前記給湯用配管を通る前記水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置のON-OFFを切り換え可能な可動式のボタン部と、前記コーヒー沸かし器本体の側壁に固定され前記ボタン部を保持するスイッチ本体とを有するスイッチと、
を備えるコーヒー沸かし器であって、
前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間を覆って水密シールするようにシールパッキンが設けられている、コーヒー沸かし器を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかるコーヒー沸かし器によれば、前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間を覆って水密シールするようにシールパッキンが設けられているので、スイッチの内部への水の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器の断面図である。
【図1A】本発明の第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。
【図7】従来のコーヒー沸かし器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1態様によれば、コーヒー沸かし器本体と、
前記コーヒー沸かし器本体に設けられた水タンクと、
前記水タンク内に入れられた水を給湯口に導く給湯用配管と、
前記給湯用配管を通る前記水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置のON-OFFを切り換え可能な可動式のボタン部と、前記コーヒー沸かし器本体の側壁に固定され前記ボタン部を保持するスイッチ本体とを有するスイッチと、
を備えるコーヒー沸かし器であって、
前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間を覆って水密シールするようにシールパッキンが設けられている、コーヒー沸かし器を提供する。
【0013】
本発明の第2態様によれば、前記シールパッキンは、蛇腹形状を有する、第1態様に記載のコーヒー沸かし器を提供する。
【0014】
本発明の第3態様によれば、前記シールパッキンは、前記ボタン部の全体を覆うように形成されている、第1態様に記載のコーヒー沸かし器を提供する。
【0015】
本発明の第4態様によれば、前記シールパッキンは、頂部にくぼみが設けられた概ね半球形の形状に形成されている、第3態様に記載のコーヒー沸かし器を提供する。
【0016】
本発明の第5態様によれば、前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間に水が浸入するのを妨げるように、前記スイッチの周囲に、前記コーヒー沸かし器本体の側壁から立設されたリブが設けられている、第1〜4態様のいずれか1つに記載のコーヒー沸かし器を提供する。
【0017】
本発明の第6態様によれば、コーヒー沸かし器本体と、
前記コーヒー沸かし器本体に設けられた水タンクと、
前記水タンク内に入れられた水を給湯口に導く給湯用配管と、
前記給湯用配管を通る前記水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置のON-OFFを切り換え可能な可動式のボタン部と、前記コーヒー沸かし器本体の側壁に固定され前記ボタン部を保持するスイッチ本体とを有するスイッチと、
を備えるコーヒー沸かし器であって、
前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間に水が浸入するのを妨げるように、前記スイッチの周囲に、前記コーヒー沸かし器本体の側壁から立設されたリブが設けられている、コーヒー沸かし器を提供する。
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(第1実施形態)
図1を用いて、本発明の第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器の全体構成を示す断面図である。
【0020】
図1において、本第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器は、コーヒー沸かし器本体1と、コーヒー沸かし器本体1に取り付けられた水タンク2とを備えている。
【0021】
水タンク2は、水2aを貯留するためのタンクである。水タンク2の上部には、開閉自在な蓋2bが設けられている。なお、水タンク2は、コーヒー沸かし器本体1に対して着脱自在に構成されても、一体的に構成されてもよい。
【0022】
コーヒー沸かし器本体1には、水タンク2内に入れられた水2aを給湯口3に誘導する給湯用配管4が内蔵されている。給湯用配管4は、接続パイプ4aと、加熱パイプ4bと、給湯パイプ4cとを直列に連結して構成されている。接続パイプ4aは、水タンク2と加熱パイプ4bとを接続する。接続パイプ4aの内部には、水の逆流を防止する逆流防止弁5が設けられている。加熱パイプ4bの周囲には、電気ヒーターなどの加熱装置6が設けられている。また、コーヒー沸かし器本体1には、加熱装置6のON−OFFを切り換え可能なスイッチ7が設けられている。スイッチ7が操作されて加熱装置6がONされることにより、加熱パイプ4bを通る水2aが加熱される。加熱パイプ4bを通る際に加熱された水(熱湯)2aは、給湯パイプ4cを通じて給湯口3から吐出される。
【0023】
また、加熱パイプ4bには、加熱装置6により加熱された水(熱湯)2aの温度を検知するバイメタルサーモスタッドなどの温度検知部12が設けられている。この温度検知部12の検知温度に基づいて、加熱パイプ4bで加熱された水2aの温度が特定の範囲の温度になるように加熱装置6が制御される。本第1実施形態では、温度検知部12の検知温度が150℃を超えたとき、加熱装置6はOFF(通電停止)され、温度検知部12の検知温度が130℃より低くなったとき、加熱装置6はON(通電開始)されるように構成されている。
【0024】
給湯口3の下方には、コーヒー粉8aを入れるフィルター8を収納するバスケット9が設けられている。バスケット9は、コーヒー沸かし器本体1に着脱自在に取り付けられている。フィルター8内のコーヒー粉8aに給湯口3から吐出された水(熱湯)2aが供給されることにより、コーヒーが抽出される。フィルター8は、抽出されたコーヒーが透過するように、紙や網目状の樹脂シートなどで構成されている。
【0025】
バスケット9の底部には、滴下穴9aが設けられおり、当該滴下穴9aを開閉可能に弁9bが設けられている。弁9bが上方へ押し上げられることにより、滴下穴9aが開放される。これにより、フィルター8を透過したコーヒーを、滴下穴9aを通じてバスケット9の下方に滴下することができる。
【0026】
バスケット9の下方には、コーヒー容器10が着脱自在に設けられている。コーヒー容器10は、加熱装置6に隣接して設けられた保温板11上に載置される。
【0027】
コーヒー容器10は、有底筒状の容器本体10aと、容器本体10aの上部開口を塞ぐ着脱自在な容器蓋10bと、容器本体10aの側部に取り付けられた把手10cとを備えている。容器蓋10bには、コーヒー容器10が保温板11上に載置された際に弁9bを上方に押し上げる突起部10dと、突起部10dの周囲に設けられた複数の貫通穴10eとが設けられている。滴下穴9aから滴下されたコーヒーは、複数の貫通穴10eを通じて容器本体10a内に溜められる。
【0028】
次に、図1を用いて、スイッチ7の構成をより詳細に説明する。
【0029】
図1に示すように、スイッチ7は、水タンク2よりも下方で且つコーヒー沸かし器本体1の側壁に設けられている。スイッチ7は、可動式のボタン部の一例であるシーソーボタン7aと、シーソーボタン7aを保持するスイッチ本体7bとを有している。シーソーボタン7aは、回動軸7cを中心として回動可能に構成されている。本第1実施形態では、シーソーボタン7aの上部がコーヒー沸かし器本体1の側壁に向けて押圧されることにより加熱装置6がONされ、シーソーボタン7aの下部がコーヒー沸かし器本体1の側壁に向けて押圧されることにより加熱装置6がOFFされるように構成されている。
【0030】
シーソーボタン7aとスイッチ本体7bとの間には、シーソーボタン7aが回動軸7cを中心として回動することができるように隙間が形成されている。当該隙間を通じて水2aがスイッチ7の内部に入り込んだ場合、動作不良が発生する恐れがある。このため、シーソーボタン7aとスイッチ本体7bとの隙間を覆って水密シールするようにシールパッキン13Aが設けられている。シールパッキン13Aは、シーソーボタン7aの動作を妨げないように、弾性力のある部材、例えば、筒状のゴム部材により構成されている。
【0031】
なお、図1では、ボタン部7a及びスイッチ本体7bの構成を簡略化して示したが、具体的には、図1Aに示すように構成されている。ボタン部7a及びスイッチ本体7bの構成は、図1Aに示すものに限定されるものではなく、充電部など水に濡れると動作不良を起こすような部品がスイッチ7の内部に設けられた構成であればよい。
【0032】
次に、前記構成を有する本第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器の動作について説明する。
【0033】
まず、使用者により、図1に示すように、コーヒー粉8aが入れられたフィルター8がバスケット9内に配置されるとともに、コーヒー容器10が保温板11上に載置される。また、蓋15が開放され、水タンク2内に水2aが入れられる。なお、この際、水2aがスイッチ7に向けてこぼれたとしても、シールパッキン13Aによりシーソーボタン7aとスイッチ本体7bとの隙間に水2aが入り込むことが阻止される。
【0034】
前述の準備完了後、スイッチ7のシーソーボタン7aの上部がコーヒー沸かし器本体1の側壁に向けて押圧されることにより、加熱装置6がONされる。また、このタイミングで、水タンク2に入れられた水2aが接続パイプ4aの逆流防止弁5を通過し、加熱パイプ4bに流入する。
【0035】
加熱パイプ4b内に流入した水2aは、加熱パイプ4b内で加熱装置6により加熱され、沸騰して熱湯となる。その際に発生する蒸気圧と逆流防止弁5の作用により、水(熱湯)2aは、給湯パイプ10を上昇し、給湯口3からバスケット9に収納されたフィルター8内のコーヒー粉8aに向けて吐出される。
【0036】
水(熱湯)2aがコーヒー粉8a及びフィルター8を通過することにより抽出されたコーヒーは、滴下穴9aと、容器蓋10bの複数の穴10eを通過し、コーヒー容器10に溜められる。
【0037】
水タンク2、接続パイプ4a、及び加熱パイプ4b内の水2aが無くなると、加熱装置6により加熱される加熱パイプ4bの温度が上昇する。これにより、温度検知部12の検知温度が150℃を超えると、加熱装置6がOFF(通電停止)される。その後、温度検知部12の検知温度が130℃より低くなると、加熱装置6がON(通電開始)される。これにより、加熱装置6の熱が保温板11及びコーヒー容器10を通じてコーヒー容器10内のコーヒーに間接的に伝達される。温度検知部12の検知温度に基づく加熱装置6のON−OFF動作が繰り返されることにより、コーヒー容器10内のコーヒーの温度が約70〜90℃に維持(保温)される。その後、スイッチ7のシーソーボタン7aの下部がコーヒー沸かし器本体1の側壁に向けて押圧されると、加熱装置6の前記ON−OFF動作が終了する。
【0038】
本第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器によれば、ボタン部7aとスイッチ本体7bとの隙間を覆って水密シールするようにシールパッキン13Aが設けられているので、スイッチ7の内部に水が浸入して動作不良が発生することを防ぐことができる。
【0039】
なお、本発明は、前記第1実施形態に限定されるものでははく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記第1実施形態では、水タンク2をコーヒー沸かし器本体1に一体的に設けたが、本発明は、これに限定されない。例えば、水タンク2は、コーヒー沸かし器本体1に着脱自在に設けられてもよい。
【0040】
また、前記第1実施形態では、スイッチ7が有する可動式のボタン部としてシーソーボタン7aを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ボタン部は、押しボタンやトグルボタンなどであってもよい。これらの場合でも、ボタン部とスイッチ本体との隙間を通じてスイッチ7の内部に水が入り込むおそれがあるので、シールパッキン13Aを設けることにより、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。本第2実施形態にかかるコーヒー沸かし器が、前記第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器と異なる点は、シールパッキン13Bが蛇腹形状に形成されている点である。
【0042】
本第2実施形態にかかるコーヒー沸かし器によれば、シールパッキン13Bが蛇腹形状に形成されているので、シールパッキン13Bの伸縮性が大きくなり、シーソーボタン7aの可動幅を大きくすることができる。これにより、シーソーボタン7aのサイズを大きくして操作性を向上させることができる。また、シールパッキン13Bが蛇腹形状であることで、シールパッキン13Bを伸縮させるための負荷を小さくすることができる。これにより、シーソーボタン7aの操作性を向上させることができる。
【0043】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。本第3実施形態にかかるコーヒー沸かし器が、前記第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器と異なる点は、シールパッキン13Cがシーソーボタン7aとスイッチ本体7bとの隙間を含むシーソーボタン7aの全体を覆うように形成されている点である。
【0044】
本第3実施形態にかかるコーヒー沸かし器によれば、シールパッキン13Cがシーソーボタン7aの全体を覆うように形成されているので、スイッチ7の内部に水が浸入して動作不良が発生することをより確実に防ぐことができる。
【0045】
なお、本第3実施形態では、シールパッキン13Cを介してシーソーボタン7aを押圧する必要がある。このため、シールパッキン13Cは、ゴム部材などの弾力性のある部材で構成されることが好ましい。これにより、シーソーボタン7aの操作性を向上させることができる。
【0046】
また、シールパッキン13Cは、ゴム部材など使用者の指が滑り難い部材で構成されることが好ましい。これにより、シーソーボタン7aの誤操作を低減することができる。
【0047】
また、シールパッキン13Cは、透明な部材で構成されることが好ましい。これにより、シールパッキン13Cを通じてシーソーボタン7aを視認することができ、シーソーボタン7aの操作性を向上させることができる。なお、加熱装置6がONのときに点灯するランプが別途設けられている場合には、シールパッキン13Cを透明な部材で構成しなくてもよい。
【0048】
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。本第4実施形態にかかるコーヒー沸かし器が、前記第3実施形態にかかるコーヒー沸かし器と異なる点は、シールパッキン13Dが、頂部にくぼみ13Daを有する概ね半球形に形成されている点である。
【0049】
本第4実施形態にかかるコーヒー沸かし器によれば、シールパッキン13Dにくぼみ13Daが設けられているので、シールパッキン13Dを介してシーソーボタン7aを押圧する際の押圧力を小さくすることができる。また、くぼみ13Daにより使用者の指を適切な押圧位置に誘導することができるので、操作性を向上させることができる。
【0050】
(第5実施形態)
図5は、本発明の第5実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。本第5実施形態にかかるコーヒー沸かし器が、前記第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器と異なる点は、シールパッキン13Aに代えて、ボタン部7aとスイッチ本体7bとの隙間に水が浸入するのを妨げるように、スイッチ7の周囲に、コーヒー沸かし器本体1の側壁から立設された筒状のリブ14が設けられている点である。
【0051】
本第5実施形態にかかるコーヒー沸かし器によれば、リブ14により、ボタン部7aとスイッチ本体7bとの隙間に水が浸入するのを妨げることができるので、スイッチ7の内部に水が浸入して動作不良が発生することを防ぐことができる。
【0052】
なお、本第5実施形態では、リブ14の形状を筒状としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、リブ14は、半円形や、一部にスリットを設けた形状(C型形状)などであってもよい。この場合、リブ14は、水タンク2の壁面を伝って流れる水2aがスイッチ7に到達するのを妨げるように、スイッチ7の上方及び側方を覆うように設けられることが好ましい。
【0053】
(第6実施形態)
図6は本発明の第6実施形態にかかるコーヒー沸かし器の一部拡大断面図である。本第6実施形態にかかるコーヒー沸かし器が、前記第1実施形態にかかるコーヒー沸かし器と異なる点は、ボタン部7aとスイッチ本体7bとの隙間に水が浸入するのを妨げるように、スイッチ7の周囲に、コーヒー沸かし器本体1の側壁から立設された筒状のリブ14(第5実施形態のリブと同じ)が更に設けられている点である。
【0054】
シールパッキン13Aを弾性力のある部材(例えば、ゴム部材)で構成した場合、当該シールパッキン13Aの強度は通常低くなる。このため、例えば、食器類の尖った部分などがシールパッキン13Aに接触した場合、シールパッキン13Aに傷が付く恐れがある。また、シールパッキン13Aに傷が付いた状態でシーソースイッチ7aの押圧動作が繰り返されると、シールパッキン13Aが破れ、スイッチ7の内部に水2aが浸入するおそれがある。
【0055】
本第6実施形態にかかるコーヒー沸かし器によれば、リブ14によりシールパッキン13Aを食器類の尖った部分などから保護することができるので、シールパッキン13Aが破れてスイッチ7の内部に水2aが浸入することを防ぐことができる。
【0056】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0057】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明にかかるコーヒー沸かし器は、スイッチの内部への水の侵入を防止することができるので、可動式のボタン部を有するコーヒー沸かし器に有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 コーヒー沸かし器本体
2 水タンク
3 給湯口
4 給湯用配管
5 逆流防止弁
6 加熱装置
7 スイッチ
8 フィルター
9 バスケット
10 コーヒー容器
11 保温板
12 温度検知部
13A〜13D シールパッキン
13Da くぼみ
14 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー沸かし器本体と、
前記コーヒー沸かし器本体に設けられた水タンクと、
前記水タンク内に入れられた水を給湯口に導く給湯用配管と、
前記給湯用配管を通る前記水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置のON-OFFを切り換え可能な可動式のボタン部と、前記コーヒー沸かし器本体の側壁に固定され前記ボタン部を保持するスイッチ本体とを有するスイッチと、
を備えるコーヒー沸かし器であって、
前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間を覆って水密シールするようにシールパッキンが設けられている、コーヒー沸かし器。
【請求項2】
前記シールパッキンは、蛇腹形状を有する、請求項1に記載のコーヒー沸かし器。
【請求項3】
前記シールパッキンは、前記ボタン部の全体を覆うように形成されている、第1態様に記載のコーヒー沸かし器。
【請求項4】
前記シールパッキンは、頂部にくぼみが設けられた概ね半球形の形状に形成されている、請求項3に記載のコーヒー沸かし器。
【請求項5】
前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間に水が浸入するのを妨げるように、前記スイッチの周囲に、前記コーヒー沸かし器本体の側壁から立設されたリブが設けられている、請求項1〜4のいずれか1つに記載のコーヒー沸かし器。
【請求項6】
コーヒー沸かし器本体と、
前記コーヒー沸かし器本体に設けられた水タンクと、
前記水タンク内に入れられた水を給湯口に導く給湯用配管と、
前記給湯用配管を通る前記水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置のON-OFFを切り換え可能な可動式のボタン部と、前記コーヒー沸かし器本体の側壁に固定され前記ボタン部を保持するスイッチ本体とを有するスイッチと、
を備えるコーヒー沸かし器であって、
前記ボタン部と前記スイッチ本体との隙間に水が浸入するのを妨げるように、前記スイッチの周囲に、前記コーヒー沸かし器本体の側壁から立設されたリブが設けられている、コーヒー沸かし器。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−99500(P2013−99500A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58674(P2012−58674)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】