説明

ゴム架橋物

【解決手段】液状ゴムに配合剤を配合して混練したゴム組成物を所望の形状に成形して架橋硬化させたゴム架橋物において、JIS K6262による圧縮永久歪み(S)が0.2〜25[%]でJIS K6253によるアスカーC硬度(H)が10〜83[度]被であり、かつこの圧縮永久歪み(S)とアスカーC硬度(H)とが下記関係式(1)を満足するものであることを特徴とするゴム架橋物。
S≧28.8−0.34H ・・・(1)
【効果】従来は達成困難であった低硬度化と低圧縮永久歪みとを同時かつ高度に達成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状ゴムを用いたことにより低硬度であるにもかかわらず低圧縮永久歪みを達成したゴム架橋物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゴム製品を製造する場合、まず、原料ゴムに補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤などの配合剤を配合して混練することによりゴム組成物を調製し、次にこのゴム組成物に架橋(加硫)剤、架橋(加硫)促進剤などを添加して未架橋ゴム組成物を調製し、これを所望の形状に成形した後、架橋硬化を行うか、又は成形と同時に架橋硬化を行ってゴム架橋物を得る方法が採られている。
【0003】
この場合、上記補強剤や充填剤などは粉末状であることが多く、原料ゴムとの混練時に飛散しやすい。そのため、短時間で混練を完了するにはこれら配合剤の飛散を防止するため密閉式混練機を使用する必要があり、バンバリーやニーダーなどの密閉式混練機を用いて混練作業が行われている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【0004】
ここで、電子写真装置などに用いられる各種ローラやブレードなどの用途では、ゴム材料の低硬度化が要求される場合が多く、このような場合にはゴム製品の硬度を低減化(低硬度化)したり、製造時の加工性を改善する目的で原料ゴムに多量の液状ゴムを配合することも行われている(例えば、下記特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、液状ゴムを固形ゴムに混合する方法では、圧縮永久歪みと硬度の両方を十分に低減化することは困難であり、求められる要求に十分に応えることができない場合がある。また、原料ゴムに液状ゴムと他の配合剤を混練するため、これらの各材料を上記密閉式混練機に投入して混練することになるが、その場合には液状ゴムが密閉式混練機のローター表面に付着して他の配合剤が液状ゴム中に分散し難くなり、混練効率が低下するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2000−129037公報
【特許文献2】特開2005−154545公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低硬度で圧縮永久歪みの小さい良好な性能を有するゴム架橋物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ゴムに架橋剤やその他の必要に応じた所望の配合剤を配合して混練し、所望の形状に成形して架橋硬化させることにより、ゴム架橋物を製造する場合に、上記混練操作を、遊星式混合装置、特に対象物を収容した容器が自転しながら公転して対象物を混練しながら脱泡する遊星式混合・脱泡装置を用いて行うことにより、ゴム原料として低分子量のブタジエンゴムやイソプレンゴムなどの液状ゴムを用いても、これら液状ゴムに架橋剤とその他の配合剤が十分かつ良好に分散し、気泡も非常に少ない良好な未架橋ゴム組成物を、液状ゴムの付着などによる不都合を生じることなく効率よく調製することができ、この未架橋ゴム組成物を成形し架橋硬化させることにより、JIS K6262による圧縮永久歪みが0.2〜25[%]でJIS K6253によるアスカーC硬度が10〜83[度]である低硬度で低圧縮永久歪みの優れた性能を有するゴム架橋物が得られ、しかも従来は達成困難であった、圧縮永久歪み(S)とアスカーC硬度(H)との関係が下記関係式(1)を満足する低圧縮永久歪み化と低硬度化が同時かつ高度に達成さたゴム架橋物とすることができることを見出し本発明を完成したものである。
S≧28.8−0.34H ・・・(1)
【0009】
従って、本発明は、液状ゴムに配合剤を配合して混練したゴム組成物を所望の形状に成形して架橋硬化させたゴム架橋物において、JIS K6262による圧縮永久歪み(S)が0.2〜25[%]でJIS K6253によるアスカーC硬度(H)が10〜83[度]であり、かつこの圧縮永久歪み(S)とアスカーC硬度(H)とが上記関係式(1)を満足するものであることを特徴とするゴム架橋物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゴム架橋物は、従来は達成困難であった低硬度化と低圧縮永久歪みとを同時かつ高度に達成したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のゴム架橋物は、上記のように、液状ゴムに配合剤を配合し所望の形状に成形して架橋硬化させたものである。
【0012】
本発明ゴム架橋物の主体となる上記液状ゴムとしては、常温で液状を示し、架橋することによって弾性を示すものであれば特に制限はなく、架橋物の用途等に応じて適宜選択し得、例えば液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状クロロプレンゴム、末端アクリル変性液状ブタジエンゴム、水酸基末端液状ブタジエンゴム、水酸基末端イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレンプロピレンジエンゴム、液状エピクロルヒドリン系ゴムなどが例示される。これらの中でも本発明には液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、末端アクリル変性液状ブタジエンゴム、水酸基末端液状ブタジエンゴム、水酸基末端液状イソプレンゴムなどが好ましく用いられる。また、これら液状ゴムは、特に数平均分子量2000〜50000のものが好適である。
【0013】
ここで、場合によっては2種以上の液状ゴムを混合して用いてもよい。また、必要に応じて液状ゴム100質量部に対して5〜20質量部程度の固形ゴムを配合することもできるが、本発明では、固形ゴムを一切配合することなく、原料ゴム成分としては液状ゴムのみを用いることが好ましく、これにより低硬度で圧縮永久歪みの小さいゴム架橋物をより確実に得ることができる。なお、固形ゴムを配合する場合の固形ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが挙げられる。
【0014】
本発明では、上記液状ゴムに必要に応じて適宜な配合剤を配合することができる。例えば、上記液状ゴムを熱架橋により良好に架橋硬化させるために架橋剤を配合することができる。この場合、架橋剤としては、液状ゴムの種類や得られる架橋物の用途などに応じて、有機過酸化物、イオウ、有機イオウ化合物、金属酸化物などの公知の架橋剤を用いることができるが、特に有機過酸化物が好適に用いられる。具体的には、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン,2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのパーオキサイドが好適に用いられる。
【0015】
なお、架橋方法は、上記架橋剤を用いた熱架橋に限定されるものではなく、例えば上記液状ゴムに光重合開始剤を配合して、紫外線照射などにより架橋硬化させる方法を採用することもできる。この場合、光重合開始剤としては、特に制限はなく公知のものを使用することができる。例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよび3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、キサントン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1等が例示され、これらの1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記液状ゴムに上記架橋剤や光重合開始剤を添加し、混練して未架橋ゴム組成物を調製するが、この未架橋ゴム組成物には、必要に応じて充填剤、導電剤、架橋促進剤、補強剤、軟化剤、老化防止剤など、公知の配合剤を添加配合することができる。
【0017】
上記充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウムなどが例示される。
【0018】
導電剤としては、ケッチェンブラック,アセチレンブラックなどのガスブラック,インクブラックを含むオイルファーネスブラック,サーマルブラック,チャンネルブラック,ランプブラックなどのカーボンブラックが好ましく用いられる。また、場合によってはイオン導電剤を用いることもでき、例えばテトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウムなどのドデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンモニウムなどのオクタデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などのアンモニウム塩;リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などを配合することも可能である。
【0019】
また、架橋促進剤としては、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなどが例示され、軟化剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステルなどが例示され、老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤などが例示される。
【0020】
本発明のゴム架橋物は、上記液状ゴムを主体としたことにより、低硬度化及び低圧縮永久歪みを達成することができ、硬度はJIS K6253によるアスカーC硬度で10〜83[度]で、圧縮永久歪みはJIS K6262による測定で0.2〜25[%]とされる。
【0021】
更に、本発明のゴム架橋物は、上記圧縮永久歪み(S)と上記アスカーC硬度(H)との関係が下記関係式(1)を満足するものであり、低硬度化と低圧縮歪み化とが同時かつ高度に達成されたものである。
S≧28.8−0.34H ・・・(1)
なお、上記アスカーC硬度10〜83[度]、圧縮永久歪み0.2〜25[%]の条件と上記関係式(1)とからなる物性をグラフに示せば図1に示した斜線部分(破線部分を含む)の範囲となる。
この場合、ゴム架橋物の用途にもよるが、より好ましいアスカーC硬度及び圧縮永久歪みは、上記アスカーC硬度が20〜60[度]の範囲でかつ圧縮永久歪みとの関係が上記式(1)の関係を満足する、図1に示した破線による斜線部分の範囲である。
【0022】
本発明のゴム架橋物は、上記液状ゴム及び配合剤を混練し、脱泡して未架橋のゴム組成物を調製し、このゴム組成物を架橋硬化させることにより得ることができる。この場合、本発明では、上記混練操作をバンバリーミキサーやニーダーなどではなく、遊星式混合装置を用いて行うことが好ましい。用いる遊星式混合装置としては、パドル、撹拌アーム、撹拌羽根などが自転しながら公転(遊星運動)する所謂プラネタリーミキサーなどの一般的な遊星式混合装置を用いることもできるが、特に対象物を収容した容器が自転しながら公転して対象物を混練しながら脱泡する遊星式混合・脱泡装置が特に好ましく用いられる。このような遊星式混合・脱泡装置を用いることにより、液状ゴムの付着に関する不都合を生じることなく、上記配合剤を均一かつ効率的に液状ゴム中に分散することができ、かつ混練,混合操作と同時に脱泡を行うことにより気泡のほとんどない非常に高品質な未架橋ゴム組成物を効率的に得ることができる。なお、このような遊星式混合・脱泡装置としては、株式会社シンキー社製のAR−100,ARV−200,AR−250,AR−500,ARV−1000,ARV−300や倉敷紡績株式会社のマゼルスターKK−50S,KK−100,KK−300,KK−10000などの市販の装置を用いることができる。
【0023】
なお、混合,混練の条件(撹拌速度、撹拌温度、撹拌時間など)については特に制限はなく、液状ゴム、配合剤の種類や配合剤の配合量などに応じて適宜設定すればよい。
【0024】
上記混練操作により調製された未架橋のゴム組成物は、所望の形状に成形され架橋反応により硬化して目的のゴム架橋物とされる。この場合、このゴム組成物の成形には、特に制限されるものではないが、LIM成形機が好ましく用いられ、この場合射出成形と同時に架橋を行うこともできる。
【0025】
本発明のゴム架橋物は、上記のように低硬度で低圧縮永久歪みの物性を有するものであるが、その用途に特に制限はなく、用途に応じた所望の形状に成形され、必要に応じて研磨や切削等の加工を施して、種々の用途に用いられる。この場合、本発明のゴム架橋物は、分散配合された充填剤や導電剤などの配合剤の均一性が高く、かつ低硬度で圧縮永久歪みの小さいゴム架橋物が得られる。このような本発明のゴム架橋物の特性,性能が有効に発揮される用途としては、プリンターや複写機などの電子写真装置や静電記録装置に用いられるトナー搬送ローラ、現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、紙送りローラなどのローラ類、現像ブレード(トナー成層ブレード)、クリーニングブレードなどのブレード類などが挙げられる。これらのローラ類やブレード類には、低硬度で十分な耐久性、更に均一な導電性などが求められ、本発明のゴム架橋物よればこのような特性、性能を有するローラやブレードを確実に得ることができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜18]
下記表1〜4に示した組成でゴムに配合剤を配合し、遊星式混合・脱泡装置((株)シンキー製 AR−25)を用いて下記条件で混練すると共に、かかる混練と同時に脱泡して、未架橋の液状ゴム組成物を調製した。なお下記表1〜5中の配合は重量部である。
実施例1〜18の混練条件
機器:遊星式混合・脱泡装置
自転速度:400rpm
公転速度:800rpm
混練時間:5分
【0027】
次いで、φ29×12.7tの圧縮永久歪み測定用サンプル4個取りの金型を具備したLIM成形機を用い、予め170℃にコントロールされた金型内に、上記実施例1〜18の未架橋ゴム組成物を所定量射出し、120〜600秒架橋を行ってゴム架橋物を得た。
【0028】
[比較例1〜5]
下記表4,5に示した組成のゴム組成物を以下の通り調製した。即ち、容量500ccのニーダーを用い、初期温度85℃でゴム成分を素練りした後、架橋剤(パーヘキサTMH又はパーヘキサC−40)以外の配合剤を投入し、5分間混練を行って排出した。混練物をシート化し、室温まで冷却した後、再び500ccのニーダーを用い、架橋剤(パーヘキサTMH又はパーヘキサC−40)を配合して初期温度50℃で1分間混練りし、排出してゴム組成物を得た。次いで、得られたゴム組成物を4個取りの圧縮永久歪み測定用金型に充填して、170℃で20分間架橋を行い、ゴム架橋物を得た。
【0029】
得られた各ゴム架橋物につき、JIS K6262に規定された試験方法に準拠して圧縮永久歪みを測定し、またJIS K6253に規定された加硫ゴム硬さ試験法に準拠してアスカーC硬度を測定した。結果を表1〜5及び図1に示す。
【0030】
【表1】

LIR−30:クラレ社製液状イソプレンゴム
LIR−300:クラレ社製液状ブタジエンゴム
BAC−45:大阪有機化学工業社製末端アクリル化液状ポリブタジエン
パーヘキサTMH:日本油脂社製1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
【0031】
【表2】

LIR−30:クラレ社製液状イソプレンゴム
LIR−300:クラレ社製液状ブタジエンゴム
BAC−45:大阪有機化学工業社製末端アクリル化液状ポリブタジエン
パーヘキサTMH:日本油脂社製1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
【0032】
【表3】

LIR:クラレ社製液状イソプレンゴム
LIR−30:クラレ社製液状イソプレンゴム
LIR−300:クラレ社製液状ブタジエンゴム
LIR−390:クラレ社製液状ブタジエン/イソプレンコポリマー
iP:出光興産社製水酸基末端液状イソプレン
パーヘキサTMH:日本油脂社製1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
パーヘキサV−40:日本油脂社製 n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレレートの40%希釈品
パーブチルP−40:日本油脂社製 ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンの40%希釈品
ケッチェンブラックEC:ケッチェンブラックインターナショナル社製
【0033】
【表4】

BR730:JSR社製ポリブタジエンゴム
LIR−300:クラレ社製液状ブタジエンゴム
R−45HT:出光興産社製水酸基末端液状ポリブタジエン
B−1000:日本曹達社製液状ポリブタジエン
パーヘキサTMH:日本油脂社製1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
ケッチェンブラックEC:ケッチェンブラックインターナショナル社製
【0034】
【表5】

BR−01:JSR社製ポリブタジエンゴム
IR−2200:JSR社製イソプレンゴム
LIR−30:クラレ社製液状イソプレンゴム
#5500:東海カーボン社製 導電用カーボンブラック
パーヘキサC−40:日本油脂社製1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンの40%希釈品
【0035】
表1〜5の通り、本発明ゴム架橋物は、低硬度で圧縮永久歪みの小さいものであり、しかも低硬度化と低圧縮歪み化を同時かつ高度に達成し得ることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】圧縮永久歪みとアスカーC硬度との関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状ゴムに配合剤を配合し混練したゴム組成物を所望の形状に成形して架橋硬化させたゴム架橋物において、JIS K6262による圧縮永久歪み(S)が0.2〜25[%]でJIS K6253によるアスカーC硬度(H)が10〜83[度]であり、かつこの圧縮永久歪み(S)とアスカーC硬度(H)とが下記関係式(1)を満足するものであることを特徴とするゴム架橋物。
S≧28.8−0.34H ・・・(1)
【請求項2】
ゴム成分が液状ゴムのみである請求項1記載のゴム架橋物。
【請求項3】
上記液状ゴムが、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン/イソプレン共重合ゴム、末端アクリル変性液状ブタジエンゴム、水酸基末端液状ブタジエンゴム、水酸基末端液状イソプレンゴムから選ばれた1種又は2種以上である請求項1又は2記載のゴム架橋物。
【請求項4】
上記液状ゴムが数平均分子量2000〜50000のものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム架橋物。
【請求項5】
上記配合剤の一としてカーボンブラックを配合する請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム架橋物。
【請求項6】
架橋剤としてパーオキサイドを用い熱架橋させたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム架橋物。
【請求項7】
上記架橋剤が、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル4,4−ジ(t−ペルオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンから選ばれた1種又は2種以上のパーオキサイドである請求項6記載のゴム架橋物。
【請求項8】
遊星式混合装置を用いて液状ゴムと配合剤とを混練した液状ゴム組成物を架橋硬化させたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム架橋物。
【請求項9】
上記遊星式混合装置として、対象物を収容した容器が自転しながら公転して対象物を混練しながら脱泡する遊星式混合・脱泡装置を用いたものである請求項8記載のゴム架橋物。

【図1】
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【公開番号】特開2007−131665(P2007−131665A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323441(P2005−323441)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】