説明

コーヒー葉茶原料の製造方法及びそれを用いたコーヒー葉茶の飲料

【課題】コーヒーの木の葉を用い、その本来の風味及び味を生かした葉茶原料及び茶飲料の提供を目的とする。
【解決手段】摘採したコーヒーの生葉を250〜500℃の過熱蒸気にて還元雰囲気焙煎したことを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーの木から摘採したコーヒー生葉を用いた葉茶原料の製造方法及び茶飲料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーの木の豆は焙煎し、湯にて抽出したコーヒー飲料として広く飲まれている。
これに対してコーヒーの木の葉はポリフェノールが多いことが分かっているのに、これまで茶としてあまり飲まれていない。
特許文献1に、コーヒー生葉を蒸熱した後に150〜250℃で焙煎する焙じ茶様の茶飲料が提案されている。
また、同公報によればコーヒー生葉を乾燥させた緑茶風飲料、コーヒー生葉を発酵させた後に蒸熱及び焙煎を行う紅茶風飲料等も提案されている。
それなのに、これまでコーヒー葉茶が飲料として普及していないのはコーヒー葉本来の風味や味が充分に生かされていないためと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−191332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コーヒーの木の葉を用い、その本来の風味及び味を生かした葉茶原料及び茶飲料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコーヒー葉茶原料の製造方法は、摘採したコーヒーの生葉を250〜500℃の過熱蒸気にて還元雰囲気焙煎したことを特徴とする。
【0006】
本発明でコーヒーの葉とは、アカネ科コーヒーノキ属に属する植物(木)の生葉をいい、入手しやすいものとして、アラビア種、ロブスタ種がある。
【0007】
従来のようにコーヒーの木から生葉を摘採し、蒸熱及び乾燥後に焙煎する茶葉の製造方法にあっては、コーヒー豆から得られるコーヒーの風味とは異なるものであり、焙煎が不充分であると青草臭さが残り、焙煎が強いと焦げ臭さが残るものであった。
これに対して本発明は、250〜500℃の過熱蒸気にて焙煎したことにより、コーヒー豆様に焙煎できるとともに、過熱蒸気は乾燥したドライスチームであり、低酸素の還元雰囲気となることから焦げ臭さがなくなり、この茶葉に湯を注いで抽出したお茶は風味の優れた香りの高い飲料となる。
【0008】
ここで過熱蒸気とは、水を加熱して発生した蒸気をさらにヒーター等にて加熱することで250〜500℃の乾燥した蒸気にすることをいう。
このような過熱蒸気をコーヒー生葉に向けて噴射すると、従来の100℃前後のスチームで蒸熱するのとは異なり、乾燥した状態で加熱することになるのでコーヒー生葉の乾燥と焙煎が連続的に進行するとともに周囲よりも低酸素の還元雰囲気になることから焦げ臭さが生じない。
【0009】
なお、コーヒー生葉の焙煎を均一に促進する目的で過熱蒸気による加熱で遠赤外線を放射するセラミックスを焙煎機内に配設してもよい。
また、焙煎機はコーヒー生葉に向けて過熱蒸気を噴射できるものであれば容器のようなバッチ式でも、トンネル通過型のコンベア式でもよい。
【0010】
過熱蒸気で生葉を焙煎した後に直ぐに、空気中にさらすと冷却の際に空気中の酸素にて酸化され、やや焦げ臭さが残る場合がある。
そこで好ましくは、250〜500℃の過熱蒸気で焙煎した後に100〜150℃の蒸気にて冷却し、その後に空気中に茶葉を取り出すのがよい。
【0011】
このようにして得られた茶葉は破砕あるいは粉砕して袋詰めしたティパックにしてもよく、熱湯を注ぐことによりエキスが抽出された茶飲料になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコーヒー葉茶原料の製造方法によれば、還元雰囲気状態で過熱蒸気による焙煎を行うことにより、生葉の乾燥と焙煎が連続的に進行するとともに空気酸化されないので焦げ臭さが残らない。
これにより風味のある香りの高い茶飲料を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
コーヒーの木から生葉を摘みとり容器に入れ、約400〜500℃の過熱蒸気を約2〜3分間噴射し焙煎した。
次に約120℃の過熱蒸気に切り替えて冷却した後に容器から取り出した。
これにより茶色に焙り上がった茶葉が得られた。
この茶葉を細かく破砕し、熱湯を注いで茶を抽出した。
得られた茶飲料は、コーヒーの風味と紅茶の風味とがミックスされた香りの高い飲料となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摘採したコーヒーの生葉を250〜500℃の過熱蒸気にて還元雰囲気焙煎したことを特徴とするコーヒー葉茶原料の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のコーヒー葉茶原料に湯を注いで抽出することを特徴とするコーヒー葉茶飲料の製造方法。

【公開番号】特開2013−106536(P2013−106536A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252126(P2011−252126)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(594079349)
【出願人】(507152202)
【出願人】(505039826)
【Fターム(参考)】