説明

ゴム組成物

【課題】タイヤや工業用ベルト等のゴム製品に用いられるスチールコード等の金属補強材との接着耐久性及び低発熱性を向上させたゴム組成物の提供。
【解決手段】天然ゴムラテックスに好ましくはアミノ基等の極性基含有単量体をグラフト重合させてなる変性天然ゴムを含むゴム成分と、硫黄と、ベンゾチアゾール誘導体基のチアゾール環の炭素原子が硫黄と及び窒素原子に置換シクロヘキシル基がそれぞれ置換したスルフェンアミド系加硫促進剤とを含有してなるゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性天然ゴムを含むゴム成分と、特定のスルフェンアミド系加硫促進剤を含有したゴム組成物に関し、特に、タイヤや工業用ベルト等のゴム製品に用いられるスチールコード等の金属補強材との接着耐久性及び低発熱性を向上させたゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車用タイヤ、コンベアベルト、ホース等、特に強度が要求されるゴム製品には、ゴムを補強し強度、耐久性を向上させる目的で、スチールコード等の金属補強材をゴム組成物で被覆した複合材料が用いられている。
このゴム−金属複合材料が高い補強効果を発揮し信頼性を得るためには、ゴム−金属補強材間に安定した経時変化の少ない接着が必要である。
【0003】
また、ゴムと金属を接着する場合、ゴムと金属の結合を同時に行う方法、即ち、直接加硫接着法が知られているが、この場合、ゴムの加硫とゴムと金属の結合を同時に行う上で、加硫反応に遅効性を与えるスルフェンアミド系加硫促進剤を用いることが有用とされている。
【0004】
現在、市販されているスルフェンアミド系加硫促進剤の中で、最も加硫反応に遅効性を与える加硫促進剤として、例えば、下記式で表されるN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、「DCBS」と略す)が知られている。
【化1】

また、このDCBSの加硫反応の遅効性よりも更に遅効性が必要な場合は、スルフェンアミド系加硫促進剤とは別に、加硫遅延剤を併用することが行われている。なお、市販されている代表的な加硫遅延剤としては、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(以下、「CTP」と略す)が知られているが、このCTPをゴムに多量に配合すると、加硫ゴムの物理的物性に悪影響を及ぼし、かつ、加硫ゴムの外観の悪化及び接着性に悪影響を及ぼすブルーミングの原因になることは既に知られている。
【0005】
更に、上記DCBS以外のスルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、特定式で表されるビススルフェンアミド(例えば、特許文献1参照)や、天然油脂由来のアミンを原料としたベンゾチアゾルリルスルフェンアミド系加硫促進剤(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、これらの特許文献1及び2に記載されるスルフェンアミド系加硫促進剤には、ゴム物性のみの記載であり、接着性能についての記載や示唆はないものであり、しかも、本発明のスルフェンアミド化合物がゴム用の加硫促進剤として新規に用いることができることについては全く記載も示唆もないものである。
【0006】
また、本発明の中に用いられるスルフェンアミド化合物のいくつかの製法に関しては、例えば、特許文献3、4及び5に知られているが、これらの化合物がゴム用の加硫促進剤として新規に用いることができること、及びこの促進剤がもたらすスチールコードとの接着性能については全く記載も示唆もないものである。
【0007】
更に、本願発明に近似するものとして、例えば、N−メチル−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが例示された加硫促進剤(特許文献6参照)、N−第3ブチル−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが例示された加硫促進剤(特許文献7参照)が知られているが、本願発明とはその細部の構造骨格が異なり区別化でき、また、その加硫効果等も本願発明と較べて劣るものである。
【0008】
一方、昨今、自動車の低燃費化に対する要求が強くなりつつあり、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するゴム組成物として、tanδが低く、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−139082号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献2】特開2005−139239号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献3】EP0314663A1公開公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献4】英国特許第1177790号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献5】特公昭48−11214号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献6】仏国特許第2037001号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献7】特公昭49−11214号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、加硫後ゴムの物性低下、ブルーミング等の問題を生じる可能性のある加硫遅延剤を使用することなく、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤と、特定物性の天然ゴムとを用いることにより、ゴムやけの発生が格段に少なく、作業性に優れ、配合ゴムの経時変化が少なく安定した接着耐久性を発現するスチールコードなどの金属材料等との接着性に格段に優れると共に、低発熱性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、ゴム成分として特定物性の天然ゴムを含有せしめると共に、特定のスルフェンアミド系加硫促進剤を含有することにより、上記目的のゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0012】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(14)に存する。
(1) 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合させてなる変性天然ゴムを含むゴム成分と、硫黄と、下記一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤とを含有してなることを特徴とするゴム組成物。
【化2】

(2) 前記変性天然ゴムの極性基含有量は、変性天然ゴム中のゴム成分に対して、0.001〜0.5mmol/gの範囲である上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 前記変性天然ゴムが、更に凝固されてなる上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) 前記変性天然ゴムが、更に乾燥されてなる上記(3)に記載のゴム組成物。
(5) 前記ゴム成分100質量部に対し、一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量が、0.1〜10質量部であり、かつ、硫黄が0.3〜10質量部である上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(6) 更に、コバルト及び/又はコバルトを含有する化合物を含有する上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(7) コバルト及び/又はコバルトを含有する化合物の含有量がコバルト量として、ゴム成分100質量部に対し、0.03〜3質量部含む上記(6)に記載のゴム組成物。
(8) コバルトを含有する化合物が有機酸のコバルト塩である上記(6)又は(7)に記載のゴム組成物。
(9) 前記一般式(I)中のR12〜R15が水素原子である上記(1)〜(8)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(10) 前記一般式(I)中のR11が水素原子であり、xが1である上記(1)〜(9)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(11) 前記ゴム成分100質量%中、前記変性天然ゴムが10質量%以上の量で含む上記(1)〜(10)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(12) 前記ゴム成分100質量%中、前記変性天然ゴムが50質量%以上100質量%未満の量で含む上記(1)〜(11)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(13) 前記ゴム成分が、合成ゴムまたは前記変性天然ゴム以外の天然ゴムを含む上記(1)〜(12)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(14) 前記合成ゴムがポリイソプレンゴムである上記(13)に記載のゴム組成物
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ゴムやけの発生が格段に少なく、作業性に優れ、配合ゴムの経時変化が少なく安定した接着耐久性を発現するスチールコードなどの金属材料等との接着性に格段に優れると共に、低発熱性に優れたゴム組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合させてなる変性天然ゴムを含むゴム成分と、硫黄と、下記一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤とを含有してなることを特徴とするものである。
【化3】

【0015】
本発明のゴム成分となる変性天然ゴムは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合させてなるものであり、これを含有するゴム組成物では、他の配合剤成分の機能を損なうことなく、tanδ低減により転がり抵抗が改善され低発熱性を発揮するものとなる。
本発明において、用いる上記変性天然ゴムの製造には、原料として、天然ゴムラテックス、天然ゴムラテックス凝固物から選択される少なくとも一種が挙げられる。
【0016】
本発明の変性天然ゴムは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合させてなるものであり、例えば、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、該極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させることにより製造でき、好ましくは、凝固、更に好ましくは、凝固後、乾燥させることで、好ましい極性基含有変性天然ゴムを得ることができる。
上記変性天然ゴムの製造に用いる天然ゴムラテックスとしては、特に限定されず、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱タンパク質ラテックス、及びこれらを組み合せたもの等を用いることができる。
【0017】
上記天然ゴムラテックスに添加される極性基含有単量体は、分子内に少なくとも一つの極性基を有し、天然ゴム分子とグラフト重合できる限り特に制限されるものでない。ここで、該極性基含有単量体は、天然ゴム分子とグラフト重合するために、分子内に炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、極性基含有ビニル系単量体であることが好ましい。上記極性基の具体例としては、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基、及びスズ含有基等を好適に挙げることができる。これら極性基を含有する単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0018】
上記アミノ基を含有する単量体としては、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を含有する重合性単量体が挙げられる。該アミノ基を有する重合性単量体の中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等の第3級アミノ基含有単量体が特に好ましい。これらアミノ基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。ここで、第1級アミノ基含有単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、4−ビニルアニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、第2級アミノ基含有単量体としては、(1)アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等のアニリノスチレン類、(2)1−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等のアニリノフェニルブタジエン類、(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等のN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。更に、第3級アミノ基含有単量体としては、N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレート及びN,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。上記N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル等が挙げられ、これらの中でも、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が特に好ましい。また、上記N,N−ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物又はメタクリルアミド化合物等が挙げられ、これらの中でも、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が特に好ましい。
【0019】
上記ニトリル基を含有する単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。これらニトリル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0020】
上記ヒドロキシル基を含有する単量体としては、1分子中に少なくとも1つの第1級、第2級及び第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられる。かかる単量体としては、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルケトン系単量体等が挙げられる。ここで、ヒドロキシル基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば、2〜23である)のモノ(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましく、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が特に好ましい。ここで、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル、アミド、無水物等の誘導体が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸等のエステルが特に好ましい。これらヒドロキシル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0021】
上記カルボキシル基を含有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類;フタル酸、コハク酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルのような遊離カルボキシル基含有エステル類及びその塩等が挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸類が特に好ましい。これらカルボキシル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0022】
上記エポキシ基を含有する単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらエポキシ基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0023】
上記含窒素複素環基を含有する単量体において、該含窒素複素環としては、ピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。なお、該含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。ここで、含窒素複素環基としてピリジル基を含有する単量体としては、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等のピリジル基含有ビニル化合物等が挙げられ、これらの中でも、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が特に好ましい。これら含窒素複素環基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0024】
上記アルコキシシリル基を含有する単量体としては、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベンジロキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン等が挙げられる。これらアルコキシシリル基含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0025】
上記スズ含有基を有する単量体としては、アリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリメチルスズ、アリルトリフェニルスズ、アリルトリ−n−オクチルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−ブチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリメチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリフェニルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−オクチルスズ、ビニルトリ−n−ブチルスズ、ビニルトリメチルスズ、ビニルトリフェニルスズ、ビニルトリ−n−オクチルスズ等のスズ含有単量体を挙げることができる。これらスズ含有単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
【0026】
上記極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させる場合は、上記極性基含有単量体の天然ゴム分子へのグラフト重合を、乳化重合で行う。ここで、該乳化重合においては、一般的に、天然ゴムラテックスに水及び必要に応じて乳化剤を加えた溶液中に、上記極性基含有単量体を加え、更に重合開始剤を加えて、所定の温度で撹拌して極性基含有単量体を重合させることが好ましい。なお、上記極性基含有単量体の天然ゴムラテックスへの添加においては、予め天然ゴムラテックス中に乳化剤を加えてもよいし、極性基含有単量体を乳化剤で乳化した後に天然ゴムラテックス中に加えてもよい。なお、天然ゴムラテックス及び/又は極性基含有単量体の乳化に使用できる乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
【0027】
上記重合開始剤としては、特に制限はなく、種々の乳化重合用の重合開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に制限はない。一般に用いられる重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。なお、重合温度を低下させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いることが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤において、過酸化物と組み合せる還元剤としては、例えば、テトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。レドックス系重合開始剤における過酸化物と還元剤との好ましい組み合せとしては、tert−ブチルハイドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組み合せ等が挙げられる。上記変性天然ゴムを用いて、ゴム組成物の加工性を低下させることなく低ロス性及び耐摩耗性を向上させるには、各天然ゴム分子に上記極性基含有単量体が少量且つ均一に導入されることが重要であるため、上記重合開始剤の添加量は、上記極性基含有単量体に対し1〜100mol%の範囲が好ましく、10〜100mol%の範囲が更に好ましい。
【0028】
上述した各成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜7時間反応させることで、天然ゴム分子に上記極性基含有単量体がグラフト共重合した変性天然ゴムラテックスが得られる。また、該変性天然ゴムラテックスを凝固させ、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することで更に好ましい変性天然ゴムが得られる。ここで、変性天然ゴムラテックスを凝固するのに用いる凝固剤としては、特に限定されるものではないが、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩が挙げられる。
【0029】
上記極性基含有化合物を天然ゴム原材料中の天然ゴム分子にグラフト重合させる場合、該極性基含有化合物は、分子内に炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、極性基含有ビニル系単量体であることが好ましい。
【0030】
上記天然ゴム原材料と極性基含有化合物との混合物に機械的せん断力を与える手段としては、二軸押出混練装置及びドライプリブレーカーが好ましい。ここで、極性基含有化合物を天然ゴム原材料中の天然ゴム分子にグラフト重合させる場合は、上記機械的せん断力を与えられる装置内に天然ゴム原材料及び極性基含有化合物(好ましくは、極性基含有ビニル系単量体)と共に重合開始剤を投入し、機械的せん断力を与えることで、天然ゴム原材料中の天然ゴム分子に極性基含有化合物をグラフト重合により導入することができる。
【0031】
上述した各成分を機械的せん断力を与えられる装置内に仕込み、機械的せん断力を与えることで、天然ゴム分子に上記極性基含有化合物がグラフト重合した変性天然ゴムが得られる。なお、この際、天然ゴム分子の変性反応を加温して行ってもよく、好ましくは30〜160℃、より好ましくは50〜130℃の温度で行うことで、十分な反応効率で変性天然ゴムを得ることができる。
【0032】
上記変性天然ゴムの極性基含有量は、変性天然ゴム中のゴム成分に対して0.001〜0.5mmol/gの範囲が好ましく、0.002〜0.3mmol/gの範囲が更に好ましく、0.003〜0.2mmol/gの範囲がより一層好ましい。変性天然ゴムの極性基含有量が0.001mmol/g未満では、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性を十分に改良できないことがある。また、変性天然ゴムの極性基含有量が0.5mmol/gを超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の物理特性を大きく変えてしまい、天然ゴム本来の優れた物理特性が損なわれると共に、ゴム組成物の加工性が大幅に悪化するおそれがある。
【0033】
本発明のゴム組成物においては、ゴム成分として、前記変性天然ゴムを少なくとも10質量%含むことが好ましい。この量が10質量%未満では、所望の物性を有するゴム組成物が得られないことがある。この天然ゴムの好ましい含有量は20質量%以上であり、更に、好ましくは50質量%以上100質量%未満である。
前記変性天然ゴムと併用されるゴム成分としては、前記変性天然ゴム以外の天然ゴム、合成ゴム、変性合成ゴムが挙げられ、合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR),ポリブタジエンゴム(BR),ポリイソプレンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),エチレン−プロピレン共重合体ゴム及びこれらの混合物等のジエン系合成ゴムが挙げられ、特に好ましくは、ポリイソプレンゴム(IR)である。
【0034】
次に、本発明の上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤は、コバルト系の接着剤との組み合わせでは今まで報告されておらず、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド同等の加硫遅延効果を有し、かつ、スチールワイヤやスチールコードとの直接加硫接着における接着耐久性に優れており、肉厚のゴム製品や空気入りタイヤに用いるゴム−スチールコード複合体のゴム組成物に好適に使用することができるものである。
【0035】
本発明において、上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド化合物中、
(1)R11が水素原子の場合、R〜R10は水素原子(但し、全てが水素原子である場合を除く)、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又は炭素数3〜4の分岐のアルキル基であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、
(2)R11が炭素数1〜10の直鎖アルキル基又は炭素数3〜10の分岐のアルキル基である場合、R〜R10は水素原子(但し、全てが水素原子である場合を除く)、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又は炭素数3〜4の分岐のアルキル基であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、
(3)上記(1)及び(2)の場合、R12〜R15は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、炭素数3〜4の分岐のアルキル基又はアルコキシ基であり、これらは同一であっても異なっていてもよい。
本願発明の上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド化合物、すなわち、上記(1)及び(3)で表されるスルフェンアミド化合物、並びに、上記(2)及び(3)で表されるスルフェンアミド化合物は、特に、加硫促進性能が良好であると共に、接着性能を高めることができる。
【0036】
上記一般式(I)で表される化合物において、上記(1)又は(2)のR〜R10は、全てが水素原子である場合(シクロヘキシル)を除くので、シクロヘキシル環の少なくとも1つは炭素数1〜4の直鎖アルキル基又は炭素数3〜4の分岐のアルキル基であり、これらは同一であっても異なっていてもよいものである。炭素数1〜4の直鎖アルキル基又は炭素数3〜4の分岐のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
上記(1)又は(2)のR〜R10において、好ましくは、十分に長いスコーチタイムが得られるなどの効果の点から、R、R、R、R10が水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又は炭素数3の分岐アルキル基であり、R〜Rが水素原子であるものが望ましく(但し、R〜R10の全てが水素原子である場合を除く)、更に好ましくは、R、R、R、R10の少なくとも一つが炭素数3〜4の分岐アルキル基(全てが炭素数3〜4の分岐アルキル基以外の場合は残りが水素原子)であることが望ましく、特に好ましくは、R、Rの中の一つ、並びに、R、R10の中の一つが、共に(シクロヘキシル環の2,6の位置に)、炭素数3〜4の分岐アルキル基(イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基)であり、残り2つが水素原子であり、R〜Rが水素原子であるものが望ましい。
【0037】
また、上記(1)の場合のR11は、水素原子であり、上記(2)の場合のR11は、炭素数1〜10の直鎖アルキル基又は炭素数3〜10の分岐のアルキル基である。炭素数1〜10の直鎖アルキル基又は炭素数3〜10の分岐のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基,tert−ブチル基、n−アミル基(n−ペンチル基)、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基などが挙げられる。
上記(2)のR11において、好ましくは、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、炭素数1〜8の直鎖又は炭素数3〜8の分岐アルキル基、更に炭素数1〜5の直鎖又は炭素数3〜5の分岐アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、特に、メチル基、エチル基が好ましい。
【0038】
更に、上記一般式(I)で表される化合物において、上記(3)のR12〜R15は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、炭素数3〜4の分岐のアルキル基又はアルコキシ基であり、これらは同一であっても異なっていてもよく、中でも、全てが水素原子、または、R12とR14が、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、炭素数3〜4の分岐のアルキル基又はアルコキシ基であることが好ましい。更に、R12〜R15が、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基の場合、炭素数1であることが好ましく、特に好ましくは、全てが水素原子であるものが望ましい。好ましいいずれの場合も、化合物の合成のし易さ及び加硫速度が遅くならないためである。
上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド化合物のR12〜R15の具体例としては、水素原子の他、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
【0039】
更に、上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド化合物中のxは1又は2の整数を表し、好ましくは、1が望ましい。
なお、上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド化合物中のR〜R10が水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は炭素数3〜4の分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数が5を超える直鎖又は分岐アルキル基である場合、全てが水素原子である場合、また、R11が水素原子、炭素数1〜10の直鎖又は炭素数3〜10の分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数10を超える直鎖又は分岐アルキル基である場合には、本発明の目的の効果を発揮することが少なく、ムーニースコーチタイムが早くなるため焦げやすくなり加工性が悪化したり、若しくは、接着性が低下したり、または、加硫性能やゴム性能が低下したりすることがある。更に、xが3以上では、安定性の点で好ましくない。
【0040】
本発明において、上記一般式(I)で表される化合物の代表例としては、上記(1)及び(3)で表されるスルフェンアミド化合物では、N,N−メチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−エチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−プロピルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−ブチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−イソプロピルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−tert−ブチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−2,6−ジメチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−2,6−ジエチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−2,6−ジプロピルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−2,6−ジブチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−2,6−ジイソプロピルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−2,6−ジtert−ブチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドなどが挙げられ、
上記(2)及び(3)で表されるスルフェンアミド化合物では、N,N−(2,6−ジメチルシクロへキシル)メチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジメチルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジエチルシクロへキシル)メチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジエチルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジイソプロピルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジtert−ブチルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド
等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を混合して(以下、単に「少なくとも1種」という)用いることができる。
好ましくは、更なる接着性能の点から、N,N−メチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジメチルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N−(2,6−ジイソプロピルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドを用いることが望ましい。
また、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)などの汎用の加硫促進剤と組み合わせて使用することも可能である。
【0041】
本発明の上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド化合物の好ましい製造方法としては、下記方法を挙げることができる。
すなわち、対応するアミンと次亜塩素酸ソーダの反応によりあらかじめ調製したN−クロロアミンとビス(ベンゾチアゾ−ル−2−イル)ジスルフィドを、アミンおよび塩基存在下、適切な溶媒中で反応させる。塩基としてアミンを用いた場合は、中和を行い、遊離のアミンに戻した後、得られた反応混合物の性状に従って、ろ過、水洗、濃縮、再結晶など適切な後処理をおこなうと、目的とするスルフェンアミドが得られる。
本製造方法に用いる塩基としては、過剰量用いた原料アミン、トリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、ナトリウムアルコキシドなどが挙げられる。特に、過剰の原料アミンを塩基として用いたり、3級アミンであるトリエチルアミンを用いて反応を行い、水酸化ナトリウムで生成した塩酸塩を中和し、目的物を取り出した後、ろ液からアミンを再利用する方法が望ましい。
本製造方法に用いる溶媒としては、アルコールが望ましく、特にメタノールが望ましい。
【0042】
例えば、N,N−メチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドでは、N−メチルシクロヘキシルアミンに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾ−ル−2−イル)ジスルフィド、N−メチルシクロヘキシルアミンおよび前述の油層を、メタノ−ルに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウムで中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とする上記化合物を得ることができる。
【0043】
これらのスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜5.0質量部、更に好ましくは、0.8〜2.5質量部とすることが望ましい。
この加硫促進剤の含有量が0.1質量部未満であると、十分に加硫しなくなり、一方、10質量部を越えると、ブルームが問題となり、好ましくない。
【0044】
本発明に用いる硫黄は、加硫剤となるものであり、その含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.3〜10質量部、好ましくは、1.0〜7.0質量部、更に好ましくは、3.0〜7.0質量部とすることが望ましい。
この硫黄の含有量が0.3質量部未満であると、十分に加硫しなくなり、一方、10質量部を越えると、ゴムの老化性能が低下し、好ましくない。
【0045】
更に、本発明のゴム組成物には、初期接着性能の向上の点から、コバルト(単体)及び/又はコバルトを含有する化合物を含有せしめることが好ましい。
用いることができるコバルトを含有する化合物としては、有機酸のコバルト塩、無機酸のコバルト塩である塩化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、リン酸コバルト、クロム酸コバルトの少なくとも1種が挙げられる。
好ましくは、更なる初期接着性能の向上の点から、有機酸のコバルト塩の使用が望ましい。
用いることができる有機酸のコバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等の少なくとも1種を挙げることができ、また、有機酸コバルトは有機酸の一部をホウ酸で置き換えた複合塩でもよく、具体的には、市販のOMG社製の商品名「マノボンド」等も用いることができる。
【0046】
これらのコバルト及び/又はコバルトを含有する化合物の(合計)含有量は、コバルト量として、ゴム成分100質量部に対し、0.03〜3質量部、好ましくは、0.03〜1質量部、更に好ましくは、0.05〜0.7質量部とすることが望ましい。
これらのコバルト量の含有量が0.03質量部未満では、更なる接着性を発揮することができず、一方、3質量部を越えると、老化物性が大きく低下し、好ましくない。
【0047】
本発明のゴム組成物には、上記変性天然ゴムを含むゴム成分、硫黄、上記一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤、コバルト化合物等の他に、タイヤやコンベアベルト等のゴム製品で通常使用される配合剤を本発明の効果を阻害しない範囲で用いることができ、例えば、カーボンブラック、シリカ等の無機充填剤、軟化剤、老化防止剤などを用途に応じて適宜配合することができる。
【0048】
本発明のゴム組成物は、上記各成分を、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等により混練りすることにより製造することができ、乗用車、トラック、バス、二輪車用等のタイヤのトレッド、ホース、ベルトコンベアなどの肉厚のゴム製品、ゴムと金属との直接加硫接着するゴム製品などに好適に使用できる。
本発明のゴム組成物では、自動車用タイヤ、コンベアベルト、ホース等、特に強度が要求されるゴム製品、具体的には、ゴムを補強し強度、接着耐久性を向上させ、低発熱性を発揮させる目的で、スチールコード等の金属補強材をゴム組成物で被覆したゴム−金属複合材料用に好適に適用することができる。
【0049】
このように構成される本発明のゴム組成物では、加硫後ゴムの物性低下、ブルーミング等の問題を生じる可能性のある加硫遅延剤を使用することなく、DCBSと同等以上の加硫遅延効果を有する加硫促進剤、並びに、ゴムやけの発生が格段に少なく、作業性に優れ、配合ゴムの経時変化が少なく安定した接着耐久性を発現するスチールコードなどの金属材料等との接着性に格段に優れると共に、低発熱性に優れたゴム組成物が得られるものとなり、また、コバルト(単体)及び/又はコバルトを含有する化合物を更に含有するゴム組成物では、更に、タイヤや工業用ベルト等のゴム製品に用いられるスチールコード等の金属補強材との接着耐久性に優れるゴム組成物が得られるものとなる。
【実施例】
【0050】
次に、本発明の変性天然ゴムの製造例、加硫促進剤の製造例、並びに、本発明のゴム組成物の実施例及び比較例に基づいて更に詳述するが、本発明は、これらの製造例、実施例に何ら限定されるものではない。
【0051】
<変性天然ゴムの製造例1>
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert−ブチルハイドロパーオキサイド1.2gとテトラエチレンペンタミン1.2gとを加え、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
【0052】
(凝固及び乾燥工程)
上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えたN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、得られた変性天然ゴムAの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
【0053】
<変性天然ゴムの製造例2>
単量体としてN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート3.0gの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.1gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムBを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムBの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
【0054】
<変性天然ゴムの製造例3>
単量体としてN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート3.0gの代わりに、4−ビニルピリジン1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムCを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムCの極性基含有量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。
【0055】
〔加硫促進剤の製造例1:N,N−メチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドの合成〕
N−メチルシクロヘキシルアミン18.3g(0.162mol)に12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液148gを0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾ−ル−2−イル)ジスルフィド39.8g(0.120mol)、N−メチルシクロヘキシルアミン27.1g(0.240mmol)および前述の油層を、メタノ−ル120mlに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウム6.6g(0.166mol)で中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするN,N−メチルシクロへキシル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドを白色固体として得た。
【0056】
〔加硫促進剤の製造例2:N,N−(2,6−ジメチルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドの合成〕
N−メチルシクロヘキシルアミンの代わりにN−ジメチルシクロへキシルエチルアミン25.1g(0.162mol)用いて実施例1と同様に行い、N,N−(2,6−ジメチルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドを白色固体として得た。
【0057】
〔加硫促進剤の製造例3:N,N−(2,6−ジイソプロピルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドの合成〕
N−メチルシクロヘキシルアミンの代わりにN−ジイソプロピルシクロへキシルエチルアミン34.2g(0.162mol)用いて実施例1と同様に行い、N,N−(2,6−ジイソプロピルシクロへキシル)エチル−2−ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドを白色固体として得た。
【0058】
〔実施例1〜4及び比較例1〜4〕
2200mlのバンバリーミキサーを使用して、ゴム成分として、通常の天然ゴム(RSS#3素練りゴム)、変性天然ゴム(製造例1で得た変性天然ゴム)、硫黄、上記製造例1〜3で得た新規加硫促進剤1〜3、有機酸コバルト塩、その他の配合剤を下記表1に示す配合処方で混練り混合して未加硫のゴム組成物を調製し、以下の方法で、ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム、低発熱性を評価した。
次に、上記で得た各ゴム組成物を、スチールコードにコーティングし、以下の条件で加硫して、得られた各実施例および比較例のゴム−スチールコード複合体につき、下記の方法で接着性試験にて短時間加硫後、耐熱接着性を評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
【0059】
(ムーニー粘度、ムーニースコーチタイムの評価方法)
JIS K 6300−1:2001に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。ムーニー粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示し、ムーニースコーチタイムは、値が大きい程、作業性が良好であることを示す。
【0060】
(低発熱性の評価方法)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、(比較例1のtanδ/実施例のtanδ)×100として指数表示(比較例1を100と)した。この値が大きいほど、低発熱性が良好であることを示す。
【0061】
(接着性試験:耐熱接着性の評価方法)
黄銅(Cu;63質量%、Zn;37質量%)メッキしたスチールコード(外径0.5mm×長さ300mm)3本を10mm間隔で平行に並べ、該スチールコードを上下両側から上記未加硫ゴム組成物でコーティングし、これを直ちに160℃で20分間加硫して、サンプルを作製した。
得られた各サンプルの接着性について、ASTM−D−2229に準拠して、該サンプルのスチールコードを引き抜き、ゴムの被覆状態を目視で観察し、被覆率を0〜100%で表示して、各接着性の指標とした。耐熱接着性は、各サンプルを100℃のギヤオーブンに15日、30日間放置した後に、上記試験法にて、スチールコードを引き抜き、ゴムの被覆状態を目視で観察し、0〜100%で表示し、各熱接着性の指標とした。数値が大きい程、耐熱接着性に優れていることを示す。
【0062】
【表1】

【0063】
上記表1中の*1〜*9は、下記のとおりである。
*1:RSS#3
*2:製造例1で得た変性天然ゴム
*3:N−フェニル−N´−1,3−ジメチルブチル―p−フェニレンジアミン
(大内新興化学工業社製、商品名:ノゴム−スチールコード複合体クセラー6C)
*4:N,N´−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
(大内新興化学工業社製、商品名:ノクセラーDZ)
*5:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
(大内新興化学工業社製、商品名:ノクセラーCZ)
*6:OMG社製、商品名:マノボンドC22.5、コバルト含有量22.5質量%
*7:N−メチルシクロヘキシル−2−スルフェンアミド
【化4】

*8:N−エチル−N−(2,6−ジメチルシクロヘキシル)−2−スルフェンアミド
【化5】

*9:N−エチル−N−(2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル)−2−スルフェンアミド
【化6】

【0064】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜4は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べて、ムーニー粘度、ムーニースコーチタイムの評価から作業性に優れると共に、低発熱性であり、加硫後の接着耐久性に格段に優れていることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明のゴム組成物では、乗用車、トラック、バス、二輪車用等のタイヤ、ベルトコンベアなどの肉厚のゴム製品における、ゴム−スチールコードとの直接加硫接着するゴム製品などに好適に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合させてなる変性天然ゴムを含むゴム成分と、硫黄と、下記一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤とを含有してなることを特徴とするゴム組成物。
【化1】

【請求項2】
前記変性天然ゴムの極性基含有量は、変性天然ゴム中のゴム成分に対して、0.001〜0.5mmol/gの範囲である請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記変性天然ゴムが、更に凝固されてなる請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記変性天然ゴムが、更に乾燥されてなる請求項3に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記ゴム成分100質量部に対し、一般式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量が、0.1〜10質量部であり、かつ、硫黄が0.3〜10質量部である請求項1〜4の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項6】
更に、コバルト及び/又はコバルトを含有する化合物を含有する請求項1〜5の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項7】
コバルト及び/又はコバルトを含有する化合物の含有量がコバルト量として、ゴム成分100質量部に対し、0.03〜3質量部含む請求項6に記載のゴム組成物。
【請求項8】
コバルトを含有する化合物が有機酸のコバルト塩である請求項6又は7に記載のゴム組成物。
【請求項9】
前記一般式(I)中のR12〜R15が水素原子である請求項1〜8の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項10】
前記一般式(I)中のR11が水素原子であり、xが1である請求項1〜9の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項11】
前記ゴム成分100質量%中、前記変性天然ゴムが10質量%以上の量で含む請求項1〜10の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項12】
前記ゴム成分100質量%中、前記変性天然ゴムが50質量%以上100質量%未満の量で含む請求項1〜11の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項13】
前記ゴム成分が、合成ゴムまたは前記変性天然ゴム以外の天然ゴムを含む請求項1〜12の何れか一つに記載のゴム組成物。
【請求項14】
前記合成ゴムがポリイソプレンゴムである請求項13に記載のゴム組成物。

【公開番号】特開2012−102186(P2012−102186A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249724(P2010−249724)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】