ゴルフのスイング練習具

【目的】軽快なスイングのフォームと軽いクラブヘッドでのスイング感覚を習得し、シンプルな構造で安全性の高いゴルフのスイング練習具を得る。
【構成】合成ゴムなどからなる素材のヘッド部とグリップ部をシャフト部材でアウトサート成型で一体化し、ヘッド部内の先端近くからグリップ部内の末端までに該シャフト部材の両端を埋設してあるゴルフのスイング練習具の構造。

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の属する技術分野】
この考案は、ゴルフのスイング練習具の改良に関し、正しいスイング軌道を確認し、軽快なスイングのフォームと軽いクラブヘッドのスイング感覚を習得するためのスイング練習具を提供するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のこれらのスイング練習具においては、グリップの先端にボールのような球体を取付けた紐を連結してなる練習具であるとか、金属棒の先端におもりを設けたもの、またモデルグリップのシャフト先端に形成したヘッド部の重さを自在に調整できる構造にした素振りの練習具などが知られている。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
従来の素振りの練習具は、グリップ部とシャフト部あるいはシャフト部とヘッド部に使用する材質を違えて構成しているため、接続する構造にしなければならず、そのジョイント部の耐久性などに問題が生じたり、特に複雑な構造で金属製からなる製品においては安全性に欠けることもあった。
そのために安全性を重視した練習用品も開発されてはいるが、専門的で高価な価格となり安易に購入できない製品もあった。
また、素振りの練習において、従来の練習具においてはヘッド部が比較的に重く、金属部品を使用しているため練習具自体も重いものとなり、シャフト部の素材もスチールなどの硬い素材を用いているため、単に腕力を鍛えるだけの素振り道具になってしまい、特に腕力のない練習者は繰り返し素振りをしている内に疲れがでるから、素振り回数も自然と少なくなり練習効果が余り期待出来なかった。従って、チタンヘッドクラブのような軽くてヘッド容積の大きいクラブでスイングした感触が得られる練習具の開発が望まれていたが、この様な練習が出来る製品は提案されていなかった。
この考案は、叙述の問題点を改良し、練習時の安全性を重視し、最もシンプルな構造にしてコストダウンを計ると共に、腕力が弱くても疲れることなく適度な練習が可能となり、軽いクラブで素振りした時と同じ様なヘッドスピードを感じながら練習ができるゴルフのスイング練習具を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を達成するためにこの考案は、合成ゴムなどからなる柔軟性に富む素材のヘッド部とグリップ部をシャフト部材で同時にアウトサート成型で一体にしたものであり、該ヘッド部の重さを２５０ｇ乃至３５０ｇとし、ヘッド部とグリップ部を連結するシャフト部材の末端から先端方向にテーパーを施し、該ヘッド部内の先端近くからグリップ部内の末端に亘ってシャフト部材の両端を埋設したゴルフのスイング練習具である。
【０００５】
【考案の作用】
合成ゴムからなるヘッド部とグリップ部とこれらを連結するＦＲＰのシャフト部材は一体に成型されているのでの練習具としては軽量となっており、合成ゴムより硬質で弾力性のあるシャフト部材を使用したのでグリップ部を持っただけで自然に撓むことは少なく、該シャフト部材が前記のヘッド部内の先端近くからグリップ部内の末端まで挿入された状態で一体となっているからスイング練習具の先端から末端まで撓む作用があり、ヘッドの軽いゴルフクラブと略同じ感覚で素振りすることができ、従来の練習具に比べてヘッド部の重さを軽くしてあっても素振りをするとグリップ部内のシャフト部材の末端からヘッド部内のシャフト部材の先端まで全体が程良くしなるようになる。
また、該シャフト部材の先端を先細りにしてテーパーを施すことによってヘッド部が従来のものより軽くなっても、ヘッド部の重さを感じながら柔軟なゴムの作用とでシャフトのしなりを確認しながら容積が大きくて軽いチタンヘッドクラブやジュラルミンヘッドクラブで素振りした感覚での練習が行えるものである。
【０００６】
【考案の実施の形態】
今、この請求項記載の実施例を図面によって説明する。
柔軟性のある合成ゴムからなるヘッド部３とグリップ部４をシャフト部２を介して一体に成型してあり、全長を約６０乃至８０ｃｍとし、ヘッド部３の重さを３００ｇ程度の軽量なものに設計してある。
断面形状が丸型のシャフト部材２の直径は末端６を９．９ｍｍで、先端５を５．
７ｍｍとし、先端５に向かって先細りになるテーパーを施し、該シャフト部材２の素材にはＦＲＰを使用して素振りした時のしなり効果がでるようにしてある。
グリップ部４は、モデルグリップと称される基本的な握り方ができる形状を有するものを用い、握った際に強く力のかかる部分が確認できるための縦リブ８を前後４箇所に設けてある。
ヘッド部３の形状は略球形にしてあり、素振りをした時の多少の抵抗感を得るために該ヘッド部３の表面上下に溝部７を設け、テーパーを施したシャフト部材２に該ヘッド部３とグリップ部４を同時にアウトサート成型し、該シャフト部材２の埋設される両端部分の位置が、該ヘッド部３内の先端近くからグリップ部４内の末端までとなる状態にして、繰り返しの練習でヘッド部３あるいはグリップ部が該シャフト部材２から外れて飛ぶことのないように確実に一体化されている。
上記の構成からなるゴルフのスイング練習具１は、従来の練習具ヘッドの重さが５００ｇ以上であったものを３００ｇとし、シャフト部材２をヘッド部３とグリップ４部に接続するための金属部品が不要となりスイング練習具１全体の重量を軽くすことができたので、繰り返しの素振り練習でシャフト部材２が折れ曲がる虞れもなく、素振りの際に程良く撓むようにその材質および寸法などを設定してあり、組立する手間や工程が全く不用となりコストダウンが計れる。
この実施例によるゴルフのスイング練習具１を使って練習を行う場合は、まず通常のスタンスで姿勢をつくり、ゆっくりとテークバックを始め、シャフト部材２の撓み具合を確認しながらバックスイング位置まで肩を捻転させ、ダウンスイングを始めた後インパクトをむかえ、その瞬間のヘッド部３の重さを感じながら軽いクラブでの素振り感覚を習得する。
また安全性についても、ヘッド部３、シャフト部材２、グリップ部４のそれぞれを連結するジョイント部材を必要とせず、柔軟性のある合成ゴムとＦＲＰで一体化しているので、練習中にシャフト部材がグリップ部から外れて飛んだり破損する心配も生じない。
従来のスイング練習具と比較して軽量であり、主にヘッド部３の軽量化を計ることで、チタンクラブでスイングしたシャフトのしなりに近似する練習効果と、腕力の弱い練習者でも余り疲れを生じさせることなく、納得するまで練習が出来るので極めて便利な練習具が提供できるものである。
【０００７】
【考案の効果】
叙述のように構成し作用するこの考案においては、シャフト部材に対してヘッド部とグリップ部をアウトサート成型し、該シャフト部材の両端部分を埋設する位置において、該ヘッド部内の先端近くからグリップ部内の末端に亘りシャフト部材を構成しているので、スイング練習具全体が程良くしなり、ヘッド部を軽くしてチタンヘッドクラブやジュラルミンヘッドで素振り練習をした時と同様な練習効果が得られ、スイング練習具全体の軽量化により、一定時間内での素振りをする回数を増やすことができるので練習効率もアップされ、しかも一体に成型されているので、素振り練習の最中に部品が飛んで他の物を破損させることもなく、狭い場所で手軽に練習が行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この考案に係るゴルフのスイング練習具を示す全体斜視図である。
【図２】この考案に係るゴルフのスイング練習具の断面図である。
【符号の説明】
２シャフト部材
３ヘッド部
４グリップ部
５先端
６末端
７溝部
８縦リブ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】合成ゴムなどからなる柔軟性に富む素材のヘッド部とグリップ部をシャフト部材で同時にアウトサート成型で一体にしたものであり、該ヘッド部の重さを２５０ｇ乃至３５０ｇとし、ヘッド部とグリップ部を連結するシャフト部材の末端から先端方向にテーパーを施し、該ヘッド部内の先端近くからグリップ部内の末端に亘ってシャフト部材の両端を埋設したことを特徴とするゴルフのスイング練習具。

【図１】