説明

コーヒー等生成機

コーヒー等生成機(1)は、給水を制御する水圧ポンプ手段(2,3;10)と、流入した水を所定温度まで加熱するように構成された加熱装置(40)を備えるすく無くとも1つのコーヒー等生成供給ユニット(16)とを備える。前記水圧ポンプ手段(2,3;10)を該加熱装置(40)の吸入口に連結する流体路(14,29;30,36)は、電磁弁手段(36,30,45,59,62)を備え、該電磁弁手段(36,30,45,59,62)は、前記加熱装置(40)より水を除去する停止状態と、前記加熱装置(40)が前記水圧ポンプ手段(2,3;10)で送られるコーヒー等生成用の水の補給及び排出を行う稼働状態とに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー等生成機に関し、その中でも特に業務用としてバー等で使用されるタイプの生成機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコーヒー生成機は、メイン給水手段から水を供給する水圧ポンプと、10リットル以上を容量とする圧力スイッチ付きの湯沸かし器と、フィルタホルダを連結することができる少なくとも1つの載置部を有する少なくとも1つのコーヒー生成供給ユニットとを備える。湯沸かし器内の容積のほとんどを占めるのは、水であり、その残りは、水蒸気である。電気抵抗で、湯沸かし器内の水及び水蒸気は、例えば、130℃程度の高温状態に維持される。前記コーヒー生成供給ユニットは、前記湯沸かし器よりお湯を補給する。前記湯沸かし器内の水量は、プローブで制御される。制御ユニットが、前記プローブより提供された信号に基づいて前記供給用の水圧ポンプを稼働させることで、湯沸かし器内の水量が継続的に一定量で維持される。
【0003】
従来のコーヒー生成機では、少なくとも1つの槍状部が、熱蒸気を放出するために設けられる。槍状部は、タップによって制御される。
【0004】
従来のコーヒー生成機では、例えば、抽出等の準備を目的として、パイプを介してお湯を供給することが可能である。前記パイプは、前記湯沸かし器内に連結され、適切なタップで制御される。流体路内や生成機の各種部品に石灰糟が発生するのを抑制するために、石灰除去手段又は軟化手段を設けることが必要である。
【0005】
従来のコーヒー生成機では、湯沸かし器は、生成機の「心臓」に等しく、故障すれば、通常、生成機全体が稼働不能となる事態を招いていた。
【0006】
大量の水が湯沸かし器内で高温状態のまま貯留されるが、これは大量の電力消費の原因となる。
【0007】
さらに、中断状態後に再開すると、前記生成機では、保温稼働状態に達するまで長時間(数時間程度)を必要とする。したがって、使用者の多くはスイッチをオンにした状態で放置しつづけるが、これは、大量の電力を消費してしまうことにつながる。一方、生成機のスイッチを、例えば、一日が終わるごとにオフにすると、再稼働させてから、生成したコーヒーの品質が許容範囲に達するまで、大量のコーヒーを排出して処分する必要がある。実際に、湯沸かし器内や連結状態の流体路のパイプに水が残留することによって、再稼働後に最初に供給されるコーヒーの味と香りの両方又はいずれか一方は、しばしば、不快感を伴うものに変化する。
【0008】
コーヒー生成用のものとして公知の生成機には、コーヒー生成供給ユニット用の湯沸かし器1つと、必要に応じて供給される水及び水蒸気を保温する増設湯沸かし器とを備えたものがある。前記解決手段によれば、長時間の経過に対応して、生成機のコーヒー生成供給に関する能力を改善することができる。さらに、特定のコーヒー生成供給ユニットに連結された湯沸かし器が故障したとしても、他のユニットは、依然として稼働可能な状態で残したまま、前記湯沸かし器だけを取り替えることができる。
【0009】
しかしながら、各ユニットに連結される蓄熱装置や増設蓄熱装置又は増設湯沸かし器はどんな場合でも熱を帯びているので、消費電力は高いままである。さらに、この種のタイプの生成機は、明らかに複雑な構造で構成され、製造コストも特に高いものとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の観点から、本発明は、上述した従来技術に係る生成機に見られる不利益及び制約を是正するように改良を加えたコーヒー生成供給機を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的は、給水制御される水圧ポンプと、少なくとも1つの供給用の載置部を有し、フィルタホルダが連結される少なくとも1つのコーヒー生成供給ユニットとを備え、該コーヒー等生成供給ユニットは、該載置部の上流に配置されるとともに、流入した水を所定温度まで加熱するように構成された加熱装置を備えるコーヒー生成機であり、前記水圧ポンプの排出部を前記加熱装置の吸入口に連結するとともに、前記加熱装置より水を除去する停止状態と、前記加熱装置がコーヒー生成用ポンプで送られる水の補給及び排出を行う稼働状態に切り替える電磁弁手段を備える流体路と、前記加熱装置を稼働させるとともに、コーヒーを生成供給する操作情報が伝達された場合にのみ、前記電磁弁手段を稼働状態に切り替えるように配設される制御手段とをさらに備えるコーヒー生成機に係る発明によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
上述の特徴によれば、本発明に係る生成機には、温水を貯留及び保温する構造が付属していないので、稼働に必要とされる電力を節約することができる。生成機内に水が残留しないことで、生成機の稼働中断後に生成したコーヒーが不快な味と香りに変化するような不利益の拡大を回避することができる。中断後に再稼働した場合でも、本発明の生成機によれば、数分程度の時間で速やかに最適な稼働状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述以外の本発明の特徴及び有利な点は、添付の図面を参照しながら、後述において説明をすることで明らかなものとなるが、後述の説明については、限定を受けることのない単なる例示とし提供されるものである。
【図1】本発明に係るコーヒー生成機の回路図である。
【図2】本発明に係るコーヒー生成機のコーヒー生成供給ユニットの斜視図である。
【図3】図2に示したコーヒー生成供給ユニットの1つの構成部品の斜視図である。
【図4】図2に示したコーヒー生成供給ユニットの分解斜視図である。
【図5】図2及び図4に示したコーヒー生成供給ユニットの一部を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るコーヒー生成機に使用可能な発熱エレメントの部分断面斜視図である。
【図7】本発明の異なる実施形態に係るコーヒー生成機の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すように、本発明に係るコーヒー生成機1は、電動モーター3で駆動する水圧式メインポンプ2を備える。水圧式メインポンプ2は、パイプ4を介して貯水部5の第1排出口5aに連結される注入口2aを有する。貯水部は、タンク状に構成された容器6を備える。貯水部は、浮き部材8によって制御される注入口用栓を上方に有する。注入口用栓7は、注入パイプ90を介してメイン給水部90に連結される。
【0015】
容器6内の水量が所定の最低レベルまで下がると、電気スイッチ9が浮き部材8と協働して、例えば、コーヒー生成機1内のECUと呼ばれる電気制御装置に信号を伝達し、電動式の水圧式メインポンプ2の稼働を停止させる。これにより、キャビテーション状態での水圧式メインポンプ2の稼働が原因となる電動式の水圧式メインポンプ2に対する損傷を防ぐことが可能である。また、容器6内の水量が所定の最高レベルを超えると、浮き部材8と協働する他のスイッチをさらに設けてもよい。
【0016】
必要不可欠な構成ではないが、コーヒー生成機1は、電動式の水圧式メインポンプ2より稼働能力の低い水圧式補助ポンプ10をさらに備えるのが好ましい。水圧式補助ポンプ10は、例えば、電圧レギュレーター11と協働する振動ポンプで構成される。水圧式補助ポンプ10は、貯水部5と電動式の水圧式メインポンプ2との間でパイプ4と連結する吸水部を有する。
【0017】
水圧式メインポンプ2と水圧式補助ポンプ10の排水部は、それぞれ逆流防止バルブ12,13を介して、パイプ14に連結される。パイプ14は、圧力測定計15と連結する。パイプ14は、図1、図2及び図4において参照符号16で全体を示したコーヒー生成供給ユニットに連結される。コーヒー生成供給ユニットは、それ自体周知の構成のものであり、フィルタホルダ18が連結される載置部17を有する。コーヒー生成供給ユニットは、下方に置いた1つ以上のカップ(不図示)にコーヒーを供給する。
【0018】
特に図2及び図4を参照すると、図中に例示した実施形態のコーヒー生成供給ユニット16は、構造体19を備える。構造体19は、熱伝導率の高い材料で製造されるが、その中でも特に2つのボディ部20,21については、金属材で製造したものを相互に重ね合わせて締め具で固定するのが好適である。図中に例示したボディ部20,21は、略直方状に構成される。上方ボディ部20は、下面20aで下方ボディ部21と対向する。上方ボディ部20は、円筒状凹部22(図4)を有する。ボディ部20,21は、図2に示すように、例えば、複数のネジ棒23と固定用ナット24からなる締め具で固定されることで互いに密封した状態となり、上方ボディ部20の凹部22と下方ボディ部21の上面21aが一体となって、円筒状のチャンバを規定する。チャンバの機能については後述するが、チャンバは、例えば、コーヒー2杯分に相当する容積で構成される。チャンバは、図2及び図4に参照符号25で示す注入コネクタと図4及び図5に参照符号26で示す上方ボディ部2の流路とを介して、パイプ14(図1及び図2)と連通する。
【0019】
異なる流路27と連結コネクタ28(図2、図4及び図5)を介して、チャンバ22は、電磁弁30の注入口30aと連通する。電磁弁30は、連結材31の吸入口に連結される排出口30bを有する。連結材31について、特に図3を参照しながら詳述する。連結材31は、略棒状に機械加工された金属材からなり、電磁弁30の排出口30bに連結される流路31bを軸方向に設けた多角形状ヘッド部31aを有する。
【0020】
連結材31は、多角形状ヘッド部31aに隣接するネジ部31cを有する。ネジ部31cには、直径が減少した軸方向延在部31dが連設される。軸方向延在部31dには、半径方向流路31が、軸方向流路31bと連通するように、少なくとも1つ設けられる。軸方向流路31bは、連結材31の軸方向延在部31dまで延在して、半径方向流路31eと連通する。連結材31の軸方向延在部31dには、長手延在部31fが連設される。長手延在部31fは、軸方向延在部31dよりも直径が大きく、ネジ部31cよりも直径がわずかに小さいものである。長手延在部31fは、螺旋路を規定するようにネジ状に構成される。
【0021】
図4を参照すると、連結材31は、コーヒー生成供給ユニット16の下方ボディ部21に形成した略円筒形通路32に挿通される。具体的に述べると、連結材31は、ネジ部31cを使用して、下方ボディ部21に螺合する。連結材31の軸方向流路31bは、半径方向流路31eを介して、連結材の長手方向延在部31fの螺旋路31gと下方ボディ部21に形成した円筒形通路32の壁部とで規定される螺旋流路と連通するように配置される。
【0022】
電磁弁30と対向する円筒形通路32の端部は、遮断されており、円筒形通路32は、図4に参照符号34で示す半径方向流路を介して、フィルタホルダ18が連結する載置部17と連通する。
【0023】
コーヒー生成供給ユニット16の下方ボディ部21には、円筒形通路32の両側に沿って、図2及び図4に参照符号35で示す発熱エレメントが配置され、該発熱エレメント35は、各シート部に挿通される。
【0024】
下方ボディ部21と連結材31と発熱エレメント35が組み合わさると、発熱装置を構成する。発熱装置は、図1、図2及び図4に参照符号40で示すものであり、後述でさらに明らかとなるが、コーヒー生成供給ユニット16とフィルタホルダ18を介してコーヒーを生成供給するために、流入する水に加熱処理を施すものである。
【0025】
電磁弁30は、図2及び図4には不図示ではあるが、図1に参照符号30cで示す排水口をさらに有する。電磁弁は、パイプ29と発熱装置40の連結材31の流路31bとの間の連通を遮断する停止状態にすることができる。停止状態時、電磁弁30は、パイプ29及び発熱装置40を排水口30cに連結する。電磁弁30が稼働状態に切り替わると、コーヒー生成供給ユニット16でコーヒーを生成して供給できるように、発熱装置40は、パイプ14及びコーヒー生成供給ユニット16のチャンバ22を介して水圧式メインポンプ2から供給した水を受け入れて通過させる。稼働状態では、パイプ29と前記電磁弁の排水口30cとの間の連通は、遮断される。
【0026】
図1、図2及び図4を参照すると、別の電磁弁36は、コーヒー生成供給ユニット16の上方ボディ部20に連結される。電磁弁36は、パイプ37及びT字状分岐管38(図2)を介してパイプ29の中間部に連結される吸入口36aを有する。電磁弁36は、コネクタ39を介して吸入誘導部材41(図5)と連通する排出口36bを有する。吸入誘導部材41は、上述において図3を参照しながら説明した連結材31と類似の構成であり、コーヒー生成供給ユニット16の上方ボディ部20に形成した通路42に取り付けられるものである。図5に示す誘導部材41の構成41a〜41gは、前記連結材31の構成31a〜31gと実質的に同一のものである。上方ボディ部20の通路42は、電磁弁36と対向する端部において、コネクタ43と連通し、さらに、該コネクタ43を介して、図1及び図2に参照符号44で示すパイプと連通する。
【0027】
図1及び図6を参照すると、パイプ44は、参照符号45で示す別の電磁弁に連結される。電磁弁45は、パイプ44及び参照符号46(図1及び図6)で示す熱蒸気生成ユニット間の連通を制御する。例示した実施形態の熱蒸気生成ユニット46は、参照符号47,48,49で示す3つの加熱モジュールを備える。加熱モジュール47は、隣接する同種の加熱モジュール48及び49との間に、締め具を介して固定される。各加熱モジュール47,48,49は、それそれ、略細長円筒形通路を形成したボディ部50,51,52を備える。図6では、ボディ部51に形成した略細長円筒形通路51aのみが、視認可能な状態で表されている。加熱モジュール47,48,49の各略細長円筒形通路には、図3に示す連結材31又は図5に示す誘導部材41と類似する形状の加熱モジュール用部材52,53,54が設置されている。側方の加熱モジュール48,49には、それぞれ、発熱エレメント68,69がさらに設けられる。発熱エレメント68,69は、連結材53,54に沿って延在する。
【0028】
図1及び図6を参照すると、電磁弁45の排出口は、加熱モジュール47の下方に設けた吸入口に連結される。加熱モジュール47の排出口は、可撓性チューブ55を介して、隣接する加熱モジュール49の吸入口に連結される。加熱モジュール49の排出口は、可撓性チューブ56を介して、加熱モジュール48の吸入口に連結される。最終的に、加熱モジュール48の排出口は、パイプ58及び電磁弁59を介して、熱蒸気放出用槍状部57と連通する。
【0029】
熱蒸気生成ユニット46の排出口は、電磁弁62が付属したパイプ61(図1)を介して、給湯装置60にも連結される。給湯に際して、給湯装置60は、発熱エレメント46から高温の蒸気を受け入れる。前記給湯装置は、ベンチュリー効果を利用した蒸気の発生で貯水部5から第2排出口5bに連結されたパイプ63を介して水を導入するように構成される。発熱エレメント46からの蒸気は、貯水部5から水を逆流させることの他、例えば、使用温度を80℃とした場合、その温度まで水を加熱する。
【0030】
上述のコーヒー生成機1は、以下のように作動する。
【0031】
停止状態、あるいは、コーヒー生成機1が、コーヒー、蒸気、お湯のいずれも供給しない状態になると、コーヒー生成供給ユニット16、発熱エレメント46、及び全ての流体路は、実質的に水切れ状態となる。本発明の特徴によれば、味や香りの一方又は両方の低下と言った不快感を伴うような望ましくない事態を回避することができる。味や香りの低下は、蓄熱装置や湯沸かし装置が代替手段として使用される従来技術のコーヒー生成機によく発生するものである。
【0032】
コーヒーの生成のために、使用者が出した操作情報がECUに伝達されると、電動式の水圧メインポンプが作動し、電磁弁30がパイプ29から加熱装置40への水の通過を許容する状態にする。一方、電磁弁36は、パイプ29から加熱装置40への水の流れを遮断した状態に維持する。
【0033】
前記の状態で、電動式の水圧メインポンプ2は、パイプ14、チャンバ22、パイプ29、及び電磁弁30を介して加熱装置40に水を供給する。チャンバ22内に流入した水には、加熱装置40の加熱処理でチャンバに熱が伝導するので、予熱が加えられる。チャンバ22内に流入した水に予熱が加えられることによって、コーヒー生成機に軟水化装置を付属させなくても、水が運び込む石灰糟の大半を沈殿させるように処理できる。
【0034】
加熱装置40を通過した水は、コーヒー生成(抽出)に適した温度まで加熱され、フィルタホルダ18を介して、下方に設置したカップ等の容器に提供される。所望量のコーヒーが供給されると、使用者によって供給が停止されることに伴い、ECU制御ユニットは、電動式の水圧ポンプ2の運転を停止させる。これにより、電磁弁30は停止状態に再度切り替わり、パイプ29と加熱装置40との連通を禁止するとともに、パイプと外気及び加熱装置40と外気との連通状態を復帰させる。前記構成によれば、パイプ又は加熱装置に残った水を除去することができ、残留状態に陥ることを回避することができる。
【0035】
使用者が熱蒸気を必要とする場合、対応操作情報が伝達されたECUは、振動式の水圧補助ポンプ10を作動させ、ポンプ14を介してコーヒー生成供給ユニット16のチャンバ22へ給水を行う。さらに、ECUは、電磁弁36(及び電磁弁45)を切り替えて、パイプ29と加熱装置40とを連通状態にする。これに伴い、ポンプ10によって供給される水には、チャンバ22で予熱が加えられ、さらに吸入誘導部材41の流路で熱処理が施される。その後、水は、パイプ44を介して熱蒸気生成ユニット46に送られる。水は、熱蒸気生成ユニット内の加熱モジュール47で加熱された後、次の加熱モジュール49でも加熱されることで、少なくともその一部は水蒸気に変化する。さらに、水が加熱モジュール48を通過することによって、完全な水蒸気流となり、その温度も目標値まで上昇する。電磁弁59の切替がECUによって適切に行われると、水蒸気流が、熱蒸気放出用槍状部57より放出される。
【0036】
使用者が、水蒸気放出を停止するように操作すると、ECUは水圧補助ポンプ10を停止させるとともに、電磁弁36,45,59を停止状態に切り替え、全ての流体路が、外気と再び連通した状態となり、水が残留することを防止する。
【0037】
給湯時には、ECUが、水流を発生させるためにポンプ10と電磁弁36,45,62とを制御する。これにより、水は、パイプ14を介してチャンバ22に供給された後、電磁弁36及び加熱装置40に送られ、さらに、パイプ44を介して熱蒸気生成ユニット46に供給される。熱蒸気生成ユニットの排出部(パイプ58)に排出された水蒸気は、ECUによって適切に切り替えられる電磁弁62を介した別の経路で給湯装置60に供給される。前記の状態においては、電磁弁59は、発熱エレメント46と熱蒸気放出用槍状部57との連通を禁止した状態に維持する。
【0038】
給湯装置60に供給される水蒸気流は、上述したように、ベンチュリー効果で、貯水部5からパイプ63へ水を排出させる。前記のように排出された水は、水蒸気によって加熱された後、下方に設置した容器に提供される。
【0039】
前記給湯の場合にも、使用者が、給湯を停止するように操作すると、ECUは全ての装置を停止させ、コーヒー生成機1の流体路全てが外気と連通して水の残留を禁止する停止状態となる。
【0040】
図7は、異なる実施形態を図示したものである。図7では、既述の部分及び構成については、上述で使用したものと同一の参照符号が付されている。
【0041】
図7の実施形態では、電磁弁62の吸入部が、発熱エレメント46に連結されていないが、その代わり、コーヒー生成供給ユニット16のチャンバ22に連結されている。電磁弁62の排出部は、例えば、前記発熱エレメント46の加熱モジュールの1つと同一に構成された加熱モジュール101を介して給湯器102に連結される。給湯器102は、貯水タンク6に連結されていない。
【0042】
図7に示すコーヒー生成機の他の構成は、図1〜図6を参照して上記に説明したものと同一である。
【0043】
図7の解決手段によれば、さらに加熱温度と処理能力を高めたお湯を提供することが可能となる。
【0044】
本発明の原則を変更するものでなければ、製品の実施形態及び構造的な細部が、限定を受けることのない単なる例示として説明及び図示したものと大きく異なっても、添付の特許請求の範囲に記載された発明の範囲を逸脱するものでないことは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水用の水圧ポンプ手段(2,3;10)と、
少なくとも1つの供給用の載置部(17)を有する少なくとも1つのコーヒー等生成供給ユニット(16)とを備え、
前記コーヒー等生成供給ユニット(16)は、該載置部(17)の上流に配置されるとともに、流入した水を所定温度まで加熱するように構成された加熱装置(40)を備え、
前記水圧ポンプ手段(2,3;10)を、流体路(14,29;30,36)を介して前記加熱装置(40)に連結し、
該流体路(14,29;30,36)は、電磁弁手段(36,30,45,59,62)を備え、
該電磁弁手段(36,30,45,59,62)は、前記加熱装置(40)より水を除去する停止状態と、前記加熱装置(40)が前記水圧ポンプ手段(2,3;10)で送られるコーヒー等生成用の水の補給及び排出を行う稼働状態とに切り替え、
前記加熱装置(40)を操作するために制御手段(ECU)を設け、
該制御手段(ECU)は、コーヒー等を生成供給する操作情報が伝達された場合にのみ、前記電磁弁手段(36,30,45,59,62)を稼働状態に切り替える、コーヒー等生成機。
【請求項2】
前記コーヒー等生成供給ユニット(16)は、前記加熱装置(40)の上流に設けたチャンバ(22)を備え、
該チャンバ(22)は、前記加熱装置(40)と熱交換を行った、前記加熱装置(40)に送る水に予熱処理を施す、請求項1に記載のコーヒー等生成機。
【請求項3】
発熱エレメント(46)をさらに備え、
前記電磁弁(36,30)は、前記加熱装置(40)が前記水圧ポンプ手段(2,3;10)によって送られる水の補給を禁止するとともに、前記チャンバ(22)が前記発熱エレメント(46)の吸入口と連通して前記発熱エレメント(46)が前記水圧ポンプ手段(2,3;10)から前記チャンバ(22)を通過した水を補給する別の稼働状態に切り替える、請求項2に記載のコーヒー等生成機。
【請求項4】
前記コーヒー等生成供給ユニット(16)は、前記チャンバ(22)と前記発熱エレメント(46)との間に配置され、前記発熱エレメント(46)に送られる水に予熱処理をさらに施す増設加熱装置(41)を備える、請求項3に記載のコーヒー等生成機。
【請求項5】
貯水部(5)と、該貯水部(5)に連結されるとともに、前記発熱エレメント(46)への連結を選択することもできる給湯装置(60)とをさらに備え、
該給湯装置(60)は、水蒸気流を供給するように配置されるとともに、前記貯水部(5)から水を補給して加熱する、請求項3又は4に記載のコーヒー等生成機。
【請求項6】
前記水圧ポンプ手段は、回転式であるのが好ましい電動のメインポンプ(2,3)と、振動式であるのが好ましく、該電動のメインポンプ(2,3)と略平行に配置され、前記電動のメインポンプ(2,3)より仕事量の小さい電動の補助ポンプ(10)とからなり、
前記電動のメインポンプ(2,3)と前記電動の補助ポンプ(10)は、前記制御手段(ECU)によって選択されることで稼働する、請求項1〜5のいずれかに記載のコーヒー等生成機。
【請求項7】
前記コーヒー等生成供給ユニット(16)は、連結面(20a,21a)間が熱交換を行うように関係し合いながら、互いを密封した状態で締め具を用いて連結される金属製の第1ボディ部(20)と第2ボディ部(21)とを備え、
該第1ボディ部(20)は、前記連結面(21a)に形成され、前記第2ボディ部(221)の前記連結面(21a)と一体となって、前記チャンバを規定する凹部(22)を有し、
前記第2ボディ部(21)に、前記加熱装置(40)が設けられている、請求項1〜6のいずれかに記載のコーヒー等生成機。
【請求項8】
前記第1ボディ部(21)に、前記増設加熱装置(41)が設けられている、請求項4又は7のいずれかに記載のコーヒー等生成機。
【請求項9】
前記加熱装置(40)と前記増設加熱装置(41)は、それぞれ、水が通過する螺旋路を規定する熱交換器を備える、請求項4又は8のいずれかに記載のコーヒー等生成機。
【請求項10】
前記発熱エレメント(46)は、熱交換を行うように関係し合った状態で相互に締め具を用いて固定されるとともに、直列に流体連結される複数の加熱モジュール(47,48,49)を備え、
該加熱モジュール(47,48,49)の少なくとも1つに、電熱手段(68,69)を設け
前記各加熱モジュールは、水が通過する螺旋路が規定された金属性のボディ部(50,51,52)を備える、請求項3〜7のいずれかに記載のコーヒー等生成機。
【請求項11】
前記貯水部(5)は、水圧ポンプ手段(2,3;10)の吸入口にさらに連結されるとともに、内部の水が所定の最低レベルにまで達した時に前記制御手段(ECU)に信号を伝達する水量検出手段(9)を備える、請求項5〜7又は請求項10のいずれかに記載のコーヒー等生成機。
【請求項12】
前記電磁弁手段(62)を介して前記チャンバに接続される給湯器(102)と、前記電磁弁手段(62)の下流に直列に連結される加熱モジュール(101)とを備える、請求項3又は4のいずれかに記載のコーヒー等生成機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2010−500083(P2010−500083A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523402(P2009−523402)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053064
【国際公開番号】WO2008/017995
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509039091)
【氏名又は名称原語表記】CME di FACCINTI A.
【Fターム(参考)】