説明

ゴミ箱付ティッシュペーパーケース

【課題】 美観・清潔感に優れ、省スペースを実現することができるとともに、設置方向を制限されることがないゴミ箱付ティッシュペーパーケースを提供する。
【解決手段】 箱状で、正面及び又は背面にゴミ箱挿入開口が設けられた本体(10)と、
ティッシュペーパーを収納したティッシュボックスを載置可能で、且つ本体(10)と略等しい平面積を有し、本体(10)上部に一体に連成されたティッシュケース(11)と、
上部が開放され、ゴミ箱挿入開口を介して本体(10)に出没可能に収容されるとともに、水平軸により開閉自在に軸着されたゴミ投入用扉(22)を有するゴミ箱(20)と、を備え、ゴミ投入用扉(22)を回動し半開き状態として、ゴミ投入用扉(22)上端とゴミ箱挿入開口上端との間に、ゴミを投入可能なスペースが形成されるようにしてゴミ箱付ティッシュペーパーケースを構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱付きのティッシュペーパーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭の食卓等においてティッシュペーパーは不可欠である。従来は、ティッシュペーパーを収納したティッシュボックスは食卓や居間のテーブル上に置いておき、使用済みのティッシュペーパーは、足元等の床上に別途置いたゴミ箱に捨てる、というのが一般的であった。
しかしながら、ティッシュペーパーとゴミ箱とは、本来は対となって使用されるものであり、使用済みのティッシュペーパーをわざわざ別の場所に捨てるのは面倒であった。
【0003】
これに対して、ティッシュボックスを収納するケースとゴミ箱とを一体に形成した、ティッシュペーパー箱収納部付きゴミ箱を提供するものとして、例えば特許文献1がある。
また、本願出願人は、ゴミを収容する本体の上部において、ティッシュボックスを載置可能なティッシュケースを、取手部の回動と連動して前後にスライド可能に設けた、ゴミ箱付ティッシュペーパーケースを提案している(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】実開平6−49405号
【特許文献2】実用新案登録第3124880号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、ティッシュペーパー箱収納部とゴミ箱とを単に横並びに設けたものであるため、ゴミ箱に捨てられたゴミが露呈して美観・清潔感に劣り、食卓や居間のテーブルに置いたときに不自然であり、また、一般家庭のテーブル等の限られたスペースに置くには、設置面積をとり過ぎていた。
一方、上記特許文献2に記載されたものは、ティッシュケースが本体の上部において前又は後方向に摺動して、ゴミを投入可能なスペースが形成されるものであるため、壁際等使用場所によっては、設置方向が制限されるという問題があった。
【0006】
そこで、本考案は上記問題に鑑みてなされたものであり、美観・清潔感に優れ、省スペースを実現することができるとともに、設置方向を制限されることがないゴミ箱付ティッシュペーパーケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、箱状で、正面及び/又は背面にゴミ箱挿入開口が設けられた本体と、
ティッシュペーパーを収納したティッシュボックスを載置可能で、且つ該本体と略等しい平面積を有し、該本体上部に一体に連成されたティッシュケースと、
上部が開放され、該ゴミ箱挿入開口を介して該本体に出没可能に収容されるとともに、水平軸により開閉自在に軸着されたゴミ投入用扉を有するゴミ箱と、を備え、
該ゴミ投入用扉を回動し半開き状態として、該ゴミ投入用扉上端と該ゴミ箱挿入開口上端との間に、ゴミを投入可能なスペースが形成されるようにしたことを要旨とする。
【0008】
また、請求項2に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、請求項1に記載の構成において、該ティッシュケースの側方に、前後に可倒自在とされる取手が接続されたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項3に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、請求項2に記載の構成において、該本体及び該ティッシュケースの正面、背面、側面、あるいは該ゴミ投入用扉の表面の全部又は一部がホワイトボードによって形成され、
該取手にホワイトボード用ペンを保持可能なペン差しが設けられたことを要旨とする。
【0010】
また、請求項4に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、下部が開放された箱状で、該ティッシュケースの四方側面に内接するように、該ティッシュケースに上方から嵌め合わせることができるティッシュボックスカバーをさらに備え、
該ティッシュボックスカバーの上面には、ティッシュペーパーのつまみ出しを容易にする矩形状部と、該矩形状部の左右に連通して設けられ、細長で、先端に向かって窄められるとともに、先端が丸みを帯びて形成されたティッシュペーパー保持部と、からなるティッシュペーパー取り出し口が設けられ、
詰め替え用のティッシュペーパーをも該ティッシュケースに収容可能とされたことを要旨とする。
【0011】
また、請求項5に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、請求項4に記載の構成において、該ティッシュボックスカバーは、上下逆転して、該ティッシュケース内に収容可能な形状となされたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、箱状で、正面及び/又は背面にゴミ箱挿入開口が設けられた本体と、
ティッシュペーパーを収納したティッシュボックスを載置可能で、且つ該本体と略等しい平面積を有し、該本体上部に一体に連成されたティッシュケースと、上部が開放され、該ゴミ箱挿入開口を介して該本体に出没可能に収容されるとともに、水平軸により開閉自在に軸着されたゴミ投入用扉を有するゴミ箱と、を備え、該ゴミ投入用扉を回動し半開き状態として、該ゴミ投入用扉上端と該ゴミ箱挿入開口上端との間に、ゴミを投入可能なスペースが形成されるようにして構成したため、美観・清潔感に優れ、省スペースを実現することができるとともに、設置方向を制限されることがないゴミ箱付ティッシュペーパーケースを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係るゴミ箱付きティッシュペーパーケースは、主として本体と、ティッシュケースと、ゴミ箱と、を備えて構成されるものである。
ティッシュケースは、ティッシュペーパーを収納したティッシュボックスを、ティッシュペーパーを取出自在の状態で載置するものである。現在市販されているティッシュボックスは、幅240mm、奥行き120mm、高さ50〜70mm程度の横長直方体形状をなすものが多く、300〜400枚(150〜200組)のティッシュペーパーを収納しているものが標準である。ティッシュペーパーの1枚の大きさは概ね縦200mm×横230mmであるが、これを二つ折りしたもの75〜100組を、上記市販のものの様に組み合わせ折り畳めば、ティッシュボックスの幅、奥行き共120mm、高さ50〜70mmとでき、本発明のティッシュケースも更に小さく構成することができる。また、現在一般には普及していないが、ハーフサイズのティッシュペーパーを収納したティッシュボックスであれば、幅、奥行き共120mm、高さ50〜70mm程度であるため、本発明にとって好ましい。
何れにしても、ティッシュケースの大きさ・形状等は、載置を許容するティッシュボックスの大きさに応じて適宜設定することができる。
【0014】
本体は、箱状をなし、正面及び背面にゴミ箱挿入開口が設けられたものである。ゴミ箱挿入開口は、少なくとも本体の正面又は背面の何れか一方に設けられていればよいが、双方に設けた方がより便宜である。
美観・清潔感の向上、及び省スペース性に配慮して、本体とティッシュケースとは、略等しい平面積を有するようにし、ティッシュケースを本体上部に一体に連成して積層構成する。
【0015】
ゴミ箱は、上部が開放され、ゴミ箱挿入開口を介して本体に出没可能に収容されるものである。そして、ゴミ箱の正面及び背面には、ゴミ投入用扉が、水平軸によって開閉自在に軸着されており、これによって、ゴミ投入用扉を回動し半開き状態として、ゴミ投入用扉上端とゴミ箱挿入開口上端との間に、ゴミを投入可能なスペースが形成されるようにしたものである。
ゴミ投入用扉は、正面又は背面の何れか一方においてのみ開閉自在に軸着される構成であってもよい。
【実施例1】
【0016】
本発明の一実施形態を、図1〜図7Bを参照しながら説明する。図1はゴミ箱付ティッシュペーパーケースの正面図、図2はゴミ箱付ティッシュペーパーケースの側面図、図3はゴミ箱付ティッシュペーパーケースの平面図、図4Aは本体及びティッシュケースの正面図、図4Bは本体及びティッシュケースの側面図、図5Aはゴミ箱部の平面図、図5Bはゴミ箱部の正面図、図5Cはゴミ箱部の側面図、図6は掻き出し具の平面図、図7Aはティッシュボックスカバーの平面図、図7Bは図7AにおけるA−A断面図である。
【0017】
本実施例に係るゴミ箱付きティッシュペーパーケースは、図1〜図3に示すように、本体(10)、ゴミ箱(20)、ティッシュケース(11)、ティッシュボックスカバー(30)等を備えて構成されるものである。
本体(10)は、図4A〜図4Bに示すように、略直方体形の箱状をなし、正面及び背面に連通して大きくいっぱいに形成されるゴミ箱挿入開口(14)を介して、本体(10)にゴミ箱(20)が前後に出没可能に収容されている。
図4A〜図4Bに示すように、本体(10)の正面及び背面の下端部には、ゴミ箱係止部(12)が設けられ、収容したゴミ箱(20)が、不意に前後に飛び出さないようになされている。
【0018】
ゴミ箱(20)は、図1〜図3、図5A〜図5Cに示すように、全体として、本体(10)と等しい奥行きと、本体(10)よりもわずかに小さい幅、高さとを有するように、上部が開放された略直方体形状をなして構成されており、ゴミ箱挿入開口(14)を介して本体(10)に挿入した状態で、ゴミ箱(20)の正面及び背面と、本体(10)の正面及び背面とがそれぞれ面一となるように構成されている。
ゴミ箱(20)は、図5A〜図5Cに示すように、底板の左右に側板を立設してなるゴミ箱本体(21)と、正面及び背面に取り付けられるゴミ投入用扉(22)と、から構成されている。図5A〜図5Cに示すように、ゴミ箱本体(21)は、左右の側板がそれぞれ下方に延設されて、所定寸法だけ底上げされた構造となされているとともに、ゴミ箱本体(21)の底板前後端には、ヒンジ部(23)を介して、ゴミ投入用扉の下端近傍が回動可能に連結されている。これにより、ゴミ投入用扉(22)が、水平軸によって開閉自在に軸着される構成となっている。
また、ゴミ投入用扉(22)は、図5A、図5Cに示す如く、マチ部(22a)が左右に折り返し形成され、平面視略コ字状をなして構成されている。
なお、図5Cに示すように、ゴミ箱本体(21)の左右側板の前後下端は、所定形状に切り欠かれており、ゴミ投入用扉(22)の回動を阻止しないようになされている。
【0019】
また、図5A〜図5Cに示すように、ゴミ箱本体(21)の底板裏側には、ゴミ箱底部取手(25)が凸設され、本体から取り出したゴミ箱(20)を容易に把持してゴミ捨てが行えるようになっているとともに、ゴミ投入用扉(22)の適宜の位置には、扉引き手(24)が凹設され、ゴミ投入用扉(22)の開閉操作を簡単に行えるようになっている。
【0020】
さらに、図5Cに示すように、ゴミ箱本体(21)の左右側板上端には、掻き出し具収納溝(26)が切欠されており、図6に示す如くの掻き出し具(36)をゴミ箱(20)に装着した状態で、ゴミ箱(20)を本体(10)に収容できるようになっている。掻き出し具(36)は、図6に示すように、ロ字状部と直線状部とからなり、直線状部を把持して、ロ字状部にて、ゴミ箱(20)内に溜まったゴミを掻き出して捨てるためのものである。掻き出し具(36)のゴミ箱(20)への装着は、上記直線状部の両端を掻き出し具収納溝(26)へ上方から嵌合することによって行う。
ゴミ捨て時において、ゴミ箱(20)を逆さまにしても、ティッシュペーパー等のゴミがゴミ箱(20)内底面、側面に付着して出てこない場合があり得るが、この様な付着しているゴミほど直接手で触れたくないものが多く、これらを掻き出すために、上記の掻き出し具(36)が役立つ。
【0021】
ティッシュケース(11)は、図1〜図4Bに示すように、上部が開放された容器状をなすとともに、本体(10)上部に一体に連成され、横幅、及び奥行きが、本体(10)の横幅、及び奥行きとそれぞれ等しく形成されている。ティッシュケース(11)は、図1に示す如くの直方体形状をなすハーフサイズのティッシュボックス(32)を丁度、収容載置できる大きさ・形状を有するものであり、ティッシュボックス(32)はティッシュペーパー(33)を内部に積層収納し、上面から1枚ずつティッシュペーパー(33)を取り出し可能な状態で収容されている。
【0022】
ティッシュケース(11)の左右側面は、図4A〜図4Bに示すように、正面及び背面よりもさらに上方に延設され、上端がゆるやかな弧状をなして形成されている。
そして、図4Bに示すように、ティッシュケース(11)の左右側面の上端中央部から下方にやや下がった位置には軸孔(13)が穿設され、図1〜図3に示す如くコ字状をなす取手(34)両端部が、螺子等(図示せず)を介して前後に可倒自在に軸着されている。
ティッシュケース(11)の左右側面上部を掴んで持ち運ぶこともできるが、さらに可搬性を良くするためには、このような取手(34)を設けることが好ましい。取手(34)は任意の姿勢で停止可能に構成することが好ましい。
【0023】
ティッシュボックスカバー(30)は、下部が開放された箱状をなし、図1、図3に示すように、ティッシュケース(11)の四方側面に丁度内接する形状を有しており、上方から嵌め合わせることにより、ティッシュケース(11)に載置されたティッシュボックス(32)を覆い被せることができるようになっている。また、ティッシュボックスカバー(30)上面には、図3に示す如くのティッシュペーパー取り出し口(31)が設けられている。
【0024】
なお、図7A〜図7Bにティッシュボックスカバー(30)の他の実施形態を示す。この実施形態のティッシュボックスカバー(30)はプラスチック製であり、上面に、図7A〜図7Bに示す如くのティッシュペーパー取り出し口(31)が形成されたものである。ティッシュペーパー取り出し口(31)は、ティッシュボックスカバー(30)上面と略相似形をなしコーナーがやや丸みを帯びた矩形状部(31’)と、矩形状部(31’)の左右に連通して設けられるティッシュペーパー保持部(31a)とから構成されている。
ティッシュペーパー保持部(31a)は、図7Aに示すように、矩形状部(31’)の対向する短辺をそれぞれ二等分する直線(A−A)に沿って、やや細長に、且つ先端に向かって窄まった形状をなすとともに、先端が丸みを帯びて形成されている。また、図7Bに示すように、ティッシュペーパー取り出し口(31)の開口縁部は、肉厚に形成されている。
【0025】
このようなティッシュペーパー取り出し口(31)を備えることにより、ティッシュペーパー(33)の両端が、ティッシュペーパー保持部(31a)にきっちりと保持されるため、ティッシュペーパー(33)が皺になり難く綺麗に取り出せるとともに、風や空気の対流によってティッシュペーパー(33)がティッシュボックスカバー(30)の中に戻されるおそれがない。ペーパー送りも確実に行われ、また、矩形状部(31’)が前後に奥行きのある形状であるため、ティッシュペーパー(33)をつまみ出し易くなっている。
さらに、本発明において、ティッシュペーパー取り出し口(31)は、テーブル上等で通常よりかなり高い位置にあるため、水平に近い方向にティッシュペーパー(33)が取り出されることも多くなるものと考えられるが、ティッシュペーパー保持部(31a)の上記形状によって、このような取り出しに対しても、ティッシュペーパー(33)を滑らかに綺麗に取り出すことが可能となる。
【0026】
また、本実施例に係るゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、本体(10)及びティッシュケース(11)の正面、背面、側面、ゴミ投入用扉(22)の表面の全部又は一部が、ホワイトボードによって形成されており、一寸した伝言やメモを書き留めておくのに便利である。取手(34)の掴み手部分には、図1〜図3に示すように、ホワイトボード用のペンを保持するためのペン差し(35)が設けられている。デザイン上、ゴミ箱付ティッシュペーパーケースの外表面を光沢面ではなく粗面としたい場合等、ゴミ箱付ティッシュペーパーケースをホワイトボードを用いずに構成する場合には、ペン差し(35)は不要となる。
【0027】
上記の如く構成されるゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、ティッシュケース(11)にティッシュボックス(32)を載置し、ティッシュボックスカバー(30)を覆い被せて使用する。ティッシュペーパー(33)は、ティッシュボックスカバー(30)上面に設けられるティッシュペーパー取り出し口(31)を介して取り出して使用することができる。本実施例のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、ティッシュボックスカバー(30)を有するため、詰め替え用のティッシュペーパーを、ティッシュボックスに収容することなく、そのままティッシュケース(11)に載置収容して使用することもでき、環境保全への貢献となる。詰め替え用ティッシュペーパーを使用する場合、ティッシュボックスカバー(30)の取り出し口(31)が直接の取り出し口となるため、その形状は、ティッシュペーパーを余り皺にならないように綺麗に、且つ滑らかに取り出せるものであることが好ましい。従って、この場合特に、図7A〜図7Bに示した如くのティッシュボックスカバー(30)が有効となる。
【0028】
そして、扉引き手(24)を手前に引き、ゴミ投入用扉(22)を回動させて半開き状態とすると、図2に示すように、ゴミ投入用扉(22)上端とゴミ箱挿入開口(14)上端との間に、ゴミを投入することができるスペースが形成されるため、そこからゴミ箱(10)内に、使用済みのティッシュペーパー(33)等のゴミを投入することができる。このとき、ゴミ投入用扉(22)の左右にマチ部(22a)が折り返し形成され、正面又は背面方向に突出したゴミ投入用扉(22)と本体(10)側面との間に隙間が生じないようになされており、投入したゴミが、マチ部(22a)によってガイドされるため、確実にゴミ箱(20)内に収容されることとなる。
ゴミの投入が終了すれば、正面又は背面に突出したゴミ投入用扉(22)を本体(10)に向けて押圧し、ゴミ投入用扉(22)を回動させて元の位置に戻せばよい。
【0029】
ゴミ箱(20)に捨てられたゴミは、いずれより大きいゴミ箱やゴミ袋に捨てなければならないが、そのためには、ゴミ箱挿入開口(14)に挿入されたゴミ箱(20)を、正面又は背面側から少し押し込むことで、本体(10)のゴミ箱係止部(12)とゴミ箱(20)の正面又は背面下端部との係合を解除して、本体(10)から引き出す。ゴミ投入用扉(22)を少し手前に引いて上に持ち上げてやれば、係合の解除が容易である。
そして、引き出したゴミ箱(20)裏側のゴミ箱底部取手(25)を一方の手で掴み、もう一方の手で掻き出し具(36)を取り外して、ゴミ箱(20)を傾け又は逆さまにすることで、ゴミを容易に捨てることができる。必要に応じて掻き出し具(36)を使用する。
【0030】
なお、ティッシュペーパーとして、街頭等でよく配布されているポケットティッシュを使用することもできる。この場合、ティッシュボックスカバー(30)を上下逆転して、ティッシュケース(11)内に沈め、上部にカバーが無い状態として、そこに外装を取り外したポケットティッシュのティッシュペーパーを載置して使用する。
【0031】
本実施例に係るゴミ箱付ティッシュペーパーケースによれば、ティッシュペーパー(33)を載置するティッシュケース(11)と、ゴミを収容できる本体(10)とが一体となっているため、たいへん便宜であるだけでなく、ティッシュケース(11)が本体(10)の上部を覆っているため、美観・清潔感に優れており、食卓や居間のテーブルの上に置いても、何ら違和感無く用いることができる。また、扉引き手(24)の引き出し操作によって、ゴミを投入することができるスペースを簡単に形成することができるため、ゴミ捨てを容易に行うことが可能である。
【0032】
また、本実施例に係るゴミ箱付きティッシュペーパーケースによれば、設置に必要となるテーブル上の面積は、ティッシュボックス(32)の平面積と略等しいもので足りるため、省スペース化が図れる。しかも壁際等に設置して用いる場合、正面、背面、側面の何れを壁面に接触させても使用可能であり、設置方向を気にする必要がない。
本実施例に係るゴミ箱付きティッシュペーパーケースは、上方に取手(34)を備え、全体の形状も非常にコンパクトであるため、どこにでも簡単に持ち運ぶことができる。
【0033】
以上の実施例の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、ゴミ投入用扉(22)とゴミ箱本体(21)とを可動可能に連結するヒンジ部(23)に、ばね機構を併設し、ゴミを投入するために開けたゴミ投入用扉(22)を、ばねの付勢力に従って自動的に元の位置に戻すようにしてもよい。
また、ヒンジ部(23)は必ずしも、ゴミ投入用扉(22)の下端近傍に設ける必要は無く、中間高さの位置に配置してもよい。さらに、ヒンジ部(23)として、繰り返し曲げ可能な弾性を有する樹脂を用いてもよい。
【実施例2】
【0034】
実施例2について、図8を参照して説明する。本実施例は、ティッシュボックス及びティッシュボックスに収容されるティッシュペーパーを略半分に裁断するためのティッシュペーパー裁断器について示すものである。図8はティッシュペーパー裁断器の概略正面図である。
【0035】
本発明のゴミ箱付ティッシュペーパーケースは、主に一般家庭の食卓や居間のテーブル上での使用を想定したものであるため、現在一般に市販されている横長のティッシュペーパーの大きさを基準とすると、装置が過大となり適していない。従って、ハーフサイズ等のティッシュペーパーの使用が望まれるが、現在、ハーフサイズのティッシュペーパーは業務用として数種類ほどが存在するだけで、1組あたりの価格も一般のものに比べて非常に高価である。
以下に示すティッシュペーパー裁断器は、一般サイズの大きなティッシュペーパーを、ハーフサイズ等のティッシュペーパーにきわめて簡単に加工できるため、本発明のゴミ箱付ティッシュペーパーケースの大きさを小さく構成したい場合に多いに役立ち得るものである。
【0036】
本実施例のティッシュペーパー裁断器は、図8に示すように、平面視長方形状をなす基盤(50)の一の短辺に沿って、袖部により平面視コ字状をなす側板(51)を立設するとともに、対向する長辺の中央部に、ガイド部(54)(55)をそれぞれ立設して構成されるものである。図8に示すように、側板(51)の袖部には高さ調節板(53)を嵌合可能な調節溝(52)が上下に複数段設けられ、ガイド部(54)(55)の間には、カッター刃(58)を挿脱可能なスリット(57)が形成されている。
【0037】
また、図8に示すように、基盤(50)の中央部には段差が形成されており、段鼻から少し入ったところにスリット(57)が位置するようになされている。さらに、段鼻を挟んで、基盤(50)の側板(51)が設置される側には、1/20程度の勾配が設けられるとともに、側板(51)が勾配面に対して垂直をなして立設されている。
【0038】
上記の如く構成されるティッシュペーパー裁断器の使用方法について、以下に説明する。
切断対象とするのは、幅240mm、奥行き120mmの現在一般に市販されている横長直方体形状のティッシュボックス(32)である。
まず、ティッシュボックス(32)と収容されるティッシュペーパーとの間には、通常10mm程度の遊びがあるため、ティッシュペーパーを片側方向(図8では右方向)に寄せた上で、ティッシュボックス(32)を、側板(51)に当てがって基盤(50)上段面に載置する。そして、細長平板状をなす高さ調節板(53)の両端を、側板(51)袖部の調節溝(52)に嵌合して、ティッシュボックス(32)の一端側を押圧固定する。このとき、基盤(50)上段面に形成された上記勾配によって、ティッシュボックス(32)は図8では、やや左上りにセットされることとなる。
【0039】
次に、図8でティッシュボックス(32)の左半部を、片方の手で適当な力によって上方から押さえつけながら、カッター刃(58)をスリット(57)に挿入する。そして、カッター刃(58)を、ガイド部(54)(55)に沿って前後に動かしながら、下方に向かってティッシュボックス(32)及びティッシュペーパーを切り進める。なお、図8に示すように、基盤(50)上段面の適宜の位置には、振れ防止用スパイク(56)が突設されており、ティッシュボックス(32)の底面に貫入され、ティッシュボックス(32)が前後左右に振れるのを防止している。カッター刃(58)を有する刃物としては、通常、包丁を用いることができる。
【0040】
カッター刃(58)を進めていくに従い、ティッシュボックス(32)及びティッシュペーパーが側面視ヘの字状に曲がり、切り口が順次開かれるため、カッター刃(58)の側面摩擦抵抗が減少し、簡単に切断することができる。
カッター刃(58)がスリット(57)の下端に到達すれば、ティッシュボックス(32)とティッシュペーパーとが中央部で略半分に切断され、2個のハーフサイズのティッシュペーパーを得ることができる。スリット(57)の下端には、基盤(50)上段面の段鼻に沿って設けられる凹陥溝に連続する切り離し溝(59)が形成されているため、ティッシュボックス(32)底部の厚紙も簡単に切離することができる。
なお、上記のティッシュペーパー裁断器の説明は、使用者が右利きである場合を想定したものであるが、使用者が左利きである場合には、左右を入れ替えれば足りる。
【0041】
このようにして略半分に裁断されたティッシュペーパーは、ティッシュボックス(32)より取り出し、本発明のゴミ箱付ティッシュペーパーケースのティッシュケースに載置して使用することができる。これにより、例えば200組(400枚)のティッシュペーパーを400回に分けて使用することが可能となり、非常に経済的である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、美観・清潔感に優れ、省スペースを実現することができるとともに、設置方向を制限されることがないゴミ箱付ティッシュペーパーケースを提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ゴミ箱付ティッシュペーパーケースの正面図である。
【図2】ゴミ箱付ティッシュペーパーケースの側面図である。
【図3】ゴミ箱付ティッシュペーパーケースの平面図である。
【図4A】本体及びティッシュケースの正面図である。
【図4B】本体及びティッシュケースの側面図である。
【図5A】ゴミ箱部の平面図である。
【図5B】ゴミ箱部の正面図である。
【図5C】ゴミ箱部の側面図である。
【図6】掻き出し具の平面図である。
【図7A】ティッシュボックスカバーの平面図である。
【図7B】図7AにおけるA−A断面図である。
【図8】ティッシュペーパー裁断器の概略正面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 本体
11 ティッシュケース
12 ゴミ箱係止部
13 軸孔

14 ゴミ箱挿入開口

20 ゴミ箱
21 ゴミ箱本体
22 ゴミ投入用扉
23 ヒンジ部
24 扉引き手
25 ゴミ箱底部取手
26 掻き出し具収納溝
30 ティッシュボックスカバー
31 ティッシュペーパー取り出し口
31’ 矩形状部
31a ティッシュペーパー保持部
32 ティッシュボックス
33 ティッシュペーパー
34 取手
35 ペン差し
36 掻き出し具
50 基盤
51 側板
52 高さ調節溝
53 調節板
54、55 ガイド部
56 振れ防止用スパイク
57 スリット
58 カッター刃
59 切り離し溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状で、正面及び/又は背面にゴミ箱挿入開口が設けられた本体と、
ティッシュペーパーを収納したティッシュボックスを載置可能で、且つ該本体と略等しい平面積を有し、該本体上部に一体に連成されたティッシュケースと、
上部が開放され、該ゴミ箱挿入開口を介して該本体に出没可能に収容されるとともに、水平軸により開閉自在に軸着されたゴミ投入用扉を有するゴミ箱と、を備え、
該ゴミ投入用扉を回動し半開き状態として、該ゴミ投入用扉上端と該ゴミ箱挿入開口上端との間に、ゴミを投入可能なスペースが形成されるようにしたゴミ箱付ティッシュペーパーケース。
【請求項2】
該ティッシュケースの側方に、前後に可倒自在とされる取手が接続された請求項1に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケース。
【請求項3】
該本体及び該ティッシュケースの正面、背面、側面、あるいは該ゴミ投入用扉の表面の全部又は一部がホワイトボードによって形成され、
該取手にホワイトボード用ペンを保持可能なペン差しが設けられた請求項2に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケース。
【請求項4】
下部が開放された箱状で、該ティッシュケースの四方側面に内接するように、該ティッシュケースに上方から嵌め合わせることができるティッシュボックスカバーをさらに備え、
該ティッシュボックスカバーの上面には、ティッシュペーパーのつまみ出しを容易にする矩形状部と、該矩形状部の左右に連通して設けられ、細長で、先端に向かって窄められるとともに、先端が丸みを帯びて形成されたティッシュペーパー保持部と、からなるティッシュペーパー取り出し口が設けられ、
詰め替え用のティッシュペーパーをも該ティッシュケースに収容可能とされた請求項1乃至3の何れかに記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケース。
【請求項5】
該ティッシュボックスカバーは、上下逆転して、該ティッシュケース内に収容可能な形状となされた請求項4に記載のゴミ箱付ティッシュペーパーケース。


【図7B】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−68912(P2008−68912A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251544(P2006−251544)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(501084167)阪神琺瑯株式会社 (1)
【Fターム(参考)】